JP2000294274A - 非水電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

非水電解液およびそれを用いた二次電池

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JP2000294274A
JP2000294274A JP11095885A JP9588599A JP2000294274A JP 2000294274 A JP2000294274 A JP 2000294274A JP 11095885 A JP11095885 A JP 11095885A JP 9588599 A JP9588599 A JP 9588599A JP 2000294274 A JP2000294274 A JP 2000294274A
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aqueous electrolyte
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lithium
aqueous
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JP11095885A
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Akio Hibara
昭男 檜原
Masahiro Toriida
昌弘 鳥井田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池寿命、充放電特性、負荷特性および低温
特性に優れた非水電解液およびそれを用いた二次電池を
提供する。 【解決手段】 一般式[1]で表されるスズ塩を含有す
る非水溶媒と電解質とからなることを特徴とする非水電
解液。 Sn(X)m [1] (式[1]中、Xはアニオンを表わし、Xの価数が1の
ときm=2であり、Xの価数が2のときm=1である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、充放電特性に優れた非水
電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。より詳
細には、スズ塩を含有するリチウム二次電池に適した非
水電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】非水電解液を用いた電池は、高電
圧でかつ高エネルギー密度を有しており、また貯蔵性な
どの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広
く用いられている。
【0003】このような電池として非水電解液二次電池
があり、その代表的存在は、リチウムイオン二次電池で
ある。それに用いられる非水溶媒として、誘電率の高い
カーボネート化合物が知られており、各種カーボネート
化合物の使用が提案されている。また電解液として、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの前
記高誘電率カーボネート化合物溶媒と、炭酸ジエチルな
どの低粘度溶媒との混合溶媒に、LiBF4、LiPF6
LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、Li2SiF6
どの電解質を混合した溶液が用いられている。
【0004】一方で、電池の高容量化を目指して電極の
研究も進められており、リチウムイオン二次電池の負極
として、リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な炭素材料
が用いられている。特に黒鉛などの高結晶性炭素は、放
電電位が平坦であるなどの特徴を有していることから、
現在市販されているリチウムイオン二次電池の大半の負
極として採用されている。
【0005】しかしながら、黒鉛などの高結晶性炭素を
負極に用いる場合、電解液用の非水溶媒として、凝固点
の低い高誘電率溶媒であるプロピレンカーボネートや1,
2‐ブチレンカーボネートを用いると、充電時に溶媒の
還元分解反応が起こり、活物質であるリチウムイオンの
黒鉛への挿入反応がほとんど進行しなくなり、電解液の
機能を果たさなくなる。その結果、特に初回の充放電効
率は極端に低下する。
【0006】このため、電解液に使用される高誘電率の
非水溶媒として、常温で固体ではあるものの、還元分解
反応が継続的に起こりにくいエチレンカーボネートをプ
ロピレンカーボネートに混合することにより、非水溶媒
の還元分解反応を抑える試みがなされている。さらに還
元分解反応の抑制に加えて非水溶媒の粘度特性を改善す
るため、低粘度溶媒との組み合わせ方を工夫したり、様
々な添加剤を加えたり、電解液中のプロピレンカーボネ
ートの含有量を制限することなどが提案されている。こ
れらの対策により、電池の充放電特性及び低温特性の向
上が図られてきたが、さらに、例えば高温保存や充放電
サイクルを繰り返した場合の、微少な還元分解反応に起
因する電池寿命の低下を改善したり、また、低温特性を
さらに向上する電解液が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の要請に
応えるために、黒鉛などの高結晶性炭素を負極に用いた
場合であっても、溶媒の還元分解反応が抑制され、電池
寿命を向上し、電池にすぐれた充放電効率、負荷特性及
び低温特性を与える非水電解液の提供を目的とする。ま
た、この非水電解液を含む二次電池の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る非水電解液
は、下記一般式[1]で表されるスズ塩を含有する非水
溶媒と電解質とからなる非水電解液に関する。 Sn(X)m [1] (式[1]中、Xはアニオンを表わし、Xの価数が1の
ときm=2であり、Xの価数が2のときm=1である)
【0009】また、前記の非水溶媒が、前記一般式
[1]で表されるスズ塩と、下記一般式[2a]または
[2b]で表される環状炭酸エステルから選択される少
なくとも一種および/または鎖状炭酸エステルとから構
成されていると一層優れた非水電解液を提供することが
できる。
【化2】 (式[2a]または[2b]中、R1、R2は互いに同一
であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数
1〜6のアルキル基を示す)
【0010】さらに、これら非水電解液は、電解質とし
てのリチウム塩が溶解した非水電解液であると、一次電
池または二次電池用の電解液として有効に利用すること
ができる。
【0011】本発明は、また、負極活物質として金属リ
チウム、リチウム含有合金、リチウムイオンのドープ・
脱ドープが可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープ・
脱ドープが可能な酸化チタン、リチウムイオンのドープ
・脱ドープが可能なシリコン、リチウムイオンのドープ
・脱ドープが可能な炭素材料のいずれかを含む負極と、
正極活物質として遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リ
チウムと遷移金属の複合酸化物、導電性高分子材料、炭
素材料またはこれらの混合物のいずれかを含む正極と、
前記非水電解液とを含む二次電池に関する。
【0012】
【発明の具体的説明】次に、本発明に係る非水電解液お
よびこの非水電解液を用いた非水電解液二次電池につい
て具体的に説明する。本発明に係る非水電解液は、特定
のスズ塩を含有する非水溶媒と、電解質とからなってお
り、各々について詳述する。
【0013】スズ塩 本発明で非水溶媒に含有させるスズ塩としては一般式
[1]で表される化合物が使用される。 Sn(X)m [1] (式[1]中、Xはアニオンを表わし、Xの価数が1の
ときm=2であり、Xの価数が2のときm=1である)
【0014】Xとしては、PF6、BF4、CF3SO3
N(SO3CF32、N(SO3CF 2CF32、OR、
OOCR(Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリー
ル基、もしくは炭素数1〜6のハロゲンを含有するアル
キル基またはアリール基を示す)などが挙げられる。炭
素数1〜6のアルキル基またはアリール基、もしくは炭
素数1〜6のハロゲンを含有するアルキル基またはアリ
ール基としては、具体的にはメチル基、エチル基、ビニ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、1-メ
チルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、
1-メチル-2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル
基、フェニル基、および、上記のフッ素および/または
塩素の置換体などを挙げることができる。
【0015】添加剤の電解液への溶解性の点から、前記
一般式[1]で表わされるスズ塩は、Sn(PF62
Sn(BF42、Sn(CF3SO32であることが望
ましい。
【0016】このような前記一般式[1]で表されるス
ズ塩は、充電時における非水溶媒の還元分解反応を抑制
し充放電効率を改善する効果がある。
【0017】非 水 溶 媒 本発明では特に、前記一般式[1]で表わされるスズ塩
と下記一般式[2a]または[2b]で表される環状炭
酸エステルから選択される少なくとも一種および/また
は鎖状炭酸エステルとを含む非水溶媒を使用することが
望ましい。
【0018】使用できる非水溶媒としては、下記一般式
[2a]または[2b]で表される環状炭酸エステルの
少なくとも一種および/または鎖状炭酸エステルを挙げ
ることができる。
【化3】 式[2a]または[2b]中、R1、R2は互いに同一で
あっても異なっていてもよく、水素原子または炭素原子
数1〜6のアルキル基を示す。この中でアルキル基とし
ては、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、具体
的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基を例示する
ことができる。
【0019】本発明で使用される前記一般式[2a]ま
たは[2b]で表される環状炭酸エステルとして、具体
的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボ
ネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレ
ンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられ
る。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピ
レンカーボネートが好適に使用される。電池寿命の向上
を意図した場合は、特にエチレンカーボネートが好まし
い。また、これら環状炭酸エステルは2種以上混合して
使用してもよい。
【0020】本発明で使用される鎖状炭酸エステルとし
て具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカ
ーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチル
プロピルカーボネートなどが挙げられる。特に、粘度が
低い、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネートが好適に使用される。これら
鎖状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。
【0021】このような鎖状炭酸エステルが非水溶媒中
に含まれていると、非水電解液の粘度を低くすることが
可能となり、電解質の溶解度をさらに高め、常温または
低温での電気伝導性に優れた非水電解液とすることでき
る。このため電池の充放電効率、および、例えば、低温
における充放電効率や、低温における負荷特性のような
低温特性を改善することができる。
【0022】混合比率 本発明に係る非水電解液では、前記一般式[1]で表さ
れるスズ塩を含有する非水溶媒が使用される。前記一般
式[1]で表されるスズ塩は、一般に使われる非水溶媒
への添加剤として使用することができる。前記一般式
[1]で表されるスズ塩は非水溶媒全体(前記一般式
[1]で表されるスズ塩と非水溶媒との合計量)に対し
て0.001重量%以上、好ましくは0.01〜5重量
%、さらに好ましくは0.05〜2重量%、特に好まし
くは0.1〜1重量%の量で含まれることが望ましい。
【0023】このような混合割合で前記一般式[1]で
表されるスズ塩がそれを含む非水溶媒に含有されている
と、充電時に起こる溶媒の還元分解反応を低く抑えるこ
とができ、高温保存特性やサイクル特性などの電池寿命
の向上、電池の充放電効率の向上、および低温特性の改
善を図ることができる。
【0024】また、非水溶媒中に、前記一般式[2a]
または[2b]で表される環状炭酸エステルから選択さ
れる少なくとも一種と鎖状炭酸エステルとを同時に含む
場合の混合割合は、重量比で表して、前記一般式[2
a]または[2b]で表される環状炭酸エステルから選
択される少なくとも一種:鎖状炭酸エステルが、5:9
5〜80:20、好ましくは、10:90〜70:3
0、特に好ましくは15:85〜55:45である。こ
のような比率にすることによって、非水電解液の粘度上
昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができる為、
電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めること
ができる。
【0025】したがって、本発明に係わる好ましい非水
電解液は、前記一般式[1]で表されるスズ塩と、前記
一般式[2a]または[2b]で表される環状炭酸エス
テルから選択される少なくとも一種および/または前記
鎖状炭酸エステルと、電解質とを含むものである。
【0026】またそれらに加えて、通常電池用非水溶媒
として広く使用されている他の溶媒をさらに混合あるい
は少量添加して使用することも可能である。他の溶媒と
しては、具体的には、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プ
ロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉
草酸メチルなどの鎖状エステル、リン酸トリメチルなど
のリン酸エステル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエト
キシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メ
チルエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの鎖状エ
ーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒ
ドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-
1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソランなどの
環状エーテル、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メ
チル‐N,N‐ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメ
ート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、3-メチ
ル-γ-ブチロラクトン、2-メチル-γ-ブチロラクトンな
どの環状エステル、スルホランなどの環状スルホン、N
‐メチルオキサゾリジノンなどの環状カーバメート、N
‐メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N‐ジメチル
イミダゾリジノンなどの環状ウレア、4,4-ジメチル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル-
5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル
-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-メ
チレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-5-メ
チレンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-メチ
レンエチレンカーボネート、4,4-ジメチル-5-エチリデ
ンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-エチリ
デンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル- 5-
エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル-
5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-
エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピ
ル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブ
チル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジプロ
ピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-プロピル-
4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジ
ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-
4-ビニル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-
4-アリル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-
4-メトキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4
-メチル-4-アクリルオキシメチル-5-メチレンエチレン
カーボネート、4-メチル-4-アリルオキシメチル-5-メチ
レンエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、4-
ビニルエチレンカーボネート、4,4-ジビニルエチレンカ
ーボネート、4,5-ジビニルエチレンカーボネートなどの
ビニルエチレンカーボネート誘導体、4-ビニル-4-メチ
ルエチレンカーボネート、4-ビニル-5-メチルエチレン
カーボネート、4-ビニル-4,5-ジメチルエチレンカーボ
ネート、4-ビニル-5,5-ジメチルエチレンカーボネー
ト、4-ビニル-4,5,5-トリメチルエチレンカーボネート
などのアルキル置換ビニルエチレンカーボネート誘導
体、4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-
ジアリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアリ
ルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体、4-メチル
-4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチ
ル-5-アリルオキシメチルエチレンカーボネートなどの
アルキル置換アリルオキシメチルエチレンカーボネート
誘導体、4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネー
ト、4,5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートな
どのアクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導
体、4-メチル-4-アクリルオキシメチルエチレンカーボ
ネート、4-メチル-5-アクリルオキシメチルエチレンカ
ーボネートなどのアルキル置換アクリルオキシメチルエ
チレンカーボネート誘導体、スルホラン、硫酸ジメチル
などのような含イオウ化合物、トリメチルリン酸、トリ
エチルリン酸などの含リン化合物、および下記一般式で
表わされる化合物などを挙げることができる。 HO(CH2CH2O)aH、HO{CH2CH(CH3
O}b H、CH3O(CH 2CH2O)c H、CH3O{C
2CH(CH3)O}d H、CH3O(CH2CH2O)
e CH3、CH3O{CH2CH(CH3)O}f CH3
919PhO(CH 2CH2O)g {CH(CH3)O}
h CH3(Phはフェニル基)、CH3O{CH2CH
(CH3)O}iCO{O(CH3)CHCH2jOCH3 (前記の式中、a〜fは5〜250の整数、g〜jは2
〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦2
50である。)これらの溶媒は、1種または2種以上を
混合して使用することができる。
【0027】非 水 電 解 液 本発明の非水電解液は、前記一般式[1]で表されるス
ズ塩を含有する非水溶媒と電解質とからなっており、例
えば前記一般式[1]で表されるスズ塩を含む化合物を
含有する非水溶媒に電解質を溶解してなるものである。
使用される電解質としては、通常、非水電解液用電解質
として使用されているものであれば、いずれをも使用す
ることができる。
【0028】電解質の具体例としては、LiPF6、Li
BF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiC4
9SO3、LiC817SO3などのリチウム塩が挙げられ
る。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用する
ことができる。LiOSO23、LiN(SO24)(SO2
5)、LiC(SO26)(SO27)(SO 28)、LiN
(SO2OR9)(SO2OR10)(ここで、R3〜R10は、互
いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6
の少なくとも1個のフッ素原子を含有するアルキル基で
ある)これらの内、特に、LiPF6、LiBF4、LiO
SO23、LiN(SO24)(SO25)、LiC(SO2
6)(SO27)(SO28)、LiN(SO2OR9)(SO2
10)が好ましい。また、これらのリチウム塩のリチウ
ムをアルカリ金属で置換したアルカリ金属塩も使用する
ことができる。これらのリチウム塩またはアルカリ金属
塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使
用してもよい。
【0029】このような電解質は、通常、0.1〜3モ
ル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの
濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。
【0030】本発明における非水電解液は、前記一般式
[1]で表されるスズ塩を含有する非水溶媒と電解質と
を必須構成成分として含むが、必要に応じて他の添加剤
等を加えてもよい。
【0031】以上のような本発明に係る非水電解液は、
リチウムイオン二次電池用の非水電解液として好適であ
るばかりでなく、一次電池用の非水電解液としても用い
ることが出来る。
【0032】二 次 電 池 本発明に係る非水電解液二次電池は、負極と、正極と、
前記の非水電解液とを基本的に含んで構成されており、
通常負極と正極との間にセパレータが設けられている。
【0033】負極を構成する負極活物質としては、金属
リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱
ドーブすることが可能な酸化スズ、リチウムイオンをド
ーブ・脱ドーブすることが可能な酸化チタン、リチウム
イオンをドーブ・脱ドーブすることが可能なシリコン、
リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭
素材料のいずれを用いることができる。これらの中でも
リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭
素材料が好ましい。このような炭素材料は、グラファイ
トであっても非晶質炭素であってもよく、活性炭、炭素
繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビー
ズ、天然黒鉛などが用いられる。
【0034】負極活物質として、特にX線解析で測定し
た(002)面の面間隔(d002)が0.340nm
以下の炭素材料が好ましく、密度が1.70g/cm3
以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性
炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用する
と、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
【0035】正極を構成する正極活物質としては、Mo
2、TiS2、MnO2、V25などの遷移金属酸化物ま
たは遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2
4、LiNiO2、LiNixCo(1-x)2などのリチウム
と遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリ
チオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセ
ン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体
などの導電性高分子材料等が挙げられる。これ等の中で
も、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好
ましい。負極がリチウム金属またはリチウム合金である
場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。ま
た、正極として、リチウムと遷移金属の複合酸化物と炭
素材料との混合物を用いることもできる。
【0036】セパレータは多孔性の膜であって、通常微
多孔性ポリマーフィルムが好適に使用される。特に、多
孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多
孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィ
ルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロ
ピレンとの多層フィルムを例示することができる。
【0037】このような非水電解液二次電池は、円筒
型、コイン型、角型、その他任意の形状に形成すること
ができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず同じ
であり、目的に応じて設計変更を施すことができる。次
に、円筒型およびコイン型電池の構造について説明する
が、各電池を構成する負極活物質、正極活物質およびセ
パレータは、前記したものが共通して使用される。
【0038】例えば、円筒型非水電解液二次電池の場合
には、負極集電体に負極活物質を塗布してなる負極と、
正極集電体に正極活物質を塗布してなる正極とを、非水
電解液を注入したセバレータを介して巻回し、巻回体の
上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納されてい
る。
【0039】また、本発明に係る非水電解液二次電池
は、コイン型非水電解液二次電池にも適用することがで
きる。コイン型電池では、円盤状負極、セパレータ、円
盤状正極、およびステンレスの板が、この順序に積層さ
れた状態でコイン型電池缶に収納されている。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例を通して本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0041】
【実施例1】<非水電解液の調製>プロピレンカーボネ
ート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、
PC:DEC=55:45(重量比)の割合で混合した
後、この混合溶媒99重量部に対して、Sn(CF3
32を1重量部添加し、Sn(CF3SO32の含有
量が非水溶媒全体(PCとDECとSn(CF3SO3
2との合計量)に対して1重量%となるよう非水溶媒を
調製した。次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶
解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように
非水電解液を調製した。
【0042】<負極の作製>大阪ガス(株)製のメソカ
ーボンマイクロビーズ(商品名;MCMB6−28、d
002=0.337nm、密度2.17g/cm3)の
炭素粉末90重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)10重量部とを混合し、溶剤のN‐
メチルピロリドン(NMP)に分散させ、ペースト状の
負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラ
リーを厚さ20μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布
し、乾燥させて帯状の炭素負極を得た。乾燥後の負極合
剤の厚さは25μmであった。さらに、この帯状電極を
直径15mmの円盤状に打ち抜いた後、圧縮成形して負
極電極とした。
【0043】<正極の作製>本庄ケミカル(株)製のL
iCoO2(製品名:HLC−21、平均粒径8μm)
微粒子91重量部と、導電材としてのグラファイト6重
量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVD
F)3重量部とを混合して正極合剤を調製し、N‐メチ
ルピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリー
を得た。このスラリーを厚さ20μmの帯状アルミニウ
ム箔製正極集電体に塗布し、乾燥させ、圧縮成形によっ
て帯状正極を得た。乾燥後の正極合剤の厚さは40μm
であった。その後、この帯状電極を直径15mmの円盤
状に打ち抜くことによって正極電極とした。
【0044】<電池の作製>このようにして得られた円
盤状負極および円盤状正極、さらに厚さ25μm、直径
19mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできた
セパレータを用意した。ステンレス製の2032サイズ
の電池缶内に、負極、セパレータ、正極の順序で各々を
積層した後、セパレータに前記非水電解液を注入した。
その後、電池缶内にステンレス製の板(厚さ2.4m
m、直径15.4mm)を収納し、さらにポリプロピレ
ン製のガスケットを介して、電池缶(蓋)をかしめた。
この結果、電池内の気密性が保持でき、直径20mm、
高さ3.2mmのボタン型非水電解液二次電池が得られ
た。
【0045】<充放電効率の測定>このようにして得ら
れた二次電池の充放電効率を室温にて次の方法で測定し
た。なお、本実施例では、負極にLiイオンがドープさ
れる電流方向を充電、脱ドープされる電流方向を放電と
した。充電は、4.1V、1mA定電流定電圧充電方法
で行い、充電電流が50μA以下になった時点で終了と
した。放電は、1mAの定電流で行い、電圧が2.7V
に達した時点で終了した。この充放電サイクルの充電容
量と放電容量とから、次式により充放電効率を計算し、
その結果を表1に示した。 充放電効率(%)={放電容量(mAh/g)}/{充
電容量(mAh/g)}×100
【0046】
【比較例1】実施例1において、スズ塩を添加しなかっ
た以外は、実施例1と同様にして、非水電解液の調製お
よび電池の作製を行い、実施例1と同様にして電池の充
放電効率を評価した。結果を表1に表わす。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の非水電解液は、黒鉛などの高結
晶性炭素を負極に用いた場合に起こる溶媒の還元分解反
応を低く抑制することができる。その結果、この非水電
解液を用いた二次電池は、高温保存特性やサイクル特性
などの電池寿命、充放電特性、負荷特性、低温における
電池特性に優れている。従って、この非水電解液は、リ
チウムイオン二次電池用の非水電解液として特に好適で
ある。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1]で表されるスズ塩を含有
    する非水溶媒と電解質とからなることを特徴とする非水
    電解液。 Sn(X)m [1] (式[1]中、Xはアニオンを表わし、Xの価数が1の
    ときm=2であり、Xの価数が2のときm=1である)
  2. 【請求項2】 前記一般式[1]で表される化合物に
    おいて、Xは、PF 6、BF4、CF3SO3、N(SO3
    CF32、N(SO3CF2CF32、OR、OCOR、
    OCOOR(式中Rは炭素数1〜6のアルキル基または
    アリール基、もしくは炭素原子数1〜6のハロゲンを含
    有するアルキル基またはアリール基を示す)であること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  3. 【請求項3】 前記一般式[1]で表される化合物に
    おいて、XはPF6、BF4、CF3SO3のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  4. 【請求項4】 前記の非水溶媒が、前記一般式[1]
    で表されるスズ塩と、一般式[2a]または[2b]で
    表される環状炭酸エステルから選択される少なくとも一
    種および/または鎖状炭酸エステルとからなることを特
    徴とする請求項1〜3記載の非水電解液。 【化1】 (式[2a]または[2b]中、R1、R2は互いに同一
    であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数
    1〜6のアルキル基を示す)
  5. 【請求項5】 前記一般式[2a]または[2b]で
    表される環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、
    プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたは
    ビニレンカーボネートのいずれかであることを特徴とす
    る請求項4記載の非水電解液。
  6. 【請求項6】 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカ
    ーボネート、ジエチルカーボネート、またはメチルエチ
    ルカーボネートのいずれかであることを特徴とする請求
    項4〜5記載の非水電解液。
  7. 【請求項7】 前記一般式[1]で表されるスズ塩
    が、非水溶媒中に0.01〜5重量%含まれていること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解
    液。
  8. 【請求項8】 電解質がリチウム塩であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の非水
    電解液を含む二次電池。
  10. 【請求項10】 負極活物質として金属リチウム、リ
    チウム含有合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが
    可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープ・脱ドープが
    可能な酸化チタン、リチウムイオンのドープ・脱ドープ
    が可能なシリコン、リチウムイオンのドープ・脱ドープ
    が可能な炭素材料のいずれかを含む負極と、正極活物質
    として遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷
    移金属の複合酸化物、導電性高分子材料、炭素材料また
    はこれらの混合物のいずれかを含む正極と、請求項1〜
    8のいずれかに記載の非水電解液とを含むことを特徴と
    するリチウムイオン二次電池。
  11. 【請求項11】 前記リチウムイオンのドープ・脱ド
    ープが可能な炭素材料が、X線解析で測定した(00
    2)面における面間隔距離(d002)が、0.340
    nm以下であることを特徴とする請求項10記載のリチ
    ウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8124273B2 (en) 2005-08-22 2012-02-28 Ube Industries, Ltd. Nonaqueous electrolyte solution and lithium secondary battery using same

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