JP2000282872A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents
筒内噴射式火花点火内燃機関Info
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B23/00—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
- F02B23/08—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
- F02B23/10—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder
- F02B23/104—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder the injector being placed on a side position of the cylinder
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/12—Other methods of operation
- F02B2075/125—Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/24—Cylinder heads
- F02F2001/244—Arrangement of valve stems in cylinder heads
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧縮行程後半にピストン頂面に形成されたキ
ャビティ内に噴射された燃料をキャビティの底壁を進行
させて対向側壁によって点火プラグ近傍に導く筒内噴射
式火花点火内燃機関において、比較的厚さの薄い平らな
扇状に噴射された燃料各部分を点火プラグ近傍に同時に
集合させ、キャビティ内に噴射された全ての燃料により
形成される一塊の可燃混合気を確実に着火燃焼させるこ
とにより、良好な成層燃焼を実現することである。 【解決手段】 キャビティ８の対向側壁８ｂは平面視に
おいて略円弧形状を有し、燃料噴射弁７は燃料を比較的
厚さの薄い扇状に噴射するものであり、キャビティ８内
に噴射された全ての燃料は、キャビティの対向側壁の両
側部だけによって偏向されて点火プラグ６近傍に導かれ
る。
ャビティ内に噴射された燃料をキャビティの底壁を進行
させて対向側壁によって点火プラグ近傍に導く筒内噴射
式火花点火内燃機関において、比較的厚さの薄い平らな
扇状に噴射された燃料各部分を点火プラグ近傍に同時に
集合させ、キャビティ内に噴射された全ての燃料により
形成される一塊の可燃混合気を確実に着火燃焼させるこ
とにより、良好な成層燃焼を実現することである。 【解決手段】 キャビティ８の対向側壁８ｂは平面視に
おいて略円弧形状を有し、燃料噴射弁７は燃料を比較的
厚さの薄い扇状に噴射するものであり、キャビティ８内
に噴射された全ての燃料は、キャビティの対向側壁の両
側部だけによって偏向されて点火プラグ６近傍に導かれ
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射式火花点
火内燃機関に関する。
火内燃機関に関する。
【０００２】
【従来の技術】気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴
射弁を具備する筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行
程末期にピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料
を噴射することにより、燃料を高温の空気とピストン熱
とを利用して気化させると共に点火プラグ近傍へ導き、
点火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プ
ラグ近傍だけに形成し、気筒内全体としてリーンな混合
気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものである。
射弁を具備する筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行
程末期にピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料
を噴射することにより、燃料を高温の空気とピストン熱
とを利用して気化させると共に点火プラグ近傍へ導き、
点火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プ
ラグ近傍だけに形成し、気筒内全体としてリーンな混合
気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものである。
【０００３】特開平９−１５８７３６号公報に開示され
ている筒内噴射式火花点火内燃機関のように、一般的に
は、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気ポート側に配置さ
れ、点火プラグは気筒上部略中心に配置されている。ま
た、ピストン頂面に形成されたキャビティは、燃料噴射
弁から噴射された燃料が衝突する底壁と、燃料噴射弁に
対向する対向側壁とを有しており、この対向側壁によっ
て、衝突後に底壁に沿って進行する燃料を点火プラグ近
傍に偏向するようになっている。
ている筒内噴射式火花点火内燃機関のように、一般的に
は、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気ポート側に配置さ
れ、点火プラグは気筒上部略中心に配置されている。ま
た、ピストン頂面に形成されたキャビティは、燃料噴射
弁から噴射された燃料が衝突する底壁と、燃料噴射弁に
対向する対向側壁とを有しており、この対向側壁によっ
て、衝突後に底壁に沿って進行する燃料を点火プラグ近
傍に偏向するようになっている。
【０００４】前述の従来技術において、燃料噴射弁は、
燃料を比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射するものであ
り、キャビティの底壁上を進行する燃料は、幅方向に拡
がって底壁の広範囲部分から熱吸収するために気化し易
い。キャビティの対向側壁は、平面視において円弧形状
を有しているために、幅方向における燃料の中央部分
は、底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって
上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ近傍に向
けられる。また、幅方向における燃料の両側部分は、対
向側壁に対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、
底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ近傍に向けられる。
こうして、幅方向に拡がって良好に気化しつつある燃料
各部を点火プラグ近傍に集合させ、点火プラグ近傍に良
好な可燃混合気を形成できるとしている。
燃料を比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射するものであ
り、キャビティの底壁上を進行する燃料は、幅方向に拡
がって底壁の広範囲部分から熱吸収するために気化し易
い。キャビティの対向側壁は、平面視において円弧形状
を有しているために、幅方向における燃料の中央部分
は、底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって
上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ近傍に向
けられる。また、幅方向における燃料の両側部分は、対
向側壁に対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、
底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ近傍に向けられる。
こうして、幅方向に拡がって良好に気化しつつある燃料
各部を点火プラグ近傍に集合させ、点火プラグ近傍に良
好な可燃混合気を形成できるとしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、幅方向
における燃料の中央部分と両側部分とは、点火プラグ近
傍に向かう際のキャビティの底壁及び対向側壁上の移動
距離の違い等によって、点火プラグ近傍に同時に集合さ
せることはできず、燃料の中央部分又は両側部分のいず
れかによって形成される可燃混合気しか確実に着火燃焼
させることができない。こうして、良好な成層燃焼は実
現されずに、意図する機関出力が得られない可能性があ
る。
における燃料の中央部分と両側部分とは、点火プラグ近
傍に向かう際のキャビティの底壁及び対向側壁上の移動
距離の違い等によって、点火プラグ近傍に同時に集合さ
せることはできず、燃料の中央部分又は両側部分のいず
れかによって形成される可燃混合気しか確実に着火燃焼
させることができない。こうして、良好な成層燃焼は実
現されずに、意図する機関出力が得られない可能性があ
る。
【０００６】従って、本発明の目的は、圧縮行程後半に
ピストン頂面に形成されたキャビティ内に噴射された燃
料をキャビティの底壁を進行させて対向側壁によって点
火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関におい
て、比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射された燃料各部
分を点火プラグ近傍に同時に集合させ、キャビティ内に
噴射された全ての燃料により形成される一塊の可燃混合
気を確実に着火燃焼させることにより、良好な成層燃焼
を実現することである。
ピストン頂面に形成されたキャビティ内に噴射された燃
料をキャビティの底壁を進行させて対向側壁によって点
火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関におい
て、比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射された燃料各部
分を点火プラグ近傍に同時に集合させ、キャビティ内に
噴射された全ての燃料により形成される一塊の可燃混合
気を確実に着火燃焼させることにより、良好な成層燃焼
を実現することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項１に
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒上部壁に配
置された点火プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、ピストン頂面に形成されたキャビティ
とを具備し、前記キャビティは、底壁と、前記燃料噴射
弁に対向する対向側壁とを有し、前記燃料噴射弁から圧
縮行程後半に前記キャビティ内に噴射された燃料を、前
記キャビティの前記底壁上を進行させた後に前記対向側
壁によって偏向して前記点火プラグ近傍に導く筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記キャビティの前記対
向側壁は平面視において略円弧形状を有し、前記燃料噴
射弁は燃料を比較的厚さの薄い扇状に噴射するものであ
り、前記キャビティ内に噴射された全ての前記燃料は、
前記キャビティの前記対向側壁の両側部だけによって偏
向されて前記点火プラグ近傍に導かれることを特徴とす
る。
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒上部壁に配
置された点火プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、ピストン頂面に形成されたキャビティ
とを具備し、前記キャビティは、底壁と、前記燃料噴射
弁に対向する対向側壁とを有し、前記燃料噴射弁から圧
縮行程後半に前記キャビティ内に噴射された燃料を、前
記キャビティの前記底壁上を進行させた後に前記対向側
壁によって偏向して前記点火プラグ近傍に導く筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記キャビティの前記対
向側壁は平面視において略円弧形状を有し、前記燃料噴
射弁は燃料を比較的厚さの薄い扇状に噴射するものであ
り、前記キャビティ内に噴射された全ての前記燃料は、
前記キャビティの前記対向側壁の両側部だけによって偏
向されて前記点火プラグ近傍に導かれることを特徴とす
る。
【０００８】また、本発明による請求項２に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記キャビティ内に噴射
された全ての前記燃料は、一つの前記燃料噴射弁から噴
射された後に分割部材との衝突によって少なくとも幅方
向に二分割されることにより、前記キャビティの前記対
向側壁の前記両側部だけによって偏向されて前記点火プ
ラグ近傍に導かれることを特徴とする。
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記キャビティ内に噴射
された全ての前記燃料は、一つの前記燃料噴射弁から噴
射された後に分割部材との衝突によって少なくとも幅方
向に二分割されることにより、前記キャビティの前記対
向側壁の前記両側部だけによって偏向されて前記点火プ
ラグ近傍に導かれることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】図１は、本発明による筒内噴射式
火花点火内燃機関の実施形態を示す概略縦断面図であ
る。図２は、図１のピストンの平面図である。これらの
図において、１は吸気ポート、２は排気ポートである。
吸気ポート１は吸気弁３を介して、排気ポート２は排気
弁４を介して、それぞれ気筒内へ通じている。５はピス
トンであり、その頂面には凹状のキャビティ８が形成さ
れている。６は気筒上部略中心に配置された点火プラグ
であり、７は気筒上部周囲から気筒内へ直接的に燃料を
噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴射弁７は、燃
料のベーパを防止するために、気筒内において吸気流に
より比較的低温度となる吸気ポート１側に配置されてい
る。
火花点火内燃機関の実施形態を示す概略縦断面図であ
る。図２は、図１のピストンの平面図である。これらの
図において、１は吸気ポート、２は排気ポートである。
吸気ポート１は吸気弁３を介して、排気ポート２は排気
弁４を介して、それぞれ気筒内へ通じている。５はピス
トンであり、その頂面には凹状のキャビティ８が形成さ
れている。６は気筒上部略中心に配置された点火プラグ
であり、７は気筒上部周囲から気筒内へ直接的に燃料を
噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴射弁７は、燃
料のベーパを防止するために、気筒内において吸気流に
より比較的低温度となる吸気ポート１側に配置されてい
る。
【００１０】また、燃料噴射弁７は、スリット状の噴孔
を有し、燃料を厚さの薄い扇状に噴射するものである。
成層燃焼を実施するためには、図１に示すように、圧縮
行程末期において燃料をピストン５の頂面に形成された
キャビティ８内へ噴射する。斜線で示す噴射直後の燃料
は液状であるが、キャビティ８の底壁８ａに沿って進行
して、キャビティ８の燃料噴射弁７に対向する対向側壁
８ｂによって点火プラグ６近傍へ導かれるまでに気化
し、点火時点において、ドットで示す着火性の良好な可
燃混合気となる。こうして、点火プラグ６近傍だけに可
燃混合気を形成して、気筒内全体としてはリーンな混合
気を燃焼可能とする成層燃焼を実現することが意図され
ている。
を有し、燃料を厚さの薄い扇状に噴射するものである。
成層燃焼を実施するためには、図１に示すように、圧縮
行程末期において燃料をピストン５の頂面に形成された
キャビティ８内へ噴射する。斜線で示す噴射直後の燃料
は液状であるが、キャビティ８の底壁８ａに沿って進行
して、キャビティ８の燃料噴射弁７に対向する対向側壁
８ｂによって点火プラグ６近傍へ導かれるまでに気化
し、点火時点において、ドットで示す着火性の良好な可
燃混合気となる。こうして、点火プラグ６近傍だけに可
燃混合気を形成して、気筒内全体としてはリーンな混合
気を燃焼可能とする成層燃焼を実現することが意図され
ている。
【００１１】厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、キャビティ
８の底壁８ａに沿って進行する際に幅方向に拡がるため
に、キャビティ８の底壁８ａの広範囲部分から良好に熱
を吸収して容易に気化することができる。それにより、
幅方向に拡がって気化しつつある燃料を対向側壁８ｂに
よって点火プラグ６近傍に集合させることができれば、
点火プラグ６近傍には、キャビティ８内に噴射された全
ての燃料によって一塊の可燃混合気が形成され、良好な
成層燃焼が実現されるために、意図する機関出力を得る
ことができる。
８の底壁８ａに沿って進行する際に幅方向に拡がるため
に、キャビティ８の底壁８ａの広範囲部分から良好に熱
を吸収して容易に気化することができる。それにより、
幅方向に拡がって気化しつつある燃料を対向側壁８ｂに
よって点火プラグ６近傍に集合させることができれば、
点火プラグ６近傍には、キャビティ８内に噴射された全
ての燃料によって一塊の可燃混合気が形成され、良好な
成層燃焼が実現されるために、意図する機関出力を得る
ことができる。
【００１２】キャビティ８の対向側壁８ｂは、平面視に
おいて円弧形状を有しているために、幅方向における燃
料の中央部分は、底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが
対向側壁８ｂによって上方向の速度ベクトルへ変換さ
れ、点火プラグ６近傍に向かうことを可能とする。ま
た、幅方向における燃料の両側部分は、対向側壁８ｂに
対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、底壁８ａ
上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｂによって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ６近傍に向かうこと
を可能とする。
おいて円弧形状を有しているために、幅方向における燃
料の中央部分は、底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが
対向側壁８ｂによって上方向の速度ベクトルへ変換さ
れ、点火プラグ６近傍に向かうことを可能とする。ま
た、幅方向における燃料の両側部分は、対向側壁８ｂに
対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、底壁８ａ
上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｂによって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ６近傍に向かうこと
を可能とする。
【００１３】幅方向における燃料の両側部分は、点火プ
ラグ６近傍に向かう際に、キャビティ８の底壁８ａ及び
対向側壁８ｂ上の移動距離がほぼ等しく、また、対向側
壁８ｂによって速度ベクトルが変換される際のエネルギ
損失もほぼ等しい。それにより、燃料の両側部分は、互
いに同時に点火プラグ６近傍に到達する。
ラグ６近傍に向かう際に、キャビティ８の底壁８ａ及び
対向側壁８ｂ上の移動距離がほぼ等しく、また、対向側
壁８ｂによって速度ベクトルが変換される際のエネルギ
損失もほぼ等しい。それにより、燃料の両側部分は、互
いに同時に点火プラグ６近傍に到達する。
【００１４】しかしながら、幅方向における燃料の中央
部分は、両側部分に比較して、点火プラグ近傍に向かう
際に、キャビティの底壁及び対向側壁上の移動距離が短
いことに加えて、対向側壁によって速度ベクトルが変換
される際のエネルギ損失が小さい。それにより、燃料の
中央部分は、両側部分に比較して、点火プラグ近傍にか
なり早く到達し、両側部分が点火プラグ近傍に到達する
時には、既に点火プラグ近傍を通過していることとな
る。こうして、単に、燃料を扇状に噴射しただけでは、
点火時点において点火プラグ６近傍には、燃料の中央部
分又は両側部分のいずれかによって形成される可燃混合
気しか存在させることができず、噴射された全ての燃料
を使用する良好な成層燃焼を実現することはできない。
部分は、両側部分に比較して、点火プラグ近傍に向かう
際に、キャビティの底壁及び対向側壁上の移動距離が短
いことに加えて、対向側壁によって速度ベクトルが変換
される際のエネルギ損失が小さい。それにより、燃料の
中央部分は、両側部分に比較して、点火プラグ近傍にか
なり早く到達し、両側部分が点火プラグ近傍に到達する
時には、既に点火プラグ近傍を通過していることとな
る。こうして、単に、燃料を扇状に噴射しただけでは、
点火時点において点火プラグ６近傍には、燃料の中央部
分又は両側部分のいずれかによって形成される可燃混合
気しか存在させることができず、噴射された全ての燃料
を使用する良好な成層燃焼を実現することはできない。
【００１５】この問題を解決するために、本実施形態で
は、燃料噴射弁７の噴孔近傍に分割部材９が設けられ、
この分割部材９によって扇状に噴射された燃料は幅方向
に二分割されるようになっている。それにより、図２に
示すように、キャビティ８内に噴射された全ての燃料
は、二つの扇状の燃料噴霧となってキャビティ８の底壁
８ａに衝突し、底壁８ａ上を幅方向に拡がりながら進行
して対向側壁８ｂの両側部に到達する。その後、各燃料
は、底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｂ
によって上方向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクト
ルとの合成速度ベクトルに変換され、点火プラグ６近傍
へ向かう。
は、燃料噴射弁７の噴孔近傍に分割部材９が設けられ、
この分割部材９によって扇状に噴射された燃料は幅方向
に二分割されるようになっている。それにより、図２に
示すように、キャビティ８内に噴射された全ての燃料
は、二つの扇状の燃料噴霧となってキャビティ８の底壁
８ａに衝突し、底壁８ａ上を幅方向に拡がりながら進行
して対向側壁８ｂの両側部に到達する。その後、各燃料
は、底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｂ
によって上方向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクト
ルとの合成速度ベクトルに変換され、点火プラグ６近傍
へ向かう。
【００１６】各燃料は、前述の説明における燃料の両側
部分に相当し、同時に点火プラグ６近傍に到達させるこ
とができる。こうして、点火時点において、キャビティ
８内に噴射された全ての燃料により形成される一塊の可
燃混合気を点火プラグ６近傍に位置させて確実な着火燃
焼が可能となり、良好な成層燃焼が実現されるために、
意図する機関出力を得ることができる。
部分に相当し、同時に点火プラグ６近傍に到達させるこ
とができる。こうして、点火時点において、キャビティ
８内に噴射された全ての燃料により形成される一塊の可
燃混合気を点火プラグ６近傍に位置させて確実な着火燃
焼が可能となり、良好な成層燃焼が実現されるために、
意図する機関出力を得ることができる。
【００１７】本実施形態において、噴射された扇状の燃
料噴霧を分割部材で幅方向に二分割することにより、キ
ャビティ８内に噴射された全ての燃料は、キャビティ８
の対向側壁８ｂの両側部だけによって偏向されて点火プ
ラグ近傍８に導かれるようにしたが、これは、本発明を
限定するものではなく、二つの噴孔を有する燃料噴射弁
を使用して、キャビティの対向側壁の両側部だけにより
点火プラグ近傍に偏向される二つの扇状の燃料噴霧を形
成しても良く、また、二つの燃料噴射弁を使用して、こ
のような二つの燃料噴霧を形成するようにしても良い。
料噴霧を分割部材で幅方向に二分割することにより、キ
ャビティ８内に噴射された全ての燃料は、キャビティ８
の対向側壁８ｂの両側部だけによって偏向されて点火プ
ラグ近傍８に導かれるようにしたが、これは、本発明を
限定するものではなく、二つの噴孔を有する燃料噴射弁
を使用して、キャビティの対向側壁の両側部だけにより
点火プラグ近傍に偏向される二つの扇状の燃料噴霧を形
成しても良く、また、二つの燃料噴射弁を使用して、こ
のような二つの燃料噴霧を形成するようにしても良い。
【００１８】本実施形態において、気化させやすい扇状
の燃料噴霧を使用することで、圧縮行程後半に噴射可能
な燃料量が増大して低燃料消費率を実現する成層燃焼領
域を高負荷側へ拡大することができる。しかしながら、
必要燃料量が多大となる機関高負荷時には、吸気行程で
の燃料噴射による均一燃焼を実施するようになってい
る。
の燃料噴霧を使用することで、圧縮行程後半に噴射可能
な燃料量が増大して低燃料消費率を実現する成層燃焼領
域を高負荷側へ拡大することができる。しかしながら、
必要燃料量が多大となる機関高負荷時には、吸気行程で
の燃料噴射による均一燃焼を実施するようになってい
る。
【００１９】本実施形態において、ピストン頂面のキャ
ビティは、燃料が衝突する底壁と、底壁上を進行する燃
料を点火プラグ近傍に導く対向側壁とを形状的に区別可
能なものである。しかしながら、これは、本発明を限定
するものではない。例えば、キャビティが略半球形状で
ある場合のように、底壁と対向側壁とが形状的には区別
できなくても、本発明は、燃料が衝突する部分をキャビ
ティを底壁として、また、この底壁上を進行する燃料を
点火プラグ近傍に導く部分をキャビティの対向側壁とし
て意図していることは明らかである。
ビティは、燃料が衝突する底壁と、底壁上を進行する燃
料を点火プラグ近傍に導く対向側壁とを形状的に区別可
能なものである。しかしながら、これは、本発明を限定
するものではない。例えば、キャビティが略半球形状で
ある場合のように、底壁と対向側壁とが形状的には区別
できなくても、本発明は、燃料が衝突する部分をキャビ
ティを底壁として、また、この底壁上を進行する燃料を
点火プラグ近傍に導く部分をキャビティの対向側壁とし
て意図していることは明らかである。
【００２０】
【発明の効果】このように、本発明による筒内噴射式火
花点火内燃機関によれば、気筒上部壁に配置された点火
プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、ピストン頂面に形成されたキャビティとを具備し、
キャビティは、底壁と、燃料噴射弁に対向する対向側壁
とを有し、燃料噴射弁から圧縮行程後半にキャビティ内
に噴射された燃料を、キャビティの底壁上を進行させた
後に対向側壁によって偏向して点火プラグ近傍に導く筒
内噴射式火花点火内燃機関において、キャビティの対向
側壁は平面視において略円弧形状を有し、燃料噴射弁は
燃料を比較的厚さの薄い扇状に噴射するものであり、キ
ャビティ内に噴射された全ての燃料は、キャビティの対
向側壁の両側部だけによって偏向されて点火プラグ近傍
に導かれるようになっている。対向側壁の両側部により
点火プラグ近傍に導かれる燃料は、それぞれ、キャビテ
ィの底壁及び対向側壁上の移動距離がほぼ等しく、対向
側壁により偏向される際のエネルギ損失もほぼ等しく、
点火プラグ近傍に同時に集合させることができるため
に、キャビティ内に噴射された全ての燃料により形成さ
れる一塊の可燃混合気を点火プラグ近傍に位置させて確
実に着火燃焼させることができ、良好な成層燃焼を実現
することが可能となる。
花点火内燃機関によれば、気筒上部壁に配置された点火
プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、ピストン頂面に形成されたキャビティとを具備し、
キャビティは、底壁と、燃料噴射弁に対向する対向側壁
とを有し、燃料噴射弁から圧縮行程後半にキャビティ内
に噴射された燃料を、キャビティの底壁上を進行させた
後に対向側壁によって偏向して点火プラグ近傍に導く筒
内噴射式火花点火内燃機関において、キャビティの対向
側壁は平面視において略円弧形状を有し、燃料噴射弁は
燃料を比較的厚さの薄い扇状に噴射するものであり、キ
ャビティ内に噴射された全ての燃料は、キャビティの対
向側壁の両側部だけによって偏向されて点火プラグ近傍
に導かれるようになっている。対向側壁の両側部により
点火プラグ近傍に導かれる燃料は、それぞれ、キャビテ
ィの底壁及び対向側壁上の移動距離がほぼ等しく、対向
側壁により偏向される際のエネルギ損失もほぼ等しく、
点火プラグ近傍に同時に集合させることができるため
に、キャビティ内に噴射された全ての燃料により形成さ
れる一塊の可燃混合気を点火プラグ近傍に位置させて確
実に着火燃焼させることができ、良好な成層燃焼を実現
することが可能となる。
【図１】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の実
施形態を示す概略縦断面図である。
施形態を示す概略縦断面図である。
【図２】図１のピストンの平面図である。
１…吸気ポート ２…排気ポート ３…吸気弁 ４…排気弁 ５…ピストン ６…点火プラグ ７…燃料噴射弁 ８…キャビティ ８ａ…底壁 ８ｂ…対向側壁 ９…分割部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友田 晃利 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 Ｆターム(参考） 3G023 AA01 AB03 AC05 AD01 AD02 AD03 AD09 AG01 3G066 AA02 AA05 AB02 AD12 BA14 CC21 CC34 CC37 CC48
Claims (2)
- 【請求項１】 気筒上部壁に配置された点火プラグと、
気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁と、ピスト
ン頂面に形成されたキャビティとを具備し、前記キャビ
ティは、底壁と、前記燃料噴射弁に対向する対向側壁と
を有し、前記燃料噴射弁から圧縮行程後半に前記キャビ
ティ内に噴射された燃料を、前記キャビティの前記底壁
上を進行させた後に前記対向側壁によって偏向して前記
点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関にお
いて、前記キャビティの前記対向側壁は平面視において
略円弧形状を有し、前記燃料噴射弁は燃料を比較的厚さ
の薄い扇状に噴射するものであり、前記キャビティ内に
噴射された全ての前記燃料は、前記キャビティの前記対
向側壁の両側部だけによって偏向されて前記点火プラグ
近傍に導かれることを特徴とする筒内噴射式火花点火内
燃機関。 - 【請求項２】 前記キャビティ内に噴射された全ての前
記燃料は、一つの前記燃料噴射弁から噴射された後に分
割部材との衝突によって少なくとも幅方向に二分割され
ることにより、前記キャビティの前記対向側壁の前記両
側部だけによって偏向されて前記点火プラグ近傍に導か
れることを特徴とする請求項１に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11089218A JP2000282872A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11089218A JP2000282872A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000282872A true JP2000282872A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=13964596
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11089218A Pending JP2000282872A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000282872A (ja) |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP11089218A patent/JP2000282872A/ja active Pending
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