JP2000289365A - 平版印刷版支持体の製造装置 - Google Patents

平版印刷版支持体の製造装置

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JP2000289365A
JP2000289365A JP10107999A JP10107999A JP2000289365A JP 2000289365 A JP2000289365 A JP 2000289365A JP 10107999 A JP10107999 A JP 10107999A JP 10107999 A JP10107999 A JP 10107999A JP 2000289365 A JP2000289365 A JP 2000289365A
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acid
aluminum plate
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aluminum
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JP10107999A
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Akio Uesugi
彰男 上杉
Mutsumi Matsuura
睦 松浦
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム板に電気化学的処理を施す
ものにおいて、過酷な処理条件下においてもサポートロ
ーラが変形等することなくアルミニウム板を良好に処理
ができるようにする。 【解決手段】 骨格部320は、ステンレススチールか
らなる芯金321と、芯金321の周囲に円筒状に設け
られた基板322とで構成されている。基板322は、
縦弾性係数が8,000kgf/mm2以上、50,0
00kgf/mm2未満のステンレススチール、アルミ
ニウム等の金属で形成されている。骨格部320の周囲
には、酸化クロムを10重量%以上、90重量%以下含
み電気抵抗が0.01MΩ以上のセラミック絶縁層32
3が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム板等の
金属板を用いた平版印刷版支持体の製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム板を平版印刷版支
持体として使用するためには、感光材との適度な密着性
と保水性とを有し、さらに均一に粗面化されていること
が必要である。均一に粗面化されているということは、
生成されたピットの大きさが適度に揃っており、かつそ
のようなピットが全面均一に生成していることが必要で
ある。また、このピットは、版材の印刷性能である汚れ
難さ、耐刷性等に著しい影響を及ぼし、その良否は版材
製造上重要な要素になっている。また、近年コンピュー
ター等のデジタル信号から直接製版するシステムが情報
システムの進展から広まりつつあり、特に固体レーザ
ー、半導体レーザーの小型化、高出力化の進展と相俟っ
て、急速に世の中に普及しつつあり、平版印刷版支持体
もレーザー光のハレーションを抑制し、印刷版として重
要な特性である保水性、親水性、耐刷性、印刷の汚れ難
さなどが兼ね備えられた支持体が期待されている。
【0003】この保水性、耐刷性等の性能を維持するた
めに、機械的粗面化、化学的エッチング、電気化学的粗
面化、陽極酸化等が行われており、粗面化する手段とし
て特公昭62−25117号公報で開示された方法があ
る。
【0004】一方、赤外線レーザーの記録材料として
は、特公昭61−48418号公報に、 少なくとも5
〜12g/m2の酸化物層を有する陽極酸化支持体が示
されている。また、特開昭63−260491号公報に
は、銀錯体に還元する核を有するゾルを被着した粗面
化、陽極酸化した支持体が提案されている。US455
5475号には、 陽極酸化皮膜を有する表面にシリケ
ート処理し2〜8mg/m2のアルミのシリケートを形
成させる支持体が提案されている。EP164128B
でもアルミ表面を砂目立て、陽極酸化した後シリケート
処理しカーボンブラックを塗布して感材を作り、画像を
形成させる方法が示されている。また、特願平10−2
28992号では、ハレーションを抑制する支持体が提
案されている。
【0005】また、本発明者らは、特願平10−162
086号において、温度の高い酸性電解液を用いてもサ
ポートローラが破損等しないように、耐酸性の強い材料
で形成した電解処理装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
平版印刷版支持体の製造装置においては、サポートロー
ラに変形、変質等が発生し、アルミニウム板の良好な処
理をすることができなかった。
【0007】本発明は、以上の課題を解決し、過酷な処
理条件下においてもサポートローラが変形等することな
くアルミニウム板を良好に処理することができる平版印
刷版支持体の製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討し、変形等が発生しないサポ
ートローラの構造を見出し、本発明を完成させた。
【0009】第一の発明による平版印刷版支持体の製造
装置は、酸性電解液中にサポートローラと電極とが設け
られ、サポートローラ上を移動する金属板に電気化学的
処理をする平版印刷版支持体の製造装置において、前記
サポートローラが、芯金の周囲に円筒状に設けられた縦
弾性係数が8,000kgf/mm2以上、50,000
kgf/mm2未満の基板を有する骨格部と、 該骨格部
の周囲に設けられた酸化クロムを10重量%以上、90
重量%未満含み電気抵抗が0.01MΩ以上のセラミッ
ク絶縁層とを有していることを特徴として構成されてい
る。
【0010】第二の本発明による平版印刷版支持体の製
造装置は、酸性電解液中にサポートローラと電極とが設
けられ、サポートローラ上を移動する金属板に電気化学
的処理をする平版印刷版支持体の製造装置において、前
記サポートローラが、芯金の周囲に円筒状に設けられた
縦弾性係数が8,000kgf/mm2以上、50,0
00kgf/mm2未満の基板を有する骨格部と、 該骨
格部の周囲に設けられた電気抵抗が0.01MΩ以上の
絶縁層と、該絶縁層の円周面に設けられた厚さ10mm
以上、100mm以下で密度0.30g/cc以上、
1.00g/cc未満に圧密した耐酸性の不織布とを有
することを特徴として構成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
平版印刷版用支持体としては、一般に軽量で表面処理
性、加工性、耐蝕性に優れたアルミニウム板が使用され
ている。この目的に供されるアルミニウム板としては、
JIS1050材、JIS1100材、JIS1070
材、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al
−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等が使用されて
いる。
【0012】(1) JIS1050材に関しては、下記
の特許公報に開示されている。特開昭59−15386
1号、特開昭61−51395号、特開昭62−146
694号、特開昭60−215725号、特開昭60−
215726号、特開昭60−215727号、特開昭
60−216728号、特開昭61−272367号、
特開昭58−11759号、特開昭58−42493
号、特開昭58−221254号、特開昭62−148
295号、特開平4−254545号、特開平4−16
5041号、特公平3−68939号、特開平3−23
4594号、特公平1−47545号及び特開昭62−
140894号各公報。また、特公平1−35910号
公報、特公昭55−28874号公報等に開示された技
術も知られている。
【0013】(2) JIS1070材に関しては、下記
の特許公報に開示されている。特開平7−81264
号、特開平7−305133号、特開平8−49034
号、特開平8−73974号、特開平8−108659
号及び特開平8−92679号各公報。
【0014】(3) Al−Mg系合金に関しては、下記
の特許公報に開示されている。特公昭62−5080
号、特公昭63−60823号、特公平3−61753
号、特開昭60−203496号、特開昭60−203
497号、特公平3−11635号、特開昭61−27
4993号、特開昭62−23794号、特開昭63−
47347号、特開昭63−47348号、特開昭63
−47349号、特開昭64−1293号、特開昭63
−135294号、特開昭63−87288号、特公平
4−73392号、特公平7−100844号、特開昭
62−149856号、特公平4−73394号、特開
昭62−181191号、特公平5−76530号、特
開昭63−30294号及び特公平6−37116号各
公報。また、特開平2−215599号、特開昭61−
201747号各公報等にも開示されている。
【0015】(4) Al−Mn系合金に関しては、下記
の特許公報に開示されている。特開昭60−23095
1号、特開平1−306288号及び特開平2−293
189号各公報。また、特公昭54−42284号、特
公平4−19290号、特公平4−19291号、特公
平4−19292号、特開昭61−35995号、特開
昭64−51992号、特開平4−226394号各公
報、米国特許5,009,722号及び同5,028,
276号各明細書等にも開示されている。
【0016】(5) Al−Mn−Mg系合金に関して
は、下記の特許公報に開示されている。特開昭62−8
6143号及び特開平3−222796号各公報。ま
た、特公昭63−60824号、特開昭60−6334
6号、特開昭60−63347号、特開平1−2933
50号各公報、欧州特許223,737号、米国特許
4,818,300号、英国特許1,222,777号
各明細書等にも開示されている。
【0017】(6) Al−Zr系合金に関しては、本出
願人等によって開発された技術が下記の特許公報に開示
されている。特公昭63−15978号及び特開昭61
−51395号各公報。また、特開昭63−14323
4号、特開昭63−143235号各公報等にも開示さ
れている。
【0018】(7) Al−Mg−Si系合金に関して
は、英国特許1,421,710号等に開示されてい
る。
【0019】平版印刷版用支持体に用いるアルミニウム
(アルミニウム合金を含む)板を得るには、一般に、ま
ず、上述した含有成分及び合金成分割合のアルミニウム
合金溶湯を常法に従い清浄化処理を施し、鋳造する。
【0020】清浄化処理では、溶湯中の水素などの不要
なガスを除去するために、フラックス処理、アルゴンガ
ス、塩素ガス等を用いた脱ガス処理、セラミックチュウ
ブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわゆる
リジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アル
ミナボール等を濾材とするフィルタや、グラスクロスフ
ィルタ等を用いたフィルタリング、あるいは、脱ガスと
フィルタリングを組み合わせた処理が行われる。これら
の清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物、酸化物等の異
物による欠陥、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐ
ために実施されることが望ましい。
【0021】溶湯の脱ガスに関しては、特開平5−51
659号、実開平5−49148号各公報等に記載され
ている。本出願人も特開平7−40017号公報に溶湯
の脱ガスに関する技術を開示している。
【0022】また、溶湯のフィルタリングに関しては、
特開平6−57432号、特開平3−162530号、
特開平5−140659号、特開平4−231425
号、特開平4−276031号、特開平5−31126
1号、特開平6−136466号各公報等に記載されて
いる。
【0023】以上のように、清浄化処理を施された溶湯
を用いて鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造法
に代表される固体鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代
表される駆動鋳型を用いる方法とがある。
【0024】DC鋳造法を用いた場合、冷却速度は0.
5〜30℃/秒の範囲で凝固する。
【0025】1℃未満であると粗大な金属間化合物が多
数形成される。
【0026】連続鋳造法には、ハンター法、3C法に代
表される冷却ローラを用いる方法、また、ハズレー法、
アルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトや冷
却ブロックを用いる方法が工業的に行われている。連続
鋳造法を用いる場合には、冷却速度が100〜1000
℃/秒の範囲で凝固する。一般的には、DC鋳造法に比
べて冷却速度が速いため、アルミマトリックスに対する
合金成分固溶度を高くできる特徴がある。連続鋳造法に
関しては、特開平3−79798号、特開平5−201
166号、特開平5−156414号、特開平6−26
2203号、特開平6−122949号、特開平6−2
10406号、特開平6−26308号各公報等に開示
されている。
【0027】DC鋳造を行った場合、板厚300〜80
0mmの鋳塊が製造できる。その鋳塊は、常法に従い、
必要に応じて面削を行い、表層の1〜30mm、好まし
くは1〜10mmを切削する。その前後、必要に応じ
て、均熱化処理を行う。均熱化処理を行う場合、金属間
化合物が粗大化しないように、450〜620℃で1時
間以上、48時間以下の熱処理が施される。熱処理が1
時間より短い場合には、均熱化処理の効果が不十分とな
る。
【0028】次いで、熱間圧延、冷間圧延を行ってアル
ミニウム圧延板とする。熱間圧延の前又は後、若しくは
その途中において中間焼鈍処理を施してもよい。この場
合の中間焼鈍は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜60
0℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2
〜10時間加熱する方法や、連続焼鈍炉を用いて、10
〜200℃/秒の昇温速度で加熱する方法を採ることが
でき、連続焼鈍炉を用いて上記条件で行なうと結晶組織
を細かくすることができる。
【0029】以上の工程によって、厚さ0.1〜0.5
mmに仕上げられたアルミニウム板は、平面性を改善す
るためにローラレベラ、テンションレベタ等の矯正装置
によって平面性を改善してもよい。平面性の改善は、ア
ルミニウム板をシート状にカットした後に行ってもよい
が、生産性を向上させるためには、連続したコイルの状
態で平面性改善を行うことが好ましい。また、アルミニ
ウム板巾を所定の巾に加工するため、スリッタラインを
通してもよい。また、アルミニウム板同志の摩擦による
傷の発生を防止するために、アルミニウム板の表面に薄
い油膜を設けてもよい。油膜には、必要に応じて、揮発
性のものや、不揮発性のものが適宜用いられる。なお、
冷間圧延に関して、特開平6−210308号公報等に
開示されている。
【0030】連続鋳造を行った場合、例えば、ハンター
法等の冷却ローラを用いると板厚1〜10mmの鋳造板
を直線連続鋳造でき、熱間圧延の工程を省略できるメリ
ットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ローラを用
いると、板厚10〜50mmの鋳造板が鋳造でき、一般
的に、鋳造直後に熱間圧延ローラを配置し連続的に圧延
することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得ら
れる。これらの連続鋳造圧延板は、DC鋳造の場合に説
明したのと同じように、冷間圧延、中間焼鈍、平面性改
良、スリット等の工程を経て0.1〜0.5mmの板厚に
仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍条
件、冷間圧延条件については、特開平6−220593
号、特開平6−210308号、特開平7−54111
号、特開平8−92709号各公報等に開示されてい
る。
【0031】上述したような方法で製造されたアルミニ
ウム板を、平版印刷版用支持体として使用する場合、そ
の用途によって、以下に述べる種々の特性が望まれる。
【0032】(1) 強度に関して:平版印刷版用支持体
として必要な腰の強さを得るため、0.2%耐力が14
0MPa以上あることが望ましい。また、バーニング処
理を行ったときにもある程度の腰の強さを得るために
は、270℃で3〜10分間加熱後の0.2%耐力が8
0MPa以上、望ましくは100MPa以上あることが
よい。特に、腰の強さを求める場合は、MgやMnを添
加したアルミニウム材料を採用することができるが、印
刷機の版胴へのフィットし易さは劣ってくるため、用途
に応じて、材質、微量成分の添加量は適宜選択される。
これらについては、特開平7−126820号、特開昭
62−140894号各公報等に開示されている。
【0033】(2) 結晶組織に関して:平版印刷版用支
持体として、化学的な表面処理、電気化学的な表面処理
を行う場合、アルミニウム板の表面の結晶組織に起因す
る面質不良が発生する場合があり、表面の結晶組織は、
あまり粗大でないことが好ましい。結晶組織の巾として
は、200μm以下、好ましくは100μm以下、より
好ましくは50μm以下がである。結晶組織の長さとし
ては、5000μm以下、好ましくは1000μm以
下、より好ましくは500μm以下がである。これらに
ついては、特開平6−218495号、特開平7−39
906号、特開平7−124609号各公報等に開示さ
れている。
【0034】(3) 合金成分分布に関して:平版印刷版
用支持体として、化学的な表面処理、電気化学的な表面
処理を行う場合、アルミニウム板の表面の合金成分の不
均一な分布に起因する面質不良が発生する場合があり、
表面の合金成分の分布はあまり不均一でないことが好ま
しい。これらについては、特開平6−48058号、特
開平5−301478号、特開平7−132689号各
公報等に開示されている。
【0035】(4) 金属間化合物に関して:平版印刷版
用支持体として、化学的な表面処理、電気化学的な表面
処理を行う場合、金属間化合物のサイズや密度の影響を
受けることがある。これらについては、特開平7−13
8687号、特開平4−254545号各公報に開示さ
れている。
【0036】アルミニウム板の荷姿としては、例えば、
鉄製パレットにハードボードとフェルトを敷き、製品両
端にダンボールドーナツ板を当て、ポリチューブで全体
を包み、コイル内径部に木製ドーナツを挿入し、コイル
外周部にフェルトを当て、帯鉄で絞め、その外周部に表
示を行う。また、包装材としては、ポリエチレンフィル
ム、緩衝材としては、ニードルフェルト、ハードボード
が用いられる。その他いろいろな形態があるが、安定し
て、キズも付かず運送等が可能なことが重要である。
【0037】このようなアルミニウム板に以下に記載す
る表面処理を行う。まず、アルミニウム板に前処理を行
なうが、この前処理は、代表的な例として、トリクレン
等の溶剤や界面活性剤を用いてアルミニウム板表面の圧
延油を除去する処理や、水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム等のアルカリエッチング剤を用いてアルミニウム板
表面に清浄な面を露出させる処理がある。
【0038】具体的には、溶剤脱脂方法としては、ガソ
リン、ケロシン、ベンジン、ソルベントナフサ、ノルマ
ルヘキサン等の石油系溶剤を用いる方法、トリクロルエ
チレン、メチレンクロライド、パークロルエチレン、
1,1,1−トリクロルエタン等の塩素系溶剤を用いる方
法がある。アルカリ脱脂方法としては、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム等のソーダ塩の水溶液を用いる方法、オルトケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケイ酸ナトリウ
ム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩の水溶液を用い
る方法、第一燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第
二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の燐酸
塩水溶液を用いる方法等がある。
【0039】アルカリ脱脂方法を用いる場合、処理時
間、処理温度によって、アルミニウム板表面が溶解する
可能性があり得るので、脱脂処理については、溶解現象
が伴わないようにする必要がある。
【0040】界面活性剤による脱脂処理としては、アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面
活性剤及び両性界面活性剤の水溶液が用いられ、各種の
市販品等を用いることが出来る。
【0041】脱脂方法としては、浸漬法、吹き付け法、
液を布等に含ませて擦る方法等用いることが出来る。ま
た、浸漬や吹き付け法には、超音波を用いてもよい。
【0042】また、脱脂処理に関して、例えば、特開平
2−26793号公報を参照することができる。
【0043】次に、機械的粗面化処理が行われる。この
機械的粗面化には転写、ブラシ、液体ホーニング等の方
法があり、生産性等を考慮して併用することもできる。
【0044】凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方
法としては、種々の方法を使用することができる。すな
わち、前記特開昭55−74898号、特開昭60−3
6195号、特開昭60−203496号各公報で開示
された転写を数回行うことを特徴とした方法、特開平6
−24168号公報で開示された方法等も適用すること
ができる。
【0045】また、放電加工・ショットブラスト・レー
ザー・プラズマエッチングなどを用いて微細な凹凸を食
刻したローラで繰り返し転写を行なったり、微細粒子を
塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に接面させ、
その上より複数回繰し返し圧力を加え、アルミニウム板
に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パターンを複数回
繰り返し転写させてもよい。
【0046】転写ローラへ微細な凹凸を付与する方法と
しては、特開平3−8635号、特開平3−66404
号、特開昭63−65017号各公報等が公知となって
いる。また、ローラ表面にダイス、バイト又はレーザー
などを使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の
凹凸をつけてもよい。このローラ表面は、公知のエッチ
ング処理などをおこなって、形成した角形の凹凸が丸み
を帯びるような処理をおこなってもよい。さらに、表面
の硬度を上げるために焼き入れ、ハードクロムメッキな
どを行ってもよい。
【0047】ブラシを用いた機械的粗面化処理について
図1を参照して説明する。図1は、ブラシを用いた機械
的粗面化処理工程の機会的粗面化処理装置を示す概略図
である。この図においてアルミニウム板を粗面化処理す
るには、アルミニウム板10を支持ローラ107で支持
して矢印方向に走行させ、研磨スラリー103をアルミ
ニウム板10の表面に均一に散布するとともに、ブラシ
ローラ102をアルミニウム板10表面上で回転させて
機械的粗面化処理を行う。この例では、研磨スラリーの
散布とブラシローラによる粗面化処理を2ヵ所で行って
いる。
【0048】ブラシを用いる場合、曲げ弾性率が10,
000〜40,000kg/cm2、好ましくは15,0
00〜35,000kg/cm2で、かつ毛腰の強さが5
00g以下、好ましくは400g以下であるブラシ毛を
用い、さらに粒径20〜80μm、好ましくは30〜6
0μmの研磨材を用いる。
【0049】ブラシの材質は、上記の機械的強度を備え
るものが好ましいが、上記機械的強度以外でも使用可能
であり、合成樹脂や金属から適宜選択できる。合成樹脂
としては、例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネー
ト等を用いることができる。また金属としては、ステン
レスや真鍮等を用いることができる。
【0050】また、研磨材の材質も上記の粒径範囲が好
ましが、その材質は制限されるものではなく、従来より
機械的粗面化処理に使用されているアルミナ、珪砂、シ
リカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等から選択して用いるこ
とができる。
【0051】機械的粗面化処理は、上記のブラシ毛を有
するローラブラシを高速回転させながらアルミニウム板
表面に圧接するとともに、上記の研磨材をローラブラシ
に供給することにより行われる。この時のローラブラシ
の回転数や圧接力、研磨材の供給量等は特に制限されな
い。
【0052】上記機械的粗面化に適した装置としては、
例えば、特公昭50−40047号公報に記載された装
置を挙げることができる。
【0053】このように機械的粗面化処理を行った後、
アルミニウム板の平滑化、均斉化等を目的として、アル
ミニウム表面をpH11以上、好ましくはpH13以上
のアルカリ溶液を用いて化学的エッチング処理を行う。
【0054】化学的エッチング処理について図2を参照
して説明する。図2は、アルミニウム板表面に化学的エ
ッチング処理を行う化学的エッチング処理装置の一例を
示す概略図である。この図においてアルミニウム板に化
学的エッチング処理を行なうには、アルミニウム板10
をパスローラ202及びニップローラ201によってエ
ッチング処理槽211内を通過させ、このエッチング処
理槽211内で、調液タンク205中の処理液(水酸化
ナトリウムを主とするエッチング液)を送液ポンプ20
4によって導入管212を通してスプレー203に送り
込み、このスプレー203よってアルミニウム板10の
幅方向にわたって均一に処理液をスプレーして表面エッ
チングを行う。アルミニウム板10がエッチング処理槽
211を出るとき、ニップローラ201でアルミニウム
板10の表面を拭って処理液のエッチング処理槽211
外への持ち出しを防ぐ。
【0055】処理液は調液タンク205で調合され、調
合された処理液は、導入管212を介してスプレー20
3に送液することができるが、他方、送液ポンプ204
により、導入管212より分岐している給液配管224
及び225を通ってそれぞれ拡散透析槽206及び析出
槽207に送液することができる。給液量および給液の
時期は配管の途中に設けた弁(図示せず)の操作によっ
て調節することができる。
【0056】調液タンク205とエッチング処理槽21
1とは導入管212および戻り液配管213とによって
連結され、処理液はこれらの間で循環されている。エッ
チング処理の間に処理液中の水酸化ナトリウム成分は反
応により減少し、アルミニウムイオン含量は増加し、ま
た水は蒸発し減少する等処理液の量および成分濃度は変
化する。このため、調液タンク205内の処理液には水
酸化ナトリウム溶液と水の補給がそれぞれ補給配管20
0及び201からおこなわれるが、増加するアルミニウ
ムイオンを除去しないで補給液によって処理液中のアル
ミニウムイオンを所定の濃度に保つのは無駄が多い。
【0057】このため、給液配管224及び225を通
って調液タンク205内の処理液の一部を拡散透析槽2
06及び析出槽207へ循環使用中の処理液の一部を適
時に送液し、アルミニウムイオンを系外に除去する。拡
散透析槽206では、送液された処理液の約70%が水
酸化ナトリウム液として回収され、回収液aとして回収
用配管218を通って調液タンク205に戻される。一
方、拡散透析槽206で透析によって過飽和のアルミン
酸ソーダ溶液となった透析廃液は、透析廃液用送液管2
15を通って析出槽207へ送られる。拡散透析槽20
6では、蒸発した水を補給するため給液配管214より
水を加えることが出来る。
【0058】析出槽207では拡散透析槽206からの
透析廃液と調液タンク205からの処理液を混合して、
混合液から過飽和のアルミン酸ソーダ溶液中の水酸化ア
ルミニウムの種子を核として水酸化アルミニウムを結晶
化させる。アルミニウムイオンが除去された水酸化ナト
リウム液を主とする処理液と水酸化アルミニウムの結晶
との混合物は送液管216によってシックナー208へ
送られ、結晶化した水酸化アルミニウムは配管217を
通ってドラムフィルター209で離漿し、ホッパー21
0に集められる。一方、水酸化ナトリウム液を主とする
処理液は回収液bとして回収用配管219を通り、調液
タンク205に戻される。
【0059】なお、この例では拡散透析を使用したが、
結晶化させる晶析法等を使用してもよい。
【0060】化学的エッチング処理におけるエッチング
量は、3g/m2以上、25g/m2以下、好ましくは3
g/m2以上、15g/m2以下である。エッチング量が
3g/m2未満では、 機械的粗面化処理により形成され
た凹凸を平滑化できず、後段の電解処理において均一な
ピットを生成できない。一方、エッチング量が25g/
2を越えると、前記凹凸が消失してしまうこともあ
り、好ましくない。
【0061】使用可能なアルカリ溶液として、例えば、
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム等のソーダ塩水溶液、オルトケイ酸
ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケイ酸ナトリ
ウム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩水溶液、第一
燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリ
ウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の燐酸塩水溶液等を
挙げることができる。
【0062】処理条件としては、アルカリ溶液の濃度
0.01重量%〜50重量%、液温20℃〜90℃、時
間5秒〜5分間であり、上記のエッチング量となるよう
に適時選択される。
【0063】上記アルカリ溶液によりアルミニウム板表
面を化学的エッチング処理すると、その表面に不溶解残
渣部すなわちスマットが生成する。そこで、後述する電
解粗面化処理に使用される酸性溶液と同一組成の酸性溶
液を用いてスマットを除去する。
【0064】好ましい処理条件は、液温30〜80℃、
時間3秒〜3分である。
【0065】次いで、このようにして処理されたアルミ
ニウム板に電解粗面化処理を行う。本発明における電解
粗面化処理は、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交
番波形電流による第1及び第2の電解処理を行うことが
好ましい。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面
にスマットが生成するとともに、水素ガスが発生してよ
り均一な電解粗面化が可能となる。陰極電解処理によ
り、アルミニウム板の表面にスマットが生成するととも
に、水素ガスが発生してより均一な電解粗面化が可能と
なる。
【0066】まず、酸性溶液中での交番波形電流による
第1及び第2の電解粗面化処理について説明する。な
お、この電解粗面化処理は、第1の処理と第2の処理と
が同一条件であっても、また好ましい処理条件の範囲に
おいてそれぞれ異なっていてもよい。
【0067】電解粗面化処理について図3を参照して説
明する。図3は、アルミニウム板に第1及び第2の電解
粗面化処理を行う電解粗面化処理装置の一例を示す概略
図である。
【0068】図3において、符号10はアルミニウム板
で、この、アルミニウム板10において、10aは表面
(最初に電解粗面化処理される方の面)、10bは裏面
(後に電解粗面化処理される方の面)である。符号30
2は、アルミニウム板10の表面10aを電解粗面化す
る第1表面側粗面化処理装置、符号303も、アルミニ
ウム板10の表面10aを電解粗面化する第2表面側粗
面化処理装置、符号304は、アルミニウム板10の裏
側面10bを電解粗面化する裏面側粗面化処理装置であ
る。これらの表面側粗面化処理装置302、303及び
裏面側粗面化処理装置304は、図4に示すように、そ
れぞれ、電解槽305に交流電源312を介して接続さ
れた一対の円弧状の主電極306、306が配設される
とともに、主電極306の上方に回転自在なサポートロ
ーラ307が配置されている。そして、主電極306と
サポートローラ307の間には電解液308が充填され
ている。
【0069】また、第1表面側粗面化処理装置302、
第2表面側粗面化処理装置303及び裏面側粗面化処理
装置304の間には、パスローラ309……309が所
定箇所に配置され、アルミニウム板10の走行路を形成
している。また、第2表面側粗面化処理装置303と裏
面側粗面化処理装置304の間の走行路は、裏面側粗面
化処理装置304においては表面10aがサポートロー
ラ307に接し、裏面10bが電解液308に漬かるよ
うに、アルミニウム板10を反転させる反転走行路31
0となっている。そして、この反転走行路310に、電
解液308をアルミニウム板10に散布するスプレー3
11……311が複数設けられている。
【0070】前記サポートローラについて説明する。図
5は、第一の発明による平版印刷版支持体の製造装置に
かかるサポートローラの一実施形態の断面図である。図
5において、320は骨格部で、この骨格部320は、
ステンレススチールからなる芯金321と、芯金321
の周囲に円筒状に設けられた基板322とで構成されて
おり、この基板322は、縦弾性係数が8,000kg
f/mm2以上、50,000kgf/mm2未満のステ
ンレススチール、アルミニウム等の金属で形成されてい
る。そして、このような骨格部320の周囲には、酸化
クロムを10重量%以上、90重量%以下含み電気抵抗
が0.01MΩ以上のセラミック絶縁層323が設けら
れている。
【0071】基板は、縦弾性係数が8,000kgf/
mm2以上、50,000kgf/mm2未満であり、好
ましくは15,000kgf/mm2以上、45,000
kgf/mm2未満、より好ましくは18,000kg
f/mm2以上、40,000kgf/mm2未満であ
る。縦弾性係数が8,000kgf/mm2未満である
と、アルミウェブの張力に抗しきれず、変形等生ずる恐
れがあり、また、縦弾性係数が50,000kgf/m
2以上であると、製作が困難である。
【0072】セラミック絶縁層は、酸化クロムを10重
量%以上、90重量%以下含んでおり、好ましくは15
重量%以上、80重量%以下含んでおり、より好ましく
は20重量%以上、75重量%以下含んでいる。酸化ク
ロムが10重量%以下であると、酸性液が、微小なセラ
ミックス粒子間に浸透し、ローラ寿命が短くなり、ま
た、90重量%を超えると、絶縁性を損なう恐れがあ
る。
【0073】セラミック絶縁層は、電気抵抗が0.01
MΩ以上であり、好ましくは0.1MΩ以上、より好ま
しくは0.5MΩ以上である。電気抵抗が0.1MΩ未
満であると、アルミ板に電流が流れたとき、サポートロ
ーラに電流がリークして電蝕等異常が発生する恐れがあ
る。
【0074】以上のようなセラミック絶縁層は、酸化ア
ルミ、酸化ケイ素等、用途に合わせて適度に調合して作
成する。
【0075】図6は、第二の発明による平版印刷版支持
体の製造装置にかかるサポートローラの一実施形態の断
面図である。図6において、330は骨格部で、この骨
格部330は、ステンレススチールからなる芯金331
と、芯金331の周囲に円筒状に設けられた基板332
とで構成されており、この基板332は、縦弾性係数が
8,000kgf/mm2以上、50,000kgf/
mm2未満のステンレススチール、アルミニウム等の金
属で形成されている。そして、このような骨格部330
の周囲には、電気抵抗が0.01MΩ以上の絶縁層33
3が設けられており、この絶縁層333の周面には、厚
さ10mm以上、100mm以下で密度0.3g/cc
以上、1.00g/cc未満に圧密した耐酸性の不織布
334が設けられている。
【0076】骨格部の芯金及び基板は、前記第一の発明
におけるサポートローラの場合と同一である。
【0077】絶縁層は、電気抵抗が0.01MΩ以上で
あり、好ましくは0.1MΩ以上、より好ましくは0.
5MΩ以上である。電気抵抗が0.1MΩ未満である
と、アルミ板に電流が流れたとき、サポートローラに電
流がリークして電蝕等異常が発生する恐れがある。
【0078】以上のような絶縁層はフッ素系のコーティ
ングが一般的に用いられる。
【0079】不織布は、厚さが10mm以上、100m
m以下であり、好ましくは20mm以上、90mm以下
であり、より好ましくは30mm以上、60mm以下で
ある。厚さが30mm未満であると、耐久性に問題が生
じる。また、厚さが100mmを超えると、不織布の吸
水性の影響で、サポートローラの動バランス等が狂い、
特に加減速時に不具合が発生し易い。
【0080】不織布は、密度が0.3g/cc以上、
1.00g/cc未満に圧密したものであり、好ましく
は0.4g/cc以上、0.9g/cc未満であり、よ
り好ましくは0.5g/cc以上、0.8g/cc未満
である。密度が0.3cc/g未満であると、不織布が
長期使用後変形し易くなり、密度が1.00g/cc以
上であると、硬度が高くなりすぎて押し傷等が発生し易
くなる。
【0081】また、不織布は、耐酸性のものが好まし
く、例えば、ビニル樹脂、PPS樹脂、テフロン樹脂が
用いられる。
【0082】以上のような電解粗面化処理装置でアルミ
ニウム板を粗面化処理するには、各粗面化処理装置30
2、303、304の主電極306……306に通電す
るとともにアルミニウム板10を走行させる。すると、
アルミニウム板10は、その表面側10aが第1表面側
粗面化処理装置302及び第2表面側粗面化処理装置3
03で連続して粗面化される。表面側10aが粗面化処
理されたアルミニウム板10は、反転走行路310を通
って、表面側10aが裏面側粗面化処理装置304のサ
ポートローラ307に接し、かつ裏面側10bが電解液
308に浸されるように、反転された状態で裏面側粗面
化処理装置304に送られ粗面化される。また、反転走
行路310を走行中に、スプレー311……311から
電解液を散布してアルミニウム板10を常に濡れた状態
にしている。
【0083】この電解粗面化処理は、例えば、特公昭4
8−28123号公報、英国特許896563号明細書
に記載されている電気化学的グレイン法に従うことがで
きる。この電解グレイニングは正弦波形の交流電流を用
いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記
載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。
また、特開平3−79799号公報に記載の波形を用い
ることもできる。
【0084】また、特開昭55−158298、特開昭
56−28898、特開昭52−58602、特開昭5
2−152302、特開昭54−85802、特開昭6
0−190392、特開昭58−120531、特開昭
63−176187各号公報、特開平1−5889、特
開平1−280590、特開平1−118489、特開
平1−148592、特開平1−178496、特開平
1−188315、特開平1−154797、特開平2
−235794、特開平3−260100、特開平3−
253600、特開平4−72079、特開平4−27
098、特開平3−267400、特開平1−1410
94各号公報に記載の方法も適用することができる。
【0085】交流電源の周波数としては、前述の他に、
電解コンデンサーにて提案されているものも使用でき
る。例えば、米国特許4276129、同467687
9号明細書等である。
【0086】電解液である酸性溶液としては、硝酸、塩
酸等の他、米国特許4671859、同466576、
同4661219、同4618405、同46262
8、同4600482、同4566960、同4566
958、同4566959、同4416972、同43
74710、同4336113、同4184932各号
明細書等の電解液も使用できる。
【0087】酸性溶液の濃度は、0.5〜2.5重量%
が好ましいが、上記のスマット除去処理での使用を考慮
すると、0.7〜2.0重量%が特に好ましい。また、
液温は20〜80℃、特に30〜60℃が好ましい。
【0088】電解槽に供給する電源としては、種々提案
されているが、米国特許4203637号明細書、特開
昭56−123400、特開昭57−59770、特開
昭53−12738、特開昭53−32821、特開昭
53−32822、特開昭53−32823、特開昭5
5−122896、特開昭55−132884、特開昭
62−127500、特開平1−52100、特開平1
−52098、特開昭60−67700、特開平1−2
30800、特開平3−257199各号公報等に記載
のものがある。
【0089】また、上述した以外にも種々提案されてお
り、例えば、特開昭52−58602、特開昭52−1
52302、特開昭53−12738、特開昭53−1
2739、特開昭53−32821、特開昭53−32
822、特開昭53−32833、特開昭53−328
24、特開昭53−32825、特開昭54−8580
2、特開昭55−122896、特開昭55−1328
84、特公昭48−28123、特公昭51−708
1、特開昭52−133838、特開昭52−1338
40、特開昭52−133844、特開昭52−133
845、特開昭53−149135、特開昭54−14
6234各号公報で提案されているものを適用すること
ができる。
【0090】この電解粗面化処理は、前述の機械的粗面
化を行う場合には陽極電気量30〜400C/dm2
好ましくは50〜300C/dm2で行われる。陽極電
気量が30C/dm2未満では、均一なピットが生成さ
れず、一方400C/dm2を越えるとピットが大きく
なりすぎる。
【0091】機械的粗面化を行わない場合には、この限
りでない。
【0092】前記第1及び第2の電解粗面化処理の間
に、アルミニウム板は陰極電解処理が施される。この陰
極電解処理により、アルミニウム板表面にスマットが生
成するとともに、水素ガスが発生してより均一な電解粗
面化が可能となる。
【0093】この陰極電解処理は、酸性溶液中で陰極電
気量3〜80C/dm2、 好ましくは5〜30C/dm
2で行われる。陰極電気量が3C/dm2未満では、スマ
ット付着量が不足し、 一方80C/dm2を越えると、
スマット付着量が過剰となり好ましくない。また、処理
速度を上げる場合、電解処理槽を更に加えても良い。
【0094】また、電解液は上記第1及び第2の電解粗
面化処理で使用する溶液と同一でも異なっていてもよ
い。
【0095】第2の電解粗面化処理の後、アルミニウム
板をpH11以上のアルカリ溶液を用いて第2の化学的
エッチング処理を行う。この第2の化学的エッチング処
理に使用されるpH11以上のアルカリ溶液は、上記第
1の化学的エッチング処理で使用されるアルカリ溶液と
同一でもよいし、異なるアルカリ溶液を用いてもよい。
【0096】ただし、エッチング量は第1の化学的エッ
チング処理とは異なり、0.1〜8g/m2、好ましく
は0.2〜3.0g/m2、より好ましくは0.5〜
1.5g/m2である。エッチング量が0.1g/m2
満では、電解処理によって得られたピット端部を平滑化
できず、一方8g/m2を越えるとピットが消失する。
【0097】上記の化学的エッチング処理によりスマッ
トが生成するため、アルミニウム板は、硝酸を主体とす
る溶液を用いてスマットの除去を行う。ここで、硫酸を
主体とする溶液とは、硫酸単独溶液の他、燐酸、硝酸、
クロム酸、塩酸等を適宜混合してなる混合溶液である。
この硫酸を主体とする溶液を用いるスマット除去は、例
えば、特開昭53−12739号公報を参照することが
できる。
【0098】また、アルカリ処理を組み合わせてもよ
く、例えば、特開昭56−51388号公報を参照する
ことができる。
【0099】さらに、特開昭60−8091、特開昭6
3−176188、特開平1−38291、特開平1−
127389、特開平1−188699、特開平3−1
77600、特開平3−126891、特開平3−19
1100各号公報等に記載された方法を併用することも
できる。
【0100】次いで、アルミニウム板の表面に、陽極酸
化皮膜を形成する。
【0101】アルミニウム板の表面に陽極酸化被膜を形
成する陽極酸化処理について図7を参照して説明する。
【0102】図7は、アルミニウム板の表面を陽極酸化
処理する工程の一例を示す概略図である。この図に示す
陽極酸化処理装置410において、アルミニウム板10
は、図中矢印で示すように搬送される。電解液418が
貯溜された給電槽412において、アルミニウム板10
は給電電極420によって(+)に荷電される。そし
て、アルミニウム板10は、給電槽412においてロー
ラ422によって上方に搬送され、ニップローラ424
によって下方に方向変換された後、電解処理槽414に
向けて搬送され、ローラ428によって水平方向に方向
転換される。
【0103】そして、アルミニウム板10は、電解電極
430によって(−)に荷電されることにより、その表
面に陽極酸化皮膜が形成され、電解処理槽414を出た
アルミニウム板10は後工程に搬送される。
【0104】この陽極酸化処理装置410において、ロ
ーラ422、ニップローラ424及びローラ428によ
って方向転換手段が構成され、アルミニウム板10は、
給電槽412と電解処理槽414との槽間部において、
前記ローラ422、424、428により山型(逆U字
型)に搬送される。給電電極420と電解電極430と
は、直流電流434に接続されている。
【0105】このような陽極酸化処理装置410の特徴
は、給電槽412と電解処理槽414とを1枚の槽壁4
32で仕切り、アルミニウム板10を槽間部において山
型(逆U字型)に搬送したことにある。これによって、
槽間部におけるアルミニウム板10の長さを最短にする
ことができる。よって、陽極酸化処理装置410の全体
長を短くできるので、設備費を低減することができる。
【0106】また、アルミニウム板10を山型(逆U字
型)に搬送することによって、各槽412、414の槽
壁にアルミニウム板10を通過させるための開口部を形
成する必要がなくなる。よって、各槽412、414内
の液面高さを必要レベルに維持するのに要する送液量を
抑えることができるので、稼働費を低減することができ
る。
【0107】この場合、例えば、硫酸濃度50〜300
g/lで、アルミニウム濃度5重量%以下の溶液中で、
アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化膜を形成
することができる。前記溶液には燐酸、クロム酸、しゅ
う酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等を配合し
てもよい。
【0108】形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.0g
/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好まし
い。
【0109】陽極酸化の処理条件は、使用される電解液
によって種々変化するので、一概にいえないが、一般的
には、電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60A/cm2、電圧1〜100
V、電解時間15秒〜50分の範囲であり、上記の皮膜
量となるように調整される。
【0110】電解装置としては、特開昭48−2663
8、特開昭47−18739、特公昭58−24517
各号公報等に記載されている。また、特開昭54−81
133、特開昭57−47894、特開昭57−512
89、特開昭57−51290、特開昭57−5430
0、特開昭57−136596、特開昭58−1074
98、特開昭60−200256、特開昭62−136
596、特開昭63−176494、特開平4−176
897、特開平4−280997、特開平6−2072
99、特開平5−24377、特開平5−32083、
特開平5−125597、特開平5−195291各号
公報等に記載されている方法も使用できる。
【0111】また、陽極酸化皮膜を形成した後、アルミ
ニウム板と感光組成物との密着を最適なものとするため
に、陽極酸化皮膜をエッチングし、さらに水蒸気及び熱
水で封孔処理をして、経時安定性が良く、現像性が良好
で、非画像部の汚れのない感光性印刷版を与えるアルミ
ニウム板の封孔処理装置があり(特公昭56−1251
8号公報)、この様な装置で皮膜生成後処理を行なって
もよい。また、特開平4−4194号公報、特開平5−
202496、特開平5−179482各号公報に記載
されている装置又は方法で封孔処理を行なってもよい。
【0112】また、米国特許第2946638号明細書
に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米
国特許第3201247号明細書に記載されているホス
ホモリブデート処理、英国特許第1108559号に記
載されているアルキルチタネート処理、独国特許第10
91433号明細書に記載されているポリアクリル酸処
理、独国特許第1134093号明細書や英国特許第1
230447号明細書に記載されているポリビニルホス
ホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されて
いるホスホン酸処理、米国特許第3307951号明細
書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16
893号や特開昭58−18291号の各公報に記載さ
れている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩に
よる処理や、米国特許第3860426号明細書に記載
されているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛な
ど)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチ
ルセルロースなど)の下塗り層を設けたり、特開昭59
−101651号公報に記載されているスルホン酸基を
有する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行っ
たものや、特開昭62−019494号公報に記載され
ているリン酸塩、特開昭62−033692号公報に記
載されている水溶性エポキシ化合物、特開昭62−09
7892号公報に記載のリン酸変性デンプン、特開昭6
3−056498号公報に記載のジアミン化合物、特開
昭63−130391号公報記載のアミノ酸の無機又は
有機酸、特開昭63−145092号公報に記載のカル
ボキシル基又は水酸基を含む有機ホスホン酸、特開昭6
3−165183号公報に記載のアミノ基とホスホン酸
基を有する化合物、特開平2−316290号公報に記
載の特定のカルボン酸誘導体、特開平3−215095
号公報に記載のリン酸エステル、特開平3−26159
2号公報に記載の1個のアミノ基とリンの酸素酸基1個
を持つ化合物、特開平3−215095号公報に記載の
リン酸エステル、特開平5−246171号公報に記載
のフェニルホスホン酸などの脂肪族又は芳香族ホスホン
酸、特開平1−307745号公報に記載のチオサリチ
ル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−2826
37号公報に記載のリンの酸素酸のグループを持つ化合
物などの下塗りや、特開昭60−64352号公報に記
載されている酸性染料による着色を行なうこともでき
る。
【0113】陽極酸化処理工程の後、水洗、乾燥を行
い、迷走電流を測定並びに接地する工程を設ける。例え
ば、電気抵抗の非常に小さい銅メッキ等で被覆された金
属ローラをアルミニウム板と接触させてアースされる電
流値を求める方式がある。電流値は少なければ少ない程
良く、300A以下が好ましく、より好ましくは100
A以下である。
【0114】迷走電流の測定工程を図8を参照して説明
する。図8は迷走電流の測定に用いる迷走電流測定手段
の一例の概略図である。図8において、符号1は表面に
銅メッキが形成された導電性の良いアースローラで、こ
のアースローラ1は接地線2により接地されている。こ
の接地線2に接地電流を測定する電流計3が設けられ、
迷走電流を測定できるようになっている。
【0115】迷走電流の測定工程を経たアルミニウム板
は、感光層の塗布工程及び続いて乾燥工程に送られる。
【0116】感光層の塗布工程において、アルミニウム
板に感光層が設けられ感光性平版印刷版とすることがで
きる。
【0117】[I] o−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸エステルおよびフェノール・クレゾール混合のノボ
ラック樹脂を含有する感光層を設ける場合。 o−キノンジアジド化合物はo−ナフトキノンジアジド
化合物であり、例えば、米国特許第2,766,118
号、同第2,767,092号、同第2,772,972
号、同第2,859,112号、同第3,102,809
号、同第3,106,465号、同第3,635,709
号、同第3,647,443号の各明細書をはじめ、多数
の刊行物に記されており、これらは、好適に使用するこ
とができる。これらの内でも、特に芳香族ヒドロキシ化
合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル又
はo−ナフトキノンジアジドカルボン酸エステル、及び
芳香族アミノ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸アミド又はo−ナフトキノンジアジドカルボン酸ア
ミドが好ましく、特に米国特許第3,635,709号明
細書に記されているピロガロールとアセトンとの縮合物
にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル反応
させたもの、米国特許第4,028,111号明細書に記
されている末端にヒドロキシ基を有するポリエステルに
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸、又はo−ナフト
キノンジアジドカルボン酸をエステル反応させたもの、
英国特許第1,494,043号明細書に記されているよ
うなp−ヒドロキシスチレンのホモポリマー又はこれと
他の共重合し得るモノマーとの共重合体にo−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸、又はo−ナフトキノンジアジ
ドカルボン酸をエステル反応させたもの、米国特許第
3,759,711号明細書に記されているようなp−ア
ミノスチレンと他の共重合し得るモノマーとの共重合体
にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸、又はo−ナフ
トキノンジアジドカルボン酸をアミド反応させたものは
非常に優れている。
【0118】これらのo−キノンジアジド化合物は、単
独で使用することができるが、アルカリ可溶性樹脂と混
合して用いた方が好ましい。好適なアルカリ可溶性樹脂
には、ノボラック型フェノール樹脂が含まれ、具体的に
は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール
ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒ
ド樹脂などが含まれる。さらに、米国特許第4,028,
111号明細書に記されているように上記のようなフェ
ノール樹脂と共に、t−ブチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル基で置換され
たフェノール又はクレゾールとホルムアルデヒドとの縮
合物を併用すると、より一層好ましい。
【0119】また、露光により可視像を形成するために
o−ナフトキノンジアジド、4−スルホニルクロライ
ド、p−ジアゾジフェニルアミンの無機アニオン塩、ト
リハロメチルオキサジアゾール化合物、ベンゾフラン環
を有するトリハロメチルオキサジアゾール化合物等の化
合物などが添加される。一方画像の着色剤としては、ビ
クトリアブルーBOH、クリスタルバイオレット、オイ
ルブルー、等のトリフェニルメタン染料が用いられる。
また、特開昭62−293247号公報に記載されてい
る染料は特に好ましい。
【0120】さらに、感脂化剤として特公昭57−23
253号公報に記載されているような炭素数3〜15の
アルキル基で置換されたフェノール、例えば、t−ブチ
ルフェノール、N−オクチルフェノール、t−ブチルフ
ェノールとホルムアルデヒドとを縮合させたノボラック
樹脂、又は、このようなノボラック樹脂のo−ナフトキ
ノンジアジド−4−又は−5−スルホン酸エステル(例
えば、特開昭61−242446号公報に記載されてい
る)を含有させることができる。
【0121】また、現像性を良化させるためにさらに特
開昭62−251740号公報に記載されているような
非イオン界面活性剤を含有させることができる。
【0122】以上の組成物は、上記各成分を溶解する溶
媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒
としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−
メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、乳酸
メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メチル
ピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセ
トン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチル
エーテルなどがあり、これらの溶媒を単独あるいは混合
して使用する。
【0123】これらの成分からなる感光性組成物が、固
形分として0.5〜3.0g/m2設けられる。
【0124】[II] ジアゾ樹脂と水不溶性かつ親油性
光分子化合物を含有する感光層を設ける場合。 ジアゾ樹脂としては、例えば、p−ジアゾジフェニルア
ミンとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドの縮合物
と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩
との有機溶媒可溶の反応生成物であるジアゾ樹脂無機
塩、また米国特許第3,300,309号明細書に記載
されているような、前記縮合物とスルホン酸類例えばP
−トルエンスルホン酸又はその塩、ホスフィン酸類例え
ばベンゼンホスフィン酸又はその塩、ヒドロキシル基含
有化合物例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸又はその塩等の反応生成物である有機溶媒
可溶性ジアゾ樹脂有機酸塩等が挙げられる。
【0125】本発明において、好適に用いることができ
る他のジアゾ樹脂は、カルボキシル基、スルホン酸基、
スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒドロキシル基
のうち少なくとも一つの有機基を有する芳香族化合物
と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳香族ジアゾニウ
ム化合物とを構造単位として含む共縮合体である。
【0126】そして上記の芳香族環としては、好ましく
はフェニル基、ナフチル基をあげることができる。
【0127】前述のカルボキシル基、スルホン酸基、ス
ルフィン酸基、リンの酸素酸基、及びヒドロキシル基の
うち少なくとも一つを含有する芳香族化合物としては種
々のものが挙げられるが、好ましいのは、4−メトキシ
安息香酸、3−クロロ安息香酸、2,4−ジメトキシ安
息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリノ安息香
酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルフィン酸、1−ナフタレンス
ルホン酸、フェニルリン酸、フェニルホスホン酸であ
る。前述の共縮合ジアゾ樹脂の構成単位をなす芳香族ジ
アゾニウム化合物には、例えば、特公昭49−4800
1号公報に挙げられているようなジアゾニウム塩を用い
ることができるが、特に、ジフェニルアミン−4−ジア
ゾニウム塩類が好ましい。
【0128】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノジフェニルアミン、4−アミノ−3−メ
トキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジ
フェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシジフェニ
ルアミン、4’−アミノ−4−メトキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4−ア
ミノ−3−エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3
−β−ヒドロキシエトキシジフェニルアミン、4−アミ
ノ−ジフェニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノ−
ジフェニルアミン−2−カルボン酸、4−アミノ−ジフ
ェニルアミン−2’−カルボン酸等が挙げられ、特に好
ましくは、3−メトキシ−4−アミノ−4−ジフェニル
アミン、4−アミノジフェニルアミンである。
【0129】また、酸基を有する芳香族化合物との共縮
合ジアゾ樹脂以外のジアゾ樹脂として、特開平4−18
559、特開平3−163551及び特開平3−253
857各号公報に記載された酸基を含有するアルデヒド
又はそのアセタール化合物で縮合したジアゾ樹脂も好ま
しく用いることができる。
【0130】ジアゾ樹脂の対アニオンとしては、ジアゾ
樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶
となすアニオンを含む。これらは、デカン酸及び安息香
酸等の有機カルボン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸
及びスルホン酸を含み、典型的な例としては、メタンス
ルホン酸、トルフルオロメタンスルホン酸などのフルオ
ロアルカンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ジオクチ
ルスルホコハク酸、ジシクロヘキシルスルホコハク酸、
カンファースルホン酸、トリルオキシ−3−プロパンス
ルホン酸、ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン
酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジブチ
ルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジアミルフェ
ノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジノニルフェノキシ
−3−プロパンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−4−
ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−4−ブタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
メシチレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン
酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、スルホサリ
チル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、p−ア
セチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエン
スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロ
ロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン
酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホン酸、ブチ
ルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、
デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ドデシルオキシベン
ゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン−5−スルホン酸、イソプロピルナフタレンス
ルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフ
タレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ブ
トキシナフタレンスルホン酸、ドデシルオキシナフタレ
ンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジオク
チルナフタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレ
ンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、1−
ナフトール−5−スルホン酸、ナフタリン−1−スルホ
ン酸、ナフタリン−2−スルホン酸、1,8−ジニトロ
−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸、ジメチル−5−
スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族スルホン
酸、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン等の水酸基含
有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオ
ロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、HClO4、HIO4
等の過ハロゲン酸等が挙げられるが、これに限られるも
のではない。これらの中で、特に好ましいものは、ブチ
ルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン
酸、ヘキサフルオロリン酸、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸である。
【0131】本発明に使用するジアゾ樹脂は、各単量体
のモル比及び縮合条件を種々変えることにより、その分
子量は任意の値として得ることができるが、本発明の目
的とする使途に有効に供するためには分子量が約400
〜100,000のもの、好ましくは、約800〜8,
000のものが適当である。
【0132】水不溶性かつ親油性高分子化合物として
は、下記(1)〜(15)に示すモノマーをその構造単位とす
る通常1〜20万の分子量をもつ共重合体が挙げられ
る。
【0133】(1) 芳香族水酸基を有するアクリルアミ
ド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類及びヒドロキシスチレン類、例え
ば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド又
はN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、
o−,m−,p−ヒドロキシスチレン、o−,m−,p
−ヒドロキシフェニル−アクリレート又はメタクリレー
ト。
【0134】(2) 脂肪族水酸基を有するアクリル酸エ
ステル類、及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−
ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト。
【0135】(3) アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0136】(4) アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、
N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)ア
ルキルアクリレート。
【0137】(5) メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、アミルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等
の(置換)アルキルメタクリレート。
【0138】(6) アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキ
シルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルア
ミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド類。
【0139】(7) エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類。
【0140】(8) ビニルアセテート、ビニルクロロア
セテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニ
ルエステル類。
【0141】(9) スチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロメチルスチレン等のスチレン類。
【0142】(10) メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン
等のビニルケトン類。
【0143】(11) エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
【0144】(12) N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等。
【0145】(13) マレイミド、N−アクリロイルアク
リルアミド、N−アセケチルメタクリルアミド、N−プ
ロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾ
イル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0146】(14) N(o−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフ
ェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノ)スルホ
ニルフェニルメタクリルアミド、N−(1−(3−アミ
ノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(2−
アミノスルホニルエチル)メタクリルアミド等のメタク
リル酸アミド類、及び上記と同様の置換基を有するアク
リルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルフ
メタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタク
リレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレー
ト、1−(3−アミノスルホニルナフチル)メタクリレ
ート等のメタクリル酸エステル類、及び上記と同様の置
換基を有するアクリル酸エステル類などの不飽和スルホ
ンアミド。
【0147】(15) N−(2−(メタクリロイルオキ
シ)−エチル)−2,3−ジメチルマレイミド、ビニル
シンナメート、などの、側鎖に、架橋性基を有する不飽
和モノマー。更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。
【0148】(16) 米国特許第3,751,257号明
細書に記載されているフェノール樹脂および例えば、ポ
リビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂
のようなポリビニルアセタール樹脂。
【0149】(17) ポリウレタンをアルカリ可溶化した
特公昭54−19773号、特開昭57−904747
号、同60−182437号、同62−58242号、
同62−123452号、同62−123453号、同
63−113450号、特開平2−146042号に記
載された高分子化合物。
【0150】また上記共重合体には必要に応じて、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等を添
加してもよい。
【0151】感光性組成物には、露光による可視画像と
現像後の可視画像を得ることを目的としてさらに色素を
用いることができる。
【0152】この色素としては、例えば、ビクトリアピ
ュアブルーBOH[保土ヶ谷化学社製]、オイルブルー
#603[オリエント化学工業社製]、パテントピュア
ブルー[住友三国化学社製]、クリスタルバイオレッ
ト、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチ
ルバイオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ベ
イシックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッ
ド、m−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミ
ン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノ
ン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリ
ド等に代表されるトリフーニルメタン系、ジフェニルメ
タン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキ
ノン系、アゾメチン系又はアントラキノン系の色素が有
色から無色あるいは異なる有色の色調へ変化する変色剤
の例として挙げられる。
【0153】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリ
フェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、p,p'−ビス−ジメチルアミノジフェニル
アミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p',p”−ト
リス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p'−ビ
ス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,p',
p"−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタン、p,
p'−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−アニリノ
ナフチルメタン、p,p',p"−トリアミノトリフェニル
メタンに代表される第1級又は第2級アリールアミン系
色素が挙げられる。特に好ましくは、トリフェニルメタ
ン系、ジフェニルメタン系色素が有効に用いられ、さら
に好ましくはトリフェニルメタン系色素であり、特にビ
クトリアピュアブルーBOHである。
【0154】感光性組成物には、さらに種々の添加物を
加えることができる。例えば、塗布性を改良するための
アルキルエーテル類(例えば、エチルセルロース、メチ
ルセルロース)、フッ素系界面活性剤類や、ノニオン系
界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が好ましい)、塗
膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑剤(例え
ば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン
酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、トリ酸トリ
クレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オ
レイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタ
クリル酸基オリゴマー及びポリマー、この中で特にリン
酸トリクレジルが好ましい)、画像部の感脂性を向上さ
せるための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号公
報記載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコー
ルによるハーフエステル化物、p−t−ブチルフェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂などのノボラック樹脂、p−
ヒドロキシスチレンの50%脂肪酸エステル等)、安定
剤{例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸(クエン酸、シ
ュウ酸、ジピコリン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸、スルホサリチル酸、4−メトキシ−2−
ヒドロキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、酒石酸
等)}、現像促進剤(例えば高級アルコール、酸無水物
等)等が好ましく用いられる。
【0155】感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶
媒に溶かしてアルミニウム板のアルミニウム板上に塗布
される。ここで使用される溶媒としては、特開昭62−
251739号、特開平6−242597号公報に記載
されているような有機溶剤が単独あるいは混合して用い
られる。
【0156】感光性組成物は、2〜50重量%の固形分
濃度で溶解、分散され、アルミニウム板上に塗布・乾燥
される。
【0157】アルミニウム板上に塗設される感光性組成
物の層(感光層)の塗布量は用途により異なるが、一般
的には、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2が好
ましい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための
露光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が
大きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強く
なり、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数
の高い(高耐刷の)印刷版が得られる。
【0158】感光性組成物中には、塗布面質を向上する
ための界面活性剤、特に好ましくはフッ素系界面活性剤
を添加することができる。
【0159】感光性平版印刷版の製造に当たっては、裏
面のバックコート層と表面の感光性組成物層のどちらが
先にアルミニウム板上に塗布されてもよく、また両者が
同時に塗布されてもよい。
【0160】感光性組成物の塗布方法としては特公昭5
8−4589号、特開昭59−123568号等に記載
されているコーティングロッドを用いる方法や特開平4
−244265号等に記載されているエクストルージョ
ン型コーターを用いる方法、あるいは特公平1−576
29号公報、特開平10−128212号公報等に記載
されているスライドビードコーターを用いる方法等を用
いることができる。
【0161】感光性組成物を塗布する塗布装置について
図9を参照して説明する。図9は感光性組成物の塗布装
置の一例の概略断面図である。図9において、506は
ワイヤーバー又は溝切りバーで、連続的に走行せしめら
れているアルミニウム板10と同方向に回転せしめられ
ている。507はバー支持部材でバー506の全長にわ
たり設けられ、バー506にたわみが生ずるのを防止す
ると共にバー506へ塗布液503を供給する給液器と
しての機能を備えている。すなわち塗布液503はバー
支持部材507に設けられた給液口508より堰部材5
09との間に形成された給液案内溝510内に供給さ
れ、回転するバーによってピックアップされアルミニウ
ム板10に塗布されるが、この際、アルミニウム板10
とバー506との接触部において塗布液503の計量が
おこなわれて所望の塗布量のみがアルミニウム板10に
塗布され、他は流下して新たに供給された塗布液503
と共に液だまり511が形成される。従って、定常状態
においては、塗布液503は液だまり511を介してア
ルミニウム板10に塗布されることになる。このように
液だまり511よりアルミニウム板10へ塗布液503
を塗布すると、驚くべきことに塗膜の表面性が従来に比
し向上することが認められた。しかも塗布液をアルミニ
ウム板10に転移、塗布する機能と所望の塗布液量に計
量するという機能とをバー506が併わせ持っているた
め、装置全体がコンパクトになり、スペースを有効に利
用しうるだけでなく、各種条件の設定や操作も容易とな
った。
【0162】この方式において、塗布量はコーティング
バー表面の溝の大きさ、即ちロッドにワイヤーを巻いて
あるワイヤーバーではワイヤーのサイズにより制御する
塗布量の制御範囲ははっきりした制約はないが、 3〜
100cc/m2が通常用いられる。
【0163】コーティングバーの径も特に制約はないが
3〜20mmが通常用いられる。コーティングバーの回
転はアルミニウム板と同方向、逆方向どちらでもよく、
塗布スピードは10〜150m/分の領域で用いること
ができる。
【0164】また、液物性としては、粘度は剪断速度1
00l/sec未満で0.7〜500cp、剪断速度1
00〜100,000l/secにおいては0.7〜3
00cp、より好ましくは100l/sec未満におい
て0.7〜100cp、100〜100,000におい
て0.7〜60cp、表面張力は20〜70dyne/
cm、より好ましくは25〜50dyne/cm、比重
は0.8〜1.5の領域で塗布可能である。
【0165】また別の方法としては、エクストルージョ
ン型注液器より、塗布液を吐出させ、バックアップロー
ラに巻回されて走行するアルミニウム板上に塗布液架橋
を形成させ、塗布液架橋の背部を減圧もしくは前部を加
圧して塗布する方法を用いることができる。
【0166】この方式ではアルミニウム板と注液器先端
のクリアランスに依存するが10〜500cc/m2
度の塗布量の液を塗布することができる。
【0167】塗布液の条件として、好ましくは剪断速度
100l/sec未満で、100〜100,000で
0.7〜60cp、0.7〜100cp、表面張力は20
〜50dyne/cm、比重は0.8〜1.2の領域が
好ましい。
【0168】また、アルミニウム板と注液器のクリアラ
ンスは0.1〜0.5mm程度が通常用いられる。
【0169】次に乾燥方式条件について説明する。乾燥
方式としては、特開平6−63487号公報に記載があ
る乾燥装置内にパスローラを配置し、ローラにアルミニ
ウム板をラップさせて搬送するアーチ型ドライヤー、ア
ルミニウム板の上下面からノズルによりエアーを供給し
アルミニウム板を浮上させながら乾燥する方式、あるい
は熱風を用いず、高温に種々の媒体を用いて加熱し、そ
の副射熱により乾燥する方式、あるいはローラを種々媒
体を用いて加熱しそのローラとアルミニウム板の接触に
よる伝導伝熱により乾燥する方式等がある。
【0170】熱風を用いて乾燥させる乾燥装置について
図10を参照して説明する。図10は本発明で用いられ
る従来の乾燥装置の一例を示す概略断面図である。この
図において、案内ローラRに案内され連続的に走行する
アルミニウム板10は、塗布部622により溶媒を含有
する塗布液を塗布され第1ステップ乾燥ゾーン23に導
入される。第1ステップ乾燥ゾーン623には給気口6
25及び排気口626が設けられている。給気口625
から40℃〜130℃、露点−5〜15℃で供給される
熱風は、整流板629により整流されて、アルミニウム
板10に前記塗布により形成された塗布皮膜表面に風速
0.5〜4m/secで接触し、該塗布膜を乾燥させ排
気口626から排出される。第1ステップ乾燥ゾーン6
23の出口付近に達したアルミニウム板10の該塗布皮
膜は、軟膜状態を呈する。引き続き案内ローラRに案内
され連続的に走行する長尺アルミニウム板10は、第2
ステップ乾燥ゾーン624に導入される。第2ステップ
乾燥ゾーン624には給気口627及び排気口628が
設けられている。給気口627から供給された60℃〜
150℃、露点5〜20℃の熱風はスリット型ノズル6
30より吹き出し風速5〜15m/secで噴出されア
ルミニウム板10の塗布皮膜面に激しく接触する。これ
により塗布皮膜の溶媒が蒸発し、塗布皮膜が硬化する。
塗布皮膜と接触した後の気体は排気口628から排出さ
れる。
【0171】スリット型ノズルとしては先端のノズルク
リアランスは0.2〜8mm、ピッチ30〜300m
m、ノズル〜アルミニウム板間距離5〜200mmの条
件で通常用いられる。
【0172】上記のようにして設けられた感光層の表面
には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時
間を短縮し、かつ焼きボケを防ぐため、マット層が設け
られる。具体的には、特開昭50−125805号、特
公昭57−6582号、同61−28986号各公報に
記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭6
2−62337号公報に記載されているような固体粉末
を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0173】マット塗布装置について図11を参照して
説明する。図11は、従来のマット塗布装置の代表例の
概略断面図である。この図において、連続的に走行する
アルミニウム板10を温度調整室702において所定の
温度に調整し、湿潤装置704により表面を湿潤した
後、静電塗装装置705により微細な液滴をアルミニウ
ム板10の表面に塗布する。次いで、湿潤装置706に
より表面を再湿潤した後、乾燥装置707により乾燥す
る。
【0174】本発明に用いられるマット層の平均径は1
00μm以下が好ましく、これよりも平均径が大きくな
るとPS版を重ねて保存する場合、感光層とバックコー
ト層との接触面積が増大し、滑り性が低下、感光層およ
びバックコート層双方の表面に擦れ傷を生じ易い。マッ
ト層の平均高さは10μm以下が好ましく、より好まし
くは2〜8μmである。この範囲より平均高さが高いと
細線が付き難く、ハイライトドットも点減りし、調子再
現上好ましくない。平均高さが2μm以下では真空密着
性が不十分で焼きボケを生じる。マット層の塗布量は5
〜200mg/m2が好ましく、より好ましくは20〜
150mg/m2である。塗布量がこの範囲よりも大き
いと感光層とバックコート層との接触面積が増大し擦れ
傷の原因となり、これよりも小さいと真空密着性が不十
分となる。
【0175】本発明の平版印刷版(PS版)のアルミニ
ウム板の裏面には、重ねた場合の感光層の傷付きを防ぐ
ための有機高分子化合物からなる被覆層(以後この被覆
層をバックコート層と称す。)が必要に応じて設けられ
る。
【0176】このバックコート層の主成分としては、ガ
ラス転移点20℃以上の、飽和共重合ポリエステル樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩
化ビニリデン共重合樹脂の群から選ばれる少なくとも一
種の樹脂が用いられる。
【0177】飽和共重合ポリエステル樹脂は、ジカルボ
ン酸ユニットとジオールユニットからなる。本発明に用
いられるポリエステルのジカルボン酸ユニットとしては
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラブロム
フタル酸、テトラクロルフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、蓚酸、ス
ベリン酸、セバチン酸、マロン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸などが
挙げられる。
【0178】さらに、バックコート層には、着色のため
の染料や顔料、アルミニウム板との密着性向上のための
シランカップリング剤、ジアゾニウム塩からなるジアゾ
樹脂、有機ホスホン酸、有機リン酸およびカチオン性ポ
リマー等、更には滑り剤として通常用いられるワック
ス、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ジメチルシロキサ
ンよりなるシリコーン化合物、変性ジメチルシロキサ
ン、ポリエチレン粉末等が適宜加えられる。
【0179】バックコート層の厚さは、基本的には合紙
がなくとも感光層を傷付けにくい厚みがあれば良く、
0.01〜8μmの範囲が好ましい。厚さ0.01μm
以下ではPS版を重ねて取り扱った場合の感光層の擦れ
傷を防ぐことができない。厚さが8μmを越えると印刷
中、印刷版周辺で用いられる薬品によってバックコート
層が膨潤して厚みが変動し、印圧が変化して印刷特性を
劣化させることがある。
【0180】バックコート層をアルミニウム板の裏面に
被覆するには種々の方法が適用できる。例えば、適当な
溶媒の溶液にして又は乳化分散液にして塗布、乾燥する
方法、予めフィルム状に成形したものを接着剤や熱でア
ルミニウム板に貼り合わせる方法、溶融押し出し機で溶
融皮膜を形成し、アルミニウム板に貼り合わせる方法が
挙げられるが、上記の塗布量を確保する上で最も好まし
いのは溶液にして塗布、乾燥する方法である。ここで使
用される溶媒としては、特開昭62−251739号公
報に記載されているような有機溶剤が単独あるいは混合
して用いられる。
【0181】また、塗布する方式条件としては、感光層
を塗布する方式、条件の多くを利用できる。すなわち、
先に述べたコーティングロッドを用いる方法、エクスト
ルージョン型コーターを用いる方法、スライドビードコ
ーターを用いる方法が利用できる。また塗布する条件、
液物性等も先に記載した条件を利用できる。
【0182】
【実施例】[実施例1〜6]JIS1050材を、図1
に示す機械的粗面化装置を用い、回転数250rpm
で、珪砂を10%の濃度にした研磨材で機械的砂目立て
を行った。次に、図2に示す化学的エッチング装置で、
苛性ソーダの濃度25%、スプレーで供給する液は60
℃で、8g/m2アルミニウムが溶解した。 その後、水
洗してスマットを除去し、図3及び図4に示す電解粗面
化処理装置を用い、特開平3−79799号公報記載の
電源波形で、硝酸濃度12g/l、アルミニウム濃度7
g/lで、液温は55℃として、 アノード反応の電気
量が250c/dm2になるように電流値を設定した。
サポートローラは、図5又は図6に示すものを使用し
た。サポートローラの詳細を表1に示す。
【0183】
【表1】
【0184】その後、アルミニウム溶解量が0.5g/
2となるようにエッチングし、水洗後スマットを除去
した。次に、図7に示す陽極酸化装置を用い、硫酸濃度
140g/l、温度50℃にて陽極酸化皮膜量が2.3
g/m2になるように直流電流を流し、陽極酸化皮膜を
形成した。
【0185】そして、図9に示す感光性組成物の塗布装
置を用い、感光性組成物の塗布を行い、乾燥した後の塗
布重量が1.4g/m2になるように感光層を設けた。
感光層の処方は下記の通りである。 (感光層組成) ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロー ル、アセトン樹脂とのエステル化合物(米国特許3, 635, 709号明細書実 施例−1記載のもの) 0.75g クレゾールノボラック樹脂 2.00g オイルブルー603(オリエント化学) 0.04g エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0186】[比較例1〜6]JIS1050材を、図
1に示す機械的粗面化装置を用い、回転数250rpm
で、珪砂を10%の濃度にした研磨材で機械的砂目立て
を行った。次に、図2に示す化学的エッチング装置で、
苛性ソーダの濃度25%、スプレーで供給する液は60
℃で、 8g/m2アルミニウムが溶解した。その後、水
洗してスマットを除去し、図3及び図4に示す電解粗面
化処理装置を用い、特開平3−79799号公報記載の
電源波形で、硝酸濃度12g/l、アルミニウム濃度7
g/lで、液温は55℃として、 アノード反応の電気
量が250c/dm2になるように電流値を設定した。
サポートローラは、図5又は図6に示すものを使用し
た。サポートローラの詳細を表2に示す。
【0187】
【表2】
【0188】その後、アルミニウム溶解量が0.5g/
2となるようにエッチングし、水洗後スマットを除去
した。次に、図7に示す陽極酸化装置を用い、硫酸濃度
140g/l、温度50℃にて陽極酸化皮膜量が2.3
g/m2になるように直流電流を流し、陽極酸化皮膜を
形成した。
【0189】そして、図9に示す感光性組成物の塗布装
置を用い、感光性組成物の塗布を行い、乾燥した後の塗
布重量が1.4g/m2になるように感光層を設けた。感
光層の処方は下記の通りである。 (感光層組成) ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロー ル、アセトン樹脂とのエステル化合物(米国特許3, 635, 709号明細書実 施例−1記載のもの) 0.75g クレゾールノボラック樹脂 2.00g オイルブルー603(オリエント化学) 0.04g エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0190】[比較結果]実施例、比較例共、平版印刷
版としての基本性能は同一であった。しかし、実施例
は、100時間連続処理しても問題はなかったが、比較
例1は、サポートローラの変形が生じ、アルミニウム板
に歪みが発生し平面性が悪化した。比較例2、6は、電
飾が発生し、一部ローラ骨格部に溶解後がみられた。比
較例3は、ラインスタート時、サポートローラとアルミ
ニウム板にスリップが発生し、多数の不良品が発生し
た。比較例4は、不織布に変形が生じ、アルミウェブに
歪みが発生し平面性が悪化した。比較例5は、50時間
後に、セラミックスの一部が剥離した。
【0191】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
処理条件が過酷な場合であってもサポートローラが変形
することがない。したがって、長期間に亘ってアルミニ
ウム板等に電解化学的処理を良好に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブラシを用いた機械的粗面化処理装置の一例
を示す概略図である。
【図2】 アルミニウム板表面に化学的エッチング処理
を行う化学的エッチング処理装置の一例を示す概略図で
ある。
【図3】 アルミニウム板に第1及び第2の電解粗面化
処理を行う電解粗面化処理装置の一例を示す概略図であ
る。
【図4】 電解粗面化処理装置の部分拡大図である。
【図5】 サポートローラの拡大断面図である。
【図6】 サポートローラの拡大断面図である。
【図7】 アルミニウム板の表面を陽極酸化処理する陽
極酸化処理装置の一例を示す概略図である。
【図8】 迷走電流の測定に用いる迷走電流測定手段の
一例を示す概略図である。
【図9】 感光性組成物の塗布装置の一例を示す概略断
面図である。
【図10】 乾燥装置の一例を示す概略断面図である。
【図11】 マット塗布装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】 10……アルミニウム板 302…粗面化処理装置 303…粗面化処理装置 304…粗面化処理装置 305…電解槽 306…電極 307…サポートローラ 320…骨格部 321…芯金 322…基板 323…セラミック絶縁層 330…骨格部 331…芯金 332…基板 333…絶縁層 334…不織布

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性電解液中にサポートローラと電極と
    が設けられ、サポートローラ上を移動する金属板に電気
    化学的処理をする平版印刷版支持体の製造装置におい
    て、前記サポートローラが、芯金の周囲に円筒状に設け
    られた縦弾性係数が8,000kgf/mm2以上、5
    0,000kgf/mm2未満の基板を有する骨格部
    と、該骨格部の周囲に設けられた酸化クロムを10重量
    %以上、90重量%以下含み電気抵抗が0.01MΩ以
    上のセラミック絶縁層とを有していることを特徴とする
    平版印刷版支持体の製造装置。
  2. 【請求項2】 酸性電解液中にサポートローラと電極と
    が設けられ、サポートローラ上を移動する金属板に電気
    化学的処理をする平版印刷版支持体の製造装置におい
    て、前記サポートローラが、芯金の周囲に円筒状に設け
    られた縦弾性係数が8,000kgf/mm2以上、5
    0,000kgf/mm2未満の基板を有する骨格部
    と、該骨格部の周囲に設けられた電気抵抗が0.01M
    Ω以上の絶縁層と、該絶縁層の円周面に設けられた厚さ
    10mm以上、100mm以下で密度0.30g/cc
    以上、1.00g/cc未満に圧密した耐酸性の不織布
    とを有することを特徴とする平版印刷版支持体の製造装
    置。
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