JP2000288028A - 車椅子の介助装置 - Google Patents

車椅子の介助装置

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JP2000288028A
JP2000288028A JP11097865A JP9786599A JP2000288028A JP 2000288028 A JP2000288028 A JP 2000288028A JP 11097865 A JP11097865 A JP 11097865A JP 9786599 A JP9786599 A JP 9786599A JP 2000288028 A JP2000288028 A JP 2000288028A
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arm
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assistance
assisting
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Ryotaro Hatsui
良太郎 初井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的楽な姿勢で車椅子を持つことができ、
かつ、より多くの人が車椅子を持てるように工夫するこ
とで、介助者の負担を大幅に軽減する。 【解決手段】 車椅子の本体フレーム1を構成する上段
フレーム13,14の先端部13a,14aに、介助用
ロープ41の係止具42を係脱可能に係止する係止用受
部21を設け、本体フレーム1を構成する縦フレーム1
1,12に、介助用アーム51の一端部を着脱可能に取
り付ける取付部31を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車椅子に係り、より
詳細には、車椅子を使用者とともに持ち上げる際に用い
られる車椅子の介助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子の使用者が外出する場合、街中の
ちょっとした段差や急な坂道が走行の妨害となるが、一
番の障害は駅の階段や地下街への階段などである。特
に、駅については、車椅子専用のエレベータを設置して
いるところも増えてきてはいるが、全ての駅に設置され
ているわけではないため、エレベータの無い駅で乗り降
りする場合には、どうしても近くにいる数人の人に車椅
子の持ち上げを依頼することになる。
【0003】この場合、車椅子の持ち上げは、車椅子の
前後左右から本体フレームを直接把持するしかなく、ま
た階段を上がるときには、車椅子があまり傾かないよう
に、前側にいる人は姿勢をできるだけ低くして階段を上
り、後ろ側にいる人は、把持した腕を上方に持ち上げる
ようにして、階段を上がる必要がある。また、階段を降
りるときには反対に、前側にいる人は車椅子を少し持ち
上げるようにして階段を降り、後ろ側にいる人は、車椅
子を少し下げるようにして階段を降りる必要がある。
【0004】このように、階段を上がるときの前側にい
る人の中腰の姿勢や、後ろ側にいる人の腕を上方に伸ば
した姿勢は、決して楽なものではなく、介助者にとって
かなりの負担となっていた。また、階段を降りるときの
姿勢も同様に決して楽なものではなく、介助者にとって
かなりの負担となっていた。
【0005】また、介助者が多く集まったとしても、車
椅子の持つところが少ないために、持つ人の人数が限ら
れてしまい、一人当たりの負担がその分増すといった問
題もあった。
【0006】さらに、このような状況で車椅子を持ち上
げる人は、通常、介助の専門家ではないので、車椅子の
どこを持てばよいのか、またどこを持てば全体のバラン
スが取れるのかといったことが分からず、車椅子を安定
した状態で運ぶことが難しいといった問題もあった。
【0007】そこで、このような負担を少しでも軽減す
べく工夫された車椅子が種々提案されている。
【0008】例えば、実公平5−4821号公報に記載
の車椅子の介助用取っ手は、車椅子の本体フレームの前
部、特に脚置き部近傍の左右のフレームに固定部を連結
し、この固定部に連係させる形で把持部取を回動可能に
取り付けたものである。この把持部は、車椅子を持ち上
げない通常の状態においては、フレームから下方に垂下
した状態で保持されており、車椅子を持ち上げるときに
は、固定部に回動を規制される位置まで、左右両外側に
略90°回動させるようになっている。
【0009】これにより、車椅子を持ち上げるために集
まった善意の介助者は、車椅子のどこを持てばよいかが
一目で分かるので、戸惑うことはなくなるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな介助用取っ手を設けても、例えば階段を上がるとき
には、車椅子があまり傾かないように、前側にいる人は
この介助用取っ手を持ったまま姿勢をできるだけ低くし
て階段を上り、後ろ側にいる人は、把持した腕を上方に
持ち上げるようにして、階段を上がる必要があることに
は変わりなく、介助者にとってかなりの負担となるとい
った問題が残されていた。また、車椅子全体で見たとき
には、持つところが絶対的に不足しているため、多くの
介助者が集まったとしても、集まった全員で車椅子を持
つことができないといった問題があった。
【0011】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、比較的楽な姿勢で車椅子を持て
るとともに、より多くの人が車椅子を持てるように工夫
することにより、介助者の負担を大幅に軽減した車椅子
の介助装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係わる車椅子の介助装置は、車椅子の本体
フレームの前部に、介助用ロープの一端部に設けられた
係止具を係脱可能に係止する係止用受部が設けられ、前
記本体フレームの後部に、介助用アームの一端部を着脱
可能に取り付けるアーム取付部が設けられた点に特徴を
有している。これにより、車椅子を持ち上げて例えば階
段を上がるとき、介助用ロープを持つ前側の介助者は、
介助用ロープの持ちやすいところを持てばよいので、中
腰にならなくても車椅子の前側を持ち上げることがで
き、腰などへの負担が軽減される。また、介助用ロープ
を邪魔にならない程度に長く設けておけば、多くの人が
その介助用ロープを持てるので、1人のひとの負担も軽
減される。また、介助用アームもある程度長く(例えば
30〜40cm程度)しておけば、複数の人が持てるの
で、1人のひとの負担が軽減される。
【0013】また、本発明に係わる車椅子の介助装置
は、上記構成において、前記係止用受部が本体フレーム
前部の下方部分に設けられ、前記アーム取付部が本体フ
レーム後部の上方部分に設けられた点に特徴を有してい
る。また、本発明に係わる車椅子の介助装置は、前記係
止用受部とアーム取付部とを結ぶ直線が、使用者が座っ
ているときの車椅子の重心よりも上方となるように、前
記係止用受部とアーム取付部とが設けられた点に特徴を
有している。このように構成すると、例えば船体の重心
が水面より下にあるために転覆せず安定しているのと同
様に、持ち上げられた車椅子が安定するので、座ってい
る使用者にとっても安心感が得られるものである。
【0014】また、本発明に係わる車椅子の介助装置
は、車椅子の本体フレームの前部に、介助用アームの一
端部を着脱可能に取り付けるアーム取付部が設けられ、
本体フレームの後部に、介助用アームの一端部を着脱可
能に取り付けるアーム取付部が設けられた点に特徴を有
している。すなわち、車椅子の本体フレームの前後に介
助用アームを取り付けることにより、ちょうど神輿や駕
籠を担ぐような状態で車椅子を持てるので、介助者にと
っても持ちやすく、また座っている使用者にとっても安
心感が得られるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の介助装置を搭載した車椅
子の全体斜視図である。車椅子自体の構造は従来から種
々提供されているものでよい。本実施の形態では、本体
フレーム1は、手押しグリップ11a,12aを有し、
背もたれ2を装着するための左右の縦フレーム11,1
2と、各縦フレーム11,12の中程から前方に水平に
延設された後、下方斜め前方に垂下され、かつその先端
部が前方に突出されて脚置き部3a,3bが取り付けら
れた上段フレーム13,14と、各縦フレーム11,1
2の下端部から前方に水平に延設され、その先端部が上
段フレーム13,14の垂下部に取り付けられた下段フ
レーム15,16と、各縦フレーム11,12の中程上
部から前方に延設した後、下方に垂下して、その先端部
にキャスター付きの補助輪4a,4bを取り付けたアー
ム用フレーム17,18とからなっている。
【0017】そして、アーム用フレーム17,18に
は、その上部水平部に肘掛け部5a,5bが設けられ、
上段フレーム13,14の水平部の間にシート部材6が
設けられ、垂下部の間にフットレス部材7が設けられて
いる。また、各縦フレーム11,12には、左右一対の
走行輪8a,8bが取り付けられている。なお、上記の
ようなフレーム構造自体は一例であって、この構造に限
定されるものではない。
【0018】本実施の形態では、このようなフレーム構
造において、アーム用フレーム17,18の垂下部17
b,18bに、介助用ロープ41の一端部に設けられた
係止具42を係脱可能に係止する係止用受部21が取り
付けられ、各縦フレーム11,12の中程よりやや上部
の位置に、介助用アーム51の一端部を着脱可能に取り
付ける取付部31が設けられたものである。この取付部
31は、溶接によって各縦フレーム11,12に取り付
けられている。ただし、取付部31は、図示は省略して
いるが、各縦フレーム11,12の下部位置にも取り付
けておき、必要に応じて上下どちらかの取付部31を使
用するようにしてもよい。
【0019】係止用受部21は、本実施の形態では、図
2(a)に示すように、ボルト部22の先端部に係止用
のリング部23が形成されたいわゆるアイボルトを用い
ており、このアイボルトのボルト部22を、アーム用フ
レーム17,18の垂下部17b,18bに設けられた
取付部31,31に形成された雌ねじ部32,32(こ
れについては後述する)にねじ込んで取り付ける構造と
なっている。または、同図(b)に示すように、袋状ナ
ット部25の端部に係止用のリング部23が形成された
アイボルトを用いてもよい。ただし、この場合には、ア
イボルトの袋状ナット部25を、取付部31aの先端部
に突出形成された雄ねじ部39にねじ込んで取り付ける
構造となる。なお、取付部31,31aは、図1に示す
ように、アーム用フレーム17,18の垂下部17b,
18bの上部位置と下部位置とにそれぞれ設けておけ
ば、必要に応じて上下どちらかの取付部31を使用する
ことができる。
【0020】一方、この係止用受部21に係止される介
助用ロープ41の係止具42は、図3に示すように、介
助用ロープ41の一端部41aに連結具43が連結さ
れ、この連結具43に回動可能にフック部材(係止具)
44が取り付けられたものである。フック部材44は、
鍵型に形成されたフック本体部44aと、このフック本
体部44aに対して回動可能に取り付けられた爪部44
bとからなり、爪部44bは、フック本体部44aの先
端部に爪部44bの先端部が内側から係止するようにな
っている。また、爪部44bは、図示しない弾性部材
(コイルスプリングや板バネ等)によって常に外側に向
かって付勢されており、爪部44bの先端部がフック本
体部44aの先端部に内側から押しつけられるようにな
っている。なお、介助用ロープ41としては、ワイヤー
がよいが、強度的に十分であれば、紐状のものでもよ
い。また、その長さは、長すぎても、また短すぎても使
いにくいので、1mから2m程度がよい。また、介助用
ロープ41の他端部に把持用の吊り輪45を取り付けて
おけば、より使い易くなる。
【0021】また、係止具42を省略し、図2(a)に
示す係止用受部(アイボルト)21のリング部23に、
介助用ロープ41の先端部を直接通して連結するように
してもよい。このようにすると、介助用ロープ41を取
付部31に直接取り付けることができるので、各縦フレ
ーム11,12に設けられた取付部31にも介助用ロー
プ41を取り付けることが可能となる。
【0022】取付部31は、図4に示すように、縦フレ
ーム11(12)から後方に向かって突出した筒形状を
しており、その内壁面に雌ねじ部32が形成されてい
る。一方、介助用アーム51の一端部には雄ねじ部52
が形成されており、この雄ねじ部52を取付部(アーム
取付部)31の雌ねじ部32にねじ込むことによって、
介助用アーム51を縦フレーム11(12)に取り付け
るようになっている。
【0023】また、この介助用アーム51は、必要がな
いときには取付部31から取り外し、例えば縦フレーム
11(12)部分に沿わせるようにして装着しておけば
よい。すなわち、図5(a)、(b)に示すように、縦
フレーム11(12)の中程に、弾性材によって形成さ
れた横断面略C字状の嵌着部材55を取り付け、そのや
や下方位置に、介助用アーム51の一端部を受け止める
ための受け部56を取り付けたものである。
【0024】これにより、介助用アーム51の一端部
(図5では雄ねじ部52と反対側の端部)をまず受け部
56に載せ、この状態で介助用アーム51の上部側を縦
アーム11(12)側(図5(b)中、矢符x方向)に
押し付けるようにすると、介助用アーム51が嵌着部材
55の両先端部を押し広げ(図中、二点鎖線で示す状
態)、嵌着部材55に嵌まり込むと、押し広げられてい
た両先端部がその弾性復元力によって閉じることによ
り、介助用アーム51が嵌着部材55によって確実に挟
持されるようになっている。
【0025】この介助用アーム51の長さは、使わない
ときの装着スペース等を考慮すれば、30cmから40
cm程度が適当である。
【0026】また、介助用ロープ41も、使わないとき
には図示しない袋等に収納し、例えば取付部31に引っ
かけておくようにすれば、介助用ロープ41と介助用ア
ーム51とを一括して保管することができるので便利で
ある。この場合、介助用ロープ41を収納した袋が不測
に落ちないように、図5(a)に示すように、取付部3
1に鍵型のフック33を設けておけばよい。
【0027】なお、介助用アーム51を取り付ける取付
部31は、縦フレーム11,12に取り付けているが、
例えばアーム用フレーム17,18の後端部17a,1
8a(図1参照)に設けてもよい。
【0028】ただし、車椅子を持ち上げたときの安定度
を考慮すると、アーム用フレーム17,18の垂下部1
7b,18bに設けられた取付部31に取り付ける介助
用ロープ41の取り付け位置と、縦フレーム11,12
に設けられた取付部31に取り付ける介助用アーム51
の取り付け位置とを結ぶ直線が、使用者が座っていると
きの車椅子の重心よりも上方となるように考慮する必要
がある。このように考慮すると、例えば船体の重心が水
面より下にあるために転覆せず安定しているのと同様
に、持ち上げられた車椅子が安定するので、座っている
使用者にとっても安心感が得られるものである。
【0029】このように、本発明の車椅子の介助装置に
よれば、例えば車椅子を持ち上げて階段を上がるような
場合でも、図6に示すように、前側の人は介助用ロープ
41を持つことによって姿勢を低くしなくても車椅子を
持ち上げることができ、また後側の人は介助用アーム5
1を持つことによって、腕をあまり高く上げなくても車
椅子を持ち上げることができるので、介助者の負担を軽
減することができる。また、大勢の人で持てるので、介
助者の負担がさらに軽減されるものである。
【0030】図7は、本発明に係わる車椅子の介助装置
の他の実施の形態を示す斜視図である。
【0031】この車椅子は、図1に示す車椅子におい
て、アーム用フレーム17,18の垂下部17b,18
bの位置に設けた取付部31に、介助用アーム51の一
端部を着脱可能に取り付けるようにしたものである。こ
のように、車椅子の後側の左右2箇所、及び前側の左右
2箇所の計4箇所に取付部31、31・・・を設け、そ
れぞれの取付部31、31・・・に介助用アーム51、
51・・・を取り付けると、図8に示すように、ちょう
ど神輿や駕籠を担ぐようにして車椅子を前後から持ち上
げることができるので、介助者にとっても持ちやすく、
また座っている使用者にとってもより安心感が得られる
ものである。
【0032】また、図9に示すように、取付部31の外
周面上部に係止用受片37を形成し、この係止用受片3
7に係止用穴部34を形成しておけば、図3に示す介助
用ロープ41のフック部材(係止具)44を直接取り付
けることができて便利である。なお、図9では、係止用
受片37が取り付けやすいように、取付部31の外周面
形状を四角柱形状としているが、もちろん図2に示す円
柱形状であってもよい。
【0033】なお、この場合、アーム用フレーム17,
18の垂下部17b,18bにも、図5(a),(b)
に示す嵌着部材55と受け部56とを設けておけば、前
側の取付部31から取り外した介助用アーム51を、こ
の嵌着部材55と受け部56とに嵌め合わせることによ
り、アーム用フレーム17,18の垂下部17b,18
bに沿わせるようにして装着しておくことができる。
【0034】図10は、本発明に係わる車椅子の介助装
置のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【0035】この車椅子は、図7に示す車椅子におい
て、4箇所の取付部31のそれぞれに、車椅子の左右外
側の水平方向から第2の雌ねじ部32aを形成し(図1
1参照)、1個の取付部31に2個の介助用アーム5
1、51を直交するように取り付け可能としたものであ
る。その結果、介助用アーム51は最大8本まで取り付
けることができ、前後左右の方向から介助用アーム51
を持つことができるので、より多くの人に車椅子を持ち
上げてもらうことができるとともに、車椅子をさらに安
定して持ち上げることができるものである。
【0036】なお、図10では、縦フレーム11,12
の中程の位置およびアーム用フレーム17,18の垂下
部17b,18bの上部位置にのみ、本実施の形態の取
付部31を設けているが、縦フレーム11,12の下部
位置およびアーム用フレーム17,18の垂下部17
b,18bの下部位置にも、同様に本実施の形態の取付
部31を設けて、介助用アーム51を最大16本まで取
り付けられるようにしてもよい。
【0037】また、図12に示すように、介助用アーム
51の他端部に、介助用アーム51の一端部に形成した
雄ねじ部52をねじ込むことのできる雌ねじ部53を形
成すれば、必要に応じて介助用アーム51を順次連結で
きるので、介助用アームを所望の長さに延長することが
できる。図10中に二点鎖線にて延長したイメージを示
す。
【0038】また、このように連結できる介助用アーム
51の他の応用例として、例えば図13に示すような利
用の仕方が考えられる。すなわち、左右どちらか又は両
方の縦フレーム11,12(本実施の形態では、縦フレ
ーム11のみ)に取付部31を設ける。この場合、取付
部31は、雌ねじ部32が形成された開口部を上に向け
て縦フレーム11に取り付ける。そして、この取付部3
1に複数本(例えば3本)連結した介助用アーム51,
51,51を取り付けると、ある程度の高さの支柱がで
きるので、この支柱に、例えば雨の外出時には傘81を
取り付けたり、また病院等で点滴を受ける場合には、そ
の点滴用の容器82をぶら下げたりといった具合に、種
々の利用が可能となる。この場合、図示は省略している
が、傘の柄部分の着脱が可能なように、任意の介助用ア
ーム51に簡単な着脱機構部(例えば、図5に示した嵌
着部材55と受け部56等)を設けておく。また、点滴
用の容器をぶら下げるのであれば、簡単な鍵型のフック
83を設けておけばよい。
【0039】また、介助用アーム51の他の応用例とし
て、例えば図14に示すような利用の仕方も考えられ
る。すなわち、左右両方の縦フレーム11,12に取付
部31をそれぞれ設ける。この場合、取付部31は、雌
ねじ部32が形成された開口部を上に向けて縦フレーム
11,12に取り付ける。そして、各取付部31,31
に複数本(例えば2本)連結した介助用アーム51,5
1をそれぞれ取り付けて支柱とし、この支柱に屋根部材
85を取り付ければ、雨除けや日除けとして用いること
ができる。屋根部材85は、コ字形に形成された骨組8
6に防水性の布片87を張設して形成する。また、骨組
86の両端部86a,86bは下方に屈曲させて、支柱
を形成する最上部の介助用アーム51,51の上端面に
形成された挿入穴54,54に挿入係止するようにすれ
ばよい。
【0040】この他にも、例えば図15に示すように、
左右両方の縦フレーム11,12及びアーム用フレーム
17,18の垂下部17b,18bのそれぞれに、雌ね
じ部32が形成された開口部を上に向けて取付部31を
取り付け、この4箇所の取付部31のそれぞれにアイボ
ルト88a〜88dを取り付け固定(雌ねじ部32にね
じ込み固定)する。そして、例えば縦フレーム11の取
付部31に取り付けられたアイボルト88cとアーム用
フレーム18の取付部31に取り付けられたアイボルト
88bとに跨がって1本のワイヤロープ89aを取り付
け、縦フレーム12の取付部31に取り付けられたアイ
ボルト88dとアーム用フレーム17の取付部31に取
り付けられたアイボルト88aとに跨がって別の1本の
ワイヤロープ89bを取り付け、これらワイヤーロープ
89a,89bの交叉点Pを、例えばクレーンのフック
90や図示しない室内の天井に取り付けられたレールに
係止された滑車のフック90に引っかける等して、車椅
子全体を4点支持にて持ち上げるようにしてもよい。こ
のようにすれば、例えば車椅子の使用者をお風呂等に入
れる場合に便利である。
【0041】なお、上記各実施の形態では、介助用ロー
プ41を係止する係止用受部21を車椅子の前側にのみ
設けているが、車椅子の後側、すなわち縦フレーム1
1,12の下端部分に設けた取付部31(図示省略)に
取り付けて、後側にも介助用ロープ41を取り付けるよ
うにしてもよい。
【0042】また、図16は、取付部31をフレームに
取り付けた状態を示している。取付部31は、溶接によ
ってフレームに取り付けられている。図中、黒く塗りつ
ぶした部分が溶接部分である。また、図16では、取付
部31に3方向から雌ねじ部が形成された例を示してい
る。このように3方向から雌ねじ部を形成した取付部3
1を用いれば、1個の取付部31に、介助用ロープ41
の取り付けと、介助用アーム51の取り付けと、図15
に示すワイヤロープ89a,89bに取り付けられたア
イボルト88a〜88dの取り付けとを同時に行うこと
ができる。なお、図13、図14及び図15には、図1
6に示す形状の取付部31をフレームに取り付けた構造
を示している。
【0043】
【発明の効果】本発明の車椅子の介助装置は、車椅子の
本体フレームの前部に、介助用ロープの一端部に設けら
れた係止具を係脱可能に係止する係止用受部を設け、本
体フレームの後部に、介助用アームの一端部を着脱可能
に取り付ける取付部を設けた構造としたので、車椅子を
持ち上げて階段を上り下りする場合、車椅子の前後を持
つ介助者は、無理な姿勢をしなくても車椅子を持ち上げ
て階段の上り下りができるので、介助者の負担を軽減す
ることができる。また、介助用ロープや介助用アームを
取り付けることによって大勢の人で持てるので、介助者
の負担がさらに軽減されるものである。
【0044】また、本発明の車椅子の介助装置は、車椅
子の本体フレームの前部に、介助用アームの一端部を着
脱可能に取り付ける取付部を設け、本体フレームの後部
に、介助用アームの一端部を着脱可能に取り付ける取付
部を設けた構造としたので、車椅子を持ち上げて階段を
上り下りする場合、車椅子をちょうど神輿や駕籠を担ぐ
ような状態で持てるので、介助者にとっても持ちやす
く、また座っている使用者にとってもより安心感が得ら
れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の介助装置を搭載した車椅子の全体斜視
図である。
【図2】(a)は係止用受部の構造を一部断面で示す要
部拡大図、(b)は係止用受部の他の実施の形態を示す
要部拡大図である。
【図3】介助用ロープを示す斜視図である。
【図4】取付部の構造を一部断面で示す要部拡大図であ
る。
【図5】(a)は介助用アームの装着状態を示す要部拡
大図、(b)は(a)のv−v線断面図である。
【図6】本発明の介助装置を用いて階段を上がるときの
様子を示す説明図である。
【図7】本発明に係わる車椅子の介助装置の他の実施の
形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示す介助装置を用いて階段を上がるとき
の様子を示す説明図である。
【図9】取付部の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係わる車椅子の介助装置のさらに他
の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】取付部の他の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図12】介助用アームの他の実施の形態を示す斜視図
である。
【図13】図11に示す連結可能な介助用アームの他の
応用例を示す斜視図である。
【図14】図11に示す連結可能な介助用アームの他の
応用例を示す斜視図である。
【図15】本発明に係わる車椅子の介助装置のさらに他
の実施の形態を示す斜視図である。
【図16】(a)は取付部をフレームに取り付けた状態
を示す平面より見た断面図、(b)は同正面図である。
【符号の説明】
1 本体フレーム 11,12 縦フレーム 13,14 上段フレーム 15,16 下段フレーム 17,18 アーム用フレーム 21 係止用受部 31 取付部 41 介助用ロープ 42 係止具 51 介助用アーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車椅子の本体フレームの前部に、介助用
    ロープの一端部に設けられた係止具を係脱可能に係止す
    る係止用受部が設けられ、前記本体フレームの後部に、
    介助用アームの一端部を着脱可能に取り付ける取付部が
    設けられたことを特徴とする車椅子の介助装置。
  2. 【請求項2】 車椅子の本体フレームの前部に、介助用
    アームの一端部を着脱可能に取り付ける取付部が設けら
    れ、前記本体フレームの後部に、介助用アームの一端部
    を着脱可能に取り付ける取付部が設けられたことを特徴
    とする車椅子の介助装置。
JP11097865A 1999-04-05 1999-04-05 車椅子の介助装置 Pending JP2000288028A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115239A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Umamoto Ken Shoten:Kk 車椅子運搬具
JP5837714B1 (ja) * 2015-05-13 2015-12-24 原二郎 谷口 車椅子前脚懸架装置
WO2016027581A1 (ja) * 2014-08-20 2016-02-25 原二郎 谷口 車椅子前脚懸架装置

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