JPH10333756A - 電子装置並びにその電子装置を有する電子スイッチ装置及びその製造方法 - Google Patents

電子装置並びにその電子装置を有する電子スイッチ装置及びその製造方法

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JPH10333756A
JPH10333756A JP8748398A JP8748398A JPH10333756A JP H10333756 A JPH10333756 A JP H10333756A JP 8748398 A JP8748398 A JP 8748398A JP 8748398 A JP8748398 A JP 8748398A JP H10333756 A JPH10333756 A JP H10333756A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスコストを上昇させることなく、低電
圧電源に対応可能で且つ検出温度のばらつきが抑制され
た温度検出用の電子装置を提供する。 【解決手段】 温度検出用の電子装置が、温度変化に対
応してしきい値電圧が変化し、検出基準温度に対応する
基準電圧と該しきい値電圧とが一致したときに制御信号
を出力する電子制御手段と、温度変化に対して正の方向
に該基準電圧を変化させて、該電子制御手段に出力する
電圧供給手段と、を備え、該電子制御手段は、該温度変
化に対して負の方向に該しきい値電圧が変化するように
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子装置、並びに
その電子装置を有する電子スイッチ装置とその製造方法
に関し、より具体的には、温度変化によって出力電圧が
変化する電子部品を使用して構成される温度検出用の電
子装置、及びそのような電子装置を用いて構成されてい
る過熱保護機能を内蔵した電子スイッチ装置とその製造
方法に関する。特に、本発明は、MOS型トランジスタ
(以下、「MOSFET」と称する)を内蔵した温度検
出用電子装置、及びその温度検出用電子装置を有する電
子スイッチ装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の過熱保護機能を内蔵した
電子スイッチ装置の等価回路図であり、1は、6個のダ
イオードが直列に接続されたダイオード群、2は、電源
ラインである。ダイオード群1において、最上段にある
ダイオードのアノード電極が電源ライン2に接続されて
いる。
【0003】一般に、電源ライン2の温度係数は、外部
の電源を接続するために非常に小さい。また、内部で電
圧源をつくる場合でも、温度係数が小さくなるように設
計される。
【0004】温度検出用の電子装置4は、ダイオード群
1と抵抗3とによって構成されている。抵抗3の一方の
電極は、ダイオード群1の最下段のダイオードのカソー
ド電極に接続され、他方の電極は、GNDラインに接続
されている。ダイオード群1の最下段のカソード電極と
抵抗3との接続点の電圧が、出力信号として、次段に出
力される(ここでは、検出温度は150℃で設計されて
いる)。
【0005】5はMOSFETからなるパワースイッチ
であり、6はゲート遮断MOSFETである。電子装置
4からの出力信号を受けたゲート遮断MOSFET6に
よって、パワースイッチ5のゲート端子7の電圧が遮断
される。これにより、図7の構成では、素子が熱破壊に
至る直前の温度になると(すなわち、所定の検出温度に
達すると)、電子装置4から出力信号を発生させてパワ
ースイッチ5を遮断するという方法で、過熱保護機能を
実現している。
【0006】以上のように構成された従来の電子装置
4、並びにこの電子装置4を使用したパワースイッチ5
の過熱保護機能について、以下に、その動作をさらに詳
しく説明する。
【0007】一般にダイオードの順方向電圧は、温度が
上昇すると約−2.5mV/℃で低下することが知られ
ている。このような特性を利用して、ダイオードは、従
来から、温度検出に用いられてきている。電子装置4に
おいて、ダイオード群1は6個の直列に接続されたダイ
オードから構成されているので、トータルの順方向電圧
は、室温に相当する25℃から過熱検出温度である15
0℃に至るまでの間に、約1.9V(より具体的には、
0.0025V/℃×6×(150℃−25℃)=1.
875V)だけ低下する。この低下により、ゲート遮断
MOSFET6をオンさせるために必要な電源ライン2
の電圧、すなわちダイオード群1を介してゲート遮断M
OSFET6のゲートに印加されるべきしきい値電圧V
2Tが、4.6Vから2.7Vヘ、1.9Vだけ低下す
る。
【0008】従って、電源ライン2の電圧V2を2.7
Vに設定しておけば、温度が150℃に達したときに、
しきい値電圧V2Tと電圧V2とが一致してゲート遮断
MOSFET6がオンして、パワースイッチ5を遮断す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
従来技術による図7の構成は、以下のような問題点を有
している。
【0010】図8は、図7における従来の温度検出用の
電子装置4の温度特性を示すグラフである。
【0011】図示されるように、しきい値電圧V2Tと
電源ライン2の電圧V2とは、検出温度である150℃
において交点を持つ。しかし、ダイオード群1の順方向
電圧が変動すると、この交点の位置がずれる。図中の破
線は、ダイオード群1の順方向電圧が±0.3V(ダイ
オード1個あたりで±0.05V)変動した場合におけ
るしきい値電圧V2Tの温度特性を示しており、本来の
検出温度である150℃の近傍においては、検出温度
(特性線の交点)は±22℃も変動する。これは、室温
に相当する25℃から過熱検出温度である150℃に至
るまでの温度範囲では、しきい値電圧V2Tと電源ライ
ン2の電圧V2との差において、温度変化に伴う変化分
が小さく、ダイオード群1の順方向電圧のばらつき分が
その差の16%を占めているためである。
【0012】このように、ダイオードの順方向電圧の温
度特性のみを用いる従来の温度検出装置では、温度に対
するゲイン(温度変化に対する出力電圧の変化率、すな
わち感度)が小さいために、構成している素子特性のば
らつきが温度による電圧変化に与える影響が大きくな
り、結果として、検出温度のばらつきが大きくなるとい
う課題を有している。
【0013】検出温度のばらつきを抑えるためには、ダ
イオードの個数を増やして温度変化に対するゲインを上
げる方法や、高精度のコンパレータを使用してばらつき
要素を低減するという方法が用いられている。
【0014】しかし、前者については、低電圧駆動化が
進む中では、電源ラインとGNDラインとの間に直列接
続できるダイオードの個数に限界がある。また、後者に
ついては、コストのかかるPN分離プロセスなど、素子
間を完全に分離できるプロセスを使用する必要がある。
従って、何れの方法も、上記の課題の解決策としては、
必ずしも好ましいではない。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、その目的は、(1)プロセスコス
トを上昇させることなく、低電圧電源に対応可能で且つ
検出温度のばらつきが抑制された温度検出用の電子装置
を提供すること、並びに、(2)このような温度検出用
の電子装置を用いて、低コストで且つ動作機能のばらつ
きの少ない、過熱保護機能を内蔵した電子スイッチ装置
及びその製造方法を提供すること、である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る電子装置は、温度検出用の電子装置であって、温度変
化に対応してしきい値電圧が変化し、検出基準温度に対
応する基準電圧と該しきい値電圧とが一致したときに制
御信号を出力する電子制御手段と、温度変化に対して正
の方向に該基準電圧を変化させて、該電子制御手段に出
力する電圧供給手段と、を備え、該電子制御手段は、該
温度変化に対して負の方向に該しきい値電圧が変化する
ように構成されており、そのことによって、上記の目的
が達成される。
【0017】この構成により、温度の上昇に伴って、電
圧供給手段の出力電圧として供給される基準電圧と電子
制御手段のしきい値電圧がお互いに逆に変化するので、
相乗効果によって温度変化に対する電圧の変化分(ゲイ
ン)が増加する。この結果、検出温度の温度変化におけ
る構成素子の動作のばらつきの影響が相対的に低減され
て、結果として、検出温度のばらつきが低減される。
【0018】好ましくは、前記電圧供給手段は、端子間
の電圧を、前記温度変化に対して負の方向に変化させ
る、負の温度係数を有する第1の素子と、該端子間の電
圧を、該温度変化に対して正の方向に変化させる、正の
温度係数を有する第2の素子と、を備えており、該第1
及び第2の素子はお互いに直列に接続されていて、該第
1及び第2の素子の間の端子からの出力電圧が該電子制
御手段に入力するように構成されている。
【0019】ある実施形態では、前記電圧供給手段にお
いて、前記第1の素子は、ポリシリコンで形成された抵
抗を含み、前記第2の素子は、ドレイン電極とゲート電
極とが接続されたMOS型トランジスタを含む。
【0020】このようにすることによって、温度の上昇
に伴って増加された基準電圧が、電子制御手段に出力さ
れる。
【0021】他の実施形態では、前記電圧供給手段にお
いて、前記第1の素子は、ポリシリコンで形成された抵
抗を含み、前記第2の素子は、ドレイン電極とゲート電
極とが接続された第1のMOS型トランジスタを含み、
前記電子制御手段は、抵抗と第2のMOS型トランジス
タとを含み、該電子制御手段に含まれる該第2のMOS
型トランジスタのしきい値電圧が、該電圧供給手段に含
まれる該第1のMOS型トランジスタのしきい値電圧よ
りも高い。
【0022】このような構成では、電圧供給手段及び電
子制御手段が何れも、ポリシリコン抵抗やMOS型トラ
ンジスタなどの自己分離構造で形成できる素子の組合せ
によって構成されるので、PN分離プロセスや誘電体分
離プロセスなどのコストがかかるプロセスを使用するこ
となく、感度が高く且つ検出温度のばらつきの少ない温
度検出用の電子装置が実現される。
【0023】より好ましくは、前記電圧供給手段に含ま
れる前記第1のMOS型トランジスタのしきい値電圧
と、前記電子制御手段に含まれる前記第2のMOS型ト
ランジスタのしきい値電圧とが、温度変化に対して、同
じ符号の温度係数を有する。
【0024】これにより、製造工程でのパラメータのば
らつきによりMOS型トランジスタのしきい値電圧が変
動しても、 電圧供給手段の出力電圧と電子制御手段の
入力しきい値電圧とは同じ方向にオフセットし、検出温
度のばらつきは抑えられる。
【0025】前記電子制御手段に含まれる前記第2のM
OS型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面の不
純物濃度は、前記電圧供給手段に含まれる前記第1のM
OS型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面の不
純物濃度よりも高く設定され得る。
【0026】これにより、電子制御手段に含まれるMO
S型トランジスタのしきい値電圧が、電圧供給手段に含
まれるMOS型トランジスタのしきい値電圧よりも高く
設定される。
【0027】本発明の他の局面によって提供される電子
スイッチ装置は、温度検出用電子装置と、パワースイッ
チと、該温度検出用電子装置の出力に基づいて該パワー
スイッチのオン/オフ動作を制御する過熱保護用制御部
と、を備える電子スイッチ装置であって、該温度検出用
電子装置が、上記に記載の特徴を有する電子装置であ
り、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0028】これにより、オン/オフ制御の精度が良
い、過熱保護機能が内蔵された電子スイッチ装置が実現
される。
【0029】ある実施形態では、前記パワースイッチが
MOS型トランジスタを含み、前記温度検出用電子装置
が、お互いに直列に接続されたMOS型トランジスタと
ポリシリコンにより形成された抵抗とを含み、該パワー
スイッチと該温度検出用電子装置とが同一の半導体基板
上に形成されている。
【0030】この構成で、温度検出用電子装置の出力を
パワースイッチの制御回路に入力することにより、動作
機能のばらつきの少ない電子スイッチ装置が、低コスト
で実現される。
【0031】本発明の他の局面によれば、温度検出用電
子装置と、パワースイッチと、該温度検出用電子装置の
出力に基づいて該パワースイッチのオン/オフ動作を制
御する過熱保護用制御部と、を備え、該パワースイッチ
と該温度検出用電子装置とが同一の半導体基板上に形成
されている電子スイッチ装置の製造方法が提供される。
該製造方法は、該温度検出用電子装置に含まれる電子制
御手段のMOS型トランジスタのソース領域の周囲の基
板表面の不純物濃度を、該温度検出用電子装置に含まれ
る電圧供給手段のMOS型トランジスタのソース領域の
周囲の基板表面の不純物濃度よりも高くする濃度調節工
程と、該パワースイッチのウェルを形成するウェル形成
工程と、を包含し、該濃度調節工程と該ウェル形成工程
とが同時に行われる。このような特徴によって、前述の
目的が達成される。
【0032】これにより、製造工程でのパラメータのば
らつきによる検出温度のばらつきが、大幅に低減され
る。
【0033】本発明のさらに他の局面によれば、同一の
半導体基板に設けられた低耐圧領域及び高耐圧領域と、
該低耐圧領域の下部に設けられた浅いウェル領域と、該
浅いウェル領域に連続して該浅いウェル領域の周辺を実
質的に囲み、且つ該浅いウェル領域よりも深い位置に達
するように形成された、該浅いウェル領域と同じ導電型
を有するがより高い不純物濃度を有する、深いウェル領
域と、を備えている電子装置が提供され、そのことによ
って、前述の目的が達成される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の幾つかの実施形態
について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0035】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態による電子装置100、具体的には、温度検
出用電子装置を含む電子スイッチ装置100の等価回路
図であり、図2は、温度検出用電子装置を半導体装置と
して構成したときの素子構造を示す断面図である。
【0036】図1において、10は電圧供給装置であ
り、11は温度を検出した際の信号を後段の素子に出力
できる制御装置(以下、単に「制御装置」とも称する)
である。12は温度検出用電子装置(以下、単に「電子
装置」とも称する)であり、この電子装置12は、電圧
供給装置10と制御装置11とによって構成されてい
る。13はパワースイッチであり、このパワースイッチ
13は、MOSFETによって構成されている。14
は、パワースイッチ13の制御部である。電子装置1
2、パワースイッチ13、及び制御部14が、過熱保護
機能内蔵型電子スイッチ装置100を構成している。
【0037】電圧供給装置10は、抵抗15とMOSF
ET16のドレイン端子及びゲート端子とを接続して、
構成されている。一方、制御装置11は、複数のダイオ
ードが直列に接続されているポリシリコンダイオード群
17に、さらにポリシリコン抵抗18を直列に接続し
て、構成されている。
【0038】図2は、電圧制御装置、及びその電子制御
装置が形成されている半導体基板の構造を示す断面図で
ある。具体的には、20はN型エピタキシャル領域、2
1はP型ウェル、22はソースN型領域、23はドレイ
ンN型領域、24は絶縁膜、25は層間絶縁膜、26は
ゲートポリシリコン層、27はポリシリコン層、28は
アノード領域、29はカソード領域、30はアルミ電
極、31はソース電極、32はゲート電極、33はドレ
イン電極を示す。
【0039】以下ではまず、MOSFETの構成及びそ
の製造方法を説明する。
【0040】まず、N型エピタキシャル領域20の上に
絶緑膜24を選択的に形成し、開口部にP型ウェル21
を形成する。P型ウェル21の上にはゲートポリシリコ
ン層26を形成し、さらに、ゲートポリシリコン層26
をマスクにして、P型ウェル21の上にソースN型領域
22及びドレインN型領域23を形成する。続いて、ソ
ースN型領域22、ドレインN型領域23、及びゲート
ポリシリコン層26を、層間絶縁膜25によって被覆す
る。次に、層間絶縁膜25のうちでソースN型領域22
及びドレインN型領域23の上の部分を除去し、その代
わりにその部分にアルミ電極30を形成する。これによ
って、アルミ電極30とソースN型領域22及びドレイ
ンN型領域23とを接続する。
【0041】次に、ポリシリコン抵抗及びダイオードの
構成及びその製造方法を説明する。
【0042】まず、N型エピタキシャル領域20の上
に、絶緑膜24を選択的に形成する。絶縁膜24の上に
はポリシリコン層27を形成し、さらに、アノード領域
28とカソード領域29とを、同一のポリシリコン層2
7の中に、お互いに接触するように形成する。続いて、
ポリシリコン層27、アノード領域28、及びカソード
領域29を層間絶縁膜25によって被覆する。さらに、
層間絶縁膜25のうちで、ポリシリコン層27、アノー
ド領域28、及びカソード領域29において端子となる
部分の上に位置する部分を除去し、その代わりにその部
分にアルミ電極30を形成する。これによって、アルミ
電極30と、ポリシリコン層27、アノード領域28及
びカソード領域29の所定の箇所とを、接続する。
【0043】図1における抵抗15は、具体的には、図
2に示すように、絶縁膜24の上のポリシリコン層27
として形成されており、負の温度係数を有している。一
方、MOSFET16は、図2に示すMOSFETのよ
うにラテラル構造を有しており、ゲート電極32とドレ
イン電極33とが短絡されて抵抗15に接続されてい
る。MOSFET16のゲート−ソース間電圧は、ドレ
イン電流の値に応じて、正の温度係数及び負の温度係数
の双方を有し得るが、ここでは、正の温度係数を有する
ように、抵抗15の抵抗値を調整している。
【0044】電圧供給装置10の入力端子39は、抵抗
15の一方の端子(抵抗15の高電位側)とし、一方、
出力端子40は、抵抗15とMOSFET16のドレイ
ン端子及びゲート端子との接続点であるA点(MOSF
ET16の高電位側)からとっている。
【0045】制御装置11の入力端子41に一定電圧が
与えられた状態で温度が上昇すると、ポリシリコンで形
成されている抵抗15の抵抗値は下がる。すなわち、抵
抗15の端子間の電圧は、負の温度係数を有する。一
方、温度の上昇に伴って、正の温度係数を有するMOS
FET16のゲート−ソース間電圧は上昇し、従って、
A点の電圧VOAも上昇する。すなわち、この電圧供給
装置10の出力電圧VOAは、温度の上昇とともに上昇
する。
【0046】制御装置11は、ダイオード群17の最上
部のダイオードのアノード端子をその入力端子41と
し、ポリシリコン抵抗18と最下部のダイオードのカソ
ード端子との接続点Bから、出力端子42をとってい
る。出力端子42からは、ダイオード群17に電流が流
れない場合にはLow信号が出力され、電流が流れる場
合にはHigh信号が出力される。
【0047】ある温度において入力端子41の電圧を上
昇させていくと、ポリシリコンダイオード群17の順方
向電圧の総和以上の電圧になったときに電流が流れ始め
て、出力端子42の電圧VOAは急激に上昇する。出力
電圧VOAが急激に上昇すると、後段の素子の状態が反
転する。後段の素子の状態が反転するために必要な入力
電圧(入力しきい値電圧)VIBは、ポリシリコンダイ
オード群17の順方向電圧の温度係数が負であることか
ら、温度が上昇すると低くなる。すなわち、この制御装
置11の入力しきい値電圧VIBは、負の温度係数に基
づいて変化する。
【0048】このように、電子装置12は、出力電圧V
OAの温度係数が正である電圧供給装置10の出力端子
40と、入力しきい値電圧VIBの温度係数が負である
制御装置11の入力端子41とを接続して、構成されて
いる。
【0049】また、パワースイッチ13の制御部14
は、パワースイッチ13のゲート電圧を制御するための
ゲート遮断MOSFET43と、プルダウンのための抵
抗44とで構成されており、電子装置12の出力が、ゲ
ート遮断MOSFET43のゲートに入力されている。
【0050】なお、ここでは、温度検出用の電子装置1
2とパワースイッチ13と制御部14とを同一半導体基
板上に形成して、過熱保護機能を内蔵した半導体装置を
実現している。
【0051】以下、本発明の第1の実施形態における電
子装置100の具体的な動作について、説明する。
【0052】電圧供給装置10においては、抵抗15の
抵抗値を25kΩ、MOSFET16のしきい値電圧を
1V(ドレイン−ソース間電圧VDS=5V、及びドレ
イン−ソース間電流IDS=1μA)とし、一方、制御
装置11においては、ダイオード群17に含まれる個々
のポリシリコンダイオードの順方向電圧を0.6Vと
し、ダイオード群17を構成するダイオードの個数を6
個、ポリシリコン抵抗18の抵抗値を200kΩとして
いる。
【0053】また、ゲート遮断MOSFET43とし
て、しきい値電圧が1VであるNチャンネルMOSFE
Tを用いる。ゲート遮断MOSFET43のドレイン端
子は、パワースイッチ13のゲートに接続する配線に接
続され、またゲート端子は、制御装置11の出力端子4
2、すなわち温度検出用の電子装置12の出力に接続さ
れている。
【0054】このような構成とすることにより、検出温
度が150℃であるような、MOSFETの過熱保護機
能を有する電子スイッチ装置100が実現できる。
【0055】温度25℃において電圧供給装置10の入
力端子39に5Vの電圧を印加すると、A点の電圧VO
Aは、抵抗15とMOSFET16により分割された電
圧、具体的には2.1Vとなる。一方、制御装置11の
入力しきい値電圧VIBは4.6Vとなるため、この温
度の場合は、電子装置12からLow信号が出力され、
ゲート遮断MOSFET43はオフしている。
【0056】ここで、温度が150℃になると、抵抗1
5の抵抗値が低下して流れる電流が増加するとともに、
MOSFET16のゲート−ソース間電圧が上昇するた
め、A点の電圧VOAは2.7Vにまで上昇する。一
方、制御装置11の入力しきい値電圧VIBは、ポリシ
リコンダイオードの順方向電圧が−2.5mV/℃で低
下するため、2.7Vまで低下する。従って、ゲート遮
断MOSFET43はオンして、パワースイッチ13の
ゲート電圧は、プルダウン抵抗44の電圧降下により低
下する。これに伴って、パワースイッチ13はオフす
る。
【0057】このようにして、検出温度が150℃であ
るようなMOSFETの過熱保護機能を実現している。
【0058】図3は、電圧供給装置10の出力電圧VO
Aと制御装置の入力しきい値電圧VIBとの関係を示す
グラフである。
【0059】図示されるように、25℃においては、電
圧供給装置10の出力電圧VOAと制御装置11の入力
しきい値電圧VIBとの差が、2.5Vである。しか
し、検出温度である150℃においては、電圧供給装置
10の出力電圧VOAと制御装置11の入力しきい値電
圧VIBとは一致している。すなわち、25℃から15
0℃に温度が変化する間に、上記の電圧差は2.5Vだ
け変化する。
【0060】ここで、ダイオード群17のトータルの順
方向電圧が±0.3V(ダイオード1個あたりで±0.
05V)変動したときの特性を、図3の破線で示す。こ
れより、本来の検出温度である150℃の近傍では、検
出温度のばらつき範囲が±14℃に抑制されている。こ
れは、図1に示す装置構成では、温度に対するゲイン
が、従来の構成に比べて大きいためである。
【0061】このように、本発明の第1の実施形態によ
れば、従来の構成に電圧供給装置10を追加することに
より、温度検出用電子装置12の温度に対するゲインを
高めることができる。これにより、ポリシリコンダイオ
ード群17を構成するダイオードの個数を増やさなくと
も、従来に比べて検出温度のばらつきを大幅に低減する
ことができる。従って、低い電源電圧しか利用できない
場合においても、検出温度のばらつきの少ない温度検出
用電子装置12を実現することができる。
【0062】以上のように、本実施形態では、1個のポ
リシリコン抵抗15と1個のMOSFET16を組み合
わせることで、出力電圧が正の温度係数をもつ電圧供給
装置10を容易に実現している。また、この電圧供給装
置10を追加することにより、低電源電圧に対応可能
な、検出温度のばらつきの少ない温度検出用電子装置1
0が実現される。さらに、この温度検出用電子装置10
の出力をパワースイッチ13の制御部14に入力するこ
とにより、動作機能のばらつきの少ない、過熱保護機能
を内蔵した電子スイッチ装置100が実現される。
【0063】さらにまた、電圧供給装置10を、ポリシ
リコン抵抗15とNチャンネルMOSFET16という
自己分離構造で形成できる素子のみで構成することによ
り、コストのかかるPN分離プロセスや誘電体分離プロ
セスを使用せずに、本実施形態の温度検出用の電子装置
10が実現されている。
【0064】なお、上述した第1の実施形態では、電圧
供給装置10として、ポリシリコンで形成した抵抗15
とMOSFET16との組み合わせを用いているが、温
度係数が正となる他の組み合わせ或いは単体の素子を用
いる場合でも同様の作用効果を奏することは、言うまで
もない。また、パワースイッチ13としてMOSFET
を用いているが、IGBTやバイポーラトランジスタな
ど他のスイッチング素子の場合にも同様の電子装置を実
現できることは、言うまでもない。
【0065】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態における電子装置200、具体的には、温度
検出用の電子装置とその温度検出用電子装置を含む電子
スイッチ装置200の等価回路図である。
【0066】図4の構成において、50は電圧供給装置
であり、51は、温度を検出した際の信号を後段の素子
に出力できる制御装置(以下、単に「制御装置」とも称
する)である。また、52は温度検出用の電子装置(以
下、単に「電子装置」とも称する)であり、電圧供給装
置50と制御装置51とを含む。53はパワースイッチ
であり、ここではMOSFETを使用している。54
は、パワースイッチ53の制御部である。電子装置52
とパワースイッチ53と制御部54とにより、過熱保護
機能を内蔵した電子スイッチ装置200が構成されてい
る。
【0067】電子装置52に含まれる電圧供給装置50
は、図1を参照して第1の実施形態で説明した電圧供給
装置10と同じ構成であり、ポリシリコンで形成した抵
抗55とMOSFET56のドレイン端子及びゲート端
子とが接続されて、構成されている。入力端子57に一
定電圧を与えた状態では、出力端子58の電圧は、正の
温度係数を有している。
【0068】一方、制御装置51は、抵抗59とMOS
FET60のドレイン端子とが直列に接続された抵抗型
インバータの構成を有しており、MOSFET60のゲ
ート端子から入力端子61をとり、一方、MOSFET
60と抵抗59との接続点から出力端子62をとってい
る。ここで、MOSFET60のしきい値電圧は、電圧
供給装置50におけるMOSFET56のしきい値電圧
よりも高く設定されている。抵抗59の値は、制御装置
51の入力しきい値電圧が負の温度係数を持つように、
調整されている。
【0069】パワースイッチ53の制御部54は、パワ
ースイッチ53のゲート電圧を制御するためのゲート遮
断MOSFET63と、インバータ64と、プルダウン
のための抵抗65とを含んでおり、電子装置52の出力
端子62からの出力が、インバータ64によって反転さ
れた状態で、ゲート遮断MOSFET63のゲートに入
力されている。
【0070】本実施形態の構成では、MOSFET56
のしきい値電圧を1Vに設定し、MOSFET60のし
きい値電圧を約2.5Vに設定している。また、抵抗5
9は、ポリシリコンで形成されていて、制御装置51の
入力しきい値電圧が負の温度係数を持つように、その抵
抗値を200kΩとしている。
【0071】図5及び図6は、それぞれ、図4の構成に
おいて小信号の論理機能を担うMOSFET56及び6
0とパワースイッチ53として機能するDMOSFET
53(縦型2重拡散MOSFET)とを集積した際に得
られる構成90の断面図及び平面図である。なお、図5
において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付し
ており、その説明はここでは省略する。
【0072】MOSFET56のソースN型領域22の
周囲に形成されたPウェル領域21の表面不純物濃度
は、3×1016cm-3程度であリ、一方、MOSFET6
0のPウェル領域21のうちでソースN型領域22の周
囲に形成されたPウェル領域21aの表面不純物濃度
は、2×1017cm-3程度である。このように、MOSF
ET60のソースN型領域22の周囲には、MOSFE
T56のソース型領域22の周囲のPウェル領域21よ
りやや不純物濃度が濃いPウェル領域21aが形成さ
れ、これにより、制御装置51のしきい値電圧を上げて
いる。なお、図5には示されていないゲート遮断MOS
FET63は、MOSFET56と同じ製造方法によっ
て形成する。
【0073】さらに、パワースイッチ53として、耐圧
80V程度のNチャネル縦型DMOSFET53を使用
している。DMOSFET53のソースN型領域22の
周囲に形成されたPウェル領域21aは、MOSFET
60のソースN型領域22の周囲に形成されたPウェル
領域21aの表面不純物濃度と同レベルの不純物濃度を
有する。
【0074】本実施形態では、このような温度検出用の
電子装置52とパワースイッチ53と電子装置52の出
力に基づいてパワースイッチ53のオン/オフ動作を制
御する制御部54とを備え、パワースイッチ53と電子
装置52とが同一の半導体基板上に形成されている電子
スイッチ装置200の製造に際して、電子装置52に含
まれる制御装置51のMOSFET60のソース領域の
周囲の基板表面の不純物濃度を、電子装置52に含まれ
る電圧供給装置50のMOSFET56のソース領域の
周囲の基板表面の不純物濃度よりも高くする工程と、パ
ワースイッチ53のウェルを形成する工程とを、同時に
実施する。
【0075】ところで、本実施形態の構成のように、低
電圧用MOSFET56及び60と高電圧用DMOSF
ET53とを同一基板上に集積化する際には、高電圧用
DMOSFET53の動作に伴う電圧変動やサージの影
響を、低電圧MOSFET56及び60に与えないこと
が課題になる。特に、低電圧用MOSFET56及び6
0と高電圧用DMOSFET53とを一つの半導体基板
に集積する際には、高電圧用DMOSFET53の縦方
向に電流が流れて半導体基板の電位が大きく変動するよ
うな場合に、上記の影響が顕著に発生し得る。
【0076】上記の問題に対して、従来技術によれば、
低電圧領域に浅い拡散領域が設けられる。しかし、その
ような対応策では、縦型DMOSFETの場合に、基板
裏面の電位がスイッチング毎に大きく変動するととも
に、サージノイズが印加され易い。これらの電位変動や
高電圧サージによって拡散領域がブレークダウンする
と、電流が表面電極部に流れ込むまでの間に電圧降下が
発生して、寄生トランジスタの作用による誤動作が発生
し易い。
【0077】そこで、本実施形態の構成90では、図5
及び図6に示すように、小信号論理機能を担うMOSF
ET56及び60と、それらを絶縁分離して配置するた
めの絶縁膜24と、絶縁膜24の下部及びMOSFET
56及び60のPウェル領域21及び21aに共通接続
される浅いウェル領域70と、を少なくとも含む低耐圧
領域と、パワースイッチ53として機能するDMOSF
ET53を含む高耐圧領域80と、を有している。低耐
圧領域と高耐圧領域80とは、少なくとも低耐圧領域の
下部の浅いPウェル領域70の周囲に設けられた深いP
ウェル領域71で、電気的に分離されている。この深い
Pウェル領域71は、浅いPウェル領域70よりも不純
物濃度が高く、且つ深い位置まで達するように、設けら
れている。なお、この電気的な分離に際しては、低電圧
領域の下部の浅いPウェル領域70の周囲を囲むだけで
はなく、DMOSFET53の周辺も囲むことが、より
好ましい。
【0078】深いPウェル領域71は、DMOSFET
53のPウェル領域21aと同じ工程で、形成される。
そのため、深いPウェル領域71の上部のLOCOSに
よる絶縁層24は、深いウェル71を拡散によって形成
するために除去されている。また、深いPウェル領域7
1の拡散深さとDMOSFET53のPウェル領域21
aの拡散深さとは、ほぼ同等になり、さらに両ウェル7
1及び21aの断面形状も相似しているので、局部的な
耐圧の低下が発生しない。
【0079】さらに、低耐圧領域の周辺には絶縁層24
が形成されており、深いPウェル領域71は、この絶縁
層24の位置する領域を越えて、高耐圧領域80の側に
はみだすように位置している。これによって、低耐圧領
域と高耐圧領域とが、より良好に電気的に絶縁分離され
る。
【0080】上記のように、本発明では、浅い拡散領域
(浅いウェル領域)70の周辺部表面の不純物濃度を高
くした上で(すなわち深いウェル領域71を形成した上
で)電極と接続することによって、拡散領域(ウェル)
の電位を固定している。特に、高不純物濃度を有する領
域71をより深い領域まで拡張することによって、ウェ
ル内の電位をより深い位置まで固定することができる。
【0081】また、低耐圧領域を囲むように深いPウェ
ル領域71を設けることによって、基板との間の耐圧
が、この深いPウェル領域71と基板との間の接合面の
曲率半径で決定されるようになる。もし仮にブレークダ
ウンが発生しても、電流は高濃度のウェル内を通って電
極部へ流れるので、誤動作が非常に発生し難くなる。
【0082】なお、深いウェル領域71と高耐圧領域8
0との間の距離は、一定としている。また、深いウェル
領域71は、低耐圧領域及び高耐圧領域80と同じ構成
とすることが好ましい。
【0083】一方、しきい値電圧に最も影響を及ぼすゲ
ート酸化膜の厚みに関しては、MOSFET56及び6
0の双方において、同じ工程で形成した同じ厚さの酸化
膜を使用することによって、各々のMOSFET56及
び60のしきい値電圧は、温度変化に対して同じ符号の
温度係数を有し、同一方向に変化(増加或いは減少)す
る。また、MOSFET60のソースN型領域22の周
囲のPウェル領域21aを形成する工程を除いて、両M
OSFET56及び60を全く同一工程で形成すること
により、製造工程でその他の構造パラメータが変動して
も、両MOSFET56及び60のしきい値電圧は、同
じ符号の温度係数を有する。
【0084】以下、本発明の第2の実施形態における電
子装置200の具体的な動作について、説明する。
【0085】電圧供給装置50において、抵抗55の抵
抗値を60kΩとすると、入力端子57に5Vの電圧が
印加された状態では、出力端子58の電圧は1.5Vと
なる。このとき、出力端子58の電圧は、正の温度係数
を有している。一方、制御装置51の入力しきい値電圧
は、MOSFET60のしきい値電圧であって約2.5
Vとなる。この入力しきい値電圧は、負の温度係数を有
している。
【0086】温度が25℃である場合には、制御装置5
1の入力端子61に加えられる電圧は1.5Vであり、
これは入力しきい値電圧以下である。そのため、出力端
子62の電位は0Vとなり、電子装置52はHigh信
号を出力して、制御部54にはHigh信号が入力され
る。これにより、インバータ64を介してゲート遮断M
OSFET63のゲートにはLow信号が入力され、ゲ
ート遮断MOSFET63はオフ状態にある。
【0087】ここで、温度が上昇すると、電圧供給装置
50の出力電圧は正の温度係数を有するために上昇し、
一方、制御装置51の入力しきい値電圧は、負の温度係
数を有するために低下する。温度が150℃になると、
電圧供給装置50の出力電圧と制御装置51の入力しき
い値電圧とが同じ値(2.1V)となり、電子装置52
はLow信号を出力して、これが制御部54に入力され
る。制御部54では、インバータ64を介してゲート遮
断MOSFET63のゲートにHigh信号(5V)が
印加され、ゲート遮断MOSFET63がオンになるの
で、パワースイッチ53はオフになる。このようにし
て、検出温度が150℃であるMOSFETの過熱保護
機能を実現している。
【0088】もし仮に製造工程でのパラメータのばらつ
きによりMOSFETのしきい値電圧が変動しても、M
OSFET56及び60は、そのしきい値電圧が同じ符
号の温度係数を有し、同一方向に変化(増加或いは減
少)するように構成されているので、電圧供給装置50
の出力電圧と制御装置51の入力しきい値電圧とは、同
じ方向にオフセットする。このため、検出温度のばらつ
きは抑えられる。
【0089】以上のように、制御装置51として抵抗型
のインバータを使用し、電圧供給装置50に使用するM
OSFET56のしきい値電圧よりも抵抗型インバータ
に使用するMOSFET60のしきい値電圧を高く設定
することで、温度検出用の電子装置52の製造工程にお
けるパラメータ変動に対する検出温度のばらつきが、低
減される。
【0090】また、パワースイッチ53としてNチャネ
ル縦型DMOSFET53を内蔵した電子装置におい
て、DMOSFET53のPウェル形成工程を使って2
つの異なるしきい値電圧のMOSFET56及び60を
形成することにより、工程数を追加することなく、動作
機能のばらつきの少ない過熱保護機能を内蔵した電子ス
イッチ装置200が実現される。
【0091】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の温度検
出用電子装置では、出力電圧の温度係数が正である電圧
供給手段の出力端子に、入力しきい値電圧の温度係数が
負である電子制御手段の入力端子を接続した構成とする
ことにより、低電源電圧に対応可能な、検出温度のばら
つきの少ない温度検出用電子装置が低コストで実現され
る。また、電圧供給手段に使用するMOSFETよりも
高いしきい値電圧を有するMOSFETを使用した抵抗
型インバータを、電子制御手段として用いることによ
り、製造工程のパラメータのばらつきによる検出温度の
ばらつきが、大幅に低減される。
【0092】さらに、本発明の電子スイッチ装置によれ
ば、前述の温度検出用電子装置にパワースイッチを内蔵
させることにより、動作機能のばらつきの少ない過熱保
護機能を内蔵した装置が実現される。
【0093】さらに、本発明の電子スイッチ装置の製造
方法によれば、工程数を追加することなく、動作機能の
ばらつきの少ない過熱保護機能を内蔵した電子スイッチ
装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による電子装置、具体
的には、温度検出用電子装置を含む電子スイッチ装置の
等価回路図である。
【図2】図1の温度検出用電子装置を半導体装置として
構成したときの素子構造を示す断面図である。
【図3】図1の構成における電圧供給装置の出力電圧と
制御装置の入力しきい値電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態による電子装置、具体
的には、温度検出用電子装置を含む電子スイッチ装置の
等価回路図である。
【図5】図4の構成において、小信号の論理機能を担う
MOSFETとパワースイッチとして機能するDMOS
FET(縦型2重拡散MOSFET)とを集積した際に
得られる構成の断面図である。
【図6】図4の構成の一部についての模式的な平面図で
ある。
【図7】従来の過熱保護機能を内蔵した電子スイッチ装
置の一例の等価回路図である。
【図8】図7における従来の温度検出用の電子装置の温
度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10、50 電圧供給装置 11、51 制御装置 12、52 電子装置 13、53 パワースイッチ 14、54 制御部 15、44、55、59、65 抵抗 16、56、60 MOSFET 17 ポリシリコンダイオード 18 ポリシリコン抵抗 20 N型エピタキシャル領域 21、21a P型ウェル領域 22 ソースN型領域 23 ドレインN型領域 24 絶縁膜 25 層間絶縁膜 26 ゲートポリシリコン層 27 ポリシリコン層 28 アノード領域 29 カソード領域 30 アルミ電極 31 ソース電極 32 ゲート電極 33 ドレイン電極 39、41、57、61 入力端子 40、42、58、62 出力端子 43、63 ゲート遮断MOSFET 64 インバータ 70 浅いPウェル領域 71 深いPウェル領域 80 高耐圧領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化に対応してしきい値電圧が変化
    し、検出基準温度に対応する基準電圧と該しきい値電圧
    とが一致したときに制御信号を出力する電子制御手段
    と、 温度変化に対して正の方向に該基準電圧を変化させて、
    該電子制御手段に出力する電圧供給手段と、を備え、該
    電子制御手段は、該温度変化に対して負の方向に該しき
    い値電圧が変化するように構成されている、温度検出用
    の電子装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧供給手段は、 端子間の電圧を、前記温度変化に対して負の方向に変化
    させる、負の温度係数を有する第1の素子と、 該端子間の電圧を、該温度変化に対して正の方向に変化
    させる、正の温度係数を有する第2の素子と、を備えて
    おり、 該第1及び第2の素子はお互いに直列に接続されてい
    て、 該第1及び第2の素子の間の端子からの出力電圧が該電
    子制御手段に入力するように構成されている、請求項1
    に記載の電子装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧供給手段において、前記第1の
    素子は、ポリシリコンで形成された抵抗を含み、前記第
    2の素子は、ドレイン電極とゲート電極とが接続された
    MOS型トランジスタを含む、請求項2に記載の電子装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電圧供給手段において、前記第1の
    素子は、ポリシリコンで形成された抵抗を含み、前記第
    2の素子は、ドレイン電極とゲート電極とが接続された
    第1のMOS型トランジスタを含み、 前記電子制御手段は、抵抗と第2のMOS型トランジス
    タとを含み、 該電子制御手段に含まれる該第2のMOS型トランジス
    タのしきい値電圧が、該電圧供給手段に含まれる該第1
    のMOS型トランジスタのしきい値電圧よりも高い、請
    求項2に記載の電子装置。
  5. 【請求項5】 前記電圧供給手段に含まれる前記第1の
    MOS型トランジスタのしきい値電圧と、前記電子制御
    手段に含まれる前記第2のMOS型トランジスタのしき
    い値電圧とが、温度変化に対して同じ符号の温度係数を
    有する、請求項4に記載の電子装置。
  6. 【請求項6】 前記電子制御手段に含まれる前記第2の
    MOS型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面の
    不純物濃度が、前記電圧供給手段に含まれる前記第1の
    MOS型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面の
    不純物濃度よりも高い、請求項4に記載の電子装置。
  7. 【請求項7】 温度検出用電子装置と、パワースイッチ
    と、該温度検出用電子装置の出力に基づいて該パワース
    イッチのオン/オフ動作を制御する過熱保護用制御部
    と、を備える電子スイッチ装置であって、 該温度検出用電子装置が請求項1に記載の電子装置であ
    る、電子スイッチ装置。
  8. 【請求項8】 前記パワースイッチがMOS型トランジ
    スタを含み、 前記温度検出用電子装置が、お互いに直列に接続された
    MOS型トランジスタとポリシリコンにより形成された
    抵抗とを含み、 該パワースイッチと該温度検出用電子装置とが同一の半
    導体基板上に形成されている、請求項7に記載の電子ス
    イッチ装置。
  9. 【請求項9】 温度検出用電子装置と、パワースイッチ
    と、該温度検出用電子装置の出力に基づいて該パワース
    イッチのオン/オフ動作を制御する過熱保護用制御部
    と、を備え、該パワースイッチと該温度検出用電子装置
    とが同一の半導体基板上に形成されている電子スイッチ
    装置の製造方法であって、該製造方法は、 該温度検出用電子装置に含まれる電子制御手段のMOS
    型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面の不純物
    濃度を、該温度検出用電子装置に含まれる電圧供給手段
    のMOS型トランジスタのソース領域の周囲の基板表面
    の不純物濃度よりも高くする濃度調節工程と、 該パワースイッチのウェルを形成するウェル形成工程
    と、を包含し、 該濃度調節工程と該ウェル形成工程とが同時に行われ
    る、電子スイッチ装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 同一の半導体基板に設けられた低耐圧
    領域及び高耐圧領域と、 該低耐圧領域の下部に設けられた浅いウェル領域と、 該浅いウェル領域に連続して該浅いウェル領域の周辺を
    実質的に囲み、且つ該浅いウェル領域よりも深い位置に
    達するように形成された、該浅いウェル領域と同じ導電
    型を有するがより高い不純物濃度を有する、深いウェル
    領域と、を備えている、電子装置。
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