JP3679297B2 - 電力供給系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両搭載のバッテリから車両の各部に電力を供給する車両用電力供給系等に好適な電力供給系に係わる。特に電源線の異常電流を検出し、必要に応じて遮断出来る半導体能動ヒューズを有した電力供給系に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、自動車においてバッテリからの電源を選択的に各負荷に供給して、負荷への電力供給を温度センサ内蔵トランジスタQFにより制御する場合の過電流制御回路を有した従来の電源線である。図15に示す従来の過電流制御回路は、出力電圧VBを供給する電源101からの電源線がシャント抵抗RSの一端に接続され、その他端に温度センサ内蔵トランジスタQFのドレイン端子Dが接続されている。更に、温度センサ内蔵トランジスタQFのソース端子Sには、負荷102が接続されている。ここで、負荷102としては、自動車のヘッドライトやパワーウィンドウの駆動モータ等々該当する。図15に示す電源線に用いられている過電流制御回路は、更に、シャント抵抗RSを流れる電流を検出して、温度センサ内蔵トランジスタQFの駆動を制御するドライバ701と、ドライバ701でモニタした電流値に基づいて温度センサ内蔵トランジスタQFの駆動信号をオン/オフ制御するA/D変換器702及びマイコン(CPU)703とを備えている。温度センサ内蔵トランジスタQFは、トランジスタQFの接合温度が規定以上の温度まで上昇した場合には、この温度上昇を内蔵する温度センサが検知し、所定のゲート遮断回路によってトランジスタQFのゲート電位を”L”レベルにし、強制的にトランジスタQFをターンオフする過熱遮断機能を備えている。
【0003】
図15において、ZD1は温度センサ内蔵トランジスタQFのゲート端子Gとソース端子S間を12Vに保って、パワーデバイスQMの真のゲートTGに過電圧が印加されようとした場合にこれをバイパスさせるツェナーダイオードである。ドライバ701は、電流モニタ回路としての差動増幅器711,713と、電流制限回路としての差動増幅器712と、チャージポンプ回路715と、マイコン703からのオン/オフ制御信号及び電流制限回路からの過電流判定結果に基づき、内部抵抗RGを介して温度センサ内蔵トランジスタQFの真のゲートTGを駆動する駆動回路714を備えて構成されている。シャント抵抗RSの電圧降下に基づき差動増幅器712を介して、電流が判定値(上限)を超えたとして過電流が検出された場合には、駆動回路714によって温度センサ内蔵トランジスタQFをオフ動作とし、その後電流が低下して判定値(下限)を下回ったら温度センサ内蔵トランジスタQFをオン動作させる。一方、マイコン703は、電流モニタ回路(差動増幅器711,713)を介して電流を常時モニタしており、正常値を上回る異常電流が流れていれば、温度センサ内蔵トランジスタQFの駆動信号をオフすることにより温度センサ内蔵トランジスタQFをターンオフする。なお、マイコン703からオフ制御の駆動信号が出力される前に、温度センサ内蔵トランジスタQFの温度が規定値を超えていれば、温度センサからの信号により、所定の過熱遮断機能が動作し、温度センサ内蔵トランジスタQFはターンオフする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の過電流制御回路を有した電源線にあっては、電流検出を行うために電力の供給経路に直列接続されるシャント抵抗RSを必要とした構成であり、近年の負荷の大電流化により、シャント抵抗の熱損失が無視出来ないため電源線の導通損失が大きいという問題があった。特に大電流を流す電源線においては、過電流制御回路部に冷却装置を設ける必要があった。
【0005】
又、上述の過熱遮断機能や過電流制御回路を有した電源線は、負荷102や電源線にほぼ完全な短絡状態が発生して大電流が流れる場合には機能するが、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートを発生して小さい短絡電流が電源線に流れた場合には機能しない欠点があった。このため、電源線を流れる電流をモニタ回路を介してマイコン703により異常電流を検出し、これにより温度センサ内蔵トランジスタQFをオフ制御するしかなく、このような異常電流に対するマイコン制御による応答性が悪いという事情もあった。
【0006】
又、シャント抵抗RSやA/D変換器702、マイコン703等が必要であるため、大きな実装スペースが必要であり、又これらの比較的高価な物品により装置コストが高くなってしまうという問題点もある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の問題点や事情を解決することにあり、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが発生した場合においても高速応答出来、信頼性及び安全性を高めた電力供給系を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、複数本の中間配線を用いて、その内の一部に短絡箇所が発生すれば、直ちにその中間配線を切り離し、他の中間配線や負荷への影響を回避出来る電力供給系を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、一部に断線等の故障が発生しても他の中間配線でカバー出来、信頼性及び安全性を高めるのが容易な電力供給系を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、安価且つ簡単に電源を2系統確保することの出来る電力供給系を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、電源線を流れる異常電流の検出を行うためのシャント抵抗を不要として、導通損失の低く、高効率な電力供給系を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、m本(m≧2)の分岐を有する第1配線と、この第1配線のそれぞれの分岐に接続されるm個の第1半導体能動ヒューズと、m個の第1半導体能動ヒューズのそれぞれに、それぞれの一端を接続したm本の中間配線と、m本の中間配線の他端に、それぞれ接続されるm個の第2半導体能動ヒューズと、このm個の第2半導体能動ヒューズに、それぞれm本の分岐が接続される第2配線とから構成される電力供給系であることである。
【0013】
ここで、m個の第1半導体能動ヒューズのそれぞれは、第1主半導体素子、第1基準半導体素子、第1比較器及び第1駆動回路とを少なくとも具備する。第1主半導体素子は、第1配線に接続された第1主電極、第1主電極に対向した第2主電極、第1及び第2主電極を流れる主電流を制御する第1制御電極とを有する。更に、第1主半導体素子の第1主電極にカソード領域を、第2主電極にアノード領域が接続された第1寄生ダイオードが、第1主半導体素子中に内在する。又、第1基準半導体素子は、第1主電極、第1制御電極にそれぞれ接続された第3主電極、第2制御電極と、第4主電極とを有する。そして、第1比較器は、第2及び第4主電極間の電圧を比較する。
【0014】
一方、m個の第2半導体能動ヒューズのそれぞれは、第2主半導体素子、第2基準半導体素子、第2比較器及び第2駆動回路とを少なくとも具備する。第2主半導体素子は、中間配線の他端に接続される第5主電極、第5主電極に対向した第6主電極、第5及び第6主電極を流れる主電流を制御する第3制御電極とを有し、第5主電極にアノード領域を、第6主電極にカソード領域が接続された第2寄生ダイオードを内在する。第2基準半導体素子は、第7主電極、第8主電極及び第4制御電極とを有する。ここで、第8主電極及び第4制御電極は、第6主電極及び第3制御電極にそれぞれ接続されている。そして、第2比較器は、第5及び第7主電極間の電圧を比較する。
【0015】
そして、m個の第1主半導体素子の第1主電極は、第1配線のそれぞれの分岐に接続される。m個の第1半導体能動ヒューズのそれぞれの第2主電極には、m本の中間配線がそれぞれ接続される。又、第2主半導体素子の第5主電極は、中間配線の他端に接続される。そして、m個の第2半導体能動ヒューズの第6主電極に、第2配線のm本の分岐が、それぞれ接続される。
【0016】
本発明の電源線に用いる第1半導体能動ヒューズは、第1比較器により、第1主半導体素子と第1基準半導体素子の電圧、即ち、第2及び第4主電極間の電圧を比較し、第1駆動回路は、第1比較器の出力を用いて、異常電流発生時には第1主半導体素子をオン/オフ制御して電流振動を生成する。そして、この電流振動の回数を数える、若しく電流振動による半導体チップの温度上昇を検知等の手法により、第1主半導体素子を遮断する。同様に、第2半導体能動ヒューズは、第2比較器により、第2主半導体素子と第2基準半導体素子の電圧、即ち、第5及び第7主電極間の電圧を比較する。第2駆動回路は、第2比較器の出力を用いて、異常電流発生時には第2主半導体素子をオン/オフ制御して電流振動を生成する。そして、この電流振動を利用して、第2主半導体素子を遮断する。
【0017】
第1及び第2主半導体素子(半導体パワーデバイス)としては、例えば、DMOS構造、VMOS構造、或いはUMOS構造のパワーMOSトランジスタやこれらと類似な構造のMOS静電誘導型トランジスタ(SIT)が使用可能である。又、エミッタスイッチド・サイリスタ(EST)、MOS制御サイリスタ(MCT)等のMOS複合型デバイスや絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の他の絶縁ゲート型パワーデバイスが使用可能である。更に、常にゲートを逆バイアスで使うのであれば、接合型MOSトランジスタ、接合型SITやSIサイリスタ等も使用可能である。そして、この主半導体素子(半導体パワーデバイス)は、逆導通型が好ましい。逆導通型半導体パワーデバイスであれば、この逆導通型半導体パワーデバイスに構造的に内在する寄生pn接合ダイオードを、第2半導体能動ヒューズ中を流れる順方向の電流通路として利用出来るからである。第1及び第2基準半導体素子は、第1及び第2主半導体素子と同一のユニット素子を有し、そのユニット素子数が少ない半導体素子を用いれば良い。
【0018】
第1主半導体素子の第1及び第2主電極は、それぞれ第1主半導体素子を構成するパワーデバイスの第1及び第2主電極領域に接続されている。「第1主電極領域」とは、IGBTにおいてエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方、パワーMOSトランジスタやパワーMOSSIT等のIGT(パワーIGT)においてはソース領域又はドレイン領域のいずれか一方を意味する。「第2主電極領域」とは、IGBTにおいては上記第1主電極領域とはならないエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方、パワーIGTにおいては上記第1主電極領域とはならないソース領域又はドレイン領域のいずれか一方を意味する。即ち、第1主電極領域が、エミッタ領域であれば、第2主電極領域はコレクタ領域であり、第1主電極領域がソース領域であれば、第2主電極領域はドレイン領域である。又、「第1制御電極」とはIGBT及びパワーIGTのゲート電極を意味することは勿論である。第1主半導体素子QA1と同様な電流電圧特性を有する第1基準半導体素子QB1についても、同様に「第3及び第4主電極」及び「第2制御電極」が定義される。
【0019】
一方、第2主半導体素子及び第2基準半導体素子は、第1主半導体素子及び第1基準半導体素子の上下を逆さに回路接続をしている点が異なるが、同様に定義される。即ち、第2主半導体素子の第5、第6主電極及び第3制御電極は、それぞれ、第1主半導体素子の第2、第1主電極及び第1制御電極に対応する。又、第2基準半導体素子の第7、第8主電極及び第4制御電極は、それぞれ、第1基準半導体素子の第4、第3主電極及び第2制御電極に対応する。
【0020】
本発明の電力供給系は、複数本(m本)の中間配線を並列配置して構成されているので、その内の一部に接地等の故障が発生し、それに伴う異常電流が流れた場合に、故障の発生した中間配線の両端の第1及び第2半導体能動ヒューズが、直ちにその中間配線を切り離す。このため、他の正常な中間配線に故障の影響が及ぶのを回避出来る。このとき、正常な中間配線の数が減るので、電力供給系全体の電流供給容量(最大供給可能電流値)は、減ることとなる。しかし、負荷電流が故障発生後の最大供給可能電流値以内であれば、故障発生前と同じように負荷に電力を供給出来る。これは電力供給系に重複性(redundancy)をもたらすことになり、これにより、電力供給系の信頼を大幅に高めることが出来る。
【0021】
一方、負荷に供給する最大電流値をImaxとし、中間配線には電流が均等に流れると仮定すると、中間配線1本当たりの最大電流値はImax/mとなる。故障判定電流値を、例えば最大電流値の2倍に設定すると、配線1本からなる電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×Imaxとなるが、m本の中間配線を並列配置した電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×Imax/mとなる。即ち、故障判定電流値を1/mに設定出来るので、短絡接地等の異常状態を精度良く判定出来る。なお、前述したように、第2半導体能動ヒューズの電流通路として、構造的に内在する寄生pn接合ダイオードを利用している。この寄生素子は、大面積に形成されているので、オン抵抗が低い。従って、2つの半導体能動ヒューズを対向接続しても、全体としての導通損失は大きくならない。しかも、寄生素子(寄生pn接合ダイオード)を利用することにより、過電流制御回路部の構成部品数を減らし、装置全体を小型化出来る利点を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。先ず、本発明の実施の形態の説明をする前に、本発明の電源線に用いる半導体能動ヒューズの代表的な構造及びその基本的な動作について説明する。
【0023】
(電源線の基本構造と半導体能動ヒューズ)
本発明の電力供給系は、図10に示すように、第1配線Wと、この第1配線Wに接続される複数の(m個の)第1半導体能動ヒューズ201,203,・・・・・と、この第1半導体能動ヒューズ201,203,・・・・・に一端を接続したm本の中間配線W1,W2,・・・・・と、この中間配線W1,W2,・・・・・の他端に接続されるm個の第2半導体能動ヒューズ202,204,・・・・・と、第2半導体能動ヒューズ202,204,・・・・・に接続される第2配線Wとからなる構成を基本としている。そこで先ず第1半導体能動ヒューズ201、203及び第2半導体能動ヒューズ202,204について、図1及び2を用いて説明する。
【0024】
第1半導体能動ヒューズ201、203は、図1に示すように、第1主半導体素子QA1、第1基準半導体素子QB1、第1比較器CMP1及び第1駆動回路111とを少なくとも具備する。図1においては、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1は、nMOSトランジスタである。第1主半導体素子QA1は、第1配線Wに接続された第1主電極(ドレイン電極)D1、第1主電極D1に対向した第2主電極(ソース電極)SA1、第1及び第2主電極を流れる主電流を制御する第1制御電極GA1とを有する。第1主電極D1は、第1配線Wを介して、電源101に接続される。更に、第1主半導体素子QA1の第1主電極D1にカソード領域を、第2主電極SA1にアノード領域が接続された第1寄生ダイオードDが、第1主半導体素子QA1中に内在する。又、第1基準半導体素子QB1は、第1主電極D1、第1制御電極GA1にそれぞれ接続された第3主電極(ドレイン電極)D1、第2制御電極GB1と、第4主電極(ソース電極)SB1とを有する。そして、第1比較器CMP1は、第2主電極SA1及び第4主電極SB1間の電圧を比較する。第1比較器CMP1及び第1駆動回路111は、この第1主半導体素子QA1の異常電流を検知して、異常電流発生時には第1主半導体素子QA1をオン/オフ制御して電流振動を生成する制御回路を構成している。即ち、第1半導体能動ヒューズ201、203は、第1主半導体素子(パワーデバイス)QA1と、この主半導体素子QA1を制御する制御回路とは、同一基板上に集積化されたパワーICの構成である。基板としてセラミック、ガラスエポキシ等の絶縁性基板や絶縁金属基板等を用いたハイブリッドICの形態でも良いが、より好ましくは、同一半導体チップ110上にモノリシックに集積化したパワーICとすれば良い。
【0025】
本発明の第1半導体能動ヒューズ201,203は、更に、図1に示すように、抵抗R1、R2,R5,R8、RG,ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1等を有している。駆動回路111には、コレクタ側が電位VPに接続されたソーストランジスタQ5と、エミッタ側が接地電位(GND)に接続されたシンクトランジスタQ6とを直列接続して備え、所定の切換え信号に基づき、ソーストランジスタQ5及びシンクトランジスタQ6をオン・オフ制御して、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1の制御電極にこれらを駆動制御する信号を出力する。図1に示すバイポーラトランジスタ(BJT)の代わりにMOSトランジスタで駆動回路111を構成しても良い。例えば、CMOSで、駆動回路111を構成することも可能である。MOSトランジスタで駆動回路111を構成すれば、簡単なMOSトランジスタの製造プロセスで本発明のパワーIC(半導体能動ヒューズ)を製造することが可能となる。又、BJTで駆動回路111を構成すれば、BIMOS製造プロセスで本発明のパワーICを製造することが出来る。電源101の出力電圧VBは、例えば12Vで、チャージポンプの出力電圧VPは、例えばVB+10Vである。
【0026】
更に、第1基準半導体素子QB1の第2主電極(ソース電極)には基準抵抗Rrが接続されている。なお、基準抵抗Rrは必ずしもモノリシックに集積化されている必要はなく、本発明の半導体能動ヒューズの外部抵抗として、外部端子を介して接続しても良い。基準抵抗Rrの抵抗値は、第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比に応じて選定すれば良い。第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比をN2:N1=1:1000とした場合は、負荷102の過負荷状態の抵抗値の1000倍の値となるように設定しておけば良い。この基準抵抗Rrの設定により、第1主半導体素子QA1に異常動作の過負荷電流が流れたときと同じドレイン−ソース間電圧VDSを第1基準半導体素子QB1に発生させることが出来る。
【0027】
第1主半導体素子QA1の第1主電極(ドレイン電極)と第2主電極(ソース電極)間には抵抗R1と抵抗R2との直列回路が接続されている。この抵抗R1と抵抗R2との接続点と第1主半導体素子QA1の第2主電極(ソース電極)間には、端子Tを介して、外部抵抗として可変抵抗RVが外部端子を介して接続されている。可変抵抗RVの抵抗値を変えることにより抵抗R2の抵抗値を等価的に可変設定出来る。これにより、1種類の半導体チップ110で複数の仕様をカバーすることが可能となる。
【0028】
図1に示す比較器CMP1の“+”入力端子には、第1主半導体素子QA1の主電極間電圧(ドレインD1−ソースS間電圧)VDSを抵抗R1と抵抗R2及び可変抵抗RVの並列抵抗(R2‖RV)とで分圧した電圧が抵抗R5を介して供給されている。又、比較器CMP1の“−”入力端子には、第1基準半導体素子QB1のソース電圧VSBが供給されている。“+”入力端子の信号レベルV>“−”入力端子の信号レベルVのとき、比較器CMP1の出力は“H”レベルとなり、駆動回路111は、ゲート電極に電圧を供給する。逆の場合は、比較器CMP1の出力は“L”レベルとなり、駆動回路111は、ゲート駆動をオフする。なお、後述のように、比較器CMP1は一定のヒステリシス特性を持っている。
【0029】
この結果、異常電流発生時には第1主半導体素子QA1をオン/オフ制御して電流振動を生成する。そして、この電流振動を利用して、第1主半導体素子QA1が遮断される。
【0030】
一方、第2半導体能動ヒューズ202,204は、第1半導体能動ヒューズ201、203と基本的に同一の構造で、上下関係が逆である。即ち、図2に示すように、第2半導体能動ヒューズ202,204は、第2主半導体素子QA2、第2基準半導体素子QB2、第2比較器CMP1及び第2駆動回路111とを少なくとも具備する。図2において、第2主半導体素子QA2及び第2基準半導体素子QB2は、第1半導体能動ヒューズ201、203と同じnMOSトランジスタである。しかし、nMOSトランジスタのソース・ドレイン電極が反対である。即ち、第2半導体能動ヒューズ202,204は、中間配線W1,W2,…の他端には、第5主電極(ソース電極)SA2が接続されている。そして、第5主電極SA2に対向した第6主電極(ドレイン電極)D2、第5及び第6主電極を流れる主電流を制御する第3制御電極GA2とを有し、第5主電極SA2にアノード領域を、第6主電極D2にカソード領域が接続された第2寄生ダイオードDを内在する。この結果、第1半導体能動ヒューズ201、203とは、第2寄生ダイオードDの極性が反対である。第2基準半導体素子QB2は、第7主電極(ソース電極)SB2、第8主電極(ドレイン電極)D2及び第4制御電極GB2とを有する。そして、第8主電極D2及び第4制御電極GB2は、それぞれ、第6主電極D2及び第3制御電極GA2に接続されている。そして、第2比較器CMP1は、第5及び第7主電極間の電圧を比較する。2比較器CMP1及び第2駆動回路111は、この第2主半導体素子QA2の異常電流を検知して、異常電流発生時には第2主半導体素子QA2をオン/オフ制御して電流振動を生成する制御回路を構成している。そして、この電流振動を利用して、第2主半導体素子QA2が遮断される。第2主半導体素子(パワーデバイス)QA2と、この主半導体素子(パワーデバイス)QA2を制御する制御回路も、同一基板上に集積化されたパワーICの構成である。
【0031】
図3は、第1主半導体素子QA1の具体的構造の一例として、DMOS構造のnMOSトランジスタのユニット素子の一部を示す断面図である。第2主半導体素子QA2も、デバイス構造としては同じである。実際には、このユニット素子を、半導体チップ上に複数個(例えば、ユニット素子数N1=1000個)並列配置することにより、所望の定格電流容量を実現している。図3に示すnMOSトランジスタQA1,QA2は、ドレイン領域となるn領域908の上に、エピタキシャル成長したドリフト領域となるn領域907を配置し、このドリフト領域907の表面に、見かけ上2つのpボディ領域906を島状に対向して配置している。図3において、断面図として、見かけ上2つのpボディ領域906が示されているが、紙面の奥で連続していてかまわない。即ち、平面パターン上は、円形若しくは矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続したpボディ領域906を構成してかまわない。pボディ領域906の表面には、ソース領域となるn領域905が形成されている。ソース領域となるn領域905も、円形若しくは矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続した拡散領域として構成してかまわない。pボディ領域906の上部及びpボディ領域906に挟まれたドリフト領域907の上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜904の上部に、ゲート電極903が配置されている。ゲート電極903の上部には層間絶縁膜902が配置され、この層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介して、pボディ領域906とソース領域905を短絡するように、ソース電極901が配置されている。ドレイン領域908の裏面には、ドレイン電極909が形成されている。図3に示すDMOS構造は、pボディ領域906とnドレイン領域908との間に、pn接合構造の寄生ダイオードDを内在している。従って、DMOSが動作するバイアス条件とは逆にして、ドレイン電極909を負、ソース電極901を正とするバイアス条件とすれば、この寄生ダイオードDが導通し、いわゆる逆導通が生じる。本発明においては、この寄生ダイオードDを積極的に電流経路として用いる。これらの寄生ダイオードDは、図3から明らかなように、半導体チップの底面全面に、大面積に形成されているので、オン抵抗が低く、全体としての導通損失は大きくならない。
【0032】
図4は、図1に示した第1半導体能動ヒューズ201、203の回路構成をモノリシックに集積化する場合の一例を示す断面図である。第2半導体能動ヒューズ202,204の場合も、回路的に逆さまに接続されているだけであり、構造は全く同一である。従って、重複を避けるため、以下の説明では、本発明の第1半導体能動ヒューズ201,203に着目して説明するが、第2半導体能動ヒューズ202,204の場合も、全く同様である。
【0033】
図4に示すように、本発明の第1半導体能動ヒューズ201,203は、第1主半導体素子QA1,QA2を制御する制御回路側の下部のみにSOI酸化膜(埋め込み絶縁膜)811,821を設け、部分的にSOI構造を構成している。そして、この部分的なSOI構造を利用した絶縁分離構造で、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1を制御する制御回路の各素子を分離している。一方、主なるスイッチング動作をする第1主半導体素子QA1側には、SOI構造は構成せず、半導体チップの表面から裏面に電子が流れる縦型のパワーデバイスの構造を達成している。上述したように、第1主半導体素子QA1は、N1個のユニット素子を並列配置しており、同一のユニット素子をN2=1個のみ有する第1基準半導体素子QB1も、同様に、縦型のデバイス構造であり、こちらにもSOI酸化膜はない。即ち、第1主半導体素子QA1は、既に、図3を用いて説明したように、半導体チップの底面全面に形成されたnドレイン領域908の上に、nドリフト領域907を配置して形成されている(第1主半導体素子QA1の構造は、図3の説明と重複するので、ここでの説明を省略する。)。
【0034】
図4においては、半導体チップの底面全面に形成されたnドレイン領域908、及びnドリフト領域907を共通として、第1基準半導体素子QB1が形成されている。即ち、第1基準半導体素子QB1は、nドリフト領域907の表面に、pボディ領域806が島状に配置して構成されている。pボディ領域806の表面には、ソース領域となるn領域825が形成されている。pボディ領域806の上部及びpボディ領域806に挟まれたドリフト領域907の上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜904の上部に、ゲート電極803が配置されている。ゲート電極803は、第1主半導体素子QA1のゲート電極903と連続している。ゲート電極803の上部には層間絶縁膜902が配置され、この層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介して、pボディ領域806とソース領域825を短絡するように、ソース電極913が配置されている。ソース電極913は図1に示すように、半導体チップの表面に設けられたポリシリコンからなる基準抵抗Rrに接続されている。ドレイン領域908の裏面の全面には、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1に共通のドレイン電極909が形成されている。
【0035】
第1主半導体素子QA1と第1基準半導体素子QB1の間には、図4に示すように素子分離領域が形成されている。素子分離領域は、pボディ領域806、906を貫通するまで深く形成されたトレンチを用いて形成されている。即ち、このトレンチの側壁に形成されたトレンチ側壁絶縁膜801と、更にトレンチ側壁絶縁膜801に挟まれた半絶縁性ポリシリコン(SIPOS)802から構成されている。同様に、制御回路側においては、SOI酸化膜(埋め込み絶縁膜)811,821を貫通するまで深く形成されたトレンチを用いて、素子分離領域が形成されている。
【0036】
制御回路側には、pウェル822に形成されたnMOSトランジスタ及びn埋め込みコレクタ領域812の上部に形成されたnpn型バイポーラトランジスタを模式的に示した。即ち、SOI酸化膜812の上部にpウェル822が形成され、このpウェル822中に、nソース領域823,nドレイン領域824が形成されている。そして、nソース領域823及びnドレイン領域824に挟まれたpウェル822上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜904の上部に、ゲート電極827が配置されている。nソース領域823及びnドレイン領域824には、層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介して、それぞれ、ソース電極915,ドレイン電極914が接続されている。一方、SOI酸化膜811の上部にn埋め込みコレクタ領域812が形成され、このn埋め込みコレクタ領域812の上部に、nドリフト領域813が形成され、nドリフト領域813の表面にpベース領域814が形成されている。pベース領域814中には、nエミッタ領域815が、nドリフト領域813の表面のpベース領域814とは離間した位置には、nコレクタコンタクト領域816が形成されている。nエミッタ領域815、pベース領域814及びnコレクタコンタクト領域816には、層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介して、それぞれ、エミッタ電極918、ベース電極917及びコレクタ電極916が接続されている。
【0037】
そして、エミッタ電極918、ベース電極917、コレクタ電極916、ソース電極915,ドレイン電極914、ソース電極913及びソース電極901の上には、パッシベーション膜912が堆積されている。そして、パッシベーション膜912を貫通して、ソース電極901に到達するバイア・ホールが設けられている。バイア・ホール中にはスタブ金属910が埋め込まれている。スタブ金属910を介して、パッシベーション膜912の上に全面に形成された外部接続用ソース電極911とソース電極901とが電気的に接続されている。この結果、図4においては、半導体チップの底面全面にはドレイン電極909が、半導体チップの表面全面には外部接続用ソース電極911が形成されている。
【0038】
このドレイン電極909を、図5(a)に示すように、半田304を用いてプラグ端子311に半田付けされ、ケーブルコネクタ(プラグ)が構成される。更に、半田303を用いて外部接続用ソース電極911は、リード314のインナーリードに半田付けされている。プラグ端子311の半導体チップ110側、半導体チップ110,リード314のインナーリードは、周知のトランスファモールド方法によって樹脂封止体315により封止されている。樹脂封止体315の外部に露出した部分が、リード314のアウターリードとなる。プラグ端子311及びリード314は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、Cu−Fe,Cu−Cr,Cu−Ni−Si,Cu−Sn等の銅合金、Ni−Fe、Fe−Ni−Co等のニッケル・鉄合金、或いは銅とステンレスの複合材料等を用いることが可能である。更に、これらの金属にニッケル(Ni)メッキや金(Au)メッキ等を施したものなどから構成しても良い。そして、図5(a)に示すように、電源線を構成する中心導体301とリード314のアウターリードとは、半田305を用いて電気的に接続される。中心導体301は絶縁体302により被覆されている。プラグ端子311は絶縁体312を介して、樹脂封止体315を収納する金属ケース313に接続されている。
【0039】
プラグ端子311は、図5(b)に示したジャック端子323に差し込まれる。ジャック端子323は、半田306を用いて、電源線を構成する中心導体301と電気的に接続される。ジャックの金属ケース321は、絶縁体322により、ジャック端子323から絶縁されている。図5(a)及び(b)に示すようなケーブルコネクタを用いることにより、図1に示すパワーICは、電源線を介して、出力電圧VBを供給する電源101に、入力端子TD1,TD2としてのドレイン電極909が接続される。同様に、電源線を介して、出力端子TS1,TS2としての外部接続用ソース電極911が負荷102に接続される。
【0040】
図1に示すように、第1主半導体素子QA1のゲート電極GA1は、半導体チップ110の温度上昇を検知し、所定の温度以上になった場合は、導通状態を遮断する過熱遮断回路120に接続されている。同様に、図2に示すように、第2主半導体素子QA2のゲート電極GA2には、過熱遮断回路120が接続されている。過熱遮断回路120としては、例えば、図6に示した回路構成を用いれば良い。以下の説明では、第1主半導体素子QA1に着目して説明するが、第2主半導体素子QA2の場合も、全く同様である。
【0041】
即ち、この過熱遮断回路120は、第1主半導体素子QA1のゲート電極に接続された過熱遮断用MOSトランジスタQSと、この過熱遮断用MOSトランジスタQSのゲート電極に信号を入力するラッチ回路122と、ラッチ回路122の状態を制御する温度センサ121等から構成されている。つまり、半導体チップ110の表面温度が規定以上の温度まで上昇したことが温度センサ121によって検出された場合には、温度センサ121からの検出情報により、ラッチ回路122の状態が遷移し、この状態がラッチ回路122に保持される。この結果、過熱遮断用MOSトランジスタQSがオン動作となり、第1主半導体素子QA1の真のゲートTGと第2主電極(ソース電極)SA1間を短絡し、第1主半導体素子QA1を強制的にオフ制御する。
【0042】
ここで、温度センサ121はポリシリコン等で構成した4個のダイオードが直列接続されてなり、温度センサ121は第1主半導体素子QA1の近傍に集積化されている。第1主半導体素子QA1の接合温度が上昇するにつれて、半導体チップの表面温度が上昇し、温度センサ121の4個のダイオードの順方向降下電圧が次第に低下する。そして、4個のダイオードの順方向降下電圧の総和が、nMOSトランジスタQ51のゲート電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、nMOSトランジスタQ51がオン状態からターンオフする。これにより、nMOSトランジスタQ54のゲート電位が、第1主半導体素子QA1のゲート制御端子Gの電位にプルアップされ、nMOSトランジスタQ54がターンオンする。このため、nMOSトランジスタQ53がターンオフし、nMOSトランジスタQ52がオフ状態からターンオンして、ラッチ回路122に“1”がラッチされることとなる。このとき、ラッチ回路122の出力が“H”レベルとなって、過熱遮断用素子QSがオフ状態からターンオンする。この結果、第1主半導体素子QA1の真のゲートTGと第2主電極(ソース電極)SA1間が短絡されて、第1主半導体素子QA1がオン状態からターンオフして、過熱遮断されることとなる。なお、電流振動の振動の回数を計測する方式を採用すれば、過熱遮断回路120は必須ではない。
【0043】
第1主半導体素子QA1は、例えば、複数個のユニットセル(単位セル)が並列接続されたマルチ・チャネル構造のパワーデバイスを採用すれば良い。そして、この第1主半導体素子QA1に並列接続されるように、第1基準半導体素子としてのMOSトランジスタQB1が、第1主半導体素子QA1に隣接する位置に配置されている。第1基準半導体素子(基準MOSトランジスタ)QB1が、第1主半導体素子(主MOSトランジスタ)QA1と同一プロセスで、隣接位置に配置されているので、温度ドリフトやロット間の不均一性の影響による互いの電気的特性のバラツキを除去(削減)できる。第1基準半導体素子QB1の電流容量が第1主半導体素子QA1の電流容量よりも小さくなるように、それぞれのMOSトランジスタを構成する並列接続のユニットセル数を調整している。例えば、第1基準半導体素子QB1のユニットセル数N2=1に対して、第1主半導体素子QA1のユニットセル数をN1=1000となるように構成することにより、第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比をN2:N1=1:1000としている。又、温度センサ121は、第1基準半導体素子QB1及び第1主半導体素子QA1の上部に形成された層間絶縁膜の上部に堆積されたポリシリコン薄膜等で構成した複数個のダイオードが直列接続により構成され、温度センサ121を第1主半導体素子QA1のチャネル領域の近傍の位置に集積化している。
【0044】
図8は、本発明の電源線に用いるパワーICに用いる第1主半導体素子QA1に着目した、概念的な等価回路図である。第1主半導体素子QA1の等価回路を、等価電流源g・v、ドレイン抵抗rd、ゲート・ソース間容量CGS、ゲート・ドレイン間容量CGD及びドレイン・ソース間容量CDSを用いて簡略化して示している。ここで、gは、第1主半導体素子QA1の伝達コンダクタンスである。この第1主半導体素子QA1の等価回路を使用した場合、電源101から負荷102への電力供給経路は、図8に示すような回路として表される。負荷102には電力供給経路の配線インダクタンスL0と配線抵抗R0とが含まれる。
【0045】
図7には、このような電力供給経路の一部を成す第1主半導体素子QA1のドレイン−ソース間電圧VDSのオフ状態からオン状態へ遷移する際の立ち下がり電圧特性を、負荷102若しくは第1主半導体素子QA1と負荷102間の配線が短絡の場合、基準負荷(通常動作)の場合、負荷102が抵抗1KΩの場合について示す過渡応答カーブである。立ち下がり特性は、本発明の実施の形態に係る電力供給経路全体のインピーダンス、例えば、電源線が持つ配線インダクタンス、配線抵抗に応じた過渡応答をする。
【0046】
先ず、図7の負荷102の抵抗が1KΩのときのドレイン−ソース間電圧VDSの変化について、次のように考察出来る。つまり、この測定で用いた第1主半導体素子QA1の特性により、例えば、ドレイン電流I=12mA(電源電圧12V、負荷抵抗1KΩのとき)において、真のゲート−ソース間電圧VTGSは、ほぼしきい値電圧Vth=1.6Vと仮定する。そして、図1の駆動回路111による第1主半導体素子QA1の真のゲートTGへの充電は継続されるから、このまま行くと真のゲート−ソース間電圧VTGSは上昇して行ってしまう。しかし、ドレイン−ソース間電圧VDSが低下して、真のゲート−ドレイン間の容量値CGDを増大させるので、真のゲート−ソース間電圧VTGSに達する電荷を吸収する。即ち、ドレイン−ソース間電圧VDSは真のゲート−ソース間電圧VTGSに達した電荷が電位上昇を生じさせないだけの容量を発生させ、真のゲート−ソース間電圧VTGSは約1.6V(=Vth)に維持される。つまり、第1主半導体素子QA1がオン状態に遷移した後の各経過時点で、駆動回路111によってゲートGに送られる充電電荷を吸収し、真のゲートTGの電圧VTGSを一定に保つようなドレイン−ソース間電圧VDSとなる。
【0047】
ここで、負荷抵抗が1KΩより小さい負荷Rに対応するドレイン−ソース間電圧VDSの図7の負荷抵抗=1KΩの時の曲線からの差をΔVDSとする。そして、その時点tにおける負荷Rに対応した真のゲート−ソース間電圧をVTGSRとする。即ち、
GD=ΔVDS×CGD+(VTGSR−Vth)×CGS ・・・・・(1)
分の電荷に相当する電圧を、真のゲート−ソース間電圧VTGSRから引き去れば、真のゲート−ソース間電圧VTGSRは、ほぼしきい値電圧Vth=1.6Vになることを意味する。換言すれば、真のゲート−ソース間電圧VTGSRは、しきい値電圧Vth=1.6Vからこの電荷QGD分に相当した電圧だけ電位が上昇していることを意味する。このことを式で示せば次式となる。
【0048】
Figure 0003679297
即ち、ΔVDSは(VTGSR−Vth)に比例する。なお、ドレイン電流Iがゼロの時は真のゲートを充電する回路及びミラー容量だけでドレイン−ソース間電圧VDSの曲線は決まるが、ドレイン電流Iが流れると、回路全体のインダクタンスLにより逆起電力が発生し、負荷抵抗が増大したのと同じ効果を与える。従って、ドレイン電流Iが変化しているときは、インダクタンス等価抵抗が発生し、デッドショートのように、負荷の純抵抗値が非常に小さくなっても、負荷の等価インピーダンスは、回路全体のインダクタンスLで決まる一定値以下には下がらない。このため、ドレイン電流Iの立ち上り勾配は一定値に収れんし、真のゲート−ソース間電圧VTGSの曲線も収れんすることとなる。
【0049】
本発明の半導体装置(パワーIC)の第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比をN2:N1(n=N1/N2=1000)としてカレントミラー回路を構成する場合は、第1主半導体素子QA1のソース電圧VSAと第1基準半導体素子QB1のソース電圧VSBが一致するとき、(主半導体素子のドレイン電流IDQA)=1000×(基準半導体素子のドレイン電流IDQB)となる。従って、第1主半導体素子QA1のドレイン電流としてIDQA=5A、第1基準半導体素子QB1のドレイン電流としてIDQB=5mAがそれぞれ流れているときは、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1のそれぞれのドレイン−ソース間電圧VDSは一致し、従って、真のゲート−ソース間電圧VTGSも一致する。即ち、VDSA=VDSB、VTGSA=VTGSBとなる。ここで、VDSA,VDSBはそれぞれ第1主半導体素子QA1,第1基準半導体素子QB1のドレイン−ソース間電圧であり、VTGSA,VTGSBはそれぞれ第1主半導体素子QA1,第1基準半導体素子QB1の真のゲート−ソース間電圧である。
【0050】
従って、第1基準半導体素子QB1が完全にオン状態に遷移しているときは、基準抵抗Rrの両端にほぼ電源電圧VBが印加されると近似出来る。このため、第1主半導体素子QA1に接続する5Aの負荷に等価な第1基準半導体素子QB1の負荷として、基準抵抗Rrの抵抗値は、Rr=12V/5mA=2.4KΩとして決定される。
【0051】
次に、MOSトランジスタのドレイン飽和領域(5極管特性領域)における本発明の電源線に用いる半導体装置(パワーIC)の動作について説明する。第1主半導体素子QA1がオン状態に遷移すると、ドレイン電流IDQAは回路抵抗で決まる最終負荷電流値を目指して立ち上がって行く。又、第1主半導体素子QA1の真のゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQAで決まる値を取り、ドレイン−ソース間電圧VDSAの低下によるコンデンサ容量CGDのミラー効果でブレーキをかけられながら、これも立ち上がって行く。更に、第1基準半導体素子QB1は、第1主半導体素子QA1の決めるゲート電圧に従って、基準抵抗Rrを負荷抵抗とするソースフォロアとして動作する。
【0052】
又、第1主半導体素子QA1の真のゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQAの増加に応じて大きくなって行く。
【0053】
DSA=VTGSA+VTGD ・・・・・(5)
DSB=VTGSB+VTGD ・・・・・(6)
の関係があるから、
Figure 0003679297
となる。但し、gは第1主半導体素子QA1の伝達コンダクタンス、n=N1/N2は第1主半導体素子QA1と第1基準半導体素子QB1とのチャネル幅の比である。従って、ドレイン−ソース間電圧の差VDSA−VDSBを検出することにより、ドレイン電流の差(IDQA−n×IDQB)を得ることが出来る。
【0054】
第1基準半導体素子QB1のドレイン−ソース間電圧VDSBは、比較器CMP1の“−”入力端子に入力される。又、第1主半導体素子QA1のドレイン−ソース間電圧VDSAはR1と抵抗R2で分圧した値Vが、抵抗R5を介して、比較器CMP1の“+”入力端子に入力される。即ち、
+=VDSA×R1/(R1+R2) ・・・・・(8)
が比較器CMP1の“+”入力端子に入力されることになる。負荷側が正常状態の場合は、(Rr/n)<Rとなって、V<VDSBとなり、第1主半導体素子QA1は、オン状態を維持する。ここで、Rは負荷抵抗の値である。負荷側が過負荷になると、(Rr/n)>Rとなり、更に、V>VDSBとなると、3極管特性領域で、第1主半導体素子QA1がターン・オフする。第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1のそれぞれのソース電位をVSA、VSBとすると、第1主半導体素子QA1がオフ後、ソース電位VSA、VSBは、GNDに向かって低下して行くので、VDSA,VDSBとも増加する。ソース電位VSA、VSBが、GND電位に至る前に、V<VDSBの条件が成立して、再び第1主半導体素子QA1がターン・オンする。第1主半導体素子QA1は、オン状態に遷移した直後は、5極管特性領域(ピンチオフ領域)にあり、その後3極管特性領域に向かってオン状態を続けて行き、V>VDSBになるとターンオフする。これが、オン/オフ動作の1サイクルである。一旦ターンオフすると、オフ状態を維持し、逆に、一旦ターンオンすると、オン状態を維持するのは、負荷回路のインダクタンスによる。負荷回路のインダクタンスは、電流が変化するときは、抵抗と等価な働きをする。電流が減少しているときは、インダクタンス等価抵抗の符号はマイナスとなって、負荷側抵抗を減少させる。一方、電流が増加するときは、インダクタンス等価抵抗の符号がプラスとなって、負荷側抵抗を増大させる。このために、第1主半導体素子QA1が、一旦ターンオフすると、オフ状態を維持し、ターンオンすると、オン状態を維持することになる。第1基準半導体素子QB1側は、基準抵抗Rrが負荷抵抗Rよりn=N1/N2倍大きいので、インダクタンス効果は無視出来るほど小さい。このため、第1基準半導体素子QB1側は、純抵抗回路として動作すると考えて良い。
【0055】
なお、比較器CMP1では、ダイオードD1と抵抗R5でヒステリシスが形成されている。第1主半導体素子QA1がオフ状態に遷移したとき、駆動回路111のシンクトランジスタによりゲート電位は接地され、ダイオードD1のカソード側電位は、VSA−0.7V(ツェナーダイオードZD1の順方向電圧)になるので、ダイオードD1が導通する。この結果、抵抗R1→抵抗R5→ダイオードD1の経路で電流が流れ、比較器CMP1の“+”入力端子の信号レベルVは、駆動回路111がオン制御しているときの上述の(8)式の値より大きくなる。従って、オフ状態に遷移する直前より小さい、特定のドレイン−ソース間電圧の差VDSA−VDSBまで第1主半導体素子QA1はオフ状態を維持するが、その後、更にVDSAが大きくなることにより、比較器CMP1の“+”入力端子の信号レベルVが、VDSBより小さくなり、比較器CMP1の出力は“L”レベルから“H”レベルに変化する。従って、第1主半導体素子QA1は再びオン状態に遷移させられることとなる。なお、ヒステリシス特性の付け方にはいろいろな方法があるが、これはその一例である。
【0056】
第1主半導体素子QA1がオフ状態に遷移するときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値VDSAthとすると、次式が成立する。つまり、
DSAth−VDSB=R2/R1×VDSB ・・・・・(9)
となる。(9)式は、過電流判定値を示し、3極管特性領域(オーミック特性領域)及び5極管特性領域(ドレイン飽和領域)において成立する。
【0057】
次に、3極管特性領域における動作について説明する。電源線が正常な状態で、第1主半導体素子QA1がオン状態に遷移すると、第1主半導体素子QA1は連続的にオン状態を維持することとなる。このため、真のゲート−ソース間電圧VTGSA、VTGSBがピンチオフ電圧に達した後は、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1は、3極管特性領域で動作する。本発明の電源線に用いる半導体装置においては、第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比を1:nとしてカレントミラー回路を構成しているので、第1基準半導体素子QB1のオン抵抗RDS(ON)Bは、第1主半導体素子QA1のオン抵抗RDS(ON)Aのn倍である(RDS(ON)B=n・RDS(ON)A)。一方、第1基準半導体素子QB1のソース電位と第1主半導体素子QA1のソース電位とが等しければ、第1基準半導体素子QB1のドレイン電流IDQBは、第1主半導体素子QA1のドレイン電流IDQAの1/n倍である(IDQB=(1/n)・IDQA)。5Aクラスの半導体素子の代表的なオン抵抗RDS(ON)を参考にすれば、例えば、第1主半導体素子QA1のオン抵抗RDS(ON)Aを、ゲート−ソース間電圧VGS=10Vのとき、RDS(ON)A=30mΩであると仮定出来る。n=N1/N2=1000とし、電源電圧VB=12V、基準抵抗Rr=2.4KΩとすれば、
Figure 0003679297
となる。
【0058】
又、負荷に異常が発生して、ドレイン電流IDQAが増加すると(12)式の値が大きくなり、過電流判定値を超えると第1主半導体素子QA1をオフ状態に遷移させる。この場合、ピンチオフ点を経由して、上記の5極管特性領域での動作状態を経て、オフ状態へ遷移する。そして、図1に示したダイオードD1と抵抗R5とによるヒステリシスにより、一定時間経過後に、比較器CMP1の“+”入力端子の信号レベルVがVDSBより小さくなり、比較器CMP1の出力は“L”レベルから“H”レベルに変化して、第1主半導体素子QA1を再びオン状態に遷移させることとなる。こうして、第1主半導体素子QA1はオン状態及びオフ状態への遷移を繰り返して、最終的に、過熱遮断回路120が動作し、過熱遮断に至る。なお、過熱遮断に至る前に、電源線が正常に復帰すれば(間欠的短絡故障の例)、第1主半導体素子QA1は連続的にオン状態を維持するようになる。
【0059】
図9(a)は本発明の電源線に用いる半導体装置(パワーIC)のドレイン電流Iを、図9(b)は、対応するドレイン−ソース間電圧VDSをそれぞれ示す。図中、▲1▼は過負荷の場合、▲2▼は通常動作の場合である。過負荷状態が発生している場合(図中▲1▼)には、上述のように第1主半導体素子QA1のオン/オフ制御を繰り返しを行って、ドレイン電流Iを大きく変動させ、第1主半導体素子QA1の周期的な発熱作用によって、第1主半導体素子QA1の過熱遮断を速めている。
【0060】
以上の説明では、第1半導体能動ヒューズ201,203若しくは、第1主半導体素子QA1に着目して説明したが、第2半導体能動ヒューズ202,204及び第2主半導体素子QA2の場合も、基本的に同様であることは容易に理解出来るであろう。以上の説明をふまえて、次に、図面を参照して、本発明の実施の形態としての電力供給系を説明する。
【0061】
(第1の実施の形態)
図10は本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。図10に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系は、順方向に並列配置された2個の第1半導体能動ヒューズ201,203(以下において、「第1能動ヒューズ201,203」と略記する。)と、この2個の第1能動ヒューズ201,203のそれぞれの入力端子TDに接続された第1配線Wと、2個の第1能動ヒューズ201,203のそれぞれの出力端子Tに、それぞれの一端が接続された2本の中間配線W1,W2と、2本の中間配線W1,W2の他端にそれぞれ出力端子Tを接続され、逆方向に並列配置された2個の第2半導体能動ヒューズ202,204(以下において、「第2能動ヒューズ202,204」と略記する。)と、2個の第2能動ヒューズ202,204のそれぞれの入力端子TDに接続された第2配線Wとから少なくとも構成されている。ここで、「第1能動ヒューズ201,203」は、図1に示したような回路構成であり、「第2能動ヒューズ202,204」は、図2に示したような回路構成のパワーICである。更に、図10に示すように、第1配線Wには正電位の主電源101が接続され、第2配線Wには負荷L1,L2,L3がそれぞれ、半導体能動ヒューズ207,208,209(以下において、「能動ヒューズ207,208,209」と略記する。)を介して接続されている。「主電源」とは主電源の意であり、車両においては、エンジンルームに配置されたバッテリ等が該当する。
【0062】
本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系は、図10に示すように、複数本(2本)の活線となる中間配線W1,W2から構成されているので、その内の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線を切り離し、他の中間配線や負荷への影響を回避出来る。又、一部に断線等の故障が発生しても他の活線(中間配線)でカバー出来る。このため、活線となる電源線W1,W2の信頼性及び安全性を高めるのが容易であるという利点を有する。
【0063】
本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系は、負荷L1,L2,L3に供給する最大電流値をImaxとし、中間配線W1,W2には電流が均等に流れると仮定すると、中間配線W1,W2の1本当たりの最大電流値はImax/2となる。故障判定電流値を、例えば最大電流値の2倍に設定すると、配線1本からなる電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×Imaxである。一方、2本の中間配線W1,W2を並列配置した電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×Imax/2となる。即ち、故障判定電流値を1/2に設定出来るので、短絡接地等の異常状態を精度良く判定出来る。そして、中間配線W1,W2,・・・・がm本であれば、故障判定電流値は、2×Imax/mとなり、故障判定電流値を1/mに設定出来る。
【0064】
本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系には、過電流検出を行うために電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であり、系全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能である。更に、本発明の第1の実施の形態に係る電力供給系の過電流の検出・制御にマイコンは不要であるため、過電流検出・制御部の実装スペースを縮小出来るとともに、電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削減可能である。
【0065】
図11は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。図10と異なり、第1配線Wに、負荷L1,L2,L3がそれぞれ、能動ヒューズ227,228,229を介して接続されている。
【0066】
一方、第2配線Wには負電位の主電源112が接続される。他は、図10と同様である。従って、図11に示す構成においても、複数本(2本)の活線となる中間配線W1,W2を有しているので、その内の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線を切り離し、他の中間配線や負荷への影響を回避出来る。このため、活線となる電源線W1,W2の信頼性及び安全性を高めるのが容易であるという利点を有する。図11に示す構成においても、過電流検出を行うために電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であり、系全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能である。更に、マイコンは不要であるため、過電流検出・制御部の実装スペースを縮小出来、電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削減可能である。
【0067】
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系の構成を示す模式的な系統図である。図12に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系は、順方向に並列配置された2個の第1能動ヒューズ201,203と、この2個の第1能動ヒューズ201,203のそれぞれの入力端子TDに接続された第1配線Wと、2個の第1能動ヒューズ201,203のそれぞれの出力端子Tに、それぞれの一端が接続された2本の中間配線W1,W2と、2本の中間配線W1,W2の他端にそれぞれ出力端子Tを接続され、逆方向に並列配置された2個の第2能動ヒューズ202,204と、2個の第2能動ヒューズ202,204のそれぞれの入力端子TDに接続された第2配線Wと、第1配線Wに入力端子TDを接続した第1の補助半導体能動ヒューズ205(以下において、「第1の補助ヒューズ205」という。)と、この第1の補助ヒューズ205の出力端子Tに接続した補助配線Wと、補助配線Wの他端に出力端子Tを接続した第2の補助半導体能動ヒューズ206(以下において、「第2の補助ヒューズ206」という。)とから構成されている。
【0068】
ここで、第1の補助ヒューズ205は、図1に示した構成のパワーICであり、第2の補助ヒューズ206は、図2に示した構成のパワーICである。即ち、第1の補助ヒューズ205は、第3主半導体素子QA1、第3基準半導体素子QB1,第3比較器CMP1及び第3駆動回路111等を有する。そして、第3主半導体素子QA1は、第1配線Wに接続された第9主電極(ドレイン電極)D1、第9主電極D1に対向した第10主電極(ソース電極)SA1、第9及び第10主電極を流れる主電流を制御する第5制御電極GA1とを有する。更に、第3主半導体素子QA1は、第9主電極D1にカソード領域を、第10主電極SA1にアノード領域が接続される第3寄生ダイオードDを内在する。第3基準半導体素子QB1は、第9主電極D1、第5制御電極GA1にそれぞれ接続された第11主電極(ドレイン電極)D1、第6制御電極GB1と、第12主電極(ソース電極)SB1とを有する。第3比較器CMP1は、第10主電極SA1及び第12主電極SB1間の電圧を比較する。第3駆動回路111は、第3比較器CMP1の出力に応じて、第5制御電極GA1に印加する信号を生成する。
【0069】
一方、第2の補助ヒューズ206は、図2に示したように、第4主半導体素子QA2、第4基準半導体素子QB2,第4比較器CMP1及び第4駆動回路111等から構成されている。第4主半導体素子QA2は、補助配線Wの他端に接続されるに第13主電極(ソース電極)SA2、第13主電極SA2に対向した第14主電極(ドレイン電極)D2、第13及び第14主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極GA2とを有し、第13主電極SA2にアノード領域を、第14主電極D2にカソード領域が接続される第4寄生ダイオードDを内在する。第4基準半導体素子QB2は,第15主電極(ソース電極)SB2、第16主電極(ドレイン電極)D2及び第8制御電極GB2を有する。第16主電極D2及び第8制御電極GB2は、それぞれ、第14主電極D2及び第7制御電極GAに接続されている。第4比較器CMP1は、第13主電極SA2と第15主電極SB2間の電圧を比較し、この第4比較器CMP1の出力に応じて、第4駆動回路111は、第7制御電極GA2に印加する信号を生成する。
【0070】
このように、「能動ヒューズ201〜210」は、それぞれ、図1若しくは2に示した構成のパワーICである。そして、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系は、図12に示すように、第1配線Wには正電位の主電源101が接続され、第2の補助ヒューズ206の入力端子Tには接続した正電位の補助電源103が接続され、第2配線Wには負荷L1,L2,L3がそれぞれ、能動ヒューズ207,208,209を介して接続されている。「主電源」とは、車両においては、エンジンルームに配置されたバッテリ等が該当する。そして、「補助電源」とは、車両においては、トランクルームに配置された補助バッテリ等が該当する。
【0071】
本発明の「能動ヒューズ」の第1乃至第4主半導体素子QA1,QA2は、図3に示したような寄生pn接合ダイオードDが内在しているので、DMOSが動作するバイアス条件とは逆にして、ドレイン電極909を負、ソース電極901を正とするバイアス条件とすればこの寄生pn接合ダイオードDが導通する。本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系においては、図12に示すように、この寄生pn接合ダイオードDを積極的に第2能動ヒューズ202,204及び第1の補助ヒューズ206の電流経路として用いている。この寄生pn接合ダイオードDは、図3から明らかなように、DMOSの底面全面に、大面積に形成されているので、オン抵抗が低い。従って、図12に示すように2つの能動ヒューズを対向接続(逆直列接続)しても、全体としての導通損失は大きくならない。
【0072】
本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系は、図12に示すように、複数本(2本)の活線となる中間配線W1,W2から構成されているので、その内の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線を切り離し、他の活線や負荷への影響を回避出来る。又、一部に断線等の故障が発生しても他の活線(中間配線)でカバー出来る。このため、活線W1,W2の信頼性及び安全性を高めるのが容易であるという利点を有する。更に、主電源系の電源線が遮断されても、補助電源系の電源線を利用して、負荷を駆動出来る。
【0073】
本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系には、第1の実施の形態と同様に、過電流検出を行うために電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であり、系全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能である。更に、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系の過電流の検出・制御にマイコンは不要であるため、過電流検出・制御部の実装スペースを縮小出来るとともに、電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削減可能である。
【0074】
図13は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。図12と異なり、第1配線Wに、負荷L1,L2,L3がそれぞれ、能動ヒューズ227,228,229を介して接続されている。そして、第2配線Wには、第1の補助ヒューズ205の端子Tが接続されている。この第1の補助ヒューズ205の出力端子Tには、補助配線Wが接続され、補助配線Wの他端には、第2の補助ヒューズ206の出力端子Tが接続されている。そして、第2の補助ヒューズ206の入力端子Tには、負電位の主電源113が接続されている。図12と同様に、複数本(2本)の活線となる中間配線W1,W2を有しているので、その内の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線を切り離し、他の活線や負荷への影響を回避出来る。更に、主電源系の電源線が遮断されても、補助電源系の電源線を利用して、負荷を駆動出来る。そして、図12と同様に、過電流検出を行うために電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であり、系全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能である。更に、マイコンは不要であるため、過電流検出・制御部の実装スペースを縮小出来るとともに、電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削減可能である。
【0075】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部を成す論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0076】
例えば、本発明の「半導体能動ヒューズ」に集積化する第1及び第2主半導体素子子としては、図3及び図4に示したDMOS構造以外にも、例えば、VMOS構造、或いはUMOS構造のパワーMOSトランジスタやこれらと類似な構造のMOSSITが使用可能である。又、EST、MCT等のMOS複合型デバイスやIGBT等の他の絶縁ゲート型パワーデバイスが使用可能である。更に、常にゲートを逆バイアスで使うのであれば、接合型MOSトランジスタ、接合型SITやSIサイリスタ等も使用可能である。この第1及び第2主半導体素子はnチャネル型でもpチャネル型でもかまわない。即ち、本発明の第1半導体能動ヒューズ201,203は、nチャネル型及びpチャネル型の両方が存在する。pチャネル型の第1半導体能動ヒューズ201,203においては、図1の表示と極性が逆になり、ドレイン電極Dに接続される端子Tが出力端子となり、ソース電極Sに接続される端子Tが入力端子となる。
【0077】
但し、第2半導体能動ヒューズの電流通路として、半導体能動ヒューズの寄生素子(構造的に内在する寄生pn接合ダイオード)を利用するのが好ましいので、逆導通型の半導体パワーデバイスが好ましい。逆導通型の半導体パワーデバイスでない場合は、専用のダイオードを別途集積化すれば良い。
【0078】
図14は、図1に示した第1主半導体素子QA1の他の具体的構造として、コレクタショート型のIGBTのユニット素子の一部を示す断面図である。実際には、このユニット素子は、半導体チップ上に複数個並列配置され、大電流化を実現している。図14に示すコレクタショート型IGBTは、コレクタ電極929の上部にコレクタ領域となるp領域928とnショート領域937,938,・・・・・が隣接して、交互に配置し、コレクタショート構造を形成している。p領域928とnショート領域937,938,・・・・・との繰り返しのピッチは電子の拡散長を考慮して決めればよい。従って、図14では、1個のp領域928と2個のnショート領域937,938がユニット素子の断面図上に配置された場合が例示されているが、2個以上のp領域928,・・・・・と3個以上のnショート領域937,938,・・・・・が、ユニット素子に繰り返し配置されていてもかまわない。これら複数のp領域928、nショート領域937,938,・・・・・はストライプ状若しくは格子状、蜂の巣状等に配置可能である。格子状の場合は、p領域928をnショート領域937,938,・・・・・が取り囲む配置でも、それぞれのnショート領域937,938,・・・・・を複数のp領域928、・・・・・が取り囲む形態でも良い。
【0079】
このコレクタ領域928とnショート領域937,938,・・・・・の上に、ドリフト領域となるn領域907を配置し、このドリフト領域907の表面に2つのpベース領域926を島状に対向して配置している。図3と同様に、図14においても、断面図として、見かけ上2つのpベース領域926が示されているが、紙面の奥で連続していてかまわない。即ち、平面パターン上は、円形若しくは矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続したpベース領域926を構成してかまわない。それぞれのpベース領域926の表面には、エミッタ領域となるn領域925が形成されている。エミッタ領域となるn領域925も、円形若しくは矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続した拡散領域として構成してかまわない。pベース領域926の上部及びpベース領域926に挟まれたドリフト領域領域907の上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜904の上部にゲート電極903が配置されている。ゲート電極903の上部には層間絶縁膜902が配置され、この層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介して、pベース領域926とエミッタ領域925を短絡するようにエミッタ電極921が配置されている。IGBTにおいては、ターンオン時にコレクタ領域前面のドリフト領域907に電子が蓄積され、この蓄積された電子がpコレクタ領域928からの正孔(ホール)の注入を促進し、ドリフト領域907には電子と正孔の2種類のキャリアが存在して、電導度変調を生じる。従って、ドリフト領域907を厚くしても、オン抵抗は低く出来るので、高耐圧、低オン抵抗のデバイスとして用いられている。しかし、周知のように、IGBTにおいては、ターンオフ時にコレクタ領域前面のドリフト領域907に蓄積された電子が再結合により消滅するまで、テール電流が流れ続け、高速のターンオフを妨げている。図14に示すコレクタショート型構造を採用することにより、IGBTのコレクタ領域前面のドリフト領域907に蓄積された電子は、nショート領域937,938,・・・・・を介して引き抜くことが出来るようになるので、ターンオフ時のテール電流を抑制し、高速動作が可能となる。
【0080】
このようなコレクタショート型IGBTにおいては、図3に示したDMOSと同様に、pベース領域926とnドリフト領域907との間に、pn接合構造の寄生ダイオードDが内在している。従って、コレクタショート型IGBTが動作するバイアス条件とは逆バイアスにして、コレクタ電極929を負、エミッタ電極921を正とするバイアス条件とすればこの寄生ダイオードDが導通し、いわゆる逆導通が生じる。これらの寄生ダイオードDを積極的に電流経路として用いることにより、高電圧を高速に遮断出来る。
【0081】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態や実施例等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な請求項記載に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、複数本(n本)の個別配線を用いているので、その内の一部に短絡箇所が発生すれば、直ちにその個別配線を切り離し、他の個別配線や負荷への影響を回避出来る。又、一部に断線等の故障が発生しても他の個別配線でカバー出来るので、電力供給系の信頼性及び安全性を高めるのが容易である。
【0083】
本発明によれば、故障判定電流値を1/mに設定出来るので、短絡接地等の異常状態を精度良く判定出来る。
【0084】
本発明によれば、電源を2系統確保する構造も、安価且つ簡単に実現出来るので、電源供給の信頼性を更に高めることが可能となる。
【0085】
本発明によれば、電力供給系を流れる異常電流の検出を行うためのシャント抵抗を不要として、導通損失の低い電力供給系を提供することが出来る。
【0086】
本発明によれば、不完全短絡などのレアショートが発生した場合においても高速遮断が出来、信頼性及び安全性を高めた電力供給系を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力供給系に用いる第1半導体能動ヒューズの回路構成図である。
【図2】本発明の電力供給系に用いる第2半導体能動ヒューズの回路構成図である。
【図3】本発明の能動ヒューズに用いるDMOSのユニットセルの一部の模式断面図である。
【図4】本発明の能動ヒューズとしてのパワーICの構造の一部を示す模式断面図である。
【図5】図5(a)は、図4に示したパワーICを搭載したケーブルコネクタ(プラグ)の模式断面図で、図5(b)は、図5(a)に示したプラグに接続されるジャックの模式断面図である。
【図6】パワーICに搭載され、半導体チップの温度上昇を検知して、主半導体素子を遮断する過熱遮断回路の回路構成図である。
【図7】本発明の電力供給系に用いる能動ヒューズの動作原理を説明する説明図であり、ターン・オン時のドレイン−ソース間電圧の立ち下がり特性の説明図である。
【図8】本発明の電力供給系に用いる能動ヒューズの主半導体素子に着目した概念的等価回路図である。
【図9】図9(a)は、本発明の電力供給系に用いる能動ヒューズにおける主半導体素子のドレイン電流の過渡応答特性を示す説明図で、図9(b)は、図9(a)に対応するドレイン−ソース間電圧の過渡応答特性を示す説明図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施例の変形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る電力供給系の構成を示す模式的な系統図である。
【図13】本発明の第2の実施例の変形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図である。
【図14】本発明の能動ヒューズに用いるコレクタショート型のIGBTのユニットセルの一部を示す断面図である。
【図15】従来の過電流制御回路の回路構成図である。
【符号の説明】
101、112 電源(主電源)
102 負荷
103、113 補助電源
106 過熱遮断促進回路
110 半導体チップ
111 駆動回路
120 過熱遮断回路
121 温度センサ
122 ラッチ回路
201〜210,220,227,228,229 半導体能動ヒューズ
301 中心導体
302,312,322 絶縁体
303〜306 半田
311 プラグ端子
313,321 金属ケース
314 リード
315 樹脂封止体
323 ジャック端子
801 トレンチ側壁絶縁膜
802 半絶縁性ポリシリコン(SIPOS)
811,821 SOI酸化膜(埋め込み絶縁膜)
812 埋め込みコレクタ領域
822 pウェル
901,913,915 ソース電極
902 層間絶縁膜
803,827,903 ゲート電極
904 ゲート絶縁膜
823,825,905 ソース領域
806,906 pボディ領域
813,907 ドリフト領域
824,908 ドレイン領域
909,914 ドレイン電極
910 スタブ金属
911 外部接続用ソース電極
912 、パッシベーション膜
917 ベース電極
921,918 エミッタ電極
815,925 エミッタ領域
814,926 pベース領域
928 コレクタ領域
929,916 コレクタ電極
938 nショート領域
CMP1 比較器
D1 ダイオード
QA,主半導体素子(第1の半導体素子)
RG 内部抵抗
R1,R2,R5,R8、R10 抵抗
入力端子
出力端子
ZD1 ツェナーダイオード

Claims (5)

  1. m本(m≧2)の分岐を有する第1配線と、
    前記第1配線のそれぞれの分岐に接続されるm個の第1半導体能動ヒューズと、 前記m個の第1半導体能動ヒューズのそれぞれに一端を接続したm本の中間配線と、
    前記m本の中間配線の他端に、それぞれ接続されるm個の第2半導体能動ヒューズと、
    前記m個の第2半導体能動ヒューズのそれぞれにm本の分岐が接続される第2配線とからなり、
    前記m個の第1半導体能動ヒューズは、それぞれ、
    前記第1配線のそれぞれの分岐に接続される第1主電極、前記第1主電極に対向した第2主電極、前記第1及び第2主電極を流れる主電流を制御する第1制御電極とを有し、前記第1主電極にカソード領域を、前記第2主電極にアノード領域が接続される第1寄生ダイオードを内在する第1主半導体素子と、
    前記第1主電極、第1制御電極にそれぞれ接続された第3主電極、第2制御電極と、第4主電極とを有する第1基準半導体素子と、
    前記第2及び第4主電極間に入力端子を接続した第1比較器と、
    前記第1比較器の出力に応じて、前記第1制御電極に印加する信号を生成する第1駆動回路
    とを少なくとも具備し、前記m個の第2半導体能動ヒューズは、それぞれ、
    前記中間配線の他端に接続される第5主電極、前記第5主電極に対向した第6主電極、前記第5及び第6主電極を流れる主電流を制御する第3制御電極とを有し、前記第5主電極にアノード領域を、前記第6主電極にカソード領域が接続される第2寄生ダイオードを内在する第2主半導体素子と、
    第7主電極、前記第6主電極及び前記第3制御電極にそれぞれ接続された第8主電極及び第4制御電極とを有する第2基準半導体素子と、
    前記第5及び第7主電極間に入力端子を接続した第2比較器と
    前記第2比較器の出力に応じて、前記第3制御電極に印加する信号を 生成する第2駆動回路
    とを少なくとも具備することを特徴とする電力供給系。
  2. 前記第1配線には正電位の主電源が接続され、前記第2配線には負荷が接続されていることを特徴とする請求項1記載の電力供給系。
  3. 前記第1配線には負荷が接続され、前記第2配線には負電位の主電源が接続されていることを特徴とする請求項1記載の電力供給系。
  4. 前記第1配線に接続された第1補助半導体能動ヒューズと、
    前記第1補助半導体能動ヒューズに一端を接続した補助配線と、
    前記補助配線の他端に接続される第2補助半導体能動ヒューズと、
    前記第2補助半導体能動ヒューズに接続される正電位の補助電源とを更に有し、前記第1補助半導体能動ヒューズは、
    前記第1配線に接続される第9主電極、前記第9主電極に対向した第10主電極、前記第9及び第10主電極を流れる主電流を制御する第5制御電極とを有し、前記第9主電極にカソード領域を、前記第10主電極にアノード領域が接続される第3寄生ダイオードを内在する第3主半導体素子と,
    前記第9主電極、第5制御電極にそれぞれ接続された第11主電極、第6制御電極と、第12主電極とを有する第3基準半導体素子と、
    前記第10及び第12主電極間に入力端子を接続した第3比較器と、
    前記第3比較器の出力に応じて、前記第5制御電極に印加する信号を生成する第3駆動回路
    とを少なくとも具備し、前記第2補助半導体能動ヒューズは、
    前記補助配線の他端に接続されるに第13主電極、前記第13主電極に対向した第14主電極、前記第13及び第14主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極とを有し、前記第13主電極にアノード領域を、前記第14主電極にカソード領域が接続される第4寄生ダイオードを内在する第4主半導体素子と、
    第15主電極、前記第14主電極及び第7制御電極にそれぞれ接続された第16主電極及び第8制御電極とを有する第4基準半導体素子と、
    前記第13及び第15主電極間に入力端子を接続した第4比較器と、
    前記第4比較器の出力に応じて、前記第7制御電極に印加する信号を生成する第4駆動回路
    とを少なくとも具備することを特徴とする請求項1又は2記載の電力供給系。
  5. 前記第2配線に接続された第1補助半導体能動ヒューズと、
    前記第1補助半導体能動ヒューズに一端を接続した補助配線と、
    前記補助配線の他端に接続される第2補助半導体能動ヒューズと、
    前記第2補助半導体能動ヒューズに接続される負電位の補助電源とを更に有し、前記第1補助半導体能動ヒューズは、
    前記第2配線に接続される第9主電極、前記第9主電極に対向した第10主電極、前記第9及び第10主電極を流れる主電流を制御する第5制御電極とを有し、前記第9主電極にカソード領域を、前記第10主電極にアノード領域が接続される第3寄生ダイオードを内在する第3主半導体素子と,
    前記第9主電極、第5制御電極にそれぞれ接続された第11主電極、第6制御電極と、第12主電極とを有する第3基準半導体素子と、
    前記第10及び第12主電極間に入力端子を接続した第3比較器と、
    前記第3比較器の出力に応じて、前記第5制御電極に印加する信号を生成する第3駆動回路とを少なくとも具備し、前記第2補助半導体能動ヒューズは、
    前記補助配線の他端に接続されるに第13主電極、前記第13主電極に対向した第14主電極、前記第13及び第14主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極とを有し、前記第13主電極にアノード領域を、前記第14主電極にカソード領域が接続される第4寄生ダイオードを内在する第4主半導体素子と、
    第15主電極、前記第14主電極及び前記第7制御電極にそれぞれ接続された第16主電極及び第8制御電極とを有する第4基準半導体素子と、
    前記第13及び第15主電極間に入力端子を接続した第4比較器と、
    前記第4比較器の出力に応じて、前記第7制御電極に印加する信号を生成する第4駆動回路
    とを少なくとも具備することを特徴とする請求項1又は3記載の電力供給系。
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