JP2000281675A - ジチアナフタレノファン化合物とその製造方法 - Google Patents

ジチアナフタレノファン化合物とその製造方法

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JP2000281675A JP11087281A JP8728199A JP2000281675A JP 2000281675 A JP2000281675 A JP 2000281675A JP 11087281 A JP11087281 A JP 11087281A JP 8728199 A JP8728199 A JP 8728199A JP 2000281675 A JP2000281675 A JP 2000281675A
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利紘 鎌田
Nobuhide Wasada
宜英 和佐田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規化合物である2,15−ジチア[4.
4](1,8)ナフタレノファン、その誘導体、および
これら化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 2,15−ジチア[4.4](1,8)
ナフタレノファン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物である
2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファ
ン化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンのペリ位(1、8位)を2−
チアトリメチレン基(−CHSCH −)で置換した
2,13−ジチア[3.3](1,8)ナフタレノファ
ンは従来知られている。しかしながら、2−チアトリメ
チレン基よりメチレン鎖が1個長い2−チアテトラメチ
レン基(−CHSCHCH−)がナフタレンのペ
リ位に架橋した2,15−ジチア[4.4](1,8)
ナフタレノファンは、後述するように、応用面での幅広
い用途が期待されているにもかかわらず、合成化学上の
困難性から、現在に至るまで文献未載の化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
新規化合物である2,15−ジチア[4.4](1,
8)ナフタレノファン化合物、およびこの化合物の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、1,8−ジ置換ナフタレン化合物の2分子
間ペリ環化反応について鋭意研究を重ねた結果、ビスメ
ルカプタン(ビスメルカプチド)による置換反応を用い
ることにより効率よく2,15−ジチア[4.4]
(1,8)ナフタレノファン骨格を合成しうることを見
いだし、この知見に基づき本発明をなすに至った。すな
わち本発明は、(1)下記式(I)で示される2,15
−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファン、式
(I)
【0005】
【化5】
【0006】(2)下記式(II)で示される2,15−
ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファン化合物、
式(II)
【0007】
【化6】
【0008】(3)下記式(III)で示される1,8−
ビス(2−置換エチル)ナフタレンと下記式(IV)で示
される1,8−ビス(メルカプトメチル)ナフタレンと
を反応させることを特徴とする(1)項記載の式(I)
で示される2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフ
タレノファンの製造方法、式(III)
【0009】
【化7】 (式中Xは、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基であ
る。)
【0010】式(IV)
【0011】
【化8】
【0012】及び(4)(1)項記載の式(I)で示さ
れる2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノ
ファンを酸化剤で処理することを特徴とする、(2)項
記載の式(II)で示される2,15−ジチア[4.4]
(1,8)ナフタレノファン化合物の製造方法を提供す
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において式(I)で表され
る化合物は、式(III)で表される1,8−ビス(2−
置換エチル)ナフタレンと式(IV)で表される1,8−
ビス(メルカプトメチル)ナフタレンとを、アルカリ又
は塩基触媒の存在下のもとに反応させることにより製造
することができる。式(III)でXは、Br、I、Cl
などのハロゲン原子、MsO、TsOなどのスルホニル
オキシ基である。また、式(II)で表される化合物は、
式(I)の化合物を酸化剤で処理することにより製造で
きる。
【0014】本発明の(I)の製造方法によれば、先ず
原科の(III)と(IV)を有機溶媒に溶かした有機溶液
と、触媒のアルカリ又は塩基を含むアルコール溶液とを
作り、これら二つの溶液を混合することにより反応は行
われる。有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンなどの
炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶
媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、四塩化炭素な
どのハロゲン系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン
性極性溶媒を使用することができる。触媒のアルカリと
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど1価金
属水酸化物、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなど
2価のアルカリ土類金属水酸化物を用いることができ、
通常これらをメタノール、エタノールなどのアルコール
系溶媒に溶かして用いる。また塩基とはナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシドなど金属原子のアルコキ
シドをいう。この場合、触媒としてアルカリを用いる場
合はこれらのアルコール溶媒は数パーセントの水を含ん
でいることが好ましい。
【0015】上記のようにして作った原科の(III)と
(IV)を溶かした有機溶液と触媒のアルカリ又は塩基を
含むアルコール溶液とを混ぜ合わせることにより反応は
行われる。この場合、前者を後者に加えても、またその
逆でもかまわない。しかし添加はゆっくりと少しずつ滴
下するようにし、通常4〜5分に1mlの速度で添加す
ることが好ましい。反応収率を上げるためには反応中た
えず効率よく撹拌し、また反応成分の溶液を添加終了後
もさらに2〜3時間反応液を撹拌してから反応を終結さ
せる。式(III)で表される化合物と式(IV)で表され
る化合物との反応モル比は、化学量論的に定めることが
できるが、通常1:1〜1:1.3であり、好ましくは
1:1.05〜1:1.1である。触媒のアルカリ又は
塩基の使用量は適宜に決定することができるが、通常、
当量比で、式(III)の1,8−ビス(2−置換エチ
ル)ナフタレン1に対し1.3〜1.7である。反応温
度は、好ましくは0〜50℃であり、より好ましくは1
0〜30℃である。
【0016】このようにして反応を行うと、触媒のアル
カリ又は塩基の作用で1,8−ビス(メルカプトメチ
ル)ナフタレン(IV)のメルカプチドと1,8−ビス
(2−置換エチル)ナフタレン(III)との間で縮合反
応が進行して白濁溶液が生ずる。反応終了後に溶媒を除
去して残留物を水で処理すると粗生成物が得られるので
これを再結晶により精製すると、原科の(III)1分子
と(IV)1分子が縮合環化した式(I)で表される2,
15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファンを
得ることができる。また本発明の反応に用いられる一般
式(III)又は(IV)で表される化合物のそれぞれのナフ
タレン環上には脱ハロゲン水素反応に影響しない不活性
な任意の基を導入しておいてもよい。そのような置換基
としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アミノ
基、ニトロ基、アルキルチオ基、エステル基、カルボキ
シル基、スルホニル基、ハロゲン原子などが挙げられ
る。
【0017】次に、得られた2,15−ジチア[4.
4](1,8)ナフタレノファン(I)に酸化剤を作用
させて酸化反応を行うと、2,15−ジチア[4.4]
(1,8)ナフタレノファンの誘導体である式(II)で
表される2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタ
レノファン2,2,15,15−テトラオキシド化合物
が得られる。酸化剤としては、過酸化水素、二酸化マン
ガン、無水クロム酸などが用いられる。この酸化反応は
酢酸、アセトン、四塩化炭素などの溶媒中で行われ、そ
の反応温度は酸化剤の種類により変化するが、一般には
70ないし100℃の範囲である。このようにして反応
を行うと反応の進行とともに、反応液は始めの無色から
薄黄色懸濁液に変化する。反応終了後にこの溶液を水で
処理すれば、2,15−ジチア[4.4](1,8)ナ
フタレノファン(I)の2個の硫黄原子がスルホンに酸
化された2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタ
レノファン化合物(II)が得られる。
【0018】本発明で得られた2,15−ジチア[4.
4](1,8)ナフタレノファン(I)およびその誘導
体である2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタ
レノファン−2,2,15,15−テトラオキシド(I
I)は、いずれも新規化合物である。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。 実施例1 1,8−ビス(2−ブロモエチル)ナフタレン2.28
9gと1,8−ビス(メルカプトメチル)ナフタレン
1.473gを溶かしたベンゼン溶液300mlを、水
酸化カリウム1.147gを含む95%エタノール75
0mlの撹拌溶液に、室温で24時間かけて滴下した。
反応混合物をさらに室温で2.5時間撹拌した後、生じ
た懸濁液から減圧下溶媒を除去した。残留物に水500
mlを加えて一晩撹拌し沈殿物を濾過・捕集して乾燥し
た。このようにして得た粗生成物を、エタノールとジク
ロロメタンの混合溶媒から再結晶して精製し、無色微結
晶として、1.856g(収率70%)の式(I)で表
される2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレ
ノファンが得られた。Mp.273.5℃(分解)。R
f(SiO/CHCl);0.62。M(m/
z);400。
【0020】比較例1 水素化ナトリウム0.81gを含むDME50mlの攪
拌溶液に、1,8−ビス(メルカプトメチル)ナフタレ
ン3.08gを加え、更に10分後に、1,8−ビス
(2−ブロモエチル)ナフタレン2.40gを溶かした
DME溶液50mlを、1時間かけて添加した。反応液
を更に50℃で2時間攪拌した後、生じたけん濁液から
減圧下溶媒を除去し残留物を常法により処理した。この
ようにして得た生成物は、多分子間反応によって生じた
褐色のタール状物質であった。 実施例2 2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファ
ン(I)0.212gを含む酢酸懸濁液16mlに、3
5%過酸化水素水6mlを加え、混合液を沸騰しない程
度に加熱撹拌して反応させた。16時間後、生じた薄黄
色懸濁液を氷水で処理して得られた沈殿物を濾過・捕
集、乾燥し、薄黄色粉末状微結晶として、0.153g
(収率63%)の式(II)で表される2,15−ジチア
[4.4](1,8)ナフタレノファン誘導体の2,1
5−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファン−
2,2,15,15−テトラオキシドが得られた。M
p.360℃(分解)。M(m/z);464。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、新規
化合物として、2,15−ジチア[4.4](1,8)
ナフタレノファンおよびその誘導体である2,15−ジ
チア[4.4](1,8)ナフタレノファン−2,2,
15,15−テトラオキシドが得られる。このような化
合物は、ペリ環式系と硫黄原子に由来する特異な反応性
を有することから、ポリエーテル、ポリエステルなど新
規ポリマーの製造原科として利用することができるほ
か、さらに硫黄原子を化学的にモディファイして重金属
捕集剤や界面活性剤などの製造原科としても利用でき
る。また、このような化合物は、特異な大環状構造を有
することから、金属イオンやアミノ酸など生体物質の分
子認識剤などとして有用な新規なキラルホスト化合物の
開発への応用が期待される。本発明の化合物は、従来既
知物質の1,8−ビス(メルカプトメチル)ナフタレン
から容易に製造することができるという利点もある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で示される2,15−ジチ
    ア[4.4](1,8)ナフタレノファン。 式(I) 【化1】
  2. 【請求項2】 下記式(II)で示される2,15−ジチ
    ア[4.4](1,8)ナフタレノファン化合物。 式(II) 【化2】
  3. 【請求項3】 下記式(III)で示される1,8−ビス
    (2−置換エチル)ナフタレンと下記式(IV)で示され
    る1,8−ビス(メルカプトメチル)ナフタレンとを反
    応させることを特徴とする請求項1記載の式(I)で示
    される2,15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレ
    ノファンの製造方法。 式(III) 【化3】 (式中Xは、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基であ
    る。) 式(IV) 【化4】
  4. 【請求項4】 請求項1記載の式(I)で示される2,
    15−ジチア[4.4](1,8)ナフタレノファンを
    酸化剤で処理することを特徴とする、請求項2記載の式
    (II)で示される2,15−ジチア[4.4](1,
    8)ナフタレノファン化合物の製造方法。
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