JP2000285360A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP2000285360A
JP2000285360A JP11092794A JP9279499A JP2000285360A JP 2000285360 A JP2000285360 A JP 2000285360A JP 11092794 A JP11092794 A JP 11092794A JP 9279499 A JP9279499 A JP 9279499A JP 2000285360 A JP2000285360 A JP 2000285360A
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closed loop
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adder
deviation
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Sunao Ronte
素直 論手
Shigemi Yamaguchi
茂実 山口
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Anritsu Corp
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Anritsu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、計測信号から雑音成分を分離する
際に、フィルタの群遅延時間相当分を短縮し、処理の高
速化を図る。 【解決手段】 A/D変換部2とD/A変換部4との間
にて計測信号を処理する閉ループ回路10〜10
しては、加算器11が、A/D変換部から入力された入
力信号からD/A変換部側へ出力された出力信号を減算
して得られた偏差信号を出力し、増幅器12がこの偏差
信号を増幅処理して得られた偏差増幅信号を出力し、フ
ィルタ部13が、この偏差増幅信号を周波数選択処理
し、この処理結果を前回の出力信号に加算してD/A変
換部側に出力し、信号帰還部14が、フィルタ部13か
らD/A変換部側に出力された出力信号を抽出して加算
器11に帰還させる信号処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば重量計測の
如き、信号成分が移行する過渡応答状態を有し、且つ信
号成分に雑音成分の重畳した混合信号を処理し、雑音成
分を分離する信号処理装置に係り、特に、処理の高速化
を実現し得る信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図10に示す如き信号成分Sに
雑音成分Nの重畳してなる混合信号(S+N)を処理
し、雑音成分Nを分離して信号成分Sのみを抽出する分
野では、雑音分離フィルタを有する信号処理装置が広く
用いられている。
【0003】ここで、信号成分Sは、例えば秤の重量セ
ンサ等の如きセンサから得られ、実用上、大半の場合、
直流信号(定常状態)もしくは正弦波の合成信号で表現
可能な信号(過渡応答状態)となる。
【0004】例えば、センサの計測開始時(t=t0)
には、信号成分Sがゼロである。続いて、信号成分S
は、その大きさが計測時間の経過に伴って移行する過渡
応答状態となり(t=t0〜t1)、定常状態にて安定
する(t=t1〜)。また、雑音成分Nは、多くの場
合、センサに物理的に接続される電気的・機械的インピ
ーダンスに関連した電気的・機械的な固有振動周波数帯
域に存在し、信号成分Sに重畳して混合信号(S+N)
を構成する。すなわち、混合信号(S+N)は、図11
に示すように、ある固有振動周波数fsをもつ信号成分
Sと、このfsとは異なる固有振動周波数f1,f2を
もつ雑音成分Nとからなる周波数特性(振幅特性)を図
10の各時間において有している。
【0005】一方、計測結果は、定常状態の混合信号
(S+N)のうち、信号成分Sのみに対応する。このた
め、混合信号(S+N)から雑音成分Nを分離して信号
成分Sのみを抽出する必要がある。但し、分離・抽出の
際に、間接的に付加的な影響(過渡応答によるリンギン
グ等)を信号成分Sに与えないことが要求される。
【0006】図12は係る雑音分離フィルタの一例とし
てのIIR(infinite impulse response) フィルタを有
する信号処理装置の構成を示す模式図である。この信号
処理装置は、センサ1からの計測信号をA/D変換する
A/D変換部2と、A/D変換部2からの入力信号を周
波数選択処理するk段のIIRフィルタ3〜3と、
IIRフィルタ3の処理結果をD/A変換するD/A
変換部4とを備えている。なお、IIRフィルタ3
は、複数個が従属接続されたこの例に限らず、複数
個が並列接続されてもよく、また、1個のみでもよい。
また、各IIRフィルタ3〜3は、互いに同一構成
のため、ここでは1段目のIIRフィルタ3を例に挙
げて述べる。
【0007】ここで、IIRフィルタ3は、幾つかの
形式のうちの直接標準形と呼ばれるものであり、回路網
上において、2次の伝達関数を構成するのに2個のメモ
リ(遅延器)5a,5bが使用されている。また、乗算
器係数α1,α2,β1,β2が夫々設定された4つの
乗算器6a〜6dと、回路網における各信号線上の信号
を加算して出力するための4つの加算器7a〜7dとが
使用されている。すなわち、IIRフィルタ3は、メ
モリ5a,5b、乗算器6a〜6d及び加算器7a〜7
dの3種類の素子の組合せにより、所望の伝達特性を得
ている。
【0008】このようなIIRフィルタ3は、センサ
1からA/D変換部2を介して入力された入力信号を図
13(a)の曲線Cに示す実際の低域通過特性によって
周波数選択処理し、次のIIRフィルタ3に出力する
(なお、直線Lは理想的な低域通過特性を示す)。
【0009】次のIIRフィルタ3は、同様に周波数
選択処理を行い、さらに次のIIRフィルタ3に結果
を出力する。以下同様にして順次処理が進行し、出力信
号がD/A変換部4を介して出力される。但し、この周
波数選択処理に伴い、図13(b)の群遅延特性に示す
ように、遅延時間分だけ出力応答に遅れを生じさせる。
このため、ステップ応答特性は、図14に実線8で示す
ように、理想的な応答9に比べ、過渡応答状態に遅延が
生じている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来の信号処理装置では、IIRフィルタ3〜3の如
き雑音分離フィルタのもつ遅延時間分の遅れに伴い、処
理の高速化が阻止されている。
【0011】例えば、IIRフィルタ3〜3は、ア
ナログフィルタの伝達関数に基づいて設計されるか又は
ディジタルフィルタとして直接設計されるが、このと
き、雑音成分Nの周波数帯域の必要な減衰量が設定され
る。しかしながら、この必要な減衰量に比例し、IIR
フィルタ3〜3は、自己の群遅延特性により入力応
答スピードを低下させると共に、雑音成分Nにも遅延時
間を与えてしまう。
【0012】また、急峻な変化のある信号成分Sには、
IIRフィルタ3〜3自体の応答特性により新たな
雑音成分N´を発生させる可能性があるので、応答特性
の良好なIIRフィルタ3〜3を選択する必要があ
る。また、IIRフィルタ3 〜3は、雑音成分Nの
量が多大なとき、大きい減衰量を与えるためにフィルタ
次数を増加させる必要があり、複雑な構成となる。
【0013】さらに、雑音成分Nの減衰の際に、信号成
分Sを劣化させないことが要求される。本発明は上記実
情を考慮してなされるもので、計測信号から雑音成分を
分離する際に、フィルタの群遅延時間相当分を短縮し、
処理の高速化を実現し得る信号処理装置を提供すること
を目的とする。
【0014】また、本発明の他の目的は、良好な応答特
性を有し、簡易な構成により、信号成分の劣化を阻止し
得る信号処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、センサ(1)から入力された計測信号が閉ループ回
路(10)により処理され、この処理結果が出力される
信号処理装置であって、前記閉ループ回路としては、前
記入力信号から出力信号を減算し、得られた偏差信号を
出力する加算器(11)と、前記加算器から出力された
偏差信号を増幅処理し、得られた偏差増幅信号を出力す
る増幅器(12)と、前記増幅器から出力された偏差増
幅信号を周波数選択処理して出力するフィルタ部(1
3)と、前記フィルタ部から出力信号を抽出して前記加
算器に帰還させる信号帰還部(14)とを備えた信号処
理装置である。
【0016】また、請求項2に対応する発明は、センサ
から入力された計測信号がA/D変換部を介して閉ルー
プ回路により処理され、この処理結果がD/A変換部を
介して出力される信号処理装置であって、前記閉ループ
回路としては、前記A/D変換部から入力された入力信
号から前記D/A変換部側へ出力された出力信号を減算
し、得られた偏差信号を出力する加算器と、前記加算器
から出力された偏差信号を増幅処理し、得られた偏差増
幅信号を出力する増幅器と、前記増幅器から出力された
偏差増幅信号を周波数選択処理して前記D/A変換部側
に出力するフィルタ部と、前記フィルタ部から前記D/
A変換部側に出力された出力信号を抽出して前記加算器
に帰還させる信号帰還部とを備えた信号処理装置であ
る。
【0017】また、請求項3に対応する発明は、請求項
1又は請求項2に対応する信号処理装置において、前記
閉ループ回路としては、前記A/D変換部と前記D/A
変換部との間で複数個が配置され、当該各閉ループ回路
が互いに従属接続されている信号処理装置である。
【0018】さらに、請求項4に対応する発明は、請求
項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する信号処理装
置において、前記各閉ループ回路としては、前記従属接
続に代えて、互いに並列接続されている信号処理装置で
ある。
【0019】また、請求項5に対応する発明は、請求項
1乃至請求項4のいずれか1項に対応する信号処理装置
において、前記センサが重量を計測するための重量セン
サである信号処理装置である。
【0020】(作用)従って、請求項1に対応する発明
は以上のような手段を講じたことにより、計測信号を処
理する閉ループ回路としては、加算器が、入力信号から
出力信号を減算して得られた偏差信号を出力し、増幅器
がこの偏差信号を増幅処理して得られた偏差増幅信号を
出力し、フィルタ部が、この偏差増幅信号を周波数選択
処理して出力し、信号帰還部が、フィルタ部から出力信
号を抽出して加算器に帰還させる。
【0021】このように、閉ループ回路を用い、加算器
処理後の偏差信号を信号成分に追従させる簡易な処理と
したので、計測信号から雑音成分を分離する際に、フィ
ルタの群遅延時間相当分を短縮し、処理の高速化を実現
することができる。また、これに加え、良好な応答特性
を有し、簡易な構成により、信号成分の劣化を阻止する
ことができる。また、入出力間の最短経路にはメモリ等
の遅延器が配置されないフィルタ構成も適用できる。
【0022】また、請求項2に対応する発明は、閉ルー
プ回路をA/D変換部とD/A変換部との間に配置した
ので、特に、ディジタル信号を処理する装置において
も、請求項1に対応する作用と同様の作用を奏すること
ができる。
【0023】また、請求項3に対応する発明は、閉ルー
プ回路としては、A/D変換部とD/A変換部との間で
複数個が配置され、当該各閉ループ回路が互いに従属接
続されているので、請求項1又は請求項2に対応する作
用に加え、閉ループ回路の設定に応じて、1つの雑音成
分の減衰量を増加させ、あるいは複数の雑音成分に夫々
減衰量を設定することができる。
【0024】さらに、請求項4に対応する発明は、各閉
ループ回路としては、従属接続に代えて、互いに並列接
続されているので、請求項1乃至請求項3のいずれかに
対応する作用に加え、計測信号のうち、必要とする互い
に異なる周波数帯域を取り出して容易に選択的に再合成
して所定信号を得ることができる。
【0025】また、請求項5に対応する発明は、センサ
が重量を計測するための重量センサであるので、請求項
1乃至請求項4のいずれかに対応する作用に加え、重量
計測に好適な信号処理装置を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
る信号処理装置の構成を示す模式図であり、図10〜図
12と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。な
お、以下の各実施形態も同様にして、前述した図面と同
一部分に関する重複した説明を省略する。
【0027】すなわち、本実施形態は、フィルタの遅延
時間相当分の短縮を図るものであり、従来の各IIRフ
ィルタ3に代えて、図1に示すように、互いに従属接続
されたn個の閉ループ回路10〜10を備えてい
る。但し、閉ループ回路10の個数は、ここではn個
(任意の複数個)としたが、1個のみとしてもよい。
【0028】ここで、各閉ループ回路10〜10
は、夫々同一の周波数選択特性を有し、従属段数に応
じて減衰量を増加させる構成を用いるが、これに限ら
ず、適宜、設計内容に応じ、互いに異なる周波数選択特
性を有するものとしてもよい。なお、各閉ループ回路1
〜10は、互いに同一構成を有するので、以下、
任意の段数を示す添字iを用いて説明する。
【0029】また、各閉ループ回路10は、具体的に
は、夫々加算器11、増幅器12、フィルタ部13及び
信号帰還部14を備えている。加算器11は、A/D変
換部2又は前段の閉ループ回路10i−1から入力され
た入力信号から次段の閉ループ回路10i+1又はD/
A変換部4へ出力された出力信号を減算し、得られた偏
差信号を増幅器12に出力する機能をもっている。
【0030】増幅器12は、加算器11から出力された
偏差信号をゲイン乗数に基づいて増幅処理し、得られた
偏差増幅信号をフィルタ部13に出力する機能をもって
いる。なお、ゲイン乗数は、信号成分Sの減衰を阻止す
る観点から、信号成分の追従特性に基づいて予め設定さ
れている。また、ゲイン乗数は、増幅度による振幅の調
整に加え、ゲイン乗数を高くすると通過帯域が広がり、
ゲイン乗数を低くすると通過帯域が狭まるという傾向か
ら信号成分Sの通過帯域をも調整可能としている。
【0031】フィルタ部13は、増幅器12から出力さ
れた偏差増幅信号を周波数選択処理し、この処理結果を
前回の出力信号に加算して次段の閉ループ回路10
i+1又はD/A変換部4に出力する機能をもってい
る。
【0032】具体的には、フィルタ部13の例として
は、増幅器12から受けた偏差増幅信号と、加算器16
の処理結果を格納するメモリ17の内容(前回の出力信
号)とフィルタ特性を示す係数とを乗算する乗算器15
の出力信号と、の両信号を加算してD/A変換部4又は
次段の閉ループ回路10に出力する加算器16と、加算
器16から次段の閉ループ回路10i+1又はD/A変
換部4に出力された出力信号を保持して加算器16に与
えるメモリ17とを備えている。
【0033】なお、フィルタ部13は、低域通過特性に
限らず任意の周波数選択処理を設定可能であるが、応答
時にリンギング雑音の発生を阻止する観点から、1次又
は2次の低次数のもので構成されることが好ましい。ま
た、フィルタ部13の周波数選択特性は、雑音成分Nの
周波数帯域に関し、増幅器12の増幅量よりも大きい減
衰量をもつ減衰特性を備えている。
【0034】信号帰還部14は、フィルタ部から次段の
閉ループ回路10i+1又はD/A変換部4に出力され
た出力信号を抽出して加算器11に帰還させる機能を有
し、例えば信号線が使用可能であるが、信号の帰還と等
価な伝達関数としてもよい。
【0035】なお、この信号処理装置は、例えば、重量
センサの対象物の質量に対する重力を測定する重力質量
はかりに適用可能となっている。重力質量はかりは、例
えば、対象物をコンベアに乗せた状態で重量を計測する
動的な計量計測に適用される。
【0036】次に、以上のように構成された信号処理装
置の動作を説明する。いま、前述同様に計測信号がセン
サ1から入力され、A/D変換部2を介して閉ループ回
路10に与えられたとする。
【0037】閉ループ回路10においては、加算器1
1がA/D変換部2から入力された入力信号から、次段
の閉ループ回路10へ出力された出力信号を減算し、
得られた偏差信号を増幅器12に出力する。
【0038】増幅器12は、この偏差信号をゲイン乗数
に基づいて増幅処理し、得られた偏差増幅信号をフィル
タ部13に出力する。
【0039】フィルタ部13においては、この偏差増幅
信号を加算器16に与えると共に、メモリ17内の前回
の出力信号にフィルタ係数を乗算した後、加算器16が
この周波数選択処理結果を次の閉ループ回路10に出
力する。このとき、フィルタ部13から出力された出力
信号は、次段の閉ループ回路10に与えられると共
に、信号帰還部14により抽出されて加算器11に帰還
される。
【0040】また、次段の閉ループ回路10も前述同
様に周波数選択処理を行い、さらに次段の閉ループ回路
10に結果を出力する。以下同様にして順次処理が進
行し、出力信号がD/A変換部4を介して出力される。
【0041】また同様に、各閉ループ回路10〜10
は、フィルタ部13にて周波数選択処理を行いつつ、
加算器16にて偏差信号を前回の出力信号に加えること
により、偏差を信号成分に追従させて出力する。
【0042】これにより、出力信号のうち、雑音成分N
は、図2並びに図3の周波数特性に示すように、閉ルー
プ回路10〜10の従属段数に比例して減衰量が増
加し、大きく減衰する。また、偏差を信号成分に追従さ
せることにより、フィルタ部13の群遅延時間相当分を
短縮させるので、図4のステップ応答特性に示すよう
に、従来に比べ、計測時間を短縮させることができる。
【0043】上述したように本実施形態によれば、入出
力間の最短経路にはメモリ等の遅延器が配置されず、ま
た、閉ループ回路10を用い、偏差信号を信号成分に
追従させる簡易な処理としたので、計測信号から雑音成
分を分離する際に、フィルタの群遅延時間相当分を短縮
し、処理の高速化を実現することができる。また、これ
に加え、良好な応答特性を有し、簡易な構成により、信
号成分の劣化を阻止することができる。また、低次数の
フィルタ部13を使用したので、応答時にリンギング雑
音の発生を阻止することができる。
【0044】また、各閉ループ回路10〜10の周
波数選択特性を同一とした場合には、閉ループ回路10
〜10の従属段数に比例して雑音成分Nの減衰量を
増加させることができる。すなわち、従来とは異なり、
雑音成分Nの量が多大なときであっても、フィルタ次数
を増加させずに、大きい減衰量を与えることができる。
また、従来とは異なり、必要な減衰量に比例した入力応
答スピードの低下や遅延時間の発生といった問題がな
い。
【0045】一方、各閉ループ回路10〜10の周
波数特性を互いに異ならせるように変形すると、互いに
異なる周波数帯域の各雑音成分Nを個別に減衰させるよ
うに動作するので、雑音成分Nの周波数帯域を細かく容
易に設定でき、簡便に雑音成分を分離することができ
る。
【0046】また、基本要素の閉ループ回路10を従
属接続して必要な減衰特性を得る構成なので、従来のト
ータルで設計する手法とは異なり、設計の容易性を向上
させることができる。さらに、ゲイン乗数の調整によ
り、容易に追従特性を設定することができる。また、セ
ンサ1が重量を計測するための重量センサである場合、
重量計測に好適な信号処理装置を実現することができ
る。なお、重量計測に限らず、センサ1の計測内容に応
じて好適な信号処理装置を実現することができる。
【0047】また、フィルタ部13を低次数のディジタ
ルフィルタとした場合を例に挙げたが、図5にアナログ
回路への変形例を示すように、A/D変換部2及びD/
A変換部4を省略し且つフィルタ部13を抵抗R及びコ
ンデンサCからなるローパスフィルタとしても、本実施
形態と同様の効果を得ることができる(なお図示はしな
いが、後述する各実施形態についても、アナログ回路へ
の同様の変形により、同様の効果を得ることができ
る)。
【0048】また、ランプ直流信号の場合を例に挙げた
が、その他の信号(正弦波、直流段階信号、正弦波の組
合せ等)にもゲイン乗数の調整とフィルタ部13の特性
変更で対応でき、個別の複雑な設計を不要として設計の
容易性を向上させることができる。さらに、直観的で分
かり易い構造のため、容易に実施することができる。
【0049】なお、閉ループ回路10は、直観的に容
易に理解できる利点をもつが、これに限らず、閉ループ
と等価な伝達特性にて閉ループのない表現で示してもよ
い。
【0050】また、閉ループ回路10〜10は、そ
の変形例を図6の上部に示すように、増幅器12のゲイ
ン乗数を計測経過時間に応じて変更するゲイン切替え構
造を用いてもよい。このゲイン切替え構造では、閉ルー
プ回路10〜10の加算器11の出力側に、互いに
異なるゲイン乗数を有する複数の増幅器12〜12
が互いに並列接続され、各増幅器12の出力側が個別の
スイッチSW1〜SWmを介してフィルタ部13に接続
される。すなわち、各スイッチSW1〜SWmの切替え
に対応して所望のゲイン乗数の増幅器12〜12
閉ループ回路10〜10に接続される構造である。
【0051】これにより、例えば信号の立上り時には大
きいゲイン乗数の増幅器12を接続し、信号が定常状
態に近付くと小さいゲイン乗数の増幅器12を接続す
るというようにゲイン乗数を変更することにより、フィ
ルタ部13にて少し減衰する信号成分Sを立上り時には
大きく増幅し、定常状態に近い過渡応答状態では小さく
増幅することができる。
【0052】このようにゲイン乗数を変更する場合、フ
ィルタ部13にて雑音成分Nの減衰量を大きく設定して
も、信号成分Sの減衰を過渡応答状態から定常状態を含
む全ての状態で適切に阻止できるので、雑音分離特性を
鋭くすることができる。
【0053】(第2の実施形態)図7は本発明の第2の
実施形態に係る信号処理装置の構成を示す模式図であ
る。この信号処理装置は、第1の実施形態の変形構成で
あり、具体的には従属接続に代えて、各閉ループ回路1
〜10が互いに電気的に並列接続された並列接続
構造を備えている。なお、各閉ループ回路10〜10
の出力側は、個別のスイッチSW〜SW及び共通
の加算器18を介してD/A変換部4に接続されてい
る。
【0054】以上のような構成によれば、第1の実施形
態と同様の効果に加え、各閉ループ回路10〜10
が並列接続されたので、入力信号から互いに異なる帯域
の複数の信号を同時に取り出して再合成し、所定の信号
を得ることができる。この再合成は、遅延特性が問題に
なる場合、位相等化を施すことで、容易に実行すること
ができる。
【0055】(第3の実施形態)図8は本発明の第3の
実施形態に係る信号処理装置の構成を示す模式図であ
る。この信号処理装置は、第2の実施形態の変形構成で
あり、入力側の加算器11 〜11を共通化した加算
器11cを設け、複数の閉ループ回路10〜10
この加算器11cを介して電気的に並列接続された多重
ループ構造を備えている。なお、各閉ループ回路10
〜10の出力側は、個別のスイッチSW〜SW
び共通の加算器18を介してD/A変換部4に接続され
ている。
【0056】以上のような構成によれば、第2の実施形
態と同様の効果に加え、加算器11cにより入力側の加
算器11〜11を共通化したので、各閉ループ回路
10 〜10の処理を入力信号に同期させることがで
きる。すなわち、多重ループ構造により、各閉ループ回
路10〜10の遅延時間を同期させ、各閉ループ回
路10〜10から互いに同期のとれた出力信号を取
り出して再合成し、所定の信号を得ることができる。こ
の再合成は、遅延特性が一定でない場合は位相等化を施
して、且つ同期が取れているため、極めて容易に実行す
ることができる。これにより、例えば各閉ループ回路1
〜10からの出力信号の立上り時間を容易に揃え
ることができる。
【0057】また、多重ループ構造により、フィルタ部
13,13,…は互いにインターアクトするため、
フィルタ部13,13の2ループとした場合は、フ
ィルタ部13にLPF、フィルタ部13に定数とし
た場合、フィルタ部13のループをフィルタ部13
とは逆のHPFとすることができる。
【0058】(第4の実施形態)図9は本発明の第4の
実施形態に係る信号処理装置の構成を示す模式図であ
る。この信号処理装置は、第1の実施形態の変形構成で
あり、第1の閉ループ回路10内の加算器11と増
幅器12との間に第2の閉ループ回路10が挿入さ
れた入れ子接続構造を備えている。
【0059】以上のような構成によれば、第1の実施形
態と同様の効果に加え、入れ子接続構造により、過渡応
答状態の時間を変更させずに、所定の帯域の信号を除去
することができる。すなわち、第1の閉ループ回路10
により全体的に雑音成分Nを減衰させ、第2の閉ルー
プ回路10により局所的に雑音成分Nを減衰させるの
で、全体の追従特性を維持しつつ、部分的な雑音除去特
性を強調することができる。
【0060】(他の実施形態)なお、上記各実施形態
は、センサ1が重量センサである場合について説明した
が、これに限らず、温度センサや圧力センサの如き、他
の種類のセンサ1であっても、信号成分が移行する過渡
応答状態を有する計測信号を出力するセンサ1であれ
ば、本発明を同様に適用して同様の効果を得ることがで
きる。
【0061】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、計
測信号から雑音成分を分離する際に、フィルタの群遅延
時間相当分を短縮し、処理の高速化を実現できる信号処
理装置を提供できる。また、良好な応答特性を有し、簡
易な構成により、信号成分の劣化を阻止できる信号処理
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る信号処理装置の
構成を示す模式図
【図2】同実施形態における閉ループ回路の周波数特性
を示す図
【図3】同実施形態における閉ループ回路の周波数特性
を示す図
【図4】同実施形態における信号処理装置のステップ応
答特性を示す図
【図5】同実施形態におけるフィルタ部の変形例を示す
ための模式図
【図6】同実施形態における閉ループ回路の変形例を示
すための模式図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る信号処理装置の
構成を示す模式図
【図8】本発明の第3の実施形態に係る信号処理装置の
構成を示す模式図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る信号処理装置の
構成を示す模式図
【図10】一般的な計測の際の信号成分に雑音成分の重
畳してなる混合信号を示す模式図
【図11】一般的な混合信号の周波数特性を示す模式図
【図12】従来のIIRフィルタを有する信号処理装置
の構成を示す模式図
【図13】従来のIIRフィルタの周波数特性を示す模
式図
【図14】従来の信号処理装置のステップ応答特性を示
す模式図
【符号の説明】
S…信号成分 N…雑音成分 1…センサ 2…A/D変換部 4…D/A変換部 10〜10…閉ループ回路 11,11〜11,11c,16,18…加算器 12,12〜12,12…増幅器 13,13〜13…フィルタ部 14,14〜14…信号帰還部 15…乗算器 17…メモリ SW1〜SWm,SWn…スイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ(1)から入力された計測信号が
    閉ループ回路(10)により処理され、この処理結果が
    出力される信号処理装置であって、 前記閉ループ回路は、 前記入力信号から出力信号を減算し、得られた偏差信号
    を出力する加算器(11)と、 前記加算器から出力された偏差信号を増幅処理し、得ら
    れた偏差増幅信号を出力する増幅器(12)と、 前記増幅器から出力された偏差増幅信号を周波数選択処
    理して出力するフィルタ部(13)と、 前記フィルタ部から出力信号を抽出して前記加算器に帰
    還させる信号帰還部(14)とを備えたことを特徴とす
    る信号処理装置。
  2. 【請求項2】 センサ(1)から入力された計測信号が
    A/D変換部(2)を介して閉ループ回路(10)によ
    り処理され、この処理結果がD/A変換部(4)を介し
    て出力される信号処理装置であって、 前記閉ループ回路は、 前記A/D変換部から入力された入力信号から前記D/
    A変換部側へ出力された出力信号を減算し、得られた偏
    差信号を出力する加算器(11)と、 前記加算器から出力された偏差信号を増幅処理し、得ら
    れた偏差増幅信号を出力する増幅器(12)と、 前記増幅器から出力された偏差増幅信号を周波数選択処
    理して前記D/A変換部側に出力するフィルタ部(1
    3)と、 前記フィルタ部から前記D/A変換部側に出力された出
    力信号を抽出して前記加算器に帰還させる信号帰還部
    (14)とを備えたことを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の信号処理
    装置において、 前記閉ループ回路は、前記A/D変換部と前記D/A変
    換部との間で複数(n)個が配置され、当該各閉ループ
    回路(10〜10)が互いに従属接続されているこ
    とを特徴とする信号処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の信号処理装置において、 前記各閉ループ回路は、前記従属接続に代えて、互いに
    並列接続されていることを特徴とする信号処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の信号処理装置において、 前記センサは、重量を計測するための重量センサである
    ことを特徴とする信号処理装置。
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