JP2000297354A - 熱間加工性に優れた高耐食性を有する熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼管 - Google Patents

熱間加工性に優れた高耐食性を有する熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼管

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JP2000297354A
JP2000297354A JP11105451A JP10545199A JP2000297354A JP 2000297354 A JP2000297354 A JP 2000297354A JP 11105451 A JP11105451 A JP 11105451A JP 10545199 A JP10545199 A JP 10545199A JP 2000297354 A JP2000297354 A JP 2000297354A
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austenitic stainless
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JP11105451A
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Yoshiharu Kuniwaki
嘉春 國脇
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術より熱間加工性を悪化させることな
く、安定的な製造ができ、かつ高耐食性を有し、工業的
に生産性に優れた連続式の熱処理炉で固溶化熱処理でき
る熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼管を提供す
る 【解決手段】 重量%で、C:0.10%以下、Si:
1.50%以下、Mn:2.00%以下、P:0.04
%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜25%、C
r:18〜26%、残部Feを含有し、かつ熱間加工性
を改善する元素であるBの含有率を3ppm以下とし、
Caを20〜150ppm含有させたことを特徴とする
熱間加工性に優れた高耐食性を有する熱交換器用オース
テナイト系ステンレス鋼管にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間加工性に優れ
た高耐食性を有する発電用ボイラー等に使用される熱交
換器用オーステナイト系ステンレス鋼管に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、オーステナイト系ステンレス鋼で
の熱間加工性を改善するために、数十ppmのBを含有
させる方法や20〜100ppmのCaを含有させる方
法として、例えば特公平3−33777号公報や特公平
2−9665号公報等が知られている。すなわち、特公
平3−33777号公報は、重量%でC:0.1%未
満、Si:1%以下、Mn:3%以下、Ni:5〜16
%、Cr:15〜30%、Mo:3%以下、Al:1.
5%以下、Nb:1.5%以下の成分を含有し、かつ熱
間圧延を開始する段階でデルタフェライトを10%以
上、40%未満の範囲で含有し、しかも製品でデルタフ
ェライト量が15%以下のオーステナイト系ステンレス
鋼において、S含有量が0.0015%以下であり、か
つS含有量の2倍以上、0.01%以下のCaとS含有
量の4倍以上0.08%以下のREMとのうち少なくと
も1種を含有し、各元素に対する残部がFeおよび不可
避的不純物からなる熱間加工性に優れたオーステナイト
系ステンレス鋼である。
【0003】一方、特公平2−9665号公報は、重量
割合にて、C:0.05%以下、Si:1超〜5%、M
n:3超〜10%、Ni:1〜7%、Cr:17〜22
%、Cu:0.5〜3%、N:0.04〜0.20%を
含有し、かつ希土類元素:0.005〜0.040%、
Mg:0.005〜0.040%、B:0.001〜
0.006%、Ca:0.002〜0.010%のうち
の1種以上をも含むとともに、残部がFe及び不可避的
不純物より成る、ヤング率並びに熱間加工性に優れかつ
溶接部強度の劣化しない車両用高強度2相ステンレス鋼
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特公平3−33777号公報や特公平2−9665号
公報にあっては、数十ppmのBの含有なしでは、圧延
および押出加工の熱間加工時に割れが発生し易くなり、
安定した製造が出来ないという問題がある。また、高耐
食性を必要とする熱交換器用オーステナイト系ステンレ
ス鋼管は、1100℃以上の高温度からの急速冷却の固
溶化熱処理が必要となる。しかし、工業的に生産性に優
れた連続式の熱処理炉では高温度からの急速冷却は困難
で、結晶粒界に炭化物が析出(鋭敏化)し、JIS G
0571(ステンレス鋼の10%蓚酸エッチ試験)に
代表される熱酸腐食試験に合格できるミクロ組織(段状
組織)が得られないという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述したような問題を解
消するべく、発明者らは鋭意開発を進めた結果、従来技
術より熱間加工性を悪化させることなく、安定的な製造
ができ、かつ高耐食性を有し、工業的に生産性に優れた
連続式の熱処理炉で固溶化熱処理できる熱交換器用オー
ステナイト系ステンレス鋼管を提供するものである。そ
の発明に要旨とするところは、重量%で、C:0.10
%以下、Si:1.50%以下、Mn:2.00%以
下、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Ni:
8〜25%、Cr:18〜26%、残部Feを含有し、
かつ熱間加工性を改善する元素であるBの含有率を3p
pm以下とし、Caを20〜150ppm含有させたこ
とを特徴とする熱間加工性に優れた高耐食性を有する熱
交換器用オーステナイト系ステンレス鋼管にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず本発明の鋼の基本成分の限定理由は次の通り
である。 C:0.10%以下 Cはステンレス鋼本来の耐食性を阻害し、冷間での成形
性を阻害するので低い方が望ましく、0.10%を超え
ると耐粒界腐食性を悪化させるので0.10%以下とし
た。
【0007】Si:1.50%以下 Siは耐食性を向上させるが、1.50%を超えるとS
iO2 系介在物が顕著に生成され、熱間、冷間加工性を
悪化させる。また溶接性の悪化をも招くので1.50%
以下とした。 Mn:2.00%以下 Mnはオーステナイト相を安定させるのに必要な元素で
あるが、2.00%を超えると熱間、冷間加工性、耐食
性および溶接性を悪化させる。従って、2.00%以下
とした。
【0008】P:0.04%以下 Pは低い方が望ましく、0.04%を超えると、熱間、
冷間加工性および溶接性を悪化させる。従って、0.0
4%以下とした。 S:0.003%以下 SもPと同様に低い方が望ましく、0.03%を超える
と、熱間、冷間加工性、耐食性および溶接性を悪化させ
る。従って、0.03%以下とした。
【0009】Ni:8〜25% Niは鋼をオーステナイト化させるのに必要な元素で、
最低限8%以上は必要である。完全な耐粒界腐食性を維
持させるには、Crと併せてさらに含有量を増加させる
必要があるが、25%を超えて含有させると熱間加工性
の悪化を招き、また、材料が非常に高価となる。従っ
て、8〜25%とした。 Cr:18〜26% Crは18%以上含有させないとオーステナイト系ステ
ンレス鋼自体の耐食性がない。26%を超えて含有させ
ると熱間加工性の悪化を招き、またオーステナイト化さ
せるためにNiの含有量を増加させる必要があり、材料
が非常に高価となる。従って、18〜26%とした。
【0010】B:3ppm以下 Bは熱間加工性を改善する元素であるが、この働きの他
に、結晶粒界への炭化物の析出(Cr欠乏層の生成)を
促進させる温度域(鋭敏化温度域)を広げる働きがあ
り、固溶化熱処理の冷却時に鋭敏化温度域を急速に通過
しないと、結晶粒界近傍の耐食性を著しく悪化させる。
従って、工業的に生産性に優れた連続式の熱処理炉で
は、1100℃以上の高温度から500℃付近まで10
0℃/秒以上の速度で鋼管全体を急速に冷却するのは困
難である。
【0011】鋭敏化感受性の大きいBの添加を止めれば
(B含有率は3ppm以下)、鋭敏化温度域は狭くな
り、工業的に生産性に優れた連続式の熱処理炉での固溶
化熱処理は可能であるが、熱間加工性が悪くなり安定し
た製造ができない。これを解決するため、鋭敏化温度域
を広げることなく熱間加工性を改善できる元素であるC
aを含有させ、しかも、含有率が20〜150ppmで
効果が大きいことが判った。Caの含有率が20ppm
未満の場合、熱間加工性改善に効果がなく、また、15
0ppmを超える場合は、耐食性が悪化する。このCa
の添加により、50℃/秒以上の冷却速度であれば結晶
粒界近傍の耐食性を悪化させることなく固溶化熱処理が
できる。
【0012】図1はSUS310SのB、Caの含有率
に及ぼす熱間加工性の影響を示す図である。この図に示
すように、BおよびCaを添加しない場合、1200℃
未満の温度域で熱間加工性が著しく低下するが、Bを添
加せずCaを20ppm以上150ppm以下添加した
ものは、Caを添加せずBを添加したものと同様の優れ
た熱間加工性を全温度域に渡って示していることが判
る。すなわち、耐食性を悪化させるBの添加をやめ、そ
れに伴う熱間加工性の悪化を改善させるために耐食性を
悪化させないCaを添加することにより、熱間加工性に
優れた高耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼
管が得られることが判る。
【0013】
【実施例】(実施例1)電気炉で製鋼したBが1pp
m、Caが80ppmのSUS310Sの2.6トン鋼
塊を加熱し、φ175mmに圧延後、外径165mm、
内径40mm、長さ600mmに切削加工で仕上げ、押
出用母管を製造する。これを熱間押出プレス機を使用し
て、外径60mm、肉厚12mmに押出する。さらに、
冷間圧延機(コールドピルガー)により外径38.1m
m、肉厚6.0mmに圧伸する。その後、バレル型連続
熱処理炉で1200℃に加熱後、水冷し、付着したスケ
ールを酸で化学的に除去し、鋼管を得た。JIS G
0571に準じ、10%蓚酸腐食試験を実施した結果、
良好な組織(段状組織)が得られた。
【0014】(実施例2)鋼塊の成分を変えて実施例1
と同様の条件にて製造した鋼管の10%蓚酸腐食試験の
結果を表1に示す。なお、Bが3ppm以下、あるいは
Caが20ppm未満のものは、熱間加工性が悪く、φ
175mmの押出用母管の圧延時に割れが発生したの
で、鍛伸により製造した。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により熱間加
工性に優れているため割れ等の発生なく安定して製造で
き、かつ高耐食性を有する熱交換器用オーステナイト系
ステンレス鋼管製品を提供することが出来る極めて優れ
た効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】SUS310SのB、Caの含有率に及ぼす熱
間加工性の影響を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.10%以下、 Si:1.50%以下、 Mn:2.00%以下、 P:0.04%以下、 S:0.03%以下、 Ni:8〜25%、 Cr:18〜26% 残部Feを含有し、かつ熱間加工性を改善する元素であ
    るBの含有率を3ppm以下とし、Caを20〜150
    ppm含有させたことを特徴とする熱間加工性に優れた
    高耐食性を有する熱交換器用オーステナイト系ステンレ
    ス鋼管。
JP11105451A 1999-04-13 1999-04-13 熱間加工性に優れた高耐食性を有する熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼管 Withdrawn JP2000297354A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017111461A1 (ko) * 2015-12-23 2017-06-29 주식회사 포스코 주름 저항성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스 강관

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WO2017111461A1 (ko) * 2015-12-23 2017-06-29 주식회사 포스코 주름 저항성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스 강관

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Effective date: 20060704