JP2000287116A

JP2000287116A - イメージキャプチャシステム

Info

Publication number: JP2000287116A
Application number: JP11090846A
Authority: JP
Inventors: Kazuyasu Ohashi; 和泰大橋
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1999-03-31
Filing date: 1999-03-31
Publication date: 2000-10-13

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単な構成により、フラットべッドスキャナ
として用いる場合には高い解像度を実現することができ
て、しかも電子カメラ単体で用いる場合には小型で且つ
軽量とする。【解決手段】単独で電子カメラとして使用可能な電子
カメラ１を装着することにより、該電子カメラ１をフラ
ットべッドスキャナとして機能させるためのアダプタ２
を有する。アダプタ２は、制御部による制御に基づき、
原稿台に載置した対象原稿と電子カメラ１の撮像視野と
を、電子カメラ１の入射光軸に所定の傾角を持たせて挿
入した平行平板部材２２ａを該入射光軸まわりに回動さ
せる分割撮影機構により、相対的にシフトさせつつ、前
記対象原稿の画像情報を複数回に分割して電子カメラ１
で撮影する。該電子カメラ１により撮影された画像情報
を、メモリに記憶し、画像処理部により合成処理する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子カメラをアダ
プタに装着してフラットベッド型イメージスキャナとし
て使用するイメージキャプチャシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ディジタルカメラ等と称され、被
写体像を、例えばＣＣＤ（電荷結合素子）撮像素子等の
固体撮像素子により撮像し、被写体の静止画像（スティ
ル画像）または動画像（ムービー画像）の画像データを
得て、ＩＣ（集積回路）カードまたはビデオフロッピー
ディスク等にディジタル的に記録するタイプの電子カメ
ラが急速に普及しつつある。ところで、パーソナルコン
ピュータ（ＰＣ）ユーザにとって、ディジタルカメラ、
すなわち電子カメラ、とフラットべッド型イメージスキ
ャナという２種類のイメージキャプチャ（画像入力）用
機器を揃えることは、経済的な負担となる。また、イメ
ージキャブチャという同一の目的のために複数の機器が
必要であるという現状は、資源活用および廃棄物問題等
の環境面を考えても、決して望ましいことではない。

【０００３】そこで、電子カメラにアダプタを付加する
ことによってフラットべッド型イメージスキャナとして
機能させ得るイメージキャプチャシステムを実現するこ
とができれば、その効果は大きいと考えられる。現在、
コンシューマユースの電子カメラに使用されるＣＣＤに
代表されるエリアセンサとしての受光素子は、画素数の
多いもので１３０〜１６０万画素程度である。―方、Ａ
４版（２１０×２９７ｍｍ）の原稿を２００dpiで読み
取ろうとすると、以下の計算より４００万画素程度が必
要となる。

【０００４】（２１０×２９７）／（（２５．４²）／
（２００²））＝３，８６６，９４８このような４００万画素程度のエリアセンサは、実用化
されてはいるものの、非常に高価である。そこで、１０
０万画素程度のエリアセンサを用いて、画像情報を分割
して撮影した後に画像処理によって合成することによ
り、４００万画素のエリアセンサを用いるのと同等の効
果を得る方法が考案されている。一つは、文字通り画像
を４つのエリアに分けて撮影するものである。もう一つ
は、画素ずらしと呼ばれる手法であり、受光素子上に形
成される被写体の像を、画素ピッチの半分だけ移動させ
た状態でも撮影を行い、受光素子の離散的なサンプリン
グを補間しようというものである。画素ピッチの半分だ
け移動させる画素ずらしとは、具体的には、通常状態、
水平方向にのみ半画素ずらし、垂直方向にのみ半画素ず
らし、そして水平方向および垂直方向の両方に半画素ず
らし、の４回撮影する。

【０００５】このように画像情報を分割して取り込んだ
後に画像処理によって合成することにより、画素数の少
ない受光素子を有する電子カメラによって高画質の画像
を得ようとする技術は公知であり、例えば、特開平８−
２６５６２６号公報に示されている。また、特殊用途の
高精細スキャナ、例えば、カールツアイスビジョンＰｒ
ｏｇＲｅｓ３０１２（商品名）においては、ピエゾ素子
等を利用してエリアＣＣＤを２次元的に微少量移動しな
がら画像を取り込むことにより、その離散的なサンプリ
ングを補間する、いわゆる画素ずらしの手法が実用化さ
れている

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような分割撮影や画素ずらしの機構を電子カメラに組
み込もうとすると、電子カメラの大型化や重量の増加を
招いてしまう。電子カメラは、持ち歩くものであるか
ら、小型、軽量でなければならない。また、電子カメラ
の通常の用途としては、１００万画素程度の解像度で充
分な場合が多い。本発明は、上述した事情に鑑みてなさ
れたもので、簡単な構成により、フラットべッドスキャ
ナとして用いる場合には高い解像度を実現することがで
きて、しかも電子カメラ単体で用いる場合には小型で且
つ軽量なイメージキャプチャシステムを提供することを
請求項１の目的としている。

【０００７】本発明の請求項２の目的は、特に、機構が
簡単で且つ低コストで容易に実現し得る構成のイメージ
キャプチャシステムを提供することにある。本発明の請
求項３の目的は、特に、さらに高い解像度を実現するこ
とができ、文字原稿の読取りに好適な構成のイメージキ
ャプチャシステムを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載した本発
明に係るイメージキャプチャシステムは、上述した目的
を達成するために、単独で電子カメラとして使用可能な
電子カメラと、前記電子カメラを装着することにより、
該電子カメラをフラットべッドスキャナとして機能させ
るためのアダプタとを有するイメージキャプチャシステ
ムであって、前記アダプタは、対象原稿を載置する原稿
台手段と、前記電子カメラの光軸が所定の傾角をもって
交わるように挿入される透明体からなる平行平板部材
と、前記対象原稿と前記電子カメラの撮像視野とを相対
的にシフトさせつつ、前記対象原稿の画像情報を、前記
電子カメラによる離散的なサンプリングを補間すべく複
数回に分割して前記電子カメラで撮影するため、前記平
行平板部材を光軸まわりに回動させて、前記電子カメラ
の受光素子上に形成される対象原稿の像を、受光素子の
画素配列に沿った方向に画素ピッチの２分の１（＝１／
２）ずつ移動させることにより、画像情報を、（２×２
＝）４個に分割する分割撮影機構と、前記分割撮影機構
を用いて前記電子カメラにより撮影される複数の画像情
報を記憶するメモリ手段と、前記メモリ手段に記憶され
た複数の画像情報を処理する画像処理手段と、前記分割
撮影機構および前記電子カメラの動作を制御し、前記フ
ラットべッドスキャナとして使用する際にのみ、前記分
割撮影機構により複数回に分割して前記電子カメラを用
いて撮影した画像情報を、前記メモリ手段に一時記憶
し、前記画像処理手段によって合成させる制御手段と、
を具備することを特徴としている。

【０００９】また、請求項２に記載した本発明に係るイ
メージキャプチャシステムは、前記分割撮影機構は、前
記電子カメラの受光素子の画素ピッチをｐ、結像倍率の
絶対値をｍ、前記平行平板部材の厚みをｄ、そして該平
行平板部材の屈折率をｎとするとき、

【数２】なる条件式を満足すべく制御する手段を含むことを特徴
としている。請求項３に記載した本発明に係るイメージ
キャプチャシステムは、前記電子カメラが、受光素子の
前面側に挿入される光学的ローパスフィルタを光路上か
ら待避させる手段を含むことを特徴としている。

【００１０】

【作用】すなわち、本発明の請求項１によるイメージキ
ャプチャシステムは、単独で電子カメラとして使用可能
な電子カメラを装着することにより、該電子カメラをフ
ラットべッドスキャナとして機能させるためのアダプタ
とを有し、前記アダプタは、前記フラットべッドスキャ
ナとして使用する際には、制御手段による制御に基づ
き、前記電子カメラの光軸が所定の傾角をもって交わる
ように挿入される透明体からなる平行平板部材、および
該平行平板部材を光軸まわりに回動させて、前記電子カ
メラの受光素子上に形成される対象原稿の像を、受光素
子の画素配列に沿った方向に画素ピッチの２分の１ずつ
移動させることにより、画像情報を４個に分割する分割
撮影機構により、原稿台手段に載置した対象原稿と前記
電子カメラの撮像視野とを相対的にシフトさせつつ、前
記対象原稿の画像情報を複数回に分割して前記電子カメ
ラで撮影し、該電子カメラにより撮影されてメモリに記
憶される複数の画像情報を画像処理手段で合成処理す
る。

【００１１】このような構成により、簡単な構成で、フ
ラットべッドスキャナとして用いる場合には高い解像度
を実現することができて、しかも電子カメラ単体で用い
る場合には小型で且つ軽量で済む。また、本発明の請求
項２によるイメージキャプチャシステムは、前記分割撮
影機構が、前記電子カメラの受光素子の画素ピッチを
ｐ、結像倍率の絶対値をｍ、前記平行平板部材の厚みを
ｄ、そして該平行平板部材の屈折率をｎとするとき、

【数３】なる条件式を満足すべく制御する手段を含む。

【００１２】このような構成により、特に、簡単な機構
で且つ低コストで容易に実現することができる。また、
本発明の請求項３によるイメージキャプチャシステム
は、前記電子カメラが、受光素子の前面側に挿入される
光学的ローパスフィルタを光路上から待避させる手段を
含む。このような構成により、特に、文字原稿の読取り
などに際し、さらに高い解像度を実現することができ
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づき、図面
を参照して本発明のイメージキャプチャシステムを詳細
に説明する。図１〜図４は、本発明の一つの実施の形態
に係るイメージキャプチャシステムの構成を示してい
る。図１は、イメージキャプチャシステムの全体の機能
的な構成を示すブロック図、図２は、該イメージキャプ
チャシステムの機械的な配置構成を説明するための模式
的な平面図、そして図３は、該イメージキャプチャシス
テムの機械的な配置構成を説明するための模式的な側面
図である。

【００１４】図２および図３は、配置構成を容易に理解
し得るように断面を透視的に示している。また、図４
は、該イメージキャプチャシステムにおける平行平板部
材の機能を説明するための模式図であり、（ａ）は平行
平板部材を側方から見た図、（ｂ）は１８０°回動した
状態の平行平板部材を同位置から見た図、そして（ｃ）
は電子カメラ入射光軸まわりでの平行平板部材の回動を
説明するための図である。図１に示すイメージキャプチ
ャシステムは、電子カメラ１およびアダプタ２を具備し
ている。

【００１５】電子カメラ１は、単独で通常の、いわゆる
ディジタルカメラとして使用することが可能である。ア
ダプタ２は、電子カメラ１を所定部位に装着することに
より、電子カメラ１をフラットベッドスキャナとして使
用できるようにするための補助装置である。アダプタ２
は、図１に示すように、原稿台２１、分割撮影機構２
２、メモリ２３、画像処理部２４および制御部２５を備
えている。原稿台２１は、原稿台手段を構成し、フラッ
トベッドスキャナとして使用する際に少なくとも対象原
稿を載置する。分割撮影機構２２は、対象原稿の画像情
報を複数回に分割して電子カメラ１で撮影するための機
構である。この場合、分割撮影機構２２は、電子カメラ
１の撮像視野を縦横方向について相対的に移動させて、
複数回の撮影を行なわせる。そのため、分割撮影機構２
２は、原稿台２１に載置された対象原稿の反射光束を、
縦横方向に逐次所定の微少量ずつ移動させつつ電子カメ
ラ１に導いて入射させて、電子カメラ１による複数回の
撮影を行なわせる。

【００１６】メモリ２３は、メモリ手段を構成し、分割
撮影機構２２を用いて電子カメラ１により撮影された対
象原稿の画像情報を格納する。画像処理部２４は、画像
処理手段を構成し、前記メモリ２３に格納された複数の
画像情報を相互に補間して合成処理し、高解像度の画像
情報を生成する。制御部２５は、上述したアダプタ２の
分割撮影機構２２、画像処理部２４および制御部２５等
の動作、並びに電子カメラ１の動作を制御する制御手段
を構成する。すなわち、該制御部２５は、フラットべッ
ドスキャナとして使用する際には、分割撮影機構２２お
よび前記電子カメラ１を制御して、分割撮影機構２２に
より複数回に分割し電子カメラ１を用いて撮影した対象
原稿の複数の画像情報を、メモリ２３に一時記憶させ、
さらにこれら画像情報を画像処理部２４によって合成さ
せる。

【００１７】このイメージキャプチャシステムは、具体
的には、図２および図３に示すように構成され、電子カ
メラ１は撮影レンズ１ａ、光学的ローパスフィルタ（Ｌ
ＰＦ）１ｂおよび受光素子１ｃを有する。撮影レンズ１
ａは、対象原稿等の被写体像を受光素子１ｃの受光面上
に結像する。光学的ローパスフィルタ１ｂは、画像情報
の空間周波数の高周波成分により、撮影画像中にモアレ
パターンが発生するのを防止するため、高周波成分を除
去するために設けられる。受光素子１ｃは、ＣＣＤ固体
撮像素子等のようなエリアセンサであり、撮像レンズ１
ａにより結像された光学像を電子的な画像情報として出
力し、例えばアダプタ２のメモり２３に格納する。

【００１８】アダプタ２は、コンタクトガラス２ａ、照
明光源２ｂ、折り返しミラー２ｃおよび平行平板部材２
２ａを有する。コンタクトガラス２ａは、原稿台２１に
設けられて、対象原稿を密着させる透明ガラス板であ
り、原稿台２１の移動に伴って移動する。照明光源２ｂ
は、原稿台２１のコンタクトガラス２ａ上に載置された
対象原稿に照明光を照射する。折り返しミラー２ｃは、
原稿台２１のコンタクトガラス２ａ上に載置された対象
原稿による光束を反射偏向して電子カメラ１の撮影レン
ズ１ａに入射させる。平行平板部材２２ａは、ガラス板
等の透明板からなり、電子カメラ１の入射光軸上に挿入
して、分割撮影機構２２の一部を構成する。

【００１９】イメージキャプチャシステムをこのように
構成することにより、電子カメラ１部分には、画像分割
または画素ずらしのための機構を持たせる必要がなくな
り、電子カメラ１の小型化および軽量化を実現すること
ができ、しかもフラットべッドスキャナとして使用する
際には、高い解像度を実現することができる。このよう
な本発明のイメージキャプチャシステムにおいて、画像
情報の複数分割は、電子カメラ１による離散的なサンプ
リングを補間するように行われることが望ましい。画像
情報を複数のエリアに分けて撮影する方法では、原稿台
２１および電子カメラ１の少なくとも一方を大きく移動
させる必要が生じ、機構の大型化を招いてしまう。その
点、離散的なサンプリングを補間する方法では、画像の
相対移動量が微少量でよいため、原稿台２１および電子
カメラ１のいずれを移動させるとしても移動量が微少で
済み、後述するような平行平板部材２２ａを用いた簡単
な構成の光学的機構を採用することができる。

【００２０】また、画像情報の複数分割は、電子カメラ
１の受光素子１ｃ上に形成される対象原稿の像を、受光
素子１ｃの画素配列に沿った方向に画素ピッチの整数分
の１、すなわちｋを整数（２以上の整数）とすると（１
／ｋ）、ずつ移動させることにより行ない、画像情報は
ｋ×ｋ、すなわちｋ²個に分割することが望ましい。移
動量を画素ピッチの整数分の１とし且つ水平および垂直
方向の移動量を共に同一とすることによって、画像処理
が複雑化するのを防止することができる。本発明では、
特に、画像の取り込み時間および画像情報の処理時間等
を考慮した場合には、画素ピッチの２分の１（＝１／
２）ずつの移動により、画像情報を２×２＝４個に分割
する程度が適当であるという考察に基づいている。

【００２１】図２および図３に示した構成においては、
アダプタ２は、電子カメラ１および原稿台２１を位置固
定とする。アダプタ２においては、分割撮影機構２２の
一部としてガラス板等の透明板からなる平行平板部材２
２ａを電子カメラ１の入射光軸上に所定の傾角（傾斜
角）をもって挿入する。分割撮影機構２２は、平行平板
部材２２ａを、上述の傾角を維持したまま、図２および
図３に矢印で示す方向に、すなわち電子カメラ１の入射
光軸まわりに回動させつつ４回の撮影を行ない、電子カ
メラ１の受光素子１ｃの画素配列に対応させた等角度間
隔つまり９０°ずつの回動角に相当する画像情報を得
る。

【００２２】すなわち、図２および図３の構成では、電
子カメラ１を装着するアダプタ２が、電子カメラ１の入
射光軸上に所定の傾角をもって挿入される透明体からな
る平行平板部材２２ａを有し、該平行平板部材２２ａを
電子カメラ１の前記入射光軸まわりに回動操作すること
により、電子カメラ１の受光素子１ｃ上に形成される対
象原稿の光学像を移動させるようにしている（請求項１
に対応する）。ここで、受光素子１ｃの画素ピッチが５
μｍ、結像倍率が０．０１９６９倍であるとすると、原
稿は１００dpiで読み取られることになり、Ａ４原稿を
読み取るために必要な受光素子１ｃの画素数は、およそ
１００万画素となる。

【００２３】ここで、受光素子の画素数はそのままで、
半画素の画素ずらしを行えば、４回の撮影により２００
dpi相当の解像度が得られることになる。所定の傾角を
もった平行平板部材２２ａを光軸まわりに回転させる
と、受光素子１ｃ上に形成される原稿の像は円を描いて
移動するが、９０°毎に４回、例えば４５°、１３５
°、２２５°および３１５°の４回（図４の（ｃ）参
照）、画像を取り込むことにより、水平および垂直方向
への画素ずらしを実現することができる。この場合、平
行平板部材２２ａの厚みｄを１０ｍｍ、屈折率ｎを１．
５とすると、半画素の画素ずらしを行うための平行平板
部材２２ａの傾角は、

【数４】である。この方法によれば、移動させる部材が１枚の平
行平板部材２２ａと少なく、しかも光軸まわりの単純な
回動操作であるため、機構が簡単で済み、高精度化も容
易である。

【００２４】すなわち、図４の（ａ）に示すように平行
平板部材２２ａを角度θの傾角を持たせて光軸上に挿入
すると、角度θの傾角による光軸のシフト量は、図示の
ように（ｄ・θ）／ｎであらわすことができる。平行平
板部材２２ａを角度θの傾角を維持したまま光軸まわり
に１８０°回動させると、図４の（ｂ）に示すように、
図４（ａ）の場合とは逆方向に（ｄ・θ）／ｎなるシフ
ト量だけ光軸をシフトする。このシフト量は、光軸に対
する平行平板部材２２ａの傾角のみに依存するから、図
４（ｃ）に示すように、平行平板部材２２ａを角度θの
傾角を維持したまま光軸まわりに回動させ、９０°間隔
で、例えば４５°、１３５°、２２５°および３１５°
の４回画像を取り込むことにより、縦横に所定ピッチず
つずれた４つの画像情報を得ることができる。

【００２５】なお、上述においては、受光素子１ｃとし
て正方画素のＣＣＤを想定し、平行平板部材２２ａの９
０°の回動角度毎に画像情報を取り込むものとしたが、
受光素子１ｃが非正方画素を有する場合にはその限りで
はない。さらに、図２および図３に示す構成において、
受光素子１ｃの画素ピッチをｐ、結像倍率の絶対値を
ｍ、平行平板の厚みをｄ、そして屈折率をｎとすると
き、次の条件式を満足することが望ましい（請求項２に
対応する）。

【００２６】

【数５】この条件式の下限未満では、平行平板の傾角が小さくな
りすぎ、像の移動量が傾角の誤差に敏感となるため、画
素ずらし量を精度良くコントロールすることが困難とな
る。また上限を超えると、平行平板の傾角が大きくなり
すぎ、収差が発生して像性能の低下を招くおそれがあ
る。また、本発明のイメージキャプチャシステムにおい
て、電子カメラ１は、光学的ローパスフィルタ１ｂを光
路上から待避させる動作モードを有する構成とすること
が望ましい（請求項３に対応する）。

【００２７】光学的ローパスフィルタ１ｂは、画像の高
周波成分によるモアレパターンの発生を防止するために
挿入されている。ところが、フラットべッドスキャナで
はＯＣＲ（光学的文字読取り）等を目的として文字原稿
を読み取ることも多く、文字原稿の場合にはモアレが発
生する心配がないため、光学的ローパスフィルタ１ｂの
必要がない。このような場合に、光学的ローパスフィル
タ１ｂを光路上から待避させることにより、文字原稿読
み取り時の解像力を高めることができる。

【００２８】このようにすれば、フラットべッドスキャ
ナとして用いる場合には、高い解像度を実現することが
でき、電子カメラ１単独で用いる場合には、小型で且つ
軽量なイメージキャプチャシステムとすることができる
ため、ユーザは、それぞれ単独の機器を購入する必要が
なくなる。加えてイメージキャプチャを構築するための
アダプタ２の機構が簡単であるため、ユーザは、イメー
ジキャプチャシステムを安価に入手することが可能とな
る。その他、本発明は、その要旨を変更しない範囲内で
種々変形して実施することができる。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、単
独で電子カメラとして使用可能な電子カメラを装着する
ことにより、該電子カメラをフラットべッドスキャナと
して機能させるためのアダプタとを有し、前記アダプタ
は、前記フラットべッドスキャナとして使用する際に
は、制御手段による制御に基づき、前記電子カメラの光
軸に所定の傾角をもって交わるように挿入される透明体
からなる平行平板部材、および該平行平板部材を光軸ま
わりに回動させて、前記電子カメラの受光素子上に形成
される対象原稿の像を、受光素子の画素配列に沿った方
向に画素ピッチの２分の１ずつ移動させることにより、
画像情報を４個に分割する分割撮影機構により、原稿台
手段に載置した対象原稿と前記電子カメラの撮像視野と
を相対的にシフトさせつつ、前記対象原稿の画像情報を
複数回に分割して前記電子カメラで撮影し、該電子カメ
ラにより撮影されてメモリに記憶される複数の画像情報
を画像処理手段で合成処理することにより、簡単な構成
により、フラットべッドスキャナとして用いる場合には
高い解像度を実現することができて、しかも電子カメラ
単体で用いる場合には小型で且つ軽量なイメージキャプ
チャシステムを提供することができる。

【００３０】また、本発明の請求項２のイメージキャプ
チャシステムによれば、前記分割撮影機構が、前記電子
カメラの受光素子の画素ピッチをｐ、結像倍率の絶対値
をｍ、前記平行平板部材の厚みをｄ、そして該平行平板
部材の屈折率をｎとするとき、条件式

【数６】を満足すべく制御する手段を含むことにより、特に、簡
単な機構で且つ低コストで容易に実現することができ
る。

【００３１】本発明の請求項３のイメージキャプチャシ
ステムによれば、前記電子カメラが、受光素子の前面側
に挿入される光学的ローパスフィルタを光路上から待避
させる手段を含むことにより、特に、文字原稿の読取り
などに際し、さらに高い解像度を実現することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一つの実施の形態に係るイメージキャ
プチャシステムの機能的構成を模式的に示すブロック図
である。

【図２】図１のイメージキャプチャシステムの要部の具
体的な配置構成を模式的に且つ透視的に示す平面図であ
る。

【図３】図１のイメージキャプチャシステムの要部の具
体的な配置構成を模式的に且つ透視的に示す側面図であ
る。

【図４】図１のイメージキャプチャシステムにおける平
行平板部材の機能を説明するための模式図である。

【符号の説明】

１電子カメラ２アダプタ１ａ撮影レンズ１ｂ光学的ローパスフィルタ（ＬＰＦ）１ｃ受光素子（ＣＣＤ）２ａコンタクトガラス２ｂ照明光源２ｃ折り返しミラー２１原稿台２２分割撮影機構２３メモリ２４画像処理部２５制御部２２ａ平行平板部材

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｈ０４Ｎ 1/107 Ｈ０４Ｎ 1/10 1/387 Ｆターム(参考） 5B047 AA01 AA07 BA02 BB04 BC04 BC07 BC23 CA17 CB09 5C022 AA13 AB15 AB30 AB43 AB62 AC26 AC42 AC69 AC74 AC78 CA07 5C072 AA01 BA01 BA02 BA16 DA09 DA10 DA21 DA23 EA08 LA02 RA20 UA11 5C076 AA12 AA19 AA36 BA01 BA03 BA04

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】単独で電子カメラとして使用可能な電子
カメラと、前記電子カメラを装着することにより、該電
子カメラをフラットべッドスキャナとして機能させるた
めのアダプタとを有するイメージキャプチャシステムで
あって、前記アダプタは、対象原稿を載置する原稿台手段と、前記電子カメラの光軸が所定の傾角をもって交わるよう
に挿入される透明体からなる平行平板部材と、前記対象原稿と前記電子カメラの撮像視野とを相対的に
シフトさせつつ、前記対象原稿の画像情報を、前記電子
カメラによる離散的なサンプリングを補間すべく複数回
に分割して前記電子カメラで撮影するため、前記平行平
板部材を光軸まわりに回動させて、前記電子カメラの受
光素子上に形成される対象原稿の像を、受光素子の画素
配列に沿った方向に画素ピッチの２分の１（＝１／２）
ずつ移動させることにより、画像情報を、（２×２＝）
４個に分割する分割撮影機構と、前記分割撮影機構を用いて前記電子カメラにより撮影さ
れる複数の画像情報を記憶するメモリ手段と、前記メモリ手段に記憶された複数の画像情報を処理する
画像処理手段と、前記分割撮影機構および前記電子カメラの動作を制御
し、前記フラットべッドスキャナとして使用する際にの
み、前記分割撮影機構により複数回に分割して前記電子
カメラを用いて撮影した画像情報を、前記メモリ手段に
一時記憶し、前記画像処理手段によって合成させる制御
手段と、を具備することを特徴とするイメージキャプチ
ャシステム。
【請求項２】前記分割撮影機構は、前記電子カメラの
受光素子の画素ピッチをｐ、結像倍率の絶対値をｍ、前
記平行平板部材の厚みをｄ、そして該平行平板部材の屈
折率をｎとするとき、【数１】を満足すべく制御する手段を含むことを特徴とする請求
項１に記載のイメージキャプチャシステム。
【請求項３】前記電子カメラは、受光素子の前面側に
挿入される光学的ローパスフィルタを光路上から待避さ
せる手段を含むことを特徴とする請求項１または２に記
載のイメージキャプチャシステム。