JP2000289172A - ポリカーボネート積層体 - Google Patents

ポリカーボネート積層体

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JP2000289172A
JP2000289172A JP11097817A JP9781799A JP2000289172A JP 2000289172 A JP2000289172 A JP 2000289172A JP 11097817 A JP11097817 A JP 11097817A JP 9781799 A JP9781799 A JP 9781799A JP 2000289172 A JP2000289172 A JP 2000289172A
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Japan
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hard coat
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acrylate
photopolymerization initiator
triacrylate
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JP11097817A
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Toshiyuki Narita
年幸 成田
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Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干渉縞がなく、指紋除去性や耐摩耗性に優れ
たポリカーボネート積層体を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート基材と、ポリカーボネ
ート基材上に塗工された、表面処理シリカとアクリレー
トと光重合開始剤とを含むハードコート膜を具備するポ
リカーボネート積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理シリカと
アクリレートと光重合開始剤とを含むハードコート膜を
備えた干渉縞の生じないポリカーボネート積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学材料として従来のガラスに代
わって合成樹脂、例えば、プラスチック材料が使用され
るようになってきた。プラスチック材料からなる成形物
は、軽量、易加工性、耐衝撃性に優れるなどの長所を持
っている反面、硬度が不十分で傷がつきやすい、溶媒に
侵されやすい、帯電しやすくほこりを吸着する、耐熱性
が不十分である等の問題点があった。
【0003】プラスチック材料のこれらの問題点を改良
する手段として、例えば、特公昭55−29102号、
特公昭56−34033号では、エポキシ基含有アルコ
キシシランとテトラアルコキシシランを主成分とするコ
ーティング組成物をプラスチック材料に塗布し、耐擦傷
性を向上させるハードコート層を形成することが提案さ
れている。
【0004】また特公昭57−2735号には、エポキ
シ基含有アルコキシシランとコロイダルシリカを主成分
とするコーティング組成物を塗布しハードコート層を形
成することが提案されている。これは、エポキシ基含有
アルコキシシランからなる被膜の硬度を更に向上させ、
また帯電防止効果を付与し、埃などの付着防止を目的と
して樹脂成分にコロイダルシリカを混入させたものであ
る。
【0005】また、特開平3−39366号および特開
平4−364239号は、多官能アクリレート等の光硬
化性塗料を用いてハードコート層を形成することを開示
している。このようなハードコート層をプラスチックの
中でも特にポリカーボネート基材に適用すると干渉縞が
生じるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、干渉縞がな
く、指紋除去性や耐摩耗性に優れたポリカーボネート積
層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリカーボネー
ト積層体は、ポリカーボネート基材と、前記ポリカーボ
ネート基材上に塗工された、表面処理シリカとアクリレ
ートと光重合開始剤とを含むハードコート膜とを具備す
ることを特徴としている。
【0008】本発明のポリカーボネート積層体におい
て、ハードコート膜中のアクリレートはトリアクリレー
トと、テトラアクリレートおよび/またはペンタアクリ
レートとを含む。本発明の一態様において、トリアクリ
レートはトリメチロールプロパントリアクリレート、テ
トラアクリレートはジヘキサエリスリトールテトラアク
リレート、ペンタアクリレートはジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレートである。
【0009】本発明によれば、アクリルシリケートによ
り表面を処理したコロイダルシリカを含むアクリルハー
ドコート剤をポリカーボネート基材に塗布することによ
って、干渉縞がなく、耐摩耗性や指紋除去性にも優れた
ポリカーボネート積層体を提供することができる。
【0010】本発明のハードコート膜を形成するハード
コート剤には、表面処理シリカ、アクリレートモノマ
ーまたはオリゴマー、任意でレベリング剤等の添加剤
および光重合開始剤が含まれる。重量比としては、好
ましくは表面処理シリカ1.0〜60.0重量部、
アクリレートモノマーまたはオリゴマー30〜98重量
部、レベリング剤等の添加剤0.01〜5.0重量部
(添加する場合)および光重合開始剤0.1〜15.
0重量部、より好ましくは表面処理シリカ5〜30重
量部、アクリレートモノマーまたはオリゴマー65〜
95重量部、レベリング剤等の添加剤0.15〜1.0
重量部(添加する場合)および光重合開始剤1.0〜
8重量部である。
【0011】本発明によるハードコート剤は、光重合
開始剤、例えばα,α−ジエトキシアセトフェノンを、
【化1】 のシリルアクリレートおよび水性コロイドシリカ、
および所望であれば、
【化2】 のアクリルモノマーと組合わせて用いて、ハードコー
ト膜に数秒で硬化し得る光硬化性ハードコート剤を見出
すことにより成されたものである。
【0012】式(1)および(2)中、Rは一価の炭素
数1〜13個の有機基を示し、R1は炭素数1〜8個の
アルキル基を示し、R2 は水素または炭素数1〜3のア
ルキル基、R基およびこれらの混合物から選択され、R
3 は二価の炭素数1〜8個のアルキレン基を示し、R4
は多価有機基を示し、aは0〜2の整数であり、bは1
〜3の整数であり、a+bの和は1〜3に等しく、nは
2〜4の整数である。式(1)のRは、さらに具体的に
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素
数1〜8個のアルキル基;例えばフェニル、トリル、キ
シリル、ナフチル、クロロフェニル等のアリール基およ
びハロゲン化アリール基などから選択される。R1 に含
まれる基は、例えばRに含まれる炭素数1〜8個のアル
キル基すべてである。R2 に含まれる基は水素およびR
に含まれる同じまたは異なる基である。R3 に含まれる
二価アルキレン基は、例えば、メチレン、エチレン、ト
リメチレン、テトラメチレンなどである。R4 に含まれ
る二価有機基はR2 基、炭素数2〜8個の枝分れのアル
キレン基、炭素数2〜8個の枝分れハロゲン化アルキレ
ン基、炭素数2〜8個の枝分れヒドロキシル化アルキレ
ン基、枝分れアクリレート基、例えばフェニレン、トリ
レン、ナフチレン等の炭素数4〜13個のアリーレン
基、炭素数4〜13個のハロゲン化アリーレン基等であ
る。
【0013】また、式(2)内に含まれる多官能価アク
リレートモノマーは、例えば
【化3】
【化4】 などのジアクリレート:
【化5】 などのトリアクリレート:および
【化6】 などのテトラアクリレートである式(1)のシリルアク
リレートには、次式を有する化合物が含まれる。
【0014】
【化7】 本発明に用いるハードコート剤にコロイドシリカのSi
2 10部当りシリルアクリレート少なくとも1部を使
用すると、ゲルの形成が最小限に抑えられることが確か
められている。
【0015】本発明に用いるハードコート剤の一実施形
態は、コロイドシリカおよびシリルアクリレートの縮合
による珪素含有成分に基づくものである。ハードコート
剤中の珪素含有量を適切に調整することにより、得られ
るハードコートの耐摩耗性などの物理的特性を高めるこ
とができる。ポリカーボネート基材とハードコートの接
着寿命も、ハードコート剤の組成を適切に調節すること
により高めることができる。
【0016】本発明のハードコート剤の表面処理シリ
カとして用いるコロイドシリカは1ミクロン未満の寸法
のシリカ(SiO2 )粒子を水または他の溶剤に分散し
た分散液である。このコロイドシリカのポリシロキサン
主鎖が、ハードコート剤にシリコーン製品固有の多くの
利点を与える。
【0017】コロイドシリカの分散液はデュポンやナル
コなどの会社から入手できる。コロイドシリカは酸性ま
たは塩基性いずれの形態でも入手できる。しかし、本発
明の目的には、酸性形態を用いるのが好ましい。酸性コ
ロイドシリカ、即ちナトリウム含量の低い分散液で優れ
たハードコート特性を達成できることが確かめられた。
アルカリ性コロイドシリカも、激しく攪拌しながらHC
lまたはH2 SO4 のような酸を加えることにより酸性
コロイドシリカに転換することができる。
【0018】本発明において用いることのできるコロイ
ドシリカとしては、例えば、Nalcoag 1034
A(米国イリノイ州のNalco Chemical
Companyの商標名)がある。Nalcoag 1
034Aは低いNa2 O含有、約3.1のpHおよび約
34重量%のSiO2 含量を有する高純度の酸性水性コ
ロイドシリカ分散液である。以下の実施例において、グ
ラム(g)または重量部で示すコロイドシリカの重量は
その水媒体も含む重量である。従って、例えば520g
のNalcoag 1034Aコロイドシリカは約17
7gのSiO2を表す。ただし、水はコロイドシリカを
取扱いやすくするために用いられいるだけである。
【0019】「コロイドシリカ」とは微粉砕SiO2
ことを指す。詳しくは、米国特許第4,027,073
号に記載されている。
【0020】本発明のハードコート剤に用いるアクリ
レートは少なくとも2種類とする。一態様においては、
ジアクリレートとトリアクリレートの混合物を含有し、
他の態様においては、トリアクリレートと、テトラアク
リレートおよび/またはペンタアクリレートの混合物を
含有する。さらに、特殊な例では少量のモノアクリレー
トを使用することができる。
【0021】ジアクリレート対トリアクリレートの混合
物を用いる場合には重量比を約10/90から約90/
10までとするのが好ましい。ジアクリレートとトリア
クリレートの混合物の例には、ヘキサンジオールジアク
リレートとペンタエリスリトールトリアクリレート、ヘ
キサンジオールジアクリレートとトリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ートとペンタエリスリトールトリアクリレート、および
ジエチレングリコールジアクリレートとトリメチロール
プロパントリアクリレートの混合物がある。また、より
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)および/または1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレートが挙げられる。
【0022】また、トリアクリレート対テトラアクリレ
ートおよび/またはペンタアクリレートの混合物を用い
る場合には、重量比を約10/90から約90/10ま
でとするのが好ましい。トリアクリレートとテトラアク
リレートおよび/またはペンタアクリレートとの混合物
の例には、ペンタエリスリトールトリアクリレートとト
リメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートとトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレートが挙げられる。また、より具体的
には、トリメチロールプロパントリアクリレート(TM
PTA)と、ジヘキサエリスリトールテトラアクリレー
トおよび/またはジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレートが挙げられる。
【0023】本発明のハードコート膜の形成には、光増
感作用をなす量の光重合開始剤、即ち非酸化性雰囲気、
例えば窒素中でハードコート剤の光硬化を行うのに有効
な量の光重合開始剤が用いられる。一般にこの量は光
硬化性被覆組成物についてのRack Chungの米
国特許出願第217,719号(1980年12月16
日出願)に開示されているように、ケトン型化合物およ
びヒンダードアミン型化合物の配合物が、上述した被覆
組成物を空気中で紫外線(UV)露出により架橋させて
適当な硬質被覆を形成するのに有効な光重合開始剤であ
る。上記特許出願によれば、ケトン化合物対ヒンダード
アミン化合物の重量比を約80/20から約20/80
までとするのが好ましい。通例、50/50または60
/40混合物が満足できるものである。
【0024】非酸化性雰囲気、例えば窒素中で使用する
のが好ましい他のケトン型光重合開始剤としては、例え
ば、ベンゾフェノンおよび他のアセトフェノン類、べン
ジル、べンズアルデヒドおよびo−クロロベンズアルデ
ヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキ
サントン、9, 10−フエナンスレンキノン、9,10
−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチル
ベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテ
ル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメ
トキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパ
ンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム、α,α−ジ
メトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられ
る。
【0025】さらに、本発明のハードコート剤に用いる
光重合開始剤は、非アクリル系UV硬化性脂肪族不飽
和有機モノマーを光重合開始剤の50重量%までの量で
含有させてもよく、かかるモノマーとしては、例えばN
−ビニルピロリドン、スチレンなどが挙げられ、その使
用量は、光重合開始剤の約0.01〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0026】本発明のハードコート膜は、所望に応じて
UV吸収剤または安定剤、例えばレゾルシノールモノベ
ンゾエート、2−メチルレゾルシノールジベンゾエート
なども含有し得る。安定剤は、所望に応じて存在しても
よい追加の溶剤を除いた被覆組成物の重量に基づいて、
約0.1〜15重量%、好ましくは約3〜15重量%の
量存在させることができる。UV硬化性被覆組成物は、
その重量に基づいて約1〜15重量%の安定剤を含有し
得る。
【0027】本発明のハードコート膜には、所望に応じ
て、各種界面活性剤等のレベリング剤、艶消剤、チキ
ソトロープ剤、紫外線安定剤および染料を含有していて
もよい。これらの添加剤はすべてその使用法も含めて当
業界でよく知られているため、詳しい説明は省く。従っ
てごく限られた数の例に言及するだけであるが、ハード
コート剤の光硬化に悪影響を与えず、透明または半透明
性に悪影響を与えない限りで、これらの化合物のいずれ
も使用できる。
【0028】本発明に用いるハードコート剤を製造する
には、水性コロイドシリカ(コロイドシリカ水分散
液)、シリルアクリレート、多官能価アクリルモノマー
またはその混合物、UV光増感剤および所望に応じて上
述した他の添加剤のうち任意のものを配合させる。
【0029】第1の配合工程で、シリルアクリレートを
水性コロイドシリカおよび水混和性アルコールの存在下
で加水分解する。適当なアルコールとしては、例えば水
混和性アルコール、具体的にはt−ブタノール、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど、ま
たはエーテルアルコール、例えばエトキシエタノール、
ブトキシエタノール、メトキシプロパノールなどが挙げ
られる。
【0030】第2の配合工程で、加水分解されたシリル
アクリレートに水性コロイドシリカを添加する。
【0031】さらに第3の配合工程では、水性コロイド
シリカとシリルアクリレートを、加水分解が終わるまで
攪拌する。シリルアクリレートの加水分解は、大気条件
下で行う、あるいは加水分解混合物を加熱して数分間還
流することによって行うことができる。
【0032】本発明において用いるハードコート剤への
上述した成分の添加順序は重要ではないが、上述した加
水分解シリルアクリレートとコロイドシリカの混合物に
多官能価アクリルモノマーまたはその混合物を加えるの
が好ましい。好ましくは、シリルアクリレートとコロイ
ドシリカの混合物を適当な加水分解媒体、例えば前述し
た通りの水混和性アルコールの水溶液中で攪拌しなが
ら、この混合物に多官能価アクリルモノマーまたはその
混合物を加える。
【0033】本発明に用いるハードコート剤を製造する
場合、水とアルコールの共沸混合物を上記配合物から蒸
留除去する。最初の加水分解混合物にアルコールを使用
しなかった場合には、十分な量のアルコールを加えて蒸
留による水の除去を容易にすることができる。他の溶
剤、例えば、トルエンまたは他の芳香族炭素水素を加え
て水の除去を促進することもできる。
【0034】上に述べたハードコート液をディップ、ス
ピン、フロー、スプレーおよびはけ塗り等によりポリカ
ーボネート基材表面に塗工し、光重合開始剤を適宜選択
することにより、市販されている光照射装置で硬化する
ことができる。
【0035】本発明に用いるハードコート剤は必要に応
じて、イソプロピルアルコールやプロピレングリコール
モノメチルエーテルなどの溶媒を用いて、溶解して塗工
することもできる。
【0036】また、本発明においてハードコート剤の形
成厚さは4〜10μm、好ましくは4〜8μmである。
【0037】本発明に用いるハードコート剤は必要に応
じて、IPA、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルなどの溶媒を用いて溶解して塗工することもできる。
【0038】本発明のポリカーボネート積層体は例え
ば、CD−ROM、電子マネーのような光カード、LC
D、DVDおよびMO等の光記録媒体に用いられる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を挙げる
が、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0040】[実施例1] (1)試験片の作成 t−ブタノール50部、Nalcoag 1034A
16.6部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン(MAPTMS)1 部の混合物を加熱して5分間
還流させた。
【0041】冷却後、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートとトリメチロールプロパントリアクリレート
の等量部の混合物13.2部を加えた。
【0042】減圧下で溶剤を蒸留した。約半分の溶剤を
蒸留したところで、追加の30部のt−ブタノールを加
えた。次いで溶剤のすべてを蒸留して透明な溶液を得
た。
【0043】次に100部の混合物に1.5部のα,α
−ジエトキシアセトフェノンを加えた。
【0044】このようにして得られたハードコート液
を、ポリカーボネートにディップコートにより5〜10
μmの厚さに塗布し、紫外線照射装置(フュージョン社
製F−450、Hバルブ120W/cm)内で紫外線硬
化し、ハードコート膜の形成された試験片とした。
【0045】(2)試験および評価結果 試験片を次のような方法で試験を行い、その結果を表1
に示した。
【0046】(a)干渉縞の有無 干渉縞の発生の有無を目視により観察した。
【0047】(b)耐摩耗性試験 スチールウール#0000を取り付けた摩耗子に500
gの荷重をかけ、傷の有無を目視により観察した。
【0048】(c)膜の密着性試験 JIS K5400に従い、塗工して得られた硬化塗膜
に1mm間隔で縦横10本の碁盤目状の切り込みを入
れ、セロハンテープ(商品名「セロテープ」ニチバン
(株)製)を強く張り付けた後、テープの一端を持ち、
表面から90°方向に勢いよく剥がし密着性を調べた。
ハードコート層の剥離しないものを○、剥離したものを
×で示した。
【0049】(d)指紋除去性試験 被験者3名の人差し指を試験片表面に圧着させた後、キ
ムワイプワイパーS−2000(十条キンバリー(株)
製)で3回拭き取り、その払拭性を、指紋痕が目視され
ないものを○、指紋痕がほぼ初期の状態のまま目視され
るものを×として評価した。
【0050】[実施例2] (1)試験片の作成 t−ブタノール300部、Nalcoag1034A
120部およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン(MAPTMS)12部の混合物を加熱して5
分間還流させ、室温まで放冷した。
【0051】冷却後、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレートとトリメチロールプロパントリアクリレートと
ジペンタエリスリトールヘプタおよびペンタアクリレー
トおよびジペンタエリスリトールヘプタおよびペンタア
クリレートとの等量部混合物46部を加えた。
【0052】減圧下で溶剤を蒸留した。約半分の溶剤を
蒸留したところで、追加の30部のt−ブタノールを加
えた。次いで溶剤のすべてを蒸留して透明な溶液を得
た。
【0053】得られた液100部に対して、α,αジエ
トキシアセトフェノン1.5部を加えた。
【0054】このようにして得られたハードコート液
を、ポリカーボネートにディップコートにより5〜10
μmの厚さに塗布し、紫外線照射装置(フュージョン社
製F−450、Hバルブ120W/cm)内で紫外線硬
化し、ハードコート膜の形成された試験片とした。
【0055】実施例1に示す(2)に示した試験および
評価を行った。
【0056】[実施例3] (1)試験片の作成 t−ブタノール500部、Nalcoag1034A
200部およびMAPTMS30部の混合物を加熱し
て、攪拌しながら30分間還流させ、室温まで放冷し
た。
【0057】冷却後、トリメチロールプロパントリアク
リレート70部および1,3−ブチレングリコールジア
クリレート30部を加えた。
【0058】回転エバポレータおよび高温湯浴を用いて
減圧下で溶剤を蒸留した。溶剤を全て蒸留して透明な溶
液を得た。
【0059】得られた液100部に対して、α,αジエ
トキシアセトフェノン1.5部を加えた。さらに2−エ
チルヘキシル−3,3−ジフェニル−2−シアノアクリ
レートを加えた。
【0060】このようにして得られたハードコート液
を、ポリカーボネートにディップコートにより5〜10
μmの厚さに塗布し、紫外線照射装置(フュージョン社
製F−450、Hバルブ120W/cm)内で紫外線硬
化し、ハードコート膜の形成された試験片とした。
【0061】実施例1に示す(2)に示した試験および
評価を行った。
【0062】[実施例4] (1)試験片の作成 前述のRack Chungの米国特許出願第217,
719号(1980年12月16日出願)の実施例2に
記載されている通り、Nalcoag1034A 52
0部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン80部の混合物を外気温度で1時間攪拌した。
【0063】次に、500部のセロソルブを加え、減圧
下、60℃で溶剤を除去した。
【0064】粘ちょう性残留物を、ジペンタエリスリト
ールペンタおよびヘキサアクリレート32部およびトリ
メチロールプロパントリアクリレート32部に溶解し
た。
【0065】得られた混合物を、ベンゾフェノン8.5
部、メチルジエタノールアミン9部、N−ビニルピロリ
ドン42部およびBYK−300(Mallinkro
dt社製界面活性剤)2部と混合した。
【0066】このようにして得られたハードコート剤を
Lexanポリカーボネートパネルに塗工し、PPO
QC1202紫外線処理装置に空気中で20フィート/
分の速度で、1回通過させたところ、硬化した透明被膜
が得られた。これをハードコート膜の形成された試験片
とした。
【0067】実施例1に示す(2)に示した試験および
評価を行った。
【0068】[比較例1]攪伴機付き容器内へ、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル重合体のアクリル酸付
加物70部、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペ
ンタアクリレート30部、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン5部、希釈剤としてイソプロピルアル
コール76部を加え室温で均一になるまで撹拌後、日本
シリカ工業(株)製のシリカ粒子、Nipsil E2
20A(コールター平均粒子径による二次粒子径法1〜
2μm)0.53部加えた。
【0069】溶液中のシリカ粒子が均一分散するまでホ
モディスパーで約10分間撹拌することにより透明溶液
を作製した。
【0070】得られたハードコート液を、ポリカーボネ
ートに塗工し、紫外線硬化させてハードコート膜の形成
された試験片とした。
【0071】実施例1の(2)に示した試験および評価
を行った。
【0072】[比較例2]ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル重合体のアクリル酸付加物30部、ジペンタ
エリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート40
部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
部、Nipsil E220A 0.53部を混合し、
比較例1と同様にして透明溶液を作製した。
【0073】得られたハードコート液を、ポリカーボネ
ートに塗工し、紫外線硬化させてハードコート膜の形成
された試験片とした。
【0074】実施例1の(2)に示した試験および評価
を行った。
【0075】[比較例3]ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル重合体のアクリル酸付加物30部、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート30部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン5部を混合し、比較例
1と同様にして透明溶液を作製した。
【0076】得られたハードコート液を、ポリカーボネ
ートに塗工し、紫外線硬化させてハードコート膜の形成
された試験片とした。
【0077】実施例1の(2)に示した試験および評価
を行った。
【0078】
【表1】 表1に示す試験結果から明らかな通り、実施例1〜4に
より作成されたポリカーボネート積層体のハードコート
膜は、干渉縞がなく、耐摩耗性、密着性、指紋除去性を
同時に満足できるものであった。これに対し、比較例1
〜3により作成されたポリカーボネート積層体のハード
コート膜は、耐摩耗性や密着性はほぼ良好であるものの
いずれも干渉縞が発生してしまっていた。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート基材
の表面に、干渉縞が起きず、硬化後の塗膜の基材との密
着性、指紋除去性、耐擦傷性、耐光性、耐熱性、耐引掻
き性に優れたハードコート層を形成することができる。
【0080】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20B AH06B AK25B AK45A AK52B AR00B BA02 CA23B CA30B EH462 EJ082 EJ542 GB90 JJ03 JK06 JK12B JK14 JL06 JN00 4J038 FA121 FA122 FA141 FA142 FA151 FA152 FA211 FA212 GA12 HA446 KA03 KA14 NA01 NA04 NA11 PA17 PB03 PC08 5D029 KA07 KB06 KB11 KC17 LA02 LA05 LB02 LC14 LC21

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート基材と、前記ポリカー
    ボネート基材上に塗工された、表面処理シリカとアクリ
    レートと光重合開始剤とを含むハードコート膜を具備す
    ることを特徴とするポリカーボネート積層体。
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