JP2000283141A - 2サイクル多気筒エンジン用クランクシャフト - Google Patents

2サイクル多気筒エンジン用クランクシャフト

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JP2000283141A
JP2000283141A JP11087267A JP8726799A JP2000283141A JP 2000283141 A JP2000283141 A JP 2000283141A JP 11087267 A JP11087267 A JP 11087267A JP 8726799 A JP8726799 A JP 8726799A JP 2000283141 A JP2000283141 A JP 2000283141A
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JP
Japan
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journal
arm
crankshaft
crank
pin
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JP11087267A
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Masahiro Asai
正裕 浅井
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 2サイクル多気筒エンジン用クランクシ
ャフトにおいて、このクランクシャフト30は、クラン
クピン47の両端部をアーム部43,45,53,5
5,63,65に抜き差し自在に取付けた組合せ型クラ
ンクシャフトである。隣り合うアーム部45及びアーム
部53を第2ジャーナル42及び第1オイルシール当接
部51とともに一体成形し、また、アーム部55及びア
ーム部63を一体成形する。 【効果】 ジャーナルの嵌め込みによる変形が発生せ
ず、ジャーナルによるクランク部間での軸心のずれが起
きない。ジャーナルの嵌め込み作業がないので、組合せ
に手間がかからず、生産効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2サイクル多気筒エ
ンジン用クランクシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の2サイクル多気筒エンジン
用クランクシャフトの断面図である。クランクシャフト
100は、第1クランク部101と、この第1クランク
部101に繋げた第2クランク部102と、この第2ク
ランク部102に繋げた第3クランク部103とからな
る。104はコネクティングロッド(以下「コンロッ
ド」と略記する。)である。第1クランク部101は、
第1ジャーナル105と、この第1ジャーナル105に
形成した第1アーム部106と、この第1アーム部10
6に開けたピン孔107と、第2アーム部108と、こ
の第2アーム部108の一端に開けた嵌合孔109と、
他端に形成した第1クランクピン111とからなり、ピ
ン孔107に第1クランクピン111を嵌め込み、嵌合
孔109で第2クランク部102を繋げるクランクであ
る。
【0003】第2クランク部102は、第2ジャーナル
112と、この第2ジャーナル112に形成した第3ア
ーム部113と、この第3アーム部113に開けたピン
孔114と、第4アーム部115(第2アーム部108
と同様)と、この第4アーム部115の一端に開けた嵌
合孔116と、他端に形成した第2クランクピン117
とからなり、ピン孔114に第2クランクピン117を
嵌め込み、嵌合孔116で第3クランク部103を繋ぐ
クランクであって、嵌合孔109に第2ジャーナル11
2を嵌め込むことで、第1クランク部101に組合せる
ものである。第3クランク部103は、第4ジャーナル
119以外、第1クランク部101と同様であり、同一
符号を付し詳細な説明を省略する。118は第3ジャー
ナルである。
【0004】第2クランク部102の嵌合孔116に第
3ジャーナル118の一方を嵌め込み、第3クランク部
103の嵌合孔109に第3ジャーナル118の他方を
嵌め込むことで、第2クランク部102に第3クランク
部103を組合せる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の組合せ型クラン
クシャフトでは、嵌合孔109,116,109にジャ
ーナル112,118を嵌め込むと、次の理由で嵌め込
んだアーム108,115,108が変形することがあ
る。ジャーナル112,118には大きな回転トルクが
かかるため、クランクピン111,117よりもしめし
ろを大きくする必要がある。嵌合孔109,116の直
径よりもジャーナル112,118の外径を大きく(し
めしろが大きい)することで、嵌合孔109,116の
締付け力を大きくし、ジャーナル112,118の滑り
防止を図ることができる。また、クランクピン111,
117よりもジャーナル112,118の外径を大きく
(ジャーナル外径>クランクピン外径)することで、ク
ランクピン111,117よりも大きな締付け力を十分
得ることができる。その反面、嵌合孔109,116に
ジャーナル112,118を嵌め込むと、嵌合孔10
9,116が広がり、歪みを生じる。この歪が大きい
と、アーム108,115の変形量が大きくなり、クラ
ンク部101,102,103間の軸心がずれる。その
ため、第1ジャーナル105並びに第4ジャーナル11
9を支持してクランクシャフト100を回転させると、
クランクシャフトに大きな振れが発生する。
【0006】また、嵌合孔109,116の直径よりも
ジャーナル112,118の外径が大きいため、組合せ
に時間がかかる。圧入装置では、圧入の送り速度が遅く
なり、生産効率が悪い。焼ばめによる組合せでは、加熱
(段取り、昇温)・冷却や運搬など付随的な時間が発生
するするため、生産効率が悪い。
【0007】そこで、本発明の目的は、軸心のずれが極
めて小さく、生産効率のよい2サイクル多気筒エンジン
用クランクシャフトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、2サイクル多気筒エンジン用クランクシ
ャフトにおいて、このクランクシャフトが、クランクピ
ンの両端部をアーム部に抜き差し自在に取付けた組合せ
型クランクシャフトであることを特徴とする。組合せを
クランクピンで行い、隣り合うアーム部同士をジャーナ
ルとともに一体成形する。ジャーナルを嵌め込まないの
で、ジャーナルによる軸心のずれが起きない。また、ジ
ャーナルの嵌め込み作業がないので、組合せに手間がか
からない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るジェット推進ボートの
一部を断面にした側面図であり、ジェット推進ボート1
0は、ロアハル11と、このロアハル11の上に接合し
たアッパハル12と、このアッパハル12の略中央に配
置した操作ハンドル13と、この操作ハンドル13の後
部に設けた運転席14と、ロアハル11の中央に取付け
た燃料タンク15及びエンジン16と、このエンジン1
6にドライブシャフト17を介して回転自在に取付けた
インペラ18とからなる。
【0010】図2は本発明に係るエンジンの断面図であ
り、エンジン16は、2サイクル3気筒エンジンであ
り、シリンダブロック21と、このシリンダブロック2
1の下に取付けたクランクケース22と、これらのシリ
ンダブロック21並びにクランクケース22で回転可能
に支持したクランクシャフト30と、このクランクシャ
フト30にコンロッド23・・・(・・・は複数を示す。以下
同様。)を介して取付けたピストン24・・・と、シリン
ダブロック21の上に取付けたシリンダヘッド25と、
からなる。26・・・は点火プラグ、27は油路28・・・を
経由してクランクシャフト30へ潤滑油を供給するオイ
ルポンプである。
【0011】図3は本発明に係るクランクシャフトの断
面図であり、クランクシャフト30は、2サイクル3気
筒エンジン用クランクシャフトであり、図面左から長手
方向に第1クランク部31、第2クランク部32及び第
3クランク部33を順に組合せた組合せ型クランクシャ
フトである。
【0012】第1クランク部31は、一端に形成した第
1ジャーナル41と、他端に形成した第2ジャーナル4
2と、第1ジャーナル41に一体に形成した第1アーム
部43及び第1ウェイト44と、第2ジャーナル42に
一体に形成した第2アーム部45及び第2ウェイト46
と、第1アーム部43並びに第2アーム部45に嵌め込
んだクランクピン47と、からなる。
【0013】第2クランク部32は、一端に形成した第
1オイルシール当接部51と、他端に形成した第2オイ
ルシール当接部52と、第1オイルシール当接部51に
一体に形成した第3アーム部53及び第3ウェイト54
と、第2オイルシール当接部52に一体に形成した第4
アーム部55及び第4ウェイト56と、第3アーム部5
3並びに第4アーム部55に嵌め込んだクランクピン4
7と、からなる。
【0014】第3クランク部33は、第1クランク部3
1と同様であり、詳細な説明は省略するが、一端の第3
ジャーナル61と、他端の第4ジャーナル62と、第5
アーム部63と、第6アーム部65と、クランクピン4
7と、からなる。
【0015】図4は本発明に係るクランクシャフトの分
解図である。第1アーム部43は、ピン孔71を形成し
たものであり、ピン孔71は第1ジャーナル41の軸中
心C1から所定距離の位置に開けた孔である。第2アー
ム部45は、ピン孔72を形成したものであり、ピン孔
72はピン孔71と同心の孔である。C2は軸中心を示
す。クランクピン47は、外径をピン孔71の内径より
少し大きく仕上げたものである。
【0016】第3アーム部53は、ピン孔73を形成し
たものであり、ピン孔73は第1オイルシール当接部5
1の軸中心C3から所定距離の位置で、且つ、ピン孔7
2から円周方向に120°(クランクピンアングル)回
転させて開けた孔である。また、第3アーム部53は、
第1オイルシール当接部51を隣り合う第2ジャーナル
42に一体にし、且つ、第2アーム部45から120°
回転させた位置で第2アーム部45と一体成形したもの
である。
【0017】第4アーム部55はピン孔74を形成した
ものであり、ピン孔74はピン孔73と同心の孔であ
る。第5アーム部63はピン孔75を形成したものであ
り、図では説明を容易にするために、ピン孔75並びに
ピン孔74を同じ位置に示したが、ピン孔75はピン孔
74から120°(クランクピンアングル)回転させた
位置に開けた孔である。第6アーム部65はピン孔76
を形成したものであり、ピン孔76はピン孔75と同心
の孔である。また、第5アーム部63は第2オイルシー
ル当接部52及び第3ジャーナル61を一体にし、第4
アーム部55から120°回転させた位置で第4アーム
部55と一体成形したものである。C4,C5及びC6
は軸中心を示す。なお、ピン孔72,73,74,7
5,76はピン孔71と同じ内径である。
【0018】次に、クランクシャフトの組立要領の一例
を説明する。まず、第1アーム部43のピン孔71にク
ランクピン47を矢印の如く嵌め込み、続けて、クラン
クピン47にコンロッド23の大端部77(軸受78を
嵌合済)を矢印の如く嵌める。その後に、クランクピン
47に第2アーム部45のピン孔72を嵌め込む。その
際、第1ジャーナル41の軸中心C1に第2ジャーナル
42の軸中心C2を合せる。
【0019】次も同様に、第3アーム部53のピン孔7
3にクランクピン47を矢印の如く嵌め込み、クランク
ピン47にコンロッド23の大端部77を嵌める。その
後に、クランクピン47に第4アーム部55のピン孔7
4を嵌め込む。その際、軸中心C3に軸中心C4を合せ
る。最後に、第5アーム部63のピン孔75にクランク
ピン47を嵌め込み、クランクピン47にコンロッド2
3の大端部77を嵌め、クランクピン47に第6アーム
部65のピン孔76を嵌め込む。その際、第1ジャーナ
ル41の軸中心C1に第4ジャーナル62の軸中心C6
を合せる。つまり、クランクピン47・・・の両端部を第
1〜第6アーム部43,45,53,55,63,65
に抜き差し自在に取付け、組合せ型クランクシャフト3
0を組立る。このようにして組立たクランクシャフト3
0を図3に示した。
【0020】なお、図3に示すクランクシャフト30の
振れは、第1ジャーナル41並びに第4ジャーナル62
を基準として回転したときの第2ジャーナル42及び第
3ジャーナル61の半径方向の振れである。
【0021】以上に述べた2サイクル多気筒エンジン用
クランクシャフトの作用を次に説明する。第2アーム部
45に隣り合う第3アーム部53を第2ジャーナル42
及び第1オイルシール当接部51とともに一体成形し、
第4アーム部55に隣り合う第5アーム部63を第2オ
イルシール当接部52及び第3ジャーナル61とともに
一体成形したので、アーム部がジャーナルによって変形
することはなく、ジャーナルによる軸心のずれは起きな
い。従って、クランクシャフト30の振れは極めて小さ
い。
【0022】また、クランクピン47・・・の両端部を第
1〜第6アーム部43,45,53,55,63,65
に嵌め込んで第1〜第3クランク部31〜33を組合せ
るので、ジャーナルの嵌め込み作業がなく、組合せに手
間がかからない。さらに、クランクピンの外径をジャー
ナルの外径より小さくできるので、アーム部の変形は極
めて少なく、また、全てのアーム部が同じようにクラン
クピンを保持するから、アーム部間のバランスがよい。
その結果、軸心に影響を及ぼさず、クランクシャフトの
振れを極めて小さくすることができる。
【0023】そのうえ、アーム部とクランクピンを一体
にしていないので、NC旋盤や研削盤でジャーナルを加
工する際、回転(ワークの回転)のバランス調整が簡単
で、生産効率が向上する。同時に、クランクピンがない
から、工作機械と干渉する心配がなく、支持が容易にな
り、セットが簡単で生産効率が向上する。
【0024】尚、本発明の実施の形態に示した図4の3
気筒エンジン用クランクシャフトを2気筒や6気筒に変
えてもよく、クランクピンアングル(角度)を変えても
よい。
【0025】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、クランクピンの両端部をアーム部
に抜き差し自在に取付け、シリンダ数だけクランク部を
連続させる。組合せの嵌め込みをクランクピンのみと
し、クランク部とクランク部との間のジャーナルを一体
にするとともに、隣り合うアーム部同士を一体成形した
ので、ジャーナルの嵌め込みによる変形が発生せず、ジ
ャーナルによるクランク部間での軸心のずれが起きな
い。その結果、クランクシャフトの振れを極めて小さく
することができる。また、クランクピンの両端部をアー
ム部に嵌め込んでクランク部を組合せるので、ジャーナ
ルの嵌め込み作業がなく、組合せに手間がかからず、生
産効率が向上する。さらに、クランクピンの外径をジャ
ーナルの外径より小さくできるので、アーム部の変形は
極めて少なく、また、全てのアーム部が同じようにクラ
ンクピンを保持するから、アーム部間のバランスがよ
い。その結果、軸心に影響を及ぼさず、クランクシャフ
トの振れを極めて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェット推進ボートの一部を断面
にした側面図
【図2】本発明に係るエンジンの断面図
【図3】本発明に係るクランクシャフトの断面図
【図4】本発明に係るクランクシャフトの分解図
【図5】従来の2サイクル多気筒エンジン用クランクシ
ャフトの断面図
【符号の説明】
16…エンジン、30…クランクシャフト、41,4
2,61,62…第1〜第4ジャーナル、43,45,
53,55,63,65…アーム部(第1〜第6アーム
部)、47…クランクピン、51…第1オイルシール当
接部、52…第2オイルシール当接部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2サイクル多気筒エンジン用クランクシ
    ャフトにおいて、このクランクシャフトは、クランクピ
    ンの両端部をアーム部に抜き差し自在に取付けた組合せ
    型クランクシャフトであることを特徴とした2サイクル
    多気筒エンジン用クランクシャフト。
JP11087267A 1999-03-29 1999-03-29 2サイクル多気筒エンジン用クランクシャフト Pending JP2000283141A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090801A1 (ja) * 2004-03-24 2005-09-29 Kondo Kousakusho Co., Ltd. クランクシャフト及びその製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090801A1 (ja) * 2004-03-24 2005-09-29 Kondo Kousakusho Co., Ltd. クランクシャフト及びその製法

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