JP2000288363A - 血液浄化用中空糸膜の製造方法および血液浄化用中空糸膜 - Google Patents
血液浄化用中空糸膜の製造方法および血液浄化用中空糸膜Info
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- JP2000288363A JP2000288363A JP11094038A JP9403899A JP2000288363A JP 2000288363 A JP2000288363 A JP 2000288363A JP 11094038 A JP11094038 A JP 11094038A JP 9403899 A JP9403899 A JP 9403899A JP 2000288363 A JP2000288363 A JP 2000288363A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 高透水性能と優れた分画特性と寸法安定性を
同時に有する血液浄化用中空糸膜の製造方法の提供。 【解決手段】 セルロースからなる重合体成分、第三級
アミンオキシドの均一紡糸溶液を用いて紡糸する際、孔
形成剤水溶液を含浸させ、60から150℃で3秒から
15分の乾燥条件で乾燥して、含水率を3から30wt
%、グリセリン含有率を15から50wt%にする乾燥
工程を有する血液浄化用中空糸膜の製造方法。また、セ
ルロースからなる重合体成分、第三級アミンオキシド、
およびセルロースを溶解しない極性希釈剤からなる均一
紡糸溶液を、用いて紡糸する際、凝固した中空糸膜の引
き取り速度が、紡糸溶液が紡糸ノズルから吐出される速
度の12倍以上である血液浄化用中空糸膜の製造方法。
同時に有する血液浄化用中空糸膜の製造方法の提供。 【解決手段】 セルロースからなる重合体成分、第三級
アミンオキシドの均一紡糸溶液を用いて紡糸する際、孔
形成剤水溶液を含浸させ、60から150℃で3秒から
15分の乾燥条件で乾燥して、含水率を3から30wt
%、グリセリン含有率を15から50wt%にする乾燥
工程を有する血液浄化用中空糸膜の製造方法。また、セ
ルロースからなる重合体成分、第三級アミンオキシド、
およびセルロースを溶解しない極性希釈剤からなる均一
紡糸溶液を、用いて紡糸する際、凝固した中空糸膜の引
き取り速度が、紡糸溶液が紡糸ノズルから吐出される速
度の12倍以上である血液浄化用中空糸膜の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースの第三
級アミンオキシド溶液から再生された人工腎臓等の血液
浄化用中空糸膜に関する。より詳しくは、高透水性能と
優れた分画特性を同時に有する血液浄化用中空糸膜の製
造方法に関する。また、本発明は、高透水性能と優れた
分画特性と寸法安定性を同時に有する血液浄化用中空糸
膜の製造方法に関する。
級アミンオキシド溶液から再生された人工腎臓等の血液
浄化用中空糸膜に関する。より詳しくは、高透水性能と
優れた分画特性を同時に有する血液浄化用中空糸膜の製
造方法に関する。また、本発明は、高透水性能と優れた
分画特性と寸法安定性を同時に有する血液浄化用中空糸
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、長期慢性腎不全患者の治療に血液
透析器等の人工腎臓が用いられている。さらに、種々の
合併症の発生を低減させるために、尿素等の低分子量物
質、分子量が100〜5,000のいわゆる尿毒性中分
子量物質、低分子量タンパク質であるβ2-ミクログロブ
リン(分子量11,800)を効率的に除去し、かつ有
用な低分子量タンパク質であるアルブミン(分子量6
6,000)は漏出させない様に分画特性を設計された
人工腎臓を用いて、治療が行われている。透析装置にU
FR(限外濾過速度)コントローラーが使用され、普及
されてきており、血液からの除水量のコントロールが容
易となったため、より高透水性能と優れた分画特性を同
時に有する人工腎臓用の膜が必要とされている。
透析器等の人工腎臓が用いられている。さらに、種々の
合併症の発生を低減させるために、尿素等の低分子量物
質、分子量が100〜5,000のいわゆる尿毒性中分
子量物質、低分子量タンパク質であるβ2-ミクログロブ
リン(分子量11,800)を効率的に除去し、かつ有
用な低分子量タンパク質であるアルブミン(分子量6
6,000)は漏出させない様に分画特性を設計された
人工腎臓を用いて、治療が行われている。透析装置にU
FR(限外濾過速度)コントローラーが使用され、普及
されてきており、血液からの除水量のコントロールが容
易となったため、より高透水性能と優れた分画特性を同
時に有する人工腎臓用の膜が必要とされている。
【0003】銅アンモニウム法で再生されたセルロース
膜が、人工透析膜として幅広く使用されているが、現在
の再生セルロース膜は、尿素、クレアチニン等の低分子
物質溶質透過性においては優れているものの、中高分子
量物質の除去性能が十分でなく、又UFRが低いことが
課題とされている。しかしながら、銅アンモニウム液を
使った製膜方法では、アルブミンの漏出を抑えたまま、
中高分子量物質の除去性能とUFRをさらに向上させる
ことは困難である。
膜が、人工透析膜として幅広く使用されているが、現在
の再生セルロース膜は、尿素、クレアチニン等の低分子
物質溶質透過性においては優れているものの、中高分子
量物質の除去性能が十分でなく、又UFRが低いことが
課題とされている。しかしながら、銅アンモニウム液を
使った製膜方法では、アルブミンの漏出を抑えたまま、
中高分子量物質の除去性能とUFRをさらに向上させる
ことは困難である。
【0004】一方、銅アンモニウム法に代わるセルロー
ス再生法として、近年、第三級アミンオキシドを用いた
方法が衣料用繊維の分野で実用化されてきている。第三
級アミンオキシドを用いたセルロース溶液及びその溶液
の製造方法、またそのセルロース溶液から再生されたフ
ィルム、膜、繊維、中空繊維等の再生セルロース成形
品、及びそれら成形品の製造方法が盛んに検討されてい
る。本方法での再生セルロース製透析膜については、再
生セルロース成形品が透析膜に使用できると提案されて
いるもの(特公昭46−1854号)、さらに高い拡散
性能を有する血液透析用の膜の製造方法が提案されてい
るもの(特公平4−60692号)がある。後者の公報
に記載されている透析膜の製造方法により得られる再生
セルロース膜は、ビタミンB12に対する透析透過係数
が銅アンモニウム法再生セルロースより成る透析膜の同
係数よりも明らかに大きく、さらに水の限外ろ過能、い
わゆる透水量が実際にはもはや測定されない場合にもな
お顕著なビタミンB12に対する透析透過係数を有する
ことが特徴である。しかしながら、その実施例に記載さ
れている再生セルロース膜は、透水量が5mL/m2・
h・mmHgであり、前記した通り現在のところ要求さ
れている血液浄化用の膜、いわゆる人工腎臓用の膜とし
ては性能的に不十分である。
ス再生法として、近年、第三級アミンオキシドを用いた
方法が衣料用繊維の分野で実用化されてきている。第三
級アミンオキシドを用いたセルロース溶液及びその溶液
の製造方法、またそのセルロース溶液から再生されたフ
ィルム、膜、繊維、中空繊維等の再生セルロース成形
品、及びそれら成形品の製造方法が盛んに検討されてい
る。本方法での再生セルロース製透析膜については、再
生セルロース成形品が透析膜に使用できると提案されて
いるもの(特公昭46−1854号)、さらに高い拡散
性能を有する血液透析用の膜の製造方法が提案されてい
るもの(特公平4−60692号)がある。後者の公報
に記載されている透析膜の製造方法により得られる再生
セルロース膜は、ビタミンB12に対する透析透過係数
が銅アンモニウム法再生セルロースより成る透析膜の同
係数よりも明らかに大きく、さらに水の限外ろ過能、い
わゆる透水量が実際にはもはや測定されない場合にもな
お顕著なビタミンB12に対する透析透過係数を有する
ことが特徴である。しかしながら、その実施例に記載さ
れている再生セルロース膜は、透水量が5mL/m2・
h・mmHgであり、前記した通り現在のところ要求さ
れている血液浄化用の膜、いわゆる人工腎臓用の膜とし
ては性能的に不十分である。
【0005】第三級アミンオキシドを用いたセルロース
溶液から再生されて得られる再生セルロース膜におい
て、近年高いUFRを示す膜が特開平10−52630
号に開示されている。ここには限外濾過速度が数十から
100ml/m2・h・mmHg以上の膜の実施例が開
示されており、膜性能の観点からは実用に十分耐える膜
性能を示している。
溶液から再生されて得られる再生セルロース膜におい
て、近年高いUFRを示す膜が特開平10−52630
号に開示されている。ここには限外濾過速度が数十から
100ml/m2・h・mmHg以上の膜の実施例が開
示されており、膜性能の観点からは実用に十分耐える膜
性能を示している。
【0006】しかしながら、実用化段階においては、中
空糸膜を所定長に切断し、血液循環や透析液循環を行う
ために、血液回路や透析液回路等との接続口を設け、か
つ膜によって隔てられる2つの領域が連通しないように
するために、ハウジングに収納し、該2つの領域の間に
隔壁を形成しなければならない。この組立工程における
乾燥や運搬、並びに組立て後、流通段階における温度
や、湿度の変化に曝された場合の、透水性、分画特性の
維持や、膜の寸法安定性が大きな問題となる。さらに、
作業上の安全性も重要な課題である。
空糸膜を所定長に切断し、血液循環や透析液循環を行う
ために、血液回路や透析液回路等との接続口を設け、か
つ膜によって隔てられる2つの領域が連通しないように
するために、ハウジングに収納し、該2つの領域の間に
隔壁を形成しなければならない。この組立工程における
乾燥や運搬、並びに組立て後、流通段階における温度
や、湿度の変化に曝された場合の、透水性、分画特性の
維持や、膜の寸法安定性が大きな問題となる。さらに、
作業上の安全性も重要な課題である。
【0007】上記特開平10−52630号には、孔径
維持剤の含浸・乾燥について記載されているが、アルコ
ールを10から45wt%含有する孔径維持剤溶液の実
施例が開示されているのみで、アルコールを用いない場
合の条件については記載がない。アルコール溶液を用い
た場合、乾燥温度が低く設定できるので、加熱による膜
性能低下を低減できるが、逆に言えばそれ以後の熱処理
により膜性能低下の可能性がある。また、乾燥処理によ
りアルコールが蒸気となり、安全性の確保、環境問題を
考慮した回収系の設定が必要となり、経済的に極めて不
利となる。
維持剤の含浸・乾燥について記載されているが、アルコ
ールを10から45wt%含有する孔径維持剤溶液の実
施例が開示されているのみで、アルコールを用いない場
合の条件については記載がない。アルコール溶液を用い
た場合、乾燥温度が低く設定できるので、加熱による膜
性能低下を低減できるが、逆に言えばそれ以後の熱処理
により膜性能低下の可能性がある。また、乾燥処理によ
りアルコールが蒸気となり、安全性の確保、環境問題を
考慮した回収系の設定が必要となり、経済的に極めて不
利となる。
【0008】また、滅菌操作等の熱処理や、環境湿度に
より寸法(長さ、膜厚)変化の少ないことが求められる。
より寸法(長さ、膜厚)変化の少ないことが求められる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目
的は、第三級アミンオキシドを用いたセルロース系溶液
から再生され、高透水性能と優れた分画特性を同時に有
する人工腎臓等の血液浄化用中空糸膜を提供するにあた
り、膜性能を低下させること無く、安全に孔径維持剤を
膜に添着する製造方法を提供する事にある。
的は、第三級アミンオキシドを用いたセルロース系溶液
から再生され、高透水性能と優れた分画特性を同時に有
する人工腎臓等の血液浄化用中空糸膜を提供するにあた
り、膜性能を低下させること無く、安全に孔径維持剤を
膜に添着する製造方法を提供する事にある。
【0010】また、本発明のもう一つの目的は、第三級
アミンオキシドを用いたセルロース系溶液から再生さ
れ、高透水性能、高分画特性と高い寸法安定性を同時に
有する人工腎臓等の血液浄化用中空糸膜の製造方法を提
供することにある。
アミンオキシドを用いたセルロース系溶液から再生さ
れ、高透水性能、高分画特性と高い寸法安定性を同時に
有する人工腎臓等の血液浄化用中空糸膜の製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
(1)から(8)の本発明により達成される。
(1)から(8)の本発明により達成される。
【0012】(1) セルロースと疎水性ポリマーの組
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分4から25wt%、第三級アミンオキシド5
0から96wt%、およびセルロースを溶解しない極性
希釈剤0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸
ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させる中
空糸膜の製造方法において、凝固した中空糸膜の引き取
り速度が、該紡糸溶液が該紡糸ノズルから吐出される速
度の12倍以上であることを特徴とする血液浄化用中空
糸膜の製造方法。
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分4から25wt%、第三級アミンオキシド5
0から96wt%、およびセルロースを溶解しない極性
希釈剤0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸
ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させる中
空糸膜の製造方法において、凝固した中空糸膜の引き取
り速度が、該紡糸溶液が該紡糸ノズルから吐出される速
度の12倍以上であることを特徴とする血液浄化用中空
糸膜の製造方法。
【0013】(2) 前記第三級アミンオキシドがN−
メチルモルフォリンオキシドであり、セルロースを溶解
しない極性希釈剤が水であることを特徴とする上記
(1)の血液浄化用中空糸膜の製造方法。
メチルモルフォリンオキシドであり、セルロースを溶解
しない極性希釈剤が水であることを特徴とする上記
(1)の血液浄化用中空糸膜の製造方法。
【0014】(3) セルロースと疎水性ポリマーの組
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分と、第三級アミンオキシドを含む紡糸溶液
を、紡糸ノズルから吐出して製造された中空糸膜であっ
て、乾燥時の膜厚に対する含水時の膜厚が1.5倍以下
であることを特徴とする血液浄化用中空糸膜。
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分と、第三級アミンオキシドを含む紡糸溶液
を、紡糸ノズルから吐出して製造された中空糸膜であっ
て、乾燥時の膜厚に対する含水時の膜厚が1.5倍以下
であることを特徴とする血液浄化用中空糸膜。
【0015】(4) 前記疎水性ポリマーが、結晶融解
温度又はガラス転移温度が130℃以上であることを特
徴とする上記(3)の血液浄化用中空糸膜。
温度又はガラス転移温度が130℃以上であることを特
徴とする上記(3)の血液浄化用中空糸膜。
【0016】(5) セルロースと疎水性ポリマーの組
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分が4から25wt%、第三級アミンオキシド
が96から50wt%、セルロースを溶解しない極性希
釈剤が0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸
ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させ、凝
固した中空糸膜を引き取り速度30から200m/分で
引き取り、孔径維持剤水溶液を該中空糸膜に添着し、次
いで乾燥する中空糸膜の製造方法において、該乾燥の温
度が60から150℃、乾燥時間が3秒から15分の乾
燥条件で乾燥して、該中空糸膜の含水率を3から30w
t%、グリセリン含有率を15から50wt%にする乾
燥工程を有することを特徴とする血液浄化用中空糸膜の
製造方法。
成比が100:0から60:40(wt/wt)である
重合体成分が4から25wt%、第三級アミンオキシド
が96から50wt%、セルロースを溶解しない極性希
釈剤が0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸
ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させ、凝
固した中空糸膜を引き取り速度30から200m/分で
引き取り、孔径維持剤水溶液を該中空糸膜に添着し、次
いで乾燥する中空糸膜の製造方法において、該乾燥の温
度が60から150℃、乾燥時間が3秒から15分の乾
燥条件で乾燥して、該中空糸膜の含水率を3から30w
t%、グリセリン含有率を15から50wt%にする乾
燥工程を有することを特徴とする血液浄化用中空糸膜の
製造方法。
【0017】(6) 前記重合体成分が、セルロースお
よび結晶融解温度又はガラス転移温度が130℃以上で
ある疎水性ポリマーからなり、該セルロースと該疎水性
ポリマーの組成比が98:2から60:40(wt/w
t)であることを特徴とする上記(5)の血液浄化用中
空糸膜の製造方法。
よび結晶融解温度又はガラス転移温度が130℃以上で
ある疎水性ポリマーからなり、該セルロースと該疎水性
ポリマーの組成比が98:2から60:40(wt/w
t)であることを特徴とする上記(5)の血液浄化用中
空糸膜の製造方法。
【0018】(7) 前記孔径維持剤水溶液の孔径維持
剤濃度が10wt%以上であることを特徴とする上記
(5)または(6)の血液浄化用中空糸膜の製造方法。
剤濃度が10wt%以上であることを特徴とする上記
(5)または(6)の血液浄化用中空糸膜の製造方法。
【0019】(8) 前記中空糸膜の限外濾過速度が1
0mL/(m2・h・mmHg)以上であることを特徴
とする上記(5)ないし(7)の血液浄化用中空糸膜の
製造方法。
0mL/(m2・h・mmHg)以上であることを特徴
とする上記(5)ないし(7)の血液浄化用中空糸膜の
製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明は、セルロースと疎水性ポリマーの
組成比が100:0から60:40(wt/wt)であ
る重合体成分4から25wt%、第三級アミンオキシド
50から96wt%、およびセルロースを溶解しない極
性希釈剤0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡
糸ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させて中空
糸膜を製造する方法である。
組成比が100:0から60:40(wt/wt)であ
る重合体成分4から25wt%、第三級アミンオキシド
50から96wt%、およびセルロースを溶解しない極
性希釈剤0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡
糸ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させて中空
糸膜を製造する方法である。
【0022】本発明で用いる第三級アミンオキシドとし
ては、一般にセルロース溶液を調製するのに使用されて
いる公知のものが使用可能である。例えば、N−メチル
モルフォリンN−オキシド、N,N−ジメチルエタノー
ルアミンN−オキシド、N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミンN−オキシド、N,N,N−トリエチルアミン
N−オキシド、N,N−ジメチルベンジルアミンN−オ
キシド、N−メチルピペリジンN−オキシド等が挙げら
れる。これらの第3級アミンオキシドは、単独で用いて
も良く、あるいはこれらの群から選ばれる2種以上の第
三級アミンオキシドを適当な割合で混合したものを使用
することもできる。特に好ましい第三級アミンオキシド
としては、入手のしやすさ、使用済み溶剤の回収精製の
しやすさ等からN−メチルモルフォリンN−オキシドが
好ましい。 第三級アミンオキシドを使用するにあた
り,セルロースの溶解性の観点から0−25wt%の水
を含んだものが望ましい。25wt%を超えた場合、セ
ルロースの溶解が困難となる。
ては、一般にセルロース溶液を調製するのに使用されて
いる公知のものが使用可能である。例えば、N−メチル
モルフォリンN−オキシド、N,N−ジメチルエタノー
ルアミンN−オキシド、N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミンN−オキシド、N,N,N−トリエチルアミン
N−オキシド、N,N−ジメチルベンジルアミンN−オ
キシド、N−メチルピペリジンN−オキシド等が挙げら
れる。これらの第3級アミンオキシドは、単独で用いて
も良く、あるいはこれらの群から選ばれる2種以上の第
三級アミンオキシドを適当な割合で混合したものを使用
することもできる。特に好ましい第三級アミンオキシド
としては、入手のしやすさ、使用済み溶剤の回収精製の
しやすさ等からN−メチルモルフォリンN−オキシドが
好ましい。 第三級アミンオキシドを使用するにあた
り,セルロースの溶解性の観点から0−25wt%の水
を含んだものが望ましい。25wt%を超えた場合、セ
ルロースの溶解が困難となる。
【0023】本発明に用いられるセルロースとしては、
一般に人工腎臓用再生セルロース膜の製造に使用されて
いる公知のものが使用可能である。好ましくは、長期に
わたる臨床実績により安全性が確認されている精製コッ
トンリンター(α−セルロースが97%以上)であっ
て、特開平4−11008号において提案されている、
TAPPI標準法T230に従い測定された粘度が5か
ら20cps、粘度平均重合度が500から1,500
のものである。
一般に人工腎臓用再生セルロース膜の製造に使用されて
いる公知のものが使用可能である。好ましくは、長期に
わたる臨床実績により安全性が確認されている精製コッ
トンリンター(α−セルロースが97%以上)であっ
て、特開平4−11008号において提案されている、
TAPPI標準法T230に従い測定された粘度が5か
ら20cps、粘度平均重合度が500から1,500
のものである。
【0024】本発明における疎水性ポリマーとしては、
セルロースおよび第三級アミンオキシドと均一な溶液と
なる水不溶性のポリマーであれば特に限定されるもので
はないが、例えば、アセチルセルロース、エチルセルロ
ース、ベンジルセルロース等のアルキル化セルロース、
又はアシル化セルロース、又は合成高分子、例えばポリ
アミド、ポリイミド、ポリウレタン、セグメント化ポリ
ウレタン、ポリビニルエーテル、ポリメトキシエチルア
クリレート等が挙げられる。中でも、ガラス転移温度
(Tg)が130℃以上であるか結晶融解温度(Tm)
が130℃以上である水に溶解しない疎水性ポリマーを
用いた場合には、高圧蒸気滅菌などの高温処理を行うこ
とが可能となる点で好ましい。具体的には、結晶性ポリ
アミド、非晶性ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタ
ン、セグメント化ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリ
ベンツイミダゾール等が挙げられる。
セルロースおよび第三級アミンオキシドと均一な溶液と
なる水不溶性のポリマーであれば特に限定されるもので
はないが、例えば、アセチルセルロース、エチルセルロ
ース、ベンジルセルロース等のアルキル化セルロース、
又はアシル化セルロース、又は合成高分子、例えばポリ
アミド、ポリイミド、ポリウレタン、セグメント化ポリ
ウレタン、ポリビニルエーテル、ポリメトキシエチルア
クリレート等が挙げられる。中でも、ガラス転移温度
(Tg)が130℃以上であるか結晶融解温度(Tm)
が130℃以上である水に溶解しない疎水性ポリマーを
用いた場合には、高圧蒸気滅菌などの高温処理を行うこ
とが可能となる点で好ましい。具体的には、結晶性ポリ
アミド、非晶性ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタ
ン、セグメント化ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリ
ベンツイミダゾール等が挙げられる。
【0025】これらのポリアミドとしては、ポリアミド
6(Tm=228℃)、ポリアミド66(Tm=265
℃)、ポリアミド610(Tm=220℃)、ポリアミ
ド12(Tm=173℃)、ポリアミドMXD6(Tm
=244℃)、ポリアミド46(Tm=308℃)、ポ
リフェニレンフタルアミド(Tm=497℃)等が挙げ
られる。
6(Tm=228℃)、ポリアミド66(Tm=265
℃)、ポリアミド610(Tm=220℃)、ポリアミ
ド12(Tm=173℃)、ポリアミドMXD6(Tm
=244℃)、ポリアミド46(Tm=308℃)、ポ
リフェニレンフタルアミド(Tm=497℃)等が挙げ
られる。
【0026】ポリイミド(PI)としては、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物と、
3,3’−ジアミノベンゾフェノンとの共重合反応によ
り得られるもの(Tg=260℃)、トリメリット酸無
水物とメチレンジアニリンとの共重合反応により得られ
るもの(Tm>300℃)等が挙げられる。
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物と、
3,3’−ジアミノベンゾフェノンとの共重合反応によ
り得られるもの(Tg=260℃)、トリメリット酸無
水物とメチレンジアニリンとの共重合反応により得られ
るもの(Tm>300℃)等が挙げられる。
【0027】セグメント化ポリウレタンとしては、例え
ば、カプロラクトンを開環して得られるポリカプロラク
トンに短鎖ポリオール、例えばブタンジオールの存在下
で、ポリイソシアネート、例えばMDI(ジフェニルメ
タンジイソシアネート)を付加重合して得られるポリカ
プロラクトン系セグメント化ポリウレタン(ポリウレタ
ン部がブタンジオールとMDIとから合成されるもので
は、Tm=180℃)等、ポリエステル型セグメント化
ポリウレタン、PTMG(ポリテトラメチレングリコー
ル)型セグメント化ポリウレタン、及びポリカーボネー
ト型セグメント化ポリウレタン等が挙げられる。
ば、カプロラクトンを開環して得られるポリカプロラク
トンに短鎖ポリオール、例えばブタンジオールの存在下
で、ポリイソシアネート、例えばMDI(ジフェニルメ
タンジイソシアネート)を付加重合して得られるポリカ
プロラクトン系セグメント化ポリウレタン(ポリウレタ
ン部がブタンジオールとMDIとから合成されるもので
は、Tm=180℃)等、ポリエステル型セグメント化
ポリウレタン、PTMG(ポリテトラメチレングリコー
ル)型セグメント化ポリウレタン、及びポリカーボネー
ト型セグメント化ポリウレタン等が挙げられる。
【0028】フェノキシ樹脂では、ビスフェノールAと
エピクロロヒドリンとから合成される樹脂が挙げられ
る。ポリベンツイミダゾールは、主鎖にベンズイミダゾ
ール環を持つ耐熱性高分子であり、例えば、ポリ−m−
フェニレンベンズイミダゾール、ポリ−p−フェニレン
ベンズイミダゾール、ポリアルキレンベンズイミダゾー
ル等が挙げられる。尚、本発明は、高圧蒸気滅菌を行う
ものに限定されるものではない。
エピクロロヒドリンとから合成される樹脂が挙げられ
る。ポリベンツイミダゾールは、主鎖にベンズイミダゾ
ール環を持つ耐熱性高分子であり、例えば、ポリ−m−
フェニレンベンズイミダゾール、ポリ−p−フェニレン
ベンズイミダゾール、ポリアルキレンベンズイミダゾー
ル等が挙げられる。尚、本発明は、高圧蒸気滅菌を行う
ものに限定されるものではない。
【0029】紡糸溶液中に閉めるセルロースを含めた全
重合体成分の濃度は4から25wt%である事が望まし
い。濃度が4wt%より低いと、人工腎臓用の膜として
実際使用するために必要な機械的強度を有する中空糸膜
が得られない。一方、25wt%より高いと、溶液の粘
度が非常に高くなり、均一な溶液調製及び製膜が困難と
なる。好ましくは、5から20wt%、より好ましく
は、6から10wt%である。
重合体成分の濃度は4から25wt%である事が望まし
い。濃度が4wt%より低いと、人工腎臓用の膜として
実際使用するために必要な機械的強度を有する中空糸膜
が得られない。一方、25wt%より高いと、溶液の粘
度が非常に高くなり、均一な溶液調製及び製膜が困難と
なる。好ましくは、5から20wt%、より好ましく
は、6から10wt%である。
【0030】本発明において該疎水性ポリマーの添加量
としては紡糸溶液中のセルロースを含めた全重合体成分
において0から30wt%である。より好ましくは0か
ら20wt%、さらに好ましくは0から10wt%であ
る。添加量が30wt%を超えた場合、均一な溶液とす
ることが困難となるという問題がある。該疎水性ポリマ
ーの添加により、セルロース膜が血液と接触した際に血
液中の補体を活性化する等の血液と接触する表面の特性
を改善することができ、あるいは、セルロース膜の物理
的特性を改善することができる。
としては紡糸溶液中のセルロースを含めた全重合体成分
において0から30wt%である。より好ましくは0か
ら20wt%、さらに好ましくは0から10wt%であ
る。添加量が30wt%を超えた場合、均一な溶液とす
ることが困難となるという問題がある。該疎水性ポリマ
ーの添加により、セルロース膜が血液と接触した際に血
液中の補体を活性化する等の血液と接触する表面の特性
を改善することができ、あるいは、セルロース膜の物理
的特性を改善することができる。
【0031】前記紡糸溶液に、その溶液粘度を低減する
ために、場合により極性希釈剤を混合することができ
る。本発明で使用できる極性希釈剤としては、沸点が1
00℃以上の極性溶媒である。具体的には、水、ジメチ
ルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、プロ
ピレングルコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル等が挙げられる。また、その好適な配合割合は、配合
する第三級アミンオキシド重量に対し、ジメチルスルホ
キシドでは60wt%以下、 N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミドでは40wt%
以下である。エチレングリコールでは20wt%以下、
プロピレングルコールでは15wt%以下、グリセリン
では25wt%以下、ポリエチレングリコールでは10
wt%以下である。配合割合がそれらより高くなると、
セルロースの溶解性が低くなり均一な紡糸溶液が得られ
ない。
ために、場合により極性希釈剤を混合することができ
る。本発明で使用できる極性希釈剤としては、沸点が1
00℃以上の極性溶媒である。具体的には、水、ジメチ
ルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、プロ
ピレングルコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル等が挙げられる。また、その好適な配合割合は、配合
する第三級アミンオキシド重量に対し、ジメチルスルホ
キシドでは60wt%以下、 N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミドでは40wt%
以下である。エチレングリコールでは20wt%以下、
プロピレングルコールでは15wt%以下、グリセリン
では25wt%以下、ポリエチレングリコールでは10
wt%以下である。配合割合がそれらより高くなると、
セルロースの溶解性が低くなり均一な紡糸溶液が得られ
ない。
【0032】本発明の紡糸溶液の好ましい粘度は、10
0から10000ポイズ(90℃)、より好ましくは、
500から5000ポイズ(90℃)である。上限値を
超えると、粘稠となりすぎ、中空糸内径、外径および膜
厚の制御が困難となる。下限値未満では、人工腎臓とし
ての分画性能を有する膜を得ることが困難である。
0から10000ポイズ(90℃)、より好ましくは、
500から5000ポイズ(90℃)である。上限値を
超えると、粘稠となりすぎ、中空糸内径、外径および膜
厚の制御が困難となる。下限値未満では、人工腎臓とし
ての分画性能を有する膜を得ることが困難である。
【0033】前記紡糸溶液に、必要に応じて、その溶液
の熱安定性を得るために添加剤を混合することができ
る。添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤がある。
好適な酸化防止剤としては、没食子酸n−プロピル、界
面活性剤としてn−ドデシル硫酸ナトリウムである。ま
た、その好適な配合割合は、配合するセルロース重量に
対しそれぞれ1wt%以下である。
の熱安定性を得るために添加剤を混合することができ
る。添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤がある。
好適な酸化防止剤としては、没食子酸n−プロピル、界
面活性剤としてn−ドデシル硫酸ナトリウムである。ま
た、その好適な配合割合は、配合するセルロース重量に
対しそれぞれ1wt%以下である。
【0034】前記第三級アミンオキシド、セルロース、
必要に応じて含有する疎水性ポリマー、希釈剤、添加剤
を混合して紡糸溶液を調製する方法は、従来技術の再生
セルロース繊維、再生セルロース膜の製造に使用されて
いる公知の方法が使用可能である。例えば、加熱ヒータ
ー、減圧脱泡装置を具備したスクリュー式押出機、ニー
ダー等を用いて溶液調製が可能である。また、その好適
な溶解温度は、80から120℃である。溶解温度が8
0℃より低いと、セルロースの溶解に長時間を要し、均
一溶液の調製は困難である。一方で、溶解温度が120
℃より高いと、セルロースの重合度が低下するため好ま
しくない。
必要に応じて含有する疎水性ポリマー、希釈剤、添加剤
を混合して紡糸溶液を調製する方法は、従来技術の再生
セルロース繊維、再生セルロース膜の製造に使用されて
いる公知の方法が使用可能である。例えば、加熱ヒータ
ー、減圧脱泡装置を具備したスクリュー式押出機、ニー
ダー等を用いて溶液調製が可能である。また、その好適
な溶解温度は、80から120℃である。溶解温度が8
0℃より低いと、セルロースの溶解に長時間を要し、均
一溶液の調製は困難である。一方で、溶解温度が120
℃より高いと、セルロースの重合度が低下するため好ま
しくない。
【0035】本発明の中空糸膜は、前記紡糸溶液を凝固
浴中に中空ノズルから吐出して得られる。凝固浴は、水
を主成分としたもので、水、第三級アミンオキシド水溶
液、極性希釈剤を溶解した水溶液等の水性凝固浴が挙げ
られる。好ましくは、水または60wt%以下のN−メ
チルモルフォリンオキシド水溶液、より好ましくは水ま
たは50wt%以下のN−メチルモルフォリンオキシド
水溶液であり、溶剤回収が容易となる。凝固浴の温度
は、60℃以下であり、好ましくは5から60℃、さら
に好ましくは10から40℃の間である。さらに、20
から30℃の間の室温近辺での紡糸が最も経済的で望ま
しい。
浴中に中空ノズルから吐出して得られる。凝固浴は、水
を主成分としたもので、水、第三級アミンオキシド水溶
液、極性希釈剤を溶解した水溶液等の水性凝固浴が挙げ
られる。好ましくは、水または60wt%以下のN−メ
チルモルフォリンオキシド水溶液、より好ましくは水ま
たは50wt%以下のN−メチルモルフォリンオキシド
水溶液であり、溶剤回収が容易となる。凝固浴の温度
は、60℃以下であり、好ましくは5から60℃、さら
に好ましくは10から40℃の間である。さらに、20
から30℃の間の室温近辺での紡糸が最も経済的で望ま
しい。
【0036】本発明は、均一紡糸溶液を、2重管状の紡
糸ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させる中空
糸膜の製造方法において、凝固した中空糸膜の引き取り
速度が、該紡糸ノズルから吐出される速度の12倍以上
である。本発明の紡糸工程において使用される2重管ノ
ズルは、紡糸溶液が吐出される空隙(アウトダイ)が、内
径500μmから1500μm、外径1000μmから
2500μmが好ましい。紡糸ノズルから吐出される速
度とは、この2重管ノズルから吐出される紡糸溶液の線
速度(吐出速度)を意味する。紡糸溶液の線速度は、通常
単位時間あたりの吐出体積を前記アウトダイ断面積で除
した値が用いられる。
糸ノズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させる中空
糸膜の製造方法において、凝固した中空糸膜の引き取り
速度が、該紡糸ノズルから吐出される速度の12倍以上
である。本発明の紡糸工程において使用される2重管ノ
ズルは、紡糸溶液が吐出される空隙(アウトダイ)が、内
径500μmから1500μm、外径1000μmから
2500μmが好ましい。紡糸ノズルから吐出される速
度とは、この2重管ノズルから吐出される紡糸溶液の線
速度(吐出速度)を意味する。紡糸溶液の線速度は、通常
単位時間あたりの吐出体積を前記アウトダイ断面積で除
した値が用いられる。
【0037】これに対し凝固した中空糸膜の引き取り速
度とは、紡糸溶液が凝固浴に浸漬されることによって凝
固した中空糸膜を引き取る速度を意味し、本発明では、
中空糸膜が凝固浴を出た時点での中空糸の移動速度(引
き取り速度)を用いた。
度とは、紡糸溶液が凝固浴に浸漬されることによって凝
固した中空糸膜を引き取る速度を意味し、本発明では、
中空糸膜が凝固浴を出た時点での中空糸の移動速度(引
き取り速度)を用いた。
【0038】本発明は、該吐出速度に対し該引き取り速
度を12倍以上にする事により、得られる中空糸膜の寸
法安定性を向上させるものである。12倍以下では乾燥
時と湿潤時の膜厚方向の寸法変化が大きく、寸法の変化
を考慮した組立工程の設定が必要であり、安定した組立
工程を設定することが難しくなる。好ましくは12倍以
上20倍以下である。
度を12倍以上にする事により、得られる中空糸膜の寸
法安定性を向上させるものである。12倍以下では乾燥
時と湿潤時の膜厚方向の寸法変化が大きく、寸法の変化
を考慮した組立工程の設定が必要であり、安定した組立
工程を設定することが難しくなる。好ましくは12倍以
上20倍以下である。
【0039】この比が12倍以上であれば湿潤時と乾燥
時の中空糸の寸法変化は小さく、安定した組立工程を設
定することが容易である。また、この比が12倍以上で
あれば、紡糸溶液の凝固の過程で、セルロース分子の結
晶配向が十分進む為、寸法安定性が増す。一方、この比
が12倍より低い場合、セルロース分子の結晶配向の緩
和が凝固過程で起きるため、膜構造が固定化されず、寸
法安定性が不十分なものとなるものと考えられる。
時の中空糸の寸法変化は小さく、安定した組立工程を設
定することが容易である。また、この比が12倍以上で
あれば、紡糸溶液の凝固の過程で、セルロース分子の結
晶配向が十分進む為、寸法安定性が増す。一方、この比
が12倍より低い場合、セルロース分子の結晶配向の緩
和が凝固過程で起きるため、膜構造が固定化されず、寸
法安定性が不十分なものとなるものと考えられる。
【0040】また、該吐出速度に対し該引き取り速度を
12倍以上にする事により、寸法安定性が増し、乾燥時
の膜厚に対し含水時の膜厚が1.5倍以下とすることが
でき、環境変化によって、膜性能劣化が少ない。ここ
で、乾燥時の膜厚とは、実質的に水に濡れていない状態
で市場に流通している中空糸膜の常温常湿での膜厚であ
り、通常、孔径維持剤を含有する状態である。また、含
水時の膜厚とは、中空糸膜をRO水に浸漬した時の膜厚
である。
12倍以上にする事により、寸法安定性が増し、乾燥時
の膜厚に対し含水時の膜厚が1.5倍以下とすることが
でき、環境変化によって、膜性能劣化が少ない。ここ
で、乾燥時の膜厚とは、実質的に水に濡れていない状態
で市場に流通している中空糸膜の常温常湿での膜厚であ
り、通常、孔径維持剤を含有する状態である。また、含
水時の膜厚とは、中空糸膜をRO水に浸漬した時の膜厚
である。
【0041】又、紡糸ノズルの吐出口先端と凝固浴液面
との距離については0、即ち完全な湿式紡糸から、適当
なエアギャップを設けるいわゆる乾湿式紡糸のいずれの
方法でもかまわない。好ましくは0mmから300mm
のエアギャップを設ける方法である。これよりエアギャ
ップが大きいと、中空糸膜の安定した内外径の寸法が得
にくくなるという問題がある。尚、引き取り速度は30
m/分から300m/分の間で適宜選択されるが、特に
経済的な面から60m/分〜200m/分の間での紡糸
が好ましい。
との距離については0、即ち完全な湿式紡糸から、適当
なエアギャップを設けるいわゆる乾湿式紡糸のいずれの
方法でもかまわない。好ましくは0mmから300mm
のエアギャップを設ける方法である。これよりエアギャ
ップが大きいと、中空糸膜の安定した内外径の寸法が得
にくくなるという問題がある。尚、引き取り速度は30
m/分から300m/分の間で適宜選択されるが、特に
経済的な面から60m/分〜200m/分の間での紡糸
が好ましい。
【0042】中空形状形成のために2重管ノズルの内側
ノズルから、セルロースを溶解しない流体(芯剤)を吐
出させる必要がある。この内側ノズルから吐出させる流
体(芯剤)としては、紡糸溶液と全く相互溶解性のない
流体、例えば流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピ
ル、フタル酸エステル等の非水溶性オイル状物質や、窒
素、空気等のガス、あるいは、紡糸溶液と相溶性はある
がセルロースを溶解しない液体、例えば水、低濃度第三
級アミンオキシド水溶液(3から60wt%)、ジメチ
ルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、イソプロパノール等の極
性有機溶剤及びこれらの水溶液が挙げられる。特に窒素
や空気などのガスを用いた場合、芯剤を洗浄する必要が
なく、効率的に紡糸することができる。
ノズルから、セルロースを溶解しない流体(芯剤)を吐
出させる必要がある。この内側ノズルから吐出させる流
体(芯剤)としては、紡糸溶液と全く相互溶解性のない
流体、例えば流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピ
ル、フタル酸エステル等の非水溶性オイル状物質や、窒
素、空気等のガス、あるいは、紡糸溶液と相溶性はある
がセルロースを溶解しない液体、例えば水、低濃度第三
級アミンオキシド水溶液(3から60wt%)、ジメチ
ルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、イソプロパノール等の極
性有機溶剤及びこれらの水溶液が挙げられる。特に窒素
や空気などのガスを用いた場合、芯剤を洗浄する必要が
なく、効率的に紡糸することができる。
【0043】次に、凝固浴を通過して得られた中空糸膜
を水で洗浄する。この洗浄工程において、第三級アミン
オキシド、場合により用いられる極性希釈剤、添加剤等
が中空糸膜に残存しないように、洗浄する。洗浄時間を
短縮化するために、室温から60℃の水を使用するのが
好ましい。
を水で洗浄する。この洗浄工程において、第三級アミン
オキシド、場合により用いられる極性希釈剤、添加剤等
が中空糸膜に残存しないように、洗浄する。洗浄時間を
短縮化するために、室温から60℃の水を使用するのが
好ましい。
【0044】次に、このようにして得られた水で膨潤し
た状態の中空糸膜を組立工程に共するために乾燥する。
組立工程では、血液循環や透析液循環を行うために、中
空糸膜を所定長に切断し、血液回路や透析液回路等との
接続口を有するハウジングに収納し、膜によって隔てら
れる2つの領域が連通しないように、該2つの領域の間
に隔壁を形成する。
た状態の中空糸膜を組立工程に共するために乾燥する。
組立工程では、血液循環や透析液循環を行うために、中
空糸膜を所定長に切断し、血液回路や透析液回路等との
接続口を有するハウジングに収納し、膜によって隔てら
れる2つの領域が連通しないように、該2つの領域の間
に隔壁を形成する。
【0045】ここで、上記の乾燥工程に先立ち、膜に形
成された孔が乾燥により収縮、閉塞しないように、孔径
維持剤を添着する工程が必要となる。本発明は、孔径維
持剤を添着する工程において、孔径維持剤を溶解させた
水溶液を中空糸膜に含浸させる。使用する孔径維持剤と
しては、一般に使用されている公知なものが使用可能で
ある。例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
特に好ましくは、長期にわたる臨床実績により安全性が
確認されているグリセリンである。また、その水溶液の
好適なグリセリン濃度は5から40wt%である。
成された孔が乾燥により収縮、閉塞しないように、孔径
維持剤を添着する工程が必要となる。本発明は、孔径維
持剤を添着する工程において、孔径維持剤を溶解させた
水溶液を中空糸膜に含浸させる。使用する孔径維持剤と
しては、一般に使用されている公知なものが使用可能で
ある。例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
特に好ましくは、長期にわたる臨床実績により安全性が
確認されているグリセリンである。また、その水溶液の
好適なグリセリン濃度は5から40wt%である。
【0046】中空糸膜を加熱乾燥する乾燥工程におい
て、乾燥温度は60から120℃が好ましく、さらに乾
燥時間は前記加熱温度において、紙・ダンボール水分計
KG−40型(サンコウ電子研究所社製)を用いて測定
した中空糸膜の湿重基準水分率が3から30%になる様
に任意に設定することが望ましい。
て、乾燥温度は60から120℃が好ましく、さらに乾
燥時間は前記加熱温度において、紙・ダンボール水分計
KG−40型(サンコウ電子研究所社製)を用いて測定
した中空糸膜の湿重基準水分率が3から30%になる様
に任意に設定することが望ましい。
【0047】本発明は、紡糸溶液の吐出速度と凝固した
中空糸膜の引き取り速度を好適に設定することにより、
目的とする高透水性能と高分画特性と優れた寸法安定性
を同時に有する人工腎臓等の血液浄化用セルロース系中
空糸膜を製造できる。
中空糸膜の引き取り速度を好適に設定することにより、
目的とする高透水性能と高分画特性と優れた寸法安定性
を同時に有する人工腎臓等の血液浄化用セルロース系中
空糸膜を製造できる。
【0048】また、もう一つの本発明の血液浄化用中空
糸膜は、セルロースと疎水性ポリマーの組成比が10
0:0から60:40(wt/wt)であるからなる重
合体成分が4から25wt%、第三級アミンオキシドが
96から50wt%、セルロースを溶解しない極性希釈
剤が0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸ノ
ズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させ、凝固した
中空糸膜を引き取り速度30から200m/分で引き取
り、孔径維持剤水溶液を添着し、次いで乾燥する中空糸
膜の製造方法において、該乾燥の温度が60から150
℃、乾燥時間3秒から15分の乾燥条件で乾燥して、該
中空糸膜の含水率を3から30wt%、グリセリン含有
率を15から50wt%にする乾燥工程を有することを
特徴とする血液浄化用中空糸膜の製造方法である。
糸膜は、セルロースと疎水性ポリマーの組成比が10
0:0から60:40(wt/wt)であるからなる重
合体成分が4から25wt%、第三級アミンオキシドが
96から50wt%、セルロースを溶解しない極性希釈
剤が0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸ノ
ズルから吐出し、水系凝固浴に浸漬凝固させ、凝固した
中空糸膜を引き取り速度30から200m/分で引き取
り、孔径維持剤水溶液を添着し、次いで乾燥する中空糸
膜の製造方法において、該乾燥の温度が60から150
℃、乾燥時間3秒から15分の乾燥条件で乾燥して、該
中空糸膜の含水率を3から30wt%、グリセリン含有
率を15から50wt%にする乾燥工程を有することを
特徴とする血液浄化用中空糸膜の製造方法である。
【0049】孔径維持剤を中空糸膜に添着する際、エタ
ノール、イソプロパノール等の低沸点有機溶媒を含まな
い、孔径維持剤と水のみによる溶液を用いるので、乾燥
時に水蒸気以外の発生がなく、安全性の高い製造工程を
容易に構成できる。さらに、疎水性ポリマーとして、結
晶融解温度(Tm)又はガラス転移温度(Tg)が13
0℃以上である疎水性ポリマーである場合には、乾燥工
程の温度を100℃以上に設定することが可能である。
ノール、イソプロパノール等の低沸点有機溶媒を含まな
い、孔径維持剤と水のみによる溶液を用いるので、乾燥
時に水蒸気以外の発生がなく、安全性の高い製造工程を
容易に構成できる。さらに、疎水性ポリマーとして、結
晶融解温度(Tm)又はガラス転移温度(Tg)が13
0℃以上である疎水性ポリマーである場合には、乾燥工
程の温度を100℃以上に設定することが可能である。
【0050】また、孔径維持剤水溶液の孔径維持剤濃度
は、少なくとも10wt%以上である。好ましくは、1
0から40wt%である。孔径維持剤を添着する方法と
しては中空糸膜を孔径維持剤水溶液中に0.1秒から6
0秒の間浸漬・通過させる方法、中空糸膜に孔径維持剤
水溶液を噴霧あるいは散布する方法が挙げられる。好ま
しくは、孔径維持剤水溶液中に浸漬・通過させる方法で
あり、管理が容易である。
は、少なくとも10wt%以上である。好ましくは、1
0から40wt%である。孔径維持剤を添着する方法と
しては中空糸膜を孔径維持剤水溶液中に0.1秒から6
0秒の間浸漬・通過させる方法、中空糸膜に孔径維持剤
水溶液を噴霧あるいは散布する方法が挙げられる。好ま
しくは、孔径維持剤水溶液中に浸漬・通過させる方法で
あり、管理が容易である。
【0051】中空糸膜を加熱乾燥する乾燥工程におい
て、乾燥温度は60から150℃であり、好ましくは8
0から120℃である。乾燥温度が60℃以下では十分
に水分を減少させることが困難で、乾燥にきわめて長時
間を有するようになり生産性が大幅に低下する。又、1
50℃以上では、セルロースの劣化を招く。
て、乾燥温度は60から150℃であり、好ましくは8
0から120℃である。乾燥温度が60℃以下では十分
に水分を減少させることが困難で、乾燥にきわめて長時
間を有するようになり生産性が大幅に低下する。又、1
50℃以上では、セルロースの劣化を招く。
【0052】さらに乾燥時間は前記加熱温度において、
紙・ダンボール水分計KG−40型(サンコウ電子研究
所社製)を用いて測定した中空糸膜の湿重基準水分率が
3から30wt%、好ましくは、5から20wt%にな
る様に、任意に設定することが望ましく、3秒から15
分、好ましくは、30秒から10分である。
紙・ダンボール水分計KG−40型(サンコウ電子研究
所社製)を用いて測定した中空糸膜の湿重基準水分率が
3から30wt%、好ましくは、5から20wt%にな
る様に、任意に設定することが望ましく、3秒から15
分、好ましくは、30秒から10分である。
【0053】さらに乾燥後の本発明の中空糸膜の孔径維
持剤含有率を15から50wt%、より好ましくは20
から40wt%に調節する。従来の銅アンモニア法再生
セルロースでは、孔径維持剤としてグリセリンを用いた
場合、中空糸膜のグリセリン含有率が20wt%を越え
ると、中空糸膜がべとつき、血液浄化装置組立の作業性
が著しく低下し、また、隔壁形成のためにウレタン等で
ポッティングを行う場合、中空糸膜同士がグリセリンに
より接着し、ポッティング用のウレタンが中空糸膜間に
侵入できず、リークしてしまう場合があったが、驚くべ
きことに、本発明の中空糸膜は、グリセリンの含有率を
上記の範囲とすることによっても、中空糸膜がべとつく
ことはなく、本発明の高い限外濾過速度を得ることがで
きた。本発明の中空糸膜の限外濾過速度が10mL/
(m2・h・mmHg)以上である。さらに限外濾過速
度が20mL/(m2・h・mmHg)以上である。
持剤含有率を15から50wt%、より好ましくは20
から40wt%に調節する。従来の銅アンモニア法再生
セルロースでは、孔径維持剤としてグリセリンを用いた
場合、中空糸膜のグリセリン含有率が20wt%を越え
ると、中空糸膜がべとつき、血液浄化装置組立の作業性
が著しく低下し、また、隔壁形成のためにウレタン等で
ポッティングを行う場合、中空糸膜同士がグリセリンに
より接着し、ポッティング用のウレタンが中空糸膜間に
侵入できず、リークしてしまう場合があったが、驚くべ
きことに、本発明の中空糸膜は、グリセリンの含有率を
上記の範囲とすることによっても、中空糸膜がべとつく
ことはなく、本発明の高い限外濾過速度を得ることがで
きた。本発明の中空糸膜の限外濾過速度が10mL/
(m2・h・mmHg)以上である。さらに限外濾過速
度が20mL/(m2・h・mmHg)以上である。
【0054】また、生理食塩水系でのデキストランに対
するふるい係数が、分子量1,000のものでは0.9
以上、かつ分子量10,000のものでは0.3以上
0.95以下、かつ分子量100,000のものでは
0.4以下である血液浄化用中空糸膜を得ることができ
る。
するふるい係数が、分子量1,000のものでは0.9
以上、かつ分子量10,000のものでは0.3以上
0.95以下、かつ分子量100,000のものでは
0.4以下である血液浄化用中空糸膜を得ることができ
る。
【0055】中空糸膜の水分率および孔径維持剤含有率
を上記の所定値とすることにより限外濾過速度や分画分
子量特性等の膜性能を維持でき、又、組立工程におい
て、隔壁を形成するためのウレタンポッティングが容易
に行うことができる。
を上記の所定値とすることにより限外濾過速度や分画分
子量特性等の膜性能を維持でき、又、組立工程におい
て、隔壁を形成するためのウレタンポッティングが容易
に行うことができる。
【0056】前記凝固工程における凝固浴組成とその温
度、前記添着工程における孔径維持剤を溶解させた水溶
液組成、前記乾燥工程における乾燥温度とその時間につ
いて、それぞれに記した好適条件範囲で任意に組み合わ
せることにより、目的とする高透水性能と優れた分画特
性を同時に有する人工腎臓用再生セルロース膜を製造で
きる。特に孔径維持剤を添着する水溶液の孔径維持剤濃
度および引き続く乾燥工程の乾燥温度が重要である。
度、前記添着工程における孔径維持剤を溶解させた水溶
液組成、前記乾燥工程における乾燥温度とその時間につ
いて、それぞれに記した好適条件範囲で任意に組み合わ
せることにより、目的とする高透水性能と優れた分画特
性を同時に有する人工腎臓用再生セルロース膜を製造で
きる。特に孔径維持剤を添着する水溶液の孔径維持剤濃
度および引き続く乾燥工程の乾燥温度が重要である。
【0057】
【実施例】 以下に実施例をあげて、本発明を具体的に
説明する。また、本発明の評価方法については以下の方
法に従った。
説明する。また、本発明の評価方法については以下の方
法に従った。
【0058】(1)本発明において限外濾過速度(Ul
tra Filtration Rate、以下UFR
と称す。)は水の透過速度を表し、単位膜面積当たり、
単位時間に、単位圧力で透過する液体容量である。37
℃のRO水を使用して行った。
tra Filtration Rate、以下UFR
と称す。)は水の透過速度を表し、単位膜面積当たり、
単位時間に、単位圧力で透過する液体容量である。37
℃のRO水を使用して行った。
【0059】(2)ふるい係数 生理食塩水系でのデキストランに対する膜のふるい係数
(Sieving Coefficient、以下SC
と称す)の測定、算出は、文献(腎と透析別冊ハイパフ
ォーマンスメンブラン ’90 p38〜41)の方法
に従った。デキストラン濃度の測定は、GPC Sys
tem21(昭和電工社製)を用い、サンプル量は10
0μl、カラムはOhpak KB−803(昭和電工
社製)を2本連結させたもの、移動層は生理食塩水(テ
ルモ社製)、流速は1ml/min、測定温度は35℃
の条件下で、検出は示差屈折計で行った。なお、分子量
換算はプルランP−82(昭和電工社製)を使用して行
った。
(Sieving Coefficient、以下SC
と称す)の測定、算出は、文献(腎と透析別冊ハイパフ
ォーマンスメンブラン ’90 p38〜41)の方法
に従った。デキストラン濃度の測定は、GPC Sys
tem21(昭和電工社製)を用い、サンプル量は10
0μl、カラムはOhpak KB−803(昭和電工
社製)を2本連結させたもの、移動層は生理食塩水(テ
ルモ社製)、流速は1ml/min、測定温度は35℃
の条件下で、検出は示差屈折計で行った。なお、分子量
換算はプルランP−82(昭和電工社製)を使用して行
った。
【0060】得られたCs(ろ液採取開始時の母液のデ
キストラン濃度)、Ce(ろ液採取終了時の母液のデキ
ストラン濃度)、Cf(採取したろ液のデキストラン濃
度)を用いて、下記式より膜のSCを算出した。 SC=2Cf/(Cs+Ce)
キストラン濃度)、Ce(ろ液採取終了時の母液のデキ
ストラン濃度)、Cf(採取したろ液のデキストラン濃
度)を用いて、下記式より膜のSCを算出した。 SC=2Cf/(Cs+Ce)
【0061】(3)膜中グリセリン含有率の測定 110℃8時間温風乾燥した中空糸膜を、長さ5mm程
度に裁断した中空糸膜を約0.1g精秤した重量をWh
とし、50mLのフラスコに蒸留水20mLと共にいれ、
30分間煮沸抽出する。この抽出液中のグリセリン濃度
をトリグリセライドワコー(和光純薬工業株式会社製)で
比色定量する。抽出液重量の総量とグリセリン濃度から
グリセリン重量Wgを求めた。膜中グリセリン含有率
は、以下の式より算出した。 含有率(wt%)=(Wg/Wh)×100
度に裁断した中空糸膜を約0.1g精秤した重量をWh
とし、50mLのフラスコに蒸留水20mLと共にいれ、
30分間煮沸抽出する。この抽出液中のグリセリン濃度
をトリグリセライドワコー(和光純薬工業株式会社製)で
比色定量する。抽出液重量の総量とグリセリン濃度から
グリセリン重量Wgを求めた。膜中グリセリン含有率
は、以下の式より算出した。 含有率(wt%)=(Wg/Wh)×100
【0062】(実施例1〜5、比較例1〜3)15wt
%の水を含有するN−メチルモルフォリンオキシド(N
MMO)930g(93wt%)、セルロース単体また
はコットンリンター/疎水性ポリマー=95:5(重量
比)の組成の混合物70g(7wt%)を、95℃で攪
拌溶解し、紡糸溶液を得た。なお、セルロースは、コッ
トンリンター(TAPPI標準法T230による粘度=
7.0〜8.0、α−セルロース97.5%以上、太平
製紙社製)を用いた。疎水性ポリマーの種類を、表1に
示した。
%の水を含有するN−メチルモルフォリンオキシド(N
MMO)930g(93wt%)、セルロース単体また
はコットンリンター/疎水性ポリマー=95:5(重量
比)の組成の混合物70g(7wt%)を、95℃で攪
拌溶解し、紡糸溶液を得た。なお、セルロースは、コッ
トンリンター(TAPPI標準法T230による粘度=
7.0〜8.0、α−セルロース97.5%以上、太平
製紙社製)を用いた。疎水性ポリマーの種類を、表1に
示した。
【0063】得られた紡糸溶液を、ギアポンプを用い、
105℃に加熱された中空繊維紡糸用2重管ノズル(ア
ウトダイ内径:1.3mm、インダイ外径:1.0m
m、インダイ内径:0.5mm)に供給し、25℃の水
からなる凝固浴に第1表に記載した引き取り速度/吐出
速度比、引き取り速度で紡糸し、中空糸膜を得た。この
時、ノズルと凝固浴液面との距離は250mmであり、
芯剤には炭化水素系オイルを用いた。こうして得られた
湿潤状態の中空糸膜を、室温の完全脱塩水で十分に洗浄
し、孔径維持剤として8wt%グリセリン水溶液浴に連
続的に通し、80℃で3分間連続乾燥処理を行った。乾
燥処理後の膜の湿重量基準水分率は、10%であった。
105℃に加熱された中空繊維紡糸用2重管ノズル(ア
ウトダイ内径:1.3mm、インダイ外径:1.0m
m、インダイ内径:0.5mm)に供給し、25℃の水
からなる凝固浴に第1表に記載した引き取り速度/吐出
速度比、引き取り速度で紡糸し、中空糸膜を得た。この
時、ノズルと凝固浴液面との距離は250mmであり、
芯剤には炭化水素系オイルを用いた。こうして得られた
湿潤状態の中空糸膜を、室温の完全脱塩水で十分に洗浄
し、孔径維持剤として8wt%グリセリン水溶液浴に連
続的に通し、80℃で3分間連続乾燥処理を行った。乾
燥処理後の膜の湿重量基準水分率は、10%であった。
【0064】この膜(膜面積200cm2)を組立て、
モジュール化し、UFRおよびふるい係数を測ると共
に、上記乾燥処理後の中空糸膜と、該乾燥膜を再度含水
させた時の膜厚を実体顕微鏡により測定した。篩係数は
生理食塩水系での分子量1,000、10,000、1
00,000のデキストランに対するものである。
モジュール化し、UFRおよびふるい係数を測ると共
に、上記乾燥処理後の中空糸膜と、該乾燥膜を再度含水
させた時の膜厚を実体顕微鏡により測定した。篩係数は
生理食塩水系での分子量1,000、10,000、1
00,000のデキストランに対するものである。
【0065】
【表1】
【0066】表1中に用いた記号は、以下の通りであ
る。 疎水性ポリマー:SPU=ポリカプロラクトンセグメント化ポリウレタン (ウレタン部:MDI/BD) BC:ベンジルセルロース MDI:メタンジフェニルジイソシアナート BD:ブタンジオール UFR:mL/(m2・h・mmHg)
る。 疎水性ポリマー:SPU=ポリカプロラクトンセグメント化ポリウレタン (ウレタン部:MDI/BD) BC:ベンジルセルロース MDI:メタンジフェニルジイソシアナート BD:ブタンジオール UFR:mL/(m2・h・mmHg)
【0067】(実施例6〜11、比較例4〜6)15w
t%の水を含有するN−メチルモルフォリンオキシド
(NMMO)930g(93wt%)、セルロース単体
またはコットンリンター/疎水性ポリマー=95:5
(重量比)の組成の混合物70g(7wt%)を、95
℃で攪拌溶解し、紡糸溶液を得た。なお、セルロース
は、コットンリンター(TAPPI標準法T230によ
る粘度=7.0〜8.0、α−セルロース97.5%以
上、太平製紙社製)を用いた。疎水性ポリマーの種類
は、表2に示した。
t%の水を含有するN−メチルモルフォリンオキシド
(NMMO)930g(93wt%)、セルロース単体
またはコットンリンター/疎水性ポリマー=95:5
(重量比)の組成の混合物70g(7wt%)を、95
℃で攪拌溶解し、紡糸溶液を得た。なお、セルロース
は、コットンリンター(TAPPI標準法T230によ
る粘度=7.0〜8.0、α−セルロース97.5%以
上、太平製紙社製)を用いた。疎水性ポリマーの種類
は、表2に示した。
【0068】得られた紡糸溶液を、ギアポンプを用い、
105℃に加熱された中空繊維紡糸用二重管ノズル(ア
ウトダイ内径:1.3mm、インダイ外径:1.0m
m、インダイ内径:0.5mm)に供給し、25℃の水
からなる凝固浴に吐出し、引き取り、紡糸し、中空糸膜
を得た。この時、ノズルと凝固浴液面との距離は250
mmであり、引き取り速度は70m/分であり、芯剤に
は炭化水素系オイルを用いた。
105℃に加熱された中空繊維紡糸用二重管ノズル(ア
ウトダイ内径:1.3mm、インダイ外径:1.0m
m、インダイ内径:0.5mm)に供給し、25℃の水
からなる凝固浴に吐出し、引き取り、紡糸し、中空糸膜
を得た。この時、ノズルと凝固浴液面との距離は250
mmであり、引き取り速度は70m/分であり、芯剤に
は炭化水素系オイルを用いた。
【0069】こうして得られた湿潤状態の中空糸膜を、
室温の完全脱塩水で十分に洗浄し、表2に示した濃度の
孔径維持剤としてのグリセリン水溶液浴に連続的に通
し、表2に示した乾燥処理を行った。乾燥は、中空糸膜
を空気循環型乾燥オーブン中に連続的に通過させた。乾
燥オーブン中の中空糸膜の通過時間は2分であった。乾
燥後の膜中のグリセリン含有率、膜の湿重量基準水分率
は、表2の通りであった。
室温の完全脱塩水で十分に洗浄し、表2に示した濃度の
孔径維持剤としてのグリセリン水溶液浴に連続的に通
し、表2に示した乾燥処理を行った。乾燥は、中空糸膜
を空気循環型乾燥オーブン中に連続的に通過させた。乾
燥オーブン中の中空糸膜の通過時間は2分であった。乾
燥後の膜中のグリセリン含有率、膜の湿重量基準水分率
は、表2の通りであった。
【0070】この膜(膜面積200cm2)を組立て、
モジュール化し、UFRおよびふるい係数を測ると共
に、上記乾燥処理後の中空糸膜と、該乾燥膜を再度含水
させた時の膜厚を実体顕微鏡により測定した。篩係数は
生理食塩水系での分子量1,000、10,000、1
00,000のデキストランに対するものである。
モジュール化し、UFRおよびふるい係数を測ると共
に、上記乾燥処理後の中空糸膜と、該乾燥膜を再度含水
させた時の膜厚を実体顕微鏡により測定した。篩係数は
生理食塩水系での分子量1,000、10,000、1
00,000のデキストランに対するものである。
【0071】
【表2】
【0072】表2中に用いた記号は、以下の通りであ
る。 疎水性ポリマー:SPU=ポリカプロラクトンセグメント化ポリウレタン (ウレタン部:MDI/BD) BC:ベンジルセルロース MDI:メタンジフェニルジイソシアナート BD:ブタンジオール UFR:mL/(m2・h・mmHg)
る。 疎水性ポリマー:SPU=ポリカプロラクトンセグメント化ポリウレタン (ウレタン部:MDI/BD) BC:ベンジルセルロース MDI:メタンジフェニルジイソシアナート BD:ブタンジオール UFR:mL/(m2・h・mmHg)
【0073】本発明の製造方法により得られる中空糸膜
(実施例1から5)は、引き取り速度が吐出速度の12
倍以上であるので、乾燥時と含水時の膜厚の変化が小さ
く、高透水性と優れた分画特性および優れた寸法安定性
を兼ね備えていることが分かる。また、乾燥時の膜厚に
対し含水時の膜厚が1.5倍以内とすることができた。
一方、比較例1から3は、引き取り速度が吐出速度の1
2倍未満であるので、含水時の膜厚の変化が大きい。
(実施例1から5)は、引き取り速度が吐出速度の12
倍以上であるので、乾燥時と含水時の膜厚の変化が小さ
く、高透水性と優れた分画特性および優れた寸法安定性
を兼ね備えていることが分かる。また、乾燥時の膜厚に
対し含水時の膜厚が1.5倍以内とすることができた。
一方、比較例1から3は、引き取り速度が吐出速度の1
2倍未満であるので、含水時の膜厚の変化が大きい。
【0074】また、実施例6から11は、中空糸膜の含
水率を3から30wt%、膜のグリセリン含有率を15
から50wt%とする乾燥工程を有するので、高透水性
と優れた分画特性を有することがわかる。
水率を3から30wt%、膜のグリセリン含有率を15
から50wt%とする乾燥工程を有するので、高透水性
と優れた分画特性を有することがわかる。
【0075】
【発明の効果】本発明の血液浄化用中空糸膜の製造方法
は、高透水性能と優れた分画特性を同時に有する中空糸
膜を提供する。さらに、膜性能を低下させること無く、
安全に孔径維持剤を膜に添着することができる。
は、高透水性能と優れた分画特性を同時に有する中空糸
膜を提供する。さらに、膜性能を低下させること無く、
安全に孔径維持剤を膜に添着することができる。
【0076】また、本発明のもう一つの血液浄化用中空
糸膜の製造方法は、高透水性能、高分画特性と高い寸法
安定性を同時に有し、環境が変化しても性能劣化の少な
い中空糸膜の製造を可能とする。
糸膜の製造方法は、高透水性能、高分画特性と高い寸法
安定性を同時に有し、環境が変化しても性能劣化の少な
い中空糸膜の製造を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA05 BB01 KK12 KK13 KK21 KK30 LL05 LL22 PP02 PP04 PP13 PP14 PP18 PP21 4D006 GA06 GA13 HA01 KE02R KE30R MA31 MB05 MB20 MC11X MC16X MC53 MC54 MC58 MC58X NA26 NA27 NA29 NA54 NA63 NA64 NA68 PB09 PC47 4L035 AA09 BB04 BB06 BB15 BB22 DD03 FF01 HH10
Claims (8)
- 【請求項1】 セルロースと疎水性ポリマーの組成比が
100:0から60:40(wt/wt)である重合体
成分4から25wt%、第三級アミンオキシド50から
96wt%、およびセルロースを溶解しない極性希釈剤
0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸ノズル
から吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させる中空糸膜
の製造方法において、凝固した中空糸膜の引き取り速度
が、該紡糸溶液が該紡糸ノズルから吐出される速度の1
2倍以上であることを特徴とする血液浄化用中空糸膜の
製造方法。 - 【請求項2】 前記第三級アミンオキシドがN−メチル
モルフォリンオキシドであり、セルロースを溶解しない
極性希釈剤が水であることを特徴とする請求項1に記載
の血液浄化用中空糸膜の製造方法。 - 【請求項3】 セルロースと疎水性ポリマーの組成比が
100:0から60:40(wt/wt)である重合体
成分と、第三級アミンオキシドを含む紡糸溶液を、紡糸
ノズルから吐出して製造された中空糸膜であって、乾燥
時の膜厚に対する含水時の膜厚が1.5倍以下であるこ
とを特徴とする血液浄化用中空糸膜。 - 【請求項4】 前記疎水性ポリマーが、結晶融解温度又
はガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とす
る請求項3に記載の血液浄化用中空糸膜。 - 【請求項5】 セルロースと疎水性ポリマーの組成比が
100:0から60:40(wt/wt)である重合体
成分が4から25wt%、第三級アミンオキシドが96
から50wt%、セルロースを溶解しない極性希釈剤が
0から25wt%からなる均一紡糸溶液を、紡糸ノズル
から吐出し、水系凝固浴に浸漬して凝固させ、凝固した
中空糸膜を引き取り速度30から200m/分で引き取
り、孔径維持剤水溶液を該中空糸膜に添着し、次いで乾
燥する中空糸膜の製造方法において、該乾燥の温度が6
0から150℃、乾燥時間が3秒から15分の乾燥条件
で乾燥して、該中空糸膜の含水率を3から30wt%、
グリセリン含有率を15から50wt%にする乾燥工程
を有することを特徴とする血液浄化用中空糸膜の製造方
法。 - 【請求項6】 前記重合体成分が、セルロースおよび結
晶融解温度又はガラス転移温度が130℃以上である疎
水性ポリマーからなり、該セルロースと該疎水性ポリマ
ーの組成比が98:2から60:40(wt/wt)で
あることを特徴とする請求項5に記載の血液浄化用中空
糸膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記孔径維持剤水溶液の孔径維持剤濃度
が10wt%以上であることを特徴とする請求項5また
は6に記載の血液浄化用中空糸膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記中空糸膜の限外濾過速度が10mL
/(m2・h・mmHg)以上であることを特徴とする
請求項5ないし7に記載の血液浄化用中空糸膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11094038A JP2000288363A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 血液浄化用中空糸膜の製造方法および血液浄化用中空糸膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11094038A JP2000288363A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 血液浄化用中空糸膜の製造方法および血液浄化用中空糸膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000288363A true JP2000288363A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14099409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11094038A Pending JP2000288363A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 血液浄化用中空糸膜の製造方法および血液浄化用中空糸膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000288363A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010115655A (ja) * | 2010-02-15 | 2010-05-27 | Toyobo Co Ltd | ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束の乾燥方法 |
JP2013031841A (ja) * | 2012-08-27 | 2013-02-14 | Toyobo Co Ltd | 多孔質中空糸膜の製造方法 |
CN114749032A (zh) * | 2022-04-13 | 2022-07-15 | 河北科技大学 | 一种pmp中空纤维膜及其制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP11094038A patent/JP2000288363A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010115655A (ja) * | 2010-02-15 | 2010-05-27 | Toyobo Co Ltd | ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束の乾燥方法 |
JP2013031841A (ja) * | 2012-08-27 | 2013-02-14 | Toyobo Co Ltd | 多孔質中空糸膜の製造方法 |
CN114749032A (zh) * | 2022-04-13 | 2022-07-15 | 河北科技大学 | 一种pmp中空纤维膜及其制备方法和应用 |
CN114749032B (zh) * | 2022-04-13 | 2023-05-23 | 河北科技大学 | 一种pmp中空纤维膜及其制备方法和应用 |
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