JP2001021356A - 地中掘進機の位置計測装置 - Google Patents

地中掘進機の位置計測装置

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JP2001021356A
JP2001021356A JP19342299A JP19342299A JP2001021356A JP 2001021356 A JP2001021356 A JP 2001021356A JP 19342299 A JP19342299 A JP 19342299A JP 19342299 A JP19342299 A JP 19342299A JP 2001021356 A JP2001021356 A JP 2001021356A
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light source
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measuring
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JP19342299A
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Takeshi Kamei
亀井  健
Takashi Moro
茂呂  隆
Yasushi Minomoto
泰 美野本
Yoshiaki Shimomura
義昭 下村
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘進位置の計測時に計測ユニットが光源の光
を受光できなくなったときにその原因を遠隔探知できる
地中掘進機の位置計測装置を提供する。 【解決手段】 計測基点、中間計測点及び被計測点を順
次設定して、隣合う計測ユニットに拡散光を発する光源
1a,1bと隣合う前方、後方の光源1a,1bからの
拡散光を集光するレンズ2a,2bと集光した光の受光
位置を検出する受光部3a,3bとを有する計測ユニッ
ト40を各計測点に設置して、各計測ユニット40での
検出結果に基づいて得られる各光源42の方向のデータ
と、別途収集した隣接する計測ユニット40間の各距離
のデータとに基づいて計測基点に対する被計測点の位置
を計測するとともに、計測ユニット40の各光源1a,
1bの光をその計測ユニット40の受光部3a,3bの
双方で受光できるように反射鏡5a〜5dを配置し、当
該計測ユニット40が計測時に故障で受光不能になった
ときにそれの光源1a,1bを点灯して故障原因を遠隔
探知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲線経路を掘進す
る地中掘進機における掘進位置の計測に用いられる地中
掘進機の位置計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下坑を掘削しながら地中を掘進する地
中掘進機でカーブした地下坑を掘削するには、地中掘進
機が計画路線(予め設定された掘進経路)に沿って正し
く掘進しているかどうかを知るため、その掘進位置を確
認しなければならない。この種の地中掘進機としては、
人が入れない小口径の管を地中に埋設する小口径管推進
機、人が入れる大口径の管を地中に埋設するセミシール
ド機さらにはシールド掘進機を挙げることができる。
【0003】地中掘進機の掘進位置を確認するには、通
常、発進立坑等の地中掘進機の掘進の出発点となる地点
及び地中掘進機内にそれぞれ計測基点及び被計測点を設
定するとともに、地中掘進機の掘進の進展に応じてこれ
らの中間位置の掘進経路上に適宜中間計測点を設定す
る。そして、後に詳述するように、これらの計測点間の
各距離を計測するほか、各計測点とその隣の計測点とを
結ぶ線分が基準線に対してなす角度を順次計測し、これ
らの計測結果に基づいて地中掘進機の掘進位置を演算に
より求めるようにしている。
【0004】地中掘進機の位置計測においては、これま
で、こうした角度を計測するのに、トランシットを用い
て計測する方法が一般的に採用されている。このトラン
シットによる角度の計測方法は、人的能力に依存する方
法であるため、熟練技術者等人手を要するだけでなく一
回の測量時間が長くなる。さらに、手狭な坑内で測量し
なければならないため、測量作業に多大の労力と危険が
伴う。こうした問題に対応して、従来、この種の地中掘
進機の掘進位置計測技術として、掘進位置の計測の際
に、角度をトランシットによらないでレーザビームで光
学的に計測する方法を採り入れたものがある。
【0005】こうした方法を採り入れた地中掘進機の掘
進位置計測技術として、例えば特開昭61ー45092
号公報に記載されたシールド掘進機の方向検出装置を挙
げることができる。この従来例の装置は、「前方のトン
ネル内へ向けて照射する第1レーザビーム発振器と前方
からのレーザビームを受光することができる第1レーザ
ビーム受光器とをサーボモータでX方向(ヨーイング方
向)、Y方向(ピッチング方向)に回転できるように架
台に取り付け、かつ、その回転角度をセンサで検知でき
るようにした計測用機器をトンネルの入口部に設置する
とともに、後方の第1レーザビーム受光器へ向けて照射
する第2レーザビーム発振器と後方の第1レーザビーム
発振器からのレーザビームを受光することができる第2
レーザビーム受光器と前方のシールド掘進機方向に向け
て照射する第3レーザビーム発振器とをサーボモータで
X,Y方向に回転できるように架台に取り付け、かつ、
その回転角度をセンサで検知できるようにした計測用の
中継器をトンネルの中間部に設置し、また、後方の第2
レーザビーム発振器からのレーザビームを受光すること
ができ、かつ、X,Y方向及びローリング角を検知可能
にした第3レーザビーム受光器とピッチングローリング
計とをシールド掘進機に取り付けるようにした」装置で
ある。
【0006】この従来例の装置は、計測用の光源とし
て、収束度の高いレーザ光であるレーザビームを用い、
このレーザビームをレーザビーム受光器の所定位置に照
射するように、レーザビーム発振器をヨーイング方向や
ピッチング方向に回転操作してその回転角度を検知し、
検知した回転角度に基づいて、シールド掘進機の計画線
からのずれ位置をコンピュータで演算して求めるように
している。そのため、地中掘進機の掘進位置を計測する
際、レーザビームを受光部としてのレーザビーム受光器
の所定位置に的確に当てるようにレーザビーム発振器を
回転させる操作を要して操作が複雑であるばかりでな
く、サーボモータ等レーザビーム発振器を回転させるた
めの回転機構を要して機構も複雑になり、これに伴って
種々の問題がもたらされることとなる。例えば、こうし
た回転機構を設けたことにより、装置が地下坑内に配置
するものにしては大型化し、製作費が割高になるのは勿
論のこと、回転機構が機械的なものであるために、光学
的な誤差に機械的な誤差が加わって高い計測精度を確保
することが困難であるとともに振動に対しても弱い。
【0007】こうしたことから、出願人は、計測用の光
源として、レーザビームよりも広い領域を照らせる拡散
光を用いて、レーザビームのように光を受光部に当てる
ための操作は要せず機械的な計測誤差や振動による計測
誤差も生じないようにした、これまで実施されたことの
ない斬新的な技術の開発を進ている。その技術開発の過
程で生まれた発明は、すでに特許出願されており、その
代表的なものとして、特開平10ー293028号に係
る発明を挙げることができる。この発明は、図5に示す
ように、基点計測ユニット40aと被測点計測ユニット
40bとの間の地下坑20内に適宜の数の中間計測ユニ
ット40を配置し、これら各計測ユニット40,40
a,40bがそれぞれ隣合う他の計測ユニットの光源の
拡散光を凸レンズで集めて受光部で受光してその受光位
置を検出し、これにより得られる各光源の方向に関する
角度のデータと隣合う各計測ユニット40,40a,4
0b間の距離に関するデータとに基づいて地中掘進機の
掘進位置を計測するようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この地中掘進機の位置
計測装置は、基点計測ユニット40aや各中間計測ユニ
ット40がこれと隣合う光源の光を受光することにより
初めて地中掘進機の掘進位置の計測が可能となるもので
あって、これらの計測ユニット40,40aのうちの1
台でも受光できない事態になると、掘進位置の計測が不
可能となる。例えば、図5に示す地中掘進機の位置計測
装置において、地下坑20内に設置された計測ユニット
40,40a,40bのうち[3]の中間計測ユニット
40が何らかの原因でこれと隣合う[2]及び[4]の
中間計測ユニット40の光源の光を受光できなくなった
とすると、[2]及び[4]の中間計測ユニット40で
光の受光位置を検出できたとしても、掘進位置の計測そ
れ自体が不可能になるため、オペレータは、地中掘進機
の掘進位置を知ることができず、もはや、地下坑20の
施工を進めることができなくなる。
【0009】こうしたことから、[3]の中間計測ユニ
ット40が受光できなくなったときには、正常な状態に
戻すようにその原因を究明する必要がある。[3]の中
間計測ユニット40が受光できない主要な原因として
は、[3]の中間計測ユニット40の受光部が故障して
いる、[2]及び[4]の各中間計測ユニット40の光
源が故障している、[3]の中間計測ユニット40が
[2]及び[4]の各中間計測ユニット40の光源の光
を受光する上で適切に設置されていない、という種々の
原因を挙げることができる。そのため、その原因を普通
の方法により直接的に調べようとすると、[2]、
[3]及び[4]の少なくとも3台の中間計測ユニット
40を狭い坑内から回収することが必要となり、原因の
究明に多大の手間と困難が伴う。
【0010】本発明は、こうした従来の技術にみられる
問題を解消しようとするものであって、その技術課題
は、地中掘進機の掘進位置の計測時に計測ユニットが光
源の光を受光できなくなったときにその原因を遠隔的に
探査することができる地中掘進機の位置計測装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題は、「地下坑を掘削しながら地中を掘進する地中掘進
機の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に配置し
その掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘進方向
後方に配置し計測の基点となる計測基点との位置関係で
計測する地中掘進機の位置計測装置」を次のように構成
することにより達成される。
【0012】前方に拡散光を発する光源と少なくとも前
方の光源からの拡散光を集光する集光手段と集光手段で
集光した光源からの光を受光してその受光位置を検出す
る受光部とを有し計測基点を設定する基点計測ユニット
と、少なくとも後方に拡散光を発する光源を有し被計測
点を設定する被測点計測ユニットと、前方及び後方に拡
散光を発する各光源と前方及び後方の光源からの拡散光
をそれぞれ集光する集光手段と集光手段でそれぞれ集光
した各光源からの光をそれぞれ受光してその受光位置を
検出する各受光部とを有し地下坑における基点計測ユニ
ットと被測点計測ユニットとの間に配置される少なくと
も一つの中間計測ユニットと、基点計測ユニット及び中
間計測ユニットでの光の受光位置に関するデータに基づ
いて得られる各光源の方向に関するデータと隣合う各計
測ユニット間の距離に関するデータとに基づいて、計測
基点に対する被計測点の相対位置を演算して計測するよ
うにするとともに、中間計測ユニットは、その中間計測
ユニットの各受光部で受光されるように光を発すること
のできる発光手段を有して、この発光手段を非計測時に
作動させ得るように構成する。
【0013】本発明の地中掘進機の位置計測装置は、こ
のように光源として特に拡散光を発する光源を用いて拡
がりをもつ光でレーザビームよりも広い領域を照らせる
ようにしているため、光源にレーザビームを用いる従来
の技術のように光源の光を受光部に当てるための操作を
要せず、ひいては、その操作を可能にするための回転機
構を設ける必要がなくなって、その回転機構に起因する
機械的な計測誤差も生じない。
【0014】また、その拡がりをもつ各光源の光を中間
計測ユニットに集めてその受光位置を検出し、その受光
位置に関するデータに基づいて前方及び後方の双方の光
源の方向に関するデータを得るようにしているため、中
間計測ユニットが外力によりピッチング方向やヨーイン
グ方向に振動しても計測誤差が生じにくい。また、こう
したことから、中間計測ユニットを計測点に設置する際
に、位置設定さえ正確に行えば、その取付姿勢が多少不
統一であっても、取付姿勢の影響を受けることなく地中
掘進機の掘進位置を正しく計測することができる。一
方、基点計測ユニットでは、前方の光源からの光の受光
位置を受光部で検出し、その受光位置に関するデータに
基づいて前方の光源の方向に関するデータを得て、地中
掘進機が発進したときの実際の発進方向を検出すること
ができる。また、被測点ユニットでは、後方の光源の方
向を検出してピッチング方向やヨーイング方向の掘削機
の姿勢を検出することができ、そのため、別途、掘削機
の姿勢検出用の計測器を新設しないでも済む。
【0015】こうした地中掘進機の位置計測装置におい
て、本発明では、特に、中間計測ユニットが、その各受
光部で受光されるように光を発することのできる発光手
段を有するので、地中掘進機の掘進位置の計測時に中間
計測ユニットのどれかが光源の光を受光できなくなる異
常事態が発生したときに発光手段を作動させてその受光
に関与していない当該中間計測ユニットの光源の一つを
受光部に受光させて受光の有無を識別することにより、
当該中間計測ユニットが受光できない原因が少なくとも
当該中間計測ユニット自身にあるのか否か、その異常事
態の原因を遠隔的に探査することができる。したがっ
て、本発明によれば、地中掘進機の掘進位置の計測時に
計測ユニットが光源の光を受光できなくなったときにそ
の原因を遠隔的に探査することができて、普通の方法で
原因を究明する場合に比べて手間や困難が伴わない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図5に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例の地中掘進機の位置
計測装置に使用する中間計測ユニットの例を示す断面
図、図2は、図1の中間計測ユニットの前面図、図3
は、本発明の具体化例の地中掘進機の位置計測装置にお
ける故障判断装置の第一段階の作用を説明するための流
れ図、図4は、本発明の具体化例の地中掘進機の位置計
測装置における故障判断装置の第二段階の作用を説明す
るための流れ図、図5は、本発明や従来の技術に係る地
中掘進機の位置計測装置により地中掘進機の掘進位置を
計測している状態の全体像を概略的に示す図である。な
お、図5は、本発明及び従来の技術に共通の図であり、
同図における各計測ユニット40,40a,40bは、
本発明と従来の技術とでは基本的な構造が同じでも細部
の構造が異なるが、説明の便宜上同一符号を付して表
す。
【0017】まず、本発明の具体化例の基本的な技術内
容を図1、図2及び図5に基づいて説明する。本発明の
地中掘進機の位置計測装置では、地中掘進機の掘進位置
の指標となる被計測点の位置を計測の基点となる計測基
点との位置関係で計測する。その使用態様の一例を図5
に基づいて概説する。10は地中掘進機の主要部をなす
掘削機、20はシールド掘進機で掘削した坑道又は管推
進機で掘削した管渠等の地下坑、30は地中掘進機の掘
進の出発点となる発進立坑である。掘削機10は、管推
進機及びシールド掘進機等、地下坑を掘削しながら地中
を掘進する地中掘進機の掘削機であれば、何れのもので
もよい。地下坑20は、管推進機であれば、ヒューム
管、鋼管等の埋設管で坑壁が形成され、シールド掘進機
であれば、鋼製又はコンクリート製のセグメントで坑壁
が形成される。
【0018】40aは計測基点を設定する基点計測ユニ
ット、40bは被計測点を設定する被測点計測ユニッ
ト、40は地下坑20内におけるこれら基点計測ユニッ
ト40aと被測点計測ユニット40bとの間に設定され
た中間計測点に配置される中間計測ユニットである。中
間計測ユニット40は、地中掘進機の掘進の進展に応じ
て一つ以上所望の数配置するが、ここでは、説明の便宜
上、三つの中間計測ユニット40を配置した例を示して
いる。これらの計測ユニット40,40a,40bは、
後に詳述するように、図示しない中央演算処理装置にそ
れぞれ通信ラインで接続されている。この中央演算処理
装置では、通信ラインを通じて入力される各計測ユニッ
ト40,40a,40bでの検出結果に基づいて地中掘
進機の掘進位置を演算する。この中央演算処理装置での
演算結果やその演算結果に基づいて得られる情報は、オ
ペレータの操縦の便のために数値やグラフで図示しない
表示装置に表示される。
【0019】地中掘進機の掘進位置を光で計測する場
合、その計測の基点となる計測基点と掘進中の地中掘進
機の現在位置を表すための指標となり得るような被計測
点を設定する必要があるが、基点計測ユニット40a
は、計測基点を設定する役割を果たし、被測点計測ユニ
ット40bは、被計測点を設定する役割を果たす。基点
計測ユニット40aは、通常、発進立坑30に設置し、
被測点計測ユニット40bは、通常、掘削機10(シー
ルド工事ではシールド掘進機、管推進工事では先導体)
にそれぞれ設置する。基点計測ユニット40a、中間計
測ユニット40及び被測点計測ユニット40bは、大別
すると、隣合う計測ユニットに対して拡散光を発する光
源と、隣合う計測ユニットの光源から拡散光を受けてそ
の光の方向を検出するように構成された光源方向検出手
段とからなっていて、何れも、基本的な構造は変わらな
い。
【0020】各計測ユニット40,40a,40bは、
このように、何れも基本的な構造は変わらないので、各
計測ユニット40,40a,40bを代表して中間計測
ユニット40の構造を図1及び図2に基づいて説明し、
併せて、他の計測ユニット40a,40bの構造も明ら
かにする。中間計測ユニット40は、大別すると、隣合
う前方の計測ユニット及び後方の計測ユニットに向けて
それぞれ拡散光を発することができる前方光源1a及び
後方光源1bと、隣合う前方の計測ユニットの後方光源
1b及び後方の計測ユニットの前方光源1aからの拡散
光をそれぞれ集めることのできる集光手段としての凸レ
ンズ2a及び凸レンズ2bと、凸レンズ2a及び凸レン
ズ2bでそれぞれ集められた前方の計測ユニットの後方
光源1b及び後方の計測ユニットの前方光源1aからの
光をそれぞれ受光してその受光位置を検出する受光部3
a及び受光部3bとを有し、これらの要素を一体化して
ユニットをなすように構成している。
【0021】光源1a,1bには、発光ダイオードのよ
うな拡散光を発するいわゆる点光源のようなものを用い
る。すなわち、レーザビームのような収束度の高い光線
を発するものは用いることができないが、基本的には、
微小なエリアから放射状に拡がる拡散光を発するような
ものであれば、設計上、適宜選択して使用することがで
きる。したがって、こうした条件に適うものであれば、
半導体レーザによるレーザ光のようなものであっても、
適宜使用することができる。受光部3a,3bには、C
CD撮像素子(CCDはCharge−Coupled
−Deviceの略称である。)のような位置検出素子
を用いる。このCCD撮像素子は、一次元のラインセン
サでもよいが、ここでは、二次元の面センサを使用する
ことを前提にして説明する。受光部3a,3bに用いる
位置検出素子は、フォトダイオードの表面抵抗を利用し
て光スポットの位置を知ることのできるPSD(Pos
ition−Sensitive−Device)のよ
うなものでもよく、要は、集光手段で集められた光を受
光してその受光した光の位置を検出できるものであれ
ば、その種類は限定されない。
【0022】中間計測ユニット40は、以上述べた光源
1a,1b、凸レンズ2a,2b及び受光部3a,3b
のほか、本発明の独自の工夫を具体化するための手段の
例として、それぞれの光源1a,1bの光を双方の受光
部3a,3bで受光され得るようにするための反射鏡5
a〜5dを備えているが、ここでは、本発明のベースと
なる基本的な技術内容を説明しているので、その詳細は
後に説明する。中間計測ユニット40は、以上のほか、
付帯的構造としてコントローラ4、透明ガラス製の透明
板6及びケース7を備えている。各凸レンズ2a,2b
と受光部3a,3bとは、互いに平行に配置して中間計
測ユニット40のケース7内に取り付けられており、光
源1a,1bもケース7内に取り付けられている。透明
板6は、中間計測ユニット40のケース7の前後に設け
た各光採取孔に覆うように取り付けられ、ケース7の気
密性を保持するとともにケース7内の光源1a,1bや
凸レンズ2a,2b等を防護する。コントローラ4は、
ケース7に内蔵されて、光源1a,1bや受光部3a,
3bが電気的に接続されるとともに、図示しないケーブ
ルにより、前記通信ラインを通じて前記中央演算処理装
置に接続される。
【0023】このコントローラ4は、光源1a,1bを
発光させるための電源部、受光部3a,3bで検出した
光の位置に関する画像データを数値データに変換して処
理するためのデータ処理部及びこのデータ処理部で処理
したデータを中央演算処理装置に出力するための通信処
理部等から構成される。このコントローラ4のデータ処
理部では、後に詳述するように、受光部3a,3bで検
出した光の位置のデータを各光源1a,1bの方向のデ
ータに変換したりその変換したデータを補正したりする
ための演算も行う。前記ケーブルは、コントローラ4の
通信処理部と中央演算処理装置との間で通信信号を送受
信するための信号路や中間計測ユニット40に電源電流
を導くための電路を内蔵している。
【0024】次に、こうした中間計測ユニット40の受
光部3a,3bでの受光位置の検出結果に基づいて前後
に隣合う計測ユニットの光源1b,1aの方向を検出す
る原理を説明する。
【0025】各受光部3a,3bには、それぞれの受光
面にX−Y平面座標が予め設定されている。それゆえ、
各受光部3a,3bは、光源1a,1bからの拡散光が
結像すると、その結像位置すなわち集光した拡散光の受
光位置をX,Y軸の座標点として検出することができ
る。こうして拡散光の受光位置が検出されると、その検
出結果に基づいて各光源1a,1bの方向を演算により
検出することができる。これらの各光源1a,1bの方
向は、中間計測ユニット40の基準線Gに対して各光源
1a,1bの光軸D(各光源1a,1bの拡散光が前後
方向に直進するときの各出発点の中心位置とレンズ2
a,2bの中心位置とをそれぞれ結ぶ各線)のなす角度
で表すことができる。前記中間計測ユニット40の基準
線Gは、通常はレンズ2a,2bの光軸C(レンズ2
a,2bの中心を通りこれに直交する軸線)に合わせる
ように設定する。
【0026】各光源1a,1bの方向を表す前記の角度
は、具体的には、各光源1a,1bの方向の水平方向の
成分(レンズ2a,2bの光軸Cと各光源1a,1bの
光軸Dを水平面上へ正投影した線同士のなす角度)と垂
直方向の成分(レンズ2a,2bの光軸Cと各光源1
a,1bの光軸Dをレンズ2a,2bの光軸Cと平行な
垂直面上へ正投影した線同士のなす角度)とで特定する
ことができる。したがって、各光源1a,1bの方向の
水平方向の成分及び垂直方向の成分がゼロであること
は、各光源1a,1bの光軸Dがレンズ2a,2bの光
軸C上を通っていることに相当し、その場合、各光源1
a,1bの拡散光は、各受光部3a,3bのX−Y平面
座標上の原点に結像する。
【0027】これら各光源1a,1bの方向の水平方向
の成分及び垂直方向の成分は、レンズ2a,2bの光軸
C上を通る各光源1a,1bの光軸Dがそれぞれレンズ
2a,2bに入射した後、レンズ2a,2bの中心位置
から受光部3a,3bに到達するまでの距離(この値は
中間計測ユニット40の仕様により定まる既知の値であ
る。)と、受光部3a,3bへの各光源1a,1bの拡
散光の結像位置のX軸方向の成分及びY軸方向の成分と
の関係から演算により求めることができる。こうした演
算は、中央演算装置4で行ってもよいが、光源1a,1
bの方向の水平方向の成分及び垂直方向の成分は、前記
の拡散光の結像位置のX軸方向の成分及びY軸方向の成
分が検出されれば、一義的に定まる値であって機械的に
求められるので、ここに示す例ではコントローラ4で求
めている。
【0028】中間計測ユニット40は、以上述べたよう
に光源1a,1bと集光手段としてのレンズ2a,2b
と受光部3a,3bとを基本的な手段として備え、これ
らをケース内に組み込んでユニット状に一体構成してい
る。これに対し、基点計測ユニット40aは、前方に拡
散光を発する光源1aと前方の光源1bからの拡散光を
集光するレンズ2aとこのレンズ2aで集光した光を受
光してその受光位置を検出する受光部3aとを備えてい
る。また、被測点計測ユニット40bは、後方に拡散光
を発する光源1bと後方の光源1aからの拡散光を集光
する凸レンズ2bとこのレンズ2bで集光した光を受光
してその受光位置を検出する受光部3bとを備えてい
る。換言すると、基点計測ユニット40a及び被測点計
測ユニット40bは、それぞれ、中間計測ユニット40
における前方側半分の機能及び後方側半分の機能を果た
す構造を備えており、この点を除けば、中間計測ユニッ
ト40の構造と本質的な差異はない。
【0029】したがって、基点計測ユニット40a及び
被測点計測ユニット40bには、中間計測ユニット40
をそのまま使用し、セットする際にそれぞれ前方側半分
及び後方側半分だけが働くようにしたり、ソフト上、そ
れぞれ前方側半分及び後方側半分だけを活かすようにし
てもよい。このように中間計測ユニット40に用いられ
る計測ユニットを基点計測ユニット40aや被測点計測
ユニット40bに兼用するようにすれば、製作する機器
の種類を少なくできてそれらの製作を省力化することが
できるだけでなく、使用する機器の種類も少なくできて
機器の使用上の便もよい。
【0030】こうした基点計測ユニット40aや被測点
計測ユニット40bに必要な構造は、図2の中間計測ユ
ニット40が備えているので、基点計測ユニット40a
や被測点計測ユニット40bに中間計測ユニット40を
そのまま使用して、中間計測ユニット40を計測基点や
被計測点にセットするときに必要な構造だけをソフト上
活かすようにしてもよい。このように中間計測ユニット
40を基点計測ユニット40aや被測点計測ユニット4
0bに兼用するようにすれば、製作する機器の種類を少
なくできてそれらの製作を省力化することができるだけ
でなく、使用する機器の種類も少なくできて機器の使用
上の便もよい。
【0031】図5は、こうした計測ユニット40a,4
0bの間に複数個の中間計測ユニット40を配置し、隣
合う計測ユニット間で拡散光を照射して地中掘進機の掘
進位置を計測するときの態様を示している。図5におい
て、Vは、隣合う計測ユニット間の基準点P(通常、レ
ンズ2a,2bの光軸C上で両レンズ2a,2b間の真
中の点に設定する。)同士を結ぶ直線を表し、この明細
書では、こうした直線を見通し線と称する。各光源1
a,1bやレンズ2a,2bの位置と基準点Pとの間の
距離は、各計測ユニット40,40a,40b間の距離
と比べてごく僅少であるので、前述の各光源1a,1b
の光軸D(各光源1a,1bの拡散光が前後方向に直進
するときの各出発点の中心位置とレンズ2a,2bの中
心位置とをそれぞれ結ぶ各線)は、この見通し線Vとほ
とんど一致し、それゆえ、超高精度の計測を要求しない
限り、光軸Dを見通し線Vとみなすことができる。な
お、超高精度の計測を要求するときには、各光源1a,
1bの方向の水平方向の成分及び垂直方向の成分をコン
トローラ4により演算で求める際に補正するようにすれ
ばよい。
【0032】図5には、基点計測ユニット40aと被測
点計測ユニット40bとの間に三つの中間計測ユニット
40を設置した例を示しているが、これらの計測ユニッ
ト40a,40bの間には、地中掘進機の掘進距離や地
下坑20のカーブの状態等を考慮しながら、一つ以上所
望の数の中間計測ユニット40を、互いに見通すことの
できる適当間隔を置いて設置することができる。
【0033】地中掘進機の掘進位置を計測する場合、前
後、上下、左右の3次元の位置座標上における計測基点
(座標の原点)に対する被計測点の相対位置を演算して
計測する。したがって、地中掘進機の掘進位置は、掘進
方向である前後方向の座標点に対応して上下方向の座標
点及び左右方向の座標点が求められて特定される。ま
た、これに対応して、光源1a,1bの方向に関する角
度も前述したように水平方向の成分及び垂直方向の成分
として求められて特定される。3次元の位置座標を設定
する場合、演算の便のため、座標の原点を計測基点に一
致させ、前後方向の座標軸を発進基準方向(地中掘進機
の発進時における予め設定した基準となる掘進路線の方
向)に一致させる。各計測ユニット40,40a,40
bを各計測点に設置する場合には、基点計測ユニット4
0aについてはその基準線Gを発進基準方向に合わせ、
被測点ユニット40bについては掘削機10の中心軸線
の方向に合わせるように姿勢を調整するが、中間計測ユ
ニット40については、予め定めた位置に設置するだけ
で姿勢までも調整する必要はない。
【0034】中間計測ユニット40では、光の受光位置
に関する検出結果に基づいて隣合う前方の計測ユニット
の後方光源1bの方向や後方の計測ユニットの前方光源
1aの方向を検出する。これらの光源1a,1bの方向
のうち、前方の計測ユニットの後方光源1bの方向は、
中間計測ユニット40の基準線Gとその基準線Gの前方
側の見通し線Vとのなす角度で表すことができ、後方の
計測ユニットの前方光源1aの方向は、中間計測ユニッ
ト40の基準線Gとその基準線Gの後方側の見通し線V
とのなす角度で表すことができる。基点計測ユニット4
0aでは、隣合う前方の中間計測ユニット40の後方光
源1bの方向を検出し、これにより地中掘進機が発進し
たときの実際の発進方向を検出する。この発進方向は、
前記したように基点計測ユニット40aの基準線Gを発
進基準方向に合わせていることから、その基準線Gと見
通し線Vとのなす角度で表すことができる。
【0035】この地中掘進機の位置計測装置では、こう
した発進方向に関する角度に関するデータを得るのと並
行して、隣合う各計測ユニット40,40a,40b間
の距離に関するデータを適宜の方法で収集する。これら
角度や距離に関するデータが得られると、地中掘進機の
掘進位置は一義的に定まるので、これらのデータから計
測基点に対する被計測点の相対位置を3次元の位置座標
における座標点として求めることができる。したがっ
て、地中掘進機の掘進位置すなわち計測基点に対する被
計測点の相対位置は、帰するところ、基点計測ユニット
40aや各中間計測ユニット40での検出結果から得ら
れる光源1a,1bの方向に関するデータと、隣合う各
計測ユニット40,40a,40b間の距離に関するデ
ータとに基づいて演算により計測することができる。
【0036】こうした演算は、各計測ユニット40,4
0a,40bから通信ラインを通じて入力される各光源
1a,1bの方向に関するデータや別途計測されて入力
される距離に関するデータに基づいて中央演算処理装置
により行われる。この中央演算処理装置には表示装置が
接続されているため、中央演算処理装置で演算された地
中掘進機の現在位置は、この表示装置に表示されて、地
中掘進機の現在位置に関する信頼性の高い情報をオペレ
ータにリアルタイムに提供することができる。なお、被
測点ユニット40bの受光部3bは、隣合う後方の中間
計測ユニット40の前方光源1aの方向を検出すること
により、ピッチング方向やヨーイング方向の掘削機10
の姿勢を検出する働きをする。それゆえ、地中掘進機に
通常設けられていたピッチング計やヨーイング計等の掘
削機の姿勢検出用の計測器を別途新設しないでも、掘削
機10の姿勢を検出することができる。
【0037】隣合う各計測ユニット40,40a,40
b間の距離を計測する方法について述べると、地中掘進
機が管推進機である場合には、例えば、埋設済みの埋設
管の数により算出される距離データと元押しジャッキの
ストローク計で検出される距離データとに基づいて計測
する方法を挙げることができる。また、地中掘進機がシ
ールド掘進機である場合には、例えば、セグメントの種
類と数に基づいて算出される距離データとシールドジャ
ッキのストローク計で検出される距離データとに基づい
て計測する方法を挙げることができる。これらの方法
は、何れも、管推進機やシールドジャッキに通常付設さ
れている元押しジャッキのストローク計やシールドジャ
ッキのストローク計を距離の計測にも活用することがで
きて、距離の計測のために特別の距離計測手段を新設す
る必要がない。
【0038】本地中掘進機の位置計測装置では、光源1
a,1bからの拡散光を各計測ユニット40,40a,
40bにおいてレンズ2a,2bで集光し、その集光し
た光を受光部3a,3bで受光してその受光位置を検出
することにより、前方の光源41や後方の光源42の方
向を検出するようにしている。その場合、光源として特
に拡散光を発することのできる光源1a,1bを用いて
拡がりをもつ光でレーザビームよりも広い領域を照らせ
るようにしているため、ウエッジプリズムを回動させる
ことによりレーザビームを受光部に当てる従来の技術で
行われているような操作は行わなくても済む。その結
果、こうした操作を可能にするための回転機構を設ける
必要もなくなるため、従来の技術とは異なり、回転機構
に起因する機械的な計測誤差も生じない。また、拡散光
の光源1a,1bは、このように照射領域が広いため、
各計測ユニット40,40a,40bや光源1a,1b
が外力により振動しても、各計測ユニット40,40
a,40bを常に照らすことができて計測に支障が生じ
ることもない。
【0039】特に中間計測ユニット40では、受光部3
a,3bの受光位置により隣合う前方の光源41及び後
方の光源42の双方の光源の方向を検出するようにして
いるため、これらの検出結果から求められる隣合う前後
の見通し線Vの角度関係は、中間計測ユニット40がピ
ッチング方向やヨーイング方向に変位しても(上下方向
や左右方向に揺動しても)変動しない。そのため、この
地中掘進機の位置計測装置では、中間計測ユニット40
が外力によりピッチング方向やヨーイング方向に振動し
ても、計測誤差が生じにくい。また、こうしたことか
ら、中間計測ユニット40を計測点に取り付ける際に、
位置設定さえ正確に行えば、取付姿勢が不統一であって
も、その取付姿勢の影響を受けることなく地中掘進機の
掘進位置を正しく計測することができる。
【0040】図5に示す例では、計測基点を発進立坑3
内に設定して、基点計測ユニット40aでは隣合う前方
の中間計測ユニット40の後方光源42の方向だけを検
出するようにしているが、発進立坑30の前方の地下坑
20内に発進立坑30との位置関係を特定した上で計測
基点を設定し、この前方の計測基点に向けて拡散光を発
する光源を発進立坑30内に設置して、この光源と前記
後方光源42の双方の光源方向を基点計測ユニット40
aで検出するようにしてもよい。計測基点を発進立坑3
内に設定した場合、高精度の計測を行うには、基点計測
ユニット40aについてその基準線を発進基準方向に合
わせるように取付姿勢を精度よく調整する困難な作業を
必要とするが、このように計測基点を発進立坑30前方
の地下坑20内に設定した場合には、基点計測ユニット
40aでも、中間計測ユニット40と同様、取付姿勢の
影響を受けることなく正しく計測できるため、取付姿勢
を調整しなくても、高精度の計測を簡便に行うことがで
きる。本発明を具体化する場合には、これら何れの方法
を採用してもよく、計測基点には、少なくとも隣合う前
方の中間計測ユニット40の光源42からの拡散光を集
光してその受光位置を検出することができる基点計測ユ
ニット40aを設置するようにすれば、地中掘進機の位
置計測の目的は達成することができる。
【0041】本発明の地中掘進機の位置計測装置を実際
上具体化する場合、ここに示す例では、以上のような地
中掘進機の位置計測装置をベースにして、図1に示すよ
うに内部に反射鏡5a〜5dを配置して中間計測ユニッ
ト40を構成する。これらの反射鏡5a〜5dを図1に
示すように配置したことにより、中間計測ユニット40
の各光源1a,1bは、単に隣合う前方、後方の計測ユ
ニットに向けて拡散光を発するだけではなく、その中間
計測ユニット40内の二つの受光部3a,3bで受光さ
れるように光を発することもできるようになる。すなわ
ち、図1に示すように、光源1aの光は、反射鏡5aに
反射されて受光部3aで受光されるようにもなるし、反
射鏡5a、反射鏡5c及び反射鏡5bで順次反射されて
受光部3bで受光されるようにもなる。同様にして、光
源1bの光は、反射鏡5bに反射されて受光部3bで受
光されるようにもなるし、反射鏡5b、反射鏡5d及び
反射鏡5aで順次反射されて受光部3aで受光されるよ
うにもなる。
【0042】すでに述べたように、図5の地中掘進機の
位置計測装置において、例えば、計測ユニット40,4
0a,40bのうち[3]の中間計測ユニット40が何
らかの原因で[2]及び[4]の中間計測ユニット40
の光源1a,1bの光を受光できなくなったとすると、
[2]及び[4]の中間計測ユニット40で光の受光位
置を検出できたとしても、掘進位置の計測それ自体が不
可能になるため、その原因を究明する必要がある。しか
しながら、その原因は、[3]の中間計測ユニット40
の受光部3a,3bが故障している、[2]及び[4]
の各中間計測ユニット40の光源1a,1bが故障して
いる、[3]の中間計測ユニット40が[2]及び
[4]の各中間計測ユニット40の光源1a,1bの光
を受光する上で適切に設置されていない等種々あるた
め、中間計測ユニット40を坑内から回収するという直
接的な方法で原因を究明しようとすると、多大の手間と
困難が伴う。本地中掘進機の位置計測装置では、前記の
ように反射鏡5a〜5dを内部に配置して中間計測ユニ
ット40を構成することにより、こうした問題を解消で
きるようにするための故障判断装置を構成している。こ
の故障判断装置は、地中掘進機の掘進位置の計測時に計
測ユニットが光源の光を受光できなくなったときにその
原因を遠隔的に探査することができる。
【0043】そこで、[3]の中間計測ユニット40が
[2]の中間計測ユニット40の前方光源1a及び
[4]の中間計測ユニット40の後方光源1bの光を受
光できない異常が発生した場合を例にして、こうした故
障判断装置の仕組みを、図3及び図4の流れ図を用いて
説明する。この故障判断装置は、異常の原因がどの計測
ユニットにあるかのレベルまで探査できるようにした一
次探査機構と、異常の原因が一次探査機構で探査した計
測ユニット中の光源及び受光部の何れにあるかのレベル
まで詳細に探査できるようにした二次探査機構とからな
る。このうち、一次探査機構の仕組みを図3に、二次探
査機構の仕組みを図4に示している。
【0044】まず、一次探査機構の仕組みを、図3を用
いて説明する。[3]の中間計測ユニット40が[2]
及び[4]の中間計測ユニット40の光源1a,1bの
光を受光できなくなったとき、処理100で[3]の中
間計測ユニット40の光源1aを点灯すると、同中間計
測ユニット40の受光部3aは、処理110でその光源
1aの光を受光する。そうすると、処理111に移行
し、処理111では、受光部3aが実際に光源1aの光
を受光しているか否か、すなわち受光ありか否かを判定
する。その結果、受光ありと判定されたときには、受光
部3aに異常なしとの120に示す結果1の判断と、光
源1aに異常なしとの121に示す結果2の判断をそれ
ぞれ下し、処理130に移行する。受光ありか否かの判
定は、受光部3aに例えばCCDカメラを用いた場合、
CCDカメラの画面に何らかの画像が写っているか否か
で行う。その場合、その画像の明るさが設定値以上であ
るときは何らかの画像が写っている、すなわち受光あり
と判断する。一方、処理111で受光ありと判定されな
かったときには、光源1a又は受光部3aに異常ありと
の122に示す結果3の判断を下し、同じく処理130
に移行する。
【0045】処理130に移行すると、今度は、[3]
の中間計測ユニット40の光源1bを点灯する。こうし
て光源1bを点灯すると、[3]の中間計測ユニット4
0の受光部3bは、処理140でその光源1aの光を受
光する。そうすると、処理141に移行し、処理141
では、受光部3bが実際に光源1bの光を受光している
か否か、すなわち受光ありか否かを判定する。その結
果、受光ありと判定されたときには、受光部3bに異常
なしとの150に示す結果4の判断と、光源1bに異常
なしとの151に示す結果5の判断とをそれぞれ下し、
処理160に移行する。一方、処理141で受光ありと
判定されなかったときには、光源1b又は受光部3bに
異常ありとの152に示す結果6の判断を下し、後に詳
述する処理200に移行する。受光部3b及び光源1b
に異常なしの結果4及び結果5の判断が下され処理16
0に移行すると、処理160では、光源1a又は受光部
3aに異常ありとの122に示す結果3の判断が下され
たか否か、すなわち結果3に異常ありか否かが確認され
る。その結果、異常ありのときには、前記の処理200
に移行し、異常ありでないときには、[3]の中間計測
ユニット40の全ての光源1a,1b及び受光部3a,
3bに異常がないこととなり、この故障判断装置の一次
探査機構による処理を終了する。
【0046】この一次探査機構によれば、当該中間計測
ユニット40について、光源1a、受光部3aの少なく
とも一方及び光源1b、受光部3bの少なくとも一方に
異常があるか否かのレベルで異常を探査することができ
る。したがって、[3]の中間計測ユニット40が
[2]の中間計測ユニット40の前方光源1a及び
[4]の中間計測ユニット40の後方光源1bの光を受
光できない異常が発生した場合において、[3]の中間
計測ユニット40の受光部3a、光源1a及び受光部3
b、光源1bの何れにも異常がないとの結果1、結果2
及び結果4、結果5の判断が下されたときは、[3]の
中間計測ユニット40の両隣の[2]及び[4]の中間
計測ユニット40について、以上述べたのと同様の図3
の処理を行う。その結果、[2]の中間計測ユニット4
0に結果3、[4]の中間計測ユニット40に結果6の
判断が下されたときには、[2]の中間計測ユニット4
0の前方光源1a及び[4]の中間計測ユニット40の
後方光源1bに異常があると推断することができる。
【0047】また、[2]の中間計測ユニット40の前
方光源1aに異常なしとの結果3、[4]の中間計測ユ
ニット40の後方光源1bに異常なしとの結果6の判断
が下されたときには、計測機器そのものには問題がない
ことになる。したがって、この場合には、[3]の中間
計測ユニット40自体が極端に傾いていたりその向きが
きわめて不適切であったする等、[3]の中間計測ユニ
ット40の設置状態が[2]及び[4]の各中間計測ユ
ニット40の光源1a,1bの光を受光する上で適切な
状態にないと判断することができる。
【0048】一方、[3]の中間計測ユニット40の光
源1a又は受光部3aに異常ありとの結果3の判断及び
光源1b又は受光部3bに異常ありとの結果6の判断が
下されたときには、その受光部3a及び受光部3bに異
常があるものと推定することができる。なぜならば、仮
に、光源1a,1bに異常があり受光部3a,3bに異
常がないものとすると、[2]及び[4]の各中間計測
ユニット40の光源1a,1bにも異常があることにな
って、[3]の中間計測ユニット40の光源1a,1b
とこれと隣合う前後の光源1a,1bとが同時に故障し
ていることになるが、こうした光源の同時故障は、稀に
しか起り得ないからである。[3]の中間計測ユニット
40について、このように結果3及び結果6の判断が下
されたときは、その計測機器そのものに問題があること
になるので、何れにしても中間計測ユニット40を回収
し、異常の原因を究明して修理する必要がある。以上の
ように、一次探査機構によれば、当該中間計測ユニット
40が受光できなくなった原因がどの中間計測ユニット
40にあるかを遠隔探査することができて、普通の方法
で原因を究明する場合に比べて手間や困難が伴わない。
したがって、中間計測ユニット40にこの一次探査機構
を設けるだけでも所期の目的は達成することができる。
【0049】しかしながら、この地中掘進機の位置計測
装置では、前記の結果3及び結果6の判断が下されたも
のについて更に詳細に原因が究明できるように、中間計
測ユニット40に二次探査機構を設けて、第二段階の処
理である異常個所詳細診断処理200を引き続き行うよ
うにしている。そこで、この異常個所詳細診断処理の内
容を、図4を用いて説明する。
【0050】この異常個所詳細診断処理では、まず、処
理201において、前記図3の処理で光源1a又は受光
部3aに異常ありとの結果3の判断が下されたか否か、
すなわち結果3が異常であるか否かを判定する。ここ
で、結果3が異常であると判定されなかった場合とは、
結果6だけが異常である場合、すなわち、光源1b及び
受光部3bの少なくとも一方に異常があり、光源1a及
び受光部3aには異常がない場合である。処理201で
の判定の結果、結果3が異常であると判定されなかった
ときには、処理210に移行し、[3]の中間計測ユニ
ット40の光源1a,1bのうち、異常のないことが図
3の処理で確認されている光源1aを点灯する。こうし
て光源1aを点灯すると、[3]の中間計測ユニット4
0の受光部3bは、処理220でその光源1aの光を受
光する。そうすると、処理223に移行し、処理223
では、受光部3bが実際に光源1aの光を受光している
か否か、すなわち受光があるか否かを判定する。その結
果、受光があると判定されなかったときには、受光部3
bが異常のない光源1aで受光できなかったのであるか
ら、受光部3bに異常ありとの230に示す結果7の判
断を下す。また、受光があると判定されたときには、光
源1bに異常ありとの231に示す結果8の判断を下
す。
【0051】一方、処理201で結果3が異常であると
判定されたときには、処理202に移行して、処理20
2では、前記図3の処理で光源1b又は受光部3bに異
常ありとの結果6の判断が下されたか否か、すなわち結
果6が異常であるか否かを判定する。ここで、結果6が
異常であると判定されなかった場合とは、結果3だけが
異常である場合、すなわち、光源1a及び受光部3aの
少なくとも一方に異常があり、光源1b及び受光部3b
には異常がない場合である。処理202での判定の結
果、結果6が異常であると判定されなかったときには、
処理211に移行し、異常のないことがすでに確認され
ている光源1bを点灯する。こうして光源1bを点灯す
ると、[3]の中間計測ユニット40の受光部3aは、
処理221でその光源1bの光を受光する。そうする
と、処理224に移行し、処理224では、受光部3a
が実際に光源1bの光を受光しているか否か、すなわち
受光があるか否かを判定する。その結果、受光があると
判定されなかったときには、受光部3bに異常ありとの
232に示す結果9の判断を下す。また、受光があると
判定されたときには、光源1bに異常ありとの233に
示す結果10の判断を下す。結果3及び結果6の一方だ
けに異常があるときには、以上の図4の処理により
[3]の中間計測ユニット40内の異常個所まで特定す
ることができる。
【0052】次に、前記処理202で結果6が異常であ
ると判定された場合の処理すなわち結果3及び結果6の
双方に異常がある場合の処理について述べる。処理20
2で結果6が異常であると判定された場合には、処理2
02のYESのところに示すように、すでに述べた処理
210,220,223及び処理211,221,22
4を実施する。すなわち、光源1aを点灯してその光源
1aの光を受光部3bで受光し、受光部3bに受光があ
るか否かを判定する210,220,223の処理を行
うとともに、光源1aを点灯してその光源1bの光を受
光部3aで受光し、受光部3aに受光があるか否かを判
定する211,221,224の処理を行う。これらの
処理の結果、受光部3bに受光があるとの判定結果が得
られたときには、光源1a及び受光部3bには異常がな
く、光源1b及び受光部3aに異常があるということに
なる。また、受光部3aに受光があるとの判定結果が得
られたときには、光源1b及び受光部3aには異常がな
く、光源1a及び受光部3bに異常があるということに
なる。
【0053】受光部3a及び受光部3bに受光があると
判定されなかったときとは、光源1a及び光源1bの双
方、受光部3a及び受光部3bの双方又はこれらの全部
に異常がある場合であり、このような場合には、[3]
の中間計測ユニット40内の異常個所を厳密には特定す
ることはできない。しかしながら、このようなケース
は、実際上はほとんど起りえないことであり、こうした
ケースで中間計測ユニット40内の異常個所が特定でき
ないとしても、実用上は支障がない。この故障判断装置
においては、以上の処理により、[3]の中間計測ユニ
ット40が受光不能になったときの原因の遠隔的探査を
一応終了する。図1及び図2には図示していないが、図
1の一次探査機構及び図2の二次探査機構では、各光源
1a,1bの点灯後、各受光部3a,3bの受光の有無
を判定する各処理過程において、その処理が終了する都
度、点灯している光源1a,1bを自動的に消灯させる
ように指令する。
【0054】[3]の中間計測ユニット40内の異常個
所が二次探査機構で厳密に特定できない場合において更
に原因を究明したいときには、[3]の中間計測ユニッ
ト40の光源1a及び光源1bの拡散光を、それぞれ
[2]の中間計測ユニット40の受光部3b及び[4]
の中間計測ユニット40の受光部3aに向けて発して、
これらの受光部3a及び受光部3bが受光しているか否
か調べればよい。その結果、両受光部3a及び受光部3
bが受光したときには、[3]の中間計測ユニット40
の光源1a及び光源1bに異常がなく、[3]の中間計
測ユニット40内の受光部3a及び受光部3bに異常が
あると判断できるし、受光しなかったときには、[3]
の中間計測ユニット40内の光源1a及び光源1bの双
方に異常があり、[3]の中間計測ユニット40内の受
光部3a及び受光部3bには、異常がないと推断するこ
とができる。
【0055】また、[2]及び[4]の中間計測ユニッ
ト40について図3及び図4の処理を行って、[2]の
中間計測ユニット40の光源1b及び[4]の中間計測
ユニット40の光源1aに異常があるか否かを判断する
ことにより、[3]の中間計測ユニット40内の異常個
所を絞り込むこともできる。すなわち、図3及び図4の
処理の結果、[2]の中間計測ユニット40の光源1b
及び[4]の中間計測ユニット40の光源1aに異常が
ないと判断されたときには、少なくとも[3]の中間計
測ユニット40内の受光部3a及び受光部3bに異常が
あると判断できる。また、それらの光源1b及び光源1
aに異常があると判断されたときには、[3]の中間計
測ユニット40内の受光部3a及び受光部3bには異常
がなく、[3]の中間計測ユニット40内の光源1a及
び光源1bに異常があると高い確率で推断することがで
きる。しかしながら、こうしたケースは、[2]、
[3]及び[4]の中間計測ユニット40の全ての光源
1a,1bに異常があるケースであるから、電源や配線
系統に故障がある場合以外にはほとんど起こりえないケ
ースであるといえる。
【0056】以上述べた故障判断装置において、一次探
査機構では、当該中間計測ユニット40の受光部3a,
3bが受光できなくなった場合に、その受光に関与して
いない当該中間計測ユニット40の光源1a,1bの一
つを受光部3a,3bに受光させて受光の有無を識別す
ることにより、当該中間計測ユニット40内の計測機器
に異常があるか否かを判断できるようにしている。その
ため、当該中間計測ユニット40が受光できない原因が
当該中間計測ユニット40自身にあるのか発光側の中間
計測ユニット40にあるのかを判別することができる。
したがって、この一次探査機構を地中掘進機の位置計測
装置に設ければ、当該中間計測ユニット40が受光でき
なくなった原因がどの中間計測ユニット40にあるかを
遠隔探査することができて、その異常の原因を普通の方
法で究明する場合に比べて手間や困難が伴わない。
【0057】また、二次探査機構では、一次探査機構で
利用した光源1a,1bの他の一つを利用して受光部3
a,3bの受光機能の存否を探知することにより二つの
光源1a,1bで二重に探知するため、仮に一方の光源
に異常があるときでも他方の光源でその受光機能の存否
を探知することができて、当該中間計測ユニット40の
受光部3a,3bに異常があるか否かを適正に判断する
ことができる。したがって、この二次探査機構を一次探
査機構と共に地中掘進機の位置計測装置に設ければ、当
該中間計測ユニット40が受光できなくなった原因がど
の中間計測ユニット40にあるかを一層確実に遠隔探査
することができるとともに、その原因が中間計測ユニッ
ト40内の受光部3a,3bにあるのか否かの異常個所
も遠隔探査することができて、中間計測ユニット40の
修復作業を迅速かつ適確に行うことができる。図1及び
図2に示す各探査機構では、中間計測ユニット40の光
源1a,1bを異常探査用の光源に兼用しているため、
中間計測ユニットの光源1a,1bを地中掘進機の位置
計測のためだけではなく、中間計測ユニット40が受光
できない原因の探査にも利用できて、一つの光源1a,
1bを有効に活用することができるとともに中間計測ユ
ニット40内の配線も複雑化しない。
【0058】図1に示す例では、中間計測ユニット40
の各光源1a,1bの光を、その内部の反射鏡5a〜5
dで導いて中間計測ユニット40内の各受光部3a,3
bに受光させ得るようにしているが、こうした反射鏡5
a〜5dを省略して、各光源1a,1bを、その少なく
とも一部の光が各受光部3a,3bに当たるように、中
間計測ユニット40内に配置してもよい。中間計測ユニ
ット40の異常原因を遠隔探査する場合、図1に示す例
では、中間計測ユニット40の計測用の光源1a,1b
を用いているが、こうした計測用の光源1a,1bを用
いないで、異常探査専用の光源を中間計測ユニット40
に別途設けてもよく、要は、中間計測ユニット40の各
受光部3a,3bで受光されるように光を発し得る発光
手段を有するように、中間計測ユニット40を構成すれ
ばよい。
【0059】図3の一次探査機構だけを地中掘進機の位
置計測装置に設ける場合、こうした発光手段は少なくと
も一つ設ければよい。この一次探査機構と共に図4の二
次探査機構を地中掘進機の位置計測装置に設ける場合、
こうした発光手段は二つ以上設けることとし、その数は
多ければ多いほど、受光部3a,3bの受光機能の存否
をそれらの発光手段で幾重にもに探知することができ
て、異常個所の遠隔探査をより確実に行うことができ
る。
【0060】前記したように、発光手段を中間計測ユニ
ット40の光源1a,1bで兼用しないで異常探査専用
の光源を別途設けるようにした場合には、発光手段の光
を隣合う計測ユニットに向けることについて配慮する必
要がないので、発光手段の光を受光部3a,3bで受光
させる上で望ましい中間計測ユニット40の位置に発光
手段を配置するようにその配置を選択することができ
る。また、このように発光手段を中間計測ユニット40
の光源1a,1bで兼用しないようにした場合には、そ
の使用頻度を著しく減少させることができて発光手段の
故障率を少なくすることができるとともに、発光手段
は、遠方に光を送ることなく中間計測ユニット40内の
受光部3a,3bにだけ光を送ればよいので、発光手段
には、受光部3a,3bの異常を探査する上で最適なも
のを選択することができる。
【0061】ここでは、中間計測ユニット40に一次探
査機構や二次探査機構を設ける例を示したが、こうした
探査機構は、基点計測ユニット40aや被測点ユニット
40bにも、以上述べた態様に準じて当然設けることが
できる。その場合において二次探査機構を設けるときに
は、二つの光源1a,1bを有する中間計測ユニット4
0を基点計測ユニットや被測点ユニットに兼用したとき
は別にして、そうでないときには、基点計測ユニット4
0aや被測点ユニット40bに異常探査専用の光源を追
加して設ける必要がある。以上述べた探査機構は、例え
ば、発進立坑30の近くに設ける計測ユニット40,4
0aや作業員のいるシールド掘進機本体内に設ける被側
点計測ユニット40b等、地下坑内からの回収や異常原
因の究明にそれほど手間がかからない個所に設置する計
測ユニットについては、必ずしも設ける必要はなく、周
辺条件に応じて適宜選択して設けるようにすればよい。
【0062】ここでは、中間計測ユニット40として、
前方及び後方の拡散光を集光するための二枚のレンズ3
a,3bを有しそれらの背後にそれぞれ受光部3a,3
bを配置したものを用い、こうした中間計測ユニット4
0に本発明を具体化した例を示したが、前方及び後方の
拡散光の入射を阻止しない位置に受光部3a,3bを設
けてこれらの各拡散光を共通のレンズで集光するように
するとともにその集光した各拡散光を反射プリズム等の
反射手段で受光部3a,3bに導くようにした中間計測
ユニット40に本発明を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、「地下坑を掘削しながら地中を掘進する地中掘進機
の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に配置しそ
の掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘進方向後
方に配置し計測の基点となる計測基点との位置関係で計
測する地中掘進機の位置計測装置」を構成する場合、
「課題を解決するための手段」の項に示したように構成
しているので、本発明によれば、地中掘進機の掘進位置
の計測時に計測ユニットが光源の光を受光できなくなっ
たときにその原因を遠隔的に探査することができる地中
掘進機の位置計測装置が得られる。その結果、本発明の
地中掘進機の位置計測装置では、その異常の原因を普通
の方法で究明する場合に比べて手間や困難が伴わない。
一方、地中掘進機の位置計測の際には、計測時に光源の
光を受光部に当てる操作は要せず、機械的な計測誤差や
振動による計測誤差が生じにくいとともに、中間計測ユ
ニットを設置する際に位置設定さえ正確に行えば、その
取付姿勢が多少不統一であっても、取付姿勢の影響を受
けることなく地中掘進機の掘進位置を正しく計測できる
という効果を発揮する。また、被測点ユニットでは、ピ
ッチング方向やヨーイング方向の掘削機の姿勢を検出す
ることができて掘削機の姿勢検出用の計測器を別途設け
なくても済む。
【0064】以上の効果を発揮することに加え、本発明
を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項2
に記載のように具体化すれば、発光手段の光を受光部で
受光させる上で望ましい中間計測ユニットの位置に発光
手段を配置するようにその配置を選択することができ
る。また、その発光手段の使用頻度を著しく減少させる
ことができて発光手段の故障率を少なくすることができ
るとともに、発光手段には、受光部の異常を探査する上
で最適なものを選択することができる。本発明を具体化
する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項3に記載の
ように具体化すれば、中間計測ユニットの光源を地中掘
進機の位置計測のためだけではなく、中間計測ユニット
が受光できない原因の探査にも利用できて、一つの光源
を有効に活用することができるとともに、中間計測ユニ
ット内の配線も複雑化しない。本発明を具体化する場合
に、特に、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具
体化すれば、当該中間計測ユニットが受光できなくなっ
た原因を一層確実に遠隔探査することができるととも
に、その原因が中間計測ユニット内の受光部にあるのか
否かの異常個所も遠隔探査することができて、中間計測
ユニットの修復作業を迅速かつ適確に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例の地中掘進機の位置計測装置
に使用する中間計測ユニットの例を示す断面図である。
【図2】図1の中間計測ユニットの前面図である。
【図3】本発明の具体化例の地中掘進機の位置計測装置
における故障判断装置の第一段階の作用を説明するため
の流れ図である。
【図4】本発明の具体化例の地中掘進機の位置計測装置
における故障判断装置の第二段階の作用を説明するため
の流れ図である。
【図5】本発明や従来の技術に係る地中掘進機の位置計
測装置により地中掘進機の掘進位置を計測している状態
の全体像を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 光源 2a,2b 凸レンズ 3a,3b 受光部 4 コントローラ 5a〜5d 反射鏡 10 掘削機 20 地下坑 30 発進立坑 40 中間計測ユニット 40a 基点計測ユニット 40b 被測点計測ユニット C レンズの光軸 D 光源の光軸 G 基準線 P 基準点 V 隣合う計測ユニット間の見通し線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美野本 泰 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 下村 義昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D054 AA01 AA02 GA02 GA04 GA62 GA82

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下坑を掘削しながら地中を掘進する地
    中掘進機の掘進位置の計測に用いられ、掘進方向前方に
    配置しその掘進位置の指標となる被計測点の位置を、掘
    進方向後方に配置し計測の基点となる計測基点との位置
    関係で計測する地中掘進機の位置計測装置であって、前
    方に拡散光を発する光源と少なくとも前方の光源からの
    拡散光を集光する集光手段と集光手段で集光した光源か
    らの光を受光してその受光位置を検出する受光部とを有
    し計測基点を設定する基点計測ユニットと、少なくとも
    後方に拡散光を発する光源を有し被計測点を設定する被
    測点計測ユニットと、前方及び後方に拡散光を発する各
    光源と前方及び後方の光源からの拡散光をそれぞれ集光
    する集光手段と集光手段でそれぞれ集光した各光源から
    の光をそれぞれ受光してその受光位置を検出する各受光
    部とを有し地下坑における基点計測ユニットと被測点計
    測ユニットとの間に配置される少なくとも一つの中間計
    測ユニットと、基点計測ユニット及び中間計測ユニット
    での光の受光位置に関するデータに基づいて得られる各
    光源の方向に関するデータと隣合う各計測ユニット間の
    距離に関するデータとに基づいて、計測基点に対する被
    計測点の相対位置を演算して計測するようにするととも
    に、中間計測ユニットは、その中間計測ユニットの各受
    光部で受光されるように光を発することのできる発光手
    段を有して、この発光手段を非計測時に作動させ得るよ
    うにしたこと特徴とする地中掘進機の位置計測装置。
  2. 【請求項2】 発光手段として、中間計測ユニットの光
    源とは別の光源を別途設けたことを特徴とする請求項1
    記載の地中掘進機の位置計測装置。
  3. 【請求項3】 発光手段を中間計測ユニットの光源で兼
    用するようにしたことを特徴とする請求項1記載の地中
    掘進機の位置計測装置。
  4. 【請求項4】 発光手段を中間計測ユニットの光源で兼
    用する場合、中間計測ユニットの各光源の光を中間計測
    ユニットの各受光部の双方で受光され得るように構成し
    たことを特徴とする請求項3記載の地中掘進機の位置計
    測装置。
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