JP2000297484A - 打放しコンクリート面の防水工法 - Google Patents
打放しコンクリート面の防水工法Info
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- JP2000297484A JP2000297484A JP14537699A JP14537699A JP2000297484A JP 2000297484 A JP2000297484 A JP 2000297484A JP 14537699 A JP14537699 A JP 14537699A JP 14537699 A JP14537699 A JP 14537699A JP 2000297484 A JP2000297484 A JP 2000297484A
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】打放しコンクリート面、とりわけ老朽化した
打放しコンクリート面に高い防水効果を簡便に付与する
ことができ、なおかつ、秀麗な打放しコンクリート面を
再現し、しかも、その秀麗なコンクリート面が、高い耐
候性、耐久性を示しうる新規な打放しコンクリート面の
防水工法の提供を目的とする。 【解決手段】下記の2つの工程を必須の工程とする 1.微弾性防水材の塗布工程 2.耐候性樹脂塗料をニードルフェルトに含浸させ、そ
れで表面を叩くことにより、模様塗りを行なう上塗工程
打放しコンクリート面に高い防水効果を簡便に付与する
ことができ、なおかつ、秀麗な打放しコンクリート面を
再現し、しかも、その秀麗なコンクリート面が、高い耐
候性、耐久性を示しうる新規な打放しコンクリート面の
防水工法の提供を目的とする。 【解決手段】下記の2つの工程を必須の工程とする 1.微弾性防水材の塗布工程 2.耐候性樹脂塗料をニードルフェルトに含浸させ、そ
れで表面を叩くことにより、模様塗りを行なう上塗工程
Description
【産業上の利用分野】本発明は、建造物の打放しコンク
リート仕上げ部分の防水工法に関し、更に詳しくは、汚
染や劣化が進行した打放しコンクリート面に、完全な防
水効果を付与するとともに、本来の打放し面よりも格段
に耐候性、耐久性を向上させた新たな仕上げ面を形成さ
せる新規な打放しコンクリート面の防水工法に関する。
リート仕上げ部分の防水工法に関し、更に詳しくは、汚
染や劣化が進行した打放しコンクリート面に、完全な防
水効果を付与するとともに、本来の打放し面よりも格段
に耐候性、耐久性を向上させた新たな仕上げ面を形成さ
せる新規な打放しコンクリート面の防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】建造物の打放しコンクリート仕上げは、
そのコンクリート素材の持つ重厚感が好まれるため、意
匠的に荘巌さを現出させたい部分に多く採用されてい
る。コンクリートはセメント類、石灰あるいは石膏等の
無機物質よりなるアルカリ性の吸湿しやすい建材である
ため、酸性雨に脆弱で、また環境汚染の影響を受けやす
い。従って打放しコンクリート仕上げは、それらの影響
を受けにくくするため、施工後に、撥水性のシランカッ
プリング剤を塗布して、表面を撥水化するか、あるいは
反応硬化型アクリル樹脂や、フッ素樹脂等からなる耐候
性、耐久性の良好なクリヤー塗料を塗布して、透明塗膜
で表面を保護する工法がとられている。前者は効果が持
続せず、後者は効果が長期間にわたるものの、弾力性、
伸長性に乏しいためコンクリート特有の収縮クラックの
発生に際しては、保護効果が著しく減じる。経時的に劣
化の進行した打放しコンクリート仕上げ面を再生するに
も、欠損部分の補修や表面の洗浄等の工程を経て、上記
のいずれかの塗布が施されて仕上げられることが一般的
であるが、下記2項目の問題点を抱えている。 1.コンクリート面に収縮クラックや、その他の要因に
よる亀裂が発生しても、そこからの水分の侵入を防ぐこ
とができない。 2.欠損部分の補修跡がそのまま残って、打放しコンク
リート面が醜くなり、荘巌な意匠性が著しく損なわれ
る。
そのコンクリート素材の持つ重厚感が好まれるため、意
匠的に荘巌さを現出させたい部分に多く採用されてい
る。コンクリートはセメント類、石灰あるいは石膏等の
無機物質よりなるアルカリ性の吸湿しやすい建材である
ため、酸性雨に脆弱で、また環境汚染の影響を受けやす
い。従って打放しコンクリート仕上げは、それらの影響
を受けにくくするため、施工後に、撥水性のシランカッ
プリング剤を塗布して、表面を撥水化するか、あるいは
反応硬化型アクリル樹脂や、フッ素樹脂等からなる耐候
性、耐久性の良好なクリヤー塗料を塗布して、透明塗膜
で表面を保護する工法がとられている。前者は効果が持
続せず、後者は効果が長期間にわたるものの、弾力性、
伸長性に乏しいためコンクリート特有の収縮クラックの
発生に際しては、保護効果が著しく減じる。経時的に劣
化の進行した打放しコンクリート仕上げ面を再生するに
も、欠損部分の補修や表面の洗浄等の工程を経て、上記
のいずれかの塗布が施されて仕上げられることが一般的
であるが、下記2項目の問題点を抱えている。 1.コンクリート面に収縮クラックや、その他の要因に
よる亀裂が発生しても、そこからの水分の侵入を防ぐこ
とができない。 2.欠損部分の補修跡がそのまま残って、打放しコンク
リート面が醜くなり、荘巌な意匠性が著しく損なわれ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点を解決
するために、透明なアクリルエマルジョン防水材を厚塗
りにして防水効果を高める工法や、ガラス転移点の低い
エマルジョン樹脂を混入したモルタルを、左官鏝で表面
に均一に塗りつける工法が考案されているが、前者は問
題点1をほぼ解決しているものの、問題2は全く未解決
で残しており、また後者は、問題2を完全に解決しては
いるが、問題1は十分解決しているとは言い難く、加え
て工程数が多いため、工事費は高価になる。従って、問
題1・2を完全に解決し、また工程数が少なく工事費が
安価で済ませられることのできる、新しい工法の登場が
待たれていた。
するために、透明なアクリルエマルジョン防水材を厚塗
りにして防水効果を高める工法や、ガラス転移点の低い
エマルジョン樹脂を混入したモルタルを、左官鏝で表面
に均一に塗りつける工法が考案されているが、前者は問
題点1をほぼ解決しているものの、問題2は全く未解決
で残しており、また後者は、問題2を完全に解決しては
いるが、問題1は十分解決しているとは言い難く、加え
て工程数が多いため、工事費は高価になる。従って、問
題1・2を完全に解決し、また工程数が少なく工事費が
安価で済ませられることのできる、新しい工法の登場が
待たれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、打放しコン
クリート表面を着色された防水材で覆い、なおかつ新規
な打放しコンクリート調の模様を、その防水塗膜表面に
描くことで、従来の問題点が全て解決することを見出
し、本発明に至った。伸長性を有して防水効果を示す建
築物外装用の防水塗材は、防水効果の大きい点に加え
て、コンクリートやモルタル面に発生する収縮クラッ
ク、その他の亀裂による歪みを、その防水膜で吸収し、
表面美観の損傷を防ぎうるため現在広汎に使用されてい
る。このような防水材は、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、あるいはポリスチレン樹脂等のエマルジョンを樹脂
主成分とし、加えて炭酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、タルク、微粉末ケイ砂、沈降性硫酸バリウム等の体
質顔料、岩綿等の繊維質顔料、酸化チタン、亜鉛華等の
着色顔料、更に保存安定性や塗装適性および塗膜強度を
向上させるための種々の添加剤や、伸長性を増すための
可塑剤等から構成されており、良好な伸長性を示すよう
に材料の選択およびその配合が考慮されている。本格的
な防水用途には、日本工業規格で、伸長性を数値として
把握するためのパラメータである伸び率の規格値が決め
られており、たとえば屋根防水用途では、JISA60
21で、20℃において180%以上の伸び率が、ま
た、壁面防水用途では、JISA6910やJISA6
909で、20℃において120%以上の伸び率が要求
されている。これらの防水材は、伸長性に富み防水効果
が高いが、乾燥時の収縮も大きく、下地への接着力に劣
る。コンクリート下地への適用には、防水材の塗布に先
だって、シーラーあるいはプライマーと称する、接着力
を向上させるための、下塗材の塗布を行なう必要があ
る。これらの日本工業規格に、合致する伸長性を有する
防水材を総称して弾性防水材と言う。
クリート表面を着色された防水材で覆い、なおかつ新規
な打放しコンクリート調の模様を、その防水塗膜表面に
描くことで、従来の問題点が全て解決することを見出
し、本発明に至った。伸長性を有して防水効果を示す建
築物外装用の防水塗材は、防水効果の大きい点に加え
て、コンクリートやモルタル面に発生する収縮クラッ
ク、その他の亀裂による歪みを、その防水膜で吸収し、
表面美観の損傷を防ぎうるため現在広汎に使用されてい
る。このような防水材は、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、あるいはポリスチレン樹脂等のエマルジョンを樹脂
主成分とし、加えて炭酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、タルク、微粉末ケイ砂、沈降性硫酸バリウム等の体
質顔料、岩綿等の繊維質顔料、酸化チタン、亜鉛華等の
着色顔料、更に保存安定性や塗装適性および塗膜強度を
向上させるための種々の添加剤や、伸長性を増すための
可塑剤等から構成されており、良好な伸長性を示すよう
に材料の選択およびその配合が考慮されている。本格的
な防水用途には、日本工業規格で、伸長性を数値として
把握するためのパラメータである伸び率の規格値が決め
られており、たとえば屋根防水用途では、JISA60
21で、20℃において180%以上の伸び率が、ま
た、壁面防水用途では、JISA6910やJISA6
909で、20℃において120%以上の伸び率が要求
されている。これらの防水材は、伸長性に富み防水効果
が高いが、乾燥時の収縮も大きく、下地への接着力に劣
る。コンクリート下地への適用には、防水材の塗布に先
だって、シーラーあるいはプライマーと称する、接着力
を向上させるための、下塗材の塗布を行なう必要があ
る。これらの日本工業規格に、合致する伸長性を有する
防水材を総称して弾性防水材と言う。
【0005】また、昨今では顔料濃度を高める等の方法
により、多少伸長性を損なっても、ある程度の防水効果
を維持し、かつ下地への接着力を向上させたタイプの塗
材が上市されてきた。これらは、日本工業規格JISA
6021JISA6910、あるいはJISA6909
に要求される伸長性は無いものの、20℃において30
%以上の伸び率を示すため防水効果は十分にあり、しか
も接着力が強いため、シーラーあるいはプライマーと称
される下塗材の塗布工程を省くことができる。これら
は、微弾性下地調整材あるいは微弾性防水材と称され
る。上記に述べた、弾性防水材と微弾性防水材は、共に
本発明を構成する、微弾性防水材として供されうる。こ
れらは、コンクリート表面に、前者は、シーラーあるい
はプライマーの塗布乾燥後に、後者は、そのまま塗布さ
れる。次工程の耐候性樹脂塗料による上塗の塗装で、均
一かつ打放しコンクリート面に模したパターンを得るた
めには、この微弾性防水材塗布後の表面は平滑でなけれ
ばならず、それには塗装機器にスプレー式塗装機、ある
いは短毛ローラーを使用することが好適であり、また十
分な防水効果を得るために、その塗布量は、600g/
m2以上であることが好ましく、膜厚では300μm以
上であることが好ましい。そして、上塗塗膜が半透明で
防水塗膜自体の色も、打放しコンクリート仕上げの模様
の一部として映る場合には、防水材に着色顔料が含まれ
るが、防水塗膜の表面が完全に、上塗りによって隠蔽さ
れるときは、着色顔料は含まれなくとも可とする。着色
顔料含有の有無は、防水材の色調以外の、伸長性を含む
物性に影響を与えるものではない。上塗に供する塗料
は、それにより打放しコンクリート面に模したパターン
を防水面に付与するため、打放しコンクリート面それ自
体と同等以上の耐候性を期待されることから、耐候性に
優れたものが好ましく、就中反応硬化型アクリル樹脂、
あるいはフッ素樹脂を主たる樹脂成分とする、上塗塗料
を用いることが適している。着色に供する顔料も耐候性
の良好なものが好ましく、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅
等の金属酸化物系顔料、カーボンブラック、フタロシア
ニン系顔料、キナクリドン系顔料がとくに耐候性の良好
な顔料として挙げられる。塗料不揮発分中に占めるこれ
らの顔料の比率は、10〜50重量%の範囲にあること
が好ましい。上記の樹脂成分と顔料成分に加えて、各種
の溶剤を広汎に使用することが可能であるが、本発明を
構成する打放しコンクリート調の模様を描くには、水、
ターペン、イソホロン、ブチルセロソルブ等の高沸点溶
剤を多く含むことが重要であり、就中水あるいはターペ
ンが好適であるが、前者は既述の反応型アクリル樹脂や
フッ素樹脂を界面活性剤の作用で、水中に分散させたエ
マルジョンと称される状態にあり、後者は、界面活性剤
の作用で、ターペン中に分散させた非水エマルジョンと
称される状態にある。前者の市販品の例では、反応硬化
型アクリル樹脂を主成分とするものに「アレスアクアグ
ロス」、「アレスアクアシリコンAC」(関西ペイント
(株)製品)、「DNTビューシリコン」、「DNTビ
ューウレタン」(大日本塗料(株)製品)、「オーデフ
レッシュU100」(日本ペイント(株)製品)等が挙
げられ、フッ素樹脂を主成分とするものに「エコフッ
ソ」(スズカファイン(株)製品)、「DNTビューふ
っ素」(大日本塗料(株)製品)等がある。後者の市販
品の例では、反応硬化型アクリル樹脂を主成分とするも
のに、「Vシリコンマイルド」、「DNTウレタンマイ
ルド」(大日本塗料(株)製品)、「クリンマイルドウ
レタン」(エスケー化研(株)製品)等が挙げられフッ
素樹脂を主成分とするものに「Vフロン一液マイルド」
等が挙げられる。
により、多少伸長性を損なっても、ある程度の防水効果
を維持し、かつ下地への接着力を向上させたタイプの塗
材が上市されてきた。これらは、日本工業規格JISA
6021JISA6910、あるいはJISA6909
に要求される伸長性は無いものの、20℃において30
%以上の伸び率を示すため防水効果は十分にあり、しか
も接着力が強いため、シーラーあるいはプライマーと称
される下塗材の塗布工程を省くことができる。これら
は、微弾性下地調整材あるいは微弾性防水材と称され
る。上記に述べた、弾性防水材と微弾性防水材は、共に
本発明を構成する、微弾性防水材として供されうる。こ
れらは、コンクリート表面に、前者は、シーラーあるい
はプライマーの塗布乾燥後に、後者は、そのまま塗布さ
れる。次工程の耐候性樹脂塗料による上塗の塗装で、均
一かつ打放しコンクリート面に模したパターンを得るた
めには、この微弾性防水材塗布後の表面は平滑でなけれ
ばならず、それには塗装機器にスプレー式塗装機、ある
いは短毛ローラーを使用することが好適であり、また十
分な防水効果を得るために、その塗布量は、600g/
m2以上であることが好ましく、膜厚では300μm以
上であることが好ましい。そして、上塗塗膜が半透明で
防水塗膜自体の色も、打放しコンクリート仕上げの模様
の一部として映る場合には、防水材に着色顔料が含まれ
るが、防水塗膜の表面が完全に、上塗りによって隠蔽さ
れるときは、着色顔料は含まれなくとも可とする。着色
顔料含有の有無は、防水材の色調以外の、伸長性を含む
物性に影響を与えるものではない。上塗に供する塗料
は、それにより打放しコンクリート面に模したパターン
を防水面に付与するため、打放しコンクリート面それ自
体と同等以上の耐候性を期待されることから、耐候性に
優れたものが好ましく、就中反応硬化型アクリル樹脂、
あるいはフッ素樹脂を主たる樹脂成分とする、上塗塗料
を用いることが適している。着色に供する顔料も耐候性
の良好なものが好ましく、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅
等の金属酸化物系顔料、カーボンブラック、フタロシア
ニン系顔料、キナクリドン系顔料がとくに耐候性の良好
な顔料として挙げられる。塗料不揮発分中に占めるこれ
らの顔料の比率は、10〜50重量%の範囲にあること
が好ましい。上記の樹脂成分と顔料成分に加えて、各種
の溶剤を広汎に使用することが可能であるが、本発明を
構成する打放しコンクリート調の模様を描くには、水、
ターペン、イソホロン、ブチルセロソルブ等の高沸点溶
剤を多く含むことが重要であり、就中水あるいはターペ
ンが好適であるが、前者は既述の反応型アクリル樹脂や
フッ素樹脂を界面活性剤の作用で、水中に分散させたエ
マルジョンと称される状態にあり、後者は、界面活性剤
の作用で、ターペン中に分散させた非水エマルジョンと
称される状態にある。前者の市販品の例では、反応硬化
型アクリル樹脂を主成分とするものに「アレスアクアグ
ロス」、「アレスアクアシリコンAC」(関西ペイント
(株)製品)、「DNTビューシリコン」、「DNTビ
ューウレタン」(大日本塗料(株)製品)、「オーデフ
レッシュU100」(日本ペイント(株)製品)等が挙
げられ、フッ素樹脂を主成分とするものに「エコフッ
ソ」(スズカファイン(株)製品)、「DNTビューふ
っ素」(大日本塗料(株)製品)等がある。後者の市販
品の例では、反応硬化型アクリル樹脂を主成分とするも
のに、「Vシリコンマイルド」、「DNTウレタンマイ
ルド」(大日本塗料(株)製品)、「クリンマイルドウ
レタン」(エスケー化研(株)製品)等が挙げられフッ
素樹脂を主成分とするものに「Vフロン一液マイルド」
等が挙げられる。
【0006】尚、反応硬化型アクリル樹脂を主成分とす
る市販品の名称に、「ウレタン」あるいは「シリコン」
の名が冠せられるものがあるが、これは反応硬化に関与
する官能基の種類を示すものであり、何れも化学的には
反応硬化型アクリル樹脂に包含される。また、樹脂が相
溶する範囲で、これらの反応硬化型アクリル樹脂を主成
分とする塗料と、フッ素樹脂を主成分とする塗料は、混
合して本発明に供しても差支えない。
る市販品の名称に、「ウレタン」あるいは「シリコン」
の名が冠せられるものがあるが、これは反応硬化に関与
する官能基の種類を示すものであり、何れも化学的には
反応硬化型アクリル樹脂に包含される。また、樹脂が相
溶する範囲で、これらの反応硬化型アクリル樹脂を主成
分とする塗料と、フッ素樹脂を主成分とする塗料は、混
合して本発明に供しても差支えない。
【0007】本発明の打放しコンクリート面の防水工法
は、該当する打放しコンクリート面に、微弾性防水材を
塗布し乾燥させた後、上述の上塗塗料を塗装して完成さ
れるが、十分な耐候性を確保するためには、10μm以
上の乾燥膜厚を得ることが好ましく、従って通常は上塗
塗料を複数回塗装することとなる。そめ上塗の最終工程
において、上塗塗料を含浸させたニードルフェルトで叩
きながら模様付けを行なうと、打放しコンクリート面に
極めて近似した表面のパターンおよび陰影を得ることが
できるため、この工程は本発明の最も重要な構成要素で
ある。ニードルフェルトは、比表面積が大きいため、含
浸させた上塗塗料の溶剤成分が急速に蒸発し、被塗装面
を叩いて模様付けを行なう過程で塗料濃度が著しく変化
して、均一なパターンや陰影を得ることが難しい。既述
のように、水、ターペン、イソホロン、ブチルセロソル
ブ等の高沸点溶剤が、含まれることが重要であることの
主因である。上塗塗料の塗装においても上記の模様付け
工程ではなく、単に膜厚を増加させるか、あるいは下地
を隠蔽する目的で被塗装面に施す場合は、このような高
沸点溶剤は必ずしも必要とせず塗装方法も、刷毛、スプ
レー塗装、ローラー塗装等、公知慣用の方法から自由に
選ぶことができる。
は、該当する打放しコンクリート面に、微弾性防水材を
塗布し乾燥させた後、上述の上塗塗料を塗装して完成さ
れるが、十分な耐候性を確保するためには、10μm以
上の乾燥膜厚を得ることが好ましく、従って通常は上塗
塗料を複数回塗装することとなる。そめ上塗の最終工程
において、上塗塗料を含浸させたニードルフェルトで叩
きながら模様付けを行なうと、打放しコンクリート面に
極めて近似した表面のパターンおよび陰影を得ることが
できるため、この工程は本発明の最も重要な構成要素で
ある。ニードルフェルトは、比表面積が大きいため、含
浸させた上塗塗料の溶剤成分が急速に蒸発し、被塗装面
を叩いて模様付けを行なう過程で塗料濃度が著しく変化
して、均一なパターンや陰影を得ることが難しい。既述
のように、水、ターペン、イソホロン、ブチルセロソル
ブ等の高沸点溶剤が、含まれることが重要であることの
主因である。上塗塗料の塗装においても上記の模様付け
工程ではなく、単に膜厚を増加させるか、あるいは下地
を隠蔽する目的で被塗装面に施す場合は、このような高
沸点溶剤は必ずしも必要とせず塗装方法も、刷毛、スプ
レー塗装、ローラー塗装等、公知慣用の方法から自由に
選ぶことができる。
【0008】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。老朽化した打放しコンクリート面に、微弾性防水材
「リメークプラ」(スズカファイン(株)製品)を高粘
度エアレス塗装機を用いて吹付け、乾燥後の平均膜厚5
00μmの防水膜を形成させた。日本塗料工業会発行
の、平成11年度Y版塗料標準色見本帳における、YN
−85に色あわせしたフッ素樹脂塗料「エコフッソ」
(スズカファイン(株)製品)を上塗塗料として、その
防水膜表面にエアレス塗装機を用いて1回塗装し、約1
0μmの上塗塗料を形成させた後、YN−75に色あわ
せしたフッ素樹脂塗料「エコフッソ」をニードルフェル
トに染み込ませ、そのニードルフェルトで表面を叩きな
がら模様付けを行なって仕上げた。老朽化した打放しコ
ンクリート面は、美観も劣悪でかつ防水効果も皆無に等
しかったが、上記の本発明による打放しコンクリート面
の防水工法の施工後は、フッ素樹脂塗装による秀麗な表
面美観を呈し、また、防水効果により、裏面への漏水が
遮断された。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。老朽化した打放しコンクリート面に、微弾性防水材
「リメークプラ」(スズカファイン(株)製品)を高粘
度エアレス塗装機を用いて吹付け、乾燥後の平均膜厚5
00μmの防水膜を形成させた。日本塗料工業会発行
の、平成11年度Y版塗料標準色見本帳における、YN
−85に色あわせしたフッ素樹脂塗料「エコフッソ」
(スズカファイン(株)製品)を上塗塗料として、その
防水膜表面にエアレス塗装機を用いて1回塗装し、約1
0μmの上塗塗料を形成させた後、YN−75に色あわ
せしたフッ素樹脂塗料「エコフッソ」をニードルフェル
トに染み込ませ、そのニードルフェルトで表面を叩きな
がら模様付けを行なって仕上げた。老朽化した打放しコ
ンクリート面は、美観も劣悪でかつ防水効果も皆無に等
しかったが、上記の本発明による打放しコンクリート面
の防水工法の施工後は、フッ素樹脂塗装による秀麗な表
面美観を呈し、また、防水効果により、裏面への漏水が
遮断された。
【0009】本発明の打放しコンクリート面の防水工法
を打放しコンクリート面に適用することにより、表面が
強固な防水膜で覆われるため、表面自体の防水効果が格
段に高められると同時に、表面に発生する亀裂による歪
みも防水膜が吸収し、防水効果の低下を防ぎうる。加え
て、打放しコンクリート調の模様は、耐候性の良好な塗
料により描かれているため、その耐候性、耐久性は、本
来の打放しコンクリート面よりも遥かに優れている。ま
た、本発明の打放しコンクリート面の防水工法は、全て
の工程を完了するまで、僅か2〜6工程しか要さず、そ
れ故工事費も安価にできうる。そして、被塗物表面を全
て隠蔽することから、打放しコンクリート面に限らず、
平滑な面であれば、どのような個所にも適用できる。
を打放しコンクリート面に適用することにより、表面が
強固な防水膜で覆われるため、表面自体の防水効果が格
段に高められると同時に、表面に発生する亀裂による歪
みも防水膜が吸収し、防水効果の低下を防ぎうる。加え
て、打放しコンクリート調の模様は、耐候性の良好な塗
料により描かれているため、その耐候性、耐久性は、本
来の打放しコンクリート面よりも遥かに優れている。ま
た、本発明の打放しコンクリート面の防水工法は、全て
の工程を完了するまで、僅か2〜6工程しか要さず、そ
れ故工事費も安価にできうる。そして、被塗物表面を全
て隠蔽することから、打放しコンクリート面に限らず、
平滑な面であれば、どのような個所にも適用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】打放しコンクリート面に微弾性防水材を平
滑に塗布し、耐候性樹脂塗料による上塗の最終工程にお
いて、ニードルフェルトで叩きながら模様付けを行なっ
て仕上げることを特徴とする打放しコンクリート面の防
水工法 - 【請求項2】請求項1において用いられる微弾性防水材
が合成樹脂のエマルジョンを樹脂の主成分とする水性の
塗布型防水材であり、乾燥造膜後の厚さ1mmの防水膜
の20℃における伸び率が30%以上であることを特徴
とする請求項1記載の打放しコンクリート面の防水工
法。 - 【請求項3】請求項1において、耐候性樹脂塗料が、反
応硬化型アクリル樹脂あるいは、フッ素樹脂のいずれ
か、またはその混合物を樹脂成分とすることを特徴とす
る請求項1記載の打放しコンクリート面の防水工法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14537699A JP2000297484A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 打放しコンクリート面の防水工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14537699A JP2000297484A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 打放しコンクリート面の防水工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-04-14 JP JP14537699A patent/JP2000297484A/ja active Pending
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