JP2000286018A - 電磁シールド付コネクタ並びにその製造方法及び装置 - Google Patents

電磁シールド付コネクタ並びにその製造方法及び装置

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JP2000286018A
JP2000286018A JP8934799A JP8934799A JP2000286018A JP 2000286018 A JP2000286018 A JP 2000286018A JP 8934799 A JP8934799 A JP 8934799A JP 8934799 A JP8934799 A JP 8934799A JP 2000286018 A JP2000286018 A JP 2000286018A
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laser
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Yoshinobu Akiba
義信 秋葉
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/648Protective earth or shield arrangements on coupling devices, e.g. anti-static shielding  
    • H01R13/658High frequency shielding arrangements, e.g. against EMI [Electro-Magnetic Interference] or EMP [Electro-Magnetic Pulse]
    • H01R13/6598Shield material
    • H01R13/6599Dielectric material made conductive, e.g. plastic material coated with metal
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクタハウジングが凹凸等の多い複雑な構
造であっても、コネクタハウジングの表面に均一な厚さ
の電磁シールド層を容易に装備することができて、優れ
た電磁シールド効果を得ることができ、しかも、コネク
タの構成部品の増加や重量化を招くこともない電磁シー
ルド付コネクタ並びにその製造方法及び装置を提供する
こと。 【解決手段】 絶縁性を有するとともに黒鉛化可能な材
料からなるコネクタハウジング2の表面に不活性ガス雰
囲気下でレーザビーム16を照射して、樹脂材料の黒鉛
化による電磁シールド層2cをコネクタハウジング2の
表面に形成した構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁シールド付コ
ネクタ並びにその製造方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の電気自動車化やハイブリッ
ド化、あるいは車載の電気・電子機器等を制御するため
の電気信号の多重化などに伴い、電路となるワイヤハー
ネスを構成している各種の電線やコネクタ類に対して、
電磁シールド技術が強く要求されるようになってきた。
【0003】コネクタの場合は、コネクタハウジング内
に収容したターミナル等から外部への電磁波の放射され
ることを防止すること、且つ、外部の電磁波がコネクタ
ハウジング内のターミナルを流れる電気信号に影響を及
ぼすことを防止することの両面で、電磁波に対するシー
ルド効果が要求されている。
【0004】そして、このような要求に応えるべく、各
種の提案がなされている。例えば、特開平10−144
406号公報には、樹脂製のコネクタハウジングの外壁
あるいはコネクタハウジングの周囲を覆う樹脂製のカバ
ーに、電磁波の吸収性に優れるフェライト等の導電材料
粉末を混入させて、これらの導電材料粉末によりシール
ド効果を持たせるようにしたものが開示されている。
【0005】また、特開平8−298168号公報に
は、樹脂製のコネクタハウジングの内部あるいは外面等
に金属板による電磁遮蔽板を装備し、この電磁遮蔽板に
よって所望のシールド効果を持たせるようにしたものが
開示されている。
【0006】更には、樹脂製のコネクタハウジングの外
表面等に、無電解メッキや導電塗料の塗布によって導電
性薄膜を装備し、この導電性薄膜によって所望のシール
ド効果を持たせるようにしたものも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、樹脂製のコ
ネクタハウジングやカバーに導電材料粉末を混入させる
方法は、導電材料粉末を樹脂材料中に均一に、かつ、適
正な密度で分散させないと、部分的にシールド効果の低
い部位が形成される恐れがあり、安定したシールド性能
を得ることが難しいという問題があった。また、樹脂材
料に導電材料粉末を混合撹拌する工程が必要になり、材
料コストの上昇や、コネクタの成形工程の繁雑化によっ
て、コネクタのコストアップを招くという問題もあっ
た。
【0008】また、金属板による電磁遮蔽板によってシ
ールド効果を持たせる方法は、金属板の重量のためにコ
ネクタが重量化してしまうという問題があり、更に、コ
ネクタの構成部品点数の増加によって、コネクタの大幅
なコストアップを招くという問題もあった。
【0009】そして、無電解メッキや導電塗料の塗布に
よって形成した導電性薄膜によってシールド効果を持た
せるという方法は、コネクタハウジングが凹凸等の多い
複雑な構造の場合には、形成する導電性薄膜の膜厚にば
らつきが生じやすく、膜厚のばらつきによって部分的に
シールド効果の低い部位が形成される恐れがあり、安定
したシールド性能を得ることが難しいという問題があっ
た。そして、コネクタの製造工程として導電性薄膜の成
形工程が増え、更に、導電性薄膜の材料費がかかること
から、コストアップを招くという問題もあった。
【0010】本発明の目的は上記課題を解消することに
あり、コネクタハウジングが凹凸等の多い複雑な構造で
あっても、コネクタハウジングの表面に均一な厚さの電
磁シールド層を容易に装備することができて、優れた電
磁シールド効果を得ることができ、しかも、コネクタの
構成部品の増加や重量化を招くこともなく、コネクタの
コストの低減にも適した電磁シールド付コネクタ並びに
その製造方法及び装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 絶縁性を有するとともに黒鉛化可能な材料からなる
コネクタハウジングの表面に不活性ガス雰囲気下でレー
ザビームを照射して、前記材料の黒鉛化による電磁シー
ルド層をコネクタハウジングの表面に形成したことを特
徴とする電磁シールド付コネクタ。
【0012】 前記電磁シールド層の外表面に絶縁材
料を被覆形成したことを特徴とする前記記載の電磁シ
ールド付コネクタ。
【0013】 不活性ガスが満たされたレーザ加工機
内で、黒鉛化可能な材料からなるコネクタハウジングの
表面にレーザビームを照射することにより、前記コネク
タハウジングの表面に黒鉛化された電磁シールド層を形
成することを特徴とする電磁シールド付コネクタの製造
方法。
【0014】 前記レーザ加工機から排出されるコネ
クタハウジングを、コーティング手段内に導いて、該コ
ーティング手段において前記電磁シールド層の外表面に
絶縁体を被覆形成することを特徴とする前記記載の電
磁シールド付コネクタの製造方法。
【0015】 コネクタハウジングを所定の区間で搬
送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送経路の途中
に設置されるレーザ加工機とを備え、前記レーザ加工機
が、前記搬送手段によって搬送されてくるコネクタハウ
ジングの周囲を囲う加工機ケースと、該加工機ケース内
雰囲気を不活性ガス雰囲気にする不活性ガス供給手段
と、前記搬送手段によって加工機ケースの所定位置に搬
送されてきたコネクタハウジングの表面にレーザビーム
を照射するレーザ発振手段とを備えることを特徴とする
電磁シールド付コネクタの製造装置。
【0016】 前記搬送手段による搬送経路の途中で
前記レーザ加工機よりも後段に、前記レーザ加工機にお
ける処理でコネクタハウジング上に形成した電磁シール
ド層の外表面に絶縁体を被覆形成するコーティング手段
を設けたことを特徴とする前記記載の電磁シールド付
コネクタの製造装置。
【0017】上記構成の電磁シールド付コネクタにおい
て、電磁シールド層は、熱可塑性樹脂材料からなるコネ
クタハウジングの表面自体を、レーザビームの照射によ
って黒鉛化したもので、別部材の金属製の電磁遮蔽板を
装備する場合と異なり、コネクタの構成部品の増加や重
量化を招くことがない。
【0018】また、上記の電磁シールド付コネクタの電
磁シールド層は、コネクタハウジングの外表面等に無電
解メッキや導電塗料の塗布によって導電性薄膜を形成す
るコネクタや、コネクタハウジング等の樹脂材料中に導
電材料粉末を混入させるコネクタと比較すると、コネク
タハウジングが凹凸等の多い複雑な構造であっても、コ
ネクタハウジングの表面に均一な厚さの電磁シールド層
を容易に装備することができる。
【0019】したがって、コネクタハウジングが凹凸等
の多い複雑な構造であっても、コネクタハウジングの表
面に均一な厚さの電磁シールド層を容易に装備すること
ができて、優れた電磁シールド効果を得ることができ、
しかも、コネクタの構成部品の増加や重量化を招くこと
もなく、コネクタのコスト低減を図ることもできる。
【0020】そして、上記の電磁シールド付コネクタに
おいて、前記電磁シールド層の外表面に絶縁材料を被覆
形成した場合には、電磁シールド層が他の器物等に接触
して損傷することを防止でき、電磁シールド層によるシ
ールド性能の信頼性を向上させるとともに、耐久性を向
上させることができる。
【0021】また、上記の電磁シールド付コネクタの製
造方法及び装置は、何れも、通常の樹脂成形工程で生産
されたコネクタハウジングに対して、後処理として、レ
ーザビームを照射して、コネクタハウジングの材料表面
の黒鉛化による電磁シールド層を形成するもので、コネ
クタハウジングの樹脂成形工程には関与しないため、コ
ネクタハウジングの樹脂成形工程の改良等を必要とせ
ず、電磁シールド層を形成するための製造工程の追加、
装置の追加のみで、既存の種々のコネクタハウジングに
対して、容易に、高品位の電磁シールド層を装備するこ
とができる。
【0022】本発明に用いることのできる黒鉛化可能な
材料としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリビニ
ル化合物、ポリイミド等の易黒鉛化高分子樹脂材料があ
る。
【0023】近年では、例えば、電気学会論文誌A V
OL.117,No.6 P.638〜644(199
7)に開示されているように、ポリイミド若しくは塩化
ビニル等の易黒鉛化高分子樹脂材料からなるフィルムの
表面に、直接レーザビームを照射することにより、その
照射軌跡に沿って黒鉛化させた導電路を形成する試みが
なされている。
【0024】この文献によれば、ポリイミド系のカプト
ンフィルム(例えば東レ・デュポン社製カプトンフィル
ム)に、10HzのパルスYAGレーザ(Spectr
a−Physics社製GCR−150:ビーム直径7
mm、1パルスあたりのエネルギー243mJ、波長1
064nm、パルス幅8ns)を窒素雰囲気中で5〜9
0分間照射したところ、照射時間30分で厚さ約20μ
mの黒鉛化層が形成され、照射時間60分で厚さ約30
μmの黒鉛化層が形成された。形成された導電路は、抵
抗率が0.6〜1.3Ωcmであり、黒鉛化された材料
は電磁波の遮蔽に有効である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明に係る電磁シールド付コネクタ並びにその製造方法及
び装置の一実施形態を詳細に説明する。図1は本発明に
係る電磁シールド付コネクタの製造方法及びこれを実施
するための製造装置の一実施形態の説明図、図2は本発
明に係る電磁シールド付コネクタの斜視図、図3は図2
のA部の拡大図、図4は図1に示した製造装置で使用す
るレーザ発振手段の概略構成図である。
【0026】この一実施形態における電磁シールド付コ
ネクタの製造装置1は、一般的な公知の樹脂成形工程に
よって所定構造に形成されたコネクタハウジング2を所
定の区間で搬送する搬送手段4と、前記搬送手段4によ
る搬送経路の途中に設置されるレーザ加工機6と、搬送
手段4による搬送経路の途中でレーザ加工機6よりも後
段に設置されるコーティング手段8と、搬送手段4によ
る搬送経路の途中でコーティング手段8よりも後段に設
置される被覆乾燥手段10とを備えた構成とされてい
る。
【0027】コネクタハウジング2は、図2に示すよう
に、絶縁性を有するとともに黒鉛化可能な熱可塑性樹脂
材料の射出成形により、所定構造に一体成形されたもの
である。ここに示したコネクタハウジング2は、電線の
先端に結合されたターミナルを収容保持する端子挿入孔
2aが内部に装備された雌形のコネクタハウジングであ
り、図示しない雄型のコネクタハウジングと嵌合するこ
とで、ターミナル相互の電気的結合を行う。
【0028】黒鉛化可能な熱可塑性樹脂材料としては、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリビニル化合物、ポリ
イミド等を用いることができるほか、他の易黒鉛化高分
子樹脂材料を用いることも可能である。
【0029】搬送手段4は、搬送ベルト等を利用する公
知のものでよい。しかし、好ましくは、レーザ加工機6
で照射するレーザビームをコネクタハウジング2の全周
に当て易いように、搬送ベルトの上に、コネクタハウジ
ング2を浮上状態に保持する機構等を装備しておくとよ
い。コネクタハウジング2を搬送路上に浮上状態に保持
する機構としては、例えば、コネクタハウジング2の端
子挿入孔2aを挿通する支持棒を有したハウジング保持
ブラケットを搬送路に立設するようにしても良い。
【0030】レーザ加工機6は、搬送手段4によって搬
送されてくるコネクタハウジング2の周囲を囲う加工機
ケース12と、該加工機ケース12内雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気にする不活性ガス供給手段14と、搬送手段4
によって加工機ケース12の所定位置に搬送されてきた
コネクタハウジング2の表面にレーザビーム16を照射
するレーザ発振手段18とを備えている。
【0031】加工機ケース12は、レーザビーム16の
照射を行う処理空間20を画成する本体部ケーシング1
2aと、本体部ケーシング12aの前後に処理空間20
と連通する補助空間21,22を画成する予備室ケーシ
ング12b,12cとを備えた構成である。
【0032】不活性ガス供給手段14は、予備室ケーシ
ング12bに接続されていて、予備室ケーシング12b
が画成している補助空間21を介して処理空間20内に
窒素ガス等の不活性ガスを供給する。予備室ケーシング
12cには、吸引ポンプ24が接続されている。この吸
引ポンプ24は、予備室ケーシング12cが画成してい
る補助空間22を介して処理空間20内の雰囲気を吸引
して、処理空間20内における不活性ガスの充満状態を
適正化する。
【0033】本実施形態の場合、レーザ発振手段18
は、本体部ケーシング12aの画成する処理空間20内
に、4基装備されている。処理空間20内の4基のレー
ザ発振手段18は、コネクタハウジング2の外表面の全
域に、均一な強度でレーザビーム16が照射されるよう
に、レーザビーム16の照射向きを違えている。
【0034】なお、レーザ加工機6でレーザビーム16
の照射を受けるコネクタハウジング2は、図2に示すよ
うに、端子挿入孔2aを覆う照射防止カバー28を、コ
ネクタハウジング2の開口端に嵌合装備するなどして、
端子嵌合部等の黒鉛化を防止する。また、コネクタハウ
ジング2は、ターミナル付き電線29を装着しない状態
で、製造装置1における処理を行う。
【0035】レーザ発振手段18は、本実施形態の場合
は、図4に示すYAGレーザ発振機を使用している。こ
のYAGレーザ発振機は、光軸合わせ用のガスレーザ光
181を、ミラー182,183、反射ミラー184、
Qスイッチ185、ビームシャッタ186等を介してレ
ーザヘッド190のYAGロッド191に導く。そし
て、レーザヘッド190では、YAGロッド191の出
力を励起ランプ192や楕円集光鏡193により制御
し、YAGロッド191から出力されるレーザ光をモー
ドセレクタ200、出力ミラー201、ダイクロイック
ミラー202、集光レンズ203を介して所定のビーム
径のレーザビーム16に仕上げて、加工物であるコネク
タハウジング2に照射する。
【0036】集光レンズ203には、凸レンズ、凹面
鏡、放物面鏡等を利用することができ、使用するレンズ
あるいは鏡を適宜に選定することで、加工物に照射する
レーザビーム16をビーム径が徐々に広がる拡散ビーム
に設定することが可能で、拡散ビームにすることで、加
工物への照射作業の効率を向上させることができる。
【0037】コーティング手段8は、搬送路を覆うケー
ス8a内に、コネクタハウジング2の原料樹脂と同等の
樹脂をスプレー塗布する樹脂噴射手段8bを装備したも
ので、レーザ加工機6における処理でコネクタハウジン
グ2上に形成した電磁シールド層の外表面に絶縁体を被
覆形成する。
【0038】被覆乾燥手段10は、搬送路を覆うケース
10a内に、コネクタハウジング2に塗布された樹脂を
乾燥固化する樹脂硬化手段10bを装備したもので、コ
ーティング手段8によって被覆された絶縁体を固化す
る。
【0039】本発明の電磁シールド付コネクタの製造方
法は、上記の製造装置1を使用して、窒素ガス等の不活
性ガスが満たされたレーザ加工機6内で、黒鉛化可能な
材料からなるコネクタハウジング2の外表面にレーザビ
ーム16を照射することにより、前記コネクタハウジン
グ2の外表面に黒鉛化された電磁シールド層を形成し、
次いで、黒鉛化処理を済ませてレーザ加工機6から排出
されるコネクタハウジング2を、コーティング手段8内
に導いて、該コーティング手段8において黒鉛化による
電磁シールド層の外表面に絶縁体を被覆形成し、コーテ
ィング手段8において被覆された絶縁体を被覆乾燥手段
10で乾燥固化させるものである。
【0040】以上の製造装置1のレーザ加工機6で、Y
AGレーザを照射されるコネクタハウジング2は、YA
Gレーザが当たる表面部位が瞬間的に極めて高い温度に
局部加熱される結果、高分子樹脂の骨格をなす各分子成
分のうち、揮発成分のみが蒸発し、残余の固形分である
炭素分のみが表層に残置され、結晶化して下層の樹脂層
に密着する結果、表面に黒鉛からなる電磁シールド層が
形成される。
【0041】そして、レーザ加工機6、コーティング手
段8、被覆乾燥手段10による処理を済ませたコネクタ
ハウジング2は、図3に示すように、樹脂製の外壁2b
の外表面に黒鉛化による電磁シールド層2cが均一な厚
さで形成され、更に、この電磁シールド層2cの外表面
に均一な厚さの絶縁体被膜2dが形成された構成とな
る。
【0042】上記の電磁シールド層2cは、熱可塑性樹
脂材料からなるコネクタハウジング2の表面自体を、レ
ーザビーム16の照射によって黒鉛化したもので、別部
材の金属製の電磁遮蔽板を装備する場合と異なり、コネ
クタの構成部品の増加や重量化を招くことがない。
【0043】また、上記の電磁シールド層2cは、コネ
クタハウジング2の外表面等に無電解メッキや導電塗料
の塗布によって導電性薄膜を形成するコネクタや、コネ
クタハウジング2等の樹脂材料中に導電材料粉末を混入
させるコネクタと比較すると、コネクタハウジング2が
凹凸等の多い複雑な構造であっても、コネクタハウジン
グ2の表面に均一な厚さの電磁シールド層2cを容易に
装備することができる。
【0044】したがって、コネクタハウジング2が凹凸
等の多い複雑な構造であっても、コネクタハウジング2
の表面に均一な厚さの電磁シールド層2cを容易に装備
することができて、優れた電磁シールド効果を得ること
ができ、しかも、コネクタの構成部品の増加や重量化を
招くこともなく、コネクタのコスト低減を図ることもで
きる。
【0045】そして、上記の実施形態の電磁シールド付
コネクタでは、電磁シールド層2cの外表面に絶縁体被
膜2dを被覆形成しているため、電磁シールド層2cが
他の器物等に接触して損傷することを防止でき、電磁シ
ールド層2cによるシールド性能の信頼性を向上させる
とともに、耐久性を向上させることができる。
【0046】また、上記の実施形態で示した電磁シール
ド付コネクタの製造方法及び装置1は、通常の樹脂成形
工程で生産されたコネクタハウジング2に対して、後処
理として、レーザビーム16を照射して電磁シールド層
2cを形成するもので、コネクタハウジング2の樹脂成
形工程には関与しないため、コネクタハウジング2の樹
脂成形工程の改良等を必要とせず、電磁シールド層2c
を形成するための製造工程の追加、装置の追加のみで、
既存の種々のコネクタハウジング2に対して、容易に、
高品位の電磁シールド層2cを装備することができる。
【0047】なお、本発明において、樹脂材料の黒鉛化
処理に使用するレーザは、上記の実施形態で示したYA
Gレーザに限らない。CO2 レーザ、エキシマレーザ、
その他の固体レーザなど、種々のレーザを使用可能であ
る。
【0048】また、コネクタハウジングの具体的構造
も、上記実施形態の構造に限定するものではない。ま
た、コーティング手段8や被覆乾燥手段10は、必要に
応じて装備すればよく、コネクタの設置環境等の条件か
ら、電磁シールド層2cの外表面に絶縁体被膜2dを形
成する必要が無い場合には、省略することが可能であ
る。
【0049】そして、上記実施形態では、コネクタハウ
ジングの外表面に電磁シールド層2cを形成したが、コ
ネクタハウジングの構造によっては、内部の多重信号間
での相互の影響を防止するために、コネクタハウジング
内を仕切る内壁等にも、レーザビームの照射により電磁
シールド層2cを装備するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明の電磁シールド付コネクタにおい
て、電磁シールド層は、熱可塑性樹脂材料からなるコネ
クタハウジングの表面自体を、レーザビームの照射によ
って黒鉛化したもので、別部材の金属製の電磁遮蔽板を
装備する場合と異なり、コネクタの構成部品の増加や重
量化を招くことがない。
【0051】また、本発明の電磁シールド付コネクタの
電磁シールド層は、コネクタハウジングの外表面等に無
電解メッキや導電塗料の塗布によって導電性薄膜を形成
するコネクタや、コネクタハウジング等の樹脂材料中に
導電材料粉末を混入させるコネクタと比較すると、コネ
クタハウジングが凹凸等の多い複雑な構造であっても、
コネクタハウジングの表面に均一な厚さの電磁シールド
層を容易に装備することができる。
【0052】したがって、コネクタハウジングが凹凸等
の多い複雑な構造であっても、コネクタハウジングの表
面に均一な厚さの電磁シールド層を容易に装備すること
ができて、優れた電磁シールド効果を得ることができ、
しかも、コネクタの構成部品の増加や重量化を招くこと
もなく、コネクタのコスト低減を図ることもできる。
【0053】そして、請求項2に記載したように、前記
電磁シールド層の外表面に絶縁材料を被覆形成した場合
には、電磁シールド層が他の器物等に接触して損傷する
ことを防止でき、電磁シールド層によるシールド性能の
信頼性を向上させるとともに、耐久性を向上させること
ができる。
【0054】そして、本発明の電磁シールド付コネクタ
の製造方法及び装置は、何れも、通常の樹脂成形工程で
生産されたコネクタハウジングに対して、後処理とし
て、レーザビームを照射して、コネクタハウジングの材
料表面の黒鉛化による電磁シールド層を形成するもの
で、コネクタハウジングの樹脂成形工程には関与しない
ため、コネクタハウジングの樹脂成形工程の改良等を必
要とせず、電磁シールド層を形成するための製造工程の
追加、装置の追加のみで、既存の種々のコネクタハウジ
ングに対して、容易に、高品位の電磁シールド層を装備
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁シールド付コネクタの製造方
法及びこれを実施するための製造装置の一実施形態の説
明図である。
【図2】本発明に係る電磁シールド付コネクタの斜視図
である。
【図3】図2のA部の拡大図である。
【図4】図1に示した製造装置で使用するレーザ発振手
段の概略構成図である。
【符号の説明】
1 製造装置 2 コネクタハウジング 2b 樹脂製の外壁 2c 電磁シールド層 2d 絶縁体被膜 4 搬送手段 6 レーザ加工機 8 コーティング手段 10 被覆乾燥手段 12 加工機ケース 14 不活性ガス供給手段 16 レーザビーム 18 レーザ発振手段 20 処理空間 21,22 補助空間 24 吸引ポンプ 28 照射防止カバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性を有するとともに黒鉛化可能な材
    料からなるコネクタハウジングの表面に不活性ガス雰囲
    気下でレーザビームを照射して、前記材料の黒鉛化によ
    る電磁シールド層をコネクタハウジングの表面に形成し
    たことを特徴とする電磁シールド付コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記電磁シールド層の外表面に絶縁材料
    を被覆形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁シ
    ールド付コネクタ。
  3. 【請求項3】 不活性ガスが満たされたレーザ加工機内
    で、黒鉛化可能な材料からなるコネクタハウジングの表
    面にレーザビームを照射することにより、前記コネクタ
    ハウジングの表面に黒鉛化された電磁シールド層を形成
    することを特徴とする電磁シールド付コネクタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ加工機から排出されるコネク
    タハウジングを、コーティング手段内に導いて、該コー
    ティング手段において前記電磁シールド層の外表面に絶
    縁体を被覆形成することを特徴とする請求項3記載の電
    磁シールド付コネクタの製造方法。
  5. 【請求項5】 コネクタハウジングを所定の区間で搬送
    する搬送手段と、前記搬送手段による搬送経路の途中に
    設置されるレーザ加工機とを備え、 前記レーザ加工機が、前記搬送手段によって搬送されて
    くるコネクタハウジングの周囲を囲う加工機ケースと、
    該加工機ケース内雰囲気を不活性ガス雰囲気にする不活
    性ガス供給手段と、前記搬送手段によって加工機ケース
    の所定位置に搬送されてきたコネクタハウジングの表面
    にレーザビームを照射するレーザ発振手段とを備えるこ
    とを特徴とする電磁シールド付コネクタの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記搬送手段による搬送経路の途中で前
    記レーザ加工機よりも後段に、前記レーザ加工機におけ
    る処理でコネクタハウジング上に形成した電磁シールド
    層の外表面に絶縁体を被覆形成するコーティング手段を
    設けたことを特徴とする請求項5記載の電磁シールド付
    コネクタの製造装置。
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