JP2000288849A - バルブ装着部品の組付状態検出方法および装置 - Google Patents

バルブ装着部品の組付状態検出方法および装置

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JP2000288849A
JP2000288849A JP11095395A JP9539599A JP2000288849A JP 2000288849 A JP2000288849 A JP 2000288849A JP 11095395 A JP11095395 A JP 11095395A JP 9539599 A JP9539599 A JP 9539599A JP 2000288849 A JP2000288849 A JP 2000288849A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バルブ装着部品の組付状態を正確に、しかも自
動的に効率よく短時間で検出することが可能なバルブ装
着部品の組付状態検出方法および装置を提供する。 【解決手段】検出機構47をバルブステム182に向か
って変位させ、バルブコッタ検出子154、168を一
対のバルブコッタ196a、196bに、リテーナ検出
子98をリテーナ188に、ステムエンド検出子68を
バルブステム182に当接させる。変位センサ64によ
ってバルブステム182、リテーナ188間の基準値に
対する距離の誤差を測定し、変位センサ140、164
によってリテーナ188、バルブコッタ196a、19
6b間の基準値に対する距離の誤差を測定する。検出機
構47をバルブステム182から離間する方向に変位さ
せて回動機構76によりバルブコッタ検出子154、1
68を略120°回動させ、再び検出機構47をバルブ
ステム182に向かって変位させる。そして、再びリテ
ーナ188に対するバルブコッタ196a、196bの
距離の誤差を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに対して
バルブを装着するバルブ装着部品の組付状態検出方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンを組み立てる際、シリンダヘッ
ドに組み付けられたバルブステムにコイルスプリングを
介してリテーナを装着し、バルブステムとリテーナとの
間隙に一対のバルブコッタを装着することにより、リテ
ーナを係合させている。従来、このバルブコッタあるい
はリテーナがバルブステムに対して正常に装着されたか
否かの確認作業は、作業者の目視によって行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記の従
来技術では、一つのエンジンに対して複数装着されたバ
ルブコッタやリテーナを、作業者が全て目視で確認して
いるために作業効率が悪く、また、これらが装着されて
いたとしても、その装着位置が正常か否かを判断するこ
とは極めて困難であった。
【0004】本発明は前記の課題を解決すべくなされた
ものであって、バルブ装着部品の組付状態を正確に、し
かも自動的に効率よく短時間で検出することが可能なバ
ルブ装着部品の組付状態検出方法および装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、エンジンに対してバルブを装着するバ
ルブ装着部品の組付状態検出方法であって、前記エンジ
ンに組み付けられたバルブのステムエンドにステムエン
ド検出子を当接させる工程と、前記バルブ装着部品であ
るリテーナに当接させるべく、リテーナ検出子を前記ス
テムエンド検出子に対して変位させる工程と、前記ステ
ムエンドに当接した前記ステムエンド検出子の先端部と
前記リテーナ検出子の先端部との間の距離を測定する工
程と、を有し、前記距離から前記リテーナの組付状態を
検出することを特徴とする。
【0006】本発明によれば、前記ステムエンド検出子
の先端部と前記リテーナ検出子の先端部との間の距離が
所定の範囲にあれば、リテーナが正常に組み付けられて
いると判断することができ、一方、前記距離が所定の範
囲にない場合にはリテーナが正常に組み付けられていな
いと判断することができる。
【0007】この場合、前記リテーナの組付状態の検出
に加えて、該リテーナを固定するバルブコッタに当接さ
せるべく、バルブコッタ検出子を前記ステムエンド検出
子に対して変位させる工程と、前記リテーナに当接した
前記リテーナ検出子の先端部と前記バルブコッタ検出子
の先端部との間の距離を測定する工程と、を有すると、
バルブコッタの組付状態が正常か否かをより一層精密に
検出することができる。
【0008】また、前記バルブコッタは一対設けられ、
前記バルブコッタ検出子を一方の前記バルブコッタに当
接させるべく、前記ステムエンド検出子に対して変位さ
せることで、前記一方のバルブコッタの組付状態を検出
する工程と、前記ステムエンド検出子を中心として前記
バルブコッタ検出子を所定角度偏位させた後、前記バル
ブコッタ検出子を他方の前記バルブコッタに当接させる
べく、前記ステムエンド検出子に対して変位させること
で、前記他方のバルブコッタの組付状態を検出する工程
と、を有すると、一対のバルブコッタの組付状態を確実
に検出することができ、好ましい。
【0009】さらに、前記ステムエンド検出子を中心に
所定角度偏位して設けられた一対の前記バルブコッタ検
出子を前記バルブコッタに当接させるべく、前記ステム
エンド検出子に対して変位させると、一対のバルブコッ
タを一度に検出することができ、測定時間を短縮するこ
とが可能となる。
【0010】さらにまた、一対の前記バルブコッタ検出
子が、互いに略120°偏位して設けられ、前記ステム
エンド検出子を中心に略120°偏位させ、各偏位位置
において前記バルブコッタの組付状態の検出を行うこと
により、一対のバルブコッタに対して複数箇所の検出を
行うことができ、バルブコッタの組付状態を一層確実に
検出することができる。
【0011】また、本発明は、エンジンに対してバルブ
を装着するバルブ装着部品の組付状態検出装置であっ
て、前記エンジンに組み付けられたバルブのステムエン
ドに当接するステムエンド検出子と、前記バルブ装着部
品であるリテーナに当接すべく、前記ステムエンド検出
子に対して変位するリテーナ検出子と、前記バルブのス
テムに対して前記リテーナを固定する2つのバルブコッ
タに当接すべく、前記ステムエンド検出子に対してそれ
ぞれが独立して変位する一対のバルブコッタ検出子と、
前記ステムエンド検出子の先端部と前記リテーナ検出子
の先端部との間の距離および前記リテーナ検出子と前記
各バルブコッタ検出子との間の距離を測定する距離測定
手段と、を備え、前記一対のバルブコッタ検出子は、前
記ステムエンド検出子を中心として相互に所定角度偏位
して配置され、前記ステムエンド検出子を中心として回
転可能に構成されることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、ステムエンドにステムエ
ンド検出子を当接させ、リテーナ検出子をリテーナに当
接させ、バルブコッタ検出子をバルブコッタ検出子に当
接させ、この状態でステムエンド検出子の先端部とリテ
ーナ検出子の先端部との間の距離およびリテーナ検出子
の先端部とバルブコッタ検出子の先端部との距離を測定
することにより、リテーナ、バルブコッタの組付状態を
正確に、且つ効率よく短時間で検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るバルブ装着部品の組
付状態検出方法について、それを実施する装置との関連
において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照し
ながら、以下詳細に説明する。
【0014】図1において、参照符号10は、本実施の
形態に係るバルブ装着部品の組付状態検出装置を示す。
この組付状態検出装置10は、検出部14とワーク載置
部16とを備える。検出部14は基台18を有し、基台
18には支柱20が立設される。支柱20の上端部には
水平方向に延在して長尺な板状部材22が固着される。
板状部材22にはその長手方向に沿ってレール部材24
a、24bが固着され、また、レール部材24a、24
bと平行にボールねじ26が回転自在に軸支される。
【0015】ボールねじ26には板状部材22の端部に
固着されたモータ28の回転軸が連結される。ボールね
じ26にはボールナット30が変位可能に係合する。ボ
ールナット30には変位板32が固着される。変位板3
2にはガイドブロック34a、34bが固着され、ガイ
ドブロック34a、34bはレール部材24a、24b
に摺動自在に係合する。変位板32にはレール部材36
が鉛直方向に延在して固着される。また、変位板32の
上端部には、取付板38を介してシリンダ40が固着さ
れる。シリンダ40のシリンダロッド42には、断面L
字状に形成された変位部材44が固着され、変位部材4
4にはガイドブロック45a、45bが固着される。ガ
イドブロック45a、45bはレール部材36に摺動自
在に係合する。
【0016】変位部材44には、図2に示すように、孔
部46が形成され、孔部46には、検出機構47を構成
する筒状部材48が挿入される。筒状部材48にはフラ
ンジ部50が形成され、フランジ部50がねじ52によ
って変位部材44に締結されることにより、筒状部材4
8が変位部材44に固定される。筒状部材48の内部に
は、円柱部材54が摺動自在に挿通する。円柱部材54
の上部にはフランジ部56が形成され、フランジ部56
が筒状部材48の上端部に当接することにより円柱部材
54が抜け止めされる。円柱部材54の下端部にはフラ
ンジ部58が形成され、フランジ部58にはコイルスプ
リング60の一端部が着座し、コイルスプリング60の
他端部は筒状部材48のフランジ部50に着座する。従
って、円柱部材54はコイルスプリング60により常時
下方に付勢されている。フランジ部58には略L字状に
形成された取付部材62を介して距離測定手段である変
位センサ64が固着される。
【0017】円柱部材54の下端部には軸部材66がね
じ69によって固着され、軸部材66の下端部には下方
に延在して棒状のステムエンド検出子68が固着され
る。軸部材66の外周部にはブシュ67を介して歯車7
0が回転自在かつ上下方向に摺動自在に設けられ、歯車
70の上面部には変位センサ64の検出部72が当接す
る。変位センサ64は検出部72の位置に対応する信号
を出力する。歯車70には回動機構76を構成する歯車
78が噛合する。歯車78は、図1に示すように、変位
部材44に固着されたモータ80の回転軸82に設けら
れる。歯車78は歯車70よりも厚く形成される。従っ
て、歯車70が歯車78に対して上下方向に変位しても
歯車70と歯車78との噛合が解除されることはない。
【0018】歯車70の下部には略筒状のスペーサ86
が固着される。スペーサ86の下部には着座部88が形
成され、着座部88にはコイルスプリング90の一端部
が着座し、コイルスプリング90の他端部は軸部材66
の下端部に着座する。コイルスプリング90の強度はコ
イルスプリング60の強度よりも弱く設定される。着座
部88には、ステムエンド検出子68が摺動自在に挿通
するブシュ92が設けられる。
【0019】スペーサ86の下部には筒状部材96が固
着される。筒状部材96の下部は上部よりも縮径してお
り、その下端部はリテーナ検出子98を形成する。筒状
部材96の側面部には略コ字状に屈曲形成された取付部
材97が固着され、取付部材97には変位センサ140
と変位センサ164がそれぞれ上下方向に延在して設け
られる。筒状部材96の内部にはカラー100、スペー
サ102、カラー104が直列に配設される。カラー1
00の上部には、図3に示すように、突出部106が形
成され、突出部106はスペーサ86に形成されたスリ
ット108に嵌合する(図2参照)。また、カラー10
0の下端部にも突出部110が形成され、この突出部1
10はスペーサ102に形成されたスリット112に嵌
合する。スペーサ102の下部にはスリット114が形
成され、スリット114にはカラー104の上部に形成
された突出部116が嵌合する。カラー100、104
の側部にはそれぞれ上下方向に延在するスリット11
8、120が形成される。スリット118、120は、
筒状部材96の側部に形成されたスリット122、12
4にそれぞれ連通する。
【0020】カラー100、スペーサ102およびカラ
ー104の中央部には、ステムエンド検出子68を囲繞
し、かつ該ステムエンド検出子68に摺動自在な筒状部
材130が挿通される(図4参照)。筒状部材130の
上部は、カラー100の中空部において半径方向外方に
膨出する着座部132として形成される。着座部132
にはコイルスプリング134の一端部が着座し、コイル
スプリング134の他端部はスペーサ86の着座部88
に着座する。従って、筒状部材130はコイルスプリン
グ134により常時下方に付勢されている。着座部13
2にはスリット118、122を介して水平方向に延在
する棒状部材136が固着される。この棒状部材136
には距離測定手段である変位センサ140の検出部14
2が当接する。
【0021】筒状部材130の下端部には第1のバルブ
コッタ検出子154が形成される。また、カラー104
の内部には筒状部材130を囲繞して筒状部材156が
軸線方向に摺動自在に配設される。筒状部材156には
カラー104の中空部において着座部158が半径方向
外方に膨出形成される。着座部158にはコイルスプリ
ング160の一端部が着座し、コイルスプリング160
の他端部はスペーサ102に着座する。従って、筒状部
材156はコイルスプリング160により常時下方に付
勢されている。コイルスプリング160の強度はコイル
スプリング134の強度と略同一に設定され、また、コ
イルスプリング134と160の各強度の和はコイルス
プリング90の強度よりも弱く設定される。着座部15
8にはスリット120、124を介して水平方向に延在
する棒状部材162が固着される。この棒状部材162
には距離測定手段である変位センサ164の検出部16
6が当接する。
【0022】筒状部材156の下端部にはステムエンド
検出子68に摺動自在な第2のバルブコッタ検出子16
8が形成される。バルブコッタ検出子154および16
8は、ステムエンド検出子68の軸線を中心に略120
°{本実施の形態では、115°(図9参照)}互いに
偏位して配置される。
【0023】一方、ワーク載置部16の上部には、図示
しない回動機構により所定角度偏位可能な治具172が
設けられ、治具172には後述するシリンダヘッド18
0が載置される。治具172の高さは、検出機構47が
シリンダ40の駆動作用下に下降した際、ステムエンド
検出部68が後述するバルブステム182の上端部に当
接することにより、コイルスプリング60が若干縮退す
る位置に設定される。
【0024】組付状態検出装置10は、図1に示すよう
に、制御装置176に接続される。制御装置176はモ
ータ28、シリンダ40、モータ80等に駆動信号を出
力する。また、変位センサ64、140、164の出力
は、図2に示すように、制御装置176に入力される。
制御装置176には、ディスプレイ、プリンタ等の出力
手段178が設けられる。
【0025】組付状態検出装置10には、検出機構47
の変位範囲内、例えば、ワーク載置部16の近傍に必要
に応じてマスターワーク200を配置することができ
る。マスターワーク200には、図5に示すように、中
央に棒状のバルブステム部202が形成され、バルブス
テム部202の外周にはフランジ状のリテーナ部206
が形成される。リテーナ部206の上面にはバルブステ
ム部202の周囲に段部208を介してバルブコッタ部
204が形成される。バルブステム部202の上端部と
リテーナ部206との距離の基準値A0 、および、バル
ブコッタ部204の上面とリテーナ部206の上面との
距離の基準値B0 は、検出対象であるバルブステム18
2の上端部とリテーナ188の上面部との距離A、およ
び、バルブコッタ196a、196bの上面部とリテー
ナ188の上面部との距離B1 (B 2 )、C1 (C2
(図7参照)の理想的な値、すなわち、誤差を含まない
値となるように設定される。
【0026】本実施の形態に係る組付状態検出装置10
は、以上のように構成されるものであり、次に、この組
付状態検出装置10によって検出されるリテーナ188
およびバルブコッタ196a、196bが装着されるシ
リンダヘッド180について説明する。
【0027】エンジンを構成するシリンダヘッド180
には、図1に示すように、複数のバルブが略V字状に並
設される。バルブを構成するバルブステム182の上部
には、図6〜図8に示すように、周回する溝部184が
形成される。バルブステム182にはバルブスプリング
186が装着される。バルブステム182の上端部(ス
テムエンド)はバルブ装着部品であるリテーナ188の
孔部190に挿入される。孔部190を構成する壁部は
上方に向かって徐々に拡径するテーパ面192として形
成される。バルブステム182の外周面とテーパ面19
2との間隙には、バルブ装着部品である一対のバルブコ
ッタ196a、196bが嵌合する。バルブコッタ19
6a、196bは略円弧状で断面くさび状に形成され
る。バルブコッタ196a、196bには半径方向内方
に突出する突部198a、198bが形成され、突部1
98a、198bがバルブステム182の溝部184に
嵌合することで該バルブコッタ196a、196bがバ
ルブステム182に装着される。このように、リテーナ
188はバルブスプリング186によって図6〜図8に
おける上方に付勢され、断面くさび状のバルブコッタ1
96a、196bがリテーナ188のテーパ面192と
バルブステム182との間隙に嵌合して固定される。
【0028】ところで、バルブコッタ196a、196
bの突部198a、198bが、図8に示すように、溝
部184に完全に嵌合していないと、一対のバルブコッ
タ196a、196bの中のいずれか一方、または、両
方がリテーナ188の孔部190から脱落する懸念があ
る。また、リテーナ188が正常に装着されていない場
合や、バルブコッタ196a、196bやリテーナ18
8自体がない場合が考えられる。このため、エンジンの
製造ラインにおいて、リテーナ188、バルブコッタ1
96a、196bの組付状態を検出する必要がある。
【0029】そこで、本実施の形態に係るリテーナ18
8、バルブコッタ196a、196bの組付状態検出方
法について、図12および図13に示すフローチャート
に基づいて説明する。
【0030】制御装置176は、測定対象物の測定作業
に先立ち、、検出機構47の変位センサ64、140、
164の基準位置の設定を行う(ステップS1)。この
場合、先ず、モータ28を駆動して検出機構47をマス
ターワーク200の上部に移動させた後、シリンダ40
を駆動して検出機構47をマスターワーク200に向か
って下降させる。このため、バルブコッタ検出子15
4、168と、リテーナ検出子98とが下降し、バルブ
コッタ検出子154、168がバルブコッタ部204に
当接する。検出機構47のさらなる下降作用下にコイル
スプリング134、160が縮退し、バルブコッタ検出
子154、168に対して相対的にリテーナ検出子98
が下降する。そして、リテーナ検出子98がリテーナ部
206に当接するに至る。さらに検出機構47が下降す
ると、コイルスプリング90が縮退し、リテーナ検出子
98に対してステムエンド検出子68が相対的に下降
し、ステムエンド検出子68の下端部はバルブステム部
202の上端部に当接するに至る(図5参照)。
【0031】このとき、制御装置176は、変位センサ
64、140、164から出力される信号の値を0にリ
セットする。
【0032】以上の準備段階を経た後、測定対象物であ
るバルブステム182の装着されたシリンダヘッド18
0が治具172に載置位置決めされる(ステップS
2)。このとき、治具172は一方に傾斜し、略V字状
に並べられたバルブステム182の一方が鉛直方向に延
在した状態に設定される。次に、制御装置176がモー
タ28を駆動すると、ボールねじ26が回転し、ボール
ナット30によってこの回転運動が直線運動に変換され
て変位板32が水平方向に変位する。そして、検出機構
47が複数のバルブステム182の中、一つのバルブス
テム182の上方に変位すると、モータ28を停止させ
て検出機構47を位置決めする(ステップS3)。
【0033】次いで、シリンダ40を駆動すると検出機
構47が下降し(ステップS4)、バルブコッタ検出子
154、168と、リテーナ検出子98とをそれぞれバ
ルブコッタ196a、196b、リテーナ188に当接
させるべく変位する。バルブコッタ196a、196
b、リテーナ188がバルブステム182に装着されて
いれば、先ず、バルブコッタ検出子154、168がバ
ルブコッタ196a、196bに当接する。検出機構4
7がさらに下降すると、コイルスプリング134と16
0の各強度の和がコイルスプリング90の強度よりも弱
く設定されているため、コイルスプリング134、16
0が縮退し、バルブコッタ検出子154、168に対し
て相対的にリテーナ検出子98が下降する。そして、リ
テーナ検出子98がリテーナ188に当接するに至る。
【0034】さらに、検出機構47が下降すると、コイ
ルスプリング90の強度がコイルスプリング60の強度
よりも弱く設定されているため、コイルスプリング90
が縮退し、リテーナ検出子98に対してステムエンド検
出子68が相対的に下降し、ステムエンド検出子68の
下端部がバルブステム182の上端部に当接するに至
る。そして、コイルスプリング60が縮退した位置でシ
リンダ40のシリンダロッド42はストローク端とな
り、検出機構47の下降が停止する。
【0035】なお、バルブコッタ196a、196b、
リテーナ188がバルブステム182に装着されていな
い場合には、バルブコッタ検出子154、168および
リテーナ検出子98はステムエンド検出子68がバルブ
ステム182の上端部に当接するまで下降する。
【0036】以上のようにして、ステムエンド検出子6
8がバルブステム182に当接した後、変位センサ64
からの出力に基づいてバルブステム182の上端部とリ
テーナ188の上面部との距離Aの基準値A0 に対する
誤差を測定する(ステップS5、図7参照)。この場
合、変位センサ64は検出部72の位置に対応する信号
を制御装置176に出力する。この信号の値は基準値A
0 に対する誤差を示す。この誤差が所定範囲内であれ
ば、制御装置176はリテーナ188がバルブステム1
82に正常に装着されていると判断する(ステップS
6)。
【0037】リテーナ188が正常に装着されていると
判断された場合には、次に、変位センサ140によって
リテーナ188の上面部と、第1のバルブコッタ検出子
154が当接するバルブコッタ196aあるいは196
bのいずれか一方の上端部との距離B1 の基準値B0
対する誤差を測定する。さらに、変位センサ164によ
ってリテーナ188の上面部と、第2のバルブコッタ検
出子168が当接するバルブコッタ196aあるいは1
96bのいずれか他方の上面部との距離C1 の基準値B
0 に対する誤差を測定する(ステップS7)。このと
き、図9に実線で示すように、バルブコッタ検出子15
4がバルブコッタ196aに当接し、バルブコッタ検出
子168がバルブコッタ196bに当接しているとする
と、前記距離B1 はリテーナ188の上面部からバルブ
コッタ196aの上端部までの距離であり、前記距離C
1 はリテーナ188の上面部からバルブコッタ196b
の上端部までの距離である。
【0038】そして、これらの距離B1 、C1 の基準値
0 に対する誤差が所定の範囲内であるか否かを判断し
(ステップS8)、所定の範囲内であればシリンダ40
を駆動して検出機構47を上昇させる(ステップS
9)。このとき、ステムエンド検出子68、リテーナ検
出子98およびバルブコッタ検出子154、168はそ
れぞれ、バルブステム182、リテーナ188およびバ
ルブコッタ196a、196bから離間する。
【0039】次に、回動機構76のモータ80を駆動す
ると、歯車70と歯車78との噛合作用下に歯車70が
回転し、検出機構47がバルブステム182の軸線を中
心に回動する(ステップS10)。検出機構47のバル
ブコッタ検出子154、168が略120°回動すると
モータ80を停止する。次いで、再びシリンダ40を駆
動し、検出機構47を下降させると(ステップS1
1)、前述した場合と同様にバルブコッタ検出子15
4、168がバルブコッタ196a、196bに当接
し、リテーナ検出子98がリテーナ188に当接し、ス
テムエンド検出子68の下端部がバルブステム182の
上端部に当接する。そして、再び、変位センサ140、
164によってリテーナ188の上面部とバルブコッタ
196a、196bの上端部との距離B2 、C2 の基準
値B0 に対する誤差を測定する(ステップS12)。こ
のとき、バルブコッタ検出子154、168はバルブス
テム182の軸線を中心に略120°回動しているた
め、図9に二点鎖線で示すように、バルブコッタ検出子
154はバルブコッタ196bに当接し、バルブコッタ
検出子168はバルブコッタ196aに当接する。
【0040】以上のようにして測定される距離B2 、C
2 の基準値B0 に対する誤差が、それぞれ所定の範囲内
であれば、バルブコッタ196a、196bは、正常に
装着されているものと判断することができる(ステップ
S13)。
【0041】一方、図10に示すように、一方のバルブ
コッタ196aが脱落し、バルブコッタ196bのみが
装着されている場合、1回目の測定(ステップS7)の
際にバルブコッタ検出子154、168がともにバルブ
コッタ196bに当接すると、距離B1 、C1 の誤差は
それぞれ所定の範囲内となる。ところが、2回目の測定
(ステップS12)の際にバルブコッタ検出子154、
168を略120゜回動させて測定すると、二点鎖線に
示すように、バルブコッタ検出子168はバルブコッタ
196bに当接することがない。このため、距離C2
誤差は所定の範囲内とはならない。従って、このような
場合には、バルブコッタ196a、196bの中のいず
れか一方が装着されていないものと判断することができ
る。すなわち、ステップS13において、距離B2 、C
2 の誤差が所定の範囲内とならないため、制御装置17
6はシリンダヘッド180に装着されている複数のバル
ブステム182の中、検査中のバルブステム182に異
常があるとして、このバルブステム182を特定する記
号、番号等を記憶する(ステップS14)。
【0042】さらに、図11に示すように、2回目の測
定の際に一方のバルブコッタ検出子168が一対のバル
ブコッタ196a、196bの両方に掛かってしまう場
合がある。このような場合には、バルブコッタ196a
とリテーナ188との距離B 2 の誤差を正確に測定する
ことができなくなる懸念があるが、1回目の測定の際に
バルブコッタ検出子154がバルブコッタ196aに当
接しているため、距離B1 の誤差は正確に測定される。
このように、それぞれのバルブコッタ196a、196
bとリテーナ188との距離の誤差を1回目または2回
目の少なくとも一方で正確に測定することができる。
【0043】以上のように、略120°互いに偏位した
バルブコッタ検出子154、168が、回動機構76に
よって略120°回動してバルブコッタ196a、19
6bとリテーナ188との距離B1 、C1 およびB2
2 の誤差を測定することにより、2つのバルブコッタ
196a、196bに対して略等間隔に設定した3つの
測定箇所において測定を行うことが可能となる。従っ
て、バルブコッタ196a、196bの装着状態を確実
に検出することができる。
【0044】また、図8に示すように一対のバルブコッ
タ196a、196bが両方とも装着されていても、突
部198a、198bが溝部184に嵌合していない
と、1回目の測定(ステップS7)の結果、距離B1
1 の誤差が所定の範囲内とはならない。従って、この
ような場合にも、ステップS8でバルブコッタ196
a、196bが正常に装着されていないものと判断する
ことができ、ステップS8からステップS14に移行
し、制御装置176はこのバルブステム182を特定す
る記号、番号等を記憶する。
【0045】さらに、リテーナ188がバルブステム1
82から脱落している場合等には、ステップS6で距離
Aの誤差が所定の範囲内とならないので、ステップS1
4に移行し、制御装置176はこのバルブステム182
を特定する記号、番号等を記憶する。
【0046】以上のようにして、リテーナ188および
バルブコッタ196a、196bの装着状態を検出した
後、シリンダ40を駆動して検出機構47を上昇させる
(ステップS15)。このため、ステムエンド検出子6
8、リテーナ検出子98およびバルブコッタ検出子15
4、168は、それぞれバルブステム182、リテーナ
188およびバルブコッタ196a、196bから離間
する。そして、シリンダヘッド180に装着されている
全てのバルブステム182について、リテーナ188、
バルブコッタ196a、196bの検出が完了したか否
かを判断し(ステップS16)、完了していない場合、
ステップS3に戻り、検出作業の完了していないバルブ
ステム182上に検出機構47を変位させる。そして、
前述と同様にしてリテーナ188、バルブコッタ196
a、196bの検出を行う。
【0047】ステップS16で全てのバルブステム18
2について検出が完了すると、全てのリテーナ188、
バルブコッタ196a、196bが正常に装着されてい
るか否かを判断し(ステップS17)、全て正常に装着
されているときは、シリンダヘッド180を次の工程に
搬送する(ステップS18)。一方、ステップS17
で、いずれか一つでもリテーナ188、バルブコッタ1
96a、196bが正常に装着されていないときは、制
御装置176はステップS14で記憶された、異常のあ
るバルブステム182を特定する記号、番号等を出力手
段178に表示し(ステップS19)、シリンダヘッド
180を製造ラインから取り除く(ステップS20)。
このシリンダヘッド180はステップS19で表示され
たバルブステム182についてリテーナ188、バルブ
コッタ196a、196bを装着し直し、再び製造ライ
ンに戻される。
【0048】本実施の形態に係るバルブ装着部品の組付
状態検出方法および組付状態検出装置10によれば、検
査のための作業者が不要となるとともに、リテーナ18
8、バルブコッタ196a、196bの検出を自動的に
行うことが可能となり、組付状態を正確に、且つ効率よ
く短時間で検出することができる。また一対のバルブコ
ッタ検出子154、168を略120゜回動させて2回
にわたって測定することにより、一対のバルブコッタ1
96a、196bの組付状態を確実に検出することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るバルブ装着部品の組付状態
検出方法および装置によれば、以下のような効果ならび
に利点が得られる。
【0050】バルブ装着部品であるバルブコッタの検出
を自動的に行うことができるため、検査のための作業者
が不要となり、従って、生産効率を向上させることがで
きる。また、2つのバルブコッタに対して略120゜異
なる3つの検出箇所について、リテーナの端面からバル
ブコッタの端部までの距離を測定するため、複数のバル
ブコッタを確実に、しかも効率よく短時間で検出するこ
とができるとともに、検出精度を向上させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の組
付状態検出装置を示す斜視図である。
【図2】図1の組付状態検出装置を示すII−II線断
面図である。
【図3】図1の組付状態検出装置に使用されるカラーお
よびスペーサを示す一部拡大分解斜視図である。
【図4】図1の組付状態検出装置に使用されるバルブコ
ッタ検出子を示す一部拡大斜視図である。
【図5】図1の組付状態検出装置に使用されるマスター
ワークを示す一部拡大縦断面図である。
【図6】バルブ装着部品の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の組
付状態検出方法において、バルブコッタが正常に装着さ
れた場合を示す一部拡大縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の組
付状態検出方法において、バルブコッタの装着状態に異
常がある場合を示す一部拡大縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の組
付状態検出方法において、一対のバルブコッタ検出子の
それぞれが一対のバルブコッタに当接している状態を示
す一部拡大平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の
組付状態検出方法において、一対のバルブコッタの中の
一方が装着されていない状態を示す一部拡大平面図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の
組付状態検出方法において、一対のバルブコッタ検出子
のそれぞれが一対のバルブコッタに当接している状態を
示す一部拡大平面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の
組付状態検出方法を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態に係るバルブ装着部品の
組付状態検出方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…組付状態検出装置 14…検出部 16…ワーク載置部 47…検出機構 64、140、164…変位センサ 68…ステムエ
ンド検出子 76…回動機構 98…リテーナ
検出子 154、168…バルブコッタ検出子 176…制御装
置 182…バルブステム 188…リテー
ナ 196a、196b…バルブコッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶺岸 誠一 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 片山 千晶 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3C030 CC09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに対してバルブを装着するバルブ
    装着部品の組付状態検出方法であって、 前記エンジンに組み付けられたバルブのステムエンドに
    ステムエンド検出子を当接させる工程と、 前記バルブ装着部品であるリテーナに当接させるべく、
    リテーナ検出子を前記ステムエンド検出子に対して変位
    させる工程と、 前記ステムエンドに当接した前記ステムエンド検出子の
    先端部と前記リテーナ検出子の先端部との間の距離を測
    定する工程と、 を有し、前記距離から前記リテーナの組付状態を検出す
    ることを特徴とするバルブ装着部品の組付状態検出方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 前記リテーナを固定するバルブコッタに当接させるべ
    く、バルブコッタ検出子を前記ステムエンド検出子に対
    して変位させる工程と、 前記リテーナに当接した前記リテーナ検出子の先端部と
    前記バルブコッタ検出子の先端部との間の距離を測定す
    る工程と、 を有し、前記距離から前記バルブコッタの組付状態を検
    出することを特徴とするバルブ装着部品の組付状態検出
    方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の方法において、 前記バルブコッタは一対設けられ、前記バルブコッタ検
    出子を一方の前記バルブコッタに当接させるべく、前記
    ステムエンド検出子に対して変位させることで、前記一
    方のバルブコッタの組付状態を検出する工程と、 前記ステムエンド検出子を中心として前記バルブコッタ
    検出子を所定角度偏位させた後、前記バルブコッタ検出
    子を他方の前記バルブコッタに当接させるべく、前記ス
    テムエンド検出子に対して変位させることで、前記他方
    のバルブコッタの組付状態を検出する工程と、 を有することを特徴とするバルブ装着部品の組付状態検
    出方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の方法において、 前記ステムエンド検出子を中心に所定角度偏位して設け
    られた一対の前記バルブコッタ検出子を前記バルブコッ
    タに当接させるべく、前記ステムエンド検出子に対して
    変位させることを特徴とするバルブ装着部品の組付状態
    検出方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、 一対の前記バルブコッタ検出子は、互いに略120°偏
    位して設けられ、前記ステムエンド検出子を中心に略1
    20°偏位させ、各偏位位置において前記バルブコッタ
    の組付状態の検出を行うことを特徴とするバルブ装着部
    品の組付状態検出方法。
  6. 【請求項6】エンジンに対してバルブを装着するバルブ
    装着部品の組付状態検出装置であって、 前記エンジンに組み付けられたバルブのステムエンドに
    当接するステムエンド検出子と、 前記バルブ装着部品であるリテーナに当接すべく、前記
    ステムエンド検出子に対して変位するリテーナ検出子
    と、 前記バルブのステムに対して前記リテーナを固定する2
    つのバルブコッタに当接すべく、前記ステムエンド検出
    子に対してそれぞれが独立して変位する一対のバルブコ
    ッタ検出子と、 前記ステムエンド検出子の先端部と前記リテーナ検出子
    の先端部との間の距離および前記リテーナ検出子と前記
    各バルブコッタ検出子との間の距離を測定する距離測定
    手段と、 を備え、前記一対のバルブコッタ検出子は、前記ステム
    エンド検出子を中心として相互に所定角度偏位して配置
    され、前記ステムエンド検出子を中心として回転可能に
    構成されることを特徴とするバルブ装着部品の組付状態
    検出装置。
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