JP2000285773A - 真空スイッチ - Google Patents

真空スイッチ

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JP2000285773A
JP2000285773A JP9336499A JP9336499A JP2000285773A JP 2000285773 A JP2000285773 A JP 2000285773A JP 9336499 A JP9336499 A JP 9336499A JP 9336499 A JP9336499 A JP 9336499A JP 2000285773 A JP2000285773 A JP 2000285773A
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JP
Japan
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current
electrode
field
electron emitting
arc
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Pending
Application number
JP9336499A
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English (en)
Inventor
Tadashi Sakai
忠司 酒井
Toru Kamikawaji
徹 上川路
Kazuyuki Tsurunaga
和行 鶴永
Tomio Ono
富男 小野
Toshi Cho
利 張
Kazuya Nakayama
和也 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮断器開閉時のアークを抑制し、スムーズで
速やかな電流遮断、投入を実現する真空スイッチを提供
する。 【解決手段】 減圧下に対向配置され、接触・開離機構
を有する電極からなる真空スイッチにおいて、電極表面
の少なくとも一部に電界電子放出材料層を設け、電極開
離時に表面の溶融・蒸発を生じることなく、電界電子放
出を生起させ、これにより緩和電流を流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空スイッチの改良
にかかわる。
【0002】
【従来の技術】真空スイッチ(真空バルブとも呼ぶ)
は、真空の絶縁容器中に対向配置された電極を機械的に
接触(投入)、開離(開極)させることにより、電流を
オンオフする、主に高耐圧・大電流用途に用いられるス
イッチである。本スイッチは半導体スイッチと比べた場
合、単体の半導体デバイスでは不可能な10kV以上の
高い耐電圧性能を有する。数百A以上の大電流を流せ
る。オン時の抵抗が極めて小さいなどの優れた特徴を有
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遮断時
に、アークが発生し、交流の場合電流零点までまたない
と実際には電流が遮断されないという性質を持ってい
る。また、直流の場合にはこの電流零点がないため、一
般には遮断が困難である。このため、短絡事故発生など
により過大な事故電流が流れ始めた際に、電極を開離し
ても電流零点まで電流が流れつづける。50Hzの場合
には開極から、実際の電流遮断まで10msecを超え
る遅れが生じうる。この間に過大な電流が系統を流れ,
周辺への影響が生じうるという課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
かんがみてなされたもので、対向電極の表面の少なくと
も一部に低電界電子放出領域を形成し、開極動作に伴っ
て生じる極間の電位差により両極間に電子の直接的な電
界放出を誘起させる。これにより、アークの発生を抑制
するとともに、電極間距離の増大に伴ってスムーズに電
流を減少させ、速やかな遮断を実現しようとするもので
ある。この低電界電子放出領域にダイヤモンド、DL
C、a−Cなどの炭素系材料を用いることができる。
【0005】さらに、開極時の最終接触領域に抵抗成分
を設け、先に離間し始めた領域間の電位差を増幅させ、
電界放出を促進させることもできる。また、低電界放出
材料層領域は極表面からわずかに後退させた非接触領域
に設け、投入時の機械的衝撃から保護することもでき
る。 (作用)本発明の骨子は、遮断時には原理的に避けがた
い電流の緩和を金属蒸気のプラズマであるアークによら
ず、電界放出電子を媒体として行わせるための構成にあ
る。まず、通常の電極における開極時のアーク発生過程
を考えてみると、両極の開極動作に伴って、たとえばn
個所の接触点により流れていた電流パスも最終的には最
後の1点で開離することになる。この過程で電流集中に
よりジュール熱が発生し、電極を形成する金属の溶融・
蒸発が生じこれがプラズマ源となってアークが発生す
る。図6はこの過程における開極動作と電流・電圧・ア
ークの関係を模式的に示したものである。
【0006】そこで本発明では、上記の金属蒸気が生じ
る前に先に離間し始めた電極表面間で電子を直接電界放
出させ、これにより電流を担う。これにより過度の電流
集中を防ぎ、電極表面の溶融・蒸発を抑制しようとする
ものである。電極の一部がまだ接触状態にある状態での
わずかな電位差では通常の電極材料では電子放出は困難
であるが、炭素系をはじめとする低電界電子放出材料を
用いることによって、これを誘起させることが可能にな
る。
【0007】これにより、接触点の減少に伴って電界放
出電流が増えていき、過度の電流集中による金属蒸気の
発生無しに電極が離れる。また、引き続き電極が離れて
いくにしたがって、電界強度が低下するため、電界放出
電流が減少し最終的には遮断される。開極後の電流を電
界放出電子にすることによって、アークのようななだれ
降伏によるキャリアの増幅のような現象が生じず、極間
距離の増大毎に速やかに平衡状態になり、電流は減少す
る。
【0008】また、通電開始時には、電極の接近に伴
い、極間の電界強度が増大し、上記低電界電子放出層の
しきい電界を上回ったところで電子放出が始まり、電流
が流れ始める。この電界放出電子による電流は極間距離
の減少に伴って増加し、電極接触開始時に最初に接触し
始めた点での過大な電流集中を生じることなく、ソフト
に電流を投入することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下図に従って
説明する。
【0010】図1に示したのは、本発明のもっとも基本
的な実施例である。本実施例では、真空スイッチの電極
表面の一部を電界電子放出層で形成する。具体的には、
通常の方法に従って作製される電極の表面にプラズマC
VD法などにより炭素系薄膜を形成する。膜は結晶性の
ポリダイヤモンドのみならず、非晶質のいわゆるダイヤ
モンドライクカーボン、アモルファスカーボンなども可
能であるが、電流再投入時の衝撃への耐久性からダイヤ
モンド系の硬質材料がより望ましい。また、電子放出し
きい電界を調節するために、ボロン、窒素などのドーピ
ングを行うこともできる。本実施例においては、ボロン
ドープにより、低抵抗化し、電子放出しきい電界を約1
0V/μmに調節した多結晶性ダイヤモンド層を用い
た。この後に、公知の方法によって電極を対向配置し、
真空絶縁容器に封じて作製される。
【0011】図2に示したのは本発明の真空スイッチの
遮断(電極開離)時の電流・電圧特性である。図に示す
ように、従来のスイッチでは、たとえば事故により過大
電流が流れ始め、これに対応するため、開極動作がはじ
まっても、アークプラズマの生成により、電流は流れつ
づけ、電流零点に至って初めて遮断される。これに対し
て、本実施例では、開極に伴い、電流は電界放出電子電
流に置き換わり、電極が相互に接触しなくなった瞬間に
も電流は流れつづけるが、電極の開離により、電界が低
下すると速やかに電子放出が収まり、従来の電流ゼロ点
を待つことなく、遮断される。
【0012】図3に示したのは、本発明のその他の実施
例である。ここでは、電界放出材料領域を電極の接触面
から後退させた部分に設けている。これにより、電流再
投入時の機械的な衝撃による電界放出層の損耗を防ぐこ
とができる。
【0013】さらに、図4に示したのも別の実施例であ
り、この例では、電極表面の一部に抵抗性の領域を設
け、これが最後に開離するように高さを調節しておく。
これにより、開極動作時に抵抗領域の電流がメインにな
った時点で極間に電位差が生じ、電界電子放出を促すこ
とができる。
【0014】上述の電位差発生用抵抗層は電界電子放出
層と兼用することもできる。ダイヤモンドはそれ自体が
抵抗を持っており、電界電子放出機能と同時にこの電位
差発生機能をもつ。
【0015】図5は電界電子放出領域を電極の外周部
に、電極面よりも後退させて設けた例である。
【0016】
【発明の効果】本発明により、従来の導体電極による真
空スイッチの課題であった開極時アークによる電流遮断
の遅延および電極表面の損耗を改善することができる。
すなわち、アークの発生を抑えて、電界放出電子を媒体
とすることによって、スイッチとして電流の緩和を保ち
ながら、開極完了までの時間のみで電流遮断を実現でき
る。これにより、長寿命でかつ遮断時間の短い真空スイ
ッチを実現できる。また、電流投入時も、電極の接近に
伴ってスムーズに電流が流れ始め、ソフトな電流投入を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】主たる実施例を示す断面図。
【図2】本発明の遮断時電流・電圧特性を示すグラフ。
【図3】その他の実施例を示す断面図。
【図4】その他の実施例を示す断面図。
【図5】その他の実施例を示す断面図。
【図6】従来の真空スイッチの遮断過程。
フロントページの続き (72)発明者 鶴永 和行 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 小野 富男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 張 利 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中山 和也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極および当該電極と接触・離間
    可能な第2の電極が、減圧下で相対配置されており、且
    つ当該電極表面に電界電子放出領域を設けたことを特徴
    とする真空スイッチ。
  2. 【請求項2】 電界電子放出領域として炭素系電子放出
    膜を形成したことを特徴とする請求項1記載の真空スイ
    ッチ。
  3. 【請求項3】 離間時の最終接触領域に抵抗成分を有す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の真空スイ
    ッチ。
JP9336499A 1999-03-31 1999-03-31 真空スイッチ Pending JP2000285773A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017150079A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 国立大学法人東京工業大学 直流遮断器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017150079A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 国立大学法人東京工業大学 直流遮断器
JPWO2017150079A1 (ja) * 2016-03-02 2018-12-20 国立大学法人東京工業大学 直流遮断器

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