JP2000292168A - 地中掘進機の位置計測装置 - Google Patents

地中掘進機の位置計測装置

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JP2000292168A
JP2000292168A JP10428299A JP10428299A JP2000292168A JP 2000292168 A JP2000292168 A JP 2000292168A JP 10428299 A JP10428299 A JP 10428299A JP 10428299 A JP10428299 A JP 10428299A JP 2000292168 A JP2000292168 A JP 2000292168A
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Japan
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light source
point
measurement unit
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JP10428299A
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English (en)
Inventor
Yasushi Minomoto
泰 美野本
Yoshiaki Shimomura
義昭 下村
Takeshi Kamei
亀井  健
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測時に検出対象外の光源の光が計測ユニッ
トに入射しても、計測の信頼性を低下させるようなこと
がない地中掘進機の位置計測装置を提供する。 【解決手段】 計測基点、中間計測点及び被計測点を順
次設定して前方、後方の光源41,42からの拡散光を
集光する共通のレンズ411と集光した光の受光位置を
検出する位置検出素子412−1,412−2とその検
出結果を処理するコントローラ43とレンズに入射しよ
うとする拡散光を透過しレンズで集光した光を各位置検
出素子に導く反射プリズム413−1,413−2と各
反射プリズムで拡散光が前方、後方に向けられる光源4
1,42とを有する計測ユニット400を各計測点に設
置して、各計測ユニットでの検出結果と各計測ユニット
間の距離に基づいて計測基点に対する被計測点の位置を
計測し、その際、位置検出素子の各画素中から最大検出
値を出力する画素を選別し、同画素及びその周辺の画素
の検出値に基づいて光の受光位置をコントローラ43で
算出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲線経路を掘進す
る地中掘進機における掘進位置の計測に用いられる地中
掘進機の位置計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下坑を掘削しながら地中を掘進する地
中掘進機でカーブした地下坑を掘削するには、地中掘進
機が計画路線(予め設定された掘進経路)に沿って正し
く掘進しているかどうかを知るため、その掘進位置を確
認しなければならない。この種の地中掘進機としては、
人が入れない小口径の管を地中に埋設する小口径管推進
機、人が入れる大口径の管を地中に埋設するセミシール
ド機さらにはシールド掘進機を挙げることができる。
【0003】地中掘進機の掘進位置を確認するには、通
常、発進立坑等の地中掘進機の掘進の出発点となる地点
及び地中掘進機内にそれぞれ計測基点及び被計測点を設
定するとともに、地中掘進機の掘進の進展に応じてこれ
らの中間位置の掘進経路上に適宜中間計測点を設定す
る。そして、後に詳述するように、これらの計測点間の
各距離を計測するほか、中間計測点とこれに隣接する両
側の計測点とをそれぞれ結ぶ二つの線分同士の角度を順
次計測し、これらの計測結果に基づいて地中掘進機の掘
進位置を演算により求めるようにしている。こうした所
定の計測点を頂点とする二つの線分同士の角度を計測す
るには、両線分同士の内角及び外角の何れを計測しても
よく、その角度関係を一義的に特定できるような角度に
関する値が計測できればその目的が果たせる。この明細
書では、このような二つの線分同士の角度関係を特定し
得るような角度に関する値を偏角と称している。
【0004】地中掘進機の位置計測においては、これま
で、こうした偏角を計測するのに、トランシットを用い
て計測する方法が一般的に採用されている。このトラン
シットによる偏角の計測方法は、人的能力に依存する方
法であるため、熟練技術者等人手を要するだけでなく一
回の測量時間が長くなる。さらに、手狭な坑内で測量し
なければならないため、測量作業に多大の労力と危険が
伴う。こうした問題に対応して、従来、この種の地中掘
進機の掘進位置計測技術として、掘進位置の計測の際
に、偏角をトランシットによらないでレーザビームで光
学的に計測する方法を採り入れたものがある。
【0005】こうした方法を採り入れた地中掘進機の掘
進位置計測技術の代表例として、例えば特開平5ー34
0186号公報に記載された技術を挙げることができ
る。この特開平5ー340186号公報に記載の技術
(以下「従来の技術」という。)は、「カーブする地下
坑内に設定される後方視準点の前方に、測角機能を有す
るレーザ照準機を設置し、シールド掘進機内に、ミニ反
射プリズムを付設した位置検出素子(光電素子)のター
ゲットを設置するとともに、これらの中間位置には、レ
ーザ照準機からのレーザビームを屈折させ屈折させたレ
ーザビームの方向転角を計測できる距離儀付きのウエッ
ジプリズムを、地中掘進機の掘進の進展に応じて適当数
設置するようにした」ものである。
【0006】この従来の技術により地中掘進機の掘進位
置を計測するときは、ウエッジプリズムを遠隔操作で回
動させることにより、レーザ照準機からのレーザビーム
を、ウエッジプリズムを介してシールド掘進機内のター
ゲットに常に当てるようにする。そうすると、ウエッジ
プリズムを経由したレーザ照準機からのレーザビームが
ターゲットの位置検出素子に当てられるため、レーザス
ポットの位置が検出されるとともに、ウエッジプリズム
の設置点の偏角がウエッジプリズムの回動量により計測
され、また、各計測点間の距離がウエッジプリズムの距
離儀により計測される。従来の技術では、こうして得ら
れた各計測点間の距離、偏角及びレーザスポットの位置
に基づいて地中掘進機の掘進位置を座標位置により計測
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、この従来
の技術は、収束度の高いレーザ光であるレーザビームを
位置検出素子に当てるようにウエッジプリズムを回動さ
せて、その回転量によりウエッジプリズムの設置点の偏
角を計測するようにしている。そのため、地中掘進機の
掘進位置を計測する際、レーザビームをレーザビームの
位置検出素子に的確に当てるようにウエッジプリズムを
回転させる操作を要して操作が複雑であるばかりでな
く、ウエッジプリズムを回転させるための回転機構を要
し、これに伴って種々の問題がもたらされることとな
る。例えば、回動機構を要するために機械的な計測誤差
が生じやすく、光学的な誤差に機械的な誤差が加わって
高い計測精度を確保することが困難であるとともに、レ
ーザ照準機が外力によりピッチングやヨーイング方向に
振動すると、大きな計測誤差が生じる。特に、地中掘進
機の掘進位置の計測では、偏角の計測結果が掘進位置の
計測結果に及ぼす度合いが大きいことに加えて、緩やか
なカーブをなす場所の偏角を計測する機会が多く、偏角
を精度よく計測する必要性が高いことから、回動機構に
よる機械的な計測誤差や振動による計測誤差が生じる
と、地中掘進機の掘進位置の計測結果に多大な影響を及
ぼす。
【0008】こうしたことから、位置検出素子に当てる
ための光源として、広い領域を照らせる拡散光を用い
て、レーザビームのように光を位置検出素子に当てるた
めの操作は要せず機械的な計測誤差や振動による計測誤
差も生じないようにした、これまで実施されたことのな
い未踏技術の開発を進めている。その技術開発の過程で
生まれた発明は、すでに特許出願されており、その代表
的なものとして、特願平9ー297295号に係る発明
を挙げることができる。この発明は、基点計測ユニット
と被測点計測ユニットとの間の地下坑内に適宜の数の中
間計測ユニットを配置し、これら各計測ユニットがそれ
ぞれ隣合う他の計測ユニットの光源の拡散光を受光して
その受光位置を検出し、これにより得られる各光源の方
向に関するデータと隣合う各計測ユニット間の距離に関
するデータとに基づいて地中掘進機の掘進位置を計測す
るようにしたものである。この地中掘進機の掘進位置計
測装置の詳細は後に説明する。
【0009】この地中掘進機の掘進位置計測装置の実用
化を進めるため、その後、研究開発を進めたところ、拡
散光を発する光源を用いたことに起因する特有の問題が
生じ得ることが新たに判明した。すなわち、本計測装置
に用いられる光源は、レーザビームのようにターゲット
の一点を照らす収束度の高い光線を発するものではな
く、ターゲット以外の広い領域を照らす拡散光を発する
ことから、当該計測ユニットでこれと隣合う光源の光の
受光位置を検出しようとするときに、検出しようとする
光源とは別の光源を他の計測ユニットでの計測のために
点灯していると、掘削した地下坑の形態や計測ユニット
の配置によっては、その検出対象外の光源の光が当該計
測ユニットに入射して外乱が生じ、計測の信頼性を低下
させるという問題が生じ得ることが分かった。
【0010】本発明は、こうした従来の技術にみられる
問題を解消しようとするものであって、その技術課題
は、光源に拡散光を用いて計測時に光を位置検出素子に
当てる操作を不要にし機械的な計測誤差や振動による計
測誤差を生じにくくしただけではなく、光源の光の受光
位置を計測ユニットで検出しているときに検出対象外の
光源の光がその計測ユニットに入射しても、計測の信頼
性を低下させるようなことがない地中掘進機の位置計測
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題は、「地下坑を掘削しながら地中を掘進する地中掘進
機の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に配置し
その掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘進方向
後方に配置し計測の基点となる計測基点との位置関係で
計測する地中掘進機の位置計測装置」を構成する場合、
「前方に拡散光を発する光源と少なくとも前方の光源か
らの拡散光を集光する集光手段と集光手段で集光した光
源からの光を受光してその受光位置を検出する位置検出
素子とを有し計測基点を設定する基点計測ユニットと、
後方に拡散光を発する光源と後方の光源からの拡散光を
集光する集光手段と集光手段で集光した光源からの光を
受光してその受光位置を検出する位置検出素子とを有し
被計測点を設定する被測点計測ユニットと、前方及び後
方に拡散光を発する各光源と前方及び後方の光源からの
拡散光をそれぞれ集光する集光手段と集光手段でそれぞ
れ集光した各光源からの光をそれぞれ受光してその受光
位置を検出する位置検出素子とを有し地下坑における基
点計測ユニットと被測点計測ユニットとの間に配置され
る少なくとも一つの中間計測ユニットと、位置検出素子
での検出結果を処理して光の受光位置に関するデータを
算出する演算手段とを設けて、基点計測ユニット及び中
間計測ユニットでの光の受光位置に関するデータに基づ
いて得られる各光源の方向に関するデータと隣合う各計
測ユニット間の距離に関するデータとに基づいて、計測
基点に対する被計測点の相対位置を演算して計測するよ
うにし、位置検出素子には、光を受光して光量を検出す
るための多数の画素を有し各画素の検出値を出力するも
のを用いるようにするともに、演算手段には、位置検出
素子の各画素の検出値を比較して最大検出値を出力する
画素を選別する演算機能とその最大検出値を出力する画
素及びその周辺の画素の検出値に基づいて光の受光位置
に関するデータを算出する演算機能を付加するようにし
た」ことにより達成される。
【0012】本発明の地中掘進機の位置計測装置は、こ
のように光源として特に拡散光を発する光源を用いて拡
がりをもつ光でレーザビームよりも広い領域を照らせる
ようにしているため、光源にレーザビームを用いる従来
の技術のように光源の光を位置検出素子に当てるための
操作を要せず、ひいては、その操作を可能にするための
回転機構を設ける必要がなくなって、その回転機構に起
因する機械的な計測誤差も生じない。
【0013】また、その拡がりをもつ各光源の光を中間
計測ユニットに集めてその受光位置を検出し、演算手段
でその検出結果を処理して光の受光位置に関するデータ
を求めることにより、前方及び後方の双方の光源の方向
に関するデータを得るようにしているため、こうして得
られる前方及び後方の光源の方向に基づいて地中掘進機
の位置計測に有用な各光源の光軸同士の偏角を求めるこ
とができる。この偏角は、中間計測ユニットがピッチン
グ方向やヨーイング方向に変位しても変動しないので、
中間計測ユニットが外力によりピッチング方向やヨーイ
ング方向に振動しても計測誤差が生じにくい。また、こ
うしたことから、中間計測ユニットを計測点に設置する
際、位置設定さえ正確に行えば、取付姿勢が不統一であ
っても、その取付姿勢の影響を受けることなく地中掘進
機の掘進位置を正しく計測することができる。一方、基
点計測ユニットでは、前方の光源からの光の受光位置を
位置検出素子で検出し、同様にして、演算手段で光の受
光位置に関するデータを求めることにより前方の光源の
方向を検出して、地中掘進機が発進したときの実際の発
進方向を検出することができる。
【0014】特に、演算手段では、位置検出素子の各画
素の検出値に基づいて光源の光の受光位置に関するデー
タを算出する場合、各画素のうちから最大検出値を出力
する画素を選別することにより、光の受光位置を検出し
ようとしている光源の像の位置を予測し、その最大検出
値を出力する画素及びその周辺の画素の検出値に基づい
て光の受光位置に関するデータを算出するようにしてい
るため、そのデータには、検出対象の光源の光量だけが
反映されて、検出対象外の光源の光量は反映されない。
そのため、当該計測ユニットで光源の光の受光位置を検
出しているときに、検出対象外の光源の光が当該計測ユ
ニットに入射しても、データの値がその光源の光の影響
を受けて、計測の信頼性が低下するようなことはない。
【0015】以上のように、本発明の地中掘進機の位置
計測装置では、光源に拡散光を用いて計測時に光を位置
検出素子に当てる操作を不要にし、機械的な計測誤差や
振動による計測誤差を生じにくくすることができるだけ
ではなく、光源の光の受光位置を計測ユニットで検出し
ているときに検出対象外の光源の光がその計測ユニット
に入射しても、計測の信頼性を低下させるようなことは
ない。なお、被測点ユニットでは、後方の光源の方向を
検出してピッチング方向やヨーイング方向の掘削機の姿
勢を検出することができ、そのため、別途、掘削機の姿
勢検出用の計測器を新設しないでも済む。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図8に基づ
いて説明することにより本発明の実施の形態を明らかに
する。まず、その具体化例の基本的な技術内容を図1及
び図2に基づいて説明する。図1は、本発明の具体化例
の地中掘進機の位置計測装置により地中掘進機の掘進位
置を計測している状態の全体像を概略的に示す図、図2
は、図1の地中掘進機の位置計測装置に使用する中間計
測ユニットの例を示す斜視図である。
【0017】本発明の地中掘進機の位置計測装置では、
地中掘進機の掘進位置の指標となる被計測点の位置を計
測の基点となる計測基点との位置関係で計測する。その
使用態様の一例を図1に基づいて概説する。1は地中掘
進機の主要部をなす掘削機、2はシールド掘進機で掘削
した坑道又は管推進機で掘削した管渠等の地下坑、3は
地中掘進機の掘進の出発点となる発進立坑、4は後述す
る基点計測ユニット400a、中間計測ユニット400
及び被測点計測ユニット400bとそれぞれ通信ライン
で接続され地中掘進機の掘進位置を演算する中央演算処
理装置、5は中央演算処理装置4での演算結果やその演
算結果に基づいて得られる情報をオペレータの操縦の便
のために数値やグラフで表示する表示装置である。掘削
機1は、管推進機及びシールド掘進機等、地下坑を掘削
しながら地中を掘進する地中掘進機の掘削機であれば、
何れのものでもよい。地下坑2は、管推進機であれば、
ヒューム管、鋼管等の埋設管で坑壁が形成され、シール
ド掘進機であれば、鋼製又はコンクリート製のセグメン
トで坑壁が形成される。
【0018】400aは計測基点を設定する基点計測ユ
ニット、400bは被計測点を設定する被測点計測ユニ
ット、400は地下坑2内におけるこれら基点計測ユニ
ット400aと被測点計測ユニット400bとの間に設
定された中間計測点に配置される中間計測ユニットであ
る。中間計測ユニット400は、地中掘進機の掘進の進
展に応じて一つ以上所望の数配置するが、ここでは、説
明の便宜上、三つの中間計測ユニット400を配置した
例を示している。基点計測ユニット400a、中間計測
ユニット400及び被測点計測ユニット400bは、大
別すると、隣合う計測ユニットに対して拡散光を発する
光源と、隣合う計測ユニットの光源から拡散光を受けて
その光の方向を検出するように構成された光源方向検出
手段とからなっていて、何れも基本的な構造は変わらな
い。
【0019】地中掘進機の掘進位置を光で計測する場
合、その計測の基点となる計測基点と掘進中の地中掘進
機の現在位置を表すための指標となり得るような被計測
点を設定する必要があるが、基点計測ユニット400a
は、計測基点を設定する役割を果たし、被測点計測ユニ
ット400bは、被計測点を設定する役割を果たす。基
点計測ユニット400aは、通常、発進立坑3に設置
し、被測点計測ユニット400bは、通常、掘削機1
(シールド工事ではシールド掘進機、管推進工事では先
導体)にそれぞれ設置する。
【0020】前述したように、各計測ユニット400
a,400,400bは、何れも基本的な構造は変わら
ないので、各計測ユニット400a,400,400b
を代表して中間計測ユニット400の構造を図2に基づ
いて説明し、併せて、他の計測ユニット400a,40
0bの構造も明らかにする。なお、図2中、41は、図
2に図示の中間計測ユニット400の後方に配置した計
測ユニットが内蔵している前方光源を表し、42は、図
2に図示の中間計測ユニット400の前方に配置した計
測ユニットが内蔵している後方光源を表す。まず、この
中間計測ユニット400の概要を説明すると、中間計測
ユニット400は、前方の計測ユニット及び後方の計測
ユニットに対してそれぞれ拡散光を発する前方光源41
及び後方光源42と、隣合う前方の計測ユニットの後方
光源42及び後方の計測ユニットの前方光源41から拡
散光を受けて各光源42,41の方向を検出するための
レンズ411と位置検出素子412−1,412−2と
反射プリズム413−1,413−2でユニットをなす
ように構成されている。
【0021】次に、中間計測ユニット400の詳細を説
明すると、411は前方の計測ユニットの後方光源42
及び後方の計測ユニットの前方光源41の拡散光をそれ
ぞれ集光する(収束させて集める)両光源41,42に
共通の集光手段としてのレンズ、412−1は、このレ
ンズ411で集められた後方の計測ユニットの前方光源
41からの拡散光を受光しその受光位置を検出する光セ
ンサとしての位置検出素子、412−2はレンズ411
で集められた前方の計測ユニットの後方光源42からの
拡散光を受光しその受光位置を検出する同様の位置検出
素子、413−1はレンズ411で集光する後方の計測
ユニットの前方光源41からの拡散光を位置検出素子4
12−1に導くように光の方向を転換する光方向転換手
段としての反射プリズム、413−2はレンズ411で
集光する前方の計測ユニットの後方光源42からの拡散
光を位置検出素子412−2に導くように光の方向を転
換する同様の反射プリズムである。
【0022】中間計測ユニット400は、大別すると、
以上述べた光源41,42とレンズ411と位置検出素
子412−1,412−2と反射プリズム413−1,
413−2とで構成される。光源41,42には、例え
ば発光ダイオードのような拡散光を発するいわゆる点光
源のようなものを用いる。すなわち、レーザビームのよ
うな収束度の高い光線を発するものは用いることができ
ないが、基本的には、微小なエリアから放射状に拡がる
拡散光を発するようなものであれば、設計上、適宜選択
して使用することができる。
【0023】位置検出素子412−1及び位置検出素子
412−2は、隣合う計測ユニットの後方光源42及び
前方光源41からレンズ411に入射しようとする拡散
光を遮断しない位置にそれぞれ配置することとする。こ
こに示す例では、位置検出素子412−1は、その受光
面をレンズ411の光軸C(レンズ411の中心を通り
これに直交する軸線)と直交する方向に向けて側方に配
置し、位置検出素子412−2は、その受光面をレンズ
411の光軸Cと直交する方向に向けて上方に配置して
いる。位置検出素子412−1,412−2には、フォ
トダイオードをマトリックス状に配置したMOS型撮像
素子やCCD(Charge−Coupled−Dev
ice)撮像素子等の二次元光センサを用いることとし
ている。また、フォトダイオードの表面抵抗を利用して
光スポットの位置を検出することのできるPSD(Po
sition−Sensitive−Device)の
ようなものを用いてもよく、要は、集光レンズで集めら
れた光を受光しその受光した光の位置を検出できるもの
であればよく、その種類は限定されない。
【0024】反射プリズム413−1及び反射プリズム
413−2は、それぞれ、レンズ411の前方位置及び
後方位置に配置され、隣合う前方の計測ユニットの後方
光源42及び後方の計測ユニットの前方光源41からレ
ンズ411に入射しようとする各拡散光の少なくとも一
部をそれぞれ透過させ、レンズ411で集光した前方光
源41及び後方光源42からの光の少なくとも一部をそ
れそれ反射面で反射させて位置検出素子412−1及び
位置検出素子412−2の受光面に導くように方向転換
させる働きをする。また、これらの反射プリズム413
−1及び反射プリズム413−2は、それぞれ、中間計
測ユニット400それ自体にユニットとして組み込まれ
ている前方光源41及び後方光源42の拡散光の少なく
とも一部をそれぞれ反射面で反射させて隣合う前方の計
測ユニット及び後方の計測ユニットに向けるように方向
転換させる働きもする。
【0025】こうした反射プリズム413−1,413
−2に一般的なものを用いると、レンズ411に入射し
ようとする各光源41,42からの拡散光が、それぞ
れ、その入射前に、反射プリズム413−1,413−
2で一部反射されて減少するため、各位置検出素子41
2−2,412−1に導かれる光量が損失する。こうし
た問題を解消するため、レンズ411に入射しようとす
る各光源41,42からの拡散光を、互いに振動方向の
直交する直線偏光の拡散光になるようにするとともに、
各反射プリズム413−1,413−2として、レンズ
411に入射しようとする一方の直線偏光の拡散光を透
過させかつレンズ411で集光される過程の他方の直線
偏光の拡散光を位置検出素子412−2,412−1に
導くように反射する偏光反射プリズムを用いるとよい。
反射プリズム413−1,413−2にこうした偏光反
射プリズムを用いると、レンズ411に入射しようとす
る光源41,42からの拡散光を、その光量を損失させ
ることなく透過させるとともに、レンズ411で集光さ
れる過程の光源41,42からの拡散光を、位置検出素
子412−2,412−1に導くように全反射させるこ
とができ、レンズ411で集光した光の受光位置を位置
検出素子412−1,412−2で明確に検出すること
ができる。
【0026】以上の構造を備えた中間計測ユニット40
0の作用を説明する。前方の計測ユニットの後方光源4
2から発せられる拡散光は、中間計測ユニット400の
前方の反射プリズム413−1に入射後、その少なくと
も一部が同反射プリズム413−1を透過してレンズ4
11で集光され、しかる後、その背後の反射プリズム4
13−2で反射されて方向転換をし、中間計測ユニット
400の後方の位置検出素子412−2上に結像する。
同様にして、後方の計測ユニットの前方光源41からの
拡散光は、その少なくとも一部が中間計測ユニット40
0の手前の反射プリズム413−2を透過してレンズ4
11で集光され、しかる後、その背後の反射プリズム4
13−1で反射されて中間計測ユニット400の前方の
位置検出素子412−1上に結像する。この間、中間計
測ユニット400に組み込まれた前方光源41及び後方
光源42の拡散光は、それぞれ、反射プリズム413−
1及び反射プリズム413−2の作用により前方の計測
ユニット及び後方の計測ユニットに向けて出射される。
【0027】各位置検出素子412−1,412−2に
は、それぞれの受光面にX−Y平面座標が予め設定され
ているため、光源41,42からの拡散光が結像する
と、その結像位置すなわち集光した拡散光の受光位置を
X,Y軸の座標点として検出する。こうして拡散光の受
光位置が検出されると、その検出結果に基づいて各光源
41,42の方向を演算により検出することができる。
これらの各光源41,42の方向は、中間計測ユニット
400の基準線(通常はレンズ411の光軸Cに合わせ
るように設定)に対して各光源41,42の光軸D(各
光源41,42の拡散光が前後方向に直進するときの各
出発点の中心位置とレンズ411の中心位置とをそれぞ
れ結ぶ各線)のなす角度で表すことができる。具体的に
は、各光源41,42の方向の水平方向の成分(レンズ
411の光軸Cと各光源41,42の光軸Dを水平面上
へ正投影した線同士のなす角度)と垂直方向の成分(レ
ンズ411の光軸Cと各光源41,42の光軸Dをレン
ズ411の光軸Cと平行な垂直面上へ正投影した線同士
のなす角度)とで特定することができる。したがって、
各光源41,42の方向の水平方向の成分及び垂直方向
の成分がゼロであることは、各光源41,42の光軸D
がレンズ411の光軸C上を通っていることに相当し、
その場合、各光源41,42の拡散光は、各位置検出素
子412−1,412−2のX−Y平面座標上の原点に
結像する。
【0028】これら各光源41,42の方向の水平方向
の成分及び垂直方向の成分は、レンズ411の光軸C上
を通る各光源41,42の光軸Dがそれぞれレンズ41
1に入射後、レンズ411の中心位置から位置検出素子
412−1,412−2に到達するまでの過程にたどる
距離の総和(この値は中間計測ユニット400の仕様に
より定まる既知の値である。)と、位置検出素子412
−1,412−2への各光源41,42の拡散光の結像
位置のX軸方向の成分及びY軸方向の成分との関係から
演算により求めることができる。こうした演算は、中央
演算装置4で行ってもよいが、光源41,42の方向の
水平方向の成分及び垂直方向の成分は、前記の拡散光の
結像位置のX軸方向の成分及びY軸方向の成分が検出さ
れれば、一義的に定まる値であって機械的に求められる
ので、ここに示す例では中間計測ユニット400内の後
に詳述するコントローラ43で求めている。
【0029】中間計測ユニット400は、以上述べたよ
うに前後の光源41,42と集光手段としてのレンズ4
11と前後の位置検出素子412−1,412−2と前
後の反射プリズム413−1,413−2とを有し、こ
れらをケース内に組み込んでユニット状に一体構成して
いる。これに対し、基点計測ユニット400aは、中間
計測ユニット400から後方側の光源42及び前方側の
位置検出素子412−1を省いたものであり、後方側の
位置検出素子412−2をレンズ411の背後に配置す
れば、後方側の反射プリズム413−2も省くことがで
きる。また、被測点計測ユニット400bは、中間計測
ユニット400から前方側の光源41及び後方側の位置
検出素子412−2を省いたものであり、前方側の位置
検出素子412−1をレンズ411の背後に配置すれ
ば、前方側の反射プリズム413−1も省くことができ
る。
【0030】これら計測ユニット400a,400bの
構造を具体的に確認すると、基点計測ユニット400a
は、前方に拡散光を発する光源41と、前方の中間計測
ユニット400の後方光源42からの拡散光を集光する
レンズ411と、レンズ411で集光した光を受光して
その受光した光の位置を検出することによりこの光源4
2の方向を検出できるように配置された位置検出素子4
12−2と、レンズ411に入射しようとする光源42
からの拡散光の少なくとも一部を透過する前方側の反射
プリズム413−1を有していればよく、後方側の反射
プリズム413−2は必要に応じて設ければよい。ま
た、被測点計測ユニット400bは、後方に拡散光を発
する光源42と、後方の中間計測ユニット400の前方
光源41からの拡散光を集光するレンズ411と、レン
ズ411で集光した光を受光しその受光した光の位置を
検出することによりこの光源41の方向を検出できるよ
うに配置された前方側の位置検出素子412−1と、レ
ンズ411に入射しようとする後方の中間計測ユニット
400の前方光源41からの拡散光の少なくとも一部を
透過する後方側の反射プリズム413−2を有していれ
ばよく、前方側の反射プリズム413−1は必要に応じ
て設ければよい。
【0031】こうした基点計測ユニット400aや被測
点計測ユニット400bに必要な構造は、図2の中間計
測ユニット400が備えているので、基点計測ユニット
400aや被測点計測ユニット400bに中間計測ユニ
ット400をそのまま使用して、中間計測ユニット40
0を計測基点や被計測点にセットするときに必要な構造
だけをソフト上活かすようにしてもよい。このように中
間計測ユニット400を基点計測ユニット400aや被
測点計測ユニット400bに兼用するようにすれば、製
作する機器の種類を少なくできてそれらの製作を省力化
することができるだけでなく、使用する機器の種類も少
なくできて機器の使用上の便もよい。
【0032】図1は、こうした計測ユニット400a,
400bの間に複数個の中間計測ユニット400を配置
し、隣合う計測ユニット間で拡散光を照射して地中掘進
機の掘進位置を計測するときの態様を示している。図1
において、Vは、隣合う計測ユニット間の基準点同士を
結ぶ直線を表し、この明細書では、こうした直線を見通
し線と称する。各計測ユニット400,400a,40
0bは、光源41,42をレンズ411の中心位置に配
置したのと等価の構造をしているものとし、それゆえ、
各計測ユニットの基準点は、何れもレンズ411の中心
に位置するとともに、各計測ユニットの各光源41,4
2の拡散光は、レンズ411の中心を出発点として前後
方向に直進するようになっている。図1には、基点計測
ユニット400aと被測点計測ユニット400bとの間
に三つの中間計測ユニット400を設置した例を示して
いるが、これらの計測ユニット400a,400bの間
には、地中掘進機の掘進距離や地下坑2のカーブの状態
等を考慮しながら、一つ以上所望の数の中間計測ユニッ
ト400を、互いに見通すことのできる適当間隔を置い
て設置することができる。
【0033】地中掘進機の掘進位置を計測する場合、前
後、上下、左右の3次元の位置座標上における計測基点
(座標の原点)に対する被計測点の相対位置を演算して
計測する。したがって、地中掘進機の掘進位置は、掘進
方向である前後方向の座標点に対応して上下方向の座標
点及び左右方向の座標点が求められて特定される。ま
た、これに対応して、光源41,42の方向に関する角
度等も前述したように水平方向の成分及び垂直方向の成
分として求められて特定される。3次元の位置座標を設
定する場合、演算の便のため、座標の原点を計測基点に
一致させ、前後方向の座標軸を発進基準方向(地中掘進
機の発進時における予め設定した基準となる掘進路線の
方向)に一致させる。各計測ユニット400,400
a,400bを各計測点に設置する場合には、基点計測
ユニット400aについてはその基準線(レンズの光軸
C)を発進基準方向に合わせ、被測点ユニット400b
については掘削機1の中心軸線の方向に合わせるように
姿勢を調整するが、中間計測ユニット400について
は、予め定めた位置に設置するだけで姿勢までも調整す
る必要はない。
【0034】中間計測ユニット400では、光の受光位
置に関する検出結果に基づいて隣合う前方の計測ユニッ
トの後方光源42の方向や後方の計測ユニットの前方光
源41の方向を検出する。これらの光源41,42の方
向のうち、前方の計測ユニットの後方光源42の方向
は、中間計測ユニット400の基準線とその基準線の前
方側の見通し線Vとのなす角度で表すことができ、後方
の計測ユニットの前方光源41の方向は、中間計測ユニ
ット400の基準線とその基準線の後方側の見通し線V
とのなす角度で表すことができる。そして、前者の角度
から後者の角度を減算することにより、各中間計測ユニ
ット400の基準点を頂点とする偏角(後方側の見通し
線Vの延長線と前方側の見通し線Vとのなす角度すなわ
ち外角の偏角)を求めることができる。
【0035】すなわち、光源41の方向の水平方向の成
分に関する角度から光源42の方向の水平方向の成分に
関する角度を減算することにより、中間計測ユニット4
00のレンズ411の中心点を頂点とする各光源41,
42の光軸D同士の偏角(外角の偏角)の水平方向の成
分を求めることができ、同じく、前者の垂直方向の成分
に関する角度から後者の垂直方向の成分に関する角度を
減算することにより、レンズ411の中心点を頂点とす
る各光源41,42の光軸D同士の偏角(外角の偏角)
の垂直方向の成分を求めることができる。これらの角度
には、当然のことながら極性をもたせており、ここで
は、光源41,42の光軸Dをレンズ411の光軸Cに
重なるように最小の角度で回動させる方向が時計方向で
あるときを正、反時計方向であるときを負としている。
【0036】基点計測ユニット400aでは、隣合う前
方の中間計測ユニット400の後方光源42の方向を検
出し、これにより地中掘進機が発進したときの実際の発
進方向を検出することができる。この発進方向は、前記
したように基点計測ユニット400aの基準線を発進基
準方向に合わせていることから、その基準線と見通し線
Vとのなす角度で表すことができる。
【0037】この地中掘進機の位置計測装置では、こう
した発進方向に関する角度や偏角に関するデータを得る
のと並行して、隣合う各計測ユニット400,400
a,400b間の距離に関するデータを適宜の方法で収
集する。これら角度や距離に関するデータが得られる
と、地中掘進機の掘進位置は一義的に定まるので、これ
らのデータから計測基点に対する被計測点の相対位置を
3次元の位置座標における座標点として求めることがで
きる。したがって、地中掘進機の掘進位置すなわち計測
基点に対する被計測点の相対位置は、帰するところ、基
点計測ユニット400aや各中間計測ユニット400で
の検出結果から得られる光源41,42の方向に関する
データと、隣合う各計測ユニット400,400a,4
00b間の距離に関するデータとに基づいて演算により
計測することができる。
【0038】こうした演算は、各計測ユニット400,
400a,400bから通信ラインを通じて入力される
各光源41,42の方向に関するデータや別途計測され
て入力される距離に関するデータに基づいて中央演算処
理装置4により行われる。この中央演算処理装置4には
表示装置5が接続されているため、中央演算処理装置4
で演算された地中掘進機の現在位置は、この表示装置5
に表示されて、地中掘進機の現在位置に関する信頼性の
高い情報をオペレータにリアルタイムに提供することが
できる。なお、被測点ユニット400bの位置検出素子
412−1は、隣合う後方の中間計測ユニット400の
前方光源41の方向を検出することにより、ピッチング
方向やヨーイング方向の掘削機1の姿勢を検出する働き
をする。それゆえ、地中掘進機に通常設けられていたピ
ッチング計やヨーイング計等の掘削機の姿勢検出用の計
測器を別途新設しないでも、掘削機1の姿勢を検出する
ことができる。
【0039】隣合う各計測ユニット400,400a,
400b間の距離を計測する方法について述べると、地
中掘進機が管推進機である場合には、例えば、埋設済み
の埋設管の数により算出される距離データと元押しジャ
ッキのストローク計で検出される距離データとに基づい
て計測する方法を挙げることができる。また、地中掘進
機がシールド掘進機である場合には、例えば、セグメン
トの種類と数に基づいて算出される距離データとシール
ドジャッキのストローク計で検出される距離データとに
基づいて計測する方法を挙げることができる。これらの
方法は、何れも、管推進機やシールドジャッキに通常付
設されている元押しジャッキのストローク計やシールド
ジャッキのストローク計を距離の計測にも活用すること
ができて、距離の計測のために特別の距離計測手段を新
設する必要がない。
【0040】本地中掘進機の位置計測装置では、光源4
1,42からの拡散光を各計測ユニット400,400
a,400bにおいてレンズ411で集光し、その集光
した光を位置検出素子412−1,412−2で受光し
てその受光位置を検出することにより、前方の光源41
や後方の光源42の方向を検出するようにしている。そ
の場合、光源として、特に拡散光を発することのできる
光源41,42を用いて拡がりをもつ光で広い領域を照
らせるようにしているため、ウエッジプリズムを回動さ
せることによりレーザビームを位置検出素子に当てる従
来の技術で行われているような操作は行わなくても済
む。その結果、こうした操作を可能にするための回転機
構を設ける必要もなくなるため、従来の技術とは異な
り、回転機構に起因する機械的な計測誤差も生じない。
また、拡散光の光源41,42は、このように照射領域
が広いため、各計測ユニット400,400a,400
bや光源41,42が外力により振動しても、各計測ユ
ニット400,400a,400bを常に照らすことが
できて計測に支障が生じることもない。
【0041】中間計測ユニット400では、位置検出素
子412−1,412−2の受光位置により隣合う前方
の光源41及び後方の光源42の双方の光源の方向を検
出するようにしているため、その検出された光源41,
42の方向によりこれらの光源41,42の光軸D同士
の偏角を求めることができる。この偏角は、中間計測ユ
ニット400がピッチング方向やヨーイング方向に変位
しても(上下方向や左右方向に揺動しても)変動しない
ため、この地中掘進機の位置計測装置では、中間計測ユ
ニット400が外力によりピッチング方向やヨーイング
方向に振動しても、計測誤差が生じにくい。また、こう
したことから、中間計測ユニット400を計測点に取り
付ける際に、位置設定さえ正確に行えば、取付姿勢が不
統一であっても、その取付姿勢の影響を受けることなく
地中掘進機の掘進位置を正しく計測することができる。
【0042】図1に示す例では、計測基点を発進立坑3
内に設定して、基点計測ユニット400aでは隣合う前
方の中間計測ユニット400の後方光源42の方向だけ
を検出するようにしているが、発進立坑3の前方の地下
坑2内に発進立坑3との位置関係を特定した上で計測基
点を設定し、この前方の計測基点に向けて拡散光を発す
る光源を発進立坑3内に設置して、この光源と前記後方
光源42の双方の光源方向を基点計測ユニット400a
で検出するようにしてもよい。計測基点を発進立坑3内
に設定した場合、高精度の計測を行うには、基点計測ユ
ニット400aについてその基準線を発進基準方向に合
わせるように取付姿勢を精度よく調整する困難な作業を
必要とするが、このように計測基点を発進立坑3前方の
地下坑2内に設定した場合には、基点計測ユニット40
0aでも、その取付姿勢に影響されない偏角を計測する
ことができて、取付姿勢を調整しなくても、高精度の計
測を簡便に行うことができる。本発明を具体化する場合
には、これら何れの方法を採用してもよく、計測基点に
は、少なくとも隣合う前方の中間計測ユニット400の
光源42からの拡散光を集光してその受光位置を検出す
ることができる基点計測ユニット400aを設置するよ
うにすれば、地中掘進機の位置計測の目的は達成するこ
とができる。
【0043】中間計測ユニット400を構成する場合、
反射プリズム413−1,413−2を設けないで、中
間計測ユニット400の前部及び後部にそれぞれレンズ
411を配置して、各レンズ411の背後にそれぞれ位
置検出素子412−1,412−2を配置するととも
に、レンズ411の前方位置及び後方位置にそれぞれ光
源41及び光源42を配置して構成してもよく、このよ
うに構成してもすでに述べた効果を奏する。しかしなが
ら、ここに示すように反射プリズム413−1,413
−2を設けると、隣合う前方の計測ユニットの後方光源
42及び後方の計測ユニットの前方光源41からの拡散
光がレンズ411に入射するのを阻止しない位置にそれ
ぞれ位置検出素子412−1及び位置検出素子412−
2を配置することが可能となるため、拡散光を集めるた
めのレンズ411は、前記の前方光源41及び後方光源
42に対応して別々に設ける必要がなくなってこれらの
光源41,42からの拡散光を共に集光するように共通
化することができる。
【0044】このように光源41,42からの拡散光を
集光するレンズを共通化すると、隣合う前方の計測ユニ
ットの後方光源42及び後方の計測ユニットの前方光源
41の各方向に基づいて当該中間計測ユニット400で
計測される偏角は、これら前方光源41及び後方光源4
2の各光軸D同士のなす角度と正確に合致して、共通の
レンズ411の中心位置を頂点とする各光源41,42
の光軸D同士のなす偏角が計測されることとなる。その
結果、その計測される偏角は、レンズ411を前記のよ
うに前方光源41及び後方光源42に対応して別々に設
ける場合に比べて、当該中間計測ユニット400がピッ
チング方向及びヨーイング方向に変位しても確実に変動
しなくなるため、当該中間計測ユニット400の取付時
の取付姿勢の不統一やその後の外力による姿勢の変化に
も一層影響されなくなって地中掘進機の掘進位置をより
正確に計測することができる。
【0045】中間計測ユニット400は、前記のよう
に、これに組み込まれる光源41,42の拡散光を反射
プリズム413−1,413−2で隣合う前後の計測ユ
ニットに向けるように構成しているため、光源41,4
2とレンズ411と反射プリズム413−1,413−
2との位置関係を適切に定めることにより、光源41,
42をレンズ411の中心に配置したのと等価の構造に
なるように構成することができる。こうした構造を得る
には、中間計測ユニット400を次の条件を満たすよう
に構成すればよい。 イ)反射プリズム413−1(反射プリズム413−
2)の反射面の傾斜方向にに対して直交する平面上に、
光源41(光源42)とレンズ411の中心が共に位置
する。 ロ)反射プリズム413−1(反射プリズム413−
2)の反射面に対するレンズ411の光軸Cの交点と光
源41(光源42)との間の距離が同交点とレンズ41
1の中心との間の距離に等しい。
【0046】中間計測ユニット400をこうした条件を
満たすように構成して、光源41,42をレンズ411
の中心に配置したのと等価の構造になるように構成すれ
ば、計測ユニット400,400a,400b間で授受
される光の光軸Dを見通し線V(隣合う計測ユニットの
基準点(レンズ411の中心)同士を結ぶ直線)と正確
に一致させることができるので、光源41,42の方向
に関する検出結果の補正をしなくても、地中掘進機の掘
進位置を一層高い精度できわめて精密に計測することが
できる。したがって、こうした効果と光源41,42の
拡散光を集めるレンズを共通化した点の前述の効果とが
相俟って、中間計測ユニット400が地中掘進機のピッ
チングやヨーイングによって傾斜したときでも、光源4
1,42の方向に関する検出結果の補正を要することな
く、地中掘進機の掘進位置をきわめて高い精度で精密に
計測することができる。
【0047】この地中掘進機の位置計測装置は、以上述
べたような従来の技術にはみられない優れた効果を発揮
するが、広い領域を照らす拡散光の光源41,42を用
いていることから、複数の光源を点灯した状態で或る光
源の光の受光位置を検出しようとする場合、掘削した地
下坑2の形態や計測ユニットの配置状態によっては、検
出しようとする光源と別の光源の光が計測ユニットにノ
イズとして入射して外乱が生じ、検出結果に無視できな
い影響を及ぼすことが判明した。例えば、地中掘進機の
掘進過程で、図1に示すように、基点計測ユニット40
0aと被測点計測ユニット400bとの間に三つの中間
計測ユニット400を設置し、2番目の中間計測ユニッ
ト400で1番目の中間計測ユニット400の前方光源
41及び4番目の中間計測ユニット400の後方光源4
2の受光位置を検出している場合において、基点計測ユ
ニット400aの前方光源41及び被測点計測ユニット
400bの後方光源42を点灯していたとすると、2番
目の中間計測ユニット400での計測に関係のないこれ
らの計測ユニット400a,400bの光源41,42
の光が2番目の中間計測ユニット400に入射して外乱
をもたらす恐れがある。本発明は、こうした拡散光によ
る計測に特有の問題を解消して、一層信頼性の高い拡散
光による計測が行えるようにしたものである。以下、こ
の点について言及する。
【0048】この地中掘進機の位置計測装置で計測する
場合、計測ユニットを新設する度に計測を行う等、予め
設定した計測地点で計測して地中掘進機の現在位置に関
するデータをリアルタイムに収集し、オペレータは、そ
のデータに基づいて地中掘進機を設定した掘進路線に沿
って掘進させるように適宜方向修正する。こうして設定
した各計測地点で計測を行う場合、当該計測地点におい
て基点計測ユニット400aから被測点計測ユニット4
00bまでに至る全ての光源41,42についてその方
向を計測する。すなわち、既設の計測ユニットが時間と
ともに外力等により微小変位する可能性があることか
ら、過去に計測が行われたか否かにかかわりなく全ての
光源41,42の方向について計測を改めて行う。ま
た、管推進工法では、埋設管に中間計測ユニット400
を取り付けた状態で埋設管を推進するため、埋設管を推
進する都度、中間計測ユニット400の位置が変動す
る。こうしたことからも、全ての光源41,42の方向
について計測を改めて行う。それゆえ、一計測地点で行
う光源41,42の方向に関する計測回数は、地中掘進
機の掘進が進展するにつれて逐次増加して行くので、一
計測地点で行う各計測ユニット400,400a,40
0bによる計測を能率的に行えるようにすることが望ま
しい。
【0049】こうした要求に応えるための一つの方策と
して、各計測ユニット400,400a,400bのう
ちの多数の計測ユニットで一斉に計測が行えるように、
その計測に必要な各光源41,42を同時に点灯して、
これらの各光源41,42の方向を所定の順番で連続的
に計測して行く方法を挙げることができる。しかしなが
ら、この方法を実施した場合、或る計測ユニットでこれ
と隣合う光源の光の受光位置を検出しているときにその
光源とは別の光源の光がその計測ユニットに入射する
と、外乱が生じて計測の信頼性を低下させる恐れがあ
る。本発明は、こうした問題を解決するための手段も備
えている。そこで、この点の技術内容を、図1及び図2
のほか、新たに図3乃至図8を用いて以下に説明する。
【0050】図3は、検出対象の光源の光だけが結像し
たときの位置検出素子の映像を示す図、図4は、検出対
象の光源のほか検出対象外の光源の光が結像したときの
位置検出素子の映像を示す図、図5は、位置検出素子に
おける光の結像位置を演算で求めるときの本発明に係る
演算手法を説明するための図4と同様の図、図6は、位
置検出素子における検出対象の光源の像を中心とする水
平方向の輝度の分布状態を示す図、図7は、位置検出素
子における検出対象外の光源の像を中心とする水平方向
の輝度の分布状態を示す図、図8は、図1の地中掘進機
の位置計測装置に設けられるコントローラの作用を説明
するための流れ図である。
【0051】位置検出素子412−1,412−2に
は、レンズ411で集められた各光源41,42からの
光をそれぞれ受光して、その受光した光の光量を検出す
るための多数の画素を有し、各画素での光量に関する検
出値を出力するタイプのものが用いられる。画素は、X
軸方向及びY軸方向に所定の画素ピッチ(寸法)を有し
て方形をなし、X軸方向及びY軸方向に所定数並べてマ
トリックス状に配置している。こうした多数の画素から
なる位置検出素子412−1,412−2は、光を受光
すると、X−Y平面座標上の各位置の光量を各画素によ
り検出して、その各位置の検出値を所定の順序で演算手
段に順次出力する。すなわち、各位置検出素子412−
1,412−2の受光面におけるX−Y平面座標の座標
位置に対応して、光量(光の強度)に比例した電流値等
の検出値を順次出力する。演算処理装置は、これらの出
力値を処理して各位置検出素子412−1,412−2
の受光面における各光源41,42の光の結像点の位置
すなわち光の受光位置を演算により求め得るように構成
されている。この結像点の位置を求める場合、各画素の
座標位置とその各座標位置に対応する画素の出力値とに
基づいて、位置検出素子412−1,412−2の出力
値の重心座標位置を演算して求める。
【0052】図2に示す例では、こうした演算を行う演
算手段として、コントローラ43を各計測ユニット40
0,400a,400bに設けている。図3は、位置検
出素子412−1に、検出対象となる光源41の光だけ
が結像したときの映像を示すものであり、検出対象の像
を44で表す。この図3に示すようなケースでは、位置
検出素子412−1の出力値の重心座標位置45を全部
の画素の出力値に基づいて求めても、重心座標位置45
は、検出対象の像44の内部に収まって適正に求めるこ
とができる。しかしながら、図4に示すように、位置検
出素子412−1に、検出対象の像44のほか、検出対
象外の像46が位置検出素子412−1に結像したとき
には、全部の画素の出力値に基づいて重心座標位置45
を求めたとすると、重心座標位置45は、検出対象外の
像46の光量の影響を受けて検出対象の像44の外側に
位置してしまうという不合理な結果が生じる。
【0053】こうした問題を解消するため、このコント
ローラ43には、位置検出素子412−1,412−2
の各画素の検出値を比較して最大検出値を出力する画素
を選別する演算機能を付加している。また、こうした機
能と併せ、その最大検出値を出力する画素及びその周辺
の所定範囲の画素の検出値に基づいて光の受光位置に関
するデータを算出する演算機能を付加している。これら
の演算機能を、図3乃至図7を用いて説明する。多数の
画素からなる位置検出素子412−1,412−2は、
X軸方向(横方向すなわち水平方向)に640、Y軸方
向(縦方向すなわち垂直方向)に480の画素を並べて
マトリックス状に配置したものが一般的である。図4に
おいて、H1は、このようにマトリックス状に配置した
画素の横列中、検出対象の像44の中心位置を通る画素
の横列を表し、H2は、こうした画素の横列中、検出対
象外の像46の中心位置を通る画素の横列を表す。ま
た、Vは、画素の縦列の方向を表わす。図3及び図4に
示す位置検出素子412−1の例では、640個からな
る画素の横列がV方向に480列ほど並べられているも
のとする。
【0054】図6には、画素の横列H1における輝度の
分布状態、図7には、画素の横列H2における輝度の分
布状態を示しており、図6では、輝度の最大値が255
近くであるのに対し、図6では、輝度の最大値が100
以下である。光源41の光量は、位置検出素子412−
1の近くにあるものほど大きく、位置検出素子412−
1と隣合うものが最も大きいことから、位置検出素子4
12−1で検出しようとしている検出対象の像44は、
画素の横列H1中の最大輝度(255近く)の付近に位
置しており、画素の横列H2中の最大輝度(100以
下)の付近に位置する像は、検出対象外の像46である
ことが分かる。したがって、位置検出素子412−1の
各画素の検出値を比較して、最大検出値を出力する画素
を選別すれば、検出対象の像44がどの付近に結像して
いるのかを予測することができる。こうした最大検出値
を出力する画素を特定する作業は、各計測ユニット40
0,400a,400bに内蔵されたコントローラ43
で行うが、その場合、ここに示す例では、640の画素
からなる各横列ごとに検出値を取得して各横列中の最大
検出値をそれぞれ求め、その結果得られた合計480の
横列中の最大検出値を比較して、位置検出素子412−
1における480×640個の画素のうちから最大検出
値を出力する一つの画素を特定するようにしている。
【0055】こうして最大検出値を出力する画素が特定
されると、コントローラ43は、その最大検出値を出力
する画素及びその周辺の所定範囲の画素の各検出値に基
づいて光源41の拡散光の結像点の中心位置を算出す
る。すなわち、コントローラ43は、図5に例示するよ
うに、検出対象の像44の周辺の限定した画像処理エリ
ア47の範囲内の各画素の検出値に基づいて位置検出素
子412−1の出力値の重心座標位置45を演算し、こ
れにより、検出対象の像44の中心点の位置を求めるこ
とができる。こうして得られる重心座標位置45は、検
出対象外の像46の光量の影響を受けていないので、検
出対象の像44だけが位置検出素子412−1に結像し
たときの図3のケースで求めた重心座標位置45とほと
んど一致することになって、光の受光位置に関する精度
の高いデータが得られる。コントローラ43では、この
精度の高いデータに基づいて光源41の方向を演算し、
中央演算処理装置4では、その演算結果を用いて地中掘
進機の掘進位置を演算する。なお、前記画像処理エリア
47の範囲は、適切な範囲を予め設定してコントローラ
43に記憶しておく。
【0056】このように、コントローラ43では、位置
検出素子412−1の各画素の検出値に基づいて光源4
1の光の受光位置に関するデータを算出する際、各画素
のうちから最大検出値を出力する画素を選別することに
より、検出対象の像44の位置を予測し、その最大検出
値を出力する画素及びその周辺の画素の検出値に基づい
て光源41の光の受光位置に関するデータを算出するよ
うにしているため、算出された受光位置に関するデータ
には、検出対象の像44の光量だけが反映されて、検出
対象外の像46の光量は反映されない。そのため、当該
計測ユニットで光源41の光の受光位置を検出している
ときに、検出対象外の光源の光が当該計測ユニットに入
射しても、受光位置に関するデータの値がその光源の光
の影響を受けて、計測の信頼性が低下するようなことは
ない。ここに示す例では、コントローラ43は、位置検
出素子412−1,412−2内を各横列に分割(48
0分割)して各横列ごとに各画素の検出値を取得し最大
検出値を処理演算できるようにした演算機能を備えてい
るので、全画素中から最大検出値を出力する画素を選別
する演算作業を迅速に行うことができる。
【0057】次に、複数の中間ユニット400がすでに
後方に設置されている一計測地点において、地中掘進機
の位置計測に必要な偏角をコントローラ43や中央演算
処理装置4で演算する手順を、図8の流れ図を用いて説
明する。この地中掘進機の位置計測装置では、前記した
ように検出対象外の像46の影響を受けることなく検出
対象の像44の中心位置を求めることができて、各計測
ユニット400,400a,400bでの計測に必要な
全光源41,42を同時に点灯して行う同時点灯計測に
適しているので、ここでは、こうした同時点灯計測を行
う場合を例にして説明する。その場合、中間計測ユニッ
ト400の反射プリズム413−1,413−2に普通
の反射プリズムを用いると、1個の中間計測ユニット4
00で隣合う前方、後方の光源41,42の方向を同時
に計測したときには、一方の光源の光を受光する際に他
方の光源の光がノイズとして混じるため、ここに示す例
では、反射プリズム413−1,413−2に偏光反射
プリズムを用いて、こうした問題が生じないようにして
いる。地中掘進機の位置計測装置により各計測地点で計
測しようとするときには、各計測地点で地中掘進機の掘
進を停止し、オペレータは、中央演算処理装置4に対し
てその都度計測開始の指令操作を行う。図8の流れ図中
の「開始」は、こうした計測開始の指令操作を意味す
る。
【0058】当該計測地点で計測開始の指令操作を行う
と、各計測ユニット400,400a,400bの光源
41,42が点灯して、各計測ユニット400,400
a,400bでの計測に必要な拡散光が発せられる。そ
うすると、ステップS100に移行し、以下、各計測ユ
ニット400,400a,400bごとに図8の流れ図
に従って光源41,42の方向や偏角の演算が行われ
が、ここでは、中間計測ユニット400での計測結果に
基づいてこうした演算を行う場合を例にして述べる。ま
ず、ステップS100に移行すると、当該中間計測ユニ
ット400に内蔵されたコントローラ43では、位置検
出素子412−1の水平成分ごとに、すなわちマトリッ
クス状に配置した画素の各横列ごとに、各画素が検出し
た検出値すなわち輝度データを取得する。
【0059】次いで、ステップS101で、こうして取
得した輝度データを比較して位置検出素子412−1に
おける全画素のうちから最大検出値を出力する一つの画
素を特定する。かくて、位置検出素子412−1におけ
るX−Y平面座標上の最も明るい点を特定することがで
きる。その場合、明るさに大差のないきわめて明るい点
が複数あるときには、その複数の点を最も明るい点とし
て記憶する。次いで、ステップS102に移行して、こ
うした最も明るい点が複数あるか否かを判定する。その
結果、最も明るい点が複数あると判定されたときには、
計測装置や周辺条件に故障や異常がある可能性が高いの
で、原因を究明するためにS103で計測を停止する。
また、最も明るい点が複数ないと判定されたときには、
ステップS104に移行する。
【0060】このステップS104では、ステップS1
00で取得した輝度データを用いてその最も明るい点の
付近の範囲だけに限定した画像処理エリア47内で画像
処理演算を行う。すなわち、位置検出素子412−1に
おける最大検出値を出力する画素及びその周辺の所定範
囲の画素の各検出値に基づいて拡散光の結像点の中心位
置をコントローラ43で演算し、その演算結果に基づい
て光源41の方向に関するデータを得る。以上、位置検
出素子412−1での検出値に基づいて光源41の方向
に関するデータを得る過程を述べたが、コントローラ4
3では、以上と同様のステップを経て、当該中間計測ユ
ニット400の位置検出素子412−2での検出値に基
づいて、当該中間計測ユニット400と隣合う光源42
の方向に関するデータも得る。これら光源41,42の
方向に関するデータは、中央演算処理装置4に出力され
る。そうすると、ステップS105に移行し、中央演算
処理装置4では、当該中間計測ユニット400を基点
(頂点)とする偏角の演算に必要な前後双方の光源4
1,42の方向に関するデータが得られるため、その偏
角を演算して偏角データを取得する。
【0061】次いで、ステップS106に移行して一つ
の装置の計測すなわち当該中間計測ユニット400での
偏角の演算が終了したか否かを確認する。その結果、偏
角の演算が終了したことを確認できないときには、その
演算が終了するのを待ち、終了したことを確認できたと
きにはステップS107に移行する。このステップS1
07では、当該計測地点での全ての偏角の計測が終了し
たか否かを判定する。その結果、終了していないと判定
されたときには、中央演算処理装置4の指令により、再
びステップS100に移行して、各計測ユニット40
0,400a,400bの中から設定順序に従って次の
計測ユニットでの計測が開始されて、以上述べたのと同
様の手順により偏角データを取得する。以後、以上述べ
たのと同様の手順により、当該計測値点に設置されてい
る全ての計測ユニットを使用して光源の方向やこれに基
づく偏角に関するデータが得られるが、基点計測ユニッ
ト400aや被測点計測ユニット400bでは、光源の
方向に関するデータだけをステップS104で得る。当
該計測地点での全ての計測が終了したものとステップS
107で判定されると、中央演算処理装置4の指令によ
り全計測ユニット400,400a,400bの光源4
1,42が自動的に消灯して当該計測地点での計測を終
了する。
【0062】コントローラ43を用いたこのような計測
は、各計測地点でそれぞれ行うが、そのときには、それ
ぞれの計測地点でオペレータが単に計測開始の指令操作
を行なえば、その後は、それぞれの計測地点で以上述べ
たような手順で偏角が計測され、その計測結果を用いて
地中掘進機の掘進位置の計測が自動的に行なわれる。以
上、この地中掘進機の位置計測装置について、同時点灯
計測を行う場合を例にとって説明したが、この位置計測
装置は、同時点灯計測以外の計測を行う場合にも、当然
使用することができる。
【0063】ここでは、本発明に係る地中掘進機の位置
計測装置について、中間計測ユニット400の反射プリ
ズム413−1,413−2に偏光反射プリズムを用い
たものを例にして説明したが、反射プリズム413−
1,413−2に普通の反射プリズムを用いる場合に
は、各中間計測ユニット400とも、隣合う各光源4
1,42の方向を片方ずつ逐次計測するようにすればよ
い。ここに示す例では、当該計測地点に設置されている
全ての計測ユニット400,400a,400bに図8
に示すような演算機能を有するコントローラ43を設け
て光の受光位置に関するデータを算出するようにしてい
るが、当該計測地点における各計測点中、計測現場の周
辺状況からみて、こうした方法によらなくても信頼性の
高いデータが取得できると考えられる計測点がある場合
には、その計測点に設置される計測ユニットについて
は、そのような演算機能を有するコントローラ43を設
けないようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、「地下坑を掘削しながら地中を掘進する地中掘進機
の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に配置しそ
の掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘進方向後
方に配置し計測の基点となる計測基点との位置関係で計
測する地中掘進機の位置計測装置」を構成する場合、
「課題を解決するための手段」の項に示したように構成
しているので、本発明の地中掘進機の位置計測装置で
は、光源に拡散光を用いて計測時に光を位置検出素子に
当てる操作を不要にし、機械的な計測誤差や振動による
計測誤差を生じにくくしただけではなく、光源の光の受
光位置を計測ユニットで検出しているときに検出対象外
の光源の光がその計測ユニットに入射しても、演算手段
での光の受光位置に関するデータの算出結果が検出対象
外の光源の光の影響を受けて計測の信頼性を低下させる
ようなことがない。また、中間計測ユニットを設置する
際に位置設定さえ正確に行えば、取付姿勢が不統一であ
っても、その取付姿勢の影響を受けることなく地中掘進
機の掘進位置を正しく計測することができる。さらに、
被測点ユニットでは、ピッチング方向やヨーイング方向
の掘削機の姿勢を検出することができて、別途、掘削機
の姿勢検出用の計測器を新設しないでも済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例の地中掘進機の位置計測装置
により地中掘進機の掘進位置を計測している状態の全体
像を概略的に示す図である。
【図2】図1の地中掘進機の位置計測装置に使用する中
間計測ユニットの例を示す斜視図である。
【図3】検出対象の光源の光だけが結像したときの位置
検出素子の映像を示す図である。
【図4】検出対象の光源のほか検出対象外の光源の光が
結像したときの位置検出素子の映像を示す図である。
【図5】位置検出素子における光の結像位置を演算で求
めるときの本発明に係る演算手法を説明するための図4
と同様の図である。
【図6】位置検出素子における検出対象の光源の像を中
心とする水平方向の輝度の分布状態を示す図である。
【図7】位置検出素子における検出対象外の光源の像を
中心とする水平方向の輝度の分布状態を示す図である。
【図8】図1の地中掘進機の位置計測装置に設けられる
コントローラの作用を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
1 掘削機 2 地下坑 3 発進立坑 4 中央演算処理装置 5 表示装置 41,42 光源 43 コントローラ 44 検出対象の像 45 重心座標位置 46 検出対象外の像 47 画像処理エリア 400 中間計測ユニット 400a 基点計測ユニット 400b 被測点計測ユニット 411 レンズ 412−1,412−2 位置検出素子 413−1,413−2 反射プリズム C レンズの光軸 D 光源の光軸 V 隣合う計測ユニット間の見通し線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 健 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D054 AA02 AC01 AC18 GA04 GA82

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下坑を掘削しながら地中を掘進する地
    中掘進機の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に
    配置しその掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘
    進方向後方に配置し計測の基点となる計測基点との位置
    関係で計測する地中掘進機の位置計測装置であって、前
    方に拡散光を発する光源と少なくとも前方の光源からの
    拡散光を集光する集光手段と集光手段で集光した光源か
    らの光を受光してその受光位置を検出する位置検出素子
    とを有し計測基点を設定する基点計測ユニットと、後方
    に拡散光を発する光源と後方の光源からの拡散光を集光
    する集光手段と集光手段で集光した光源からの光を受光
    してその受光位置を検出する位置検出素子とを有し被計
    測点を設定する被測点計測ユニットと、前方及び後方に
    拡散光を発する各光源と前方及び後方の光源からの拡散
    光をそれぞれ集光する集光手段と集光手段でそれぞれ集
    光した各光源からの光をそれぞれ受光してその受光位置
    を検出する位置検出素子とを有し地下坑における基点計
    測ユニットと被測点計測ユニットとの間に配置される少
    なくとも一つの中間計測ユニットと、位置検出素子での
    検出結果を処理して光の受光位置に関するデータを算出
    する演算手段とを設けて、基点計測ユニット及び中間計
    測ユニットでの光の受光位置に関するデータに基づいて
    得られる各光源の方向に関するデータと隣合う各計測ユ
    ニット間の距離に関するデータとに基づいて、計測基点
    に対する被計測点の相対位置を演算して計測するように
    し、位置検出素子には、光を受光して光量を検出するた
    めの多数の画素を有し各画素の検出値を出力するものを
    用いるようにするともに、演算手段には、位置検出素子
    の各画素の検出値を比較して最大検出値を出力する画素
    を選別する演算機能とその最大検出値を出力する画素及
    びその周辺の画素の検出値に基づいて光の受光位置に関
    するデータを算出する演算機能を付加するようにしたこ
    と特徴とする地中掘進機の位置計測装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033105A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sokkia Co Ltd 推進機位置計測システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007033105A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sokkia Co Ltd 推進機位置計測システム

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