JP2000292602A - レンズアレイの製造方法およびレンズアレイ - Google Patents

レンズアレイの製造方法およびレンズアレイ

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JP2000292602A
JP2000292602A JP11098706A JP9870699A JP2000292602A JP 2000292602 A JP2000292602 A JP 2000292602A JP 11098706 A JP11098706 A JP 11098706A JP 9870699 A JP9870699 A JP 9870699A JP 2000292602 A JP2000292602 A JP 2000292602A
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lenses
lens
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Hisayoshi Fujimoto
久義 藤本
Toshihiko Takakura
敏彦 高倉
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学特性の優れたレンズアレイを生産効率良
く、安価に製造できるようにする。 【解決手段】凸状または凹状の屈折面11a,11bを
有する複数のレンズ11と、これら複数のレンズ11ど
うしを繋ぐホルダ部12とを、透光性を有する合成樹脂
により一体成形する工程と、ホルダ部12にレーザ加工
を施すことにより、複数のレンズどうしの間に凹部14
を形成する工程と、を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、レンズアレイの
製造方法およびレンズアレイに関し、さらに詳しくは、
たとえば、密着型イメージセンサなどの光学装置におい
て、原稿の画像をライン状に配置された受光素子上に結
像させるなどの目的に用いられるレンズアレイを製造す
るためのレンズアレイの製造方法およびその製造方法に
よって製造されたレンズアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、ラインイメージセンサに
おいては、ライン状に並べられた複数の受光素子を利用
して、原稿の画像を主走査方向に1ライン分ずつ読み取
っている。したがって、原稿の画像を上記複数の受光素
子上に結像させるための光学レンズとしては、主走査方
向に複数のレンズが並べられたレンズアレイを用いる必
要がある。
【0003】そこで、従来では、図15に示すようなレ
ンズアレイ9がある。このレンズアレイ9は、一定方向
に延びる細長なブロック状のホルダ部90に、円柱状の
複数のセルフォックレンズ(ロッドレンズ)91を保持
させたものであり、これら複数のセルフォックレンズ9
1は、ホルダ部90の長手方向に一定間隔で列状に配列
されている。各セルフォックレンズ91は、図16に示
すように、たとえば物体a→bの正立等倍像a’→b’
を得ることが可能である。
【0004】各セルフォックレンズ91は、その内部に
おいて入射光を蛇行させるように、その内部の屈折率は
その半径方向外方ほど大きくなるように異ならせたもの
である。このため、従来において、レンズアレイ9を製
造するには、まず複数のセルフォックレンズ91を個々
に製作した後に、インサート成形の手法を用いることに
より、それら複数のセルフォックレンズ91をホルダ部
90内に埋設させるようにしてホルダ部90を樹脂成形
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法においては、レンズの製造工程とホルダ部
の樹脂成形工程とが個別に行われているために、それら
一連の作業が非常に煩雑なものとなっていた。とくに、
個々のレンズは微小なサイズとされるのが一般的であ
り、しかも1つのレンズアレイに用いられるレンズの総
数も多いために、金型を用いてホルダ部を樹脂成形する
ときに、その金型内の所定箇所に多数のレンズを位置決
め配置する作業は、甚だ面倒なものとなっていた。した
がって、従来では、レンズアレイの生産性が悪く、その
製造コストが高価となっていた。
【0006】また、従来においては、セルフォックレン
ズとは異なるレンズ、たとえばガラス製の複数の凸レン
ズや、一定寸法に切断された光学繊維からなるレンズ
を、樹脂製のホルダ部に埋設したレンズアレイもある。
ところが、このようなレンズアレイにおいても、上記し
たセルフォックレンズと同様に、多数のレンズを個々に
製作した後に、それら多数のレンズをインサート成形の
手法を用いてホルダ部内に埋設するように製造されてい
たために、やはり上記したのと同様に、その製造コスト
が高価になるという問題があった。
【0007】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、光学特性の優れたレンズアレイ
を生産効率良く、安価に製造できるようにすることをそ
の課題としている。
【0008】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】本願発明の第1の側面によって提供される
レンズアレイの製造方法は、凸状または凹状の屈折面を
有する複数のレンズと、これら複数のレンズどうしを繋
ぐホルダ部とを、透光性を有する合成樹脂により一体成
形する工程と、上記ホルダ部にレーザ加工を施すことに
より、上記複数のレンズどうしの間に凹部を形成する工
程と、を有していることを特徴としている。
【0010】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記複数のレンズは、列状に並んでいるとともに、
上記凹部は、上記レンズの列方向と交差する方向に延び
る凹溝状である。好ましくは、上記凹部の幅は、0.2
mm以下である。
【0011】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記複数のレンズは、一定方向に延びる複数列に
並んでいるとともに、上記凹部は、上記複数のレンズの
それぞれを取り囲んでいる。
【0012】本願発明の第1の側面によって提供される
レンズアレイの製造方法によれば、複数のレンズとホル
ダ部とが一括して同時に成形されるために、複数のレン
ズをホルダ部とは別個に製造してからホルダ部内に組み
込んでいた従来の製造方法と比較すると、レンズアレイ
の生産性が高くなり、製造コストの大幅な低減化を図る
ことができる。また、ホルダ部には複数のレンズどうし
の間に位置する凹部を形成するために、この凹部を利用
して複数のレンズどうしを光学的に分離させることが可
能となる。すなわち、たとえば1つのレンズに入射した
光がその隣りのレンズに混入(クロストーク)すること
を上記凹部によって防止することが可能となる。したが
って、ホルダ部が透光性を有することに起因して、レン
ズアレイとしての光学的な機能に不備が生じないように
することもできる。さらに、上記凹部は、レーザ加工に
より形成するために、金型を利用した樹脂成形では困難
な寸法および形状に上記凹部を微細加工することが可能
となる。より具体的には、金型を利用して上記凹部を形
成する場合には、その幅をたとえば0.4mm程度に形
成するのが限界であるのに対し、本願発明によれば、上
記凹部をたとえば0.2mm以下の細幅な凹溝状に形成
するなどして、互いに隣り合うレンズどうしの間隔を狭
めることができる。そして、このように複数のレンズど
うしの間隔を狭めれば、それだけ複数のレンズによって
効率良く光を受けることが可能となって、レンズを利用
して結像される画像を明るくすることができるととも
に、各レンズの縮小化が図れることにより、レンズの焦
点深度を深め、ピンぼけの少ない良質の画像を結像させ
ることができるという利点も得られることとなる。レン
ズを複数列に並べた場合には、結像画像をより明るくす
ることが可能となる。
【0013】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記レーザ加工は、エキシマレーザやパルス炭酸ガ
スレーザなどの光化学加工が可能なレーザを利用して行
う。このような構成によれば、レーザビームの熱エネル
ギのみを利用したレーザ加工とは異なり、レーザビーム
が照射される部分が高温になることを抑制することがで
きる。したがって、ホルダ部や各レンズが熱によって大
きなダメージを受けないようにすることができる。
【0014】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記凹部を規定する壁面を、黒色またはそれに近
い暗色系の遮光材によって覆う工程をさらに有してい
る。このような構成によれば、1つのレンズからその側
方に漏れ出ようとする光を遮光材によって吸収させ、隣
りのレンズのクロストークとして入り込むことをより確
実に防止することができる。
【0015】本願発明の第2の側面によれば、レンズア
レイが提供される。このレンズアレイは、本願発明の第
1の側面によって提供されるレンズアレイの製造方法に
より製造されたことを特徴としている。このような構成
のレンズアレイによれば、本願発明の第1の側面によっ
て得られるのと同様な効果が期待できる。
【0016】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろ
う。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】図1は、レンズアレイ中間品の一例を示す
斜視図である。図2は、図1のII−II断面図である。図
3(a),(b)は、図1および図2に示すレンズアレ
イ中間品を樹脂成形する工程を示す断面図である。図4
は、レンズアレイ中間品に凹部を形成した状態を示す断
面図である。図5は、図4の要部平面図である。図6
は、製造されたレンズアレイの一例を示す斜視図であ
る。図7は、図6のVII −VII 断面図である。
【0019】レンズアレイを製造するには、まず図1お
よび図2に示すような形態をもつレンズアレイ中間品
1’を作製する。このレンズアレイ中間品1’は、全体
が透光性を有する合成樹脂により成形されたものであ
る。その具体的な材質としては、透明度、機械強度およ
び耐熱強度にすぐれたPMMA(ポリメタクリル酸メチ
ル(メタクリル樹脂))、あるいはPC(ポリカーボネ
ート)が好適に採用される。レンズアレイ中間品1’
は、複数のレンズ11と、これら複数のレンズ11どう
しを繋ぐホルダ部12とを備えており、全体として、横
幅がレンズ11の直径よりも大きい横断面矩形状をした
長尺ブロック状を呈している。ホルダ部12の長手方向
両端部の各底面部には、凹部13が設けられている。こ
の凹部13は、後述するように、本実施形態の製造方法
によって製造されたレンズアレイを他のレンズアレイと
組み合わせるのに利用される部分である。
【0020】複数のレンズ11は、ホルダ部12の長手
方向に一定ピッチで1列に並べられている。各レンズ1
1は、ホルダ部12の上面または下面よりも上方または
下方に膨出した屈曲面としてのレンズ面11a,11b
を有するものであり、両凸レンズとして構成されてい
る。レンズ面11aは、光入射面とされるのに対し、レ
ンズ面11bは、光出射面とされる。各レンズ面11
a,11bは、球面または非球面のいずれであってもよ
い。ただし、球面にすれば、製作が容易となる。また、
非球面にすれば、収差を少なくすることができる。レン
ズアレイ中間品1’の複数のレンズ11は、たとえばそ
のピッチpが0.75mm、レンズ面11aの直径Da
が0.6mm、レンズ面11bの直径Dbが0.75m
mとされている。したがって、互いに隣り合うレンズ面
11aどうしの中間には、0.15mm幅の平面部分が
存在するのに対し、レンズ面11bどうしは互いに接し
た形態となっている。ホルダ部12は、複数のレンズ1
1を取り囲むようにして複数のレンズ11と一体的に繋
がった部分である。
【0021】上記した構成のレンズアレイ中間品1’の
製造は、たとえば図3(a)に示すような構造の上下一
対の金型6a,6bを用いて行う。金型6a,6bは、
各レンズ11の面11a,11bに対応する複数の凹部
11a',11b'、ホルダ部12の外形をかたちどるため
の複数の壁面12’、および凹部13を形成するための
凸部13’を具備している金型6a,6bの供給路60
からそのキャビティ61内に透光性を有する樹脂を充填
し、その成形を行うと、図3(b)に示すように、上記
した構成のレンズアレイ中間品1’を得ることができ
る。
【0022】レンズアレイ中間品1’の作製後には、図
4に示すように、ホルダ部12に複数の凹部14を形成
する。各凹部14は、互いに隣り合うレンズ11どうし
の間に位置して上面部が開口した有底の凹溝状である。
図5に示すように、各凹部14は、レンズ11の列方向
と交差する方向に延びた細幅な形状を有している。各凹
部14の幅s1は、たとえば0.15mmである。
【0023】各凹部14は、エキシマレーザやパルス炭
酸ガスレーザなどの光化学加工が可能なレーザを利用し
たレーザ加工により形成する。ここで、光化学加工と
は、レーザビームの熱エネルギによる作用ではなく、光
学的な作用により加工対象物の材料の結合を分子レベル
で解除または破壊し得る加工である。光化学加工が可能
なレーザを利用すれば、レーザ加工部分の温度があまり
高くならないようにすることができ、複数のレンズ11
やホルダ部12に熱によるダメージを与えないようにす
ることができる。また、レーザ加工によれば、微細加工
が可能である。したがって、各凹部14をたとえば幅s
1が0.15mm、深さが1mm程度の細幅な凹溝状に
適切に形成することができる。金型を用いた樹脂成形に
よって凹部14を形成しようとすれば、金型の薄肉化に
は限度があることに起因して、凹部14をせいぜい0.
4mm程度まで細幅にできるのが限界であり、適当な深
さをもつ凹部を0.2mm以下の幅に形成することは不
可能に近い。これに対し、レーザ加工によれば、各凹部
14を0.2mm以下の幅に簡単に形成することができ
る。本実施形態においては、既述したとおり、各レンズ
11のピッチ間隔を非常に小さくしているが、これは各
レンズ11間に設けられる凹部14を細幅にできるが故
に達成されたものである。なお、レーザ加工によって凹
部を形成する場合には、その凹部を規定する側壁面が多
少のテーパ状となる。したがって、各凹部14の上面開
口部分の幅s1が0.15mmとされていても、その底
部の幅はそれよりも幅狭となっている。
【0024】レンズアレイ中間品1’に各凹部14を形
成した後には、図7によく表れているように、各凹部1
4を規定する側壁面14aおよび底面14bを遮光材1
5によって覆う。これにより、レンズアレイ1の製造が
完了する。側壁面14aおよび底面14bを遮光材15
によって覆うための手段としては、たとえば、側壁面1
4aや底面14bに黒色またはそれに近い暗色系の塗料
を用いて塗膜を形成する手段、あるいはそれと同様な色
彩の部材(図示略)を凹部14に入れる手段を用いるこ
とができる。塗膜を形成する手段としては、たとえばレ
ンズ面11a,11bにマスクを施した状態でレンズア
レイ中間品1’を塗料液中に浸漬させたり、あるいはレ
ンズアレイ中間品1’に塗料を吹きつけてから、その塗
膜の乾燥後にマスクを除去するなどの手法を用いること
ができる。本実施形態においては、ホルダ部12のう
ち、凹部14が形成された箇所以外の上面部分も遮光材
15によって覆っている。
【0025】次に、上記したレンズアレイ1の使用列に
ついて説明する。図8は、製造されたレンズアレイの一
使用例を示す断面図である。図9は、その作用説明図で
ある。
【0026】図8に示すように、レンズアレイ1は、他
のレンズアレイ2と組み合わせることにより、レンズア
レイアッセンブリAを構成するのに利用される。このレ
ンズアレイアッセンブリAは、後述するように、正立等
倍像を得ることができる。
【0027】レンズアレイ2は、レンズアレイ1と同様
に、1列に並べられた複数のレンズ21と、これら複数
のレンズ21どうしを繋ぐホルダ部22とを有するとと
もに、これら複数のレンズ21とホルダ部22とを透光
性を有する合成樹脂によって一体成形して製造されたも
のである。ただし、各レンズ21の2つのレンズ面21
a,21bの直径は、いずれも各レンズ11のレンズ面
11bと同一寸法とされている。また、レンズアレイ2
は、レンズアレイ1とは異なり、凹部14や遮光材15
を具備しない構成とされている。さらに、レンズアレイ
2の長手方向両端部には、レンズアレイ1の凹部13に
嵌合可能な凸部23が設けられている。したがって、レ
ンズアレイ2は、金型を用いた樹脂成形のみによって形
成することが可能であり、レンズアレイ1よりもさらに
その製造コストを安価にすることができる。レンズアレ
イアッセンブリAは、凹部13に凸部23が嵌合するよ
うにして2つのレンズアレイ1,2が積層されており、
各レンズ11と各レンズ12との光軸Cが互いに合わせ
られている。
【0028】上記したレンズアレイアッセンブリAにお
いては、図9に示すように、始点Sから出発した光は、
レンズアレイ1のレンズ11を通過した後、第2のレン
ズアレイ2のレンズ21を通過する。すなわち、始点S
から出発した光は、屈折面である4つのレンズ面11
a,11b,21a,21bを順次通過する際に所定の
屈折作用を受けて結像点Rに到達する。この場合、光軸
Cを合わせた凸レンズとしての2つのレンズ11,21
により、セルフォックレンズにみられる光の蛇行現象と
同等の現象が得られ、レンズアレイ1に対する光の入射
側の所定距離にある物体(a→b→c)の正立等倍像
(a’→b’→c’)が出射側の所定距離の位置に形成
されるのである。したがって、上記したレンズアレイア
ッセンブリAは、たとえば密着型センサやその他のライ
ンイメージセンサにおいて、原稿の正立等倍像をライン
状の受光素子上に結像させる用途に好適となる。
【0029】また、レンズアレイアッセンブリAにおい
ては、各レンズ11,21の直径が小さくされていると
ともに、レンズアレイ1の各凹部14の幅が小さくされ
ていることにより、複数のレンズ11,21の各ピッチ
も非常に細かいピッチとされている。したがって、各レ
ンズ11,21の小径化により収差を少なくし、また物
体から進行してレンズ11に入射する光の角度(画角)
を小さくして焦点深度を深めることができ、ピンぼけの
少ない正立等倍像を得ることが可能となる。また、レン
ズ11,21の密度が高まるために、レンズ11,21
を透過する光量を多くして正立等倍像を明るくすること
も可能となる。
【0030】レンズアレイアッセンブリAにおいては、
始点Sからレンズアレイ1に向けて進行した光がレンズ
11のレンズ面11a以外の領域からレンズ11内に入
り込むことは、凹部14の遮光材15によって防止され
る。さらに、レンズ11内に入り込んだ光がその隣りの
レンズ11に向けて入り込むことも遮光材15によって
防止される。このように、凹部14の遮光材15は、互
いに隣り合うレンズ11どうしを光学的に分離させる機
能を発揮する。したがって、レンズ11間の光のクロス
トークが効果的に防止される。なお、レンズアレイ2に
は、凹部14や遮光材15が設けられていないが、この
ような構成であってもレンズアレイ2の複数のレンズ2
1どうし間においてはクロストークが生じないようにし
て、画像劣化を充分に防止できることが確認されてい
る。また、本実施形態においては、レンズアレイ1の光
入射面としてのレンズ面11aよりも他のレンズ面11
b,21a,21bを大径にしているために、レンズ面
11aから入射した光を最終のレンズ面21bから無駄
にすることなく結像点Rに導くことができ、結像画像を
より明るくすることができる。
【0031】上記したように、レンズアレイ1は、優れ
た画質の正立等倍像を得るための部品として好適な使用
が行える。もちろん、レンズアレイ1は、倒立像を結像
させるための既存の凸レンズアレイの代替品として用い
ることも可能であり、この場合においても複数のレンズ
11間においてクロストークを生じないようにできる。
その一方、レンズアレイ1は、上述したとおり、金型6
a,6bを用いた通常の樹脂成形工程を経た後に、レー
ザ加工による凹部14の形成、および遮光材15を設け
る作業を施すだけで簡単に製造することができ、その製
造コストを非常に安価にすることができる。とくに、凹
部14の形成をレーザ加工により行っており、凹部14
を幅狭に形成することができるために、レンズピッチの
縮小化が実現でき、光学特性の優れたレンズアレイを提
供することができるのである。
【0032】図10は、本願発明によって製造されたレ
ンズアレイの他の例を示す断面図である。なお、図10
以降の図において、先の実施形態と同一または類似の要
素については、同一符号で示している。
【0033】図10に示すレンズアレイ1Aは、ホルダ
部12の下面側に、このレンズアレイ1Aの厚み方向に
没入する凹溝状の凹部14を形成するとともに、ホルダ
部12の上面には、レンズ面11aを除く領域を覆う黒
色またはそれに近い暗色系の遮光材17を設けた構成と
されている。ホルダ部12の下面は、レンズアレイ1A
の使用時において光の出射側となる面である。このよう
に、本願発明においては、凹部14を光の出射側となる
面に形成してもかまわない。このような構成において
も、先の実施形態のレンズアレイ1と同様に、複数のレ
ンズ11間にクロストークを生じさせないようにして好
適な使用が行える。
【0034】図11は、本願発明によって製造されたレ
ンズアレイの他の例を示す斜視図である。図12は、図
11のXII −XII 線断面図である。図13は、図11お
よび図12に示すレンズアレイを製造するための工程を
示す斜視図である。図14は、図11および図12に示
すレンズアレイを製造するための工程を示す平面図であ
る。
【0035】図11に示すレンズアレイ1Bは、複数の
レンズ11をホルダ部12の長手方向に延びる複数列
(たとえば3列)に並べた構成を有している。凹部14
は、複数のレンズ11のそれぞれの周囲を取り囲む広い
領域にわたって一連に設けられている。したがって、各
レンズ11は、そのレンズ面11a側の略円筒状の一部
分が凹部14の底面部分から立ち上がった形態となって
いる。図12によく表れているように、凹部14を規定
する壁面(レンズ11の一部外周面も含む)14a,1
4bは、たとえば黒色またはそれに近い暗色系の塗膜か
らなる遮光材15によって覆われている。
【0036】上記構成のレンズアレイ1Bを製造するに
は、図13に示すように、まず複数列に並べられた複数
のレンズ11とホルダ部12とを、透光性を有する合成
樹脂によって一体成形したレンズアレイ中間品1B’を
作製する。このレンズアレイ中間品1B’の作製は、や
はり金型を用いた通常の樹脂成形作業により簡単に行う
ことができる。次いで、上記レンズアレイ中間品1B’
には、エキシマレーザやパルス炭酸ガスレーザを利用し
たレーザ加工により凹部14を形成する。このレーザ加
工は、たとえば凹部14の形成領域(図14のクロスハ
ッチングで示す領域)と同一パターンに形成されたマス
ク(図示略)を、レーザのエネルギ密度が低い部分に設
けておき、上記マスクのパターンをレンズアレイ中間品
1B’に縮小投影させるようにレーザビームを照射して
行う。これにより、複数のレンズ11のそれぞれを適切
に取り囲む複雑な形状の凹部14を形成することができ
る。もちろん、上記したレーザ加工によれば、互いに隣
り合うレンズ11どうしの間の寸法が非常に狭い場合で
あっても、その領域に凹部を適切に形成することができ
る。したがって、複数のレンズ11のピッチをレンズの
列方向とそれに交差する方向とのいずれの方向において
も小さくすることができる。凹部14の形成後には、塗
装手段などによって遮光材15を設ければよく、これに
よって上記したレンズアレイ1Bを得ることができる。
【0037】レンズアレイ1Bにおいても、上記したレ
ンズアレイ1,1Aと同様に、複数のレンズ11どうし
が凹部14の遮光材15によって光学的に分離されてい
るために、クロストークを生じさせないようにして、所
望の画像を結像させる用途に用いることができる。ま
た、その場合、複数のレンズ11は、レンズの列方向と
交差する方向に並ぶ複数のレンズ11のそれぞれによっ
て、所定の結像点に同一の画像を重ね合わせるようにし
て結像させることができるために、レンズ11を1列に
設けた場合よりも結像画像を明るくすることができると
いう利点が得られる。
【0038】このように、本願発明においては、複数の
レンズ11は、複数列に並べられるように形成してもか
まわない。また、凹部14は、細長な凹溝状である必要
もなく、上記したように各レンズ11を取り囲むように
して一連に繋がった形状のものであってもよい。
【0039】もちろん、本願発明の範囲は、上述した実
施形態に限定されるものではない。実施形態では、各レ
ンズを両凸レンズとして形成しているが、本願発明はこ
れに代えて、片凸レンズとして形成してもよいことは勿
論のこと、凹レンズとして形成してもかまわない。凹レ
ンズアレイは、凸レンズアレイと組み合わせて用いるこ
とにより、色収差を無くすのに好適に利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズアレイ中間品の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】(a),(b)は、図1および図2に示すレン
ズアレイ中間品を樹脂成形する工程を示す断面図であ
る。
【図4】レンズアレイ中間品に凹部を形成した状態を示
す断面図である。
【図5】図4の要部平面図である。
【図6】製造されたレンズアレイの一例を示す斜視図で
ある。
【図7】図6のVII −VII 断面図である。
【図8】製造されたレンズアレイの一使用例を示す断面
図である。
【図9】作用説明図である。
【図10】本願発明によって製造されたレンズアレイの
他の例を示す断面図である。
【図11】本願発明によって製造されたレンズアレイの
他の例を示す斜視図である。
【図12】図11のXII −XII 線断面図である。
【図13】図11および図12に示すレンズアレイを製
造するための工程を示す斜視図である。
【図14】図11および図12に示すレンズアレイを製
造するための工程を示す平面図である。
【図15】従来のレンズアレイの一例を示す斜視図であ
る。
【図16】図15に示すレンズアレイの要部断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1A,1B レンズアレイ 11 レンズ 11a レンズ面(屈折面) 11b レンズ面(屈折面) 12 ホルダ部 14 凹部 15 遮光材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸状または凹状の屈折面を有する複数の
    レンズと、これら複数のレンズどうしを繋ぐホルダ部と
    を、透光性を有する合成樹脂により一体成形する工程
    と、 上記ホルダ部にレーザ加工を施すことにより、上記複数
    のレンズどうしの間に凹部を形成する工程と、 を有していることを特徴とする、レンズアレイの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記複数のレンズは、列状に並んでいる
    とともに、上記凹部は、上記レンズの列方向と交差する
    方向に延びる凹溝状である、請求項1に記載のレンズア
    レイの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記凹部の幅は、0.2mm以下であ
    る、請求項2に記載のレンズアレイの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記複数のレンズは、一定方向に延びる
    複数列に並んでいるとともに、上記凹部は、上記複数の
    レンズのそれぞれを取り囲んでいる、請求項1に記載の
    レンズアレイの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記レーザ加工は、エキシマレーザやパ
    ルス炭酸ガスレーザなどの光化学加工が可能なレーザを
    利用して行う、請求項1ないし4に記載のレンズアレイ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記凹部を規定する壁面を、黒色または
    それに近い暗色系の遮光材によって覆う工程をさらに有
    している、請求項1ないし5のいずれかに記載のレンズ
    アレイの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のレ
    ンズアレイの製造方法により製造されたことを特徴とす
    る、レンズアレイ。
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