JP2000297733A - 内燃機関制御方法及び装置 - Google Patents

内燃機関制御方法及び装置

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JP2000297733A
JP2000297733A JP11128759A JP12875999A JP2000297733A JP 2000297733 A JP2000297733 A JP 2000297733A JP 11128759 A JP11128759 A JP 11128759A JP 12875999 A JP12875999 A JP 12875999A JP 2000297733 A JP2000297733 A JP 2000297733A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クランク軸の回転情報を検出するクランク軸セ
ンサの構成、及び電子制御ユニットの入力回路の構成の
簡素化を図った4サイクル内燃機関制御装置を提供す
る。 【解決手段】クランク軸センサ4にはパルサコイル4a
を1つだけ設け、該パルサコイルが各気筒の基準位置及
び低速時点火位置で発生する基準位置検出パルス及び低
速時点火位置検出パルスを波形整形回路F及びGを通し
て電子制御ユニット1のCPU110に入力する。クラ
ンク軸センサが発生する各パルサがいずれの気筒に対応
するものであるのかを判別できない極低速領域では、各
気筒の圧縮工程における上死点付近でクランク軸センサ
4が基準位置検出パルスを発生する毎に全ての気筒で同
時に点火動作を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いた電子制御ユニットにより、4サイクル内燃
機関の点火位置や燃料噴射装置を制御する内燃機関制御
方法及び該方法を実施する制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】4サイクル内燃機関は、複数の気筒と、
該複数の気筒内をそれぞれ変位するピストンにより回転
駆動されるクランク軸と、該クランク軸の回転速度の1
/2の回転速度で該クランク軸と同期回転させられて給
気バルブ及び排気バルブを駆動するカム軸と、各気筒用
の点火信号に応答して各気筒で点火動作を行わせる点火
装置とを備えていて、爆発、排気、給気及び圧縮の4行
程からなる燃焼サイクルを繰り返すことにより、クラン
ク軸を回転させる。
【0003】この4サイクル内燃機関から十分な出力を
引き出し、かつ燃費の向上や、排気ガスの浄化を図るた
めには、機関の点火位置(点火動作が行われるときのク
ランク軸の回転角度位置)と機関への燃料供給量とを、
回転速度[rpm]等の各種の制御条件に応じて高精度
で制御することが必要である。
【0004】そのため、最近の4サイクル内燃機関で
は、機関の各気筒に燃料を供給する手段として、各気筒
毎に設けられたインジェクタ(電磁式の燃料噴射弁)と
該インジェクタに燃料を与える燃料ポンプと該インジェ
クタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備え
た燃料噴射装置を用いるとともに、点火装置として無接
点式の点火装置を用いて、該燃料噴射装置と点火装置と
をマイクロコンピュータを備えた電子制御ユニット(E
CU)により制御するようにしている。
【0005】燃料噴射装置を構成するインジェクタは、
先端に燃料噴射口を有するインジェクタボディと、該イ
ンジェクタボディ内に配置されたソレノイド(電磁石)
と、該ソレノイドに所定の駆動電流が与えられている間
燃料噴射口を開く弁とを備えていて、インジェクタボデ
ィ内に燃料ポンプから燃料が所定の圧力で与えられる。
インジェクタは例えば機関の吸気管に取り付けられ、イ
ンジェクタ駆動回路からソレノイドに駆動電流が与えら
れている間弁を開いてその燃料噴射口から燃料を噴射す
る。吸気管内に噴射された燃料はスロットルバルブを通
して吸気管内に流入した空気と混合されて、吸気バルブ
が開いているときに気筒内に供給される。
【0006】インジェクタからの燃料の噴射量は、主に
弁が開いている時間と燃料ポンプから与えられる燃料の
圧力との積により決まるが、一般にはインジェクタに与
えられる燃料の圧力はプレッシャレギュレータにより一
定に保たれるため、燃料の噴射量は噴射時間(噴射指令
信号の信号幅)により決まる。従って、燃料噴射装置に
より燃料を供給する内燃機関においては、噴射指令信号
の信号幅を制御することにより機関への燃料の供給量を
制御している。
【0007】4サイクル内燃機関の吸気管内に燃料を噴
射する場合には、燃費及び排気ガスの成分を精度よく制
御するために、機関の排気行程から吸入行程にかけて燃
料を噴射することが望ましいとされている。従って、イ
ンジェクタ駆動回路に噴射指令信号を与える位置(燃料
噴射開始位置)は排気行程に相当するクランク軸の回転
角度範囲内の適当な位置に設定される。
【0008】一方内燃機関を点火する無接点式の点火装
置は、機関の各気筒に取り付けられた点火プラグと、所
定の気筒の点火プラグに二次コイルが接続された点火コ
イルと、内燃機関の点火位置(クランク軸の回転角度位
置)で点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起
させるべく、各気筒用の点火信号に応答して点火コイル
の一次電流に急激な変化を生じさせる点火駆動回路とに
より構成される。
【0009】通常点火コイルは、内燃機関の各気筒毎に
設けられるが、2気筒や4気筒などの偶数気筒の内燃機
関では、点火位置がクランク角で360°離れている2
つの気筒を1組の気筒として、各組の気筒に対して点火
コイルが1つずつ設けられることもある。例えば、4サ
イクル4気筒内燃機関では、第1気筒、第3気筒、第4
気筒、第2気筒の順に点火が行われるが、この場合、点
火位置がクランク角で360°離れている第1気筒及び
第4気筒を1組の気筒とし、第2気筒及び第3気筒を他
の1組の気筒として、第1気筒及び第4気筒用の点火コ
イルと第2気筒及び第3気筒用の点火コイルとの2つの
点火コイルが設けられ、各点火コイルの二次コイルの両
端が対応する2つの気筒の点火プラグの非接地側端子に
接続される。
【0010】点火位置が360°離れた2つの気筒に対
して共通に1つの点火コイルを設ける場合、該点火コイ
ルは同時発火コイルと呼ばれ、該点火コイルの二次コイ
ルに誘起する点火用の高電圧が2つの気筒の点火プラグ
に同時に印加される。この場合、2つの気筒で同時に点
火動作(点火プラグに火花放電を生じさせる動作)が行
われるが、4サイクル内燃機関では、点火位置が360
°離れた2つの気筒のうちの一方が正規の点火位置にあ
る時に他方は排気行程の終期にあって、該他方の気筒で
発生する火花は燃料の着火には寄与しないため、点火位
置が360°離れた2つの気筒で同時に点火動作を行わ
せても機関の動作には何等支障を来さない。
【0011】各点火コイルの一次側に設けられる点火駆
動回路としては、コンデンサ放電式の回路と、電流遮断
形の回路とが知られている。コンデンサ放電式の点火駆
動回路は、点火コイルの一次側に設けられて点火位置よ
りも進んだ位置で一方の極性に充電される点火用コンデ
ンサと点火信号が与えられたときに導通して該点火用コ
ンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電
させる一次電流制御用スイッチとを備えていて、点火用
コンデンサの電荷の放電により点火コイルの一次電流に
急激な変化を生じさせて点火用の高電圧を発生させる。
【0012】また電流遮断形の点火駆動回路は、点火コ
イルに一次電流を供給する電源部と、点火位置よりも進
んだ位置で点火信号により導通させられて点火コイルに
一次電流を流す一次電流制御用スイッチとを備えてい
て、機関の点火位置よりも進んだ位置で点火信号を発生
させて点火コイルに一次電流を流し、点火位置で点火信
号を消滅させて該一次電流制御用スイッチを遮断状態に
することにより、点火コイルの二次コイルに点火用の高
電圧を誘起させる。この電流遮断形の点火駆動回路とし
ては、電源部にバッテリを用いるバッテリ式のものと、
内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられた発
電コイルを電源部として用いるものとがある。
【0013】コンデンサ放電式の点火駆動回路と電流遮
断形の点火駆動回路とでは、点火信号への応答の仕方が
相違する。即ち、コンデンサ放電式の点火駆動回路で
は、点火信号が与えられたときに一次電流制御用スイッ
チを導通させて点火用コンデンサを放電させることによ
り点火動作を行わせるため、点火信号を発生させるタイ
ミングが点火位置となるが、電流遮断形の点火装置で
は、点火信号が与えられた時に一次電流の通電を開始
し、点火信号が消滅したときに一次電流を遮断して点火
動作を行わせるため、点火信号を消滅させるタイミング
が点火位置となる。
【0014】本発明が対象とする内燃機関においては、
点火装置の点火駆動回路として上記いずれの形式のもの
を用いてもよいが、4サイクル内燃機関を点火する点火
装置の点火駆動回路としては、バッテリを電源とした電
流遮断形の回路が多く用いられている。従って、以下の
説明では、バッテリ式の電流遮断形点火駆動回路を用い
るものとする。
【0015】バッテリ式の電流遮断形点火駆動回路が用
いられる場合には、点火コイルの一次電流の通電を開始
する通電開始位置(点火信号を発生させる位置)と、該
一次電流を遮断する通電停止位置(点火信号を消滅させ
る位置)とを制御する必要がある。
【0016】電子制御ユニットはCPUを備えていて、
内燃機関に取り付けられたセンサが機関のクランク軸の
特定の回転角度位置で発生するパルスの発生周期から機
関の回転速度を演算し、演算した回転速度と各種のセン
サから検出された制御条件とに対して、上記通電開始位
置及び通電停止位置(点火位置)と燃料噴射時間とを演
算する。
【0017】通電開始位置は、各気筒の圧縮行程におけ
る上死点位置(各気筒内のピストンが上死点に達したと
きのクランク軸の回転角度位置)よりも十分に進角した
位置に設定された各気筒の基準位置(例えば圧縮工程に
おける上死点前65°の位置)から該通電開始位置まで
クランク軸が回転するのに要する時間(計数すべきクロ
ックパルスの数)の形で演算され、通電停止位置(点火
位置)は、通電開始位置から通電停止位置までクランク
軸が回転するのに要する時間の形で演算される。
【0018】電子制御ユニットは、各気筒の基準位置が
検出されたときに各気筒用の通電タイマ(クロックパル
スを計数することにより通電開始位置を計測するタイ
マ)をスタートさせて、演算された通電開始位置の計測
を開始する。また例えば各気筒の基準位置が検出された
ときに各気筒用のインジェクタからの燃料の噴射を開始
させるとともに、インジェクタ噴射タイマ(燃料噴射時
間を計測するタイマ)をスタートさせて燃料噴射時間の
計測を開始する。
【0019】そして、通電タイマにより通電開始位置が
計測されたときに各気筒用の点火コイルへの一次電流の
通電を開始するとともに、各気筒用の点火タイマ(クロ
ックパルスを計数することにより点火位置を計測するタ
イマ)による点火位置の計測をスタートさせ、該点火タ
イマにより点火位置が計測された時に各気筒用の点火コ
イルの一次電流を遮断して各気筒の点火動作を行わせ
る。また各気筒用のインジェクタ噴射タイマが燃料噴射
時間の計測を完了したときに各気筒用のインジェクタか
らの燃料の噴射を停止させる。
【0020】上記のように、電子制御ユニットは、点火
コイルの一次電流の通電開始位置やインジェクタからの
燃料の噴射を停止させる位置の計測を行うために各気筒
に対して設定された基準位置の情報を必要とする。
【0021】また機関の始動時には点火位置の演算を直
ちに行うことができないため、始動時の点火位置を演算
により定めようとすると、点火動作が開始されるまでに
時間を要し、機関の始動性が悪くなるのを避けられな
い。更に機関の始動直後は、機関の行程変化に伴う回転
速度の変動が激しいため、演算により点火位置を定める
ことが困難である。そのため、始動操作を開始した後遅
滞なく点火動作を開始させて、機関の始動性を向上させ
るためには、点火位置を演算により定めるのではなく、
予め設定した定位置で点火動作を行わせるようにするの
が好ましい。従って、電子制御ユニットは、機関の極低
速領域における点火位置(低速時点火位置という。)を
検出するための信号を必要とする。
【0022】そこでこの種の制御装置では、各気筒の基
準位置及び低速時点火位置で極性が異なるパルスを発生
するクランク軸センサをクランク軸に取り付けて、該ク
ランク軸センサから得られる信号を電子制御ユニットに
与えるようにしている。
【0023】クランク軸センサは、各気筒用の基準位置
検出パルス及び低速時点火位置検出パルスを順次発生す
るが、単にこれらのパルスを電子制御ユニットに入力し
ただけでは、各パルスがいずれの気筒用のパルスである
かを判別することができない。そのため、カム軸が1回
転する間に1回基準判別パルスを発生するカム軸センサ
をカム軸に別途取り付けて、該カム軸センサから得られ
る基準判別パルスを基準にしてクランク軸センサが発生
する一連の信号がいずれの気筒に対応するものであるか
を判別するようにしている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】従来の4サイクル内燃
機関制御装置において、内燃機関の気筒数が2または4
である場合には、クランク軸センサ4に気筒数の1/2
の数のパルサコイルを設けて、各パルサコイルが基準位
置で発生するパルス及び低速時点火位置で発生するパル
スをそれぞれ波形整形回路を通してCPUに入力するよ
うにしていた。
【0025】また気筒数が3である場合には、クランク
軸センサに3つのパルサコイルを設けて、各パルサコイ
ルが基準位置で発生するパルス及び低速時点火位置で発
生するパルスをそれぞれ波形整形回路を通してCPUに
入力していた。
【0026】このように、従来の内燃機関制御装置で
は、クランク軸センサに多くのパルサコイルを設ける必
要がある上に、電子制御ユニットに多くの波形整形回路
を設ける必要があるため、装置の構成が複雑になって制
御装置が大形化する上に、コストが高くなるのを避けら
れなかった。
【0027】なお基準判別パルスを検出することができ
ない極低速領域では点火動作を行わせないようにすれ
ば、クランク軸センサには1つのパルサコイルを設けれ
ばよく、装置の構成を簡単にすることができる。しかし
ながら、極低速時に点火動作を行わせないようにする
と、機関の始動時のクランキング回転速度を高くする必
要があるため、機関の始動性が悪くなるのを避けられな
い。
【0028】また、内燃機関により駆動される乗物、特
に船外機や、スノーモビルのように、機関が停止すると
遭難の危険がある乗物の場合には、機関を制御する制御
装置の一部に異常が生じた場合でも極力機関の運転を継
続し得るようにしておくことが望ましいが、クランク軸
センサにパルサコイルを1つだけ設けるようにした場合
には、断線等によりカム軸センサからの信号を検出する
ことができなくなって、基準位置検出パルスがいずれの
気筒に対応するものであるのかを識別することができな
くなったときに、点火動作及び燃料噴射動作が全く行わ
れなくなるため、機関の運転を行うことができなくなる
という問題があった。
【0029】本発明の目的は、クランク軸センサに1つ
のパルサコイルを設けるだけで、機関の始動時にカム軸
センサの出力を検出することができない状態でも点火動
作を行わせることができるようにして、機関の始動性を
損なうことなく、装置の構成の簡素化を図ることができ
るようにした内燃機関制御方法及び該方法を実施するた
めに用いる制御装置を提供することにある。
【0030】本発明の他の目的は、機関の始動後何らか
の原因でカム軸センサの出力を検出することができなく
なった場合でも、機関を運転することができるようにし
た内燃機関制御方法及び該方法を実施するために用いる
制御装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる制御方法
は、4サイクル多気筒内燃機関の点火装置を制御する方
法を対象とする。
【0032】本発明においては、内燃機関のクランク軸
に取り付けられて各気筒の圧縮行程における上死点位置
付近に設定された各気筒の低速時点火位置でパルス波形
の低速時点火位置検出信号を発生し、各気筒の低速時点
火位置よりも進角した位置に設定された各気筒の基準位
置で基準位置検出パルスを発生するクランク軸センサ
と、内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
サと、各気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算
する点火位置演算手段とを設けておいて、カム軸センサ
が出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあると
きにクランク軸センサが各低速時点火位置検出信号を発
生する位置で内燃機関のすべての気筒で同時に点火動作
を行わせる過程と、基準判別パルスが検出されたとき
に、基準判別パルスが発生した後にクランク軸センサか
ら得られる一連の基準位置検出パルスの発生順序から該
一連の基準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を
検出する基準位置検出パルスであるかを判別する過程
と、判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位
置で点火位置演算手段により演算された各気筒の点火位
置の計測を開始して、演算された各気筒の点火位置が計
測された時に各気筒で点火動作を行わせる過程とを行わ
せる。
【0033】本発明はまた、各気筒に対して設けられた
インジェクタを有する燃料噴射装置により燃料が供給さ
れる4サイクル多気筒内燃機関の点火装置と前記燃料噴
射装置とを制御する方法にも適用される。
【0034】この場合には、内燃機関のクランク軸に取
り付けられて各気筒の圧縮行程における上死点位置付近
に設定された各気筒の低速時点火位置でパルス波形の低
速時点火位置検出信号を発生し、各気筒の低速時点火位
置よりも進角した位置に設定された各気筒の基準位置で
基準位置検出パルスを発生するクランク軸センサと、内
燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定の回転
角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パルスを
該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸センサと、
各気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算する点
火位置演算手段と、各気筒用のインジェクタから燃料を
噴射させる燃料噴射時間を所定の制御条件に対して演算
する燃料噴射時間演算手段とを設けておいて、カム軸セ
ンサが出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあ
るときに、クランク軸センサが各基準位置検出パルスを
発生する位置ですべての気筒用のインジェクタから同時
に燃料の噴射を開始させて設定された時間の間各インジ
ェクタから燃料を噴射させる過程と、カム軸センサが出
力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
に、クランク軸センサが各低速時点火位置検出パルスを
発生する位置で内燃機関のすべての気筒で同時に点火動
作を行わせる過程と、基準判別パルスが検出されたとき
に、基準判別パルスの発生後にクランク軸センサが発生
する一連の基準位置検出パルスの発生順序から各基準位
置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する基準
位置検出パルスであるかを判別する過程と、判別された
各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で各気筒用の
インジェクタから燃料の噴射を開始させて、燃料噴射時
間演算手段により演算された燃料噴射時間が経過したと
きに各気筒用のインジェクタからの燃料の噴射を停止さ
せる過程と、基準位置検出パルス判別手段により判別さ
れた各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で点火位
置演算手段により演算された各気筒の点火位置の計測を
開始して演算された各気筒の点火位置が計測された時に
各気筒で点火動作を行わせる過程とを行う。本発明を4
サイクル4気筒内燃機関の点火装置を制御する内燃機関
制御装置に適用する場合には、該制御装置が、以下に示
すクランク軸センサと、カム軸センサと、電子制御ユニ
ット(ECU)とにより構成される。
【0035】本発明においては、内燃機関の回転速度が
極低速領域にあってカム軸センサの出力パルスの波高値
が低かったり、機関の始動操作を開始する際に、カム軸
センサのロータのリラクタが信号発電子の磁極の位置を
行き過ぎた位置にあって、始動操作開始後カム軸センサ
が基準判別パルスを直ちに発生できない状態にあった
り、カム軸センサの出力を電子制御ユニットに与える配
線が外れたりしていて、カム軸センサが発生する基準判
別パルスを検出し得ない状態にあるときに、クランク軸
センサが各低速時点火位置検出信号を発生する位置で内
燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせること
を特徴としている。
【0036】そのため、本発明で用いるクランク軸セン
サは、内燃機関のクランク軸に取り付けられて各気筒の
圧縮行程における上死点位置(各気筒内のピストンが上
死点に達した時のクランク軸の回転角度位置)付近に設
定された各気筒の低速時点火位置でパルス波形の低速時
点火位置検出信号を発生し、各気筒の低速時点火位置よ
りも進角した位置に設定された各気筒の基準位置で基準
位置検出パルスを発生するように構成される。またカム
軸センサは、内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム
軸の所定の回転角度位置に設定された回転角度位置で基
準判別パルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するよ
うに構成される。
【0037】電子制御ユニットは、カム軸センサが出力
する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるときに、
クランク軸センサが各低速時点火位置検出信号を発生す
る位置で内燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を行
わせるように前記点火装置に点火信号を与える非常時点
火信号供給手段と、基準判別パルスが検出されたときに
該基準判別パルスが発生した後に前記クランク軸センサ
から得られる一連の基準位置検出パルスの発生順序から
該一連の基準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置
を検出する基準位置検出パルスであるかを判別する基準
位置検出パルス判別手段と、各気筒の点火位置を所定の
制御条件に対して演算する点火位置演算手段と、基準位
置パルス判別手段により判別された各気筒用の基準位置
検出パルスの発生位置で点火位置演算手段により演算さ
れた各気筒の点火位置の計測を開始して演算された各気
筒の点火位置が計測された時に各気筒で点火動作を行わ
せるように点火装置に点火信号を与える定常時点火位置
制御手段とを備えた構成とする。
【0038】上記内燃機関の気筒数が4である場合に
は、点火位置がクランク角で360°離れている2つの
気筒を1組の気筒として内燃機関の4個の気筒を2組の
気筒に分け、各組の気筒を同時に点火する。この場合ク
ランク軸センサは、2組の気筒群にそれぞれ対応する2
個のリラクタを等角度間隔で有してクランク軸により回
転駆動されるロータと、該ロータの各リラクタの回転方
向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出した時にそれ
ぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの信号発電子と
を備えた構成とする。
【0039】またこの場合、信号発電子が各組の気筒に
対応するリラクタの前端縁を検出した時に発生するパル
ス及び各組の気筒に対応するリラクタの後端縁を検出し
た時に発生するパルスがそれぞれ各組の気筒の基準位置
検出パルス及び低速時点火位置検出パルスとなるよう
に、ロータの各リラクタと信号発電子との間の位置関係
を設定する。
【0040】4サイクル4気筒内燃機関において、各気
筒の低速時点火位置検出信号が発生する毎に、4つの気
筒で同時に点火動作を行わせると、点火時期にある気筒
では混合気が燃焼して爆発行程に移行するためトルクが
生じる。また点火時期にない3つの気筒のうち1つの気
筒は爆発行程の終期にあり、他の2つの気筒はそれぞれ
排気行程の終期及び吸入行程の終期にあるが、爆発行程
にある気筒では既に燃焼が行われているので、点火動作
が行われても支障を来さない。また排気行程の終期にあ
る気筒では燃焼が行われることがないので、火花が飛ん
でも何の問題もない。更に吸入行程の終期にある気筒で
は、気筒内に燃料が流入しているが、ピストンが下死点
付近にあるため混合気に着火して燃焼に発展する確率は
低く、仮に着火したとしても機関の起動を妨げるような
トルクは生じない。従って、低速時点火位置検出信号が
発生したときに4つの気筒で同時に点火動作を行わせた
場合、点火時期にある気筒以外の気筒で行われる点火は
捨火点火となり、機関の回転には影響を与えないため、
機関を何等支障なく始動させることができる。
【0041】基準判別パルスが検出されたときには、ク
ランク軸センサが発生する一連のパルスがいずれの気筒
に対応するものであるかを判別して、CPUにより演算
された位置で点火動作を行わせることができるため、定
常運転時の機関の運転は支障なく行わせることができ
る。
【0042】上記のように、本発明では、基準判別パル
スを検出し得ない状態にあるときに、クランク軸センサ
が各低速時点火位置検出信号を発生する位置で内燃機関
のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるようにした
ので、クランク軸センサとしては、一連の気筒の基準位
置及び低速時点火位置で順次パルスを発生するものを用
いればよい。従って、クランク軸センサにはパルサコイ
ルを1つだけ設ければよく、クランク軸センサの構成を
簡単にすることができる。またクランク軸センサの出力
をCPUに入力する回路は、基準位置検出パルスをCP
Uが認識し得る波形の信号に変換する回路と、低速時点
火位置検出パルスをCPUが認識し得る波形の信号に変
換する回路との2つの回路により構成することができる
ので、電子制御ユニットの構成を従来よりも簡単にする
ことができる。
【0043】上記の構成では、点火装置のみを制御する
ようにしているが、点火装置とともに、燃料噴射装置を
も制御する4サイクル4気筒内燃機関制御装置にも本発
明を適用することができる。この場合には、各気筒の圧
縮行程における上死点位置付近に設定された各気筒の低
速時点火位置で低速時点火位置検出パルスを発生し、各
気筒の低速時点火位置よりも進角した位置でかつ各気筒
用のインジェクタが燃料の噴射を開始する位置として適
した位置に設定された各気筒の基準位置で基準位置検出
パルスを発生するようにクランク軸センサを構成する。
【0044】またこの場合、電子制御ユニットは、内燃
機関の回転速度が極低速領域にあって、カム軸センサが
出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
に、クランク軸センサが各基準位置検出パルスを発生す
る位置ですべての気筒用のインジェクタから同時に燃料
の噴射を開始させて設定された時間の間各インジェクタ
から燃料を噴射させるように燃料噴射装置に噴射指令信
号を与える非常時燃料噴射制御手段と、カム軸センサが
出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
に、クランク軸センサが各低速時点火位置検出パルスを
発生する位置で内燃機関のすべての気筒で同時に点火動
作を行わせるように点火装置に点火信号を与える非常時
点火制御手段と、基準判別パルスを検出し得る状態にあ
るときに、基準判別パルスの発生後にクランク軸センサ
が発生する一連の基準位置検出パルスの発生順序から各
基準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出す
る基準位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出
パルス判別手段と、各気筒用のインジェクタの燃料噴射
時間(インジェクタから燃料を噴射させる時間)を所定
の制御条件に対して演算する燃料噴射時間演算手段と、
各気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算する点
火位置演算手段と、基準位置検出パルス判別手段により
判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で
各気筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始させ、燃
料噴射時間演算手段により演算された燃料噴射時間が経
過したときに各気筒用のインジェクタからの燃料の噴射
を停止させるように燃料噴射装置に噴射指令信号を与え
る定常時燃料噴射制御手段と、基準位置検出パルス判別
手段により判別された各気筒用の基準位置検出パルスの
発生位置で点火位置演算手段により演算された各気筒の
点火位置の計測を開始して演算された各気筒の点火位置
が計測された時に各気筒で点火動作を行わせるように点
火装置に点火信号を与える定常時点火位置制御手段とを
備えた構成とする。
【0045】上記のように構成した場合、基準判別パル
スを検出できない状態では、すべての気筒のインジェク
タから同時に燃料が噴射されるが、燃料ポンプのポンプ
モータに供給する駆動電流を適宜に調整して各インジェ
クタからの燃料の噴射量を適当に調整しておけば、各気
筒に供給される燃料が過剰になることはなく、機関の運
転には支障を来さない。
【0046】本発明はまた、4サイクル3気筒内燃機関
を制御する制御装置にも適用される。この場合には、3
個の気筒にそれぞれ対応する3個のリラクタを120°
間隔で有してクランク軸により回転駆動されるロータ
と、該ロータの各リラクタの回転方向の前端縁を検出し
た時及び後端縁を検出した時にそれぞれ極性が異なるパ
ルスを発生する1つの信号発電子とを備えて、各気筒の
圧縮行程における上死点位置より進角した位置に設定さ
れた各気筒の基準位置及び各気筒の圧縮行程における上
死点位置付近に設定された低速時点火位置でそれぞれ信
号発電子が各気筒に対応するリラクタの回転方向の前端
縁及び後端縁を検出して基準位置検出パルス及び低速時
点火位置検出パルスを発生するように、ロータの各リラ
クタと信号発電子との間の位置関係が設定されたクラン
ク軸センサと、前記と同様に基準判別パルスをカム軸の
1回転当り1回発生するカム軸センサとを設ける。
【0047】この場合、電子制御ユニットは、カム軸セ
ンサが出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあ
るときに、クランク軸センサの信号発電子が各リラクタ
の回転方向の後端縁を検出してパルスを発生した時に内
燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるよう
に点火装置に点火信号を与える非常時点火信号供給手段
と、基準判別パルスを検出し得る状態にあるときに、基
準判別パルスが発生した後にクランク軸センサから得ら
れる一連のパルスの発生順序を識別することにより、順
次発生する基準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位
置を検出する基準位置検出パルスであるかを判別する基
準位置検出パルス判別手段と、各気筒の点火位置を所定
の制御条件に対して演算する点火位置演算手段と、基準
位置検出パルス判別手段により判別された各気筒用の基
準位置検出パルスの発生位置で点火位置演算手段により
演算された各気筒の点火位置の計測を開始して演算され
た各気筒の点火位置が計測された時に各気筒で点火動作
を行わせるように点火装置に点火信号を与える定常時点
火位置制御手段とを備えた構成とする。
【0048】内燃機関が3気筒の場合、隣接する気筒の
点火位置は240°離れている。そのため、上記のよう
にクランク軸センサのロータにリラクタを120°間隔
で設けて、120°毎に低速時点火信号を発生させて3
つの気筒で同時に点火動作を行わせると、各気筒の圧縮
行程の初期に捨火が発生し、次いで圧縮行程の終期に設
定された低速時点火位置で点火動作が行われることにな
る。この場合、圧縮行程の初期に捨火が発生した際に
は、ピストンが下死点付近にあって、圧縮比が低いた
め、点火動作が行われても混合気の燃焼に発展する確率
は低い。従って、実質的に圧縮行程の終期に行われる2
回目の点火により混合気に着火されることになり、機関
の始動は支障なく行われる。
【0049】上記のように、3気筒内燃機関に本発明を
適用する場合にも、点火装置とともに燃料噴射装置を制
御することができる。この場合、電子制御ユニットは、
カム軸センサが出力する記基準判別パルスを検出し得な
い状態にあるときに、クランク軸センサの信号発電子が
各リラクタの回転方向の前端縁を検出してパルスを発生
した時にすべての気筒用のインジェクタから同時に燃料
の噴射を開始させて設定された時間の間各インジェクタ
から燃料を噴射させるように燃料噴射装置に噴射指令信
号を与える非常時燃料噴射制御手段と、カム軸センサが
出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
に、クランク軸センサの信号発電子が各リラクタの回転
方向の後端縁を検出してパルスを発生した時に内燃機関
のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるように点火
装置に点火信号を与える非常時点火信号供給手段と、基
準判別パルスを検出し得る状態にあるときに、基準判別
パルスの発生後にクランク軸センサが発生する一連のパ
ルスの発生順序を識別することにより、各基準位置検出
パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する基準位置検
出パルスであるかを判別する基準位置検出パルス判別手
段と、各気筒用のインジェクタから燃料を噴射させる燃
料噴射時間を所定の制御条件に対して演算する燃料噴射
時間演算手段と、各気筒の点火位置を所定の制御条件に
対して演算する点火位置演算手段と、基準位置検出パル
ス判別手段により判別された各気筒用の基準位置検出パ
ルスの発生位置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴
射を開始させ、燃料噴射時間演算手段により演算された
燃料噴射時間が経過したときに各気筒用のインジェクタ
からの燃料の噴射を停止させるように燃料噴射装置に噴
射指令信号を与える定常時燃料噴射制御手段と、基準位
置検出パルス判別手段により判別された各気筒用の基準
位置検出パルスの発生位置で点火位置演算手段により演
算された各気筒の点火位置の計測を開始して演算された
各気筒の点火位置が計測された時に各気筒で点火動作を
行わせるように点火装置に点火信号を与える定常時点火
位置制御手段とを備えた構成とする。
【0050】上記クランク軸センサのロータの各リラク
タは例えば60°の極弧角を有するように形成し、各気
筒の基準位置は各気筒の圧縮行程における上死点位置よ
りも65°進角した位置に設定する。また各気筒の低速
時点火位置は例えば各気筒の圧縮行程における上死点位
置よりも5°進角した位置に設定する。
【0051】本発明はまた、4サイクル6気筒内燃機関
を制御する制御装置にも適用することができる。
【0052】この場合には、点火位置がクランク角で3
60°離れている2つの気筒を1組の気筒として内燃機
関の6個の気筒を3組の気筒に分け、3組の気筒ににそ
れぞれ対応する3個のリラクタを120°間隔で有して
内燃機関のクランク軸により回転駆動されるロータと、
該ロータの各リラクタの回転方向の前端縁を検出した時
及び後端縁を検出した時にそれぞれ極性が異なるパルス
を発生する1つの信号発電子とを備えて、各組の気筒の
圧縮行程における上死点位置より進角した位置に設定さ
れた各組の気筒の基準位置及び各組の気筒の圧縮行程に
おける上死点位置付近に設定された低速時点火位置でそ
れぞれ信号発電子が各組の気筒に対応するリラクタの回
転方向の前端縁及び後端縁を検出して基準位置検出パル
ス及び低速時点火位置検出パルスを発生するように、ロ
ータの各リラクタと信号発電子との間の位置関係が設定
されたクランク軸センサと、内燃機関のカム軸に取り付
けられて該カム軸の所定の回転角度位置に設定された回
転角度位置で基準判別パルスを該カム軸の1回転当たり
1回発生するカム軸センサとを設ける。
【0053】また電子制御ユニットは、カム軸センサが
出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
に、クランク軸センサの信号発電子が各リラクタの回転
方向の後端縁を検出してパルスを発生する位置で内燃機
関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるように点
火装置に点火信号を与える非常時点火信号供給手段と、
基準判別パルスが検出されたときに、基準判別パルスが
発生した後にクランク軸センサから得られる一連のパル
スの発生順序から順次発生する基準位置検出パルスがい
ずれの組の気筒の基準位置を検出する基準位置検出パル
スであるかを判別する基準位置検出パルス判別手段と、
各組の気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算す
る点火位置演算手段と、基準位置検出パルス判別手段に
より判別された各組の気筒用の基準位置検出パルスの発
生位置で点火位置演算手段により演算された各組の気筒
の点火位置の計測を開始して演算された各組の気筒の点
火位置が計測された時に各組の気筒で点火動作を行わせ
るように点火装置に点火信号を与える定常時点火位置制
御手段とを備えた構成とする。
【0054】また燃料噴射装置を備えた4サイクル6気
筒内燃機関を制御する場合には、電子制御ユニットを、
カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出し得
ない状態にあるときに、前記クランク軸センサの信号発
電子が各リラクタの回転方向の前端縁を検出してパルス
を発生する位置ですべての気筒用のインジェクタから同
時に燃料の噴射を開始させて設定された時間の間各イン
ジェクタから燃料を噴射させるように燃料噴射装置に噴
射指令信号を与える非常時燃料噴射制御手段と、基準判
別パルスを検出し得ない状態にあるときに、クランク軸
センサの信号発電子が各リラクタの回転方向の後端縁を
検出してパルスを発生した時に内燃機関のすべての気筒
で同時に点火動作を行わせるように点火装置に点火信号
を与える非常時点火信号供給手段と、基準判別パルスが
検出されたときに基準判別パルスの発生後にクランク軸
センサが発生する一連のパルスの発生順序から各基準位
置検出パルスがいずれの組の気筒の基準位置を検出する
基準位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出パ
ルス判別手段と、各気筒用のインジェクタの燃料噴射時
間を所定の制御条件に対して演算する燃料噴射時間演算
手段と、各組の気筒の点火位置を所定の制御条件に対し
て演算する点火位置演算手段と、基準位置検出パルス判
別手段により判別された各組の気筒用の基準位置検出パ
ルスの発生位置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴
射を開始させ、前記燃料噴射時間演算手段により演算さ
れた燃料噴射時間が経過したときに各気筒用のインジェ
クタからの燃料の噴射を停止させるように燃料噴射装置
に噴射指令信号を与える定常時燃料噴射制御手段と、基
準位置検出パルス判別手段により判別された各組の気筒
用の基準位置検出パルスの発生位置で点火位置演算手段
により演算された各組の気筒の点火位置の計測を開始し
て演算された各組の気筒の点火位置が計測された時に各
組の気筒で点火動作を行わせるように点火装置に点火信
号を与える定常時点火位置制御手段とを備えた構成とす
る。
【0055】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を説明する。
【0056】なお図面において、#1,#2,#3,#
4の符号はそれぞれ機関の第1気筒ないし第4気筒に係
るものであることを意味している。
【0057】図1は本発明に係わる4サイクル内燃機関
制御装置のハードウェアの構成を示したもので、同図に
おいて1は電子制御ユニット(ECU)、2は電子制御
ユニット1とインジェクタに電源電圧を与えるバッテリ
である。バッテリ2の出力電圧は電源スイッチ3を通し
て電子制御ユニット1の電源入力端子に印加されてい
る。4はクランク軸センサ、5はカム軸センサ、6はス
ロッルバルブがアイドリング位置(全閉位置)に戻され
たことを検出するアイドルスイッチ、7は変速機がニュ
ートラル状態にあることを検出するニュートラルスイッ
チ、8は大気圧を検出する圧力センサ、9は機関の冷却
水の温度を機関温度として検出する機関温度センサ、1
0は機関の吸気温度を検出する吸気温度センサ、11は
スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度セン
サである。
【0058】またIJ1 ないしIJ4 はそれぞれ機関の
第1気筒ないし第4気筒に燃料を供給するために設けら
れた第1ないし第4気筒用のインジェクタ、IG14は機
関の第1気筒及び第4気筒に共通に設けられた第1,第
4気筒用点火コイル、IG23は機関の第2気筒及び第3
気筒に共通に設けられた第2,第3気筒用点火コイル、
PL1 〜PL4 はそれぞれ機関の第1ないし第4の気筒
に取り付けられた第1ないし第4気筒用点火プラグであ
る。
【0059】第1,第4気筒用点火コイルIG14は第1
気筒の点火プラグ及び第4気筒の点火プラグに同時に点
火用高電圧を印加して点火動作を行わせる同時発火コイ
ルであり、第2,第3気筒用点火コイルIG23は第2気
筒の点火プラグ及び第3気筒の点火プラグに同時に点火
用高電圧を印加して点火動作を行わせる同時発火コイル
である。
【0060】第1ないし第4気筒用のインジェクタIJ
1 ないしIJ4 は弁を駆動するためのソレノイドコイル
W1 〜W4 を有していて、それぞれのソレノイドコイル
W1〜W4 の一端はバッテリ2の正極端子にスイッチ3
を通して接続され、他端は電子制御ユニット1内に設け
られたインジェクタ駆動回路A1 ないしA4 に接続され
ている。
【0061】点火コイルIG14及びIG23の一次コイル
の一端はバッテリ2の正極端子にスイッチ3を通して接
続され、点火コイルIG14及びIG23の一次コイルの他
端は電子制御ユニット1内に設けられた第1,第4気筒
用点火駆動回路B14及び第2,第3気筒用点火駆動回路
B23に接続されている。
【0062】点火プラグPL1 及びPL4 の非接地側端
子は点火コイルIG14の二次コイルの一端及び他端に接
続され、点火プラグPL2 及びPL3 の非接地側端子は
点火コイルIG23の二次コイルの一端及び他端に接続さ
れている。
【0063】ISはアイドル回転速度制御(ISC)を
行うために、スロットルバルブをバイパスする空気通路
を通して流れる空気量を調整する電磁式のISCバルブ
の駆動コイル、PMはインジェクタIJ1 〜IJ4 に燃
料を供給する燃料ポンプを駆動するポンプモータであ
り、ISCバルブの駆動コイルISの一端及びポンプモ
ータPMの一端はバッテリ2の正極端子にスイッチ3を
通して接続されている。また駆動コイルISの他端及び
ポンプモータPMの他端はそれぞれ電子制御ユニット内
に設けられたISCバルブ駆動回路C及び燃料ポンプ駆
動回路Dに接続されている。
【0064】インジェクタ駆動回路A1 ないしA4 はそ
れぞれインジェクタIJ1 ないしIJ4 のソレノイドコ
イルに対して直列に接続されたスイッチ手段を備えてい
て、CPU110から噴射指令信号U1 〜U4 が与えら
れたときにそれぞれのスイッチ手段を導通させることに
より、バッテリ2からインジェクタIJ1 ないしIJ4
に駆動電流を流す。インジェクタIJ1 ないしIJ4 は
駆動電流が与えられている間燃料を噴射する。
【0065】点火駆動回路B14及びB23は点火コイルI
G14及びIG23の一次コイルに対して直列に接続された
スイッチを備えていて、CPU110から点火信号V14
及びV23が与えられた時に点火コイルIG14及びIG23
の一次コイルに一次電流を流し、点火信号V14及びV23
が消滅したときに点火コイルIG14及びIG23の一次電
流を遮断する。この一次電流の遮断により点火コイルI
G14及びIG23の二次コイルに点火用の高電圧を誘起さ
せる。
【0066】この例では、インジェクタ駆動回路A1 な
いしA4 と、インジェクタIJ1 ないしIJ4 と、燃料
ポンプと、該燃料ポンプからインジェクタIJ1 ないし
IJ4 に与えられる燃料の圧力を一定に制御するプレッ
シャレギュレータ(図示せず。)とにより、燃料噴射装
置が構成されている。
【0067】また点火コイルIG14及びIG23と点火駆
動回路B14及びB23とにより、点火装置が構成されてい
る。
【0068】電子制御ユニット1は、バッテリ2の出力
電圧がスイッチ3を通して入力された電源回路PSと、
該電源回路により電源電圧が与えられるCPU110
と、CPUにクロック信号を与える発振回路OSCとを
備えていて、CPU110の所定の出力ポートにインジ
ェクタ駆動回路A1 ないしA4 の噴射指令信号入力端子
と点火駆動回路B14及びB23の点火信号入力端子とIS
Cバルブ駆動回路C及び燃料ポンプ駆動回路Dの入力端
子とが接続されている。
【0069】電子制御ユニット1はまた、第1ないし第
4気筒に共通の65°波形整形回路F及び5°波形整形
回路Gと、カム軸波形整形回路Hと、入力回路K及びセ
ンサ入力回路Lとを備え、各種のセンサの出力がこれら
の波形整形回路及び入力回路を通してCPU110の所
定の入力ポートに入力されている。
【0070】なおここで「65°波形整形回路」とは、
各気筒の圧縮行程における上死点位置前65°の位置
(クランク軸の回転角度位置)で発生するパルス信号を
波形整形する回路の意味であり、「5°波形整形回路」
とは、各気筒の圧縮行程における上死点位置前5°の位
置(クランク軸の回転角度位置)で発生するパルス信号
をCPUが認識し得る波形の信号に変換する回路であ
る。
【0071】クランク軸センサ4は、内燃機関の各気筒
の点火位置(クランク軸の回転角度位置で表す。)や燃
料噴射時間の計測を開始するクランク軸の回転角度位置
として用いられる「基準位置」の情報と、各気筒の極低
速時(始動時を含む。)の点火位置の情報とを電子制御
ユニット1に与えるために設けられたもので、内燃機関
のクランク軸に取り付けられて各気筒の圧縮行程におけ
る上死点位置付近に設定された各気筒の低速時点火位置
(本実施形態では上死点位置前5°の位置)で低速時点
火位置検出パルスを発生し、各気筒の低速時点火位置よ
りも進角した位置でかつ各気筒用のインジェクタが燃料
の噴射を開始する位置として適した位置(本実施形態で
は上死点位置前65°の位置)に設定された各気筒の基
準位置で基準位置検出パルスを発生する。
【0072】カム軸センサ5は、クランク軸センサ4が
発生する一連のパルスがいずれの気筒に対応するもので
あるかを判別する際の基準となる基準判別パルスを電子
制御ユニット1に与えるために設けられたもので、この
カム軸センサ5は、カム軸が1回転する間(クランク軸
が2回転する間)に1回だけ特定の回転角度位置で基準
判別パルスを発生する。
【0073】図2は、図1に示した内燃機関制御装置の
各部のうち、クランク軸センサ4及びカム軸センサ5の
部分と、電子制御ユニット1の入力回路部の構成例とを
示したものである。
【0074】図2に示したクランク軸センサ4は、鉄な
どの強磁性材料からなっていて、中心軸線を内燃機関の
クランク軸11と共有させた状態でクランク軸に取り付
けられたロータ12と、該ロータの近傍に配置されて機
関のケース等に固定された1つの信号発電子13とから
なっている。
【0075】ロータ12は、クランク軸11と軸線を共
有する円筒面状の外周面を有するように形成されてい
て、その外周の互いに180°離れた対称位置に60°
の極弧角を有する円弧状のリラクタ12a及び12bが
形成されている。
【0076】信号発電子13は、ロータ12の外周に対
向する磁極部13aを先端に有する鉄心と該鉄心に巻回
されたパルサコイル4a(図1参照)と該鉄心に磁気結
合された永久磁石とを備えている。
【0077】なお内燃機関にフライホイール磁石回転子
が取り付けられる場合には、該磁石回転子のフライホイ
ールの外周にリラクタ12aを形成することにより、上
記ロータ12を構成することができる。
【0078】上記のクランク軸センサ4において、ロー
タ12は、機関のクランク軸11とともに図2において
矢印CL方向に回転する。ロータ12が回転すると、リ
ラクタ12a,12bのそれぞれの回転方向の前端縁1
2a1,12b1が信号発電子13の鉄心の磁極部13aの
位置を通過する際(信号発電子13がリラクタ12a,
12bの前端縁を検出した際)及びリラクタ12a,1
2bのそれぞれの回転方向の後端縁12a2,12b2が信
号発電子13の鉄心の磁極部13aの位置を通過する際
(信号発電子13がリラクタ12a,12bの後端縁を
検出した際)にそれぞれ信号発電子13内に設けられた
パルサコイル4aに極性が異なるパルスが誘起させられ
る。
【0079】本発明においては、パルサコイル4aが、
図3(B)に示したように、第1ないし第4気筒のそれ
ぞれの圧縮行程における上死点位置(第1ないし第4気
筒のピストンが圧縮行程終了時に上死点に達した時のク
ランク軸の回転角度位置)に対して65°進角した位置
に設定された第1気筒用ないし第4気筒用の基準位置で
それぞれ信号発電子13がリラクタ12aまたは12b
の前端縁を検出して第1ないし第4気筒用の基準位置検
出パルスS1 ないしS4 を、S1 ,S3 ,S4,S2 ,
…の順序で(気筒の点火順に)発生し、第1ないし第4
気筒のそれぞれの圧縮行程における上死点位置に対して
5°進角した位置に設定された第1気筒用ないし第4気
筒用の低速時点火位置でそれぞれ信号発電子13がリラ
クタ12aまたは12bの後端縁を検出して第1ないし
第4気筒用の低速時点火位置検出パルスS1'ないしS
4'、S1',S3',S4',S2',…の順に発生するよう
に、信号発電子13の取付け位置が設定されている。
【0080】カム軸センサ5は、チェーンスプロケット
機構やタイミングベルト機構等の減速機構を介してクラ
ンク軸11に結合されてクランク軸11の1/2の回転
速度で回転するカム軸14に取り付けれたロータ15
と、ロータ15の近傍に配置されて機関のケース等に固
定された信号発電子16とからなっていて、ロータ15
の外周には円弧状の突起からなるリラクタ15aが設け
られている。
【0081】信号発電子16は、信号発電子13と同様
の構造を有するもので、その鉄心にはパルサコイル5a
(図1参照)が巻回されている。信号発電子16は、リ
ラクタ15aの回転方向の前端縁及び後端縁をそれぞれ
検出した際に図3(A)に示すように極性が異なるパル
スSa及びSbを出力する。カム軸14はクランク軸の
回転速度の1/2の回転速度で回転するため、信号Sa
及びSbは1燃焼サイクル当たり(クランク軸が2回転
する間に)1回発生する。
【0082】本実施形態では、カム軸センサ5の信号発
電子16がリラクタ15aの前端縁を検出したときに発
生するパルスSaが基準判別信号として用いられ、第4
気筒の低速時点火位置検出パルスS4'が発生した直後に
基準判別パルスSaが発生するように、信号発電子16
の取付け位置が設定されている。
【0083】クランク軸センサ4の信号発電子13が第
1ないし第4気筒のそれぞれの圧縮行程における上死点
前65°の位置で発生する基準位置検出パルスS1 〜S
4 は、65°波形整形回路Fにより図3(D)に示すよ
うな正論理の基準位置検出信号P1 〜P4 に変換されて
CPU110に入力されている。また信号発電子13が
第1ないし第4気筒のそれぞれの圧縮行程における上死
点位置前5°の位置で発生する低速時点火位置検出パル
スS1'〜S4'は5°波形整形回路Gにより図3(E)に
示すような負論理のパルスからなる低速時点火位置検出
信号Q1 〜Q4に変換されてCPU110に入力されて
いる。
【0084】カム軸センサ5が発生する基準判別パルス
Saは、カム軸波形整形回路Hにより、図3(C)に示
すような正論理の基準判別パルスPaに変換されてCP
U110に入力されている。
【0085】図2を参照すると、65°波形整形回路
F、5°波形整形回路G及びカム軸波形整形回路Hの具
体的構成例が示されている。
【0086】図2に示された65°波形整形回路Fは、
エミッタが接地され、コレクタがCPUの入力ポートに
接続されたNPNトランジスタTR1 と、トランジスタ
TR1 のコレクタと電源回路PS(図1参照)の出力端
子との間、及びトランジスタTR1 のベースと電源回路
PSの出力端子との間にそれぞれ接続された抵抗R1及
びR2 と、トランジスタTR1 のベースと接地間にアノ
ードを接地側に向けて接続されたダイオードD1 と、ダ
イオードD1 に並列接続されたコンデンサC1と、トラ
ンジスタTR1 のベースにアノードが接続されたダイオ
ードD2 と、ダイオードD2 のカソードに一端が共通接
続された抵抗R3 及びコンデンサC2 と、抵抗R3 及び
コンデンサC2 の他端に一端が接続され、他端が電子制
御ユニット1のクランク軸センサ用入力端子1aに接続
された抵抗R4 と、入力端子1aと接地間に並列に接続
された抵抗R5 及びコンデンサC3 とからなっている。
【0087】また5°波形整形回路Gは、上記抵抗R4
,R5 及びコンデンサC3 と、エミッタが接地され、
コレクタがCPU110の入力ポートに接続されたNP
NトランジスタTR2 と、トランジスタTR2 のコレク
タと電源回路PSの出力端子との間に接続された抵抗R
6 と、トランジスタTR2 のベースと接地間に並列に接
続された抵抗R7 及びコンデンサC4 と、トランジスタ
TR2 のベースにカソードが接続されたダイオードD3
と、ダイオードD3 のアノードに一端が接続され、抵抗
R4 の一端に他端が接続された抵抗R8 及びコンデンサ
C5 とからなっている。
【0088】更にカム軸波形整形回路Hは、エミッタが
接地され、コレクタがCPU110の入力ポートに接続
されたNPNトランジスタTR3 と、トランジスタTR
3 のコレクタと電源回路PSの出力端子との間、及びト
ランジスタTR3 のベースと電源回路PSの出力端子と
の間にそれぞれ接続された抵抗R9 及びR10と、トラン
ジスタTR3 のベースと接地間にアノードを接地側に向
けて接続されたダイオードD4 と、ダイオードD4 に並
列接続されたコンデンサC6 と、トランジスタTR1 の
ベースにアノードが接続されたダイオードD5 と、ダイ
オードD5 のカソードに一端が共通接続された抵抗R11
及びコンデンサC7 と、抵抗R11及びコンデンサC7 の
他端に一端が接続され、他端が電子制御ユニット1のカ
ム軸センサ用入力端子1bに接続された抵抗R12と、入
力端子1bと接地間に並列に接続された抵抗R13及びコ
ンデンサC8 とにより波形整形回路Fと同様に構成され
ている。
【0089】電子制御ユニット1のクランク軸センサ用
入力端子1aには信号発電子13の非接地側出力端子が
接続され、カム軸センサ用入力端子1bには、信号発電
子16の非接地側出力端子が接続されている。
【0090】なお図2に示した電子制御ユニット1は、
CPU110の一部、及びその入力回路を構成する波形
整形回路F〜Hの部分のみを示したもので、他の部分
は、図1と同様に構成されている。
【0091】図2に示した例において、信号発電子13
内のパルサコイル4aが負極性のパルスを発生していな
いときには、トランジスタTR1 が導通状態にある。信
号発電子13が負極性の基準位置検出パルスS1 ,S3
,…を発生すると、該パルスの大きさがコンデンサC2
の両端の電圧値を超えている間、パルサコイル4a−
ダイオードD1 及びD2 −抵抗R3 −抵抗R4 −パルサ
コイル4aの経路で電流が流れ、この電流によりダイオ
ードD1 の両端に生じる電圧降下により、トランジスタ
TR1 のベースエミッタ間が逆バイアスされて該トラン
ジスタTR1 が遮断状態になり、トランジスタTR1 の
コレクタに、図3(D)に示した正論理のパルス波形の
基準位置検出信号P1 ,P3 ,…が得られる。
【0092】抵抗R3 及びコンデンサC2 の並列回路
は、パルサコイル4aに誘起するノイズ信号によりCP
U110に誤信号が入力されるのを防ぐために設けられ
たバイアス回路で、一度抵抗R3 を通して電流が流れる
と、該抵抗R3 の両端の電圧降下によりコンデンサC2
が図示の極性に充電される。以後は、このコンデンサC
2 の両端の電圧(しきい値)を超える大きさのパルスが
入力された時にのみ抵抗R3 を通して電流が流れてトラ
ンジスタTR1 のコレクタにパルス波形の信号が得られ
る。波形整形回路Gの抵抗R8 及びコンデンサC5 の並
列回路、及び波形整形回路Hの抵抗R11及びコンデンサ
C7 の並列回路も同様の目的で設けられている。
【0093】また図2の例において、信号発電子13内
のパルサコイル4aが正極性のパルスを発生していない
ときには、トランジスタTR2 が遮断状態にあり、該ト
ランジスタTR2 のコレクタの電位は高レベルの状態に
ある。信号発電子13内のパルサコイル4aが負極性の
パルスを発生すると、その大きさがコンデンサC5 の両
端の電圧値を超えている間、パルサコイル4a−抵抗R
4 及びR8 −ダイオードD3 −トランジスタTR2 のレ
ベースエミッタ−パルサコイル4aの経路で電流が流れ
て、トランジスタTR2 のコレクタに図3(E)に示す
ような負論理のパルス波形の低速時点火位置検出信号が
得られる。
【0094】また波形整形回路Hは、波形整形回路Fと
全く同様に動作して、カム軸センサ5が負極性のパルス
Snを発生した時にトランジスタTR3 のコレクタに正
論理の基準判定信号Paを発生する。
【0095】上記の内燃機関制御装置の動作を、図3に
示した波形図(タイミングチャート)を用いて説明す
る。なお図3において720°などの角度の後につけら
れた符号「CA」は当該角度がクランク軸の回転角度で
あることを意味する。
【0096】CPU110は、スイッチ3が閉じられて
電源が与えられたときに起動し、燃料ポンプ駆動回路D
に所定のデューティ比で断続する駆動信号ep を与えて
該駆動回路Dから始動時に適した圧力でインジェクタに
燃料を供給するようにPWM制御された駆動電流をポン
プモータPMに流す。これにより燃料ポンプを動作させ
てインジェクタIJ1 〜IJ4 に始動時に適した圧力で
燃料を供給する。
【0097】CPU110は、カム軸センサ5が発生す
る基準判別パルスSaを波形整形して得た基準判定信号
Paを検出した後に順次入力される基準位置検出信号及
び低速時点火位置検出信号P2 ,Q2 ,P1 ,Q1 ,P
3 ,Q3 ,P4 ,Q4 ,…に、例えば順番に番号0,
1,2,3,4,5,6,7,…(図3D,E参照)を
付けて、これらの番号から、入力された信号P2 ,Q2
,P1 ,Q1 ,P3 ,Q3 ,P4 ,Q4 ,…がそれぞ
れ第2気筒用基準位置検出信号、第2気筒用低速時点火
位置検出信号、第1気筒用基準位置検出信号、第1気筒
用低速時点火位置検出信号、第3気筒用基準位置検出信
号、第3気筒用低速時点火位置検出信号、第4気筒用基
準位置検出信号及び第4気筒用低速時点火位置検出信
号、…であると判定する。
【0098】CPU110はまた、クランク軸センサ4
が発生するパルスの発生周期から機関の回転速度を演算
し、演算した回転速度と各種センサ8〜10により検出
された制御条件とに対して各気筒用の点火コイルの一次
電流の通電開始位置及び通電停止位置(点火位置)と燃
料噴射時間とを演算する。
【0099】CPU110はまた、内燃機関の回転速度
が極低速領域にある等の理由で、基準判別パルスSaを
波形整形して得たパルスPaを検出することができない
ときに、クランク軸センサ4の信号発電子13が基準位
置検出パルスS1 ,S3 ,S4 ,S2 ,…を発生する毎
に(基準位置検出信号P1 ,P3 ,P4 ,P2 ,…が入
力される毎に)第1気筒ないし第4気筒用のインジェク
タIJ1 ないしIJ4から同時に燃料の噴射を開始させ
て設定された時間の間各インジェクタから燃料を噴射さ
せるべく、図3(F)ないし(I)の左端側の「基準判
別前」の部分に示したように、燃料噴射装置のインジェ
クタ駆動回路A1 ないしA4 に設定された時間幅の噴射
指令信号U1 ないしU4 を与える。これにより第1ない
し第4気筒用のインジェクタから同時に燃料を噴射させ
る。
【0100】CPU110はまた、基準判別パルスを検
出することができない状態にあるとときに、クランク軸
センサ4の信号発電子13が基準位置検出パルスS1 ,
S3,S4 ,S2 ,…を発生する毎に点火駆動回路B14
に点火信号V14(図3J)及びV23(図3K)を与え
て、第1,第4気筒用の点火コイルIG14及び第2,第
3気筒用の点火コイルIG23に同時に一次電流を流し、
信号発電子13が低速時点火位置検出パルスS1',S
3',S4',S2',…を発生する毎に点火信号V14及びV
23を消滅させて、第1,第4気筒用の点火コイルIG14
及び第2,第3気筒用の点火コイルIG23の一次電流を
遮断する。これにより点火コイルIG14及びIG23のそ
れぞれの二次コイルに同時に点火用高電圧を誘起させ、
点火コイルIG14及びIG23のそれぞれの二次コイルに
誘起する高電圧をそれぞれ第1,第4気筒の点火プラグ
PL1 ,PL4 及び第2,第3気筒の点火プラグPL2
,PL3 に印加して第1気筒ないし第4気筒で同時に
点火動作を行わせる。
【0101】図3(L)ないし(O)はそれぞれ、第1
気筒、第3気筒、第4気筒及び第2気筒の燃焼サイクル
を、同図(A)ないし(K)の横軸に対応させて示した
もので、図3(L)ないし(O)において、「爆」、
「排」、「吸」及び「圧」はそれぞれ爆発行程、排気行
程、吸入行程及び圧縮行程を示している。
【0102】これらの図から明らかなように、第1ない
し第4気筒のいずれかの低速時点火位置において、4つ
の気筒で同時に点火動作を行わせた場合、点火時期にあ
る気筒では混合気が燃焼して爆発行程に移行するためト
ルクが生じる。また点火時期にない3つの気筒のうち1
つの気筒は爆発行程の終期にあり、他の2つの気筒はそ
れぞれ排気行程の終期及び吸入行程の終期にあるが、爆
発行程にある気筒では既に燃焼が行われているので、点
火動作が行われても支障を来さない。また排気行程の終
期にある気筒では燃焼が行われることがないので、火花
が飛んでも何の問題もない。更に吸入行程の終期にある
気筒では、気筒内に燃料が流入しているが、ピストンが
下死点付近にあるため混合気に着火して燃焼に発展する
確率は低く、仮に着火したとしても機関の起動を妨げる
ようなトルクは生じない。従って、低速時点火位置検出
信号が発生したときに4つの気筒で同時に点火動作を行
わせた場合、点火時期にある気筒以外の気筒で発生する
点火火花は捨火となり、機関の回転には影響を与えない
ため、機関を確実に起動させることができる。
【0103】また上記のように、基準判別パルスを検出
できない極低速領域では、すべての気筒のインジェクタ
から同時に燃料が噴射されるが、極低速領域で燃料ポン
プのポンプモータに供給する駆動電流を適宜に調整して
各インジェクタからの燃料の噴射量を適当に調整してお
けば、各気筒に供給される燃料が過剰になることはな
く、始動時の機関の動作には何等問題がない。
【0104】CPU110はまた、アイドルスイッチ6
によりスロットルバルブがアイドル位置に戻されたこと
が検出され、かつニュートラルスイッチ7により変速機
がニュートラル位置にあることが検出されたときに、I
SCバルブ駆動回路Cに駆動信号es を与えて、機関の
回転速度をアイドリング回転速度に安定に保つように、
ISCバルブの駆動コイルISに与える電流を制御す
る。
【0105】図1に示したように、電子制御ユニット1
により4気筒内燃機関を制御する場合にCPU110が
実行するプログラムのアルゴリズムを示すフローチャー
トを図6ないし図12に示した。
【0106】図6はメインルーチンを示したもので、こ
のメインルーチンでは、先ずステップ1において各部の
初期化を行い、ステップ2において割込みを許可した
後、ステップ3に移行してタスク制御を開始する。この
タスク制御では、10msec毎、20msec毎、40msec
毎、及び80msec毎にそれぞれ第1ないし第4のタスク
T1 〜T4 を行わせる。第1のタスクT1 では、先ずス
テップ4において大気圧を検出する圧力センサ8の出力
を読み込み、次いでタスク5においてクランク軸センサ
4から与えられる信号の発生周期から内燃機関(エンジ
ン)の回転速度を演算し、その後ステップ3に戻る。
【0107】また第2のタスクT2 では、先ずステップ
6において機関の温度を検出する温度センサ9の出力を
読み込み、次いでステップ7において吸気温度センサ1
0の出力を読み込む。その後ステップ8でアイドルスイ
ッチ6などの各種のスイッチの状態を検出し、ステップ
9でタスクT1 で演算された回転速度に対する基本点火
位置を点火位置演算用マップを用いて演算する。次いで
ステップ10で各種センサから読み込んだ制御条件(大
気圧、機関温度、吸気温度等)に基づいて基本点火位置
に乗じる補正量を演算し、ステップ11において、ステ
ップ9で演算した基本点火位置にステップ10で演算し
た補正量を乗じて実際の点火位置を演算した後、ステッ
プ3に戻る。
【0108】第3のタスクT3 では、先ずステップ12
において、スロットルバルブの開度及び回転速度に対し
て燃料の基本噴射時間を演算し、ステップ13におい
て、基本噴射時間に乗じる噴射時間補正量をタスク6で
読み込まれた各種センサの出力に対して演算する。次い
でステップ14において、基本噴射時間に噴射時間補正
量を乗じる演算を行って、実際の噴射時間を演算した
後、ステップ3に戻る。
【0109】第4のタスクT4 では、先ずステップ15
において、機関の始動時に燃料の供給量を増加させるた
めに基本噴射時間に加算する時間である始動増量時間を
演算する。次いでステップ16においてISCバルブの
駆動コイルに供給する電流のオンデューティ比を演算し
てそのデューティ比でオンオフする駆動電流をISCバ
ルブ駆動回路Cに供給する。またステップ17で燃料ポ
ンプのポンプモータPMに供給する駆動電流のオンデュ
ーティ比を演算して該デューティ比でオンオフする駆動
電流をポンプモータPMに供給する。次いでステップ1
8において、ステップ11で演算された点火位置とステ
ップ5で演算された回転速度とから点火コイルIG14及
びIG23の一次コイルへの通電時間を演算し、その後ス
テップ3に戻る。
【0110】またカム軸センサ5が基準判別パルスSa
を発生したことが検出される毎に、図6に示すメインル
ーチンに割り込みがかけられて、図7に示すカム軸セン
サ割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンで
は、先ずステップ1において今回の割込みが最初の割込
みであるか否かを判定し、最初の割込みでない場合に
は、ステップ2に移行して、クランク軸センサが発生す
るパルスに順次つけられる0,1,…,7のパルス番号
PLSNUMが8になっているか否か(クランク軸が1
回転する間にクランク軸センサが発生する8個のパルス
がすべて正常に発生したか否か)を判定する。その結
果、PLSNUMが8でない場合には、ステップ3に移
行して、基準判定終了フラグをクリアし、次いでステッ
プ4に移行してRAMに格納されているパルス番号PL
SNUMを0とした後メインルーチンに戻る。
【0111】ステップ1においてこの割込みが始めての
割込みであると判定されたとき、及びステップ2におい
てPLSNUMが8であると判定されたとき(クランク
軸が1回転する間にクランク軸センサが発生する8個の
パルスがすべて正常に発生したと判定されたとき)に
は、ステップ5に移行して基準判定終了フラグをセット
し、次いでステップ4に移行してPLSNUMを0とし
た後、メインルーチンに戻る。
【0112】図7の割込みルーチンは、カム軸センサが
発生する基準判別パルスが検出されたか否かの確認を行
うためと、基準判別パルスが検出された直後に発生する
クランク軸センサの出力パルスの番号を0にするためと
に設けられている。
【0113】またクランク軸センサ4が各気筒の上死点
位置前65°の基準位置で基準位置検出パルスを発生す
る毎に図8の割込みルーチンが実行される。
【0114】この割込みルーチンでは、先ずステップ1
において基準判定フラグがセットされているか否かを判
定する。その結果、基準判定フラグがセットされていな
いとき(基準判別パルスが検出されていないとき)に
は、ステップ2に移行してメインルーチンで回転速度を
演算するために用いる回転速度情報(フリーランニング
カウンタの計数値)を読み込み、更にステップ3に移行
してすべての気筒のインジェクタ駆動回路に駆動信号を
与えてすべての気筒のインジェクタIJ1 〜IJ4 から
同時に燃料を噴射させる。次いでステップ4において燃
料噴射時間を演算するインジェクタ噴射タイマをスター
トさせ、ステップ5においてすべての点火コイルIG14
及びIG23の一次コイルへの通電を開始した後ステップ
6に移行してPLSNUMの内容に1を加え、メインル
ーチンに戻る。
【0115】カム軸センサが発生する基準判別パルスが
既に検出されており、図8の割込みルーチンのステップ
1において基準判定終了フラグがセットされていると判
定されたときには、ステップ7に移行して回転速度情報
を読み込んだ後ステップ8に移行し、PLSNUMの数
値に応じて、ステップ9a〜9dのいずれかに分岐す
る。
【0116】即ち、PLSNUMの数値が0の時(今回
発生した基準位置検出パルスが第3気筒の上死点位置前
65°の位置で発生したものであるとき)には、ステッ
プ9aに移行して第2の気筒用のインジェクタIJ2 か
らの燃料の噴射を開始させ、次いでステップ10aに移
行して第2の気筒用のインジェクタの噴射時間を計測す
る第2のインジェクタ噴射タイマをスタートさせる。そ
の後ステップ11に移行して第1,第4気筒用の点火コ
イル通電タイマに計測させる時間を演算し、該第1,第
4気筒用の点火コイル通電タイマによる通電時間の計測
をスタートさせる。次いでステップ6に移行してPLS
NUMの内容を1だけ増加させ、メインルーチンに戻
る。
【0117】またステップ8においてPLSNUMの数
値が2のとき(今回発生した基準位置検出パルスが第4
気筒の上死点位置前65°の位置で発生したものである
とき)には、ステップ9bに移行して第1の気筒用のイ
ンジェクタIJ1 からの燃料の噴射を開始させ、次いで
ステップ10bに移行して第1の気筒用のインジェクタ
の噴射時間を計測する第1のインジェクタ噴射タイマを
スタートさせる。その後ステップ12に移行して第2,
第3気筒用の点火コイル通電タイマに計測させる時間を
演算し、該第2,第3気筒用の点火コイル通電タイマに
よる通電時間の計測をスタートさせる。その後ステップ
6に移行して、PLSNUMの内容を1だけ増加させ
る。
【0118】更にステップ8においてPLSNUMの数
値が4のとき(今回発生した基準位置検出パルスが第2
気筒の上死点位置前65°の位置で発生したものである
とき)には、ステップ9cに移行して第3の気筒用のイ
ンジェクタIJ3 からの燃料の噴射を開始させ、次いで
ステップ10cに移行して第3の気筒用のインジェクタ
の噴射時間を計測する第3のインジェクタ噴射タイマを
スタートさせる。その後ステップ11に移行して第1,
第4気筒用の点火コイル通電タイマに計測させる時間を
演算し、該第1,第4気筒用の点火コイル通電タイマに
よる通電時間の計測をスタートさせる。その後ステップ
6に移行してPLSNUMの内容を1だけ増加させ、メ
インルーチンに戻る。
【0119】またステップ8においてPLSNUMの数
値が6のとき(今回発生した基準位置検出パルスが第1
気筒の上死点位置前65°の位置で発生したものである
とき)には、ステップ9dに移行して第4の気筒用のイ
ンジェクタIJ4 からの燃料の噴射を開始させ、次いで
ステップ10dに移行して第4の気筒用のインジェクタ
の噴射時間を計測する第4のインジェクタ噴射タイマを
スタートさせる。その後ステップ12に移行して第2,
第3気筒用の点火コイル通電タイマに計測させる時間を
演算し、該第2,第3気筒用の点火コイル通電タイマに
よる通電時間の計測をスタートさせる。その後ステップ
6に移行して、PLSNUMの内容を1だけ増加させて
メインルーチンに戻る。
【0120】ステップ8においてPLSNUMの数値が
0,2,4及び6のいずれでもない場合には、何もしな
いでステップ6に移行してPLSNUMの内容を1だけ
増加させる。
【0121】またクランク軸センサ4が上死点位置前5
°の位置で低速時点火位置検出パルスを発生する毎に図
9の割込みルーチンが実行される。この割込みルーチン
では、先ずステップ1において基準判定終了フラグがセ
ットされているか否かを判定し、その結果基準判定終了
フラグがセットされていない時(基準判別パルスが検出
されていないとき)には、ステップ2に移行して回転速
度情報を読み込み、次いでステップ3においてすべての
点火コイルへの通電を停止して点火コイルIG14及びI
G23の一次電流を遮断する。この一次電流の遮断により
点火コイルIG14及びIG23の二次コイルに同時に点火
用の高電圧を誘起させ、点火プラグPL1 〜PL4 で同
時に点火動作を行わせる。すべての点火コイルの一次電
流を遮断して点火動作を行わせた後、ステップ4におい
てPLSNUMの記憶内容を1だけ増加させてメインル
ーチンに戻る。
【0122】従って、カム軸センサが発生する基準判別
パルスを検出し得ない機関の極低速領域では、各低速時
点火位置検出パルスが発生する毎にすべての気筒で同時
に点火動作が行われる。
【0123】カム軸センサが出力する基準判別パルスが
検出されていて、図9の割込みルーチンのステップ1に
おいて基準判定が終了していると判定された時には、ス
テップ5に移行して回転速度情報を読み込んだ後、ステ
ップ6に移行し、PLSNUMに記憶されている数値に
応じて、ステップ7または8に移行する。即ちPLSN
UMの数値が1または5であるときには、ステップ7に
移行し、第2,第3気筒用の点火コイルIG23の一次電
流を遮断して第2気筒及び第3気筒で同時に点火動作を
行わせる。またPLSNUMに記憶された数値が3また
は7であるときには、ステップ8に移行し、第1,第4
気筒用の点火コイルIG14の一次電流を遮断して第1気
筒及び第4気筒で点火動作を行わせる。
【0124】図8の割込みルーチンでスタートさせられ
た第1,第4気筒用の点火コイル通電タイマが通電開始
時間の計測を完了したときに図10(A)の第1,第4
点火コイル通電タイマ割込みルーチンが実行される。こ
の割込みルチーンではステップ1において第1,第4気
筒用の点火コイルIG14の一次コイルへの通電を開始
し、ステップ2において第1,第4気筒用の点火タイマ
にメインルーチンで演算されている点火位置の計測を開
始させた後、メインルーチンに戻る。
【0125】また第2,第3気筒用の点火コイル通電タ
イマが通電開始時間の計測を完了したときには、図10
(B)の第2,第3気筒の点火コイル通電タイマ割込み
ルーチンが実行される。この割込みルチーンではステッ
プ1において第2,第3の気筒用の点火コイルIG23の
一次コイルへの通電を開始し、ステップ2において第
2,第3気筒用の点火タイマにメインルーチンで演算さ
れた点火位置の計測を開始させた後、メインルーチンに
戻る。
【0126】上記第1,第4気筒用点火タイマによる点
火位置の計測が完了したときに、図11(A)の第1,
第4気筒用点火タイマ割込みルーチンが実行され、第
1,第4気筒用の点火コイルIG14の一次電流が遮断さ
れる。これにより第1,第4気筒で同時に点火動作が行
われる。
【0127】また第2,第3気筒用点火タイマによる点
火位置の計測が完了したときに、図11(B)に示す第
2,第3気筒用点火タイマ割込みルーチンが実行させ
る。この割込みルーチンでは、第2,第3気筒用点火コ
イルIG23の一次電流を遮断して第2気筒及び第3気筒
で同時に点火動作を行わせる。
【0128】更に、第1ないし第4のインジェクタ噴射
タイマがそれぞれ噴射時間の計測を終了したときに図1
2(A)ないし(D)の割込みルーチンを実行させて、
第1ないし第4気筒用のインジェクタ駆動回路A1 ない
しA4 への噴射指令信号U1ないしI4 の供給を停止
し、これらのインジェクタからの燃料の噴射を停止させ
る。
【0129】上記の例では、図8に示した割込みルーチ
ンのステップ1ないし4と、図12に示した割込みルー
チンとにより、内燃機関の回転速度が極低速領域にあっ
て、カム軸センサが出力する基準判別パルスを検出し得
ない状態にあるときに、クランク軸センサが各基準位置
検出パルスを発生する位置ですべての気筒用のインジェ
クタから同時に燃料の噴射を開始させて設定された時間
の間各インジェクタから燃料を噴射させるように燃料噴
射装置に噴射指令信号U1 〜U4 を与える非常時燃料噴
射制御手段が実現される。
【0130】更に、図8に示した割込みルーチンのステ
ップ1,2及び5と、図9の割込みルーチン1,2及び
3とにより、カム軸センサが出力する基準判別パルスを
検出し得ない状態にあるときに、クランク軸センサが各
低速時点火位置検出パルスを発生する位置で内燃機関の
すべての気筒で同時に点火動作を行わせるように点火装
置に点火信号を与える非常時点火制御手段が実現され
る。
【0131】また、図7に示す割込みルーチンのステッ
プ1及び4と、図9に示す割込みルーチンのステップ1
及び4と、図9に示す割込みルーチンのステップ1及び
6とにより、基準判別パルスが検出されたときに、基準
判別パルスの発生後にクランク軸センサが発生する一連
の基準位置検出パルスの発生順序を識別して、各基準位
置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する基準
位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出パルス
判別手段が実現される。
【0132】更に、図6に示したメインルーチンのタス
クT3 により、各気筒用のインジェクタから燃料を噴射
させる燃料噴射時間を所定の制御条件に対して演算する
燃料噴射時間演算手段が実現され、タスクT2 により各
気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算する点火
位置演算手段が実現される。
【0133】また、図8に示した割込みルーチンのステ
ップ1とステップ7及び8とステップ9a,10aない
し9d,10dと図12(A)ないし(D)に示した割
込みルーチンとにより、基準位置検出パルス判別手段に
より判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位
置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始さ
せ、燃料噴射時間演算手段により演算された燃料噴射時
間が経過したときに各気筒用のインジェクタからの燃料
の噴射を停止させるように燃料噴射装置に噴射指令信号
を与える定常時燃料噴射制御手段が実現される。
【0134】更に、図8の割込みルーチンのステップ
1,7,8,11及び12と、図10(A),(B)に
示した割込みルーチンと、図11(A)及び(B)に示
した割込みルーチンとにより、内燃機関の回転速度が定
常速度領域にあるときに基準位置検出パルス判別手段に
より判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位
置で点火位置演算手段により演算された各気筒の点火位
置の計測を開始して演算された各気筒の点火位置が計測
された時に各気筒で点火動作を行わせるように点火装置
に点火信号を与える定常時点火位置制御手段が実現され
る。
【0135】次に4サイクル3気筒内燃機関を制御する
場合の本発明に係わる制御装置の構成を図4、図5、図
6、図7、及び図13ないし図18を参照して説明す
る。
【0136】4サイクル3気筒内燃機関を制御する場合
には、図4に示すように、第1ないし第3の気筒にそれ
ぞれ対応する第1ないし第3のリラクタ12a〜12c
を等角度間隔(120°間隔)で有してクランク軸11
により回転駆動されるロータ12と、ロータ12のリラ
クタ12a〜12cの回転方向の前端縁12a1〜12c1
を検出した時及び後端縁12a2〜12c2を検出した時に
それぞれ極性が異なるパルスを発生する信号発電子13
とによりクランク軸センサ4が構成され、各気筒の圧縮
行程における上死点位置より進角した位置に設定された
各気筒の基準位置及び各気筒の圧縮行程における上死点
位置付近に設定された低速時点火位置でそれぞれ信号発
電子が各気筒に対応するリラクタの回転方向の前端縁及
び後端縁を検出して基準位置検出パルス及び低速時点火
位置検出パルスを発生するように、ロータ12のリラク
タ12a〜12cと信号発電子13との間の位置関係が
設定される。
【0137】図示の例では、第1ないし第3の気筒にそ
れぞれ対応する第1ないし第3のリラクタが、ロータ1
2の正回転方向(図4の矢印CL方向)に沿って順次並
ぶように設けられていて、ロータの回転に伴って、信号
発電子4内のパルサコイル4aに、図5(B)に示すよ
うに、負極性パルスS1 、正極性パルスS1 ´、負極性
パルスS3 、正極性パルスS3 ´、負極性パルスS2 、
正極性パルスS2 ´、負極性パルスS1 、正極性パルス
S1 ´、…の順序でパルス信号が誘起するようになって
いる。
【0138】本実施形態では、各気筒に対応するリラク
タの回転方向の前端縁が、クランク軸が2回転する間に
1回だけ各気筒の基準位置(圧縮行程における上死点位
置前65°の位置)で信号発電子13の磁極部13aの
位置を通過するようになっていて、信号発電子4が出力
する一連の負極性パルスS1 ,S3 ,S2 ,S1 ,…の
うち、240度間隔で(1つ置きに)発生するパルスS
1 ,S2 ,S3 ,…をそれぞれ第1気筒用基準位置検出
パルスとして用い、一連の正極性パルスS1',S3',S
2',S1',…のうち、240度間隔で発生するパルスS
1',S2',S3',…をそれぞれ第1気筒ないし第3気筒
用の低速時点火位置検出パルスとして用いる。
【0139】また3気筒内燃機関を制御する場合には、
図1に示した第4気筒用インジェクタ駆動回路A4 及び
第4気筒用インジェクタIJ4 が省略され、第1ないし
第3気筒用の点火コイルIG1 〜IG3 と、これらの点
火コイルの一次電流を制御する第1ないし第3気筒用の
点火駆動回路B1 〜B3 とが設けられる。点火駆動回路
B1 〜B3 はそれぞれCPUから点火信号V1 〜V3 が
与えられた時に点火コイルIG1 〜IG3 に一次電流を
流し、点火信号V1 〜V3 が消滅させられた時に点火コ
イルIG1 〜IG3 の一次電流を遮断して第1ないし第
3気筒に設けられた点火プラグPL1 〜PL3 に点火用
の高電圧を印加する。その他のハードウェアの構成は図
1及び図2に示した4気筒用の制御装置のそれと同様で
ある。
【0140】信号発電子13が発生する負極性パルスS
3 ,S2 ,S1 ,…は、65°波形整形回路Fに入力さ
れ、該波形整形回路Fにより図5(D)に示す信号P3
,P2 ,P1 ,…に変換されてCPUに入力される。
これらの信号はクランク軸が1回転する毎に1回ずつ発
生するが、本発明においては、これら一連の信号のう
ち、240°間隔で発生する信号P1 〜P3 がそれぞれ
第1気筒用ないし第3気筒用の基準位置検出信号P1 〜
P3 として用いられる。
【0141】また信号発電子が発生する正極性パルスS
3',S2',S1',…は、波形整形回路Gにより波形整形
され、図5(D)に示すような負論理のパルス信号Q3
,Q2 ,Q1 ,…に変換されてCPUに入力される。
信号Q1 ,Q2 ,…のうち、第1ないし第3の気筒のそ
れぞれの圧縮行程における上死点位置付近に設定された
低速時点火位置でそれぞれ発生する信号Q1 ,Q2 ,Q
3 ,…がそれぞれ第1気筒ないし第3気筒用の低速時点
火位置検出信号として用いられる。
【0142】CPU110は、カム軸センサ5が発生す
る基準判別パルスSaを波形整形して得た基準判定信号
Paを検出した後に順次入力される基準位置検出信号及
び低速時点火位置検出信号P3 ,Q3 ,P2 ,Q2 ,P
1 ,Q1 ,…に、例えば順番に番号0,1,2,3,
4,5,6,7,…,11(図5D,E参照)を付け
て、これらの番号から、入力された信号P3 ,Q3 ,P
2 ,Q2 ,P1 ,Q1 ,…がそれぞれ第3気筒用基準位
置検出信号、第3気筒用低速時点火位置検出信号、第2
気筒用基準位置検出信号、第2気筒用低速時点火位置検
出信号、第1気筒用基準位置検出信号及び第1気筒用低
速時点火位置検出信号…であると判定する。CPU11
0はまた、クランク軸センサ4が発生するパルスの発生
周期から機関の回転速度を演算し、演算した回転速度と
各種センサ8〜10により検出された制御条件とに対し
て各気筒用の点火コイルの一次電流の通電開始位置及び
通電停止位置(点火位置)と燃料噴射時間とを演算す
る。
【0143】CPU110はまた、基準判別パルスSa
を波形整形して得たパルスPaを検出することができな
いときに、クランク軸センサ4の信号発電子13が基準
位置検出パルスS3 ,S2 ,S1 ,…を発生する毎に
(基準位置検出信号P3 ,P2,P1 ,P3 ,…が入力
される毎に)第1気筒ないし第3気筒用のインジェクタ
IJ1 ないしIJ3 から同時に燃料の噴射を開始させて
設定された時間の間各インジェクタから燃料を噴射させ
るべく、図5(F)ないし(H)の左端側の「基準判別
前」の部分に示したように、燃料噴射装置のインジェク
タ駆動回路A1 〜A3 に設定された時間幅の噴射指令信
号U1 〜U3 を与える。これにより第1ないし第3気筒
用のインジェクタから同時に燃料を噴射させる。
【0144】CPU110はまた、機関の回転速度が極
低速領域にある状態で、クランク軸センサ4の信号発電
子13が各リラクタの前端縁を検出して負極性パルスS
3 ,S4 ,S2 ,…を発生する毎に点火駆動回路B1 〜
B3 に同時に点火信号V1 〜V3 (図5I〜J)を与え
て、第1ないし第3気筒用の点火コイルIG1 ないしI
G3 に同時に一次電流を流し、信号発電子13が各リラ
クタの後端縁を検出して正極性パルスS3',S2',S
1',…を発生する毎に点火信号V1 ないしV3 を消滅さ
せて、第1ないし第3気筒用の点火コイルIG1 〜IG
3 の二次コイルに同時に点火用の高電圧を誘起させる。
【0145】図5(L)ないし(N)はそれぞれ、第1
気筒、第2気筒、及び第3気筒の燃焼サイクルを示した
もので、「爆」、「排」、「吸」及び「圧」はそれぞれ
爆発行程、排気行程、吸入行程及び圧縮行程を示してい
る。
【0146】図4に示したクランク軸センサ4は、負極
性パルス及び正極性パルスをそれぞれ120°間隔で発
生するため、上記のように、信号発電子13が各リラク
タの後端縁を検出して正極性パルスを発生する毎に第1
ないし第3気筒で同時に点火動作を行わせるようにする
と、各気筒の圧縮行程で点火動作が2回行われることに
なる。この場合、圧縮行程の初期に第1回目の点火が行
われる際には、ピストンが下死点付近にあって、圧縮比
が低く、しかも機関の負荷が軽いため、点火動作が行わ
れても混合気の燃焼に発展する確率は低い。従って、実
質的に圧縮行程の終期に行われる2回目の点火により混
合気に着火されることになり、機関の始動は支障なく行
われる。
【0147】本発明者は、4サイクル3気筒内燃機関に
おいて、上記のように機関の始動時に120°間隔で3
つの気筒で同時に点火動作を行わせても、機関を支障な
く始動できることを実験により確認した。
【0148】なお3気筒内燃機関の始動を容易にするた
めには、各気筒の圧縮行程で行われる1回目の点火をで
きるだけピストンの下死点に近い位置で行わせることが
望ましい。そのため低速時点火位置を圧縮行程における
ピストンの上死点よりもある程度進角させることが望ま
しいが、低速時点火位置を余り進角させると機関の始動
時にピストンが押し戻される、いわゆるケッチン現象が
生じ、機関の始動に失敗する。したがって、3気筒内燃
機関に本発明を適用する場合には、始動時にケッチンを
生じさせることなく、1回目の点火をできるだけ下死点
に近い位置で行わせるように、低速時点火位置を適当な
位置に決定する。
【0149】また上記のように、基準判別パルスを検出
できない極低速領域では、すべての気筒のインジェクタ
から同時に燃料が噴射されるが、極低速領域で燃料ポン
プのポンプモータに供給する駆動電流を適宜に調整して
各インジェクタからの燃料の噴射量を適当に調整してお
けば、各気筒に供給される燃料が過剰になることはな
い。
【0150】図4に示した電子制御ユニット1により4
サイクル3気筒内燃機関を制御する場合にCPU110
が実行するプログラムのアルゴリズムを示すフローチャ
ートを図6,図7及び図13ないし図17に示した。
【0151】4サイクル3気筒内燃機関を制御する場
合、メインルーチンの構成は図6に示したものと同様で
あり、カム軸センサ割込みルーチンも図7に示したもの
と同様である。
【0152】3気筒内燃機関を制御する場合には、クラ
ンク軸センサ4が各気筒の上死点前65°の位置で負極
性のパルスを発生する毎に図13の割込みルーチンが実
行される。この割込みルーチンでは、先ずステップ1に
おいて基準判定が終了しているか否か(基準判定終了フ
ラグがセットされているか否か)を判定する。その結
果、基準判定終了フラグがセットされていない(基準判
別パルスが検出されていない)と判定されたときには、
ステップ2に移行して回転速度情報を読み込み、更にス
テップ3に移行してすべての気筒のインジェクタ駆動回
路に駆動信号を与えてすべての気筒のインジェクタIJ
1 〜IJ3 から同時に燃料を噴射させる。次いでステッ
プ4において燃料噴射時間を演算する全てのインジェク
タ噴射タイマをスタートさせ、ステップ5においてすべ
ての点火コイルIG1 〜IG3 の一次コイルへの通電を
開始した後ステップ6に移行してPLSNUMの内容に
1を加え、メインルーチンに戻る。
【0153】カム軸センサが発生する基準判別パルスが
検出されており、図13の割込みルーチンのステップ1
において基準判定が終了していると判定されたときに
は、ステップ7に移行して回転速度情報を読み込んだ後
ステップ8に移行し、PLSNUMの数値に応じて、ス
テップ9a〜9fのいずれかに分岐する。
【0154】即ち、PLSNUMの数値が10の時(今
回発生した基準位置検出パルスが第1気筒の圧縮行程に
おける上死点位置前65°の位置で発生したものである
とき)には、ステップ9aに移行して第2の気筒用の点
火コイルの一次電流の通電開始時間を演算し、該通電開
始時間を計測するタイマをスタートさせた後ステップ6
に移行してPLSNUMの数値に1を加え、メインルー
チンに戻る。
【0155】またステップ8においてPLSNUMの数
値が0のときには、ステップ9bに移行して第3の気筒
用のインジェクタIJ3 からの燃料の噴射を開始させ、
次いでステップ10bに移行して第3の気筒用のインジ
ェクタの噴射時間を計測する第3のインジェクタ噴射タ
イマをスタートさせる。その後ステップ6に移行して、
PLSNUMの内容を1だけ増加させてメインルーチン
に戻る。
【0156】更にステップ8においてPLSNUMの数
値が2のとき(今回発生した基準位置検出パルスが第2
気筒の圧縮行程における上死点位置前65°の位置で発
生したものであるとき)には、ステップ9cに移行して
第3の気筒用の点火コイルの一次電流の通電開始時間を
演算するとともに、該通電開始時間を計測する通電タイ
マをスタートさせた後、ステップ6に移行してPLSN
UMの内容を1だけ増加させ、メインルーチンに戻る。
【0157】またステップ8においてPLSNUMの数
値が4のときには、ステップ9dに移行して第1の気筒
用のインジェクタIJ1 からの燃料の噴射を開始させ、
次いでステップ10dに移行して第1の気筒用のインジ
ェクタの噴射時間を計測する第1のインジェクタ噴射タ
イマをスタートさせる。その後ステップ6に移行して、
PLSNUMの内容を1だけ増加させてメインルーチン
に戻る。
【0158】ステップ8においてPLSNUMの数値が
6のとき(今回発生した基準位置検出パルスが第3気筒
の圧縮行程における上死点位置前65°の位置で発生し
たものであるとき)には、ステップ9eに移行して第1
の気筒用の点火コイルの一次電流の通電開始時間を演算
するとともに、該通電開始時間を計測する通電タイマを
スタートさせた後、ステップ6に移行してPLSNUM
の内容を1だけ増加させ、メインルーチンに戻る。
【0159】ステップ8においてPLSNUMの数値が
8のときには、ステップ9fに移行して第2の気筒用の
インジェクタIJ2 からの燃料の噴射を開始させ、次い
でステップ10fに移行して第2の気筒用のインジェク
タの噴射時間を計測する第2のインジェクタ噴射タイマ
をスタートさせる。その後ステップ6に移行して、PL
SNUMの内容を1だけ増加させてメインルーチンに戻
る。
【0160】なお図示してないが、図13の割込みルー
チンのステップ8においてPLSNUMの数値が10,
0,2,4,6及び8のいずれでもない場合には、何も
しないでステップ6に移行してPLSNUMの内容を1
だけ増加させる。
【0161】またクランク軸センサ4が各気筒の上死点
位置前5°の位置で正極性パルスを発生する毎に図14
の割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンで
は、先ずステップ1において基準判定が終了しているか
否か(基準判別パルスが検出されているか否か)が判定
され、その結果基準判定が終了していない時には、ステ
ップ2に移行してメインルーチンで演算されている回転
速度情報を読み込み、次いでステップ3においてすべて
の点火駆動回路への点火信号の供給を停止して点火コイ
ルIG1 〜IG3 の一次電流を遮断する。この一次電流
の遮断により点火コイルIG1 ないしIG3 の二次コイ
ルに同時に点火用の高電圧を誘起させ、点火プラグPL
1 〜PL3 で同時に点火動作を行わせる。すべての点火
コイルの一次電流を遮断して点火動作を行わせた後、ス
テップ4においてPLSNUMの記憶内容を1だけ増加
させてメインルーチンに戻る。
【0162】従って、カム軸センサが発生する基準判別
パルスを検出し得ない機関の極低速領域では、各低速時
点火位置検出パルスが発生する毎にすべての気筒で同時
に点火動作が行われる。
【0163】カム軸センサが出力する基準判別パルスが
検出されていて、図14の割込みルーチンのステップ1
において基準判定が終了していると判定された時には、
ステップ5に移行して回転速度情報を読み込んだ後、ス
テップ6に移行し、PLSNUMに記憶されている数値
に応じて、ステップ7,8または9に移行する。即ちP
LSNUMの数値が3であるときには、ステップ7に移
行し、第2気筒用の点火コイルIG2 の一次電流を遮断
して第2気筒で点火動作を行わせる。またPLSNUM
に記憶された数値が7であるときには、ステップ8に移
行し、第3気筒用の点火コイルIG3 の一次電流を遮断
して第3気筒で点火動作を行わせる。更に、PLSNU
Mに記憶された数値が11であるときには、ステップ9
に移行し、第1気筒用の点火コイルIG1 の一次電流を
遮断して第1気筒で点火動作を行わせる。
【0164】上記第1気筒用の点火コイル通電タイマが
通電開始時間の計測を完了したときに図15(A)の第
1気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチンが実行さ
れる。この割込みルチーンではステップ1において第1
気筒用の点火コイルIG1 の一次コイルへの通電を開始
し、ステップ2において第1気筒用の点火タイマにメイ
ンルーチンで演算されている点火位置の計測を開始させ
た後、メインルーチンに戻る。
【0165】また第2気筒用の点火コイル通電タイマが
通電開始時間の計測を完了したときには、図15(B)
の第2気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチンが実
行される。この割込みルチーンではステップ1において
第2気筒用の点火コイルIG2 の一次コイルへの通電を
開始し、ステップ2において第2気筒用の点火タイマに
メインルーチンで演算された点火位置の計測を開始させ
た後、メインルーチンに戻る。
【0166】更に、第3気筒用の点火コイル通電タイマ
が通電開始時間の計測を完了したときには、図15
(C)の第3気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチ
ンが実行される。この割込みルチーンではステップ1に
おいて第3気筒用の点火コイルIG3 の一次コイルへの
通電を開始し、ステップ2において第3気筒用の点火タ
イマにメインルーチンで演算された点火位置の計測を開
始させた後、メインルーチンに戻る。
【0167】上記第1気筒用点火タイマによる点火位置
の計測が完了したときに、図16(A)の第1気筒用点
火タイマ割込みルーチンが実行され、第1気筒用の点火
コイルIG1 の一次電流が遮断される。これにより第1
気筒で点火動作が行われる。また第2気筒用点火タイマ
による点火位置の計測が完了したときに、図16(B)
に示す第2気筒用点火タイマ割込みルーチンが実行され
る。この割込みルーチンでは、第2気筒用点火コイルI
G2 の一次電流を遮断して第2気筒で点火動作を行わせ
る。
【0168】更に第3気筒用点火タイマによる点火位置
の計測が完了したときに、図16(C)に示す第3気筒
用点火タイマ割込みルーチンが実行される。この割込み
ルーチンでは、第3気筒用点火コイルIG3 の一次電流
を遮断して第3気筒で点火動作を行わせる。
【0169】更に、第1ないし第3のインジェクタ噴射
タイマがそれぞれ噴射時間の計測を終了したときに図1
7(A)ないし(C)の割込みルーチンを実行させて、
第1ないし第3気筒用のインジェクタ駆動回路A1 ない
しA3 への噴射指令信号U1ないしU3 の供給を停止
し、インジェクタIJ1 〜IJ3 からの燃料の噴射を停
止させる。
【0170】上記の例では、図13に示した割込みルー
チンのステップ1ないし4と、図17に示した割込みル
ーチンとにより、カム軸センサが出力する前記基準判別
パルスを検出し得ない状態にあるときに、クランク軸セ
ンサの信号発電子が各リラクタの回転方向の前端縁を検
出してパルスを発生した時にすべての気筒用のインジェ
クタから同時に燃料の噴射を開始させて設定された時間
の間各インジェクタから燃料を噴射させるように燃料噴
射装置に噴射指令信号を与える非常時燃料噴射制御手段
が実現される。
【0171】また、図13に示した割込みルーチンのス
テップ1,2及び5と、図14の割込みルーチンのステ
ップ1,2及び3とにより、内燃機関の回転速度が極低
速領域にあってカム軸センサが出力する基準判別パルス
を検出し得ない状態にあるときに、クランク軸センサの
信号発電子が各リラクタの回転方向の後端縁を検出して
パルスを発生した時に前記内燃機関のすべての気筒で同
時に点火動作を行わせるように点火装置に点火信号を与
える非常時点火信号供給手段が実現される。
【0172】また、図7に示す割込みルーチンのステッ
プ1及び4と、図14に示す割込みルーチンのステップ
1及び4と、図13に示す割込みルーチンのステップ1
及び6とにより、基準判別パルスが検出されたときに基
準判別パルスの発生後にクランク軸センサが発生する一
連の基準位置検出パルスの発生順序を識別して、各基準
位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する基
準位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出パル
ス判別手段が実現される。
【0173】更に、図6に示したメインルーチンのタス
クT3 により、定常速度領域において各気筒用のインジ
ェクタから燃料を噴射させる燃料噴射時間を所定の制御
条件に対して演算する燃料噴射時間演算手段が実現さ
れ、タスクT2 により定常速度領域における各気筒の点
火位置を所定の制御条件に対して演算する点火位置演算
手段が実現される。
【0174】また、図13に示した割込みルーチンのス
テップ1とステップ7及び8とステップ9aないし9f
とにより、内燃機関の回転速度が定常速度領域にあると
きに基準位置検出パルス判別手段により判別された各気
筒用の基準位置検出パルスの発生位置で各気筒用のイン
ジェクタから燃料の噴射を開始させ、燃料噴射時間演算
手段により演算された燃料噴射時間が経過したときに各
気筒用のインジェクタからの燃料の噴射を停止させるよ
うに燃料噴射装置に噴射指令信号を与える定常時燃料噴
射制御手段が実現される。
【0175】更に、図13の割込みルーチンのステップ
1,7,8及び10b,10d,10fと、図15
(A),(B),(C)に示した割込みルーチンと、図
16(A)ないし(C)に示した割込みルーチンとによ
り、基準位置検出パルス判別手段により判別された各気
筒用の基準位置検出パルスの発生位置で点火位置演算手
段により演算された各気筒の点火位置の計測を開始して
演算された各気筒の点火位置が計測された時に各気筒で
点火動作を行わせるように点火装置に点火信号を与える
定常時点火位置制御手段が実現される。
【0176】上記のように、本発明では、カム軸センサ
が出力する基準判別パルスを検出し得ない状態にあると
き(機関の始動時のように回転速度が極めて低いとき、
また断線などによりカム軸センサの出力がECUに入力
されなくなったとき)に、クランク軸センサが各低速時
点火位置検出信号を発生する位置で内燃機関のすべての
気筒で同時に点火動作を行わせるようにしたので、クラ
ンク軸センサとしては、一連の気筒の基準位置及び低速
時点火位置で順次パルスを発生するものを用いればよ
い。従って、クランク軸センサにはパルサコイルを1つ
だけ設ければよく、クランク軸センサの構成を簡単にす
ることができる。またクランク軸センサの出力をCPU
に入力する回路は、基準位置検出パルスをCPUが認識
し得る波形の信号に変換する回路と、低速時点火位置検
出パルスをCPUが認識し得る波形の信号に変換する回
路との2つの回路により構成することができるので、電
子制御ユニットの構成を従来よりも簡単にすることがで
きる。
【0177】なお本発明を6気筒内燃機関を制御する制
御装置に適用する場合には、点火位置がクランク角で3
60°離れている2つの気筒を1組の気筒として6個の
気筒を3組の気筒に分けて、該3組の気筒にそれぞれ対
応させて3個のリラクタを120°間隔で設ければよ
く、クランク軸センサの構成は3気筒内燃機関を制御す
る場合と同様でよい。
【0178】またこの場合、電子制御ユニットは、カム
軸センサが出力する基準判別パルスを検出し得ない状態
にあるときに、クランク軸センサの信号発電子が各リラ
クタの回転方向の前端縁を検出してパルスを発生する位
置ですべての気筒用のインジェクタから同時に燃料の噴
射を開始させて設定された時間の間各インジェクタから
燃料を噴射させるように燃料噴射装置に噴射指令信号を
与える非常時燃料噴射制御手段と、基準判別パルスを検
出し得ない状態にあるときに、クランク軸センサの信号
発電子が各リラクタの回転方向の後端縁を検出してパル
スを発生した時に前記内燃機関のすべての気筒で同時に
点火動作を行わせるように点火装置に点火信号を与える
非常時点火信号供給手段と、基準判別パルスが検出され
たときに基準判別パルスの発生後にクランク軸センサが
発生する一連のパルスの発生順序から各基準位置検出パ
ルスがいずれの組の気筒の基準位置を検出する基準位置
検出パルスであるかを判別する基準位置検出パルス判別
手段と、各気筒用のインジェクタの燃料噴射時間を所定
の制御条件に対して演算する燃料噴射時間演算手段と、
各組の気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算す
る点火位置演算手段と、基準位置検出パルス判別手段に
より判別された各組の気筒用の基準位置検出パルスの発
生位置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始
させ、燃料噴射時間演算手段により演算された燃料噴射
時間が経過したときに各気筒用のインジェクタからの燃
料の噴射を停止させるように燃料噴射装置に噴射指令信
号を与える定常時燃料噴射制御手段と、基準位置検出パ
ルス判別手段により判別された各組の気筒用の基準位置
検出パルスの発生位置で点火位置演算手段により演算さ
れた各組の気筒の点火位置の計測を開始して演算された
各組の気筒の点火位置が計測された時に各組の気筒で点
火動作を行わせるように点火装置に点火信号を与える定
常時点火位置制御手段とを備えた構成とする。
【0179】上記の各実施形態では、点火装置と燃料噴
射装置との双方を制御するようにしているが、点火装置
のみを制御する場合(燃料噴射装置が用いられない場
合)にも本発明を適用することができる。
【0180】[参考例]参考のため、4サイクル4気筒
内燃機関を制御する場合の従来の制御装置の構成を図1
8に示した。図18において、図1の各部と同等の部分
にはそれぞれ同一の符号を付してある。
【0181】図18に示した例では、電子制御ユニット
1が、第1,第4気筒用の65°波形整形回路F14と、
第1,第4気筒用の5°波形整形回路G14と、第2,第
3気筒用の65°波形整形回路F23と、第2,第3気筒
用の5°波形整形回路G23とを備えていて、クランク軸
センサ4の出力がこれらの波形整形回路を通してCPU
110に入力されている。
【0182】クランク軸センサ4は、図19に示したよ
うに、クランク軸11に取り付けられたロータ12と、
該ロータの周囲に180°の角度間隔をあけて対称に配
置されて機関のケース等に固定された信号発電子13A
及び13Bとからなっており、ロータ12の外周には所
定の極弧角を有する円弧状のリラクタ12aが形成され
ている。信号発電子13Aは、ロータ12の外周に対向
する磁極部13aを先端に有する鉄心と該鉄心に巻回さ
れたパルサコイル4a(図18参照)と該鉄心に磁気結
合された永久磁石とを備えた公知のもので、リラクタ1
2aの回転方向の前端縁が信号発電子13Aの鉄心の磁
極部13aの位置を通過する際(信号発電子13Aがリ
ラクタの前端縁を検出した際)及びリラクタ12aの回
転方向の後端縁が信号発電子13Aの鉄心の磁極部13
aの位置を通過する際(信号発電子13Aがリラクタの
後端縁を検出した際)にそれぞれパルサコイル4aから
極性が異なるパルスを出力する。
【0183】信号発電子13Bは上記信号発電子13A
と同様に構成されていて、その鉄心にはパルサコイル4
bが巻回され、該鉄心の先端の磁極部13bがロータ1
2の外周に対向させられている。信号発電子13Bは、
ロータ12のリラクタ12aの回転方向の前端縁を検出
した際、及びリラクタ12aの回転方向の後端縁を検出
した際に、そのパルサコイル4bから極性が異なるパル
スを出力する。
【0184】図示の例では、リラクタ12aが60°の
極弧角を有するように形成されていて、図20(B)に
示したように、第1気筒の上死点位置(第1気筒内のピ
ストンが上死点に到達した時のクランク軸の回転角度位
置)に対して65°進角した位置に設定された第1気筒
用の基準位置、及び第4気筒の上死点位置(第1気筒の
上死点位置と360°異なる位置)に対して65°進角
した位置に設定された第4気筒用の基準位置(第1気筒
の基準位置と360°異なる位置)でそれぞれパルサコ
イル4aが第1,第4気筒用の基準位置検出パルスSn
14を発生し、第1気筒の上死点位置に対して5°進角し
た位置に設定された第1気筒用の低速時点火位置及び第
4気筒の上死点位置に対して5°進角した位置に設定さ
れた第4気筒用の低速時点火位置でそれぞれパルサコイ
ル4aが第1,第4気筒用の低速時点火位置検出パルス
Sp14を発生するように、信号発電子13Aの取付け位
置が設定されている。
【0185】また図20(C)に示したように、第2気
筒の上死点位置に対して65°進角した位置に設定され
た第2気筒用の基準位置及び第3気筒の上死点位置に対
して65°進角した位置に設定された第3気筒用の基準
位置(第2気筒用の基準位置と360°異なる位置)で
パルサコイル4bが第2,第3気筒用の基準位置検出パ
ルスSn23を発生し、第2気筒の上死点位置に対して5
°進角した位置及び第3気筒の上死点位置に対して5°
進角した位置にそれぞれ設定された第2気筒用の低速時
点火位置及び第3気筒用の低速時点火位置でパルサコイ
ル4bが第2,第3気筒用の低速時点火位置検出パルス
Sp23を発生するように、信号発電子13Bの取付け位
置が設定されている。
【0186】カム軸センサ5は、図1に示した例と同様
に構成されていて、その信号発電子16は、リラクタ1
5aの回転方向の前端縁及び後端縁をそれぞれ検出した
際にパルサコイル5aから図20(A)に示すように極
性が異なるパルスSa及びSbを出力する。
【0187】その他の点は、図1に示した本発明に係わ
る制御装置と全く同様に構成されている。
【0188】クランク軸センサ4の信号発電子13Aが
第1気筒の上死点前65°の位置及び第4気筒の上死点
前65°の位置で発生する基準位置検出パルスSn14
は、第1,第4気筒用65°波形整形回路112Aによ
り図20(E)に示すような基準位置検出信号P14に変
換されてCPU110に入力されている。また信号発電
子13Aが第1気筒の上死点前5°の位置及び第4気筒
の上死点前5°の位置で発生する低速時点火位置検出パ
ルスSp14は第1,第4気筒用の5°波形整形回路11
3Aにより図20(F)に示すような波形の低速時点火
位置検出信号Q14に変換されてCPU110に入力され
ている。
【0189】またクランク軸センサ4の信号発電子13
Bが第2気筒用の基準位置及び第3気筒用の基準位置で
発生する第2,第3気筒用基準位置検出パルスSn23
は、第2,第3気筒用の65°波形整形回路112Bに
より図20(G)に示すような波形の基準位置検出信号
P23に変換されてCPU110に入力され、信号発電子
13Bが第2気筒及び第3気筒の上死点位置前5°の位
置で発生する第2,第3気筒用低速時点火位置検出パル
スSp23は、第2,第3気筒用の5°波形整形回路11
3Bにより図20(H)に示すような波形の低速時点火
位置検出信号に変換されてCPU110に入力されてい
る。
【0190】カム軸センサ5が発生する基準判別パルス
Saは、カム軸波形整形回路Hにより、図20(D)に
示すような波形の基準判定信号Paに変換されてCPU
110に入力されている。
【0191】CPU110は、スイッチ3が閉じられて
電源が与えられたときに起動し、燃料ポンプ駆動回路D
に所定のデューティ比で断続する駆動信号ep を与えて
該駆動回路Dから始動時に適した圧力でインジェクタに
燃料を供給するようにPWM制御された駆動電流をポン
プモータPMに流す。これにより燃料ポンプを動作させ
てインジェクタIJ1 〜IJ4 に始動時に適した圧力で
燃料を供給する。
【0192】CPU110は、カム軸センサ5が発生す
る基準判別パルスSaを波形整形して得た基準判定信号
Paを検出した後に順次入力される第1,第4気筒用の
基準位置検出信号P14,P14の発生順序を特定すること
により、図20(E)の「基準判別後」の部分に示した
ように、基準判別パルスSaが発生した後にクランク軸
センサから順次発生する第1,第4気筒用の基準位置検
出パルスSn14が第1気筒の基準位置を検出するもので
あるのか、第4気筒の基準位置を検出するものであるの
かを判別する。図20(E)においては、第1気筒の基
準位置検出信号P14及び第4気筒の基準位置検出信号P
14にそれぞれ#1及び#4の符号が付されている。
【0193】CPUはまた、カム軸センサ5が発生する
基準判別パルスSaを波形整形して得た基準判定信号P
aを検出した後に順次入力される基準判定信号P23,P
23の発生順序を特定することにより、図20(G)の
「基準判別後」の部分に示したように、基準判別パルス
Saが発生した後にクランク軸センサから順次発生する
第2,第3気筒用の基準位置検出パルスSn23,Sn2
3,…が第2気筒の基準位置を検出するものであるの
か、第3気筒の基準位置を検出するものであるのかを判
別する。
【0194】CPU110はまた、クランク軸センサ4
が発生するパルスの発生周期から機関の回転速度を演算
し、演算した回転速度と各種センサ8〜10により検出
された制御条件とに対して各気筒用の点火コイルの一次
電流の通電開始位置及び通電停止位置(点火位置)と燃
料噴射時間とを演算する。
【0195】カム軸センサは、クランク軸が2回転する
間に1個の基準判別パルスを発生するため、機関の始動
操作を開始した後、基準判別パルスが発生するまでのク
ランク角(基準判別パルスの検出遅れ)は最大で720
度となる。またカム軸の回転速度はクランク軸の回転速
度の1/2であるため、始動回転速度付近の極低速領域
でカム軸センサから電子制御ユニットが認識し得る十分
な大きさの基準判別パルスを得ることは困難である。従
って、機関の始動操作を開始した後、基準判別パルスが
確実に検出される状態になるまでのクランク角は720
度を超える角度になる。この間は電子制御ユニットによ
り点火位置及び燃料噴射時間の制御を行うことができな
い。
【0196】上記のように、CPUが基準判別パルスを
認識することができない状態では、クランク軸センサ4
の信号発電子13Aが基準位置検出パルスSn14を発生
する毎に(基準位置検出信号P14が入力される毎に)第
1気筒及び第4気筒用のインジェクタIJ1 及びIJ4
から同時に燃料の噴射を開始させて設定された時間の間
各インジェクタから燃料を噴射させるべく、図20
(I)及び(K)の左端側の「基準判別前」の部分に示
したように、燃料噴射装置のインジェクタ駆動回路A1
及びA4 に設定された時間幅の噴射指令信号U1 及びU
4 を与える。これにより第1気筒用及び第4気筒用のイ
ンジェクタから同時に燃料を噴射する。
【0197】CPU110はまた、内燃機関の回転速度
が極低速領域にあって、基準判別パルスSaを波形整形
して得たパルスPaを検出することができないときに、
クランク軸センサ4の信号発電子13Aが基準位置検出
パルスSn23を発生する毎に(基準位置検出信号P23が
入力される毎に)第2気筒及び第3気筒用のインジェク
タIJ2 及びIJ3 から同時に燃料の噴射を開始させて
設定された時間の間各インジェクタから燃料を噴射させ
るべく、図20(J)及び(L)の左端側の「基準判別
前」の部分に示したように、燃料噴射装置のインジェク
タ駆動回路A2及びA3 に設定された時間幅の噴射指令
信号U2 及びU3 を与える。これにより第2気筒用及び
第3気筒用のインジェクタから同時に燃料を噴射する。
【0198】CPU110はまた、機関の回転速度が極
低速領域にある状態で、第1,第4気筒用の基準位置検
出パルスSn14が発生したときに、図20(M)に示す
ように第1,第4気筒用の点火駆動回路B14に点火信号
V14を与えて、該点火駆動回路から点火コイルIG14に
一次電流を流す。また低速時点火位置検出パルスSp14
が発生した時に点火駆動回路B14に供給していた点火信
号V14を消滅させて、点火コイルIG14の一次電流を遮
断する。これにより点火コイルIG14の二次コイルに点
火用高電圧を誘起させ、該高電圧を第1気筒及び第4気
筒の点火プラグPL1 及びPL4 に同時に印加して第1
気筒及び第4気筒で同時に点火動作を行わせる。
【0199】CPU110はまた、機関の回転速度が極
低速領域にある状態で、第2,第3気筒用の基準位置検
出パルスSn23が発生したときに、図20(N)に示す
ように第2,第3気筒用の点火駆動回路B23に点火信号
V23を与えて、該点火駆動回路から点火コイルIG23に
一次電流を流す。また低速時点火位置検出パルスSp23
が発生した時に点火駆動回路B23に供給していた点火信
号V23を消滅させて、点火コイルIG23の一次電流を遮
断する。これにより点火コイルIG23の二次コイルに点
火用高電圧を誘起させ、該高電圧を第2気筒及び第3気
筒の点火プラグPL2 及びPL3 に同時に印加して第2
気筒及び第3気筒で同時に点火動作を行わせる。
【0200】3気筒4サイクル内燃機関を制御する従来
の制御装置の構成を図21に示した。同図において4a
〜4cはそれぞれクランク軸センサ4に設けられた第1
ないし第3気筒用の信号発電子に設けられた第1ないし
第3気筒用のパルサコイル、F1 〜F3 はそれぞれ第1
気筒ないし第3気筒用の65°波形整形回路、G1 〜G
3 はそれぞれ第1気筒ないし第3気筒用の5°波形整形
回路である。
【0201】またIJ1 〜IJ3 はそれぞれ第1ないし
第3気筒用のインジェクタ、A1 〜A3 はそれぞれ第1
ないし第3気筒用のインジェクタ駆動回路、IG1 〜I
G3はそれぞれ第1ないし第3気筒用の点火コイル、B1
〜B3 は第1ないし第3気筒用の点火駆動回路、PL1
〜PL3 はそれぞれ第1ないし第3気筒に取り付けら
れた点火プラグであり、その他の点は図18に示した4
気筒内燃機関用の制御装置と同様である。
【0202】図21の制御装置で用いるクランク軸セン
サ4及びカム軸センサ5の構成例を図22に示した。こ
の例では第1ないし第3気筒用の信号発電子13Aない
し13Cが120°の角度間隔を持って配置されてい
る。
【0203】図21に示した制御装置の各部の波形をク
ランク軸の回転角θに対して示すと図23の通りであ
る。同図においてSn1〜Sn3はそれぞれ第1ないし第3
気筒用の信号発電子13Aないし13Cから得られる第
1ないし第3気筒用の基準位置検出パルス、Sp1〜Sp3
はそれぞれ第1ないし第3気筒用の低速時点火位置検出
パルス、P1 〜P3 はそれぞれ第1ないし第3気筒用の
基準位置検出パルスを波形整形回路F1 〜F3 により波
形整形して得た第1ないし第3気筒用の基準位置検出信
号、Q1 〜Q3 はそれぞれ第1ないし第3気筒用の低速
時点火位置検出パルスを波形整形して得た第1ないし第
3気筒用の低速時点火位置検出信号、V1〜V3 はそれ
ぞれCPUから第1ないし第3気筒用の点火駆動回路B
1 〜B3 に与えられる点火信号である。
【0204】上記のように、従来の4サイクル内燃機関
制御装置においては、内燃機関の気筒数が偶数である場
合には、クランク軸センサ4に少なくとも気筒数の1/
2の数のパルサコイルを設ける必要があり、気筒数が3
である場合には、クランク軸センサに3つのパルサコイ
ルを設ける必要がある。またこれらのパルサコイルから
得られるパルスをCPUに入力するためにそれぞれ波形
整形回路が必要である。そのため、従来の内燃機関制御
装置では、装置の構成が複雑になって制御装置が大形化
する上に、コストが高くなるのを避けられなかった。
【0205】これに対し、本発明によれば、図1及び図
4に示したように、クランク軸センサに設けるパルサコ
イルの数を少なくすることができる上に、電子制御ユニ
ットに設ける波形整形回路の数を少なくすることができ
るため、制御装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0206】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カム軸
センサが出力する基準判別パルスを検出し得ない状態に
あるときに、クランク軸センサが各低速時点火位置検出
信号を発生する位置で内燃機関のすべての気筒で同時に
点火動作を行わせるようにしたので、クランク軸センサ
としては、一連の気筒の基準位置及び低速時点火位置で
順次パルスを発生するものを用いればよい。従って、ク
ランク軸センサにはパルサコイルを1つだけ設ければよ
く、クランク軸センサの構成を簡単にすることができ
る。
【0207】また本発明によれば、クランク軸センサの
出力をCPUに入力する回路は、基準位置検出パルスを
CPUが認識し得る波形の信号に変換する回路と、低速
時点火位置検出パルスをCPUが認識し得る波形の信号
に変換する回路との2つの回路により構成することがで
きるので、電子制御ユニットの構成を従来よりも簡単に
することができる利点がある。
【0208】更に本発明によれば、断線等によりカム軸
センサが発生する基準判別パルスを電子制御ユニットが
検出することができないときにも機関を運転することが
できるため、船外機やスノーモビルのように、洋上や山
間僻地等で使用される乗り物が、カム軸センサの異常に
より運転できなくなって、乗員が遭難するのを防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4サイクル4気筒内燃機関を制御する制御装置
に本発明を適用する場合の装置のハードウェアの構成例
を示した構成図である。
【図2】図1の要部の具体的構成例を示した構成図であ
る。
【図3】図1及び図2に示した装置の各部の信号の波形
を示した波形図である。
【図4】3気筒内燃機関を制御する制御装置に本発明を
適用する場合の装置のハードウェアの構成を示した構成
図である。
【図5】図4の装置の各部の信号の波形を示した波形図
である。
【図6】本発明に係わる制御装置のCPUが実行するプ
ログラムのメインルーチンのアルゴリズムを示したフロ
ーチャートである。
【図7】本発明に係わる制御装置のCPUが実行するプ
ログラムのカム軸センサ割込みルーチンのアルゴリズム
を示したフローチャートである。
【図8】本発明に係わる4気筒内燃機関制御装置のCP
Uが実行するプログラムのクランク軸センサ割込みルー
チンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図9】本発明に係わる4気筒内燃機関制御装置のCP
Uが実行するプログラムの他のクランク軸センサ割込み
ルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートであ
る。
【図10】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる
4気筒内燃機関制御装置のCPUが実行するプログラム
の第1,第4気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチ
ン及び第2,第3気筒用点火コイル通電タイマ割込みル
ーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図11】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる
4気筒内燃機関制御装置のCPUが実行するプログラム
の第1,第4気筒用点火タイマ割込みルーチン及び第
2,第3気筒用点火タイマ割込みルーチンのアルゴリズ
ムを示したフローチャートである。
【図12】(A)ないし(D)はそれぞれ本発明に係わ
る4気筒内燃機関制御装置のCPUが実行する第1ない
し第4のインジェクタ噴射タイマ割込みルーチンのアル
ゴリズムを示したフローチャートである。
【図13】本発明に係わる3気筒内燃機関制御装置のC
PUが実行するプログラムのクランク軸センサ割込みル
ーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図14】本発明に係わる3気筒内燃機関制御装置のC
PUが実行するプログラムの他のクランク軸センサ割込
みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートであ
る。
【図15】(A)ないし(C)はそれぞれ本発明に係わ
る3気筒内燃機関制御装置のCPUが実行するプログラ
ムの第1気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチン、
第2気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチン、及び
第3気筒用点火コイル通電タイマ割込みルーチンのアル
ゴリズムを示したフローチャートである。
【図16】(A)ないし(C)はそれぞれ本発明に係わ
る3気筒内燃機関制御装置のCPUが実行するプログラ
ムの第1ないし第3気筒用点火タイマ割込みルーチンの
アルゴリズムを示したフローチャートである。
【図17】(A)ないし(C)はそれぞれ本発明に係わ
る3気筒内燃機関制御装置のCPUが実行する第1ない
し第3のインジェクタ噴射タイマ割込みルーチンのアル
ゴリズムを示したフローチャートである。
【図18】従来の4気筒用内燃機関制御装置の構成例を
示した構成図である。
【図19】図18の制御装置で用いられていたクランク
軸センサ及びカム軸センサの構成を示した構成図であ
る。
【図20】図18の制御装置の各部の信号の波形を示し
た波形図である。
【図21】3気筒内燃機関を制御する従来の制御装置の
構成を示した構成図である。
【図22】図21の制御装置で用いるクランク軸センサ
及びカム軸センサの構成を示した構成図である。
【図23】図21の制御装置の各部の信号の波形を示し
た波形図である。
【符号の説明】
1…電子制御ユニット、2…バッテリ、4…クランク軸
センサ、5…カム軸センサ、6…アイドルセンサ、7…
ニュートラルセンサ、8…圧力センサ、9…機関温度セ
ンサ、10…吸気温度センサ、11…スロットル開度セ
ンサ、110…CPU、A1 〜A3 …インジェクタ駆動
回路、B14,B23,B1 〜B3 …点火駆動回路、IJ1
〜IJ4 …インジェクタ、IG14,IG23,IG1 〜I
G3 …点火コイル、PL1 〜PL4 …点火プラグ、F…
65°波形整形回路、G…5°波形整形回路、H…カム
軸波形整形回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 11/00 F02P 11/00 A 5/15 L Fターム(参考) 3G019 CA00 CA12 DA00 DA01 DB07 EA12 EC02 EC05 FA31 GA01 GA02 GA03 GA05 GA09 3G022 AA00 BA01 BA06 BA07 CA01 DA00 DA01 EA00 EA08 FA08 FB11 GA00 GA01 GA02 GA05 GA08 3G084 AA00 AA08 BA13 BA15 BA16 BA17 CA01 DA09 EC02 EC03 FA33 FA38 FA39

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクル多気筒内燃機関の点火装置を
    制御する内燃機関制御方法において、 前記内燃機関のクランク軸に取り付けられて各気筒の圧
    縮行程における上死点位置付近に設定された各気筒の低
    速時点火位置でパルス波形の低速時点火位置検出信号を
    発生し、各気筒の低速時点火位置よりも進角した位置に
    設定された各気筒の基準位置で基準位置検出パルスを発
    生するクランク軸センサと、前記内燃機関のカム軸に取
    り付けられて該カム軸の所定の回転角度位置に設定され
    た回転角度位置で基準判別パルスを該カム軸の1回転当
    たり1回発生するカム軸センサと、各気筒の点火位置を
    所定の制御条件に対して演算する点火位置演算手段とを
    設けておき、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときには、前記クランク軸センサが
    各低速時点火位置検出信号を発生する位置で前記内燃機
    関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせる過程と、 前記基準判別パルスが検出されたときに該基準判別パル
    スが発生した後に前記クランク軸センサから得られる一
    連の基準位置検出パルスの発生順序から該一連の基準位
    置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する基準
    位置検出パルスであるかを判別する過程と、 判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置
    で、前記点火位置演算手段により演算された各気筒の点
    火位置の計測を開始して、演算された各気筒の点火位置
    が計測された時に各気筒で点火動作を行わせる過程と、 を行うことを特徴とする内燃機関制御方法。
  2. 【請求項2】 各気筒に対して設けられたインジェクタ
    を有する燃料噴射装置により燃料が供給される4サイク
    ル多気筒内燃機関の点火装置と前記燃料噴射装置とを制
    御する内燃機関制御方法において、 前記内燃機関のクランク軸に取り付けられて各気筒の圧
    縮行程における上死点位置付近に設定された各気筒の低
    速時点火位置でパルス波形の低速時点火位置検出信号を
    発生し、各気筒の低速時点火位置よりも進角した位置に
    設定された各気筒の基準位置で基準位置検出パルスを発
    生するクランク軸センサと、前記内燃機関のカム軸に取
    り付けられて該カム軸の所定の回転角度位置に設定され
    た回転角度位置で基準判別パルスを該カム軸の1回転当
    たり1回発生するカム軸センサと、各気筒の点火位置を
    所定の制御条件に対して演算する点火位置演算手段と、
    各気筒用のインジェクタの燃料噴射時間を所定の制御条
    件に対して演算する燃料噴射時間演算手段とを設けてお
    き、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサが各
    基準位置検出パルスを発生する位置ですべての気筒用の
    インジェクタから同時に燃料の噴射を開始させて設定さ
    れた時間の間各インジェクタから燃料を噴射させる過程
    と、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサが各
    低速時点火位置検出パルスを発生する位置で前記内燃機
    関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせる過程と、 前記基準判別パルスが検出された時に該基準判別パルス
    の発生後に前記クランク軸センサが発生する一連の基準
    位置検出パルスの発生順序から各基準位置検出パルスが
    いずれの気筒の基準位置を検出する基準位置検出パルス
    であるかを判別する過程と、 判別された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で
    各気筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始させて、
    前記燃料噴射時間演算手段により演算された燃料噴射時
    間が経過した時に各気筒用のインジェクタからの燃料の
    噴射を停止させる過程と、 前記内燃機関の回転速度が前記定常速度領域にあるとき
    に前記基準位置検出パルス判別手段により判別された各
    気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で前記点火位置
    演算手段により演算された各気筒の点火位置の計測を開
    始して演算された各気筒の点火位置が計測された時に各
    気筒で点火動作を行わせる過程と、 を行うことを特徴とする内燃機関制御方法。
  3. 【請求項3】 4サイクル4気筒内燃機関の点火装置を
    制御する内燃機関制御装置において、 前記内燃機関のクランク軸に取り付けられて各気筒の圧
    縮行程における上死点位置付近に設定された各気筒の低
    速時点火位置でパルス波形の低速時点火位置検出信号を
    発生し、各気筒の低速時点火位置よりも進角した位置に
    設定された各気筒の基準位置で基準位置検出パルスを発
    生するクランク軸センサと、前記内燃機関のカム軸に取
    り付けられて該カム軸の所定の回転角度位置に設定され
    た回転角度位置で基準判別パルスを該カム軸の1回転当
    たり1回発生するカム軸センサと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサが各
    低速時点火位置検出信号を発生する位置で前記内燃機関
    のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるように前記
    点火装置に点火信号を与える非常時点火信号供給手段
    と、前記基準判別パルスが検出されたときに該基準判別
    パルスが発生した後に前記クランク軸センサから得られ
    る一連の基準位置検出パルスの発生順序から該一連の基
    準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出する
    基準位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出パ
    ルス判別手段と、各気筒の点火位置を所定の制御条件に
    対して演算する点火位置演算手段と、前記基準位置パル
    ス判別手段により判別された各気筒用の基準位置検出パ
    ルスの発生位置で前記点火位置演算手段により演算され
    た各気筒の点火位置の計測を開始して演算された各気筒
    の点火位置が計測された時に各気筒で点火動作を行わせ
    るように前記点火装置に点火信号を与える定常時点火位
    置制御手段とを備えた電子制御ユニットと、 を具備してなる内燃機関制御装置。
  4. 【請求項4】 各気筒に対して設けられたインジェクタ
    を有して各気筒用のインジェクタに噴射指令信号が与え
    られた時に各気筒用のインジェクタから燃料を噴射する
    燃料噴射装置により燃料が供給される4サイクル4気筒
    内燃機関の点火装置と前記燃料噴射装置とを制御する内
    燃機関制御装置において、 前記内燃機関のクランク軸に取り付けられて各気筒の圧
    縮行程における上死点位置付近に設定された各気筒の低
    速時点火位置で低速時点火位置検出パルスを発生し、各
    気筒の低速時点火位置よりも進角した位置でかつ各気筒
    用のインジェクタが燃料の噴射を開始する位置として適
    した位置に設定された各気筒の基準位置で基準位置検出
    パルスを発生するクランク軸センサと、 前記内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
    の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
    ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
    サと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサが各
    基準位置検出パルスを発生する位置ですべての気筒用の
    インジェクタから同時に燃料の噴射を開始させて設定さ
    れた時間の間各インジェクタから燃料を噴射させるよう
    に前記燃料噴射装置に噴射指令信号を与える非常時燃料
    噴射制御手段と、前記カム軸センサが出力する前記基準
    判別パルスを検出し得ない状態にあるときに、前記クラ
    ンク軸センサが各低速時点火位置検出パルスを発生する
    位置で前記内燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を
    行わせるように前記点火装置に点火信号を与える非常時
    点火制御手段と、前記基準判別パルスが検出されたとき
    に前記基準判別パルスの発生後に前記クランク軸センサ
    が発生する一連の基準位置検出パルスの発生順序から各
    基準位置検出パルスがいずれの気筒の基準位置を検出す
    る基準位置検出パルスであるかを判別する基準位置検出
    パルス判別手段と、各気筒用のインジェクタの燃料噴射
    時間を所定の制御条件に対して演算する燃料噴射時間演
    算手段と、各気筒の点火位置を所定の制御条件に対して
    演算する点火位置演算手段と、前記基準位置検出パルス
    判別手段により判別された各気筒用の基準位置検出パル
    スの発生位置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴射
    を開始させ、前記燃料噴射時間演算手段により演算され
    た燃料噴射時間が経過したときに各気筒用のインジェク
    タからの燃料の噴射を停止させるように前記燃料噴射装
    置に噴射指令信号を与える定常時燃料噴射制御手段と、
    前記基準位置検出パルス判別手段により判別された各気
    筒用の基準位置検出パルスの発生位置で前記点火位置演
    算手段により演算された各気筒の点火位置の計測を開始
    して演算された各気筒の点火位置が計測された時に各気
    筒で点火動作を行わせるように前記点火装置に点火信号
    を与える定常時点火位置制御手段とを備えた電子制御ユ
    ニットと、 を備えた4サイクル内燃機関制御装置。
  5. 【請求項5】 点火位置がクランク角で360°離れて
    いる2つの気筒を1組の気筒として前記内燃機関の4個
    の気筒が2組の気筒に分けられ、 前記クランク軸センサは、前記2組の気筒にそれぞれ対
    応する2個のリラクタを等角度間隔で有して前記クラン
    ク軸により回転駆動されるロータと、該ロータの各リラ
    クタの回転方向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出
    した時にそれぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの
    信号発電子とを備え、 前記信号発電子が各組の気筒に対応するリラクタの前端
    縁を検出した時に発生するパルス及び各組の気筒に対応
    するリラクタの後端縁を検出した時に発生するパルスが
    それぞれ前記各組の気筒の基準位置検出パルス及び低速
    時点火位置検出パルスとなるように、前記ロータの各リ
    ラクタと前記信号発電子との間の位置関係が設定されて
    いる請求項3または4に記載の内燃機関制御装置。
  6. 【請求項6】 3個の気筒を有する4サイクル3気筒内
    燃機関の点火装置を制御する内燃機関制御装置におい
    て、 前記3個の気筒にそれぞれ対応する3個のリラクタを1
    20°間隔で有して前記内燃機関のクランク軸により回
    転駆動されるロータと、該ロータの各リラクタの回転方
    向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出した時にそれ
    ぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの信号発電子と
    を備えて、各気筒の圧縮行程における上死点位置より進
    角した位置に設定された各気筒の基準位置及び各気筒の
    圧縮行程における上死点位置付近に設定された低速時点
    火位置でそれぞれ前記信号発電子が各気筒に対応するリ
    ラクタの回転方向の前端縁及び後端縁を検出して基準位
    置検出パルス及び低速時点火位置検出パルスを発生する
    ように、前記ロータの各リラクタと前記信号発電子との
    間の位置関係が設定されたクランク軸センサと、 前記内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
    の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
    ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
    サと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサの信
    号発電子が各リラクタの回転方向の後端縁を検出してパ
    ルスを発生した時に前記内燃機関のすべての気筒で同時
    に点火動作を行わせるように前記点火装置に点火信号を
    与える非常時点火信号供給手段と、前記基準判別パルス
    が検出されたときに、前記基準判別パルスが発生した後
    に前記クランク軸センサから得られる一連のパルスの発
    生順序から順次発生する基準位置検出パルスがいずれの
    気筒の基準位置を検出する基準位置検出パルスであるか
    を判別する基準位置検出パルス判別手段と、各気筒の点
    火位置を所定の制御条件に対して演算する点火位置演算
    手段と、前記基準位置検出パルス判別手段により判別さ
    れた各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で前記点
    火位置演算手段により演算された各気筒の点火位置の計
    測を開始して演算された各気筒の点火位置が計測された
    時に各気筒で点火動作を行わせるように前記点火装置に
    点火信号を与える定常時点火位置制御手段とを備えた電
    子制御ユニットと、 を具備してなる4サイクル内燃機関制御装置。
  7. 【請求項7】 3個の気筒が設けられていて、該3個の
    気筒のそれぞれに対して設けられたインジェクタを有し
    て各気筒用のインジェクタに噴射指令信号が与えられた
    時に各気筒用のインジェクタから燃料を噴射する燃料噴
    射装置により燃料が供給される4サイクル3気筒内燃機
    関の点火装置と前記燃料噴射装置とを制御する4サイク
    ル内燃機関制御装置において、 前記3個の気筒にそれぞれ対応する3個のリラクタを1
    20°間隔で有して前記内燃機関のクランク軸により回
    転駆動されるロータと、該ロータの各リラクタの回転方
    向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出した時にそれ
    ぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの信号発電子と
    を備えて、各気筒の圧縮行程における上死点位置より進
    角した位置に設定された各気筒の基準位置及び各気筒の
    圧縮行程における上死点位置付近に設定された低速時点
    火位置でそれぞれ前記信号発電子が各気筒に対応するリ
    ラクタの回転方向の前端縁及び後端縁を検出して基準位
    置検出パルス及び低速時点火位置検出パルスを発生する
    ように、前記ロータの各リラクタと前記信号発電子との
    間の位置関係が設定されたクランク軸センサと、 前記内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
    の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
    ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
    サと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサの信
    号発電子が各リラクタの回転方向の前端縁を検出してパ
    ルスを発生する位置ですべての気筒用のインジェクタか
    ら同時に燃料の噴射を開始させて設定された時間の間各
    インジェクタから燃料を噴射させるように前記燃料噴射
    装置に噴射指令信号を与える非常時燃料噴射制御手段
    と、前記基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
    に、前記クランク軸センサの信号発電子が各リラクタの
    回転方向の後端縁を検出してパルスを発生する位置で前
    記内燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせる
    ように前記点火装置に点火信号を与える非常時点火信号
    供給手段と、前記基準判別パルスが検出されたときに該
    基準判別パルスの発生後に前記クランク軸センサが発生
    する一連のパルスの発生順序から各基準位置検出パルス
    がいずれの気筒の基準位置を検出する基準位置検出パル
    スであるかを判別する基準位置検出パルス判別手段と、
    各気筒用のインジェクタの燃料噴射時間を所定の制御条
    件に対して演算する燃料噴射時間演算手段と、各気筒の
    点火位置を所定の制御条件に対して演算する点火位置演
    算手段と、前記基準位置検出パルス判別手段により判別
    された各気筒用の基準位置検出パルスの発生位置で各気
    筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始させ、前記燃
    料噴射時間演算手段により演算された燃料噴射時間が経
    過したときに各気筒用のインジェクタからの燃料の噴射
    を停止させるように前記燃料噴射装置に噴射指令信号を
    与える定常時燃料噴射制御手段と、前記基準位置検出パ
    ルス判別手段により判別された各気筒用の基準位置検出
    パルスの発生位置で前記点火位置演算手段により演算さ
    れた各気筒の点火位置の計測を開始して演算された各気
    筒の点火位置が計測された時に各気筒で点火動作を行わ
    せるように前記点火装置に点火信号を与える定常時点火
    位置制御手段とを備えた電子制御ユニットと、 を備えた4サイクル内燃機関制御装置。
  8. 【請求項8】 前記クランク軸センサのロータの各リラ
    クタは60°の極弧角を有するように形成されていて、
    前記各気筒の基準位置が各気筒の圧縮行程における上死
    点位置よりも65°進角した位置に設定され、前記各気
    筒の低速時点火位置は各気筒の圧縮行程における上死点
    位置よりも5°進角した位置に設定されている請求項3
    ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  9. 【請求項9】 6個の気筒を有する4サイクル6気筒内
    燃機関の点火装置を制御する内燃機関制御装置におい
    て、 点火位置がクランク角で360°離れている2つの気筒
    を1組の気筒として前記内燃機関の6個の気筒が3組の
    気筒に分けられ、 前記3組の気筒ににそれぞれ対応する3個のリラクタを
    120°間隔で有して前記内燃機関のクランク軸により
    回転駆動されるロータと、該ロータの各リラクタの回転
    方向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出した時にそ
    れぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの信号発電子
    とを備えて、各組の気筒の圧縮行程における上死点位置
    より進角した位置に設定された各組の気筒の基準位置及
    び各組の気筒の圧縮行程における上死点位置付近に設定
    された低速時点火位置でそれぞれ前記信号発電子が各組
    の気筒に対応するリラクタの回転方向の前端縁及び後端
    縁を検出して基準位置検出パルス及び低速時点火位置検
    出パルスを発生するように、前記ロータの各リラクタと
    前記信号発電子との間の位置関係が設定されたクランク
    軸センサと、 前記内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
    の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
    ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
    サと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサの信
    号発電子が各リラクタの回転方向の後端縁を検出してパ
    ルスを発生する位置で前記内燃機関のすべての気筒で同
    時に点火動作を行わせるように前記点火装置に点火信号
    を与える非常時点火信号供給手段と、前記基準判別パル
    スが検出されたときに、前記基準判別パルスが発生した
    後に前記クランク軸センサから得られる一連のパルスの
    発生順序から順次発生する基準位置検出パルスがいずれ
    の組の気筒の基準位置を検出する基準位置検出パルスで
    あるかを判別する基準位置検出パルス判別手段と、各組
    の気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算する点
    火位置演算手段と、前記基準位置検出パルス判別手段に
    より判別された各組の気筒用の基準位置検出パルスの発
    生位置で前記点火位置演算手段により演算された各組の
    気筒の点火位置の計測を開始して演算された各組の気筒
    の点火位置が計測された時に各組の気筒で点火動作を行
    わせるように前記点火装置に点火信号を与える定常時点
    火位置制御手段とを備えた電子制御ユニットと、 が設けられてなる内燃機関制御装置。
  10. 【請求項10】 6個の気筒が設けられていて、該6個
    の気筒のそれぞれに対して設けられた各気筒用のインジ
    ェクタに噴射指令信号が与えられた時に各気筒用のイン
    ジェクタから燃料を噴射する燃料噴射装置により燃料が
    供給される4サイクル6気筒内燃機関の点火装置と前記
    燃料噴射装置とを制御する4サイクル内燃機関制御装置
    において、 点火位置がクランク角で360°離れている2つの気筒
    を1組の気筒として前記内燃機関の6個の気筒が3組の
    気筒に分けられ、 前記3組の気筒にそれぞれ対応する3個のリラクタを1
    20°間隔で有して前記内燃機関のクランク軸により回
    転駆動されるロータと、該ロータの各リラクタの回転方
    向の前端縁を検出した時及び後端縁を検出した時にそれ
    ぞれ極性が異なるパルスを発生する1つの信号発電子と
    を備えて、各気筒の圧縮行程における上死点位置より進
    角した位置に設定された各組の気筒の基準位置及び各組
    の気筒の圧縮行程における上死点位置付近に設定された
    低速時点火位置でそれぞれ前記信号発電子が各組の気筒
    に対応するリラクタの回転方向の前端縁及び後端縁を検
    出して基準位置検出パルス及び低速時点火位置検出パル
    スを発生するように、前記ロータの各リラクタと前記信
    号発電子との間の位置関係が設定されたクランク軸セン
    サと、 前記内燃機関のカム軸に取り付けられて該カム軸の所定
    の回転角度位置に設定された回転角度位置で基準判別パ
    ルスを該カム軸の1回転当たり1回発生するカム軸セン
    サと、 前記カム軸センサが出力する前記基準判別パルスを検出
    し得ない状態にあるときに、前記クランク軸センサの信
    号発電子が各リラクタの回転方向の前端縁を検出してパ
    ルスを発生する位置ですべての気筒用のインジェクタか
    ら同時に燃料の噴射を開始させて設定された時間の間各
    インジェクタから燃料を噴射させるように前記燃料噴射
    装置に噴射指令信号を与える非常時燃料噴射制御手段
    と、前記基準判別パルスを検出し得ない状態にあるとき
    に、前記クランク軸センサの信号発電子が各リラクタの
    回転方向の後端縁を検出してパルスを発生した時に前記
    内燃機関のすべての気筒で同時に点火動作を行わせるよ
    うに前記点火装置に点火信号を与える非常時点火信号供
    給手段と、前記基準判別パルスが検出されたときに前記
    基準判別パルスの発生後に前記クランク軸センサが発生
    する一連のパルスの発生順序から各基準位置検出パルス
    がいずれの組の気筒の基準位置を検出する基準位置検出
    パルスであるかを判別する基準位置検出パルス判別手段
    と、各気筒用のインジェクタの燃料噴射時間を所定の制
    御条件に対して演算する燃料噴射時間演算手段と、各組
    の気筒の点火位置を所定の制御条件に対して演算する点
    火位置演算手段と、前記基準位置検出パルス判別手段に
    より判別された各組の気筒用の基準位置検出パルスの発
    生位置で各気筒用のインジェクタから燃料の噴射を開始
    させ、前記燃料噴射時間演算手段により演算された燃料
    噴射時間が経過したときに各気筒用のインジェクタから
    の燃料の噴射を停止させるように前記燃料噴射装置に噴
    射指令信号を与える定常時燃料噴射制御手段と、前記基
    準位置検出パルス判別手段により判別された各組の気筒
    用の基準位置検出パルスの発生位置で前記点火位置演算
    手段により演算された各組の気筒の点火位置の計測を開
    始して演算された各組の気筒の点火位置が計測された時
    に各組の気筒で点火動作を行わせるように前記点火装置
    に点火信号を与える定常時点火位置制御手段とを備えた
    電子制御ユニットと、 を備えた4サイクル内燃機関制御装置。
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