JP2000290377A - (メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体及びその製造方法

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JP2000290377A
JP2000290377A JP11095994A JP9599499A JP2000290377A JP 2000290377 A JP2000290377 A JP 2000290377A JP 11095994 A JP11095994 A JP 11095994A JP 9599499 A JP9599499 A JP 9599499A JP 2000290377 A JP2000290377 A JP 2000290377A
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meth
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Toshiya Seko
敏也 世古
Yasuo Kitani
安生 木谷
Kazuhide Hayama
和秀 葉山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡単に製造でき、副成物も少なく、重合時に
優れた粘着性を示す(メタ)アクリロイル基を有する変
性ロジン誘導体とその製造方法の提供。 【解決手段】 一般式1の(メタ)アクリロイル基を有
する変性ロジン誘導体。 (R1 は水素またはメチル基、R2 はロジン残基、nは
0〜4の整数である。)ロジン残基はヒドロアビエチル
アルコール残基を主成分とするものが好ましく、また一
般式2の(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネー
ト化合物とカルボキシル基又はヒドロキシル基を有する
ロジンとの反応により製造するのが好ましい。 (R1 とnは上記と同じ。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリロイル基又
はメタクリロイル基(以下まとめて「(メタ)アクリロ
イル基」と記し、アクリル酸又はメタクリル酸を「(メ
タ)アクリル酸」と、そのエステルを「(メタ)アクリ
レート」と、それぞれ記す)を有する変性ロジン誘導体
及びその製造方法に関するものである。本発明の変性ロ
ジン誘導体は、アクリル酸エステルのようなラジカル重
合性単量体との共重合が可能であり、得られる共重合体
は粘着付与剤や活性エネルギー線硬化型粘着剤の原材料
として有用である。
【0002】
【従来の技術】ロジン系樹脂(以下単に「ロジン」と記
す)はアクリル系樹脂などに配合して、樹脂組成物に粘
着性を付与する粘着付与剤として広く用いられている。
こうした場合、一般にロジンはアクリル系樹脂などに溶
解または分散させて使用されるが、ロジンのアクリル系
樹脂等への均一な分散・混合が困難であったり、また均
一に分散・混合されていても、粘着力が不十分であった
りして十分な性能を得ることは難しかった。このような
欠点を改良し、均一分散の達成と同時に粘着効果を高め
ることを目的として、ロジンに含まれる官能基に対して
付加反応やエステル化反応等を行うことにより(メタ)
アクリロイル基を結合させた変性ロジン誘導体が、特開
平8−12944号公報、特公昭58−40587号公
報、特公平1−48951号公報等において提案されて
いる。
【0003】これらの文献においては、変性ロジン誘導
体は、(1)ロジンにグリシジル(メタ)アクリレート
などのエポキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物を
付加反応させる方法や、(2)ヒドロキシ(メタ)アク
リレートなどの水酸基を有する重合性単量体と2,4−
トルエンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと
を反応させて得られるイソシアネート基含有(メタ)ア
クリレートにロジンを反応させる方法等によって製造さ
れている。しかしながら、(1)の方法では反応を進め
るためには比較的高い温度で長時間反応させることが必
要であり、反応の条件によっては変性ロジン誘導体がゲ
ル化するなどの問題が起こったり、副反応によって副生
成物を生じたりすることが多く、また(2)の方法で
も、やはり多官能イソシアネートによる副生成物の問題
や架橋の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を改良し、簡単な反応により製造可能で、副
生成物も少なく、また(共)重合体とした時に優れた粘
着性を示す(メタ)アクリロイル基を有する変性ロジン
誘導体及びその製造方法の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を加えた結果、(メタ)ア
クリロイル基を有する特定の構造の変性ロジン誘導体が
優れた性能を有するとともに、効率よく製造できること
を見出し本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は、一
般式(1)で示される(メタ)アクリロイル基を有する
変性ロジン誘導体(以下「(メタ)アクリロイル変性ロ
ジン誘導体」と記す)、に存している。
【0006】
【化3】
【0007】(式中R1 は水素原子またはメチル基を、
2 はロジン残基をそれぞれ表す。nは0〜4の整数で
ある。) また、本発明の要旨は、前記のロジン残基がヒドロアビ
エチルアルコール残基を主成分とするものである変性ロ
ジン誘導体にも存している。本発明の他の要旨は、一般
式(2)で示される(メタ)アクリロイル基を有するイ
ソシアネート化合物とカルボキシル基又はヒドロキシル
基を有するロジンとを反応させることを特徴とする上記
の変性ロジン誘導体の製造方法にも存している。
【0008】
【化4】
【0009】(式中R1 は水素原子又はメチル基を表
し、nは0〜4の整数である。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <(メタ)アクリロイル基を有する変性ロジン誘導体の
製造>本発明の(メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体
は、例えば触媒の存在下、上記の式(2)で表されるイ
ソシアネート化合物とロジンとを付加反応させることに
よって得られる。この反応時の仕込み組成としては、ロ
ジン中のカルボキシル基又はヒドロキシル基1モルに対
してイソシアネート化合物を、通常0.5〜2モル、好
ましくは0.8〜1.2モル、更に好ましくは0.9〜
1.1モルの比率として用いるのがよい。
【0011】反応温度は特に限定されないが好ましくは
50℃〜150℃、さらに好ましくは60℃〜100℃
である。また、反応時間は1時間〜24時間、より好ま
しくは3時間〜12時間である。反応の状況は、赤外線
吸収スペクトルのイソシアネート基に基づく吸収ピーク
により追跡できる。上記のようにして得られた本発明の
(メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体は、例えば、再
結晶、クロマトグラフィー分離、蒸留などによって精製
して用いることができ、後述の活性エネルギー線硬化性
粘着剤や、これを(共)重合体とした上で他の配合成分
を加えた組成物として、従来法による変性ロジン誘導体
よりも優れた粘着力を示す。以下、本発明の(メタ)ア
クリロイル変性ロジン誘導体の製造に用いるのに好適な
原材料を説明する。
【0012】イソシアネート化合物 本発明の(メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体の原料
であるイソシアネート化合物としては、前記一般式
(2)で表されるものを用いるのが好ましく、例えば、
(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート、(メタ)
アクリロイルオキシエチレンイソシアネート、(メタ)
アクリロイルオキシブチレンイソシアネートなどが挙げ
られる。
【0013】ロジン 本発明の変性ロジン誘導体のもう一つの原料であるロジ
ンとしては次のようなものが用いられる。一般にロジン
とは、マツ科植物から得られる樹脂油のうち、精油など
の揮発性化合物を留去した後の残留樹脂のことを言い、
天然ロジン、精製ロジン等がある。天然ロジンとしては
ウッドロジン、ガムロジン、トールロジンなどが挙げら
れ、精製ロジンとしては、上記天然ロジンを加熱変性す
ることにより得られる不均化ロジンや、これらを触媒の
存在下水素添加することによって得られる水添ロジンな
どがある。ロジンは主に樹脂酸と中性成分からなり、樹
脂酸の主成分はアビエチン酸で、その他ジヒドロアビエ
チン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピ
マール酸、イソピマール酸、パラストリン酸などが含ま
れている。
【0014】上記の精製ロジンの一種である水添ロジン
には、これらの樹脂酸成分のカルボキシル基をヒドロキ
シル基にまで還元したものもあり、これはヒドロアビエ
チルアルコールを主成分としている。本発明においては
上記の全てのロジンを原料として使用できるが、中でも
水添ロジンまたはヒドロアビエチルアルコールを主成分
とするロジンを用いるのが好ましく、ヒドロアビエチル
アルコール単体を用いるのが特に好ましい。
【0015】触媒 イソシアネート化合物とロジンとの反応は、触媒を用い
て行うのが好ましい。この反応に用いることができる触
媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジア
セテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ
アセテート、ジオクチル錫チオカルボキシレート、オク
テン酸鉛、フェニル水銀プロピオン酸塩のような有機金
属化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ
オクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、
N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、
1,4−ジアザビシクロオクタン、N−メチルモルホリ
ン、ジメチルアミノエタノールのような3級アミン化合
物などが例示できる。中でも有機金属化合物が好まし
く、特にジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウ
レートのような有機錫化合物が好ましい。これらの触媒
は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよいが、
アミン系化合物と有機錫化合物とを併用することによ
り、反応活性を更に向上させることができるので好まし
い。本反応における触媒の使用量は、ロジン100重量
部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05
〜5重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部が好適で
ある。
【0016】溶媒 上記の反応は、溶媒の存在下でも不存在下でも可能であ
る。無溶媒で反応を行う場合は、ロジンを軟化点以上に
加熱して流動可能な状態とした上でイソシアネート化合
物を添加して付加反応を行うのが好ましい。ロジンの軟
化点が高く、所期の流動性を得るためには高温まで加熱
する必要がある場合等には、溶媒を用いて反応を行うこ
ともできる。本発明の変性ロジン誘導体の製造における
溶媒としては、ロジンおよびイソシアネート化合物の溶
解性が高く、かつ活性水素を有していない有機溶媒であ
れば特に限定されず、例えばトルエン、キシレン、ベン
ゼンなどの芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒が
用いられる。中でも、沸点およびロジンの溶解性等の点
からトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが好ま
しい。
【0017】重合禁止剤 上記の反応を行う際には、反応中に(メタ)アクリロイ
ル基に基づく重合を抑えるために重合禁止剤を添加して
おくことが好ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキ
ノン、モノメチルハイドロキノンなどが使用でき、その
添加量は原料ロジンに対して10ppm〜5000pp
m、好ましくは50ppmから2000ppmである。
(いずれも重量ppm)なお、酸素による重合防止効果
も利用するため、反応は空気雰囲気下で行うのが好まし
い。
【0018】<本発明の変性ロジン誘導体に基づく粘着
剤組成物>本発明の(メタ)アクリロイル基を有する変
性ロジン誘導体は、ラジカル重合によりホモポリマーを
得ることもでき、また他の共重合可能なラジカル重合性
単量体と共重合して共重合体を製造することも可能であ
る。即ち、本発明の変性ロジン誘導体は、単独で又は他
の共重合性単量体と混合し、必要に応じて溶媒や重合開
始剤を配合して活性エネルギー線硬化性粘着剤として用
いることもでき、またその重合体又は共重合体に他の配
合成分を加えた粘着剤組成物としても使用できる。
【0019】活性エネルギー硬化性粘着剤 本発明の変性ロジン誘導体は、加熱時は流動可能な液体
となるが、常温ではペースト状の高粘度の液体またはワ
ックス状固体となることが多い。これを活性エネルギー
線硬化性粘着剤として用いる場合は、使用時の作業性を
向上させるために、反応性希釈剤を加えると粘度調整が
できるので好ましい。使用することができる反応性希釈
剤としては、常温で低粘度な液体であり、かつ変性ロジ
ン誘導体との反応性・相溶性が高い化合物であれば特に
制限はない。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど
のアルキル(メタ)アクリレートや、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレー
トなどが多く用いられる。これらの成分と、必要に応じ
て重合開始剤等を添加して本発明のロジン誘導体に基づ
く活性エネルギー線硬化性粘着剤を得ることができる。
この粘着剤は紫外線、電子線、X線等の活性エネルギー
線により重合して優れた粘着性を示す。
【0020】粘着剤組成物 本発明の変性ロジン誘導体の重合体又は共重合体は、単
独で又は他の配合成分を加えた組成物の形で、優れた粘
着剤組成物として用いることができる。このような
(共)重合体を得るための重合方法としては、溶液重
合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を用いるこ
とができる。また共重合に用いる単量体としては、本発
明のロジン誘導体と共重合が可能であれば特に限定され
ることなく使用できる。例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルナフタレンのような芳香族ビニル化合
物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートのよう
な炭素原子数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレー
ト(アルキル基には脂環式アルキル基を含む)、(メ
タ)アクリル酸のようなα、β−不飽和カルボン酸、イ
タコン酸、マレイン酸、2−メチレングルタル酸のよう
なα、β−不飽和ジカルボン酸、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートのような末端にヒドロキシル基を含有する
(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルのようなビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、
N−アルキロールアクリルアミド、(メタ)アクリロニ
トリル、ハロゲン化ビニルなどが挙げられる。
【0021】また必要に応じてアリル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのよう
な1分子中に2個以上のラジカル重合性二重結合を持つ
架橋性モノマーを共重合させることもできる。このよう
にして得られた(共)重合体は、単独であるいは他の重
合体等と混合し、必要に応じて他の成分を配合して粘着
剤組成物として使用することができる。
【0022】
【実施例】次に本発明の変性ロジン誘導体及びその製造
方法を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は
その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定さ
れるものではない。また、実施例・比較例中に記載され
ている「部」および「%」は特に指定がない限り「重量
部」および「重量%」を示す。 <(メタ)アクリロイル変性ロジン誘導体の製造>
【0023】(実施例1)攪拌機、還流冷却器、温度
計、および滴下漏斗を備えた反応器に、ロジンとしてヒ
ドロアビエチルアルコール(理化ハーキュレス社製「ア
ビトールE」)(200部)を入れ70℃に加熱した。
これに触媒としてジブチル錫ジラウレート(0.5部)
を添加し、次いでメタクリロイルオキシエチルイソシア
ネート(昭和電工社製「カレンズMOI」)(85.5
部)とモノメチルハイドロキノン(0.05部)との混
合物を1時間かけて滴下した。イソシアネートの滴下終
了後、更に70℃で5時間反応を行った。赤外線吸収ス
ペクトルの測定によりイソシアネート基の消失を確認
後、冷却してメタクリロイル変性ヒドロアビエチルアル
コール(A−1)を得た。この変性ロジン誘導体の水酸
基価は1mgKOH/gであった。(水酸基価から算出
した変性率:99.5%) 得られた変性ロジン誘導体は淡黄色の高粘度ペースト状
液体であった。この変性ロジン誘導体の赤外線吸収スペ
クトルを図1に示す。
【0024】(実施例2)ロジンとして水添ロジン(荒
川化学工業社製「ハイペールCH」、軟化点72℃)を
用い、100℃で加熱溶融し80℃で反応を行ったこ
と、及びイソシアネートの滴下終了後の反応時間を3時
間としたこと以外は実施例1と同様にして反応を行っ
た。実施例1と同様に赤外線吸収スペクトルのイソシア
ネート基の消失を確認後、冷却してメタクリロイル変性
ロジン誘導体(A−2)を得た。この変性ロジン誘導体
の酸価は2mgKOH/gで、酸価から算出した変性率
は99%、その性状は、茶褐色の高粘度ペースト状液体
であった。
【0025】(比較例1)ロジンとして不均化ロジン
(ハリマ化成工業社製「バンデスG−100F」、軟化
点80℃)を用い、160℃で加熱溶融し140℃で反
応したこと、触媒として塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム(1部)を用いたこと、及びメタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート(85.5部)に代えてグリシ
ジルメタクリリレート(80部)を用い、その添加終了
後の反応時間を4時間としたこと以外は上記実施例1と
同様にして反応を実施して変性ロジン(A−3)を得
た。得られた反応生成物の酸価を測定したところ12m
gKOH/gで、酸価から算出した変性率は92%、そ
の性状は茶褐色の高粘度ペースト状液体であった。
【0026】(比較例2)攪拌機、還流冷却器、温度
計、および滴下漏斗を備えた反応器に、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(76部)およびイソホロンジイ
ソシアネート(130部)、ジブチル錫ジラウレート
(0.5部)、モノメチルハイドロキノン(0.05
部)を入れ、80℃で5時間反応し後、ヒドロアビエチ
ルアルコール(理化ハーキュレス社製・アビトールE)
(200部)およびジブチル錫ジラウレート(0.05
部)を追加して、更に80℃で5時間反応を行った。得
られた反応生成物を冷却し、メタクリロイル変性ヒドロ
アビエチルアルコール(A−4)を得た。得られた化合
物の水酸基価は1mgKOH/g以下であった。
【0027】<活性エネルギー硬化性粘着剤としての評
価> (評価実施例1)上記実施例1で製造した変性ロジン誘
導体(メタクリロイル基変性ヒドロアビエチルアルコー
ル)(A−1)(10部)、2−エチルヘキシルアクリ
レート(87部)、アクリル酸(3部)、及び光重合開
始剤(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)
(1部)を混合して活性エネルギー線硬化性粘着剤を調
製した。この粘着剤をポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム(厚さ50μm)上にバーコーター(#
16)を用いて塗布した。このフィルムに水銀灯を用い
て紫外線を照射して粘着性シートを作成した。得られた
シートを巾25mmに裁断して試験片を作成し、この試
験片を荷重2kgのローラーを用いてポリプロピレン製
の板に圧着して、引張速度300mm/分にて180度
剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0028】(評価比較例1)変性ロジン誘導体(A−
1)に代えて未変性のヒドロアビエチルアルコールを用
いたこと以外は、上記の評価実施例1と同様にして、活
性エネルギー線硬化性粘着剤及び粘着性シートを作成し
て180度剥離試験を実施した。結果を表1に示す。 (評価比較例2)変性ロジン誘導体(A−1)を全く加
えなかったこと以外は、上記評価実施例1と同様にして
粘着剤及び粘着性シートを作成して180度剥離試験を
実施した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 *2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート AA :アクリル酸 HABAL:ヒドロアビエチルアルコール(理化ハーキュレス社製「アビトー ルE」)
【0030】<粘着剤組成物としての評価> (評価実施例2)攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた
反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート(87
部)、上記実施例2で製造した変性ロジン誘導体(メタ
クリロイル基で変性した水添ロジン)(A−2)(10
部)、アクリル酸(3部)、酢酸エチル(150部)、
アゾイソビスブチロニトリル(0.3部)を仕込み、窒
素雰囲気下で80℃×3時間反応した後、アゾイソビス
ブチロニトリル(0.15部)を追加して更に80℃で
3時間反応して、固形分40重量%の共重合体溶液を得
た。この溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(厚さ50μm)にアプリケーター(間隙10
0μm)を用いて塗布した。このフィルムを100℃で
5分間乾燥して粘着性シートを調製した。得られたシー
トについて前記評価実施例1と同様にして180度剥離
試験を行った。結果を表2に示す。
【0031】(評価比較例3)変性ロジン誘導体(A−
2)を未変性の水添ロジン((A−2)の製造原料とし
たもの)に代えたこと以外は、前記評価実施例2と同様
にして粘着性シートを作成して180度剥離試験を実施
した。結果を表2に示す。 (評価比較例4)変性ロジン誘導体(A−2)を全く用
いなかったこと以外は、評価実施例2と同様にして粘着
性シートを作成し180度剥離試験を実施した。結果を
表2に示す。
【0032】
【表2】 *2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート AA:アクリル酸 水添ロジン:荒川化学工業社製「ハイペールCH」(軟化点72℃)
【0033】(評価実施例3)攪拌機、還流冷却器、温
度計、滴下漏斗を備えた反応器に、過硫酸アンモニウム
(0.3部)、アクアロンHS−10(第一工業製薬社
製、アニオン性乳化剤)(0.5部)、水(100部)
を入れ窒素雰囲気下で75℃に加熱した。ここに2−エ
チルヘキシルアクリレート(87部)、実施例1で調製
したメタクリロイル変性ヒドロアビエチルアルコール
(A−1)(10部)、アクリル酸(3部)、アクアロ
ンHS−10(2部)、アクアロンRN−20(第一工
業製薬社製、ノニオン性乳化剤)(2部)、及び水(1
00部)の混合物をホモミキサーにて予め機械乳化した
乳化液を3時間かけて滴下した。この乳化液の添加終了
後、過硫酸アンモニウム(0.15部)、アンモニア水
(1部)の水溶液を追加し、更に80℃で3時間反応さ
せた。
【0034】所定時間反応後、系を冷却し、乳白色の水
性分散液を得た。この水性分散液の25℃における粘度
は1100mPa・sであった。この水性分散液につい
て、前記評価実施例2と同様にして粘着性シートを作成
し、180度剥離試験を行うとともに、シートの透明性
をヘーズメーター(日本電色工業製)を用いて測定し
た。結果を表3に示す (評価比較例5)変性ロジン誘導体(A−1)を比較例
1の変性ロジン(A−3)に代えたこと以外は、前記評
価実施例3と同様にして水性分散液を得た。この水性分
散液の25℃における粘度は、5100mPa・sであ
った。この水性分散液を用いて評価実施例3と同様にし
て粘着性シートを作成し、180度剥離試験及び透明性
評価を実施した。結果を表3に示す。
【0035】(評価比較例6)変性ロジン誘導体(A−
1)を比較例2の変性ヒドロアビエチルアルコール(A
−4)に代えたこと以外は、評価実施例3と同様にして
水性分散液を得、粘着性シートを作成して、180度剥
離試験及び透明性評価を実施した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】<結果の評価> (1)本発明の変性ロジン誘導体は同様の反応条件にお
いて変性率が高く、従って副反応が少ないため、副生成
物の少ない高品質の変性体が得られる。(実施例1、2
/比較例1) (2)本発明の変性ロジン誘導体に基づく活性エネルギ
ー線硬化性粘着剤は、本発明の範囲外のものと比べて活
性エネルギー線照射後の粘着性が優れている。(評価実
施例1/評価比較例1、2) (3)本発明の変性ロジン誘導体に基づく(共)重合体
を含む粘着剤組成物は、本発明の範囲外の重合体等を含
むものよりも粘着性が良好である(評価実施例2/評価
比較例3、4)。また、これを水性分散液として用いた
場合の粘度も低く、またこれから得られた粘着シートの
透明性も優れている(評価実施例3/評価比較例5、
6)。
【0038】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリロイル変性ロジ
ン誘導体は、従来技術の欠点を改良し、反応中にゲル化
や副反応等を起こすことなく、簡単な工程かつ温和な条
件で製造することが可能である。またロジンの変性率も
高く、高純度で変性ロジン誘導体を得ることができる。
また本発明の変性ロジン誘導体は(メタ)アクリロイル
基を分子内に有していて、活性エネルギー線照射により
重合するので活性エネルギー線硬化型粘着剤として使用
でき、更に例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸
濁重合により得られるホモポリマーや他のラジカル重合
性単量体との共重合体を水性分散液とした時の粘度が低
く、塗工適性に優れ、かつ高濃度化することが可能であ
り、その粘着性も良好で優れた粘着剤組成物として用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたメタクリル基を含有
する変性ヒドロアビエチルアルコール(A−1)の赤外
線吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葉山 和秀 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AB84 RA10 RB26 RB28 4J040 DF061 FA311 GA05 GA13 JB07 JB09 KA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるアクリロイル基
    又はメタクリロイル基(以下まとめて「(メタ)アクリ
    ロイル基」と記す)を有する変性ロジン誘導体。 【化1】 (式中R1 は水素原子またはメチル基を、R2 はロジン
    残基をそれぞれ表す。nは0〜4の整数である。)
  2. 【請求項2】 ロジン残基がヒドロアビエチルアルコー
    ル残基を主成分とするものである請求項1に記載の変性
    ロジン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で示される(メタ)アクリ
    ロイル基を有するイソシアネート化合物とカルボキシル
    基又はヒドロキシル基を有するロジンとを反応させるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の変性ロジン誘導
    体の製造方法。 【化2】 (式中R1 は水素原子又はメチル基を表し、nは0〜4
    の整数である。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7001981B2 (en) * 2003-04-25 2006-02-21 Sun Chemical Corporation Acrylated natural resins
KR20210020328A (ko) * 2019-08-14 2021-02-24 주식회사 엘지화학 아크릴계 에멀젼 점착제 조성물, 이의 제조 방법 및 점착 필름

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