JP2000282300A - 耐食性の優れたステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐食性の優れたステンレス鋼板およびその製造方法

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JP2000282300A
JP2000282300A JP8934999A JP8934999A JP2000282300A JP 2000282300 A JP2000282300 A JP 2000282300A JP 8934999 A JP8934999 A JP 8934999A JP 8934999 A JP8934999 A JP 8934999A JP 2000282300 A JP2000282300 A JP 2000282300A
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steel sheet
stainless steel
ruggedness
waviness
dull
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Toshimitsu Nagaya
敏光 長屋
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 ダル仕上げステンレス鋼板における美観
を害しひいては発銹の原因となる汚れが付着しがたいス
テンレス鋼板およびその製造方法を提供する。 【手段】 ステンレス鋼板をダル仕上げとし、かつその
表面の凹凸としてダル仕上げの凹凸の基調となるうねり
のみを有するものとする。またその製造方法を、ステン
レス冷延鋼板の表面にダル仕上を施した後、電解研磨に
よってダル仕上げの凹凸の基調となるうねりより微細な
うねりを除去するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステンレス鋼板およ
びその製造方法に係り、特に外部環境に曝される建材、
自動車部品等用ステンレス鋼板の耐食性を向上させたス
テンレス鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板、特にフェライト系ステ
ンレス鋼板は、建材や自動車の装飾部品等に広く用いら
れている。これらステンレス鋼板は、用途、使用環境に
よりブライト仕上げ、ヘアライン仕上げ、ダル仕上げ等
に表面の仕上げ状態を調整している。そのうち、表面粗
さの極めて小さいブライト仕上鋼板は、工場出荷状態で
は美麗であるが、一旦汚れ等が付着すると表面が平滑で
あるために、鋼板と付着した汚れの間に水等の物質が侵
入し難く、そのため汚れが剥離し難く次第に美観を損な
うようになる。そのため、ビルの外壁など外部環境に常
に曝されるものにはダル仕上げのステンレス鋼板が多く
用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ダル仕上のステンレス鋼板でも、表面に汚れが付着し容
易に剥離しない場合があり、かかる場合にはブライト仕
上げステンレス鋼板と同様に外観を害する。そればかり
か、かかる汚れは長期的には発銹の原因となり著しく美
観を害する。本発明は、ダル仕上げステンレス鋼板にお
ける美観を害しひいては発銹の原因となる汚れが付着し
がたいステンレス鋼板およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者は、ダル仕上げステン
レス鋼の汚れの発生原因について究明し、通常のダル仕
上げの凹凸に重畳して存在する微細な凹凸(うねり)が
あると、そこに汚れの原因となる物質が引っ掛かって汚
れの剥離を悪くし、ひいては発銹の原因にもなることを
発見し、かかる微細な凹凸を除去することにより画期的
に耐食性の優れたステンレス鋼板を発明するに至ったも
のである。
【0005】すなわち、本発明のステンレス鋼板は、表
面の凹凸としてダル仕上げの凹凸の基調となるうねりの
みを有するものであり、またその製造方法として、ステ
ンレス冷延鋼板の表面にダル仕上を施した後、電解研磨
によってダル仕上げの凹凸の基調となるうねりより微細
なうねりを除去することとするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の対象となるステンレス鋼
板は特にその材質を問わない。しかし、主として建材、
車両等の風雨にさらされる外装品として用いられるもの
であるから、フェライト系ステンレス鋼とするのが一般
的である。
【0007】本発明はダル仕上げのステンレス鋼が対象
となる。その表面粗度はダル仕上げと認められる範囲で
あれば特に問わないが、一般に平均粗さRaが1.5〜
3.5μm、最大粗さRmaxが8〜30μmの程度で
充分である。また、ダル仕上げは、ショットピーニング
加工を施して適当な粗度を付与したロールを用い、調質
圧延機または冷間圧延機で圧下して鋼板表面にロールの
粗度を転写することにより製造されるが、これらの手段
についても何ら限定するものではない。
【0008】本発明においては、ステンレス鋼板の表面
にはダル仕上げの凹凸の基調となるうねりのみを残し、
他の微細な凹凸は除去する。ダル仕上げの凹凸の基調と
なるうねりとは、上記のRaが1.5〜3.5μm、最
大粗さRmaxが8〜30μmの平均粗さおよび最大粗
さを与える滑らかな曲線状のうねりをいい、その上に重
畳される1桁あるいはそれ以上小さいオーダーの微細な
うねりを含まない。
【0009】上記の微細なうねりを除去するために、電
解研磨等適当な手段による研磨を行う。図1は、SUS
430ステンレス鋼板に対してRaが1.2μm、Rm
axが15μmのダル仕上げを行い、これに対して電解
液中で電流密度5.4×10 -3A/cm2、電解時間3
0sの条件で電解研磨を行った場合の鋼板表面の凹凸の
状態を示す拡大断面図である。ここに示すように、電解
研磨後の鋼板においては、図2に示す電解研磨前鋼板に
現れていた微細な凹凸が消失し、ダル仕上げの凹凸の基
調となる滑らかなうねりのみが残っている。なお、表面
粗度は、電解研磨前でRa1.2μm、Rmax15μ
m、電解研磨後でRa1.1μm、Rmax15μmで
あった。
【0010】このようにダル仕上げの凹凸の基調となる
滑らかなうねりのみを残し、その上に重畳して現れてい
る微細な凹凸を除去することにより、ダル仕上げ鋼板の
利点である凹凸による汚れの剥離し易さを維持しなが
ら、微細な凹凸による汚れや塩分の残存を防止すること
ができ、それによってステンレス鋼板には長期間に亘っ
て汚れや発銹等が生じない。
【0011】かかる汚れに強く、かつ耐食性に優れたス
テンレス鋼板は、常法に従いショットピーニング加工し
て適当な粗度を付与したロールで圧下して得たダル仕上
げ鋼板を電解研磨して製造するのがよい。図3は、本発
明の鋼板を得るために用いる電解研磨装置の構成の概略
を示すが、電解液ステンレス鋼板Sが電解槽1中に満た
された電解液2を通過する際、陽極3と電解液中に前記
鋼板Sに通路を挟んで浸漬された陰極4との間で電圧が
印加され、鋼板表面の微細な凹凸部が優先的に電解液中
に溶出してこれらの微細な凹凸を消失させるように電解
研磨が行われる。
【0012】この場合において、電解研磨量は、本発明
の目的に従い、ダル仕上げの凹凸の基調となる滑らかな
うねりの上に重畳して現れている微細な凹凸(二次的凹
凸)のみを除去する程度に設定すべきである。電解研磨
の溶解量は、鋼板表面の単位面積当たりに流れる電気量
に比例するため、ラインを通板する鋼板の速度と、電極
間に流れる電流値によってコントロールできるが、電解
液として濃度15〜70g/lの重クロム酸ソーダを用
い、電流密度2.0〜30.0×10-3A/cm2、電
解時間10〜60sの条件を採用するのが好ましい。
【0013】
【実施例1】SUS430ステンレス冷延に対して、表
面粗度Raが2.9μm、Rmaxが22μmのダル仕
上げを行い、これに対して電解液中で電流密度5.4×
10 -3A/cm2、電解時間30sの条件で電解研磨を
行った。その結果、表面粗度Raが2.7μm、Rma
xが21μmを有し、二次的な凹凸が実質的にない鋼板
が得られた。
【0014】この鋼板を、図4に示すように、低階層ビ
ルの外壁として施工し、施工後2年経過した後外観を観
察した。観察は、汚れなどが最も現れやすい6月の雨天
の翌日の晴天時に行ったが、美観を損なう様な汚れや発
銹は見当たらなかった。
【0015】
【実施例2】実施例1と同じ条件で本発明に従うステン
レス鋼板を製造した。また、比較材として、同一溶鋼か
ら製造したSUS430冷延鋼板を、ブライト仕上、一
般ダル仕上として製造し試験材とした。表1に試験材の
表面状態を示す。
【0016】
【表1】
【0017】これらの試験材を直径5m、中央部の高さ
40cmの丸屋根状の構造物試験体に仕上げ、その表面
を一年間に亘って観察した。実験場所は海岸より500
m離れた屋外の露天下とし、試験体の表面を20倍の拡
大鏡で観察して、汚れ、発銹点として識別可能なものは
全てカウントする方法をとって、12ヶ月に亘って定期
的な観察を繰り返した。観察結果は、単位面積当たりの
汚れの付着個数および発銹点個数の径時変化図として図
5および図6に示す。
【0018】図5、図6に示すように、本発明に従う鋼
板は、他の鋼板にくらべ12ヶ月経過時点において汚れ
付着個数が約1/2となり、また発銹点個数が約1/4
と激減することが確認できた。
【0019】
【発明の効果】本発明はステンレス鋼板の表面をダル仕
上げとし、かつその凹凸を該ダル仕上げの凹凸の基調と
なるうねりのみを有するものとし、その上に重畳して現
れる二次的な微細な凹凸を除去したものとしたので、汚
れ(飛散塩類の結晶も含む)が付着しても除去されやす
く、その結果、汚れ等が原因となる隙間腐食等による発
銹を低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う電解研磨を行った場合の鋼板表面
の凹凸の状態を示す拡大断面図である。
【図2】電解研磨前のダル仕上げ鋼板表面の凹凸の状態
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の鋼板を得るために用いる電解研磨装置
の構成の概略を示す側面図である。
【図4】本発明を試験的に施工した低階層ビルの外観図
である。
【図5】本発明に従うステンレス鋼板および比較材を屋
外において露天下においたときの経過時間と汚れ付着個
数の関係図である。
【図6】本発明に従うステンレス鋼板および比較材を屋
外において露天下においたときの経過時間と発銹個数の
関係図である。
【符号の説明】
1:電解槽 2:電解液 3:陽極 4:陰極 S:ステンレス鋼板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の凹凸として、実質的にダル仕上げ
    の凹凸の基調となるうねりのみを有することを特徴とす
    る耐食性の優れたステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 ステンレス冷延鋼板の表面にダル仕上を
    施した後、電解研磨によってダル仕上げの凹凸の基調と
    なるうねりより微細なうねりを除去することを特徴とす
    る耐食性の優れたステンレス鋼板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008084809A1 (ja) * 2007-01-10 2010-05-06 片山工業株式会社 金属光沢をコントロールした自動車用モ−ル
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