JP2000296762A - センサ付き車両用窓ガラスおよび曇り制御システム - Google Patents

センサ付き車両用窓ガラスおよび曇り制御システム

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JP2000296762A
JP2000296762A JP11107088A JP10708899A JP2000296762A JP 2000296762 A JP2000296762 A JP 2000296762A JP 11107088 A JP11107088 A JP 11107088A JP 10708899 A JP10708899 A JP 10708899A JP 2000296762 A JP2000296762 A JP 2000296762A
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Toshihiko Saito
俊彦 斉藤
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精度のよい曇りセンサ付き窓ガラスを得る。 【解決手段】車内側ガラス板1の車内側面に、発光素子
15、第1、2の受光素子11、12を有するセンサを
設け、発光素子15から窓ガラスに生成された曇りによ
り散乱された光を第2の受光素子12により受光し、第
1の受光素子の受光量と第2の受光素子12の受光量と
を比較することにより、窓ガラスの曇りを検知する、セ
ンサ付き窓ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の窓ガラスの
曇りを検知するセンサ付き車両用窓ガラスとこれを用い
た曇り制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の窓ガラスに曇りが広がると、前方
視界の妨げになる。運転者は、窓ガラスの曇りを除去す
るために、車両空調装置(以下エアコンと称する)を作
動させる。また、エアコンを作動させても、エアコンの
空気取込系(車内循環系と外気導入系)の別により、窓
ガラスの曇りを充分に除去できないことがある。さら
に、窓ガラスに曇りが生じてからエアコンの作動、空気
取込系の調整を行っても、瞬時に窓ガラスの曇りを除去
できないことがある。
【0003】そこで、あらかじめ窓ガラスへの曇りの生
成状態を検知することにより、曇りが広がる前にエアコ
ンを作動・制御することは有益である。この場合、窓ガ
ラスの曇りの生成状態を自動的に検知し、検知された信
号に基づき自動的にエアコンを作動・制御することによ
り、運転者をわずらわせることなく前方視界の確保がで
きる。
【0004】これまで、窓ガラスへの曇りの生成状態を
検知する手段として、各種の手段が提案されている。例
えば、車内の湿度を検知して窓ガラスの曇り状態を評価
する手段、窓ガラスにおける静電容量の変化により窓ガ
ラスの曇り状態を評価する手段、窓ガラスにおける光の
反射度合を検知して窓ガラスの曇り状態を評価する手
段、等がある。
【0005】このうち、湿度を検知する手段は、制御系
が複雑になる欠点があった。静電容量を利用する手段
は、窓ガラスの車外側面に付着した雨滴等の影響により
曇り検知の精度が悪かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】窓ガラスにおける光の
反射度合を検知する手段を用いて曇りを検知する方式と
して、例えば特開昭59−108939号公報に記載さ
れた方式がある。この方式は、窓ガラスに光学センサを
設けて窓ガラスの曇りを検知する方式であり、以下の構
成を有する。
【0007】すなわち、光学センサは発光素子と受光素
子とを有する。発光素子から発せられた光は窓ガラスに
向けて発せられ、窓ガラスで反射して受光素子に入射す
る。窓ガラスに曇りがない場合、受光素子での受光量は
最大値を示す。窓ガラスに曇りがある場合、窓ガラスに
生成された曇りにより発光素子から発せられた光は散乱
する。そのため、受光素子での受光量が上記の最大値よ
り小さくなる。こうして、この公報に記載された方式に
よれば、受光素子での受光量の増減により窓ガラスの曇
りを検知できる。
【0008】ところで、窓ガラスには種々の汚れが付着
する。窓ガラスに汚れが付着していると、汚れ部分に入
射した光が散乱し、上記公報に開示された方式における
受光素子での受光量は減少する。そのため、曇りが生成
されていない場合でも受光素子での受光量が減少し、正
確な曇り検知ができない。したがって、正確な曇り検知
ができないことにより、曇り検知信号に基づき制御しよ
うとするエアコンの誤動作の原因になる。
【0009】本発明の目的は、従来技術の有する前述の
欠点を解消し、誤作動がないセンサ付き車両用窓ガラス
および曇り制御システムを新規に提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両に取付け
られる窓ガラスと、発光素子と受光素子とを有して前記
ガラス板の車内側に配されるセンサとを備えたセンサ付
き車両用窓ガラスにおいて、前記センサに備えられる受
光素子は複数であって、該複数の受光素子のうち第1の
受光素子は、前記発光素子から窓ガラスに向けて発せら
れ窓ガラスで正反射した光を受光できる位置に配されて
おり、前記複数の受光素子のうち第2の受光素子は、前
記発光素子から窓ガラスを介して第1の受光素子に到達
する光の光路から外れた位置に配されていることを特徴
とするセンサ付き車両用窓ガラスを提供する。
【0011】この場合、第2の受光素子が、前記発光素
子から窓ガラスに向けて発せられ窓ガラスの車内側面に
生成された曇りにより散乱して反射した光を受光するも
のであることは好ましい。
【0012】前記窓ガラスが発光素子が発する光の波長
と同等の波長の光を少なくとも反射する反射層を有する
ことは好ましい。前記窓ガラスが複数枚のガラス板が中
間膜を介して積層された合わせガラスからなることは好
ましい。
【0013】前記センサが、窓ガラスの車内側面に向か
う開口を有し前記発光素子および受光素子を保持する筐
体と、第1の受光素子の受光量と第2の受光素子の受光
量とを比較し前記比較された値から窓ガラスの曇り度合
を判断する曇り判断手段とを有することは好ましい。こ
の場合、前記開口が窓ガラスに向かうように前記筐体が
窓ガラスに固定されており、かつ前記筐体が前記窓ガラ
スのうちの筐体で覆われる部分を筐体外に連通させる連
通孔または切り欠きを有することは好ましい。
【0014】また、本発明は、上記のいくつかの形態に
係るセンサ付き車両用窓ガラスを備えるとともに、前記
センサは、第1の受光素子の受光量と第2の受光素子の
受光量とを比較し前記比較により得られた受光比較値と
しきい値とを比較して窓ガラスの曇りの有無を判断する
曇り判断手段を有していて、該曇り判断手段からの曇り
の有無の信号を車両空調制御装置に伝達して車両空調装
置を窓ガラスの曇りの有無に応じて制御する車両の曇り
制御システムを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明をさら
に詳細に説明する。図1は、本発明のセンサ付き車両用
窓ガラスの一例を示す要部概念断面図である。車両用窓
ガラス10は、2枚のガラス板1、1’が中間膜9を介
して接合された合わせガラスを、基本構成としている。
車内側に配されるガラス板1の車内側面には、発光素子
15、第1の受光素子11、第2の受光素子12、信号
処理回路13を含むセンサが設けられている。
【0016】発光素子15は、ガラス板1に向けて光3
1を発する。ガラス板1の車外側面には反射層2が設け
られており、反射層2により高効率で光31が反射され
る。第1の受光素子11は、光31の反射層2による正
反射の方向(以下の光32の進行方向)線上に配されて
いる。そして、反射層2により反射された光32を受光
する。また、第2の受光素子12は、光32の光路から
外れた位置に配されている。
【0017】こうして、ガラス板1の車内側面に曇りが
生じていない場合(図1中の符号50の曇りがない場
合)は、発光素子15から発せられた光31が反射層2
で正反射(光32)し、第1の受光素子11で受光され
る。一方、ガラス板1の車内側面に曇りが生じている場
合(図1中の符号50の曇りがある場合)は、発光素子
15から発せられた光31が反射層2で正反射(光3
2)するほかに、曇り50による散乱光33が生成され
る。そして、第1の受光素子11での受光量が減少し、
散乱光による第2の受光素子12の受光量が増加する。
【0018】第1、2の受光素子11、12での受光量
に基づき(例えば受光量が光電変換された信号に基づ
き)、信号処理回路13により、曇りの度合を判断す
る。さらに、信号処理回路で判断された曇りの度合に基
づく信号をエアコン制御回路へ伝達し、エアコンの作動
・制御が行われる。
【0019】次に、図2に基づき本発明におけるセンサ
の取付構造を説明する。図2は、本発明のセンサ付き車
両用窓ガラスの一例を示す要部斜視図である。センサ2
0は、ガラス板1側に向かう開口を有する筐体19内
に、発光素子15、第1、2の受光素子11、12、信
号処理回路を有する回路基板17が保持されてなる。回
路基板17には、筐体19外へ延存するように、信号処
理回路の信号をエアコン制御回路へ伝達する接続線18
が接続されている。
【0020】筐体19は、開口がガラス板1に向かうよ
うにガラス板1に固定されている。すなわち、筐体19
の開口端がガラス板1に当接して、ガラス板1の一部が
筐体19で覆われることになる。一方、筐体19の側面
には、連通孔19aが設けられている。そして、連通孔
19aを介して、ガラス板1の筐体19に覆われている
部分が筐体19外と空気に関して連通されることにな
る。
【0021】連通孔19を設けることは、次の点で優位
である。すなわち、窓ガラスの曇りは、車内の空気温
度、湿度の影響により発生する。曇りセンサの1つの機
能として、仮に窓ガラスの一部に曇りが発生しても、窓
ガラスの広い領域に曇りが広がる前に窓ガラスの曇りを
防ぐようにエアコンを制御することがある。そのため、
窓ガラスのうちのセンサ20が設けられている部分(セ
ンサ部分)が車内の空気に晒される環境が、センサ20
の設けられていない他の部分(一般部分)の環境と著し
く異なることは望ましくない。
【0022】一般部分が曇りの発生する環境にあるにも
かかわらず、センサ部分が曇りの発生しにく環境にある
と、センサ20が窓ガラスの曇りの状態を精度よく反映
できないからである。逆に、センサ20の存在に依存し
てセンサ部分が著しく曇りの発生しやすい環境にある場
合も、同様に精度よく反映できない。
【0023】筐体19に設けられた連通孔19aは、セ
ンサ部分を一般部分と同じまたは類似した空気温度、湿
度状態に保つことに寄与する。したがって、筐体19に
連通孔19aを設けることは好ましい。なお、連通孔の
かわりに、筐体の開口端の一部を切り欠いて、筐体を窓
ガラスとの当接が筐体の開口端全周としない構造にする
ことによって、センサ部分を筐体外と連通させることも
できる。
【0024】前方視界の妨げになる窓ガラスの広い領域
への曇りの広がりを未然に防ぐ観点から、センサを設け
る位置は次の位置が好ましい。すなわち、窓ガラスのう
ちの曇りが発生しやすい位置に、センサを設けることは
好ましい。センサを設ける好ましい位置の具体例は、窓
ガラスの周縁付近である。窓ガラスの中央領域に比べる
と、周縁付近は冷えやすい。そのため、曇りは窓ガラス
の周縁付近から発生し中央領域に広がっていく。したが
って、窓ガラスの周縁付近にセンサを設けることは、特
に好ましい。フロントウインドウ用の窓ガラスの場合、
運転者が目障りと感じないように、センサの位置はルー
ムミラーやサンバイザの近傍、窓ガラスのコーナー近傍
等が好ましい。
【0025】図1に示した例は、窓ガラスとして合わせ
ガラスを用いた例である。本発明において、窓ガラスは
合わせガラスの他に単板ガラス、単板ガラスと合成樹脂
板または合成樹脂膜との積層体、有機ガラスと呼ばれる
透明合成樹脂板等、種々のものを使用できる。この場
合、ガラス板には強化ガラス、各種コーティングが施さ
れたガラス板等の種々の機能が付与されたものを使用で
きる。
【0026】一般に、自動車のフロントウインドウには
合わせガラスが、サイドウインドウ、リヤウインドウに
は単板の強化ガラスが用いられる。一方で、窓ガラスに
生成される曇りのうち、もっとも迅速な除去が求められ
るのはフロントウインドウである。そのため、本発明に
おける窓ガラスとしては、合わせガラスが最も有益であ
る。
【0027】図1に示した例では、合わせガラスのうち
の車内側のガラス板の車外側面に反射層2を設けてい
る。反射層2は、発光素子15から発せられた光を効率
よく反射させるために設けられたものであり、発光素子
から発せられる光の波長と同等の波長の光を少なくとも
反射する。反射層2が設けられていなくても、ガラス板
1面と空気との界面での反射光を第1の受光素子に受光
させることもできる。反射光を高効率化できる点から、
反射層2の存在は有益である。
【0028】反射層2は、車内側のガラス板1の車外側
面に限定されず、車内側ガラス板1の車内側面、車外側
のガラス板1’の車内側または車外側面、さらには複数
の箇所に設けることもできる。反射層の保護の点に鑑み
ると、車内側のガラス板1の車外側面または車外側のガ
ラス板1’の車内側面に反射層を設けることが好まし
い。
【0029】窓ガラスのセンサ部分に暗色隠蔽層を設け
ることは、次の点で好ましい。すなわち、暗色隠蔽層が
設けられていないと、車外からの外光が受光素子に入射
する。そのため、第1の受光素子と第2の受光素子との
受光量の比較評価をしにくくなる。外光が強いため、各
受光素子の発光素子からの光についての受光量の比較値
が曇りを判断できるほど変化しないことがあるからであ
る。一方で、外光の受光量をあらかじめ考慮し、発光素
子からの光にのみ起因する両受光素子の受光量を比較す
ることもできる。この場合、外光の観点からは暗色隠蔽
層は不要である。別の観点として、窓ガラスの車外側面
に付着した汚れや雨滴が、両受光素子の受光量の比較に
影響を与える。したがって、暗色隠蔽層を設けることは
好ましい。
【0030】暗色隠蔽層は、反射層を設けない場合であ
れば窓ガラスにおける各ガラス板の車内側面、車外側面
のうちのいずれの位置に設けてもよい。反射層を設ける
場合については、反射層よりも車外側であれば、同様に
いずれの位置に設けてもよい。一方で、反射層の有無に
かかわらず、車外側ガラス板の車外側面以外の面に暗色
隠蔽層を設けることは、暗色隠蔽層を保護できる点から
好ましい。
【0031】暗色隠蔽層としては、暗色セラミックペー
ストの焼成層、着色合成樹脂フィルム等、種々の層を使
用できる。通常、自動車用窓ガラスの周縁には、加熱曲
げ成形加工と同時に形成される暗色セラミックペースト
の焼成層が設けられる。この焼成層は、窓ガラスの車体
への取付けにあたり使用される接着剤を車外側から隠蔽
することを主目的として、形成されている。この形成行
程において同時に形成できる点に鑑みると、暗色隠蔽層
を暗色セラミックペーストの焼成層により形成すること
は好ましい。窓ガラスの周縁付近にセンサを設ける場合
には、窓ガラスの周縁に形成された焼成層にセンサを設
けることは特に好ましい。さらに、焼成層を、通常の形
成領域から若干窓ガラスの中央領域に張出すように形成
し、この張出し部分にセンサを設けることもできる。
【0032】センサ内には、曇りの有無の判断精度をさ
らに向上させるために、受光素子を3つ以上配すること
もできる。この場合、第2の受光素子と同様に、追加の
受光素子を発光素子から窓ガラスを介して第1の受光素
子に到達する光の光路から外れた位置に配する。こうし
て、曇りによる散乱光を複数の受光素子により受光でき
るので、センサの感度を向上できる。
【0033】次に、本発明におけるセンサの動作による
制御システムについて説明する。すなわち、以下に説明
する制御システムは、先に例示した本発明における各種
の構成のセンサ付き車両用窓ガラスを用いて、曇りを制
御するシステムである。
【0034】センサは、第1の受光素子の受光量と第2
の受光素子の受光量との比較により、曇りの度合を評価
・判断する。すなわち、センサに設けられた信号処理回
路により、第1の受光素子の受光量と第2の受光素子の
受光量とを比較する。そして、この比較により得られた
受光比較値Rとしきい値Tとを比較して、R≧Tである
場合には、窓ガラスに曇り「無」と判断し、曇り「無」
の信号をエアコン制御回路に伝達する。なお、窓ガラス
に曇り「無」の場合、信号をエアコン制御回路に伝達し
ないことにしてもよい。
【0035】R<Tになると、窓ガラスに曇り「有」と
判断し、曇り「有」の信号をエアコン制御回路に伝達す
る。曇り「有」の信号に基づき、エアコン制御回路は、
エアコンが作動していない場合にはエアコンを作動させ
る制御を、エアコンが作動している場合には、エアコン
の空気取込系のうちの車内循環系と外気導入系との変更
制御を指令する。こうして、窓ガラスの全面に曇りが広
がらないうちに、曇りを防ぐようにエアコンを作動・制
御できる。
【0036】なお、エアコンの空気取込系のうち外気導
入系は、一般に窓ガラスの曇りを除去しやすい取込系で
ある。したがって、曇り検知信号により自動制御で空気
取込系を制御する場合、曇り「有」の信号に基づきエア
コンの空気取込系を外気導入系に変更制御するように、
エアコン制御回路を設定することが好ましい。
【0037】受光比較値Rとしては、第1の受光素子の
受光量I1と第2の受光素子の受光量I2との差(R=I
1−I2)、I1とI2との比(R=I1/I2)が例示でき
る。受光比較値Rは、センサ付き窓ガラスの構成に応じ
て、適宜設定できる。例えば、暗色隠蔽層を設けない場
合には、I1/I2でしきい値Tと充分に比較できない。
これに対しI1−I2であれば、第1、2の受光素子にほ
ど同程度の外光が入射するので、R=I1−I2とするこ
とによって、外光の影響を除去できる。その他の構成に
ついても同様に、センサ付き窓ガラスの各構成に応じて
適宜の受光比較値Rを使用できる。なお、R=I2−I1
またはR=I2/I1とする場合には、R>Tになったと
きに曇り「有」と判断することになる。
【0038】しきい値Tは、窓ガラスの面積、車内空間
の容積、車両が使用される地域の環境、気候等に応じ
て、適宜決定できる。例えば、ほこりの多い環境の地域
で使用する場合には、窓ガラスが経年的に汚れやすい。
そのため、曇りがない状態でのR=I1−I2の値が小さ
くなる。この場合には、Tを小さく設定することにな
る。なお、これらの値(R、I1、I2、T)は、光量自
身であっても光電変換後の電圧などの電気信号であって
もよい。
【0039】こうしたRとTとの関係に基づき、本発明
におけるセンサが複数の受光素子を有する利点について
説明する。図3は、窓ガラスの各種の構成、状態、環境
状態に応じて、曇りの有無の判断が行われる模様を説明
する模式図である。
【0040】代表例として、窓ガラスが正常な状態であ
る場合(a)と窓ガラスに汚れが付着している場合
(b)とを比較する。従来の受光素子が1つであるセン
サでは、I1のみを用いたしきい値Tとの大小比較によ
り曇りの有無を判断している。(b)において、汚れの
度合によっては、曇りがないにもかかわらずI1がしき
い値Tより小さくなる可能性がきわめて大きい。そのた
め、センサの誤動作の可能性がきわめて大きくなること
がわかる。これに対し、本発明におけるセンサは複数の
受光素子を有する。そのため、窓ガラスの状態や環境等
の同じ条件下で使用される複数の受光素子により受光比
較値Rのしきい値Tとの大小比較により曇りの有無を判
断できる。したがって、窓ガラスの状態や環境等の影響
を受けることなく、精度よく窓ガラスの曇りの度合を判
断できる。
【0041】なお、図3中、(c)は窓ガラスが高温環
境下におかれた場合、(d)はセンサ付き窓ガラスがセ
ンサに外光の影響を与える構成である場合である。図3
の例では、R=I1−I2とした。
【0042】さらに、曇りの検知を次のように判断する
ことは、窓ガラスの経年変化の影響を受けずに精度よく
曇りの判断をできるという観点から好ましい。すなわ
ち、窓ガラスの汚れ等は、1時間単位や1日単位の車両
の運転、使用間隔で大きく変化するものではない。した
がって、仮に窓ガラスに汚れが付着していても、時間的
に短い間隔でのRの変化には影響を与えない。そこで、
時間的に短い間隔でのRの変化により、曇りの発生度合
を判断することは好ましい。
【0043】具体的には、例えばある時点でのRと30
分前のRとを比較し、両者の差があるしきい値内にある
場合には曇り「無」と、あるしきい値を超えている場合
には曇り「有」と、それぞれ判断することにする。そし
て、曇り「有」と判断された場合に、その信号をエアコ
ン制御回路へ伝達することにより、エアコンの作動・制
御を行うことができる。
【0044】図3の(b)を用いてこの具体例を説明す
ると、30分前にRが図中(b)欄上段の値(R(上)
という)であったとする。30分経過のRが図中(b)
欄下段の値(R(下)という)となると、R(下)−R
(上)の値があるしきい値T’を超えたときに、曇りが
発生したと判断できる。こうして、乗用時に常に短い時
間経過前(例えば30分前)のRの値と現在のRの値と
を比較し続けることにより、窓ガラスの経年変化の影響
を受けない曇り検知を実現できる。なお、この方式にお
けるしきい値T’も、窓ガラスが使用される環境、セン
サ付き窓ガラスの構成等により適宜決定できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、センサに複数の受光素
子を配し、一方の受光素子を発光素子から窓ガラスに向
けて発せられ窓ガラスで正反射した光を受光できる位置
に、他の受光素子を発光素子から窓ガラスを介して第1
の受光素子に到達する光の光路から外れた位置に、それ
ぞれ配しているので、窓ガラスに付着した汚れや窓ガラ
スの使用環境等の各種の外的要因に影響を受けることな
く、精度の高い曇り検知が実現できる。精度の高い曇り
の検知にともない、曇り検知信号に基づき制御しようと
するエアコンの誤動作を防止できる。
【0046】さらに、センサ自体を窓ガラスに設けてい
ることから、検知システム全体の構成を簡素化でき、複
雑な制御を要しないセンサ付き窓ガラスと曇り制御シス
テムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ付き車両用窓ガラスの一例を示
す要部概念断面図である。
【図2】本発明のセンサ付き車両用窓ガラスの一例を示
す要部斜視図である。
【図3】本発明のセンサ付き窓ガラスを用いて曇りの有
無の判断が行われる模様を説明する模式図である。
【符号の説明】
1、1’:ガラス板 2:反射層 9:中間膜 10:窓ガラス 11:第1の受光素子 12:第2の受光素子 13:信号処理回路 14:エアコン制御回路 15:発光素子 19:筐体 20:センサ 50:曇り

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に取付けられる窓ガラスと、発光素子
    と受光素子とを有して前記ガラス板の車内側に配される
    センサとを備えたセンサ付き車両用窓ガラスにおいて、
    前記センサに備えられる受光素子は複数であって、該複
    数の受光素子のうち第1の受光素子は、前記発光素子か
    ら窓ガラスに向けて発せられ窓ガラスで正反射した光を
    受光できる位置に配されており、前記複数の受光素子の
    うち第2の受光素子は、前記発光素子から窓ガラスを介
    して第1の受光素子に到達する光の光路から外れた位置
    に配されていることを特徴とするセンサ付き車両用窓ガ
    ラス。
  2. 【請求項2】第2の受光素子は、前記発光素子から窓ガ
    ラスに向けて発せられ窓ガラスの車内側面に生成された
    曇りにより散乱して反射した光を受光するものである請
    求項1に記載のセンサ付き車両用窓ガラス。
  3. 【請求項3】前記センサは、窓ガラスの車内側面に向か
    う開口を有し前記発光素子および受光素子を保持する筐
    体と、第1の受光素子の受光量と第2の受光素子の受光
    量とを比較し前記比較された値から窓ガラスの曇り度合
    を判断する曇り判断手段とを有する請求項1または2に
    記載のセンサ付き車両用窓ガラス。
  4. 【請求項4】前記筐体は、前記開口が窓ガラスに向かう
    ように窓ガラスに固定されており、前記窓ガラスのうち
    の筐体で覆われる部分を筐体外に連通させる連通孔また
    は切り欠きを有する請求項3に記載のセンサ付き車両用
    窓ガラス。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載のセンサ
    付き車両用窓ガラスを備えるとともに、前記センサは、
    第1の受光素子の受光量と第2の受光素子の受光量とを
    比較し前記比較により得られた受光比較値としきい値と
    を比較して窓ガラスの曇りの有無を判断する曇り判断手
    段を有していて、該曇り判断手段からの曇りの有無の信
    号を車両空調装置制御手段に伝達して車両空調装置を窓
    ガラスの曇りの有無に応じて制御する車両の曇り制御シ
    ステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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