JP2000294380A - 有機el素子とその製造方法 - Google Patents

有機el素子とその製造方法

Info

Publication number
JP2000294380A
JP2000294380A JP11101129A JP10112999A JP2000294380A JP 2000294380 A JP2000294380 A JP 2000294380A JP 11101129 A JP11101129 A JP 11101129A JP 10112999 A JP10112999 A JP 10112999A JP 2000294380 A JP2000294380 A JP 2000294380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
organic
anode
film
transparent substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11101129A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusho Izumisawa
勇昇 泉澤
Toshihiro Koike
俊弘 小池
Kenji Furukawa
顕治 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP11101129A priority Critical patent/JP2000294380A/ja
Publication of JP2000294380A publication Critical patent/JP2000294380A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非発光領域に出て行く光に起因する発光のに
じみ、混合色を無くした有機EL素子を提供する。 【解決手段】 透明基板1の上に帯状の陽極2を間隔を
おいて平行に複数個形成する。陽極と陽極との間を吸光
性絶縁膜3で埋める。吸光性絶縁膜は、光の吸収率が
0.7〜1未満の絶縁性物質を熱硬化性樹脂に分散させ
たものからなる。陽極と吸光性絶縁膜の表面に正孔注入
輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6を形成する。そ
の上に陽極と直角方向に陰極7を複数個平行に形成す
る。発光層から透明基板の非発光領域(陽極と陽極との
間)に向かう光は、吸光性絶縁膜に吸収されて非発光領
域に出て行かず、発光のにじみと光の混合は防止され
る。上記絶縁性物質には例えばCuO、V25、熱硬化
性樹脂には例えばエポキシ樹脂が選ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す)とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、ガラスのような透明基
板の上に陽極、有機発光層、陰極を順に積層した構造を
有しており、文字や図形の表示を行う有機EL素子は、
陽極と陰極とを交差させてドット・マトリクスを形成す
る構造になっている。単色発光有機EL素子の有機発光
層には、有機化合物の単層構造、正孔注入輸送層と電子
注入輸送層とからなる二層構造、正孔注入輸送層と発光
層と電子注入輸送層とからなる三層構造、正孔注入輸送
層及び電子注入輸送層をそれぞれ複数層で構成した多層
構造等の種類があり、多色発光有機EL素子の有機発光
層は、正孔注入輸送層と電子注入輸送層との間に赤緑青
の三色の有機発光層を備えている。これらの構造におい
て、陽極と陰極との間に通電すると、通電している陽極
と陰極との交差点以外の領域、すなわち非発光領域に光
が漏れ、発光の「にじみ」という現象が起こる。その結
果、文字や図形の輪郭ににじみを生じ、文字や図形が不
鮮明になる。
【0003】図7は従来の有機EL素子の第1の例を示
す斜視図である。ガラスあるいは石英等の透明基板51
の上に、ITO(インジウム錫酸化物)からなる透明導
体で複数の帯状の陽極52を各々が平行となるように形
成する。陽極52及び露出しているガラス基板51の上
に正孔輸送層54を形成し、その上に赤緑青の三色の有
機発光層55R、55G、55Bを蒸着法、インクジェ
ット法、転写法等の既知の方法によって形成する。上記
赤緑青の三色の有機発光層55の上に電子注入輸送層5
6を形成し、さらに電子注入輸送層56の上に陽極52
とは直交する方向に陰極57を形成する。
【0004】正孔注入輸送層54には、例えば、N,
N’―ジフェニル―N,N’―ビス(3−メチルフェニ
ル)1,1’−ビフェニル―4,4’−ジアミン(TP
D)、N,N’―ジフェニル―N,N’―ジ(1−ナフ
チル)1,1’−ビフェニル―4,4’−ジアミン(α
―NPD)等が使用される。赤色有機発光層55Rに
は、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(III)(Alq3)に5,10,15,20―テトラフ
ェニル―21H,23H−ポルフィン(TPP)を30
wt%加えたもの等が使用される。緑色有機発光層55
Gには、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム(III)(Alq3)に3−(2’−ベンゾチアゾリ
ル)−7−ジメチルアミノクマリン(C540)を1.
5wt%加えたもの等が使用される。青色有機発光層5
5Bには、例えば、4−ビフェニルオキシ―ビス(キノ
リノラト)アルミニウム(BAlq)にペリレン(P
e)を2wt%加えたもの等が使用される。電子注入輸
送層56には、例えば、1,1−ジメチル−3,4−ジ
フェニル−2,5−ビス{6−(2−ピリジル)ピリジ
ン−2−イル}シラシクロペンタジエン(PyPySL
PyPy)等が使用される。陰極57には、例えば、M
g−Ag、Al、Mg、Al−Li等が使用される。
【0005】図8は図7の有機EL素子における発光の
にじみを説明するための部分断面図である。赤色有機発
光層55Rの一点PR、緑色有機発光層55Gの一点PG
からそれぞれ発光があったとする。点PR、PGからの光
はそれぞれ球面に広がる。陽極52、透明基板51に垂
直に入射した光R1、G1は屈折することなく陽極正面か
ら出て行く。陽極52に斜めに入射した光R2、G2は屈
折しながら陽極正面から出て行く。また、光R3のよう
に、陽極52に入射しても屈折率の関係で陽極正面に出
て行かず、本来の発光領域(陽極52と陰極57とが交
差する領域)以外の非発光領域に出て行く光や、光G3
のように、陽極52に入射せずに非発光領域に出て行く
光もある。さらに、光R4のように、陰極57で反射し
て非発光領域に出て行く光もある。光R3、R4、G
3は、非発光領域に出る光であるから、発光のにじみと
なる。同様の発光は、緑色有機発光層55R、青色有機
発光層55Bにおいても起こる。そして、点PRとPG
が同時に発光したときには光R 3、R4と光G3とが入り
混じり、赤色と緑色との混合色となる。同様なことは、
緑色と青色との間、青色と赤色との間でも起こる。有機
EL素子においては、表1に示すように、透明基板5
1、陽極52、正孔注入輸送層54、有機発光層55の
各物質の屈折率が大きく異なるので、光が様々な屈折を
し、そのため光のにじみ、混色は複雑になる。
【0006】
【表1】
【0007】一般に、媒体1の屈折率をn1、媒体2の
屈折率をn2、媒体1から媒体2への入射角をθ1、媒体
2における屈折角をθ2とするとき、光の屈折は次式
(1)で表される。
【0008】
【数1】 sinθ1/sinθ2=n2/n1 …(1)
【0009】例えば、光R3の場合、点PRから出た光R
3は、正孔注入輸送層54から陽極52に入射すると
き、正孔注入輸送層54の屈折率n1(=1.76)<
陽極52の屈折率n2(=1.8〜2.1)であるか
ら、式(1)によりθ1>θ2となる。次に、陽極52か
ら正孔注入輸送層54に入射するときはその逆になっ
て、θ3<θ4となる。次に、正孔注入輸送層54から透
明基板51に入射するとき、正孔注入輸送層54の屈折
率n1(=1.76)>透明基板51の屈折率n3(=
1.46)であるから、式(1)によりθ5>θ6とな
る。次に、透明基板51から大気中に射出するとき、透
明基板51の屈折率n3(=1.46)>空気の屈折率
4(≒1.0)であるから、式(1)によりθ7<θ8
となる。このように、光は複雑な屈折を行うので、光の
にじみ、混色が発生するのである。このような光のにじ
み、混色を低減するために、従来いくつかの提案が行わ
れている。
【0010】図9は従来の有機EL素子の第2の例を示
す一部切り欠き斜視図及びこの有機EL素子における光
路を説明するための断面図である。この有機EL素子
は、特開平3−233891号公報に開示されたもので
ある。
【0011】図9(a)に示すように、ガラス基板51
の上にITOで複数の帯状の陽極52を各々が平行とな
るように形成する。陽極52及び露出しているガラス基
板51の上に正孔輸送層54を形成し、その上に複数の
島状の有機発光層55を陽極52に沿って形成する。こ
のようにして、マトリクス状に配置された独立した複数
の発光領域を有する有機発光層55が形成される。さら
に、陽極52とは直交する方向に陰極57を形成する。
この場合、有機発光層55のそれぞれを陽極52と陰極
57との交点に位置させる。そして、陰極57を含む表
面に絶縁体層58を形成する。このように、陽極52と
陰極57との交点にのみ島状の有機発光層55を形成す
ると、発光してほしい領域のみ発光し、他の領域は発光
しないから、クロストークや発光のにじみが減少する効
果があるという。
【0012】図9(b)に示すように、有機発光層55
の一点P1から発光があったとする。点P1からの光は球
面に広がる。陽極52、透明基板51に垂直に入射した
光R1は屈折することなく陽極正面から出て行く。陽極
52に斜めに入射した光R2は屈折しながら陽極正面か
ら出て行く。また、光R3のように、陽極52に入射し
ても屈折率の関係で陽極正面に出て行かず、本来の発光
領域(陽極52と陰極57とが交差する領域)以外の非
発光領域に出て行く光や、光R4のように、陰極57で
反射して非発光領域に出て行く光もある。さらに、光R
5のように、陽極52に入射せずに非発光領域に出て行
く光もある。光R3、R4は、非発光領域に出る光である
から、発光のにじみとなる。隣の有機発光層55から別
の色の発光が同時にあったとすると、図8で説明したの
と同じように、混合色になるという問題が起こる。
【0013】図10は従来の有機EL素子の第3の例を
示す一部切り欠き斜視図及びこの有機EL素子における
光路を説明するための断面図である。この有機EL素子
は、特開平4−51494号公報に開示されたものであ
る。
【0014】図10(a)に示すように、ガラス基板5
1の上にITOからなる透明導体で複数の帯状の陽極5
2を各々が平行となるように形成する。次に、陽極52
とガラス基板51の露出面を覆う絶縁膜53を形成し、
後で作られる陰極と交差する位置において陽極52の上
に開口Wを形成する。開口Wは、その一辺が陽極52及
び陰極の幅より小さい四角形にする。次に、正孔輸送層
54を形成し、その上に有機発光層55を形成する。正
孔輸送層54及び有機発光層55は、開口Wの所で落ち
込む。次に、有機発光層55の上に、陽極52とは直交
する方向に、かつ開口Wが陽極52との交点となるよう
に陰極57を形成する。陰極57は、開口Wの一辺より
大きい幅に作られているから開口Wを覆っており、開口
Wの所で落ち込んでいる。
【0015】この構造にすると、陽極52と陰極57と
が交差する位置にのみ開口Wが設けられているから、陽
極52からの電流は開口Wのみを通って流れ、開口W内
の有機発光層55のみが発光するので、発光のにじみや
クロストークは起こらないという。
【0016】しかしながら、図10(b)に示すよう
に、点Pからの発光R1のように、非発光領域に出て行
く光を防ぐことはできない。このため、発光のにじみは
解消されない。また、多色有機EL素子の場合、図8で
説明したのと同じように、混合色となるという問題が起
こる。
【0017】図11は従来の有機EL素子の第4の例を
示す一部切り欠き斜視図及びこの有機EL素子における
光路を説明するための断面図である。この有機EL素子
は、特開平7−22177号公報に開示されたものであ
る。
【0018】ガラス等の透明基板51の上にITOから
なる透明導体で複数の帯状の陽極52を各々が平行とな
るように形成する。次に、絶縁性感光レジストを塗布し
露光現像するホトリソグラフィ法によって、陽極52上
に孔部53aを有する絶縁性の非発光層53を形成す
る。電解重合法により孔部53a内に有機発光層55を
形成する。有機発光層55は、図11(a)に示すよう
に一層にすることもできるし、図11(b)に示すよう
に正孔輸送層54、発光層55、電子輸送層56からな
るダブルヘテロ構造にすることもできる。絶縁性の非発
光層53は、陽極52と発光層55の合計厚さ、又は陽
極52、正孔輸送層54、発光層55、電子輸送層56
の合計厚さと同じ厚さに形成する。次に、非発光層53
と電子輸送層56の上に、陽極52とは直交する方向に
陰極57を形成する。
【0019】この構造にすると、発光層が非発光層53
に囲まれ、発光層が陽極52の上にのみ存在するから、
発光のにじみやクロストークが無い優れた有機EL素子
が得られるという。
【0020】しかしながら、図11(b)に示すよう
に、点Pからの発光R1のように、非発光領域53に出
て行く光を無くすことはできない。このため、発光のに
じみは完全には解消されない。また、多色有機EL素子
の場合、図8で説明したのと同じように、混合色となる
という問題が起こる。
【0021】図12は従来の有機EL素子の第5の例を
示す一部切り欠き斜視図及びこの有機EL素子における
光路を説明するための断面図である。この有機EL素子
は、特開平10−214043号公報に開示されたもの
である。
【0022】ガラス等の透明基板51の上にITOから
なる透明導体で複数の帯状の陽極52を各々が平行とな
るように形成する。陽極52と陽極52との間にブラッ
クマトリックス58を設ける。ブラックマトリックス5
8の材質としては、吸光性を有した微粒子(カーボンブ
ラックなど)を含有した塗布絶縁膜(シリコーン系樹脂
膜、ポリイミド系樹脂膜、SOG(Spin On G1ass)膜
等)や、吸光性を有した高分子フィルムなどを使用する
ことができ、その形成時に陽極52に対して悪影響を及
ぼさないものであればどのような材質であってもよいと
される。陽極52とブラックマトリックス58の上に第
1正孔輸送層54a、第2正孔輸送層54b、発光層5
5、電子輸送層56を形成する。電子輸送層56の上
に、陽極52とは直交する方向に陰極57を形成する。
【0023】上記のように構成すると、矢印60で示す
ように、陽極52と陽極52との間の非発光領域53に
出て行く光はブラックマトリックス58により遮光され
るので、発光のにじみが解消され、また各陽極52の間
に絶縁性を有したブラックマトリックス58が形成され
ているため、各陽極52間の絶縁特性が改善され、リー
ク電流が流れにくくなる。したがって、有機EL素子の
リーク電流特性による光学的クロストークは発生しにく
くなるという。そして、この発明では、ブラックマトリ
ックス58に使用する吸光性の微粒子として、カーボン
ブラックを例示している。
【0024】しかしながら、カーボンブラックは、低い
とはいえ導電性を有するので、シリコーン系樹脂膜、ポ
リイミド系樹脂膜等のバインダーに添加する添加率を大
きくすると導電性を帯びてくる。それ故、添加率を余り
上げることはできず、限界がある。しかし、特開平10
−214043号の明細書には塗布絶縁膜を保持し得る
ためのカーボンブラック添加率の限界値は示されていな
い。また、この明細書には、「吸光性を有した高分子フ
ィルム」という記載があるが、具体的な材質の記載はな
く、当業者がこの発明を実施し得るだけの具体的説明は
なされていない。この発明のブラックマトリックスは、
カラー陰極線管からの類推で考えられたものと思われる
が、カラー陰極線管と有機EL素子とでは、構造も材質
も異なるので、カラー陰極線管の手法をそのまま有機E
L素子に持ち込むことは難しい。特に、有機EL素子で
は、陽極52と陽極52との間の絶縁は発光のにじみや
クロストークに直接関係するので、絶縁性の保持は重要
課題である。上記第5の例は、アイディアとしてはよい
が、実際に実施しようとすると難しいものと思われる。
そのためかどうかは不明であるが、本件の発明者は、同
じ明細書内で下記の別の提案を行っている。
【0025】図13は従来の有機EL素子の第6の例を
示す一部切り欠き斜視図及びこの有機EL素子における
光路を説明するための断面図である。この有機EL素子
は、第5の例と同じく、特開平10−214043号公
報に開示されたものである。
【0026】透明基板51の上にITOからなる透明導
体で複数の帯状の陽極52を各々が平行となるように形
成する。陽極52と陽極52との間の露出した透明基板
51上と各陽極52の側壁部とに、陽極52の膜厚より
も薄い膜厚の絶縁膜53を形成する。絶縁膜53の材質
としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を
用いて形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜
や、塗布絶縁膜(シリコーン系樹脂膜、ポリイミド系樹
脂膜、SOG(Spin On G1ass)膜等)などを使用す
る。絶縁膜53上に吸光性を有した金属膜(クロム膜、
チタン膜等)59をPVD(Physica1 Vapor Depositio
n)法などで被着する。これによりブラックマトリック
スが形成される。づまり、ブラックマトリックスは、絶
縁膜53を介して各陽極52の間に埋め込まれた状態に
形成されている。陽極52、絶縁膜53、金属膜59の
上に第1正孔輸送層54a、第2正孔輸送層54b、発
光層55、電子輸送層56を形成する。電子輸送層56
の上に、陽極52とは直交する方向に陰極57を形成す
る。
【0027】上記のような構成にすると、絶縁膜53が
有るため、陽極52と陽極52との間の絶縁を保持しな
がら、導電体であるけれども吸光性が良い金属膜59を
用いることができ、発光のにじみやクロストークが無い
優れた有機EL素子が得られるという。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の構造の有機EL素子では、非発光領域に出て行く
光を無くすことが難しく、発光のにじみ、混合色の発生
を無くすことが難しいという問題があった。これに対
し、発光のにじみやクロストークを無くすために従来多
くの提案がなされてきた。これらの中で、図13に示し
た第6の例が一番有望であると考えられるが、絶縁層5
3と金属層59の2層構造にするため、工数が2倍にな
るとともに、CVD、PVDを使用するので、設備費も
高くつき、コストが高くなるという問題があった。
【0029】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、非発光領域に出て行く光に起因す
る発光のにじみ、混合色を無くすことを、低コストで容
易に実現することができる有機EL素子とその製造方法
を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、下記(1)〜(2)に示す有機EL素子を
提供する。 (1)透明基板の上に帯状の透明導体製の陽極を間隔を
おいて平行に複数個設け、この陽極を含む前記透明基板
上に発光層を含む有機多層膜を設けるとともに、この有
機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角方向に
間隔をおいて平行に複数個設けた有機EL素子におい
て、光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱
硬化性樹脂バインダーとからなる混合物を、前記陽極と
陽極との間を埋めるように設けたことを特徴とする有機
EL素子。
【0031】(2)透明基板の上に帯状の透明導体製の
陽極を間隔をおいて平行に複数個設け、この陽極を含む
前記透明基板上に発光層を含む有機多層膜を設けるとと
もに、この有機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極と
は直角方向に間隔をおいて平行に複数個設けた有機EL
素子において、前記有機多層膜を前記陽極上に帯状に設
け、光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱
硬化性樹脂バインダーとからなる混合物を前記陽極と陽
極との間を埋めるように設け、かつ、前記有機多層膜を
前記混合物を介して前記陽極毎に仕切ったことを特徴と
する有機EL素子。
【0032】また、本発明は、前記(1)〜(2)の有
機EL素子を製造するために、下記(3)〜(5)に示
す有機EL素子の製造方法を提供する。 (3)透明基板の表面に透明導体の膜を形成する工程
と、前記透明導体の膜上の所定領域にホトレジスト膜を
形成し、ホトレジスト膜に覆われていない透明導体の膜
を除去することにより、前記透明基板の上に帯状の透明
導体製の陽極を間隔をおいて平行に複数個設ける工程
と、前記陽極と陽極との間を埋めるように、光の吸収率
が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化性樹脂バイ
ンダーとを混合した混合液を陽極及びホトレジスト膜を
含む前記透明基板表面に被着し、この混合液を加熱して
硬化させることにより吸光性絶縁膜を形成する工程と、
前記陽極上のホトレジスト膜をその上の吸光性絶縁膜と
共に除去する工程と、前記陽極及び吸光性絶縁膜の表面
に発光層を含む有機多層膜を形成する工程と、前記有機
多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角方向に間
隔をおいて平行に複数個設ける工程とを備えたことを特
徴とする有機EL素子の製造方法。
【0033】(4)透明基板の表面に透明導体の膜を形
成する工程と、前記透明導体を選択除去することによ
り、前記透明基板の上に帯状の透明導体製の陽極を間隔
をおいて平行に複数個設ける工程と、光の吸収率が0.
7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化性樹脂バインダー
とを混合した混合液を前記陽極を含む前記透明基板表面
に被着し、この混合液を加熱して硬化させることにより
吸光性絶縁膜を形成する工程と、化学的機械的研磨法に
より前記陽極表面が露出するまで前記吸光性絶縁膜を研
磨除去して陽極と吸光性絶縁膜の表面をほぼ同一平面と
する工程と、前記陽極及び吸光性絶縁膜の表面に発光層
を含む有機多層膜を形成する工程と、前記有機多層膜の
表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角方向に間隔をおい
て平行に複数個設ける工程とを備えたことを特徴とする
有機EL素子の製造方法。
【0034】(5)透明基板の表面に透明導体の膜を形
成する工程と、前記透明導体の膜上の所定領域に、後で
形成する有機多層膜とほぼ同じ厚さにホトレジスト膜を
形成し、前ホトレジスト膜に覆われていない透明導体の
膜を除去することにより、前記透明基板の上に帯状の透
明導体製の陽極を間隔をおいて平行に複数個設ける工程
と、光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱
硬化性樹脂バインダーとを混合した混合液を前記陽極及
びホトレジスト膜を含む前記透明基板表面に被着し、こ
の混合液を加熱して硬化させることにより吸光性絶縁膜
を形成する工程と、前記陽極上のホトレジスト膜をその
上の吸光性絶縁膜と共に除去する工程と、前記吸光性絶
縁膜で仕切られた陽極の表面に発光層を含む有機多層膜
を形成する工程と、前記有機多層膜及び吸光性絶縁膜の
表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角方向に間隔をおい
て平行に複数個設ける工程とを備えたことを特徴とする
有機EL素子の製造方法。
【0035】この場合、本発明では、前記絶縁性物質と
して、CuO、V25、Cr25、Cr23、Cr5
12、Fe34、Co34、Mn23、Mn34、Nb
O、NbO2及びMO・Fe23フェライト(但し、M
はFe、Ni、Co、Cu、Mn、Zn、Mg及びCd
の少なくとも1種である)からなる群から選ばれた少な
くとも1種を用いることが適当である。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の有機EL素
子の第1の実施例の斜視図である。ガラス等の透明基板
1の上にITO(インジウム錫酸化物)の透明導体で帯
状の陽極2を間隔をおいて平行に複数個形成する。光の
吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化性樹
脂バインダーとからなる混合物を陽極と陽極との間を埋
めるように設け、吸光性絶縁膜3を形成する。吸光性絶
縁膜3は、陽極2と陽極2との間の非発光領域に出て行
く光を吸収して光のにじみを無くすためのものであるか
ら、光の吸収率が高いことが必要である。光の吸収率が
1.0が理想であるが、そのような物質は存在しない。
肉眼で光のにじみを感じない程度にするためには、光の
吸収率が0.7以上であることが必要である。
【0037】カーボンブラックやグラファイトは光の吸
収率が高い物質として知られているが、前述のようにカ
ーボンブラックやグラファイトは導電性を有するので、
吸光性絶縁膜3の絶縁性物質には適さない。吸光性絶縁
膜3に適する物質は、光の吸収率が高い物質であればよ
く、黒色でなければならないというものではない。光の
吸収率が高く、かつ絶縁体である物質は、金属酸化物の
中にいくつか存在する。本発明ではそのような物質を使
用する。このような物質を熱硬化性樹脂バインダーに添
加した混合物を陽極と陽極との間に塗布し、加熱して硬
化させて吸光性絶縁膜3を形成する。なお、吸光性絶縁
膜3は、陽極2と透明基板1との段差を小さくするた
め、陽極2とほぼ同じ厚さに設けるのが好ましい。
【0038】陽極2と吸光性絶縁膜3の表面に正孔注入
輸送層4を形成する。陽極2と吸光性絶縁膜3の表面は
ほぼ同一平面に形成されており、段差が無いから、正孔
注入輸送層4はほぼ平坦となり、従来のような波打つこ
とはない。正孔注入輸送層4の材料としては、例えば、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(TPD)を使用する。
【0039】正孔注入輸送層4上に発光層5を形成す
る。発光層5は赤緑青の三色からなり、例えば、赤色発
光層5Rにはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(III)(Alq3)に5,10,15,20−テトラフ
ェニル−21H,23H−ポルフィン(TPP)を30
wt%加えたもの、緑色発光層55Gにはトリス(8−
キノリノラト)アルミニウム(III)(Alq3)に3−
(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジメチルアミノクマ
リン(C540)を1.5wt%加えたもの、青色発光
層55Bには4−ビフェニルオキシ−ビス(キノリノラ
ト)アルミニウム(BAlq)にペリレン(Pe)を2
wt%加えたものが使用される。
【0040】発光層5の上に電子注入輸送層6を、例え
ば35nmの厚さに形成する。電子注入輸送層6の材料
としては、例えば、1,1−ジメチル−3,4−ジフェ
ニル−2,5−ビス{6−(2−ピリジル)ピリジン−
2−イル}シラシクロペンタジエン(PyPySLPy
Py)を使用する。
【0041】電子注入輸送層6の表面に陽極2とは直角
方向に帯状の陰極7を間隔をおいて平行に複数個設け
る。陰極7は、例えばMg−Ag合金で形成される。陰
極7の材料として、Mg−Ag以外に、Al、Mg、C
a、In、Al−Li、Mg−In、LiF/Al、A
23/Al等を使用することができる。ここで、Li
F/Al、Al23/Alとは、LiF又はAl23
例えば0.5〜5nmの厚さに堆積し、その上にAlを
例えば10〜200nmの厚さに堆積した構造を意味す
る。
【0042】吸光性絶縁膜3は、非発光領域(陽極と陽
極との間)に出て行こうとする光を吸収して、発光のに
じみ、混合色の発生を無くすためのものであるから、吸
光性絶縁膜3に使用する絶縁性物質は、光の吸収率が大
きいことが必要である。光の吸収率(absorptivity)A
は、光が物質中を通過するときの単位長さ当たりのエネ
ルギーの損失の割合、換言すれば複素屈折率の虚部に対
応する。複素屈折率の虚部niと光の吸収率Aとは、次
式(2)で示される関係にある。
【0043】
【数2】 1−A={exp[(−2π/λ0)ni2 =exp[(−4π/λ0)ni] …(2)
【0044】ここで、λ0は単位長さで測った真空中の
波長である。物質に光が入射したときの吸収率をA、反
射率をR、透過率をTとするとき、次式(3)が成立す
る。
【0045】
【数3】A+R+T=1 …(3)
【0046】吸収率Aと放射率εとが一致することは理
論的に導かれている。放射率εは、一般の物体表面から
の放射とこれと同じ温度の黒体放射の強さの比で定義さ
れる。吸収率Aと放射率εは、光の波長によって変わる
のであるが、有機EL素子では可視光の範囲を扱うの
で、ここでは可視光範囲での吸収率Aが問題となる。吸
収率Aは、大きければ大きい程黒色に近づき、小さけれ
ば小さい程無色透明に近づく。黒色の代表的物質は、カ
ーボンブラック、グラファイトであり、600nm波長
でのグラファイトの放射率ε(=吸収率A)は0.96
であるが、前述のようにカーボンブラック、グラファイ
トは導電性を有するので、吸光性絶縁膜3には適しな
い。肉眼で光のにじみを感じない程度にするにはある程
度光を吸収してくれればよいのであって、必ずしも黒色
でなければならないというものではない。
【0047】肉眼で光のにじみを感じない程度にするに
は、吸収率Aが0.7以上であればよい。それは、物質
中を通過する光の強度は、下記式(4)に示すランベル
ト(Lambert)−ブーゲ(Bouger)の法則に従って指数
関数で急激に減衰するからである。また、その物質は絶
縁体又は絶縁体に近い高電気抵抗物質であることが必要
である。そのような物質として、CuO、V25、Cr
25、Cr23、Cr 512、Fe34、Co34、M
23、Mn34、NbO、NbO2、MO・Fe23
フェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、M
n、Zn、Mg、Cdの群から選ばれた少なくとも1種
である)が選ばれる。これらの物質は、1種類のみを単
独で使用してもよく、複数種類を混合して使用してもよ
い。これらの吸光性絶縁体の微細末を熱硬化性樹脂バイ
ンダーで結合して透明基板1上に吸光性絶縁膜3を形成
する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂
等が選ばれる。
【0048】
【数4】I=I0-αx …(4)
【0049】ここで、Iは光が物質中を距離xだけ進行
したときの光の強度、I0は入射光の強度、αは光の吸
収係数(absorption coefficient)、xは光の進行距離
である。なお、吸収率Aは光が物質中を通過するときの
単位長さ当たりのエネルギーの損失の割合で定義される
のに対して、吸収係数αは透過光強度が入射光強度の1
/e(eは自然対数の底)になるのに要する吸収層の厚
さの逆数で定義され、吸収率Aと吸収係数αとは定義が
異なっているが、共に物質の吸収の度合を示す尺度であ
ることに変わりはない。
【0050】吸光性絶縁膜3の形成は、陽極2による段
差を小さくして段差による悪影響を解消するという効果
もあるから、陽極2と吸光性絶縁膜3の表面は同一平面
となるのが望ましいが、完全な同一平面にするのは難し
いので、可能な限り同一平面に近くなるように吸光性絶
縁膜3の厚さを調整する。このように陽極2と吸光性絶
縁膜3の表面がほぼ同一平面となるように形成すると、
正孔注入輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6、陰極
7は、いずれもほぼ一様の厚さで、ほぼ平坦面に形成さ
れるため、陽極2と陰極7との間に形成される電界は一
様電界となり、電界集中が起こらず、電流のリーク、絶
縁破壊が生じないという利点が得られる。しかしなが
ら、陽極2と吸光性絶縁膜3の表面は必ずしも同一平面
に近くなければならないというものではない。例えば、
吸光性絶縁膜3の厚さを陽極2の厚さの半分あるいは
1.5倍にすると、段差は半分になるので、段差が小さ
くなった分だけの効果を生ずるのである。
【0051】図2は図1の第1の実施例における光路を
説明するための部分断面図である。赤色発光層5Rの一
点PR、緑色発光層5Gの一点PGからそれぞれ発光があ
ったとする。点PR、PGからの光はそれぞれ球面に広が
る。陽極2、透明基板1に垂直に入射した光R1、G1
屈折することなく陽極正面から出て行く。陽極2に斜め
に入射した光R2、G2は屈折しながら陽極正面から出て
行く。吸光性絶縁膜3に入射した光R3、G3は吸光性絶
縁膜3に吸収されて非発光領域に出て行かず、発光のに
じみと光の混合は完全に防止される。
【0052】図3は図1に示した有機EL素子の製造方
法の第1の実施例を説明するための工程順に示した断面
図である。まず、図3(a)に示すように、ガラスのよ
うな透明基板1の上にITOの透明導体膜を蒸着法で形
成した後、この上にホトレジスト膜を塗布し、選択露光
し現像してホトレジストのマスク11を形成する。マス
ク11を保護材にしてITOの透明導体膜をエッチング
して陽極2を形成する。陽極2は帯状で、間隔をおいて
平行に複数個形成される。
【0053】次に、図3(b)に示すように、ホトレジ
ストのマスク11を残したまま、吸光性絶縁膜3を陽極
2とほぼ同じ厚さに形成する。吸光性絶縁膜3の形成
は、次のように行う。まず、吸収率Aが0.7〜1.0
未満の絶縁性物質として、CuO、V25、Cr25
Cr23、Cr512、Fe34、Co34、Mn
23、Mn34、NbO、NbO2、MO・Fe23
ェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、Mn、
Zn、Mg、Cdから選ばれた少なくとも1種)の中か
ら少なくとも1種を選び、その微粉末を用意する。これ
らの吸光性絶縁性物質は、1種類のみを選んでもよい
が、複数種類を選んで混合してもよい。次に、バインダ
ーとして、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂の中
から1種類を選ぶ。例えば、CuOとエポキシ樹脂とを
選ぶ。エポキシ樹脂1リットル当たりCuOの粉末を1
0〜200gの割合で混合して粘稠なスラリーを作る。
このスラリーをスピンコート法で透明基板1の露出面及
びホトレジストのマスク11の上に塗布し、スラリー層
を形成する。次に、約120℃で加熱してエポキシ樹脂
を硬化させ、吸光性絶縁体層13を形成する。
【0054】次に、図3(c)に示すように、ホトレジ
ストのマスク11を除去する。マスク11の上の吸光性
絶縁絶縁体層13はマスク11と共に除去され、陽極2
と吸光性絶縁膜3とが交互に並んだほぼ平坦な面が得ら
れる。
【0055】次に、図3(d)に示すように、陽極2と
吸光性絶縁膜3の表面に正孔注入輸送層4、発光層5、
電子注入輸送層6を蒸着法により順次堆積する。正孔注
入輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6の材質は図1
で説明したものと同じである。
【0056】次に、図3(e)に示すように、陰極形成
予定領域に開口部12wを有する金属マスク12を電子
注入輸送層6の表面に設ける。開口部12wを通して、
例えばMgとAgを共蒸着して陰極7を形成する。理解
し易いように、図3(e)では、金属マスク12を電子
注入輸送層6の表面から離して描いているが、実際は金
属マスク12を電子注入輸送層6の表面に密着させてい
る。また、図3(e)〜図3(f)は、図3(a)〜図
3(d)とは直角方向の断面を示し、マスク12の開口
部12w、複数の陰極7の断面が表示されるようにして
ある。電子注入輸送層6の表面はほぼ平面になっている
から、金属マスク12と電子注入輸送層6との間には隙
間が殆どなく、したがって陰極形成時の蒸着粒子の廻り
込みが殆どないので、陰極が滲んだように広がることな
く形成される。
【0057】次に、図3(f)に示すように、マスク1
2を除去すると、所望の有機EL素子が得られる。
【0058】図4は図1に示した有機EL素子の製造方
法の第2の実施例を説明するための工程順に示した断面
図である。まず、図4(a)に示すように、ガラスのよ
うな透明基板1の上にITOの透明導体膜を蒸着法で形
成した後、この上にホトレジストのマスクを形成し、こ
れを用いて透明導体膜をエッチングして陽極2を形成す
る。陽極2は帯状で、間隔をおいて平行に複数個形成さ
れる。そして、ホトレジストのマスクを除去する。
【0059】次に、図4(b)、図4(c)に示すよう
に、吸光性絶縁膜3を陽極2と同じ厚さに被着する。吸
光性絶縁膜3の形成は、次のように行う。例えば、図4
(b)に示すように、シリコーン樹脂にV25粉末を混
合したスラリーを作り、これをスピンコート法により陽
極2を含む透明基板1表面に塗布し、加熱して硬化さ
せ、吸光性絶縁体層13を形成する。そして、図4
(c)に示すように、化学的機械的研磨法(CMP法)
により陽極2の上の吸光性絶縁体層13を除去して陽極
2と陽極2との間に吸光性絶縁膜3を形成する。これに
より、陽極2と吸光性絶縁膜3の表面はほぼ同一平面と
なる。
【0060】次に、図4(d)に示すように、陽極2と
吸光性絶縁膜3の表面に正孔注入輸送層4、発光層5,
電子注入輸送層6を堆積する。正孔注入輸送層4、発光
層5、電子注入輸送層6の材質は、図1で説明したもの
と同じである。
【0061】次に、図4(e)に示すように、電子注入
輸送層6の表面の陰極形成予定領域に開口部12wを有
する金属マスク12を設ける。開口部12wを通して、
例えばMgとAgを共蒸着してMg−Ag陰極7を形成
する。理解し易いように、図4(e)では金属マスク1
2を電子注入輸送層6の表面から離して描いているが、
実際は金属マスク12を電子注入輸送層6の表面に密着
させている。また、図4(e)〜図4(f)は、図4
(a)〜図4(d)とは直角方向の断面を示し、マスク
12の開口部12w、複数の陰極7の断面が表示される
ようにしてある。陰極形成時の蒸着粒子の廻り込みが殆
どなく、陰極が滲んだように広がることなく形成され
る。
【0062】次に、図4(f)に示すように、マスク1
2を除去すると、所望の有機EL素子が得られる。
【0063】図5(a)は本発明の有機EL素子の第2
の実施例の斜視図である。図5(a)に示すように、第
1の実施例と同様に、透明基板1の上にITOで陽極2
を形成する。陽極と陽極との間を含む露出している透明
基板1の表面に、陽極2とその上に形成される有機物層
の合計の厚さとほぼ同じ厚さに吸光性絶縁膜3を形成し
て陽極と陽極との間を埋める。吸光性絶縁膜3は、一つ
の発光領域からの光が隣の発光領域に入らないようにす
るためのものであるから、有機物層の上面とほぼ同じ高
さになるように形成する。
【0064】第1の実施例と同様に、陽極2の上に正孔
注入輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6を順次形成
する。発光層5は、赤緑青の三色からなる。電子注入輸
送層6の表面に陰極7を設ける。
【0065】第2の実施例の有機EL素子は、陽極2毎
に、陽極2から電子注入輸送層6の上面まで吸光性絶縁
膜3で仕切っているから、一つの発光領域からの光が隣
の発光領域に入ることがなく、発光のにじみ、光の混合
の問題を完全に解決できる。
【0066】図5(b)に示すように、赤色発光層5R
の一点PRから発光があったとする。陽極2、透明基板
1に垂直に入射した光R1は屈折することなく陽極正面
から出て行く。陽極2に斜めに入射した光R2は屈折し
ながら陽極正面から出て行く。吸光性絶縁膜3に入射し
た光R3は吸光性絶縁膜3に吸収されて非発光領域に出
て行かず、発光のにじみと光の混合は完全に防止され
る。
【0067】図6は図5に示した第2の実施例の有機E
L素子の製造方法を説明するための工程順に示した断面
図である。まず、図6(a)に示すように、ガラスのよ
うな透明基板1の上にITOの透明導体膜を蒸着法で形
成した後、この上にホトレジストのマスク11を、陽極
2の上に形成される有機物層4、5、6の合計の厚さと
ほぼ同じ厚さに形成する。マスク11を用いて透明導体
膜をエッチングして陽極2を形成する。ホトレジストの
マスク11は除去せず、次の工程まで残しておく。
【0068】次に、図6(b)に示すように、マスク1
1とマスク11の間を埋めるように、そしてマスク11
の上面と吸光性絶縁体層13の上面とがほぼ同じ高さに
なるように、吸光性絶縁体層13を形成する。吸光性絶
縁体層13の形成は、次のように行う。例えば、メラミ
ン樹脂にNbO2粉末を混合したスラリーを作り、これ
をスピンコート法により塗布し、加熱して硬化させる。
スピンコート法を用いると、マスク11の上には極めて
薄い吸光性絶縁体層13しか形成されないので、後の作
業が楽になるという利点がある。
【0069】次に、図6(c)に示すように、ホトレジ
ストのマスク11をその上の吸光性絶縁体層13と共に
除去する。これにより吸光性絶縁膜3が形成される。
【0070】次に、図6(d)に示すように、陽極2の
上に正孔注入輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6を
順次形成する。発光層5を赤緑青の三色とするときは、
図示するように、吸光性絶縁膜3で仕切られた領域毎に
別々に形成する。
【0071】次に、図6(e)に示すように、電子注入
輸送層6及び吸光性絶縁膜3の上に、陰極7を陽極2と
は直角方向に形成する。理解し易いように、図6(e)
は、図6(a)〜図6(d)とは直角方向の断面を示
し、陰極7の断面が表示されるようにしてある。
【0072】本例の製造方法によれば、一つの発光領域
からの光が隣の発光領域に入るのを完全に防止し、発光
のにじみ、光の混合を防止した有機EL素子を容易に製
造することができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陽極と陽極との間に吸光性絶縁膜を設けたので、非発光
領域への光の射出を防止して発光のにじみ、光の混合を
防止することができる。
【0074】この場合、吸光性絶縁膜を有機多層膜と同
じ高さになるように設け、有機多層膜を陽極毎に仕切る
ようにすることにより、一つの発光領域からの光が隣の
発光領域に入るのを完全に防止し、発光のにじみ、光の
混合を防止することができる。また、吸光性絶縁膜を陽
極とほぼ同じ厚さにして陽極による段差を小さくするこ
とにより、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層は
いずれもほぼ平坦な一様な厚さの層となり、段差による
陰極厚さの薄化が起こらず、抵抗値の増大や陰極の断線
を防止することができる。
【0075】また、本発明によれば、陽極と陽極との間
に吸光性絶縁膜を設けて非発光領域への光の射出を防止
することにより発光のにじみ、光の混合を防止した有機
EL素子の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機EL素子の第1の実施例を示
す斜視図である。
【図2】図1の有機EL素子における光路を説明するた
めの部分断面図である。
【図3】図1の有機EL素子の製造方法の第1の実施例
を説明するための工程順に示した断面図である。
【図4】図1の有機EL素子の製造方法の第2の実施例
を説明するための工程順に示した断面図である。
【図5】(a)は本発明に係る有機EL素子の第2の実
施例を示す斜視図、(b)は同有機EL素子における光
路を説明するための部分断面図である。
【図6】図5の有機EL素子の製造方法を説明するため
の工程順に示した断面図である。
【図7】従来の有機EL素子の第1の例を示す斜視図で
ある。
【図8】図7の有機EL素子における光路を説明するた
めの部分断面図である。
【図9】(a)は従来の有機EL素子の第2の例を示す
斜視図、(b)は同有機EL素子における光路を説明す
るための部分断面図である。
【図10】(a)は従来の有機EL素子の第3の例を示
す斜視図、(b)は同有機EL素子における光路を説明
するための部分断面図である。
【図11】(a)は従来の有機EL素子の第4の例を示
す斜視図、(b)は同有機EL素子における光路を説明
するための部分断面図である。
【図12】従来の有機EL素子の第5の例の部分断面図
である。
【図13】従来の有機EL素子の第6の例の部分断面図
である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 陽極 3 吸光性絶縁膜 4 正孔注入輸送層 5 発光層 6 電子注入輸送層 7 陰極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の上に帯状の透明導体製の陽極
    を間隔をおいて平行に複数個設け、この陽極を含む前記
    透明基板上に発光層を含む有機多層膜を設けるととも
    に、この有機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは
    直角方向に間隔をおいて平行に複数個設けた有機EL素
    子において、 光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化
    性樹脂バインダーとからなる混合物を、前記陽極と陽極
    との間を埋めるように設けたことを特徴とする有機EL
    素子。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性物質が、CuO、V25、C
    25、Cr23、Cr512、Fe34、Co34
    Mn23、Mn34、NbO、NbO2及びMO・Fe2
    3フェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、
    Mn、Zn、Mg及びCdの少なくとも1種である)か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 【請求項3】 透明基板の表面に透明導体の膜を形成す
    る工程と、 前記透明導体の膜上の所定領域にホトレジスト膜を形成
    し、ホトレジスト膜に覆われていない透明導体の膜を除
    去することにより、前記透明基板の上に帯状の透明導体
    製の陽極を間隔をおいて平行に複数個設ける工程と、 前記陽極と陽極との間を埋めるように、光の吸収率が
    0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化性樹脂バイン
    ダーとを混合した混合液を陽極及びホトレジスト膜を含
    む前記透明基板表面に被着し、この混合液を加熱して硬
    化させることにより吸光性絶縁膜を形成する工程と、 前記陽極上のホトレジスト膜をその上の吸光性絶縁膜と
    共に除去する工程と、 前記陽極及び吸光性絶縁膜の表面に発光層を含む有機多
    層膜を形成する工程と、 前記有機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角
    方向に間隔をおいて平行に複数個設ける工程とを備えた
    ことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 透明基板の表面に透明導体の膜を形成す
    る工程と、 前記透明導体を選択除去することにより、前記透明基板
    の上に帯状の透明導体製の陽極を間隔をおいて平行に複
    数個設ける工程と、 光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化
    性樹脂バインダーとを混合した混合液を前記陽極を含む
    前記透明基板表面に被着し、この混合液を加熱して硬化
    させることにより吸光性絶縁膜を形成する工程と、 化学的機械的研磨法により前記陽極表面が露出するまで
    前記吸光性絶縁膜を研磨除去して陽極と吸光性絶縁膜の
    表面をほぼ同一平面とする工程と、 前記陽極及び吸光性絶縁膜の表面に発光層を含む有機多
    層膜を形成する工程と、 前記有機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは直角
    方向に間隔をおいて平行に複数個設ける工程とを備えた
    ことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性物質が、CuO、V25、C
    25、Cr23、Cr512、Fe34、Co34
    Mn23、Mn34、NbO、NbO2及びMO・Fe2
    3フェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、
    Mn、Zn、Mg及びCdの少なくとも1種である)か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項3又は4に記載の有機EL素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 透明基板の上に帯状の透明導体製の陽極
    を間隔をおいて平行に複数個設け、この陽極を含む前記
    透明基板上に発光層を含む有機多層膜を設けるととも
    に、この有機多層膜の表面に帯状の陰極を前記陽極とは
    直角方向に間隔をおいて平行に複数個設けた有機EL素
    子において、 前記有機多層膜を前記陽極上に帯状に設け、光の吸収率
    が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化性樹脂バイ
    ンダーとからなる混合物を前記陽極と陽極との間を埋め
    るように設け、かつ、前記有機多層膜を前記混合物を介
    して前記陽極毎に仕切ったことを特徴とする有機EL素
    子。
  7. 【請求項7】 前記絶縁性物質が、CuO、V25、C
    25、Cr23、Cr512、Fe34、Co34
    Mn23、Mn34、NbO、NbO2及びMO・Fe2
    3フェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、
    Mn、Zn、Mg及びCdの少なくとも1種である)か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項6に記載の有機EL素子。
  8. 【請求項8】 透明基板の表面に透明導体の膜を形成す
    る工程と、 前記透明導体の膜上の所定領域に、後で形成する有機多
    層膜とほぼ同じ厚さにホトレジスト膜を形成し、前ホト
    レジスト膜に覆われていない透明導体の膜を除去するこ
    とにより、前記透明基板の上に帯状の透明導体製の陽極
    を間隔をおいて平行に複数個設ける工程と、 光の吸収率が0.7〜1.0未満の絶縁性物質と熱硬化
    性樹脂バインダーとを混合した混合液を前記陽極及びホ
    トレジスト膜を含む前記透明基板表面に被着し、この混
    合液を加熱して硬化させることにより吸光性絶縁膜を形
    成する工程と、 前記陽極上のホトレジスト膜をその上の吸光性絶縁膜と
    共に除去する工程と、 前記吸光性絶縁膜で仕切られた陽極の表面に発光層を含
    む有機多層膜を形成する工程と、 前記有機多層膜及び吸光性絶縁膜の表面に帯状の陰極を
    前記陽極とは直角方向に間隔をおいて平行に複数個設け
    る工程とを備えたことを特徴とする有機EL素子の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記絶縁性物質が、CuO、V25、C
    25、Cr23、Cr512、Fe34、Co34
    Mn23、Mn34、NbO、NbO2及びMO・Fe2
    3フェライト(但し、MはFe、Ni、Co、Cu、
    Mn、Zn、Mg及びCdの少なくとも1種である)か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項8に記載の有機EL素子の製造方法。
JP11101129A 1999-04-08 1999-04-08 有機el素子とその製造方法 Withdrawn JP2000294380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101129A JP2000294380A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 有機el素子とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101129A JP2000294380A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 有機el素子とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000294380A true JP2000294380A (ja) 2000-10-20

Family

ID=14292479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11101129A Withdrawn JP2000294380A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 有機el素子とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000294380A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1246245A3 (en) * 2001-03-28 2003-10-29 Pioneer Corporation Organic electroluminescence display panel
JP2005534145A (ja) * 2002-07-23 2005-11-10 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ エレクトロルミネセントディスプレイ及びこのようなディスプレイを有する電子デバイス
JP2007005324A (ja) * 2002-09-11 2007-01-11 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置およびその作製方法
JP2008123879A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Seiko Epson Corp 有機el装置の製造方法及び有機el装置
KR100964225B1 (ko) * 2008-03-19 2010-06-17 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 디스플레이 장치
WO2018025576A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 パイオニア株式会社 発光装置
WO2023206670A1 (zh) * 2022-04-27 2023-11-02 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板、显示模组

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1246245A3 (en) * 2001-03-28 2003-10-29 Pioneer Corporation Organic electroluminescence display panel
US6756739B2 (en) 2001-03-28 2004-06-29 Pioneer Corporation Organic electroluminescence display panel
JP2005534145A (ja) * 2002-07-23 2005-11-10 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ エレクトロルミネセントディスプレイ及びこのようなディスプレイを有する電子デバイス
JP2007005324A (ja) * 2002-09-11 2007-01-11 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置およびその作製方法
JP4611267B2 (ja) * 2002-09-11 2011-01-12 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置の作製方法
JP2008123879A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Seiko Epson Corp 有機el装置の製造方法及び有機el装置
KR100964225B1 (ko) * 2008-03-19 2010-06-17 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 디스플레이 장치
US8253322B2 (en) 2008-03-19 2012-08-28 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting display device including light absorption pattern unit
WO2018025576A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 パイオニア株式会社 発光装置
WO2023206670A1 (zh) * 2022-04-27 2023-11-02 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板、显示模组

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7250721B2 (en) Organic EL element and organic EL display panel
KR100529450B1 (ko) 유기 전자 발광 표시 장치
US5949188A (en) Electroluminescent display device with continuous base electrode
US7332859B2 (en) Organic luminescence device with anti-reflection layer and organic luminescence device package
US7855506B2 (en) Electric field light emitting element
KR100685805B1 (ko) 발광소자와 그 제조방법 및 이를 이용한 표시장치
US7811679B2 (en) Display devices with light absorbing metal nanoparticle layers
US7567030B2 (en) Organic electroluminescent device, method of manufacturing organic electroluminescent device, and electronic apparatus
US6280861B1 (en) Organic EL device
KR101234447B1 (ko) 박막 금속-유기물 혼합층을 포함하는 반사가 감소된 표시소자
JP3369618B2 (ja) 発光装置
JP4186289B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法
US7498735B2 (en) OLED device having improved power distribution
US20070085086A1 (en) Organic light emitting device
JP3875401B2 (ja) 有機el表示装置及び有機el素子
EP1191819A2 (en) Organic electroluminescent display panel
KR100735786B1 (ko) 유기 전계 발광 소자
WO2004036960A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法
WO2007114256A1 (ja) 有機エレクトロルミネセンス多色ディスプレイパネル
JP2003217851A (ja) 色変換フィルタ基板、それを用いた有機多色elディスプレイパネルおよびそれらの製造方法
JP2000294380A (ja) 有機el素子とその製造方法
JP4247016B2 (ja) 有機el表示装置
JP2000123978A (ja) 有機el素子およびその製造方法
JPH09260064A (ja) 光学的素子及びその製造方法
JP2000021579A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板及びその製造方泡並びにそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060310

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060310

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060310

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080618