JP2000290809A - フリーサイズスラックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエストサイズの変化に対する対応幅を広げ
たフリーサイズスラックスを提供する。 【解決手段】 ウエストバンド２の両側部に、左右一対
の伸縮性ひだ寄せ部３を設け、さらに、そのひだ寄せ部
と並列配置にして釦７又は８に掛ける伸縮性ベルト４を
設けた。そして無負荷状態で伸縮性ベルト４を釦７に掛
けたとき、伸縮性ひだ寄せ部３が弛むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ウエストサイズ
の変化に対する対応領域を広げたフリーサイズスラック
スに関する。

【０００２】

【従来の技術】ウエストバンドに伸縮部を設けてウエス
トサイズの変化に対応できるようにしたフリーサイズス
ラックスの従来例としては、ウエストバンドの周方向途
中に伸縮性のひだ寄せ部を設けたものがある。また、ウ
エストバンドの外側に、一端がウエストバンドの後ろ中
央部に固定された左右一対の伸縮性ベルトを設け、自由
端側に釦穴をつけたそのベルトを引き伸ばしてウエスト
バンドの前側に取付けた釦に掛けるものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のフリー
サイズスラックスは、伸縮性ひだ寄せ部や伸縮性ベルト
によるウエストバンドの伸び量と収縮力に限界があるた
め、対応可能なウエストサイズの変化幅が小さかった。

【０００４】例えば、ウエストバンドの最大伸び量が１
０ｃｍとしてそれが最大に伸びたときにバンド周長が８
０ｃｍになるとしたら、理論上はウエストサイズ７０〜
８０ｃｍの人に合うスラックスになるが、そのスラック
スをウエストサイズ７０ｃｍの人が着用すると、ウエス
トバンドの締付けが全くなされない。また、ウエストサ
イズ７１ｃｍ或いは７２ｃｍの人が着用したときのバン
ド伸び量は僅か１、２ｃｍであり、大きな締付け力が働
かない。このような状況ではスラックスのずり落ちが起
こるので、実際には適合ウエストサイズの下限が伸びゼ
ロのときのウエストバンド周長よりもある程度大きくな
り、サイズ変化に対応できる領域がどうしても狭くなっ
てしまう。

【０００５】そこで、この発明は、ウエストサイズの変
化に対する対応領域をこれまで以上に広げたフリーサイ
ズスラックスを提供することを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ウエストバンドの両側部に、
左右一対の伸縮性ひだ寄せ部と、一端をウエストバンド
の後部に固定したひだ寄せ部と並列配置の左右一対の伸
縮性ベルトを設け、さらに、ひだ寄せ部よりも前側に伸
縮性ベルトの自由端を着脱自在に係止させる第１係止具
を設け、無負荷状態で前記第１係止具に伸縮性ベルトを
係止させたとき、前記ひだ寄せ部が弛むようにしたので
ある。

【０００７】このスラックスは、ウエストバンドの外側
に、伸縮性ベルトの自由端より後ろ側部分を出入り自在
に収納する袋部を設け、さらに、前記ひだ寄せ部の中間
部に伸縮性ベルトの自由端を係止させる第２係止具を設
けるとより好ましいものになる。

【０００８】

【作用】伸縮性ひだ寄せ部と伸縮性ベルトは実質同一物
であって機能上の差は殆ど無いが、その両者を並列配置
にして併用すると、広い範囲でウエストサイズの変化に
対応することができる。

【０００９】ウエストバンドの周長を伸縮性ひだ寄せ部
のみ或いは伸縮性ベルトのみに頼って変化させる場合に
は、着用者のウエストサイズが増大するにつれてウエス
トバンドの締付け力が増大する。これに対し、この発明
のスラックスは、伸縮性ベルトの自由端を第１係止具に
係止させる、第２係止具に係止させる、係止具から外す
のどれかの形態を選ぶことでウエストバンドの収縮力や
縮み量に差を生じさせることができ、これによって適合
ウエストサイズの範囲を従来以上に広げることが可能に
なる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１乃至図３に、この発明のフリ
ーサイズスラックスの実施形態を示す。図１及び図２に
示すように、このスラックス１には、ウエストバンド２
の両側部のほぼ左右対称位置に、帯ゴムを縫い込んだ伸
縮性ひだ寄せ部３を設けている。また、その伸縮性ひだ
寄せ部３の後ろ側に左右一対の伸縮性ベルト４を設けて
いる。この伸縮性ベルト４は、図３に示すように、帯ゴ
ム４ａの長手中心をウエストバンド２の後部中央に縫合
して固定し（１０が縫合部）、その帯ゴムの両端にスラ
ックスと同一生地で形成した袋帯４ｂを接続したもので
あって、袋帯４ｂの片端が伸縮性ベルト４の自由端とな
る。

【００１１】伸縮性ベルト４は、ウエストバンド２の外
側に設けた袋部５に収納されている。袋部５は、伸縮性
ベルト４を覆い隠して体裁を良くするために設けたもの
である。この袋部５は前端が開口しており、伸縮性ベル
ト４が最大限に縮んだとき、そのベルトの自由端は袋部
５の口から外側に出ている。従って、その自由端は自由
につまむことができる。また、伸縮性ベルト４が最大限
に伸びたとき、帯ゴム４ａと袋帯４ｂの接続部が袋部５
の外側に出ないように設計されている。これも体裁を悪
化させないためである。

【００１２】伸縮性ベルト４の自由端には、釦穴６が設
けられ、ウエストバンド２には、その釦穴６に掛ける釦
７、８が取付けられている。釦７は第１係止具となるも
のであって、伸縮性ひだ寄せ部３の最前部に設けられて
いる。この釦７は図の位置よりも前側に設けてもよい。
釦８は第２係止具となるものであって伸縮性ひだ寄せ部
３の中間部に設けられている。図２の９は釦７、８間に
設けたベルト通しであり、伸縮性ベルト４を釦７に掛け
るときに、そのベルト４をベルト通し９の内側に通す。

【００１３】なお、釦７、８とこれを掛ける釦穴６は、
雌雄一対のスナップ釦やフックとフック掛けなど、他の
形態の係止具で代替してもよい。

【００１４】このように構成した例示のフリーサイズス
ラックスは、ウエストの細い人が着用するときには、伸
縮性ベルト４の自由端を釦７に掛ける。このときには、
伸縮性ひだ寄せ部３が弛み、伸縮性ベルト４の収縮力の
みでウエストバンド２が締付けられる。

【００１５】また、着用者のウエストサイズが徐々に大
きくなるにつれて伸縮性ひだ寄せ部３の弛みが小さくな
り、その弛みが無くなった後には、伸縮性ベルト４とひ
だ寄せ部３の合力でウエストバンド２が締付けられる。
ウエストサイズがもっと大きくなると、ウエストバンド
の締付けがきつくなって窮屈になるので、伸縮性ベルト
４の自由端を釦８に掛け替る。こうすると、伸縮性ベル
ト４の収縮力が弱まり、ひだ寄せ部３の一部も伸びて窮
屈感が無くなる。

【００１６】また、着用者のウエストサイズがより大き
いときには伸縮性ベルト４を釦８から外す。これによ
り、ひだ寄せ部３の全体が伸びてそのひだ寄せ部３の収
縮力のみでウエストバンド２が締付けられる。

【００１７】なお、試作品のスラックスは、ウエストサ
イズ６０〜８０ｃｍ程度まで対応可能であった。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、この発明のフリーサ
イズスラックスは、ウエストバンド部に伸縮性ひだ寄せ
部と伸縮性ベルトを並列配置にして併設したので、ウエ
ストサイズの変化に対する対応領域が広がり、フィット
性の向上、規格統合によるコスト低減等が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のスラックスの実施形態を示す側面図

【図２】同上のスラックスの要部を示す拡大側面図

【図３】ウエストバンド部を簡略化して示す平面視断面
図

【符号の説明】

１ スラックス ２ ウエストバンド ３ 伸縮性ひだ寄せ部 ４ 伸縮性ベルト ５ 袋部 ６ 釦穴 ７、８ 釦 ９ ベルト通し

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウエストバンドの両側部に、左右一対の
   伸縮性ひだ寄せ部と、一端をウエストバンドの後部に固
   定したひだ寄せ部と並列配置の左右一対の伸縮性ベルト
   を設け、さらに、ひだ寄せ部よりも前側に伸縮性ベルト
   の自由端を着脱自在に係止させる第１係止具を設け、無
   負荷状態で前記第１係止具に伸縮性ベルトを係止させた
   とき、前記ひだ寄せ部が弛むようにしたフリーサイズス
   ラックス。
2. 【請求項２】 ウエストバンドの外側に、伸縮性ベルト
   の自由端より後ろ側部分を出入り自在に収納する袋部を
   設け、さらに、前記ひだ寄せ部の中間部に伸縮性ベルト
   の自由端を係止させる第２係止具を設けた請求項１記載
   のフリーサイズスラックス。