JP2000290756A - 熱間加工性に優れた高Crマルテンサイト系耐熱鋼 - Google Patents

熱間加工性に優れた高Crマルテンサイト系耐熱鋼

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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱間加工性に優れ、小径の継目無鋼管でも、傾
斜ロール式の穿孔圧延機を用いる熱間圧延製管法で高能
率かつ高歩留まりに製造可能な高Crマルテンサイト系
耐熱鋼を提供する。 【解決手段】重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:0.01〜1.0
%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.030%以下、S:0.0010%以
下、Cr:8.0〜13.0%、W:1.0〜2.5%、Mo:0.01〜1.0%、
Cu:0.2〜2.0%、Ni:0〜0.7%、V:0.10〜0.30%、Nb:0.0
1〜0.15%、N:0.020〜0.10%、Al:0.001〜0.050%、B:
0.0001〜0.015%、Ca:0.0002〜0.010%、O:0.0050%以
下を含有し、残部は実質的にFeからなり、かつ、式「2
≦{Ca-0.1×(O+B)}/S≦30」を満たすとともに、1〜30
面積%のδフェライト相を含む組織の高Crマルテンサイ
ト系耐熱鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管製造
時、特に傾斜ロール式の穿孔圧延機による製管時の熱間
加工性に優れ、かつ、高温強度、高温耐食性および溶接
性に優れた、ボイラ、原子力、化学工業などの広い産業
分野において高温耐熱部材、耐圧部材として使用して好
適な高Crマルテンサイト系耐熱鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラ、原子力、化学工業用等の高温耐
熱耐圧部材に使用される耐熱鋼には、クリープ強度、耐
食性、耐酸化性、靭性および溶接性等が要求される。
【0003】一般に、クリープ強度の点では、フェライ
ト系耐熱鋼よりもオーステナイト系耐熱鋼の方が優れて
いる。しかし、構造材料として適用する場合には、熱伝
導度が高く、熱膨張係数の小さいマルテンサイト系耐熱
鋼の方が適している。特に、近年の火力発電において
は、熱効率をより一層向上させるため、蒸気条件を高温
高圧化した条件での操業が余儀なくされつつある。
【0004】したがって、ボイラ用鋼管等に対する要求
性能も益々過酷化してきており、長時間クリープ特性、
耐酸化性、特に水蒸気酸化の観点から、もはや既存のマ
ルテンサイト系耐熱鋼では十分に性能を満足できない状
況に至っている。
【0005】このような問題点を解決するために、従来
のマルテンサイト系耐熱鋼よりもクリープ強度および耐
食性に優れる新しい高Crマルテンサイト系耐熱鋼の研
究開発が活発化してきている。
【0006】例えば、特開平2−232345号公報や
特開平3−97832号公報には、従来よりもW量を高
めてクリープ強度を向上させ、かつ、Cuを添加して耐
酸化性を向上させた高Crマルテンサイト系鋼が提案さ
れている。また、このようなCu添加鋼で問題となる熱
間加工性の劣化対策に関しては、特開平5−17850
号公報に示されるように、Niの添加が有効であること
が知られいる。
【0007】一方、耐熱鋼用途ではなく、かつ、成分系
もクリープ強度の向上に欠かすことのできないWとBを
含有しないものの、δフェライト相を含むマルテンサイ
ト系鋼の熱間加工性の向上対策としては、特開昭59−
208055号公報に示されるように、S量を低減した
うえでのCa添加が有効であることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、高C
rマルテンサイト系耐熱鋼のクリープ強度を高めるため
には、Moの一部または大半をWで置換するとともに、
B添加が極めて有効である。また、Cu含有鋼の熱間加
工性改善についても、適量のNi添加が有効である。
【0009】しかし、上記の各公報に示される高Crマ
ルテンサイト系耐熱鋼は、いずれもCu含有鋼で、熱間
加工性は改善されているものの、その改善程度が不十分
なために、例えば、ボイラチューブのような小径の継目
無鋼管に仕上げる際、ユジーン・セジュルネ法に代表さ
れる熱間押出製管法を多用しなければならないという問
題があった。
【0010】このユジーン−セジュルネ法に代表される
熱間押出製管法は、傾斜ロール式の穿孔圧延機を用いる
マンネスマン−プラグミル方式やマンネスマン−マンド
レルミル方式に代表される熱間圧延製管法に比べると、
素材ビレットの製造費が嵩むうえに、製管能率が圧倒的
に低く、製品鋼管の製造コストが高い。
【0011】このため、ボイラチューブのような小径の
継目無鋼管であっても、上記の熱間圧延製管法によって
何ら問題なく製造可能な高Crマルテンサイト系耐熱鋼
の開発が強く望まれていた。
【0012】本発明の目的は、W、BおよびCuを含有
する高Crマルテンサイト系耐熱鋼でありながら、クリ
ープ強度、耐食性、耐酸化性、靭性および溶接性等の性
能低下がなく、しかも熱間圧延製管法によって何らの問
題なく製管可能なまでに熱間加工性を向上させた高Cr
マルテンサイト系耐熱鋼を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
熱間加工性に優れた高Crマルテンサイト系耐熱鋼にあ
る。
【0014】重量%で、C:0.04〜0.15%、S
i:0.01〜1.0%、Mn:0.05〜1.5%、
P:0.030%以下、S:0.0010%以下、C
r:8.0〜13.0%、W:1.0〜2.5%、M
o:0.01〜1.0%、Cu:0.2〜2.0%、N
i:0〜0.7%、V:0.1〜0.30%、Nb:
0.01〜0.15%、N:0.020〜0.10%、
Al:0.001〜0.050%、B:0.0001〜
0.015%、Ca:0.0002〜0.010%、O
(酸素):0.0050%以下を含有し、残部は実質的
にFeからなり、かつ、下記の式を満足するととも
に、1〜30面積%のδフェライト相を含む組織を有す
る熱間加工性に優れた高Crマルテンサイト系耐熱鋼。
【0015】 2≦{Ca−0.1×(O+B)}/S≦30 ・・・ ここで、式中の元素記号は、鋼中の各元素の含有量(重
量%)を意味する。
【0016】本発明者らは、W、BおよびCuを含有す
る高Crマルテンサイト系耐熱鋼の熱間加工性を向上さ
せるために、鋭意実験研究を行った。その結果、以下の
ことを知見して本発明を完成させた。
【0017】一般に、δフェライト相を含有しない焼戻
しマルテンサイト単相組織の高Crマルテンサイト系耐
熱鋼では、溶接継手のクリープ破断強度が母材に比べて
低下するが、面積率で1%以上のδフェライト相を含有
させると溶接継手のクリープ破断強度低下が抑制され
る。そして、この効果は、必須成分としてW、Cuおよ
びBを含有させた高Crマルテンサイト系耐熱鋼におい
ても同じである。しかし、30%を超えて含有させると
靭性や母材のクリープ破断強度が低下するが、1〜30
%の範囲に調整すれば、所定の性能が確保される。
【0018】1〜30%のδフェライト相を含む上記の
高Crマルテンサイト系耐熱鋼の熱間加工性は、鋼中の
不可避的不純物であるSとO(酸素)の含有量をそれぞ
れ0.0010%以下、0.0050%以下にするとと
もに、上記の式を満たす量のCaとBを複合添加する
ことによってはじめて飛躍的に向上し、熱間圧延製管法
による小径管の安定な製造が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明鋼の化学組成と組織
を上記のように定めた理由について、詳細に説明する。
なお、以下において、特に断らない限り、「%」は「重
量%」を意味する。
【0020】《鋼の化学組成》 C:Cは、Cr、Fe、Mo、W、V、Nbと結合して
炭化物を形成し、高温強度に寄与するとともに、オース
テナイト生成元素であるため、マルテンサイト組織を安
定にする。これらの効果を発揮させるためには、0.0
4%以上が必要である。しかし、0.15%を超えて含
有させると、使用初期から炭化物の凝集粗大化が起こ
り、長時間クリープ強度の低下を招くとともに、硬化し
て加工性や溶接性が劣化する。このため、C含有量は
0.04〜0.15%とした。
【0021】Si:Siは、溶鋼の脱酸剤とし有効であ
るほか、高温における耐水蒸気酸化性を向上させるのに
有効な元素である。これらの効果を発揮させるために
は、0.01%以上が必要である。しかし、1.0%を
超えて含有させると、靭性劣化を引き起こすだけでな
く、クリープ強度も低下する。したがって、Si含有量
は0.01〜1.0%とした。
【0022】Mn:Mnは、溶鋼の脱酸、脱硫剤として
有効であるほか、SをMnSとして固定して熱間加工性
の向上にも寄与する元素であるが、その含有量が0.0
5%未満ではその効果が得られない。一方、1.5%を
超えて含有させると靭性が低下する。このため、Mn含
有量は0.05〜1.5%とした。
【0023】Cr:Crは、本発明鋼の高温における耐
食性や耐酸化性、特に耐水蒸気酸化性を確保するために
不可欠な元素である。これらの特性を得るためのCr濃
度の高い緻密で保護性の高い酸化皮膜を形成させるため
には、8.0%以上が必要である。しかし、13.0%
を超えて含有させると、δフェライト相が増加し、靭性
に悪影響を及ぼす。このため、Cr含有量は8.0〜1
3.0%とした。
【0024】Ni:Niは、添加しなくてもよいが、添
加すればオーステナイト生成元素としてδフェライト相
の生成を抑制し、マルテンサイト組織を安定にするの
で、必要に応じて添加することができ、その効果は0.
05%以上で顕著になる。しかし、Niは変態点を低下
させる元素であり、0.7%を超えて含有させるとクリ
ープ強度が確保できなくなる。したがって、添加する場
合のNi含有量は0.7%以下とした。
【0025】Cu:Cuは、上記のNiと同様に、オー
ステナイト生成元素としてδフェライト相の生成を抑制
しマルテンサイト組織を安定にする。また、Cuは、6
00〜700℃の高温で保持すると極めて微細なCu相
がマツリックスに分散析出し、特に溶接継手における熱
影響部(HAZ部)の軟化抑制に効果を発揮する。その
ためには0.2%以上が必要である。しかし、Cuは上
記のNiと同様に変態点を低下させる元素であるり、
2.0%を超えて含有させると、クリープ強度が確保で
きなくなる。また、CuはSの粒界偏析を助長して熱間
加工性も劣化させる。したがって、Cu含有量は0.2
〜2.0%とした。
【0026】W:Wは、本発明鋼のクリープ強度確保に
不可欠な強化元素である。Wは高温使用中にμ相(Fe
76型)やラーベス相(Fe2W 型)等の金属間化合物
として旧オーステナイト粒界やマルテンサイトラス境界
に分散析出し、長時間クリープ強度の向上に寄与する。
さらに、WはCr炭化物中にも一部固溶して、炭化物の
凝集、粗大化を抑制し、強度の維持に寄与する。これら
の効果を得るためには1.0%が必要であるが、2.5
%を超えて含有させると、靱性が低下する。このため、
W含有量は1.0〜2.5%とした。
【0027】Mo:Moは、クリープ強度を高めるのに
有効であり、上記のWとの複合添加で固溶強化さらには
析出強化に寄与する。その効果を十分に発揮させるため
には0.01%以上が必要である。しかし、Wと複合添
加する場合、1.0%を超えて含有させると、かえって
クリープ強度が低下するだけでなく、靱性も低下する。
このため、Mo含有量は0.01〜1.0%とした。
【0028】V:Vは、C、Nと結合して微細な炭窒化
物を形成して、クリープ強度の向上に寄与する。その効
果を発揮させるためには、0.10%以上が必要である
が、0.30%を超えると効果が飽和する。このため、
V含有量は0.10〜0.30%とした。
【0029】Nb:Nbは、上記のVと同様に、C、N
と結合して微細な炭窒化物を形成して、クリープ強度の
向上に寄与する。また、結晶粒の微細化にも寄与するた
めに靱性向上にも有効である。その効果を発揮させるた
めには、0.01%以上が必要であるが、0.15%を
超えて含有させると溶接性が劣化する。したがって、N
b含有量は0.01〜0.15%とした。
【0030】Al:Alは、溶鋼の脱酸剤として添加さ
れるが、その効果を得るには0.001%が必要でり、
逆に0.050%を超えて含有させるとクリープ強度が
低下する。このため、Al含有量は0.001〜0.0
50%とした。なお、本発明でいうAlとは、sol.
Al(酸可溶Al)のことである。
【0031】N:Nは、V、Nbと結合して炭窒化物を
形成してクリープ強度の向上に寄与する重要な元素の一
つである。その効果を発揮させるためには0.020%
以上が必要であるが、0.10%を超えて含有させると
窒化物の粗大化が進行し、逆に靭性低下が著しくなると
ともに、溶接性や熱間加工性も劣化する。このため、N
含有量は0.020〜0.10%とした。
【0032】B:Bは、微量の添加で微細なM236
炭化物を分散析出させる効果があり、高温長時間クリー
プ特性の向上に寄与する。また、Bは高温延性を改善す
る効果があり、本発明の目的である熱間加工性の向上に
は欠かすことのできない元素である。その効果を発揮さ
せるためには、0.0001%以上が必要であるが、
0.015%を超えて含有させると溶接性が劣化する。
したがって、B含有量の範囲は0.0001〜0.01
5%とした。
【0033】P:Pは、鋼中に不純物として含まれ、溶
接性や靱性の点からは低い方が望ましいが、0.030
%以下であれば、本発明鋼の性能に直接影響を及ぼさな
いため、その上限を0.030%とした。好ましい上限
は0.020%である。
【0034】S:Sは、上記のPと同様に、鋼中に不純
物として含まれるが、本発明の目的である高Crマルテ
ンサイト系耐熱鋼の熱間加工性を向上させるためには、
0.0010%以下にする必要がる。これは、S含有量
が0.0010%超の場合、本発明鋼のように、クリー
プ強度確保の観点からWを多量添加し、かつ、Sの粒界
偏析を助長するCuを添加した1〜30面積%のδフェ
ライト相を含む鋼では、次に述べるCaを添加しても、
熱間加工性がほとんど改善されないためである。したが
って、S含有量は0.0010%以下とした。好ましい
上限は0.0007%である。
【0035】Ca:Caは、鋼中の固溶Sを低減させて
熱間加工性を向上させるのに有効な元素である。その効
果を発揮させるためには、S量とO量を、それぞれ0.
0010%以下、0.0050%以下に低減した状態
で、0.0002%以上を含有させる必要がある。しか
し、0.010%を超えて含有させると、熱間加工性の
向上効果が飽和する反面、介在物量が増加して、特に溶
接性が著しく劣化する。したがって、Ca含有量は0.
0002〜0.010%とした。
【0036】O(酸素):Oは、鋼中に不純物として含
まれ、本発明鋼の熱間加工性を向上させるためには、上
記したように、0.0050%以下にする必要がある。
好ましい上限は0.0040%である。
【0037】Ca、B、SおよびOの関係:本発明鋼の
Ca、B、SおよびOの含有量は、それぞれ上記の範囲
内において下式を満たす含有量でなければならない。こ
れは、Ca、B、SおよびOの含有量がそれぞれ上記の
範囲内であっても、下式を満たさない場合には、熱間加
工性が著しく低下するからである。このことは、後述す
る実施例の結果から明らかである。
【0038】《鋼の組織》本発明鋼は、面積%で、1〜
30%のδフェライト相を含むマルテンサイト組織でな
ければならない。これは、δフェライト相の含有量が1
面積%未満では、溶接継手のクリープ破断強度低下が大
きくなり、逆に、30面積%超では、靭性や母材のクリ
ープ破断強度が低下するためである。
【0039】上記の化学組成と組織を有する本発明の高
Crマルテンサイト系耐熱鋼は、転炉や電気炉などの製
鋼炉を用いて溶製し、必要に応じてその溶湯をAOD炉
やVOD炉などの製錬炉を用いて製錬し、次いで造塊法
や連続鋳造法などで所定の大きさの鋳片とする。そし
て、この鋳片を熱間圧延製管法や熱間押出製管法に供し
て所定寸法の継目無鋼管に成形した後、所定の熱処理
(例えば、焼きならし+焼戻しの処理)を施すことで製
造できる。その際、特別な処理は不要で、常法に従って
製造すればよい。
【0040】
【実施例】表1〜表3に示す化学組成を有する53種類
の鋼を、50kgの真空誘導溶解炉で溶製し、外径14
4mmのインゴットにした後、熱間鍛造で厚さ40mm
の板材とした。
【0041】なお、表中、鋼No. 1〜20は本発明の
鋼、鋼No. A1〜A8、B1〜B7、C1〜C3、D1
〜D3、E1〜E3、F1〜F3、G1〜G3およびH
1〜H3は比較例の鋼である。また、表中には、式
「{Ca−0.1×(O+B)}/S」で求めた値を
式の値として示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】得られた各板材には、1050℃に1時間
加熱保持後空冷する熱処理を施した後、δフェライト相
の面積割合を調べる一方、外径10mm、長さ130m
mの試験片を採取して下記条件のグリーブル試験に供
し、絞り値を求めることで、その熱間加工性を調べた。
【0046】なお、δフェライト相の面積割合は、JI
S G 0555に規定される「鋼の非金属介在物の顕
微鏡試験方法」に準じて測定して求めた。
【0047】《グリーブル試験条件》 試験片加熱 :1250℃に3分間均熱保持、 試験温度 :900℃、 付与歪み速度:1/S(ここで、Sは秒である)、 ′試験方法 :高速引張試験。
【0048】上記の試験条件は、傾斜ロール式の穿孔圧
延機を用いる熱間圧延製管法、具体的にはマンネスマン
−プラグミルまたはマンネスマン−マンドレルミル方式
による製管時の加熱条件と加工条件を模擬した条件であ
る。
【0049】なお、試験温度を、実際の製管温度(12
50℃)よりも低い900℃としたのは、850〜12
00℃の範囲で行った予備実験の結果、本発明鋼は90
0℃の絞り値が最も小さく、熱間加工性が最も劣ること
が判明したためでる。
【0050】以上の調査結果を、表1〜表3に併せて示
すとともに、代表的な2つの成分系(12Cr−2W−
0.35Mo−1Cu−0.35Ni系と、12Cr−
2W−0.35Mo−0.35Cu−0.15Ni系)
の本発明例鋼と比較例鋼の結果を、図1に対比して示し
た。
【0051】表1〜表3および図1に示す結果からわか
るように、本発明例の鋼はNo. 9の鋼を除けば、いずれ
も絞り値が80%以上であり、熱間加工性が極めて良好
であった。
【0052】これに対し、比較例の鋼の絞り値は、最も
高いもので、鋼No. A7の75%であり、熱間加工性が
悪かった。
【0053】なお、データは省略するが、本発明例の鋼
のクリープ強度、耐食性、耐酸化性、靭性および溶接性
は、前述の各公報に示される従来鋼と同等以上であっ
た。また、実機のマンネスマン−マンドレルミル方式に
よる製造実験の結果も極めて良好で、小径のボイラーチ
ューブを何らの問題もなく製造できた。
【0054】
【発明の効果】本発明の高Crマルテンサイト系耐熱鋼
は、熱間加工性が極めて高い。このため、小径のボイラ
ーチューブであっても、傾斜ロール式の穿孔圧延機を用
いる熱間圧延製管法のよって高能率かつ高歩留まりに製
造することが可能で、安価な製品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例結果の一部を対比して示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.04〜0.15%、S
    i:0.01〜1.0%、Mn:0.05〜1.5%、
    P:0.030%以下、S:0.0010%以下、C
    r:8.0〜13.0%、W:1.0〜2.5%、M
    o:0.01〜1.0%、Cu:0.2〜2.0%、N
    i:0〜0.7%、V:0.10〜0.30%、Nb:
    0.01〜0.15%、N:0.020〜0.10%、
    Al:0.001〜0.050%、B:0.0001〜
    0.015%、Ca:0.0002〜0.010%、O
    (酸素):0.0050%以下を含有し、残部は実質的
    にFeからなり、かつ、下記の式を満足するととも
    に、1〜30面積%のδフェライト相を含む組織を有す
    ることを特徴とする熱間加工性に優れた高Crマルテン
    サイト系耐熱鋼。 2≦{Ca−0.1×(O+B)}/S≦30 ・・・ ここで、式中の元素記号は、鋼中の各元素の含有量(重
    量%)を意味する。
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