JP2000296146A - 腹腔内灌流加温装置 - Google Patents

腹腔内灌流加温装置

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JP2000296146A
JP2000296146A JP11109320A JP10932099A JP2000296146A JP 2000296146 A JP2000296146 A JP 2000296146A JP 11109320 A JP11109320 A JP 11109320A JP 10932099 A JP10932099 A JP 10932099A JP 2000296146 A JP2000296146 A JP 2000296146A
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Japan
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temperature
water
hot water
abdominal cavity
pressure
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JP11109320A
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English (en)
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Satoshi Mizukawa
聡 水川
Makoto Inaba
誠 稲葉
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開腹することなしに、腹腔鏡下で温水を用いて
均一で確実、かつ安全な加温を行なうことができる腹腔
内灌流加温装置を提供する。 【解決手段】腹腔内に温水を注入する給水ポンプ9と、
注入された温水の温度、または腹腔内の所定部位の温度
を測定する温度センサ5と、温度センサ5で測定された
温度を基に供給された温水の温度を制御する温水制御部
11とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は腹腔内灌流加温装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】悪性腫瘍は発生する部位や浸潤の状態に
よってその治療方法が選択される。腫瘍には、皮膚癌の
ような表在性の腫瘍、食道癌や直腸癌のような管腔の腫
瘍、肝臓癌や膵臓癌のような実質臓器の腫瘍、腹腔内部
の腹膜等に幅広く発生する腫瘍などがある。これらの腫
瘍に対して、電磁波や赤外線や温水などを利用した温熱
治療が施行されている。悪性腫瘍の中でも、腹腔内部の
腹膜等に広範囲に発生した腫瘍は、温熱治療を含めて治
療の難しい症例の一つとされる。従来は、この症例に対
して、文献「INTRAPERITONEAL CHEMOTHERAPY AND CY
TOREDUCTIVE SURGERY」Paul.H.Sugarbaker.M.D..F.a.
c.s著にあるように、外科的に開腹した後、温水を注入
し術者の手によって適宜攪拌するなどして温度を42℃
〜43℃に保ちながら1時間程度の治療を行なってき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術は、患者の腹部を大きく開腹して治療を行な
うため、治療中の患者に対する負担が非常に大きい。つ
まり、開腹による体力の消耗が激しいため、治療を行な
える症例が限られてしまう。また、治療を行なえてもそ
の後の体力の衰退が激しいため、患者の体へのリスクが
大きいという欠点がある。
【0004】また、1回の加温治療は約1時間に及ぶ
が、その間は術者が常に温水の攪拌を続ける必要がある
ので術者の負担が大きいという問題がある。さらに、注
入した温水は術者の手によって攪拌するが、広範な患部
を均一に加温することが難しく、治療効果が十分でない
という問題がある。
【0005】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、開腹すること
なしに、腹腔鏡下で温水を用いて均一で確実、かつ安全
な加温を行なうことができる腹腔内灌流加温装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係る腹腔内灌流加温装置は、腹腔内
に温水を注入する温水注入手段と、前記注入された温水
の温度、または腹腔内の所定部位の温度を測定する温度
センサと、前記温度センサで測定された温度を基に前記
供給された温水の温度を制御する温水制御手段とを具備
する。
【0007】また、第2の発明に係る腹腔内灌流加温装
置は、体外より刺入可能な、腹腔内に温水を注入する温
水注入手段と、前記注入された温水の温度、または腹腔
内の所定部位の温度を測定する温度センサと、前記温度
センサで測定された温度信号に応じて前記供給された温
水の温度を制御する温水制御手段と、前記腹腔内圧力を
測定する圧力センサと、前記圧力センサで測定された圧
力信号に応じて前記腔内圧を制御する圧力制御手段とを
具備する。
【0008】また、第3の発明に係る腹腔内灌流加温装
置は、第1または第2の発明に係る腹腔内灌流加温装置
において、前記注入された温水を攪拌する攪拌手段を有
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0010】(第1実施形態)以下に、図1から図3を
参照して本発明の第1実施形態の説明を行う。図1は、
第1実施形態が適用される腹腔内灌流加温装置のシステ
ム構成を示すブロック図である。腹腔内1には、給水用
管路2と、給気用管路3と、排水排気用管路4と、温度
センサ5と、圧力センサ6とが挿入されている。また、
腹腔内1の様子は腹腔内1に挿入されたスコープ7によ
って直接観察できる。
【0011】給水タンク8の水は、温水注入手段として
の給水ポンプ9によって吸い上げられ、給水ヒーター部
10を介して暖められた後、給水用管路2から腹腔内1
に注入される。注入される温水の温度は、入力部13の
設定条件に一致するように給水温度制御部(温水制御手
段)11により制御される。また、給水される流量や流
速は、入力部13の設定条件に一致するように給水ポン
プ制御部12によって制御される。使用する水として
は、滅菌精製水や生理食塩水など、感染を生じず、かつ
組織に影響を与えない液体を使用するものとする。
【0012】CO2等のガス14は、給気ポンプ15から
給気ヒーター部16を介して暖められ、暖気ガスとして
給気用管路3から腹腔内に注入される。給気用管路3は
複数の穴を備えており、臓器19の下に潜り込ませて使
用する。このようにして暖気ガスが腹腔内1に注入され
ると、臓器19の下から温水20内を拡散しつつ上方に
移動し、温水20を加温および攪拌する。このように、
暖気ガスは温水20を攪拌する攪拌手段としての役目を
有する。
【0013】温水20の温度は、温度センサ5により測
定される。この温度センサ5を臓器19に接触させてそ
の部位の温度を測温することも可能である。なお、CO
2ガス14は温水に多少溶けるが、加温時間は30〜6
0分程度であるため、臓器19に悪影響を与えることは
ない。したがって、腹腔鏡下外科手術でも一般的に使用
されている。
【0014】温度センサ5付近の温度は温度測定部21
で測定され、測定値が温度制御部22に供給される。温
度制御部22は測定値と温度設定部23で設定した値に
基づいて制御信号を生成して制御部24に送る。制御部
24で受信した制御信号は給気温度制御部17に送信さ
れて、給気ヒーター部16でヒーターの温度を監視・制
御するのに用いられる。また、前記制御信号は給気ポン
プ制御部18に送信されて給気ポンプ15でガスの流量
を制御するのに用いられる。
【0015】また、腹腔内1の圧力は、圧力センサ6に
より検出されて圧力測定部25にて測定される。圧力制
御部26は、測定値と圧力設定部27で設定した値に基
づいて制御信号を生成して制御部24に送る。
【0016】圧力制御部26から制御部24に送信され
た制御信号は、給気ポンプ制御部18と排水排気ポンプ
制御部31に送信され、この信号に基づいて腹腔内1の
圧力が圧力設定部27で設定された値になるように制御
される。
【0017】以下に上記したように圧力を一定に維持す
る制御を行なう理由について説明する。本実施形態の腹
腔内灌流加温では、温水を注入し、更に温水を加温攪拌
する暖気ガスを注入する。注入し過ぎると腹壁を膨らま
し過ぎて患者の安全性が確保できなくなってしまう可能
性がある。したがって注入したガスは排気し、更に暖気
ガスを注入する。
【0018】この場合、温水の上方に暖気ガスの空間が
あることが必要であり、この空間を利用して排気を行な
うようにする。従って、排気を多くし過ぎると空間がな
くなり、温水を排水してしまうことになり、うまく給気
排気が行なえない。
【0019】つまり、圧力センサで圧力を測定して圧力
を一定に保つ理由は、1.腹壁が過剰に膨らまないよう
にするため(安全性の確保)、2.給排気を一定に行な
うためである。
【0020】上記の方法で腹腔内1に注入された温水2
0とガス28は、排水排気用管路4を介して排水排気ポ
ンプ29により吸引され、排水タンク30に回収され
る。排水排気ポンプ29の制御は排水排気ポンプ制御部
31にて行われる。このように本実施形態の構成では排
水と排気を行なう管路を1つの経路で兼用しているが、
個別の管路を設けることも可能である。
【0021】本実施形態では注入した温水自身を灌流せ
ず、暖気ガスで暖めた温水で患部を加温する方法をとっ
ているので、排水、排気の手順は以下のようになる。
【0022】患部が浸る適量の温水を注入する。
【0023】加温開始 暖気ガスを注入し、温水を加温攪拌する。
【0024】排水排気チューブの先端をガス中に配置し
て、排気を行なう。チューブの先端位置はスコープで確
認する。
【0025】加温終了。
【0026】排水排気チューブ先端を温水に浸けて温水
を排気する。
【0027】また、処置後の排水は以下の手順で行な
う。
【0028】1.チューブ先端に臓器が吸い付かないよ
うに、微動させながら吸引する。
【0029】2.鉗子類(図示せず)で臓器を避けなが
ら、臓器下に溜まった温水を吸引する。
【0030】このように腹腔鏡下外科手術で出血した血
液等の吸引と同じ要領で吸引を行なうことが可能であ
る。
【0031】以下に上記した構成の作用を図2のタイム
チャートを参照して説明する。
【0032】臓器19を42〜43℃で加温するため
に、例えば43〜44℃程度の温水を給水用管路2を介
して腹腔内1に注入する(A)。水温の設定は入力部1
3で行われ、その設定値に応じて給水ヒーター部10で
ヒーターをON/OFF制御して給水の温度制御が行わ
れる(B)。もちろん、制御方法はON/OFFだけで
なくヒーターの出力を可変させてもよい。注入時は、圧
力センサ6や温度センサ5により安全性を確認するため
のモニターを告知部32にて行ない、異常があると光や
音にて告知される。
【0033】術者はスコープ7にて温水の状態を目視確
認し、治療したい部位が温水に浸るのを確認したときに
腹腔内1への注入が完了する。温水の注入が完了する
と、ガスの給気が開始される(C)。この給気ガスはヒ
ーターによって加温されるが、腹腔中の温水の状態によ
ってヒーターをON/OFFさせることにより吸気ガス
の加温制御が行なわれる(D)。制御方法はヒーターの
ON/OFFに限定されず、例えばヒーターの出力を可
変させるようにしてもよい。
【0034】暖められたガスが温水中に拡散されると、
温水が加温されて上昇する。この温水の温度は温度セン
サ5によってモニターされる(F)。この温度がフィー
ドバックされて温水が設定温度の42〜43℃に制御さ
れる。なお、図2には記していないが、ヒーター温度を
一定にして、給気ポンプ15の回転数を給気ポンプ制御
部18で制御し、ガスの流量を可変することで、温水の制
御をすることもできる。
【0035】また、暖められた給気ガスが温水中に拡散
されるときに温水が攪拌され、腹腔内1の温水の温度分
布が均一に保たれる。このときの攪拌の度合いはガスの
拡散量によって制御できる。
【0036】上記した一連の動作の間、圧力センサ6に
より腹腔内圧力をモニターしており(E)、給気と排気
の制御(G)を行なって圧力を一定に保つようにしてい
る。所定の加温を終了すると、排水排気用管路4を介し
て温水とガスが体外に排出され、治療が完了する。
【0037】以下に図3のタイムチャートを参照して上
記した作用をさらに詳細に説明する。
【0038】(A)の圧力測定は、例えば5秒や10秒
に1回という間隔で行なわれる。この測定は給気と排気
を行なっていても可能だが、ともに停止している方が精
度よく測定ができる。また、測定間隔は一定でなくても
構わない。
【0039】同時に給気が開始されるが(B)、上記圧
力測定で例えば10秒後の圧力が設定範囲に対して低圧
であった場合には圧力測定終了後、給気を再開する。ま
た、高圧の場合には、給気を停止して排気が開始される
(C)。また、設定範囲内、すなわち適正圧の場合に
は、同一量の給気と排気が同時に実施され、圧力が維持さ
れる。
【0040】一方、温水の温度設定(D)は、例えば2秒
や5秒に1回という間隔で行われる。そして例えば5秒
後の温度が設定範囲に対して低温の場合には給気温度制
御部17でヒーター温度をUPする。また、高温の場合
にはヒーター温度をDOWNする。また、設定温度範囲
内にある場合にはヒーター温度は維持される(E)。
【0041】上記したように、第1実施形態では、従来
のように外科的に大きく開腹することなしに、腹腔鏡下
での手術のように腹腔に小さな穴を数箇所あけて温水を
注入する。そして、注入した温水を42℃〜43℃に保
ちながら、腹腔内の各部分の温度に偏りがないように攪
拌加温することを特徴としている。これは、腹壁に数個
の穴をあける腹腔鏡化外科手術と同じ浸襲度で加温でき
ることを意味し、腹腔内に注入した温水の温度分布を均
一にでき、確実かつ安全な腹腔内加温治療ができること
を意味する。したがって、開腹することなしに、腹腔鏡
下で温水を用いて均一で確実、かつ安全な加温を行なう
ことができる。
【0042】(第2実施形態)以下に図4及び図5を参
照して本発明の第2実施形態の説明を行う。図4は、第
2実施形態が適用される腹腔内灌流加温装置のシステム
構成を示すブロック図である。腹腔内101には、第1
給水用管路102と、第2給水用管路103と、第1排
水用管路104と、第2排水用管路105と、前記第1
排水用管路104に設けた第1温度センサ106と、前
記第2排水用管路105に設けた第2温度センサ107
と、圧力センサ108とが挿入されている。
【0043】また、腹腔内部の様子は腹腔内101に挿
入されたスコープ(図示していない)によって直接観察
できる。給水タンク109の水は、温水注入手段として
の給水ポンプ110によって吸い上げられ、給水ヒータ
ー部111を介して暖められる。暖められた温水は給水
ヒーター部111で分岐され、第1給水バルブ112と
第2給水バルブ113を介して、それぞれ第1給水用管
路102と、第2給水用管路103から腹腔内101に
注入される。
【0044】また、第1給水バルブ112と第2給水バ
ルブ113は、給水バルブ制御部114により任意に選
択される。注入される温水は給水温度制御部115によ
って入力部117の設定条件に対応する大きさに制御さ
れる。給水される流量や流速は給水ポンプ制御部116
によって入力部117の設定条件に対応する大きさに制
御される。
【0045】腹腔内101に注入された温水は、第1排
水用管路104と、第2排水用管路105を介して排水
ポンプ119により吸引されて排水タンク118に回収
される。排水ポンプ119の制御は排水ポンプ制御部1
23にて行われる。前記第1排水用管路104と第2排
水用管路105は、排水バルブ制御部122の制御のも
とにそれぞれ第1排水バルブ120と第2排水バルブ1
21によって開閉される。
【0046】温水の温度は、第1温度センサ106と第
2温度センサ107により測定される。図示しないが、
管路外の第3の温度センサによって、任意の部位の温度
を測定することもできる。温度は温度測定部(温水制御
手段)124で測定され、測定値が温度制御部125に
送られる。温度制御部125は、前記測定値と温度設定
部124で設定された値とに基づいて制御信号を生成し
て制御部126に送る。制御部126で受信した制御信
号は給水温度制御部115に送信され、この制御信号に
基づいて給水ヒーター部111でヒーターの温度を監視
・制御する。
【0047】また、腹腔内の圧力は、圧力センサ108
により検出されて圧力測定部127にて測定される。圧
力制御部(圧力制御手段)129は、圧力設定部128
で設定した値に対応する制御信号を制御部126に送信
する。圧力制御部129から制御部126に送信された
制御信号は、給水ポンプ制御部116に送信され、この制
御信号に基づいて腹腔内101の圧力が圧力設定部12
8の値になるように制御される。上記のようにして検出
された圧力と温度の状態は告知部130を介して術者に
告知される。
【0048】以下に上記した構成の作用を図5のタイム
チャートを参照して説明する。
【0049】(A)の圧力測定は、例えば5秒や10秒
に1回といった間隔で行なわれる。この測定は給水と排
水を行なっていても可能だが、ともに停止している方が
精度よく測定ができる。また、測定間隔は一定でなくて
も構わない。
【0050】同時に給水が開始されるが(B)、前記圧
力測定で例えば10秒後の圧力が設定範囲に対して低圧
であった場合には圧力測定終了後、その給水を再開す
る。また、高圧の場合には、給水を停止して排水が開始
される(C)。また、設定範囲内、すなわち適正圧の場
合には、同一量の給水と排水が同時に実施され、圧力が維
持される。
【0051】また、温水の温度測定(D)は、第1排水
バルブ120が開放の時、第1排水バルブ120に設け
られた第1温度センサ106により行われるが、測定さ
れた温度が温度設定部124の設定温度範囲、例えば4
2〜43℃になるまでヒーター温度を制御する(E)。
ここでは、例えば2秒や5秒に1回という間隔で測定が
行われ、5秒後の温度が設定範囲に対して低温の場合に
は、給水温度制御部115でヒーター温度をUPする。
また、高温の場合にはヒーター温度をDOWNする。ま
た、設定温度範囲内の場合にはヒーター温度は維持され
る。
【0052】一方、第2排水バルブ121が開放の時
は、第2温度センサ107により検出された温度に基づ
いて温度制御される。もちろん、図示しない第3の温度
センサで制御することや複数の温度センサで制御するこ
とも可能である。
【0053】以下に適正圧状態での給水と排水の様子を
図5の(F)〜(K)を参照して説明する。第1給水バ
ルブ112と第1排水バルブ120、あるいは第2給水
バルブ113と第2排水バルブ121の組み合わせによ
り連動して動作する。すなわち図に示すように、第1給
水バルブ112(G)と第1排水バルブ120(J)が
開放で給排水を行なっている時には、第2給水バルブ1
13(H)と第2排水バルブ121(K)は閉じてい
る。そして次の状態では上記組み合わせが逆になり、同
様のことが繰り返される。すなわち、第2給水バルブ1
13(H)と第2排水バルブ121(K)が開放で給排
水を行なっている時には、第1給水バルブ112(G)
と第1排水バルブ120(J)は閉じている。以上によ
り、温水の対流が起きて温度が均一に保てる。
【0054】上記した第2実施形態によれば、第1実施
形態と同様に、開腹することなしに、腹腔鏡下で温水を
用いて均一で確実、かつ安全な加温を行なうことができ
る。
【0055】(第3実施形態)以下に図6を参照して本
発明の第3実施形態の説明を行う。図6は、第3実施形
態が適用される腹腔内灌流加温装置のシステム構成を示
すブロック図である。腹腔内301には腹壁側から挿入
して背中側に配置可能な複数に分岐した給水用管路30
2と、腹壁側に挿入配置可能な複数に分岐した排水用管
路303と、腹腔内の複数箇所に配置された温度センサ
313が設置されている。
【0056】一方、体外には腹腔内301に灌流する温
水を貯水および温度調整する水槽304と、この水槽3
04から給水用管路に温水を送水する給水ポンプ305
と、排水用管路によって腹腔内301から灌流水をくみ
上げ水槽304に灌流水を戻す排水ポンプ306と、排
水用管路途中に設けられたフィルター307と、腹腔内
301に配置された温度センサ313を接続した温度測
定装置308と、温度測定装置308によって測定され
た温度信号を水槽304の灌流水温度制御部309及び
給水ポンプの流量制御部310に伝送する信号ライン3
11及び312と、を備えている。
【0057】以下に上記した構成の作用を説明する。本
実施形態の腹腔内灌流加温装置を使用して温熱治療する
時には、まず給水用管路302、排水用管路303及び
温度センサ313をそれぞれ腹腔内の所望の位置に挿入
配置する。次に給水ポンプ305を起動して水槽304
から例えば43℃に加温した灌流水を給水用管路302
を通じて腹腔内301に注入していく。腹腔内301に
灌流水が満たされたところで排水ポンプ306を起動し
て腹腔内301の灌流水量が一定に保たれるように給水
量にあわせて排水を行う。排水用管路303の途中に設
けられたフィルター307で腹腔内301から排出され
る不純物をトラップし、水槽304に戻される灌流水の
浄化を行う。
【0058】上記灌流動作に平行して、腹腔内301に
設けられた温度センサ313によって腹腔内灌流水の温
度を測定し、この温度信号を信号ライン311を通じて
灌流水温度制御部309にフィードバックし、灌流水温
度が治療に最適な温度になるように制御する。何らかの
トラブルで灌流水の温度が異常な高温又は低温になった
場合はこの温度信号が給水ポンプ305の流量制御部に
伝送され、給水動作を停止するとともに速やかに灌流水
を腹腔から排出する。
【0059】上記した第3実施形態によれば、仰臥位に
した患者腹腔の下層(背中側)の広い範囲から灌流水が
供給され腹腔内に灌流水が比較的均一に広がるので開腹
手技で必要な術者によるかき混ぜが不要となる。また、
細い給水用管路と排水用管路及び温度センサを腹腔内に
挿入するのみなので開腹手技のように大きく開腹するこ
となく手術を行なうことができる。
【0060】なお、上記した各実施形態のシステム構成
における流体管路(液体および気体の通る管路)および
タンク全ては滅菌、洗浄された上で使用されるものとす
る。流体に接する全ての管路部分はディスポが基本にな
る。但し、圧力センサ、温度センサ、硬性鏡、鉗子など
のように再使用される部分は、一回毎にガス滅菌する必
要がある。また、流体経路やタンクの洗浄はディスポ化
することで省略することが可能である。
【0061】また、上記した各実施形態では温度センサ
により温水の温度を測定しているが、これに加えて臓器
または患者の温度を測定することも可能である。すなわ
ち、患者の安全性の観点からいえば温水以上に臓器や患
部の温度が上昇することはありえないので臓器または患
者の温度測定は不要である。しかし、治療の効果をより
確実にするためには、温水の温度だけでなく、患者の温
度が42〜43℃になっていることを確認しながら治療
するほうがよい。
【0062】例えば、血流で患部の温度が温水より2℃
低くなるとすると、温水を44〜45℃に保つことが可
能になる。そのために、患部表面に1本または数本の温
度センサを配して、接触測温してもよい。但し、穿刺測
温は感染および出血する可能性があるため、望ましくな
い。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、開腹することなしに、
腹腔鏡下で温水を用いて均一で確実、かつ安全な加温を
行なうことができる腹腔内灌流加温装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が適用される腹腔内灌流
加温装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す構成の作用を説明するためのタイム
チャートである。
【図3】第1実施形態の作用をさらに詳細に説明するた
めのタイムチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態が適用される腹腔内灌流
加温装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す構成の作用を説明するためのタイム
チャートである。
【図6】本発明の第3実施形態が適用される腹腔内灌流
加温装置のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…腹腔内、 2…給水用管路、 3…給気用管路、 4…排水排気用管路、 5…温度センサ、 6…圧力センサ、 7…スコープ、 8…給水タンク、 9…給水ポンプ、 10…給水ヒーター部、 11…給水温度制御部、 12…給水ポンプ制御部、 13…入力部、 14…ガス、 15…給気ポンプ、 16…給気ヒーター部、 17…給気温度制御部、 18…給気ポンプ制御部、 19…臓器、 20…温水、 21…温度測定部、 22…温度制御部、 23…温度設定部、 24…制御部、 25…圧力測定部、 26…圧力制御部、 27…圧力設定部、 28…ガス、 29…排水排気ポンプ、 30…排水タンク、 31…排水排気ポンプ制御部、 32…告知部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腹腔内に温水を注入する温水注入手段
    と、前記注入された温水の温度、または腹腔内の所定部
    位の温度を測定する温度センサと、 前記温度センサで測定された温度を基に前記供給された
    温水の温度を制御する温水制御手段と、を具備すること
    を特徴とする腹腔内灌流加温装置。
  2. 【請求項2】 体外より刺入可能な、腹腔内に温水を注
    入する温水注入手段と、 前記注入された温水の温度、または腹腔内の所定部位の
    温度を測定する温度センサと、 前記温度センサで測定された温度信号に応じて前記供給
    された温水の温度を制御する温水制御手段と、 前記腹腔内圧力を測定する圧力センサと、 前記圧力センサで測定された圧力信号に応じて前記腹腔
    内圧を制御する圧力制御手段と、 を具備することを特徴とする腹腔内灌流加温装置。
  3. 【請求項3】 前記注入された温水を攪拌する攪拌手段
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の腹腔内灌流加温装置。
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