JP2000284096A - 放射性同位元素製造方法及びその製造装置 - Google Patents

放射性同位元素製造方法及びその製造装置

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JP2000284096A
JP2000284096A JP11092417A JP9241799A JP2000284096A JP 2000284096 A JP2000284096 A JP 2000284096A JP 11092417 A JP11092417 A JP 11092417A JP 9241799 A JP9241799 A JP 9241799A JP 2000284096 A JP2000284096 A JP 2000284096A
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aqueous solution
radioisotope
neutrons
reaction
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Takuro Honda
琢郎 本多
Kazuo Hiramoto
和夫 平本
Naoyuki Yamada
直之 山田
Takashi Okazaki
隆司 岡崎
Hiroshi Akiyama
秋山  浩
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生成された放射性同位元素の回収に要する時間
を短縮する。 【解決手段】反応タンク10内には、6Li を含むLi
OH水溶液8が充填される。中性子源保護カバー29内
の中性子線源1から放射された中性子は、LiOH水溶
液8に照射される。中性子は、LiOH水溶液8に含ま
れる水により熱中性子になる。熱中性子は、LiOH水
溶液8に含まれる6Li と反応して3H を放出する。3
H はLiOH水溶液8中の水の分子に含まれる16Oと
反応し、この結果、放射性同位元素である18Fが生成さ
れる。18Fは放射性薬剤の指標として用いられる。Li
OH水溶液8を回収精製装置50に供給するだけで、放
射性物質である18Fを反応部である反応タンク10から
回収精製装置50に簡単にしかも短い時間で搬送でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性同位元素の
製造方法及びその製造装置に係り、特に、医療・診断及
び放射線計測用の放射性同位元素(RI)において、陽
電子を生成してその消滅γ線を利用して診断・計測に適
用する放射性薬剤に用いる放射性同位元素を製造する方
法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】陽電子は電子の反物質で、その電荷が正
反対の正の電荷を持つ電子である。このような陽電子が
通常の電子と反応すると、相対論によれば両者の質量は
全てエネルギーに転換され、高エネルギー(0.511M
eV)の二対の光子(γ線)を180度の反対方向に放
出する。この原理を応用した陽電子の消滅γ線による医
療診断は、ガン検診の有力な方法のみならず、医学・生
物学の研究上においても組織内の代謝をリアルタイムで
調べることができる。このような医療診断は、今後ます
ます発展が期待される放射線計測法である。このため
に、陽電子を放射性崩壊によって生成する放射性同位元
素が用いられる。この放射性同位元素を被験者の体内へ
運ぶため、ある種の化合物(例えば糖)に標識して注入
し、その元素が崩壊して体内から発生する消滅γ線の信
号を元に体内の状況を正確に調べることができる。陽電
子を放出する放射性同位元素は、一般に半減期が短いこ
とが知られている。
【0003】医療診断に用いられる放射性同位元素候補
としては、半減期が約2分の酸素15(15O)や半減期
約2時間のフッ素18(18F)等がある。特に、18Fは
半減期が比較的長くそれを標識したある種の糖がガン検
診に非常に有効で、その利用価値が急速に高まってい
る。
【0004】18Fの製造は、核反応を利用するほかな
い。一般な18Fの製造は、高エネルギーの陽子(p)を
酸素18(18O)に照射して(1)式の核反応により行う
ものであった。酸素16(16O)の同位体である18Oは天
然にはわずか0.2% 程度しか存在しないため、18Fの
収率を上げるために18O酸素を濃縮することも考えられ p+18O → 18F+n …(1) る。実際には18Fは、18Oを含んだ水(H2 18O)を封入
した管に10MeV程度に加速した陽子を照射して製造
されている。約1Ciの18Fを生成するのに、11Me
V,20A程度の陽子線を2時間程度照射する必要があ
る。
【0005】他方、Fusion Technology Vol.34,4
77頁〜483頁(1998年11月発行)の図3に
は、下記の(2)及び(3)式の反応を用いた18Fの製
造方法が記載されている。
【0006】 n +6Li → 4He+3H …(2) 3H+16O → n+18F …(3) この製造方法は、天然に多量に存在する16Oを用いるの
で、前述の(1)式に比べて18Fの製造が容易である。
(2)及び(3)式の反応を用いた18Fの製造方法は、
核融合炉(例えば、トカマク型の核融合炉)のブランケ
ット内におけるトリチウムを増殖させる方法を適用した
ものである。熱中性子が炭酸リチウム(Li2CO3)の
結晶内のリチウム6(6Li)に吸収されてトリチウム(
3H)が発生する。この3H が炭酸リチウム内に存在す
16Oに当たり18Fを生成する。熱中性子は、核融合炉
で発生した中性子(n)を減速材にて減速する必要があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Fusion Technology に記載された18Fの製造方法では、
製造された18Fは固体である炭酸リチウムの結晶内に留
まっている。従って、その結晶から18Fを回収する必要
がある。このためには、厚い放射線遮蔽体にて取り囲ま
れている製造装置内から炭酸リチウムを取り出して、こ
の炭酸リチウムに粉砕,加熱処理を施し18Fを回収する
といった複雑な処理が必要となる。18Fの回収に長時間
を要し、18Fの放射能の減衰が大きい。
【0008】本発明の目的は、製造された18Fの回収に
要する時間を短縮できる放射性同位元素の製造方法及び
その製造装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
発明の特徴は、中性子源から、リチウム6(6Li)を含
むリチウム水溶液に中性子を照射して弗素18(18F)を
生成することにある。中性子源からの中性子をリチウム
水溶液に照射することによって、中性子はリチウム水溶
液に含まれる水によって減速される。減速された中性子
は、6Li と反応により3H を生成する。この3H は上
記水の分子に含まれる16Oとの反応により18Fを生成す
る。18Fは液体であるリチウム水溶液に含まれるので、
18Fの回収に要する時間は従来の固体結晶内に含まれる
場合に比べて著しく短縮される。
【0010】上記目的を達成する第2発明の特徴は、リ
チウム6(6Li)を含むリチウム水溶液を充填する容器
と、リチウム水溶液を前記容器に供給するリチウム水溶
液供給装置と、リチウム水溶液を容器から排出するリチ
ウム水溶液排出装置と、容器内に配置される中性子源
と、容器内に設置されて中性子源を覆う保護カバーとを
備えたことにある。
【0011】第2発明によっても、第1発明と同様に、
中性子源からの中性子をリチウム水溶液に照射できるの
で、18Fが生成される。この18Fは、液体であるリチウ
ム水溶液に含まれているので、簡単に回収することがで
きる。保護カバーが中性子源を覆っているので、リチウ
ム水溶液と中性子源との接触を防止することができる。
このため、生成された18Fのイオンまたはその弗化物に
よる中性子源及びそれの付属機器の腐食が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】後述する本発明の好適な一実施例
である放射性同位元素の製造方法の概念についてまず説
明する。本実施例は、本質的には中性子と6Li の反応
を起点とする2段階の反応(前述の(2)及び(3)式
に基づいた反応)により18Fを生成させる。このため
に、中性子源より発生した中性子を熱領域のエネルギー
まで効率良く減速させて中性子と6Li の反応回数を増
やすための減速材、及び2段目の反応((3)式の反
応)において、1段目の反応((2)式の反応)で発生
した3H と反応する16Oを含んだ物質が必要である。発
明者等は、種々検討した結果、減速材及び16Oを含んだ
物質として水(軽水又は重水)を用い、この水に6Liを
溶かすことが望ましいことを発見した。16Oは、水の分
子に含まれる。
【0013】6Li を含む水の使用は、以下に示す新た
な作用効果を生じる。第1に、減速材である水に6Li
を溶かすことによって6Li の周りに水が存在するの
で、中性子は必ず水によって減速されて6Li に到達す
る。このため、(2)式の反応が効率よく行われて3
が多量に発生する。第2には、水が多量に16Oを含んお
り、この16Oが(2)式の反応で発生した3H の近くに
存在することである。このため、18Fの生成効率が飛躍
的に向上する。第3には、生成された18Fの回収に要す
る時間が極めて短くなることである。生成された18
は、弗化水素等の気体、水中に弗素イオンとして、また
弗化リチウムの固体として存在する。これらの物質の反
応部からの搬送に要する時間が短縮できる。第4には、
(3)式の反応で発生した中性子を18Fの生成に利用す
ることができ、18Fの生成量を増加できる。すなわち、
その中性子は、水にて減速された後に水中の16Oと
(3)式の反応を起こして18Fを生成する。
【0014】(2)式の反応の起こり易さを示す反応断
面積は、0.025MeV 以下のエネルギーを有する熱
中性子に対して非常に大きく約940バーン(10-24c
m2)もある。(2)式の反応は発熱反応であり、発生す
3Hは約2.7MeVのエネルギーを有する。この3
を利用した(3)式の反応は、3H のエネルギ−が3M
eV程度で反応断面積が0.5 バーン程度であり、閾値
エネルギーがない反応である。
【0015】上記した新しい知見を適用した本発明の実
施例を以下に述べる。まず、本発明の好適な一実施例で
ある放射性同位元素の製造方法が適用される放射性同位
元素製造装置の構成を、図1を用いて説明する。
【0016】本実施例の放射性同位元素の製造装置は、
放射性同位体を用いた中性子線源1(例えば、アメリシ
ウム−ベリリウム(241Am−Be)線源及びカリフォル
ニウム(252Cf)線源等)及び反応タンク10等を有す
る。中性子線源1は、中性子を減速させるためにポリエ
チレン等の中性子減速材2に取り囲まれる。中性子線源
1は駆動装置4で駆動される線源昇降装置3に取り付け
られる。駆動装置4は、反応タンク10の下端部に設け
られる保管庫6内に設置される。開閉可能な蓋7が保管
庫6の上端に設けられる。中性子を遮蔽する放射線遮蔽
材5が、保管庫6の内面に取り付けられる。
【0017】(2)及び(3)式の反応で生成された18
Fを含む弗化水素及びこれが水に溶けた弗酸は、腐食性
の強い物質である。このため、反応タンク10は腐食性
に優れた材料(例えばニッケル合金)で作られる。また
は、通常の金属で構成された反応タンクの内面を耐食性
の樹脂で覆ってもよい。これにより、反応タンク10の
寿命が延びる。中性子の利用効率増加のために、中性子
反射材17が、反応タンク10の内面に内張りされる。
中性子源保護カバー29が、反応タンク10内でその底
部に設置される。中性子源保護カバー29は、中性子線
源1を覆っている。中性子源保護カバー29の天井部
は、開閉可能な蓋30となっている。開閉可能なハッチ
28が、蓋30の真上で反応タンク10の天井に設けら
れる。反応タンク10内に反応液計測器18及び雰囲気
計測器22が配置され、これらの計測器は反応タンク1
0の天井に設置された計測器駆動装置21に取り付けら
れる。反応液計測器18は、LiOH水溶液8中のリチ
ウム濃度等の化学成分を計測する成分分析器19及びL
iOH水溶液8中の中性子束を計測する中性子検出器2
0を備える。
【0018】バルブ25を有する反応液供給管24が、
反応タンク10の上端部から反応タンク10内に挿入さ
れている。バルブ27を有する排水管26が、反応タン
ク10の下端部に接続される。バルブ16を備えた液体
回収配管15が、反応タンク10の底部に設けられた回
収口14に接続される。反応タンク10の天井に設けら
れた排気口11は、気体回収配管12に連絡される。バ
ルブ13が気体回収配管12に設けられる。本実施例
は、図2に示す構成のうち、慣性静電核融合装置31を
中性子線源1に、機械設備室39を保管庫6に替えたも
のである。本実施例は、図2に示す反応液容器44,リ
チウムタンク46,制御器48及び回収精製装置50を
備えている。反応液供給管24及び排水管26は、図2
の実施例に示すように反応液容器44に連絡される。気
体回収配管12及び液体回収配管15も、図2の実施例
に示すように回収精製装置50に連絡される。本実施例
において、制御器48は、図2の実施例で示した制御の
うち、機械設備室内の電源装置43、及び計測器34に
基づいた機械設備室内の機器に対する制御を実施しな
く、その他の制御を実施する。
【0019】中性子線源1の未使用時には、中性子線源
1は保管庫6内に収納されており、蓋7が閉じられてい
る。中性子線源1を使用するときには、蓋7を開き、駆
動装置4を駆動して線源昇降装置3を上昇させ、中性子
線源1を中性子源保護カバー29内に移動させる。中性
子線源1は、中性子源保護カバー29によって取り囲ま
れているので、LiOH水溶液8と接触しない。中性子
源保護カバー29の設置は、線源昇降装置3の部分にシ
ールを施さなくてもLiOH水溶液8の保管庫6への流
入を防止できる。
【0020】反応タンク10内には、Li化合物(例え
ば、水酸化リチウム(LiOH))を溶解させた反応液で
あるLi化合物水溶液が満たされている。本実施例で
は、Li化合物水溶液としてLiOH水溶液8を用い
る。Liは天然で約7%の6Li を含んでいる。LiO
H水溶液8中の水は、自然界にふんだんに存在する軽水
(H2O)である。この軽水は、H2 18OよりもH2 16
を多量に含んでいる。軽水の替りに天然には存在量が少
ない重水(D2O)を用いてもよい。重水を用いることに
よって、反応液に吸収される中性子量を低下できる。L
i化合物として濃縮により6Li の存在比を大きくした
化合物を用いた場合には、(2)式の反応率を更に上昇
させることができ、より多くの3H が得られる。また、
Li化合物としては、中性子がその化合物に含まれてい
る他の元素と反応して余計な反応を起こさないような化
合物を用いることが望ましい。このようなリチウム化合
物の具体例として、上記したLiOHがある。LiOH
6Li を含んでいる。
【0021】中性子線源1から放射された中性子は、L
iOH水溶液8に含まれる水によって減速されて熱中性
子になる。熱中性子は、LiOH水溶液8に含まれる6
Liと(2)式に基づく発熱反応を生じ、約2.7Me
Vのエネルギーの3Hを放出する。熱中性子のエネルギ
ー領域では、中性子と6Li の核反応の反応確率(反応
断面積)が非常に大きい。生成した3H は(3)式に基
づいてLiOH水溶液8中の水の分子に含まれる16Oと
反応する。この反応により18Fが生成される。(3)式
の反応で発生した中性子も、(2)式の反応に使用さ
れ、結果的に18Fを新たに生成させる。生成された18
はイオン(18-)としてLiOH水溶液8中に残るか、
または弗化水素(H18F)として反応タンク10内でL
iOH水溶液8の液面より上方に形成される空間9に流
出する。18Fの一部はリチウムと反応して弗化リチウム
(Li18F)として反応タンク10の底部に沈殿する。
空間9に溜まった弗化水素は、バルブ13を開くことに
より、排気口11より気体回収配管12内に流出する。
この弗化水素は回収精製装置50に送られる。18
含むLiOH水溶液8は、バルブ16を開くことにより
液体回収配管15を通して回収精製装置50に送られ
る。反応タンク10内に沈殿している弗化リチウムも、
LiOH水溶液8と一緒に液体回収配管15を通して回
収精製装置50に搬送される。回収精製装置50におい
て、18Fが後述の図2に示す実施例と同じ処理によっ
て弗化物として取り出され、製剤製造装置(図示せず)
に送られる。製剤製造装置では、回収された弗化物を用
いて放射性製剤(例えば18Fで標識したある種の糖)を
製造する。例えば、18Fは一回の使用で2〜8MBq/
kg体重を静脈内に投与されるので、成人一人当たりの一
回のその使用量は10mCiである。6Li の存在比を
10倍まで高めた30%リチウム化合物水溶液を用いる
場合には、約4Ci以上の中性子放出同位体元素があれ
ば、半日で18Fの必要量を生成できる。このように中性
子を放出する放射性同位元素が確保できれば、反応部分
は静的な装置構成で技術的にも容易に18Fを製造でき
る。
【0022】反応タンク10内の各状態量は、反応液計
測器18及び雰囲気計測器22によって計測される。反
応液計測器18は、計測器駆動装置21によって反応タ
ンク10の高さ方向に移動される。このため、成分分析
器19は、LiOH水溶液8中の任意の高さでリチウム
濃度等の化学成分を計測する。中性子検出器20も、そ
の任意の高さでLiOH水溶液8中の中性子束を計測す
る。雰囲気計測器22は、空間9内における反応生成ガ
ス、例えば18F及びその化合物、3H 等の濃度を主に計
測する。各計測器の測定値は図2の実施例と同様に、制
御器48に伝えられる。制御器48は、成分分析器19
及び雰囲気計測器22の各測定値に基づいて図2の実施
例と同様な制御を実施する。本実施例における制御器4
8は、中性子検出器20の出力である中性子束の測定値
を入力し、これを用いて駆動装置4を駆動して線源昇降
装置3を移動させ、中性子線源1の高さを変える。
【0023】中性子線源1の交換、及び線源昇降装置3
及び駆動装置4の保守点検時には、図2の実施例と同様
に、反応タンク10内のLiOH水溶液8を、その液位
が少なくとも中性子源保護カバー29の上端よりも低く
なるまで、排水管26を通して反応液容器44に排出す
る。密封されていたハッチ28及び蓋30を開け、中性
子線源1,線源昇降装置3及び駆動装置4を反応タンク
10の外へ取り出す。新らしい中性子線源1、及び保守
点検された線源昇降装置3及び駆動装置4が、保管庫
6,中性子源保護カバー29内に設置される。ハッチ2
8及び蓋30を設けているので、上記のように中性子線
源1の交換、及び線源昇降装置3及び駆動装置4の保守
点検が簡単にできる。
【0024】本実施例は、18- 及びLi18FがLiO
H水溶液8内に存在するので、LiOH水溶液8を回収精製
装置50に供給するだけで、放射性物質である18-
びLi18Fを反応部である反応タンク10から回収精製
装置50に簡単にしかも短い時間で搬送できる。気体の
18Fも簡単にかつ短い時間で反応タンク10から回収
精製装置50に供給できる。従来のように、固体である
炭酸リチウム内に18Fを精製する場合に比べて、18Fを
含む物質を反応部から取り出して回収精製装置までの搬
送が著しく簡単になり、しかもその搬送に要する時間を
短縮できる。このため、生成された18Fの放射能強度の
減衰度合いが低減される。特に、図2の実施例で述べる
ように、LiOH水溶液8からの18- の回収、及びH
18Fからの18Fの回収作業は、従来のように18Fが固体
結晶内に含まれている場合に比べてより短い時間で行え
る。従って、回収された18Fの放射能強度は、従来に比
べて非常に大きい。回収された18Fの放射能強度が大き
いことは、(2)及び(3)式の反応で生成された18
の量が従来と同じ量である場合でも、18Fで指標した放
射性薬剤の生産量を増加できる。18Fの回収に要する時
間の短縮効果は、以下に述べるすべての実施例において
も得られる。前述の第1,第2及び第3の作用効果も、
以下に述べるすべての実施例においても得られる。
【0025】中性子源保護カバー29が中性子線源1を
覆っているので、LiOH水溶液8と中性子線源1との
接触を防止することができる。このため、生成された18
Fのイオンまたは弗酸によって中性子線源1が腐食され
ることを抑制できる。更に、線源昇降装置3及び駆動装
置4がLiOH水溶液8と接触して腐食されることも抑
制できる。また、反応タンク10は、図示されていない
が放射線遮蔽体で取り囲まれている。本実施例は、Li
OH水溶液8を用いるので、LiOH水溶液8に含まれ
ている水が放射線遮蔽体としての機能を有する。このた
め、反応タンク10を取り囲んでいる放射線遮蔽体の厚
みを薄くできる。
【0026】本発明の他の実施例である放射性同位元素
の製造方法が適用される放射性同位元素製造装置の他の
構成を、図2及び図3を用いて説明する。図1と同じ符
号は、図1の実施例と同じ構成である。本実施例は、中
性子源として、核融合反応により中性子を発生させる慣
性静電核融合装置(以下、IECという)31を用いる。
IEC31は、真空容器36の直径が20〜30cmであ
り、トカマク型の核融合装置に比べて著しく小型であ
る。IEC31による核融合の原理は、1950年代か
ら考えられていた。近年、IECにおける核融合反応に
ついて報告されている(プラズマ・核融合学会誌,第7
3巻第10号1080頁〜1086頁等)。IECの特
徴は、核融合による106〜1011 個/秒程度の中性子
を、直径数十cmの真空容器及び数十kVの電源装置を備
えた構成で発生させることができる点にある。IEC
は、電源を切ることによって中性子が発生しないので、
放射性同位元素を用いた中性子線源1よりも管理が容易
である。また、IEC31を用いた放射性同位元素製造
装置はコンパクトであるので、病院等の医療現場に設置
することができる。これは、医療診断に用いるまでの間
における放射性同位元素の放射能の減衰が少ないので、
短半減期の放射性同位元素(例えば18F)の製造におい
て、極めて好都合なことである。例えば、反応ガスとし
て重水素(D)−トリチウム(T)を使った場合、その核融
合反応1W当たり3.6×1011個の14.1MeVのエ
ネルギーを持った中性子が発生する。この高エネルギー
の中性子と6Li との(n,2n)反応により、中性子
数を増倍できて18Fを生成する一連の反応回数を増やす
ことができる。
【0027】IEC31は、反応タンク10内に設置さ
れた中性子源保護カバー29内に設置されている。反応
液供給管24は、反応液容器44に接続される。反応液
供給ポンプ52及び反応液供給ポンプ52の下流側に位
置する流量制御弁45が、反応液供給管24に設けられ
る。バルブ27の下流側に流量制御弁55を有する排水
管26も、反応液容器44に接続される。リチウムタン
ク46が配管53により反応液容器44に連絡される。
流量制御弁47が配管53に設けられる。気体回収配管
12がファン49を介して回収精製装置50に連絡され
る。液体回収配管15は、排出ポンプA(図示せず)を
介して回収精製装置50に連絡される。IEC31付近
の構造を以下に詳細に説明する。IEC31は、球形の
真空容器36,真空容器36内に配置されたカソード3
3及びメッシュ状のアノード32を有する。真空容器3
6は、反応タンク10の底部に設置された架台39上に
設けられる。中性子源保護カバー29及び真空容器36
は、発生する中性子による放射化を低減するために、低
放射化アルミ合金及びシリコンカーバイド等のセラミッ
ク材で構成することが望ましい。カソード33はアノー
ド32によって取り囲まれている。アノード32に接続
されたケーブル54、及びカソード33に接続されたケ
ーブル37が、それぞれ電源装置43に接続される。ア
ノード32及びカソード33にはケーブル54及び37
により数十kVから百kVの電圧をかけることができ
る。これらの電極は、耐熱性を要求されるために、例え
ば、タングステンやタンタル、あるいはカーボン電極等
で構成される。真空容器は、通常の場合は接地38され
て電位を0に保っている。
【0028】反応タンク10の底部の下方に、機械設備
室41が設けられる。電源装置43,真空ポンプである
排気ポンプ42,冷却水供給ポンプ等の他のポンプ(図
示せず)及び反応ガス供給装置(図示せず)等が、機械
設備室41内に設置される。真空容器36内に連絡され
る排気管35が、排気ポンプ42に接続される。冷却水
管40が真空容器36内でアノード32の近傍に設置さ
れる。冷却水管40は、真空容器36の外側で冷却水供
給ポンプ(図示せず)に接続される。図示されていない
が、反応ガス供給管が真空容器36に連絡される。
【0029】本実施例の放射性同位元素製造装置を起動
する際は、先ずバルブ25を開いて反応液供給ポンプ5
2を駆動することにより、反応液容器44から反応液で
あるLiOH水溶液8が反応液供給管24を介して反応
タンク10内に導かれる。
【0030】LiOHは6Li を含んでいる。このLi
OHは、反応液容器44内のLiOH水溶液8中のLi
OH濃度が設定濃度になるように、リチウムタンク46
から配管53を介して反応液容器44に供給される。反
応液容器44内のLiOH水溶液8は図示されていない
撹拌機で撹拌され、LiOH水溶液8中のLiOH濃度
が均一化される。反応タンク10に設けられる液位計2
3は反応タンク10内のLiOH水溶液8の液位を計測
する。制御器48は、液位計23で測定された液位に基
づいて流量制御弁45の開度を制御する。これによっ
て、LiOH水溶液8は、設定液位まで反応タンク10
内に充填される。その後、電源装置43からケーブルを
介してアノード32及びカソード33に電圧を印加する
前に、排気ポンプ42を駆動して真空容器36内のガス
を排気管35より排気し、真空容器36内の圧力を負圧
に保持する。反応ガスが反応ガス供給管を介して真空容
器36内に供給される。反応ガスを供給した状態で、真
空容器36内の圧力は、約10-3〜10-2Torrに保持さ
れる。反応ガスとして、重水素,トリチウム及びヘリウ
ム3等を用いることができる。IEC31の核反応で発
生する中性子のエネルギーは、これらの反応ガスの組合
せによって決まる。
【0031】電源装置43からケーブルを介してアノー
ド32及びカソード33に数十kVの電圧が印加され
る。中心に位置するカソード33には、イオン及び電子
が収束したプラズマが閉じ込められた静電ポテンシャル
が形成される。そこに向かって周辺からイオンが加速し
て衝突し、核融合反応が起きる。この核融合によって中
性子が発生する。例えば、反応ガスとして重水素(D)
−トリチウム(3H )を使用した場合、その核融合反応
1W当たり3.6×1011個の14.1MeVのエネルギ
ーを有する中性子が発生する。
【0032】この中性子は、真空容器36及び中性子源
保護カバー29を透過してLiOH水溶液8内に達す
る。LiOH水溶液8に含まれる水によって中性子は減
速されて熱中性子となる。図1の実施例と同様に、この
熱中性子によって(2)式に基づいた反応が生じ、更に
発生した3H によって(3)式に基づいた反応が生じ、
18Fが生成される。(3)式の反応で発生した中性子
も、図1の実施例と同様に、新たな18Fの生成に役立
つ。生成された18Fは、18- としてLiOH水溶液8
中に残るか、H18Fとして空間9に流出する。また、18
Fの一部はLi18Fとして反応タンク10の底部に沈殿
する。
【0033】反応タンク10内の各状態量は、図1の実
施例と同様に、成分分析器19,中性子検出器20及び
雰囲気計測器22によって計測され、各計測器の測定値
は制御器48に伝えられる。
【0034】制御器48は、雰囲気計測器22で計測さ
れた空間9内の弗化水素の濃度が設定値に達したとき、
バルブ13を開きファン49を駆動する。空間9内のH
18Fは、気体回収配管12を通って回収精製装置50に
供給される。制御器48は、成分分析器19で計測され
た弗素濃度が設定値に達したとき、バルブ16を開き、
液体回収配管15に設けられた排出ポンプAを駆動す
る。排出ポンプBの駆動により、反応タンク10内の18
- 及びLi18Fを含むLiOH水溶液8が、液体回収
配管15を通って回収精製装置50に導かれる。LiO
H水溶液8は、回収精製装置50内ではLiOH水溶液
8からLi18Fがフィルタ(図示せず)によって分離され
る。分離されたLi18Fは硫酸で溶解してイオン化さ
れ、水酸化ナトリウム等を用いて酸を中和する。一方、
回収精製装置50内に導かれたH18Fは、水素透過膜を
用いて3H と分離された後、水に溶解される。H18Fを
溶解して18- を含む水、及び水酸化ナトリウムで中和
されて18- を含む溶液は、回収精製装置50内でLi
18Fを分離した、18- を含むLiOH水溶液に混合さ
れる。このLiOH水溶液に含まれている18- は、回
収精製装置50内に設けられたイオン交換膜(図示せ
ず)を用いて分離される。分離された18- は弗化物と
して取り出され、不純物を取り除いた後、この弗化物
は、製剤ライン51により、図1の実施例での製剤製造
装置(図示せず)に送られる。この製剤製造装置は図1
の実施例と同様に18Fで指標した放射性薬剤を製造す
る。
【0035】18- が分離され6Li を含むLiOH水
溶液は、図示していない戻り配管にて反応タンク10に
戻される。ただし、Li18Fの溶解に用いた硫酸の供給
量,硫酸の中和に用いた水酸化ナトリウムの添加量、及
びH18Fの溶解のために使用した水の量に相当するLi
OH水溶液の量は、戻り配管から取り出されて廃液タン
ク(図示せず)に排出される。このように廃液タンクへの
LiOH水溶液の排出量が制御されるので、反応タンク
10から回収精製装置50に導かれるLiOH水溶液の
量と回収精製装置50から反応タンク10に戻されるL
iOH水溶液の量は同じになり、反応タンク10内のL
iOH水溶液8の液位はほとんど変化しない。LiOH
水溶液8の液位が変化した場合、液位計23の計測値を
入力する制御器48は、その計測値が液位設定値よりも
低いときに流量制御弁45の開度を増加させ、その計測
値が液位設定値よりも高いときに流量制御弁55の開度
を増加させる。このように、LiOH水溶液8の液位が
設定液位に保持される。この効果は、図1の実施例でも
生じる。
【0036】LiOHに含まれる6Li は(2)式の反
応による3H の生成によって消費されるので、LiOH
水溶液8のLiOH濃度が低下し、18Fの生成量が減少
する。しかしながら、以下に示す制御器48によるLi
OH濃度の増加制御によって18Fの生成量の減少を抑制
できる。この効果は、図1の実施例でも生じる。すなわ
ち、制御器48は、成分分析器19によって測定された
LiOH濃度測定値を入力し、この測定値がLiOH濃
度設定値よりも低いときに流量制御弁47の開度を増加
させる。LiOHがリチウムタンク46から配管53を
介して反応液容器44内に供給されて、反応液容器44
内のLiOH水溶液8のLiOH濃度が増加する。Li
OH濃度が増加した反応液容器44内のLiOH水溶液
8は、反応液供給管24を介して反応タンク10内に供
給される。反応タンク10内のLiOH水溶液8のLi
OH濃度が設定濃度まで増加する。また、LiOH水溶
液8の供給により反応タンク10内の液位は上昇する
が、前述のように制御器48の制御によりLiOH水溶
液8の液位は設定液位に保持される。
【0037】制御器48は、中性子検出器20の測定値
を入力し、測定された中性子束を用いて電源装置43を
制御してアノード32及びカソード33に印加する電圧
を調節する。測定された中性子束がその設定値よりも低
いときにはアノード32及びカソード33に印加する電
圧を増加する。真空容器36内の圧力,ガス成分及び温
度等は、真空容器36に設置された計測器34によって
計測される。制御器48は、計測器34で測定された圧
力を用いて排気ポンプ42の回転数を制御し、真空容器
36内の圧力を設定圧力に調節する。また、制御器48
は、計測器34で計測したガス成分に基づいて真空容器
36内への反応ガスの供給量を制御する。制御器48
は、計測器34で測定した温度を用いて冷却水管40に
供給する冷却水量を調節する。これによって、真空容器
36内の電極が設定温度になるように冷却される。
【0038】IEC31の保守点検時には、バルブ27
が全閉の状態で放射性同位元素製造装置の運転を停止し
て、バルブ27を開く。反応タンク10内のLiOH水
溶液8は、その液位が少なくとも中性子源保護カバー2
9の上端よりも低くなるまで、排水管26を通して反応
液容器44に排出される。その液位が真空容器36の上
端の位置まで低下したときにバルブ27を閉じる。密封
されていたハッチ28を開け、更に蓋30が中性子源保
護カバー29から取り外される。IEC31は、架台3
9から取り外され、反応タンク10の外へ取り出されて
保守点検される。保守点検後、IEC31は架台39上
に設置され、蓋30が中性子源保護カバー29に取り付
けられる。更に、ハッチ28が、反応タンク10に設置
される。反応液容器44に排出されたLiOH水溶液8
は、LiOH濃度が調節された後に、反応液供給管24
を通して反応タンク10に供給される。開閉可能なハッ
チ28及び蓋30が設けられているので、IEC31の
保守点検が反応タンク10の外部で容易に行える。蓋3
0が設けられた中性子源保護カバー29の設置は、IE
C31とLiOH水溶液8との接触を防止すると共に、
LiOH水溶液8の機械設備室41への流入を防止す
る。
【0039】本実施例は、図1の実施例で生じる効果と
同じ効果を得ることができる。特に、中性子源保護カバ
ー29の設置によって、IEC31の真空容器36及び
電源装置43等の機器の腐食を防止でき、かつ電源装置
43のショートを防止できる。
【0040】本実施例の放射性同位元素製造装置はコン
パクトであるので、放射性薬剤を必要とする施設(例え
ば病院)に設置することができる。このため、遠方にあ
る放射性同位元素製造装置から放射性薬剤を用いる施設
までの間の運搬中における放射性同位元素の放射能強度
の減衰を心配する必要はない。また、本実施例の放射性
同位元素製造装置を自動車等の運搬車両に乗せて放射性
薬剤を必要とする施設まで、放射性同位元素製造装置を
運搬して、その施設の近くで放射性同位元素、及びその
元素を指標とする放射性薬剤を製造することが可能にな
る。これらの効果は、図1の実施例でも得られる。
【0041】本発明の他の実施例である放射性同位元素
の製造方法を適用する放射性同位元素製造装置を、図4
を用いて以下に説明する。本実施例は、核分裂装置(原
子炉)を用いて放射性同位元素を製造する例を示してい
る。本実施例の放射性同位元素製造装置は、耐腐食性の
良い鉄鋼材で作られて球形フラスコのような形状をした
核分裂反応容器56を有する。核分裂反応容器56内に
は、ウラン水溶液(例えば硫酸ウラニル)が充填されて
いる。核分裂反応が臨界以下になるように、ウラン水溶
液中のウランはウラン235の濃縮度が調整されてい
る。更に、ウラン水溶液は、溶解されたリチウム化合物
(例えば、6Li を含むLiOH)を含む。ウランの核
分裂反応は、制御棒駆動装置58によって制御棒57を
動かして制御される。
【0042】ウラン水溶液に含まれたウランの核分裂に
よって、中性子が発生する。この中性子は、ウラン水溶
液に含有される水によって減速された後、ウラン水溶液
に含まれた6Li と(2)式の反応を起こす。発生した
3H 及びウラン水溶液中の水に含まれた16Oにより
(3)式の反応が生じて18Fがウラン水溶液中に生成さ
れる。生成された18Fを含む気体状のH18Fは、放射線
分解で発生する水素等のその他の発生ガスと共に、回収
配管65から回収され、回収精製装置50(図2)に送
られる。
【0043】核分裂反応が急激に増大した場合、核分裂
反応容器56内の水溶液は、核分裂反応による熱で膨張
し、オーバーフロー配管59を通ってドレンタンク60
に回収される。このウラン水溶液のオーバーフローによ
って核分裂反応は自動的に収束する。ドレンタンク60
内に熱中性子の吸収断面積の大きな物質(例えばホウ素
10)を入れておき、ドレンタンク60内で核分裂反応
が生じないようにする。
【0044】核分裂反応容器56内の炉心へのアクセス
はポート61より行う。ウラン及びLiOHが消費され
るので、新しいウラン水溶液が供給配管62より核分裂
反応容器56内に補給される。核分裂反応容器56内の
各状態量は計測ポート63を通じて計測される。核分裂
反応容器56内のウラン水溶液の冷却は、核分裂反応容
器56内に張り巡らした冷却配管64内に冷却水を流す
ことにより行われる。例えば、かつて日本原子力研究所
の最初の研究炉であるJRR−1は、直径40cmの球形
フラスコのような鋼鉄製容器内に、20%濃縮ウランを
含む硫酸ウラニル水溶液を充填して50kWの出力を得
た。熱中性子の平均フラックスは1012個/cm2秒もあ
った。その硫酸ウラニル水溶液にリチウム化合物(例え
6Li を含むLiOH)を溶解させることにより、
(2)及び(3)式の反応が生じる。
【0045】本発明の他の実施例である放射性同位元素
の製造方法が適用される放射性同位元素製造装置の他の
構成を、図5及び図6により説明する。本実施例は、電
子加速器66を用いて電子ビームにより18Fを製造す
る。電源装置71が電子加速器66に接続される。電磁
石69を有するビーム輸送管68が電子加速器66に接
続される。ビーム輸送管68から分岐された複数のビー
ム輸送管84は、対応の反応装置67に連絡される。ビ
ーム輸送管84の分岐点には切替コイル70が設けられ
る。電磁石69はビーム輸送管84にも設けられる。各
反応装置70は気体回収配管12によって回収精製装置
50に接続される。反応装置67は、鋼鉄製の放射線遮
蔽された筐体で、内部にウラン及びベリリウム等の金属
ターゲット75が設けられる。金属ターゲット75は、
本装置の運転終了後に新しい金属ターゲットと交換され
る。反応装置67は、金属ターゲット75の部分を除い
て内部に中性子反射材82を設けている。LiOH水溶
液8が中性子反射材17で取り囲まれる領域85に充填
される。
【0046】電源装置71からの電圧の印加によって電
子加速器66は電子ビームを発生する。この電子ビーム
83はビーム輸送管68、及び切替コイル70によって
切替えられたビーム輸送管84を経て所定の反応装置6
7に達する。金属ターゲット83よりも直前の電子ビー
ム加速部74内のガスは、真空排気配管77に接続され
ている真空排気装置(図示せず)により排気される。電
子ビーム83が金属ターゲット75に当たることによ
り、中性子が発生する。例えば、金属ウランに10Me
V,20mAの電子ビーム83が照射されることによっ
て1014個/秒の中性子を発生する。金属ターゲット7
5は、一回分の18Fの製造に必要な量になっている。金
属ターゲット75は、少なくとも中性子が発生している
間、冷却水配管78から冷却水配管79へ流れる冷却水
によって冷却される。反応装置67も、外部に設けた冷
却配管80内を流れる冷却水によって冷却される。金属
ターゲット75で発生した中性子は、LiOH水溶液8
内に達し、図1及び図2の実施例と同様に(2)及び
(3)式の反応を発生させる。これらの反応により、18
Fが生成される。
【0047】電子ビーム83は、金属ターゲット75の
直前で電磁石81で軌道を変えることができ、金属ター
ゲット75の一点に集中されない。金属ターゲット75
の前面に設置されたメッシュ状金属76は、電子ビーム
83の照射により金属ターゲット75から発生する蒸気
が真空雰囲気である電子ビーム加速部74側に行かない
ようにその蒸気を捕捉する。中性子反射材82は、
(2)式の反応における中性子の利用効率を上げるため
に機能する。
【0048】得られた18Fは図1の実施例で述べたよう
に気体、18- 及び固体の状態で存在する。18Fを含む
気体は、気体回収配管12により回収精製装置50に送
られる。18- 及び固体を含むLiOH水溶液8は、図
示されていないが図1の実施例と同様に液体回収配管
(領域85の底部に接続)によって回収精製装置50に
導かれる。回収精製装置50では、図1の実施例と同様
な処理が行われる。制御装置73は、放射性同位元素製
造装置に設けられた各種の計測器からの計測信号を入力
し、該当する計測信号を用いて電源装置71,切替コイ
ル70及び回収精製装置50の制御を行う。
【0049】本発明の他の実施例である放射性同位元素
の製造方法が適用される放射性同位元素製造装置の他の
構成を、図7により説明する。本実施例は、陽子ビーム
を加速する加速器(以下、陽子加速器という)から出射
された陽子ビームにより18Fを製造する。本実施例の装
置は、図5に示された全体構成のうち電子加速器66を
陽子加速器に替え、反応装置67を図7に示す反応装置
67Aに替えた構成を有する。反応装置67Aを詳細に
説明する。反応装置67Aは、鋼鉄製の放射線遮蔽され
た筐体を有し、加速された陽子ビーム89の照射を受け
る照射部材87を備えている。照射部材87は、陽子ビ
ーム89のエネルギー損失を最小にするため、陽子ビー
ム89が透過しやすい材料(例えば薄いチタン膜)で構
成される。照射部材87は、上記の鋼鉄製筐体に取り付
けられ、領域85に充填されるLiOH水溶液8が電子
ビーム加速部74側への流出を防止する機能も有する。
LiOH水溶液8は、6Li だけでなく7Li も含んで
いる。
【0050】冷却パネル86は、反応装置67A内で照
射部材87よりも電子ビーム加速部74側に設けられ
る。冷媒配管90から冷媒配管91へ流れる冷媒(例え
ば、液体窒素)によって、冷却パネル86が冷却され
る。照射部材87は、冷却パネル86からの極低温の冷
熱の輻射により冷却される。陽子ビーム89は電子ビー
ム加速部74において電磁石81で軌道を変更されるの
で、図6の実施例と同様に陽子ビーム89が照射部材8
7の一点に集中することを避けられる。
【0051】領域85内のLiOH水溶液8は、領域8
5内に配置された冷却配管88内を流れる冷却水によっ
て冷却される。中性子は、7Li を含むLiOH水溶液
8への陽子ビーム89の照射により生じる(4)式の反
応によって発生する。すなわち、陽子(p)と7Li と
の反応によってLiOH水溶液8内で中性子が発生す 7Li +p → n+7Be …(4) る。照射される陽子のエネルギーは、十数MeVの高エ
ネルギーである。発生した中性子は、LiOH水溶液8
により減速されて熱中性子となり、(2)式の反応を起
こす。更に(3)式の反応が生じ、18Fが生成される。
本実施例は、(4),(2)及び(3)式の3段階の反応
により18Fを生成する。LiOH水溶液8内の18Fを含
む気体は気体回収配管12により回収精製装置50に導
かれる。
【0052】18Fを含む固体、及び18- の両者を含む
LiOH水溶液8は、図示されていないが図1の実施例
と同様に液体回収配管(領域85の底部に接続)によっ
て回収精製装置50に送られる。本実施例は、放射性同
位元素の製造に陽子加速器を使わない時には、その加速
器の陽子ビームを粒子線治療に用いることができる。
【0053】本発明の他の実施例である放射性同位元素
の製造方法が適用される放射性同位元素製造装置の他の
構成を、図8により説明する。本実施例は、レーザーを
用いて18Fを生成する。本実施例の装置は、図5に示さ
れた全体構成のうち電子加速器66をレーザー発生装置
に替え、反応装置67を図8に示す反応装置67Bに替
えた構成を有する。更に、本実施例は、図5の構成にお
いて電磁石69の替りに反射鏡(図示せず)を設け、切
替コイル70の替りに切替ミラーを設ける。反応装置6
7Bは、鋼鉄製の放射線遮蔽された筐体を有し、中性子
の照射を受ける照射部材93を備えている。照射部材9
3は、中性子のエネルギー損失を最小にするために中性
子が透過しやすい材料で構成する。冷却パネル86のレ
ーザー94の入射側にターゲット92が設置される。反
応装置67Bの他の構成は、反応装置67Aの構成と同
じである。ターゲット92は、レーザー94の照射によ
って溶発するので、放射性同位元素製造装置の運転中に
連続して交換できるようになっている。ターゲット92
は、例えば、水素原子を重水素原子で置換したポリスチ
レンで構成する。
【0054】レーザー発生装置から出力されたレーザー
94は、繰り返しターゲット92に照射される。レーザ
ー94で加速された重水素と、ターゲット92内の重水
素との核融合反応で中性子が発生する。この中性子によ
って、LiOH水溶液8内で(2)及び(3)式の反応
が生じて18Fが得られる。18Fを含む物質が、図7の実
施例と同様に、気体回収配管12及び液体回収配管(図
示せず)により回収精製装置50に導かれる。本実施例
も、冷媒(例えば液体窒素)で冷却された冷却パネル8
6からの冷熱の輻射により、照射部材93を冷却する。
【0055】
【発明の効果】第1発明によれば、18Fは液体であるリ
チウム水溶液に含まれるので、18Fの回収に要する時間
は従来の固体結晶内に含まれる場合に比べて著しく短縮
される。
【0056】第2発明によれば、中性子源及びこの中性
子源の付属機器の腐食が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性同位元素
の製造方法が適用される放射性同位元素製造装置の構成
図である。
【図2】放射性同位元素製造装置の他の実施例の構成図
である。
【図3】図2に示される反応タンク付近の詳細構成図で
ある。
【図4】放射性同位元素製造装置の他の実施例の構成図
である。
【図5】放射性同位元素製造装置の他の実施例の構成図
である。
【図6】図5に示される反応装置の詳細構成図である。
【図7】放射性同位元素製造装置の他の実施例の構成図
である。
【図8】放射性同位元素製造装置の他の実施例の構成図
である。
【符号の説明】
1…中性子線源、3…線源昇降装置、4…駆動装置、6
…保管庫、8…LiOH水溶液、9…空間、10…反応タン
ク、12…気体回収配管、15…液体回収配管、17,
82…中性子反射材、18…反応液計測器、19…成分
分析器、20…中性子検出器、22…雰囲気計測器、2
3…液位計、24…反応液供給管、26…排水管、28
…ハッチ、29…中性子源保護カバー、30…蓋、31
…慣性静電核融合装置、32…アノード、33…カソー
ド、41…機械設備室、42…排気ポンプ、43,71
…電源装置、44…反応液容器、46…リチウムタン
ク、48…制御器、50…回収精製装置、56…核分裂
反応容器、57…制御棒、58…制御棒駆動装置、60
…ドレンタンク、62…供給配管、65…回収配管、6
6…電子加速器、67,67A,67B…反応装置、6
8,84…ビーム輸送管、75…金属ターゲット、86
…冷却パネル、87,93…照射部材、92…ターゲッ
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 直之 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 岡崎 隆司 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 秋山 浩 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性子源から、リチウム6(6Li)を含む
    リチウム水溶液に中性子を照射して弗素18(18F)を生
    成することを特徴とする放射性同位元素製造方法。
  2. 【請求項2】前記リチウム水溶液から前記弗素18を回
    収する請求項1の放射性同位元素製造方法。
  3. 【請求項3】前記中性子源として放射性同位元素を用い
    て中性子を放出する中性子源を用い、この中性子源を保
    護カバーで覆った状態で前記リチウム水溶液内に位置さ
    せて、前記中性子源から放出された中性子を前記リチウ
    ム水溶液に照射する請求項1または請求項2の放射性同
    位元素製造方法。
  4. 【請求項4】前記中性子源として慣性静電核融合装置を
    用い、前記慣性静電核融合装置を保護カバーで覆った状
    態で前記リチウム水溶液内に位置させて、前記中性子源
    から放出された中性子を前記リチウム水溶液に照射する
    請求項1または請求項2の放射性同位元素製造方法。
  5. 【請求項5】原子炉容器内にリチウム6(6Li)を含む
    ウラン水溶液に、前記ウラン水溶液に含まれるウランの
    核分裂により発生する中性子(n)を前記ウラン水溶液
    に照射し、以下の2つの式に基づく反応により弗素18
    (18F)を生成することを特徴とする放射性同位元素製造
    方法。 n +6Li → 4He+33 H+16O → n+18
  6. 【請求項6】電子ビームを加速する電子加速器から出射
    された電子ビームを、ターゲットに照射して中性子を発
    生させ、この中性子を、リチウム6(6Li)を含むリチ
    ウム水溶液に照射して弗素18(18F)を生成することを
    特徴とする放射性同位元素製造方法。
  7. 【請求項7】陽子ビームを加速する電子加速器から出射
    された陽子ビームを、リチウム7(7Li)に照射して中
    性子を発生させ、この中性子を、リチウム6(6Li)を
    含むリチウム水溶液に照射して弗素18(18F)を生成す
    ることを特徴とする放射性同位元素製造方法。
  8. 【請求項8】レーザー発生装置から出力されたレーザー
    を、水素または重水素を含むターゲットに照射して中性
    子を発生させ、この中性子を、リチウム6(6Li)を含
    むリチウム水溶液に照射して弗素18(18F)を生成する
    ことを特徴とする放射性同位元素製造方法。
  9. 【請求項9】前記水溶液から前記弗素18を回収する請
    求項5乃至請求項8のいずれかの放射性同位元素製造方
    法。
  10. 【請求項10】リチウム6(6Li)を含むリチウム水溶
    液を充填する容器と、前記リチウム水溶液を前記容器に
    供給するリチウム水溶液供給装置と、前記リチウム水溶
    液を前記容器から排出するリチウム水溶液排出装置と、
    前記容器内に配置される中性子源と、容器内に設置され
    て前記中性子源を覆う保護カバーとを備えたことを特徴
    とする放射性同位元素製造装置。
  11. 【請求項11】弗素18を含む前記リチウム水溶液から
    前記弗素18を回収する回収装置を備えた請求項10の
    放射性同位元素製造装置。
  12. 【請求項12】前記容器が弗化物に対して耐食性のある
    金属材料で構成される請求項10または請求項11の放
    射性同位元素製造装置。
  13. 【請求項13】前記容器が弗化物に対して耐食性のある
    金属材料で内面を被覆されている請求項10または請求
    項11の放射性同位元素製造装置。
  14. 【請求項14】前記容器の天井部に設けられた開閉可能
    な第1密封開閉蓋と、前記保護カバーの天井部に設けら
    れた開閉可能な第2密封開閉蓋とを備えた請求項10ま
    たは請求項11の放射性同位元素製造装置。
  15. 【請求項15】前記中性子源が、放射性同位元素を用い
    て中性子を放出する中性子源及び慣性静電核融合装置の
    いずれかである請求項10乃至請求項14のいずれかの
    放射性同位元素製造装置。
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