JP2000285790A - 電子放出素子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮像装置,画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮像装置,画像形成装置

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JP2000285790A
JP2000285790A JP9062699A JP9062699A JP2000285790A JP 2000285790 A JP2000285790 A JP 2000285790A JP 9062699 A JP9062699 A JP 9062699A JP 9062699 A JP9062699 A JP 9062699A JP 2000285790 A JP2000285790 A JP 2000285790A
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electron
layer
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insulating layer
pores
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Shinichi Kawate
信一 河手
Takeo Tsukamoto
健夫 塚本
Masato Yamanobe
正人 山野辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極酸化絶縁層について表面の平面性を良好
にできて耐圧性も向上でき、放出電子の軌道を安定化で
き、これを用いた電子源,撮像装置,画像形成装置につ
いて、扱う情報信号の再現性(解像度)を向上できる電
子放出素子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮
像装置,画像形成装置を提供する。 【解決手段】 基板1上に、下部電極2,陽極酸化絶縁
層3,上部電極4を順に積層し、陽極酸化絶縁層3はポ
ーラス層3bを含む多層構造にして、少なくとも最上層
は表面が平坦で耐圧が高い緻密層3aにする。陽極酸化
絶縁層3に、上下に貫通する細孔5を形成し、細孔5内
に炭素6を堆積させるが、これは下部電極2と電気的に
接続する状態に堆積させて電子を放出する電子放出部と
なす。陽極酸化絶縁層3の最上層を緻密層3aとしたの
で、表面の平面性を良好にでき、その上に形成される上
部電極4の平面性を良好に保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体上に下部電
極,陽極酸化絶縁層,上部電極を順に設けて、その陽極
酸化絶縁層に形成した電子放出部から電子を放出する電
子放出素子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮
像装置,画像形成装置に関し、とりわけ、その陽極酸化
絶縁層を多層構造にするようにした電子放出素子及びそ
の製造方法とそれを用いた電子源,撮像装置,画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、冷陰極型の電子放出素子
は、いわゆる冷電子を冷陰極から放出するものであり、
電界放出(Field Emission:FE)型,
金属・絶縁層・金属(Metal Insulator
Metal:MIM)型などがある。
【0003】FE型は、例えば、W.P.Dyke&
W.W.Dolan,”Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics,8,89(1956)や、C.A.Spi
ndt,”PHYSICAL Properties
of thin‐film field emissi
on cathodes with molybden
um cones”,J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等に開示されたものが知られ
ている。
【0004】MIM型は、例えば、C.A.Mea
d,”Operation of Tunnel‐Em
ission Devices”,J.Apply.P
hys.,32,646(1961)等に開示されたも
のが知られている。
【0005】また、最近の例では、Toshiaki.
Kusunoki,”Fluctuation‐fre
e electron emission from
non‐formed metal‐insulato
r‐metal(MIM)Cathodes Fabr
icated by low current Ano
dic oxidation”,Jpn.J.App
l.Phys.vol.32(1993)pp.L16
95や、Mutsumi suzuki etal ”
An MIM‐Cathode Array for
Cathodeluminescent Displa
ys”,IDW’96,(1996)P529等に開示
されている。
【0006】さらにまた、例えば特開平5−19825
2及び特開平5−211029等には、陽極酸化膜の細
孔を用いた電子放出素子が開示されている。この電子放
出素子は、図10に示すように、下部電極2の上面に、
貫通孔5を有する陽極酸化絶縁層3(ポーラス層)を形
成し、その貫通孔5内に、電子放出部6を設けた構成を
採る。つまり、下部電極2は基板1上に形成し、その下
部電極2上の金属を陽極酸化して、多孔質膜の陽極酸化
絶縁層3を形成した後に、上部電極4を形成して電子放
出素子に構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そうし
た陽極酸化膜の細孔を用いた電子放出素子にあっては、
以下のような問題があった。
【0008】(1)ポーラス層3は表面の平面性が悪
く、そのポーラス層3上に形成した上部電極4の平面性
も悪くなってしまうことから、素子駆動時には表面近傍
の電界に乱れができ、このため放出電子の軌道がばらつ
き、電子軌道の安定性が悪いという問題があった。従っ
て、当該素子を用いた電子源,撮像装置,画像形成装置
においては、扱う情報信号に電子軌道のばらつきが重畳
するので、再現性(解像度)が悪化してしまう。
【0009】(2)ポーラス層3は耐圧が低く、このた
め素子駆動時にはリーク電流を生じて、電子放出の効率
が低下するという問題があり、また素子駆動時に絶縁破
壊を起こしてしまい、電子放出素子が破壊されてしまう
おそれもあった。
【0010】そこで、本発明はそうした従来の課題に鑑
みてなされたものあって、陽極酸化絶縁層について表面
の平面性を良好にできると共に、耐圧性も向上でき、こ
れにより放出電子の軌道を安定化でき、そしてこれを用
いた電子源,撮像装置,画像形成装置について、扱う情
報信号の再現性(解像度)を向上することができる電子
放出素子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮像
装置,画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明の請求項1に示す電子放出素子は、基体上
に、下部電極,細孔を有する陽極酸化絶縁層,上部電極
の順なる積層構成を有し、前記陽極酸化絶縁層の細孔内
に、少なくとも炭素を有する電子放出素子において、前
記陽極酸化絶縁層はポーラス層を含む多層構造にして、
少なくとも最上層は表面が平坦で耐圧が高い緻密層とし
て構成する。
【0012】また、請求項2に示す電子放出素子は、前
記陽極酸化絶縁層を、緻密層,ポーラス層,緻密層とな
る三層構造として構成する。
【0013】そして、請求項3に示す電子放出素子は、
前記陽極酸化絶縁層を、アルミニウムを陽極酸化して形
成される酸化アルミニウム層として構成する。
【0014】さらに、請求項4に示す電子放出素子は、
前記緻密層の膜厚を、電子がトンネリングしない膜厚以
上として構成する。
【0015】また、請求項5に示す電子放出素子は、前
記緻密層の膜厚を、10nm以上として構成する。
【0016】また、請求項6に示す電子放出素子は、前
記緻密層の膜厚を、20nm以上として構成する。
【0017】また、請求項7に示す電子放出素子は、前
記陽極酸化絶縁層の細孔内の炭素が、下部電極と電気的
に接続されるように構成する。
【0018】そして、請求項8に示す電子放出素子は、
前記炭素を、グラファイトもしくはダイヤモンドライク
カーボンとして構成する。
【0019】さらに、請求項9に示す電子源は、請求項
1〜8のいずれかに記載の電子放出素子を、基体上に多
数配列して備えて構成する。
【0020】また、請求項10に示す電子源は、基体上
に帯状配線を多数配列して前記下部電極の配列群とし、
それら下部電極の配列群の上に、前記陽極酸化絶縁層を
帯状に設けると共に、さらに帯状配線を交差させて多数
配列して前記上部電極の配列群として構成する。
【0021】そして、請求項11に示す撮像装置は、平
行に離間させた第一基板と第二基板の隙間に枠部材を設
けて封止した真空容器内に、請求項9または10に記載
の電子源を、光導電部材と対向させて備えて構成する。
【0022】さらに、請求項12に示す画像形成装置
は、平行に離間させた第一基板と第二基板の隙間に枠部
材を設けて封止した真空容器内に、請求項9または10
に記載の電子源を、画像形成部材と対向させて備て構成
する。
【0023】また、請求項13に示す電子放出素子の製
造方法は、基体上に下部電極を形成する工程1と、前記
工程1で形成した下部電極あるいは多層化の前工程で形
成した陽極酸化層を陽極酸化して、表面が平坦で耐圧が
高い緻密層を形成する工程2と、前記工程2で形成した
緻密層あるいは多層化の前工程で形成した陽極酸化絶縁
層の下に、上下に貫通する細孔を持つポーラス層を陽極
酸化により形成する工程3と、前記工程2,3を適宜に
繰り返して形成した多層の陽極酸化絶縁層の上に上部電
極を形成する工程4と、有機材料の存在下で、前記上部
電極と下部電極との間に電圧を印加する工程5とを有し
て行う。
【0024】そして、請求項14に示す電子放出素子の
製造方法は、前記工程2での緻密層を形成する陽極酸化
を、弱酸性の溶液中で定電流を通電する陽極酸化とし、
前記工程3でのポーラス層を形成する陽極酸化を、強酸
性の溶液中で定電圧を印加する陽極酸化として行う。
【0025】以上の構成により請求項1の電子放出素子
は、陽極酸化絶縁層がポーラス層を含む多層構造とさ
れ、少なくとも最上層が緻密層とされる。この緻密層は
ポーラス層と比較して表面が平坦で耐圧が高い。ここ
に、陽極酸化絶縁層の最上層を緻密層としたので、陽極
酸化絶縁層について表面の平面性を良好にでき、その上
に形成される上部電極の平面性を良好に保持できる。
【0026】また、最上層の緻密層は耐圧がポーラス層
よりも高いので、当該素子の耐圧性も向上でき、リーク
電流を小さく抑えることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる電子放出素
子及びその製造方法の実施形態を添付図面に基づいて説
明する。
【0028】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態を示す電子放出素子であり、(a)はその断面
図、(b)は(a)のA部分を拡大した斜視図である。
そして、図2は、図1のの一部を拡大した断面図であ
る。
【0029】図1において、1は基板、2は下部電極、
3は陽極酸化絶縁層、4は上部電極である。そして、図
1(b)及び図2において、3は陽極酸化絶縁層で、3
aは緻密層、3bはポーラス層、5は細孔、6は下部電
極2と電気的に接続された炭素である。
【0030】この電子放出素子は、基板1上に、下部電
極2,陽極酸化絶縁層3,上部電極4を順に積層した構
成とされており、陽極酸化絶縁層3は緻密層3a,ポー
ラス層3bの上下二層とされ、上下に貫通する細孔5が
形成されている。細孔5には炭素6が堆積され、これは
下部電極2と電気的に接続する状態に堆積されて電子を
放出するための電子放出部となっている。
【0031】基板1としては、石英ガラス,Na等の不
純物含有量を減少したガラス,青板ガラス,青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラ
ス基板,アルミナ等のセラミックス基板,Si基板,S
iO2 を積層したSi基体等を用いることができる。特
に、基板1を半導体材料から形成すると、当該電子放出
素子を駆動するためのドライバー等を共に配設すること
ができる。
【0032】下部電極2としては、陽極酸化を行えるA
l,Ta,Nb,Ti,Zr,Hf等の金属が用いられ
る。下部電極2の膜厚は、陽極酸化層の膜厚及び電極と
しての電気抵抗等を考慮して適宜に設定される。
【0033】陽極酸化絶縁層3は、下部電極2の表面部
を陽極酸化することで形成されている。また、陽極酸化
絶縁層3として、下部電極2の上に、陽極酸化用の金属
あるいは半導体を設けても良い。
【0034】この陽極酸化絶縁層3には、細孔5が形成
されており、下部電極2にアルミニウムを用いた場合、
上層の緻密層3aは、酸化アルミニウムに対して溶解力
の弱い溶液、例えばホウ酸塩,酒石酸塩等を含む中性あ
るいは弱酸性の溶液に浸して陽極酸化することにより形
成され、緻密な酸化アルミニウム層となり細孔を有しな
いが、下層のポーラス層3bの形成時に細孔5が緻密層
3aにも連通して形成される。つまり、下層のポーラス
層3bは、酸化アルミニウムに対して溶解力が適度な溶
液、例えばシュウ酸,硫酸,リン酸,クロム酸等を含む
酸性溶液に浸して陽極酸化することにより形成され、粗
い酸化アルミニウム層となり細孔5を有する。緻密層3
aは、ポーラス層3bと比較して表面が平坦で耐圧が高
い。
【0035】この細孔5の形成は、酸化溶液の組成や酸
化反応時の液温,電圧,時間等といった陽極酸化の条件
を、下部電極2の材料に応じて適宜に選択して行われ
る。本実施形態では、細孔5は、その径及び深さを数十
nmから数百nmに形成され、その密度は106 〜10
10(個/cm2 )とされていて、この密度は、電子放出
が行われる微小な面積(電子放出点と呼ぶことにする)
の密度に対応する。
【0036】細孔5には、炭素6が孔内に堆積されてい
て、下部電極2と電気的に接続されている。つまり、炭
素は、グラファイト,ダイヤモンドライクカーボン等で
あって、当該細孔5の一部を埋める支柱状に形成される
が、上部電極4との間には所定の隙間が設定されてお
り、下部電極2にのみ電気的に接続されている。上部電
極4との隙間は、後述する上下両電極に電圧を印加する
工程において電圧値,通電時間等の条件設定に応じて適
宜に変更でき、数nmから数十nmとされている。
【0037】上部電極4は、陽極酸化絶縁層3の上に形
成され、例えばAl,Pt,W,Mo,Ir等の金属か
らなる。
【0038】なお、本実施形態では、緻密層3a及びポ
ーラス層3bをそれぞれ一層としたが、これに限定され
るものではなく、複数層の構成としても良い。
【0039】〔製造方法〕この電子放出素子の製造に
は、以下に説明する製造工程を順に実施する。
【0040】(工程a)工程aは、基板1上に、金属あ
るいは半導体の下部電極2を形成する工程であり、基板
1を、洗剤,純水及び有機溶剤等を用いて十分に洗浄
し、真空蒸着法やスパッタ法等により電極材料を堆積さ
せた後に、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて下
部電極2を形成する。また、下部電極2をメッキにより
形成しても良い。
【0041】(工程b)工程bは、下部電極2の上部を
陽極酸化する工程であり、この陽極酸化は例えば図4に
示す陽極酸化装置を用いて行う。図4において、31は
陽極酸化を行う浴槽、32は陽極酸化の電解液、33は
対向電極、34は電源、35はOリングである。
【0042】電解液32としては、Al等の金属では、
緻密層3aを形成する際に、ホウ酸塩,酒石酸塩等とい
った酸化アルミニウムに対する溶解力の弱い中性あるい
は弱酸性の溶液を用い、そしてポーラス層3bを形成す
る際に、シュウ酸,硫酸,リン酸,クロム酸等といった
酸化アルミニウムに対する適度な溶解力を持つ酸性溶液
を用いる。さらに、溶媒として、エチレングリコール,
グリセリン,デキストリン等の多価アルコールを加える
場合がある。一方、Siの場合は、HF水溶液を用い
る。
【0043】対向電極33には、Pt等の金属を用い
る。陽極酸化は、対向電極33を陰極とし、基板1を陽
極として、電源34から通電することにより行う。
【0044】第一の陽極酸化である緻密層3aの形成
は、上記した中性あるいは弱酸性の溶液中において数μ
A/cm2 〜数百μA/cm2 の定電流で酸化を行う。
緻密層3aは、ポーラス層3bよりも表面が平坦で、耐
圧が高いのが特徴である。この時点では緻密層3aは、
ほとんどの場合細孔5を有しない。
【0045】第二の陽極酸化であるポーラス層3bの形
成は、酸性溶液中において数V〜数百Vの定電圧で酸化
を行う。このとき当該ポーラス層3b及び上部の緻密層
3aに細孔5が形成される。
【0046】ポーラス層3bの幾何学構造は、製作条件
により制御できる。細孔5の孔径及び細孔間の間隔は、
陽極酸化の電圧,電解液32の種類により制御でき、細
孔5の深さは陽極酸化時間により制御できる。このとき
孔底には、バリアー層と呼ばれる酸化層が形成されるの
で、引き続き浴槽31中で電流回復法またはガルバニッ
ク溶解法で孔底のバリアー層を取り除く。孔底のバリア
ー層は、他の方法としてリン酸液等の溶液中でのエッチ
ング(溶解)や、真空中でのイオンミリング法により除
去しても良い。
【0047】次に、陽極酸化絶縁層3を形成した基板1
を、十分に水洗した後に、真空中で乾燥を行う。
【0048】(工程c)工程cは、陽極酸化絶縁層3の
上に、上部電極4を形成する工程であり、上部電極4を
数nm〜数十nmの膜厚に、下部電極2と同様にして形
成する。
【0049】(工程d)工程dは、陽極酸化絶縁層3の
細孔5内に炭素6を形成する工程であり、有機材料を気
体状に存在させた雰囲気で炭素を形成する工程d1と、
または有機材料を液体状に存在させた雰囲気で炭素を形
成する工程d2とがある。
【0050】(工程d1)工程d1は、有機材料を気体
状に存在させた雰囲気で、上部電極4及び下部電極2に
電圧を印加することにより、陽極酸化絶縁層3の細孔5
内に炭素を形成する工程である。本工程で形成される炭
素とは、例えばグラファイト(いわゆるHOPG,P
G,GCを包含し、HOPGはほぼ完全なグラファイト
の結晶構造、PGは結晶粒が20nm程度で結晶構造が
やや乱れたもの、GCは結晶粒が2nm程度になり結晶
構造の乱れがさらに大きくなったもの),非晶質カーボ
ン(アモルファスカーボン及びアモルファスカーボンと
グラファイトの微結晶の混合物)である。
【0051】この工程d1は、図5に示す真空処理装置
を用いて行うものであり、同図では、前述した図1,2
に示す電子放出素子と同一構成部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。図5において、55は真空容
器、56は排気ポンプ、57は有機ガス供給源である。
【0052】真空容器55内には、図1,2の電子放出
素子が収容されている。即ち、1は基板、2は下部電
極、3は陽極酸化層、4は上部電極、51は電子放出素
子に素子電圧Vfを印加するための電源、50は下部電
極2,上部電極4間を流れる素子電流Ifを測定するた
めの電流計、54は電子放出素子の放出電子による電子
放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極である。5
3はアノード電極54に電圧を印加するための高圧電
源、52は電子放出素子より放出される電子放出電流I
eを測定するための電流計である。例えば、アノード電
極54の電圧を0〜10kVの範囲として、アノード電
極54と電子放出素子7との距離Hを100μm〜8m
mの範囲として製作及び測定を行うことができる。
【0053】真空容器55内には、図示を省略したが真
空計等の各種の測定機器が設けられていて、所定に設定
した真空雰囲気において測定,評価を行えるようになっ
ている。排気ポンプ56は、ターボポンプ,ロータリー
ポンプ等からなる高真空装置系と、イオンポンプ等から
なる超高真空装置系とにより構成されている。そして、
真空容器55に収容した電子放出素子は、図示しないヒ
ーターにより所定温度、例えば350℃に加熱される構
成となっている。
【0054】真空容器55に基板1を収容し、排気して
真空の雰囲気にした後に、有機ガス供給源57から有機
ガスを内部に導入して、有機物質のガスを含有する雰囲
気下で上部電極4,下部電極2間に電圧を印加する。こ
の電圧波形はパルス波形として繰り返し印加する。これ
には、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図6(a)に示した方法と、パルス波高値を増加
させながら電圧パルスを印加する図6(b)に示した方
法がある。
【0055】このパルス電圧の印加は、定電圧パルスを
連続的に印加する図6(a)の方法では、上部電極4あ
るいは下部電極2の一方を高電位に、他方を低電位に固
定することになり、上部電極4を低電位にすると、炭素
は主に高電位側の下部電極2に形成される。また、パル
ス波高値を漸次増加させて印加する図6(b)の方法で
は、上部電極4と下部電極2間において電位が交番する
ことになり、上部電極4,下部電極2の双方に炭素が形
成される。
【0056】図6(a)において、T1及びT2は電圧
波形のパルス幅とパルス間隔である。パルス幅T1は1
マイクロ秒〜10ミリ秒、パルス間隔T2は10マイク
ロ秒〜100ミリ秒の範囲で設定される。三角波の波高
値は、電子放出素子の形態に応じて適宜に選択される。
このような条件のもと、例えば、数秒から数十分間電圧
を印加する。パルス波形は三角波に限定されるものでは
なく、矩形波など適宜な波形を採用することができる。
【0057】図6(b)においてもパルス幅T1,パル
ス間隔T2は、図6(a)と同様とすることができ、三
角波の波高値は、例えば0.1Vステップ程度毎に増加
させることができる。
【0058】この雰囲気は、一旦十分に排気した真空中
に適当な有機物質のガスを導入することによっても得ら
れる。このときの好ましい有機物質のガス圧は、電子放
出素子の形態、真空容器55の形状や、有機物質の種類
などにより異なるため場合に応じて適宜に設定される。
適当な有機物質としては、アルカン,アルケン,アルキ
ンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール,
カルポン,スルホン酸等の有機酸類等を挙げることがで
き、具体的には、メタン,エタン,プロパンなどCn
2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン,プロピレンな
どCn2n等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、メタノール、エタノール、ホルムアル
デヒドアセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸等が使用できる。また、有機ガス
は、陽極酸化絶縁層3に形成された細孔5の径に応じて
も選択される。即ち、有機ガスの吸着は、細孔5の径に
も依存するからである。
【0059】(工程d2)工程d2は、有機材料を液体
状に存在させた雰囲気で、下部電極2側を陽極として電
圧を印加することにより陽極酸化絶縁層3の細孔5内に
炭素を形成する工程である。
【0060】図4と同様の装置を用いて電解液32をア
ルコールとし、下部電極2側を陽極として対向陽極33
との間で電解し、細孔5中にダイヤモンドライクカーボ
ンを下部電極2側から析出させる。
【0061】ダイヤモンドライクカーボンは、電解時間
に応じて細孔5内に柱状に成長して堆積する。
【0062】工程d1または工程d2の処理により、雰
囲気中に存在する有機物質から、炭素が陽極酸化絶縁層
3の細孔5内に堆積し、これにより素子電流If,電子
放出電流Ieが著しく変化するようになる。本工程の終
了判定は、素子電流If,電子放出電流Ieを測定しな
がら行う。
【0063】(工程e)工程eは安定化工程であり、製
作した電子放出素子の特性を安定化させる工程である。
本工程は、工程dを終了した陽極酸化絶縁層3の細孔5
内の炭素6について、有機材料の中間生成物及び基板1
等に吸着された有機ガス,水,酸素等を除去すること
で、素子電流If,電子放出電流Ieが、当該素子への
印加電圧に対して所定のしきい値以上では単調増加する
特性を付与することができる。
【0064】即ち、本工程は、真空容器55内の有機物
質を排気する工程であり、真空容器55の排気を行う排
気ポンプ56は、製作素子の特性に影響を与えないよう
にするため、オイルを使用しないものを用いるのが好ま
しい。具体的には、ソープションポンプ,イオンポンプ
等の真空排気装置が挙げられる。
【0065】真空排気装置内の有機成分の分圧は、炭素
及び炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3×
10-6Pa以下が好ましく、さらには1×10-8Pa以
下がより好ましい。さらに真空排気装置内を排気すると
きには、当該装置の全体を加熱して、装置内壁や電子放
出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが
好ましい。このときの加熱条件は、150〜300℃で
数時間以上が望ましいが、特にこの条件に限るものでは
ない。
【0066】安定化工程を行った後の駆動時の雰囲気
は、当該安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分に安定
な特性を維持することができる。また、このような真空
雰囲気を採ると、新たな炭素物の堆積を抑制でき、その
結果、素子電流If,電子放出電流Ieが安定する。
【0067】以上の構成により本実施形態の電子放出素
子は、陽極酸化絶縁層3がポーラス層3bを含む多層構
造とされ、最上層が緻密層3aとされる。この緻密層3
aはポーラス層3bと比較して表面が平坦で耐圧が高
い。ここに、陽極酸化絶縁層3の最上層を緻密層3aと
したので、陽極酸化絶縁層3について表面の平面性を良
好にでき、その上に形成される上部電極4の平面性を良
好に保持できる。従って、素子駆動時において表面近傍
の電界の乱れを防止でき、放出電子の軌道を安定化する
ことができる。
【0068】また、最上層の緻密層3aは耐圧がポーラ
ス層3bよりも高いので、当該素子の耐圧性も向上で
き、リーク電流を小さく抑えることができる。従って、
素子駆動時に絶縁破壊を起こし難くできて破壊の防止を
図れて、そして電子放出の効率を高く保つことができ
る。
【0069】その結果、これを用いた電子源,撮像装
置,画像形成装置については、放出電子の軌道が安定化
し、これにより扱う情報信号の再現性(解像度)を向上
することができる。
【0070】(第2実施形態)図8は、本発明の第2実
施形態を示し、電子放出素子を用いた撮像装置であり
(a)はその断面図、(b)はその平面図である。
【0071】図8において、90は支持枠、91は電子
源をなすリアプレート、92は下部電極をなすX方向配
線、93は陽極酸化絶縁層、94は上部電極をなすY方
向配線、95は例えばSe等の光導電部材、96は透明
電極、97はフェイスプレート、98は素子電圧Vfを
印加する駆動電源、99は光導電部材95へターゲット
電圧を印加するターゲット電源、900は電流増幅器で
ある。なお、駆動電源98の接続は、X方向配線92,
Y方向配線94の配列全てに対して選択的に接続される
が、同図には接続状態を省略して示している。
【0072】支持枠90には、上下にフェイスプレート
97,リアプレート91が固着されており、真空容器に
構成されている。
【0073】本実施形態は、真空容器内に、第1実施形
態の電子放出素子を多数配列して電子源とすると共に、
この電子源と光導電部材95とを対向させて備えて撮像
装置に構成したものである。
【0074】即ち、リアプレート91は電子源に構成さ
れており、X方向配線92の上に、引出し配線部を除い
て陽極酸化絶縁層93が形成され、さらにX方向配線9
2と直交させてY方向配線94が形成されていて、X方
向配線92とY方向配線94の交点部分が、図1に示す
ものと同様な電子放出素子となっている。
【0075】なお、当該撮像装置にあっては、後述する
ように電子ビームの収束系は必要なく、設けていない。
【0076】この撮像装置の動作は、いわゆる撮像管と
同様であり、リアプレート91上の電子源から放出され
た電子ビームにより読み出しが行われ、フェイスプレー
ト97に光が入力されると、光導電部材95において、
入射光によって生成されたホールが、光導電部材95に
印加された電界によってリアプレート91方向へ加速さ
れ、アバランシェ増倍される。一方、リアプレート91
上の電子源からは電子ビームが放出されるので、光導電
部材95には、蓄積されたホールに対応した分の電子注
入が起こり、それ以上の電子ビームは、リアプレート9
1方向へ戻されてY方向配線94に流れる。従って、光
導電部材95からは、入射光により生成されたホールに
対応した信号電流が、透明電極96を介して電流増幅器
へ出力される。
【0077】この場合、リアプレート91上の電子源
は、これへ用いた各電子放出素子が、放出電子の軌道を
安定化することができ、耐圧性に優れて電子放出を効率
良く行えることから、電子放出をばらつきなく安定に行
えて、扱う情報信号の再現性(解像度)を向上すること
ができる。また、電子放出がばらつかないので、電子ビ
ームの収束系は必要なく、装置構成を簡略化することが
できる。
【0078】(第3実施形態)図9は、本発明の第3実
施形態を示し、電子放出素子を用いた画像形成装置であ
り(a)はその断面図、(b)はその平面図である。
【0079】図9において、100はリアプレート、1
01は電子源基板、102は下部電極をなすX方向配
線、103は陽極酸化絶縁層、104は上部電極をなす
Y方向配線、105はメタルバック、106は蛍光膜、
107はフェイスプレート、108は素子電圧Vfを印
加する駆動電源、109はメタルバック105へアノー
ド電圧を印加する高圧電源、110は支持枠である。な
お、駆動電源108の接続は、X方向配線102,Y方
向配線104の配列全てに対して選択的に接続される
が、同図には接続状態を省略して示している。
【0080】支持枠110には、上下にフェイスプレー
ト107,リアプレート100が固着されており、真空
容器に構成されている。
【0081】本実施形態は、真空容器内に、図3に示す
構成の電子放出素子を多数配列して電子源とすると共
に、この電子源と画像形成部材(蛍光膜106)とを対
向させて備えて画像形成装置に構成したものである。
【0082】即ち、電子源基板101には電子源が構成
されており、X方向配線102の上に、引出し配線部を
除いて陽極酸化絶縁層103が形成され、さらにX方向
配線102と直交させてY方向配線104が形成されて
いて、X方向配線102とY方向配線104の交点部分
が、図3に示すものと同様な電子放出素子となってい
る。そして、陽極酸化絶縁層103は、図3に示すよう
に、緻密層3c,ポーラス層3b,緻密層3aの三層構
造に形成されている。
【0083】蛍光膜106は、R(赤),G(緑),B
(青)の各色の蛍光体及びブラックストライプを備えて
形成され、メタルバック105はAl等により形成され
ている。
【0084】以上のように構成した画像形成装置におい
て、電子源基板101上に2次元配列された各電子放出
素子には、図示しない信号発生手段から走査信号,変調
信号をX方向配線102列,Y方向配線104列へそれ
ぞれ印加して、選択的に電子放出を起こさせるものであ
り、このときメタルバック105には高圧電源109か
ら数kV以上の高電圧を印加して電子ビームを加速し、
蛍光膜106へ衝突させて励起,発光させ、これにより
画像の表示を行う。
【0085】この場合、電子源基板101上の電子源
は、これへ用いた各電子放出素子が、放出電子の軌道を
安定化することができ、耐圧性に優れて電子放出を効率
良く行えることから、電子放出をばらつきなく安定に行
える。従って、扱う情報信号の再現性(解像度)を向上
することができ、高精細で明るい画像を表示できる。
【0086】また、電子放出がばらつかないので、電子
ビームの収束系は必要なく、装置構成を簡略化すること
ができる。
【0087】
【実施例】以下、本発明にかかる電子放出素子及びその
製造方法とそれを用いた電子源,撮像装置,画像形成装
置の実施例を説明する。
【0088】(実施例1及び比較例1)実施例1は、図
1及び図2に示す構成の電子放出素子を製作したもので
あり、第1実施形態で説明した製造工程に従って実施し
た。
【0089】図7は、実施例1で製作した電子放出素子
の基体を示し、(a)はその平面図、(b)は(a)を
B−B矢視した断面図である。
【0090】図7において、1は基板、73は陽極酸化
絶縁層、71は帯状の下部電極、72は帯状の上部電
極、74は下部電極71と上部電極72の交差部であ
り、本実施例では基板1上に、図1の電子放出素子を5
個並べて製作した。
【0091】(工程a)基板1上に、金属あるいは半導
体の下部電極71を形成する工程aを行った。つまり、
石英ガラスの基板1を、洗剤,純水及び有機溶剤等を用
いて十分に洗浄し、Al材料をスパッタ法により膜厚2
00nmに堆積させた後、フォトリソグラフィー技術を
用いて、下部電極71となる帯状パターンを基板1上に
5本並べて形成した。また、それら下部電極71の一部
を、端子とするため鍍金用マスク樹脂で覆った。
【0092】(工程b)下部電極71の上部を陽極酸化
する工程bを行った。つまり、図4に示す陽極酸化装置
を用いて、工程aで製作したAlによる下部電極71の
上部を陽極酸化させた。対向電極33にはPt電極を用
いた。陽極酸化は、対向電極33を陰極とし、基板1に
設けた下部電極71を陽極にして以下のように行った。
【0093】第一の陽極酸化である緻密層の形成は、5
%酒石酸溶液にアンモニアを加えてpH6に調合した室
温の溶液を電解液32とし、当該溶液中において10μ
A/cm2 の定電流で膜厚20nmまで酸化を行った。
形成した緻密層は、ポーラス層よりも表面が平坦で耐圧
が高く、この時点では細孔を有しない。
【0094】第二の陽極酸化であるポーラス層の形成
は、液温5℃で濃度0.3mol/lのシュウ酸水溶液
を電解液32とし、当該溶液中において40Vの定電圧
で膜厚100nmまで酸化を行った。このとき、電流値
は最終的に1〜2mA/cm2でほぼ一定になり、当該
ポーラス層及び上部の緻密層に細孔が形成された。
【0095】このとき孔底には、バリアー層と呼ばれる
酸化層が膜厚40nm程度に形成されたので、引き続き
浴槽31中で電流回復法及びガルバニック溶解法を行っ
た後に、5%リン酸溶液中でエッチングを行って孔底の
バリアー層を取り除いた。
【0096】次に、陽極酸化絶縁層73を形成した基板
1を、十分に水洗した後、真空中で乾燥させた。
【0097】(工程c)陽極酸化絶縁層73の上に、上
部電極72を形成する工程cを行った。つまり、上部電
極72となる帯状パターンを、10nmの膜厚で、下部
電極71と同様にして交差方向に1本形成した。
【0098】(工程d1)有機材料を気体状に存在させ
た雰囲気で、陽極酸化絶縁層73の細孔内に炭素を形成
する工程d1を行った。つまり、図5に示す真空処理装
置を用いて、真空容器55に基板1を収容し、10-1
aアセトンのガスを含有する雰囲気下で、上部電極72
及び下部電極71に電圧を印加した。この印加電圧は、
図6(a)のような定電圧パルスであるが、ここではパ
ルス波高値10V,パルス幅T1は1ms,パルス間隔
T2を10msとした矩形波パルスを30分間印加し
た。そして、このとき同時に当該素子の電流をモニター
した。
【0099】(工程e)安定化工程を行った。つまり、
アセトンガスを十分に排気した後、250℃で加熱しな
がら10時間排気した。こうして図1に示す電子放出素
子の製作を完了した。
【0100】比較例1は、上述した製造工程で工程bの
みが異なる電子放出素子を製作したものであり、つまり
工程bにおいて、第一の陽極酸化である緻密層の形成を
行わずに、第二の陽極酸化であるポーラス層の形成のみ
を行った。具体的には、図4の装置を用いて、液温5℃
で濃度0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電解液32
とし、当該溶液中で、40Vの定電圧で膜厚120nm
まで酸化を行った。このとき電流値は最終的に1〜2m
A/cm2 でほぼ一定になり、細孔が形成された。
【0101】(評価)製作した素子基板を図5の真空処
理装置に収容し、各素子の下部電極71,上部電極72
及びアノード電極54に電圧を印加して、素子電流I
f,電子放出電流Ie,素子電圧Vfについて電圧電流
特性を測定した。同時に、素子電圧Vfをゆっくり掃引
して、電圧負性抵抗(VCNR)特性が発生するかどう
か確認した。また、電子ビームをアノード電極54に設
置した蛍光体の発光により観察した。そして、測定を終
了した後に、製作サンプルを電子顕微鏡,TEM等で観
察した。
【0102】その結果、実施例1の電圧電流特性は、素
子電流If,電子放出電流Ie共に、しきい値(Vt
h)以上では単調増加特性を示した。そして、しきい値
以下では、無視できる電流であった。従って、実施例1
については、素子電流If,電子放出電流Ieが共に非
線形特性を示す非線形素子であることを確認できた。
【0103】また、比較例1と比較すると、実施例1の
電子放出素子はより低い素子電圧Vfで駆動できること
を確認した。そして、実施例1の素子は、比較例1より
も耐圧が高く、リーク電流が小さいことを確認した。さ
らに、アノード電極54で観察された電子ビーム径は、
上部電極72と下部電極71の重なり部分とほぼ等し
く、比較例1よりも小さな電子ビーム径であった。
【0104】電子顕微鏡で観察すると、陽極酸化絶縁層
73において、何れも図1(b)に示したような規則的
な細孔5が観察された。細孔の密度は、3×1010個/
cm2 であった。さらに、TEMサンプルを製作して観
察したところ、何れも細孔の中に、グラファイト質の炭
素が存在していることを確認できた。
【0105】(実施例2及び比較例2)実施例2は、図
3に示す構成の電子放出素子を製作したものである。即
ち、図3の断面図に示すように、陽極酸化絶縁層3とし
て緻密層3c,ポーラス層3b,緻密層3aの三層を設
けており、その製造は以下のように実施した。
【0106】(工程a)工程aは実施例1と同様に行っ
た。
【0107】(工程b)下部電極2の上部を陽極酸化す
る工程bを行った。この実施例2は、緻密層を2層、ポ
ーラス層を1層形成するので3回陽極酸化を行う。実施
例1と同様に、図4の装置を用いて、工程aで製作した
Alの下部電極2の上部を陽極酸化させた。
【0108】第一の陽極酸化である緻密層3aの形成
は、5%酒石酸溶液にアンモニアを加えてpH6に調合
した室温の溶液を電解液32とし、当該溶液中において
10μA/cm2 の定電流で膜厚20nmまで酸化を行
った。形成した緻密層3aは、ポーラス層よりも表面が
平坦で耐圧が高く、この時点では細孔を有しない。
【0109】第二の陽極酸化であるポーラス層3bの形
成は、液温5℃で濃度0.3mol/lのシュウ酸水溶
液を電解液32とし、当該溶液中において40Vの定電
圧で膜厚90nmまで酸化を行った。このとき電流値は
最終的に1〜2mA/cm2でほぼ一定になり、当該ポ
ーラス層3b及び上部の緻密層3aに細孔5が形成され
た。
【0110】第三の陽極酸化である緻密層3cの形成
は、第一の陽極酸化と同様にして、膜厚10nmまで酸
化を行った。
【0111】このとき孔底には、バリアー層と呼ばれる
酸化層が膜厚50nm程度に形成されたので、シュウ酸
溶液中で電流回復法及びガルバニック溶解法さらに真空
中のイオンミリング法を行って孔底のバリアー層を取り
除いた。
【0112】次に、陽極酸化絶縁層3を形成した基板1
を、十分に水洗した後、真空中で、乾燥させた。
【0113】工程c,d,eは実施例1と同様に行い、
図3に示すように、緻密層3c,ポーラス層3b,緻密
層3aからなる陽極酸化絶縁層3を備えた電子放出素子
の製作を完了した。
【0114】比較例2は、上述した製造工程で工程bの
みが異なる電子放出素子を製作したものであり、即ち、
工程bにおいて、第一,第三の陽極酸化である緻密層の
形成を行わずに、第二の陽極酸化であるポーラス層の形
成のみを行った。具体的には、図4の装置を用いて、液
温5℃で濃度0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電解
液32とし、当該溶液中において40Vの定電圧で膜厚
120nmまで酸化を行った。このとき電流値は最終的
に1〜2mA/cm2 でほぼ一定になり、細孔が形成さ
れた。
【0115】(評価)製作した電子放出素子について、
実施例1と同様にして電圧電流特性等を評価した。
【0116】その結果、実施例2の電圧電流特性は、素
子電流If,電子放出電流Ie共に、しきい値(Vt
h)以上では単調増加特性を示した。そして、しきい値
以下では、無視できる電流であった。従って、実施例2
については、素子電流If,電子放出電流Ieが共に非
線形特性を示す非線形素子であることを確認できた。
【0117】また、比較例2と比較すると、実施例2の
電子放出素子はより低い素子電圧Vfで駆動できること
を確認した。そして、実施例2の素子は、比較例2より
も耐圧が高く、リーク電流が小さいことを確認した。さ
らに、アノード電極54で観察された電子ビーム径は、
上部電極4と下部電極2の重なり部分とほぼ等しく、比
較例2よりも小さな電子ビーム径であった。
【0118】電子顕微鏡で観察すると、陽極酸化絶縁層
3において、何れも図1(b)に示したような規則的な
細孔5が観察された。細孔の密度は、3×1010個/c
2であった。さらに、TEMサンプルを製作して観察
したところ、何れも細孔の中に、グラファイト質の炭素
が存在していることを確認できた。
【0119】(実施例3及び比較例3)実施例3は、図
1に示す構成の電子放出素子を製作したものであること
は実施例1と同様であるが、本実施例では炭素6を形成
する工程を変更していて、有機材料を液体状に存在させ
た雰囲気で、炭素あるいはダイアモンドライクカーボン
を形成することにしたもので、その製造は以下のように
実施した。
【0120】(工程a,b)は実施例1と同様に行っ
た。
【0121】(工程c)陽極酸化絶縁層3の上に、上部
電極4を形成する工程cを行った。つまり、Pt材料を
スパッタ法により膜厚10nmに堆積させて上部電極4
を形成した。
【0122】(工程d2)有機材料を液体状に存在させ
た雰囲気で、陽極酸化絶縁層3の細孔5内に炭素を形成
する工程d2を行った。つまり、図4と同様の装置を用
いて電解液32をエチルアルコールとし、下部電極2側
を陽極として対向電極33(Pt陰極)との間で1時間
電解させた。この電解中には、図示しないヒーターによ
り加熱して電解液32の温度を60℃とした。次に、陽
極酸化絶縁層3を形成した基板1を、十分に水洗した
後、真空中で乾燥させた。
【0123】(工程e)安定化工程eを実施例1と同様
に行った。こうして図1に示す電子放出素子の製作を完
了した。
【0124】比較例3は、上述した製造工程で工程bの
みが異なる電子放出素子を製作したものであり、つまり
工程bにおいて、第一の陽極酸化である緻密層3aの形
成を行わずに、第二の陽極酸化であるポーラス層3bの
形成のみを行った。具体的には、図4の装置を用いて、
液温5℃で濃度0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電
解液32とし、当該溶液中において40Vの定電圧で膜
厚120nmまで酸化を行った。このとき電流値は最終
的に1〜2mA/cm2 でほぼ一定になり、細孔が形成
された。
【0125】(評価)製作した電子放出素子について、
実施例1と同様にして電圧電流特性等を評価した。
【0126】その結果、実施例3の電圧電流特性は、素
子電流If,電子放出電流Ie共に、しきい値(Vt
h)以上では単調増加特性を示した。そして、しきい値
以下では、無視できる電流であった。従って、実施例3
については、素子電流If,電子放出電流Ieが共に非
線形特性を示す非線形素子であることを確認できた。
【0127】また、電子放出電流Ieは、実施例1のも
のと比べて5倍であった。これは、細孔内の炭素の仕事
関数の低さ、あるいは形状の影響と考えられる。
【0128】また、比較例3と比較すると、実施例3の
電子放出素子はより低い素子電圧Vfで駆動できること
を確認した。そして、実施例3の素子は、比較例3より
も耐圧が高く、リーク電流が小さいことを確認した。さ
らに、アノード電極54で観察された電子ビーム径は、
上部電極4と下部電極2の重なり部分とほぼ等しく、比
較例3よりも小さな電子ビーム径であった。
【0129】電子顕微鏡で観察すると、陽極酸化絶縁層
3において、多孔質性の孔が観察された。さらに、ラマ
ン及平面TEMサンプルを製作して観察したところ、孔
の中に、ダイアモンドライクカーボンが存在しているこ
とを確認できた。
【0130】(実施例4)実施例4は、実施例1の電子
放出素子を多数配列して単純マトリックスの電子源に構
成し、これを用いて図8に示す撮像装置を製作したもの
である。
【0131】即ち、前述した第2実施形態の撮像装置を
製作したものであり、リアプレート91上の電子源をな
す各電子放出素子については、大きさを50μm□とし
て実施例1と同様に製作した。また、光導電部材97
は、Seを抵抗加熱蒸着法により厚さ4μmに堆積させ
て形成した。リアプレート91と光導電部材97の間隔
は1mmとした。
【0132】製作した撮像装置を動作させたところ、電
子源をなす各電子放出素子の大きさに1:1に対応した
信号電流が得られ、その動作を確認できた。
【0133】(実施例5)実施例5は、実施例2の電子
放出素子を多数配列して単純マトリックスの電子源に構
成し、これを用いて図9に示す画像形成装置を製作した
ものである。
【0134】即ち、前述した第3実施形態の画像形成装
置を製作したものであり、電子源基板101上には20
0×(160×3)の電子放出素子を配列して電子源を
構成し、それら各電子放出素子については、大きさを4
0μm□として実施例2と同様に製作した。また、蛍光
膜106には、CRT用の高加速蛍光体P22を用い
た。
【0135】製作した画像形成装置を動作させたとこ
ろ、高精細で明るい画像を表示できることを確認した。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電子放出素
子及びその製造方法とそれを用いた電子源,撮像装置,
画像形成装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0137】(1)本発明の電子放出素子は、陽極酸化
絶縁層がポーラス層を含む多層構造とされ、少なくとも
最上層が緻密層とされる。この緻密層はポーラス層と比
較して表面が平坦で耐圧が高い。ここに、陽極酸化絶縁
層の最上層を緻密層としたので、陽極酸化絶縁層につい
て表面の平面性を良好にでき、その上に形成される上部
電極の平面性を良好に保持できる。従って、素子駆動時
において表面近傍の電界の乱れを防止でき、放出電子の
軌道を安定化することができる。
【0138】また、最上層の緻密層は耐圧がポーラス層
よりも高いので、当該素子の耐圧性も向上でき、リーク
電流を小さく抑えることができる。従って、素子駆動時
に絶縁破壊を起こし難くできて破壊の防止を図れて、そ
して電子放出の効率を高く保つことができる。
【0139】その結果、電子源,撮像装置,画像形成装
置等へ好ましく適用することができる。
【0140】(2)本発明の電子源は、これへ用いた各
電子放出素子が、放出電子の軌道を安定化することがで
き、耐圧性に優れて電子放出を効率良く行えることか
ら、電子放出をばらつきなく安定に行えて、扱う情報信
号の再現性(解像度)を向上することができる。
【0141】(3)本発明の撮像装置は、これへ用いた
各電子放出素子が、放出電子の軌道を安定化することが
でき、耐圧性に優れて電子放出を効率良く行えることか
ら、電子放出をばらつきなく安定に行えて、扱う情報信
号の再現性(解像度)を向上することができる。
【0142】(4)本発明の画像形成装置は、これへ用
いた各電子放出素子が、放出電子の軌道を安定化するこ
とができ、耐圧性に優れて電子放出を効率良く行えるこ
とから、電子放出をばらつきなく安定に行える。従っ
て、扱う情報信号の再現性(解像度)を向上することが
でき、高精細で明るい画像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、(a)は電子放
出素子の断面図、(b)は(a)のA部分を拡大した斜
視図である。
【図2】図1(a)の一部を拡大した断面図である。
【図3】実施例2の電子放出素子を示す断面図である。
【図4】本発明の電子放出素子の製造に用いた陽極酸化
装置を示す構成図である。
【図5】本発明の電子放出素子の製造に用いた真空処理
装置を示す構成図である。
【図6】電子放出部となる炭素の形成工程での電圧波形
を示すタイミング図である。
【図7】実施例1の電子放出素子を示し、(a)はその
平面図、(b)は(a)をB−B矢視した断面図であ
る。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、(a)は電子放
出素子を用いた撮像装置の断面図、(b)はその平面図
である。
【図9】本発明の第3実施形態を示し、(a)は電子放
出素子を用いた画像形成装置の断面図、(b)はその平
面図である。
【図10】従来の電子放出素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板(基体) 2,71 下部電極 3,73,93,103 陽極酸化絶縁層 3a、3c 緻密層 3b ポーラス層 4,72 上部電極 5 細孔 6 炭素(電子放出部) 31 浴槽 32 電解液 33 対向電極 34 電源 35 Oリング 50 電源 51,52 電流計 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 57 有機ガス供給源 74 交差部 90,110 支持枠(枠部材) 91,100 リアプレート(第一基板または第二基
板) 92,102 X方向配線 94,104 Y方向配線 95 光導電部材 96 透明電極 97,107 フェイスプレート(第二基板または第
一基板) 98,108 駆動電源 99 ターゲット電源 101 電子源基板 105 メタルバック 106 蛍光膜 109 高圧電源

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、下部電極,細孔を有する陽極
    酸化絶縁層,上部電極の順なる積層構成を有し、前記陽
    極酸化絶縁層の細孔内に、少なくとも炭素を有する電子
    放出素子において、前記陽極酸化絶縁層はポーラス層を
    含む多層構造にして、少なくとも最上層は表面が平坦で
    耐圧が高い緻密層としたことを特徴とする電子放出素
    子。
  2. 【請求項2】 前記陽極酸化絶縁層を、緻密層,ポーラ
    ス層,緻密層となる三層構造としたことを特徴とする請
    求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記陽極酸化絶縁層を、アルミニウムを
    陽極酸化して形成される酸化アルミニウム層としたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記緻密層の膜厚を、電子がトンネリン
    グしない膜厚以上としたことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 前記緻密層の膜厚が、10nm以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電
    子放出素子。
  6. 【請求項6】 前記緻密層の膜厚が、20nm以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電
    子放出素子。
  7. 【請求項7】 前記陽極酸化絶縁層の細孔内の炭素が、
    下部電極と電気的に接続されていることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 前記炭素が、グラファイトもしくはダイ
    ヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載の電子放出素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の電子放
    出素子を、基体上に多数配列して備えたことを特徴とす
    る電子源。
  10. 【請求項10】 基体上に帯状配線を多数配列して前記
    下部電極の配列群とし、それら下部電極の配列群の上
    に、前記陽極酸化絶縁層を帯状に設けると共に、さらに
    帯状配線を交差させて多数配列して前記上部電極の配列
    群としたことを特徴とする請求項9に記載の電子源。
  11. 【請求項11】 平行に離間させた第一基板と第二基板
    の隙間に枠部材を設けて封止した真空容器内に、請求項
    9または10に記載の電子源を、光導電部材と対向させ
    て備えたことを特徴とする撮像装置。
  12. 【請求項12】 平行に離間させた第一基板と第二基板
    の隙間に枠部材を設けて封止した真空容器内に、請求項
    9または10に記載の電子源を、画像形成部材と対向さ
    せて備えたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 基体上に下部電極を形成する工程1
    と、前記工程1で形成した下部電極あるいは多層化の前
    工程で形成した陽極酸化層を陽極酸化して、表面が平坦
    で耐圧が高い緻密層を形成する工程2と、前記工程2で
    形成した緻密層あるいは多層化の前工程で形成した陽極
    酸化絶縁層の下に、上下に貫通する細孔を持つポーラス
    層を陽極酸化により形成する工程3と、前記工程2,3
    を適宜に繰り返して形成した多層の陽極酸化絶縁層の上
    に上部電極を形成する工程4と、有機材料の存在下で、
    前記上部電極と下部電極との間に電圧を印加する工程5
    とを有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記工程2での緻密層を形成する陽極
    酸化を、弱酸性の溶液中で定電流を通電する陽極酸化と
    し、前記工程3でのポーラス層を形成する陽極酸化を、
    強酸性の溶液中で定電圧を印加する陽極酸化とすること
    を特徴とする請求項13に記載の電子放出素子の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN114540910A (zh) * 2020-11-25 2022-05-27 比亚迪股份有限公司 一种金属部件及其制备方法
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