JP2000281393A - 生石灰含有粉末及びその製造方法 - Google Patents

生石灰含有粉末及びその製造方法

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JP2000281393A
JP2000281393A JP11087437A JP8743799A JP2000281393A JP 2000281393 A JP2000281393 A JP 2000281393A JP 11087437 A JP11087437 A JP 11087437A JP 8743799 A JP8743799 A JP 8743799A JP 2000281393 A JP2000281393 A JP 2000281393A
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cement
raw material
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quick
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Junji Asaumi
順治 浅海
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Taiheiyo Cement Corp
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セメント製造工程のサスペンションプレヒー
ターから分取した中間工程品を有機質汚泥処理等に用い
る際の使用量を低減するために、該中間工程品の生石灰
含有量を増加させた粉末及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 セメント製造工程のサスペンションプレ
ヒーターから分取した中間工程品を更に分級して生石灰
成分を増加させた粉末及び分級により生石灰成分を増加
させる製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント製造工程
の中間工程品を更に分級して得られ、有機質汚泥の脱水
等に用い得る生石灰含有粉末及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、生石灰を得る方法としては、石
灰石をベッケンバッハ炉、流動床炉、ロータリーキルン
等で熱分解により脱炭酸し製造する方法が採られてい
た。これらの方法では純度の高い生石灰は得られるもの
の、基本的に焼成物及び燃焼排出ガスからの熱回収が完
全に行える装置ではないため、エネルギーコストが非常
に掛かる製造方法であった。一方、生石灰の用途の中に
は、高い純度を要しない場合や、他の原料と混合して用
いる場合などがあり、そのような場合には純度は低くと
もより安価な生石灰含有材料が求められていた。そのよ
うな用途の一つとして、有機質汚泥の脱水のために生石
灰を添加し、生成した固形物はセメント原料として用い
るという処理方法があった。そこで、特開平11−42500
では、有機質含有汚泥の脱水のために添加する生石灰と
して、セメント焼成系のサスペンションプレヒーターか
ら分取され、セメント調合原料を加熱して得られる生石
灰を含む中間工程品を用いる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のセメント調合原
料を加熱して得られる生石灰を含む中間工程品を用いる
方法によれば、確かに安価な生石灰含有粉末が得られる
わけであるが、しかし他の成分の含有率が高く、生石灰
の含有率は通常40%程度であった。このため、有機質
汚泥の脱水を完全に行うためには、該中間工程品を大量
に使用しなければならず、通常汚泥とほぼ同量の中間工
程品を必要とする。従って、有機質汚泥発生源に搬送す
る中間工程品粉末の量、有機質汚泥処理後の固形物の量
がいずれも大量になりすぎるという欠点があった。ここ
で該中間工程品の生石灰の含有率を増加できれば、生石
灰含有粉末の使用量を減ずることができ、上述の有機質
汚泥の脱水のためにも、更に他の用途、例えば地盤改良
材等に用いていくためにも望ましいと考えられた。本発
明はこの様な事実に鑑み、該中間工程品の生石灰含有率
を増加させた粉末、及びその製造方法を提供することを
目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の技術の
問題点を解決し、目的を達成するために、発明者らは鋭
意研究を重ねた結果、以下のような手段を用いることに
より、問題点を解消した生石灰含有物質が得られること
を見いだした。すなわち、目的を達成するための本発明
は、石灰石を脱炭酸する生石灰の製造方法において、セ
メント焼成系のサスペンションプレヒーターから分取さ
れ、セメント調合原料を加熱して得られる生石灰を含む
中間工程品を分級し、その細粒分を取り出すことによ
り、生石灰分を増加させた生石灰含有粉末並びに、石灰
石を脱炭酸し生石灰を製造する生石灰の製造方法におい
て、セメント焼成系のサスペンションプレヒーターから
分取され、セメント調合原料を加熱して得られる生石灰
を含む中間工程品を分級し、その細粒分を取り出すこと
を特徴とする、生石灰分を増加させた生石灰含有粉末の
製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。セメントの製造は原料工程、焼成工程、仕上げ工
程の3工程に大別される。原料工程は石灰石、粘土、珪
石、酸化鉄原料等を適当な割合に調合したうえ、、原料
ミルで乾燥・微粉砕し、原料サイロに貯蔵される。次に
調合原料は焼成工程に送られる。焼成工程は調合原料を
焼成したのち、冷却し、セメントクリンカとするまでの
工程である。現在ほとんどのセメント工場ではサスペン
ションプレヒータキルンを用い原料を焼成している。サ
スペンションプレヒータキルンはロータリキルンの前に
サイクロン式プレヒータを設けたもので、このプレヒー
タは4〜5段のサイクロンを配列、連結したもので、原
料配合物の微粉体はこれらのサイクロンを順次通過しな
がら降下し、逆方向に上昇してくるキルン排ガスと熱交
換して、850℃〜900℃ぐらいまで予熱されてから
ロータリキルンにはいる。したがって、調合原料中の粘
土鉱物と石灰石はプレヒータ内で熱分解し、石灰石につ
いては、脱炭酸化により以下のように生石灰が生成され
る。 CaCO3→CaO+CO2
【0006】予熱された原料は最下段サイクロンから円
筒状のシュートを通ってロータリーキルンにフィードさ
れる。このシュートの入り口部に分取ダンパーを設け、
中間工程品の一部を分取し、水冷式冷却器等で冷却す
る。分取された中間工程品の成分は一例として、化学組
成がSiO2 19.0%、Al23 4.3%、Fe2
3 2.7%、CaO 60.5%、MgO 1.5
%となっており、生石灰を十分に含有しその他珪酸、鉄
分等を含有している。また、この中間工程品は微粉末状
で平均粒径が10〜15μmの粒子である。
【0007】セメント製造ではサスペンションプレヒー
ターで予熱されたセメント原料はロータリキルンに入
り、約1450℃で焼成されてエーライト(3CaO・
SiO 2)、ビーライト(2CaO・SiO2)及び間隙
相(3CaO・Al23及び4CaO・Al23・Fe
23)等の人工鉱物からなるクリンカができる。セメン
トはこの後、仕上工程で、クリンカに適当量の石膏を加
え、仕上げミルで微粉砕して製品となる。一方、本発明
は前記最下段のサイクロンから分取された中間工程品を
更に分級した細粒分を利用するものである。
【0008】前記の原料ミルでの微粉砕においては、石
灰石、粘土、珪石、酸化鉄原料等を計量した後、同時に
ミルに供給し粉砕するが、このとき被粉砕性の良い石灰
石はより微粉となり、被粉砕性の悪い粘土、珪石、酸化
鉄原料は粗粒が多くなる傾向がある。この各成分別の粒
度の特徴は、調合原料がサスペンションプレヒーターで
予熱され石灰石等の分解が進んだ状態においてもそのま
ま保たれている。また、石灰石が分解して生成した生石
灰より、粘土、珪石、酸化鉄原料の方がその密度が大で
ある。このような性状を持つ最下段サイクロンから分取
された中間工程品を更に分級した場合、以下の現象を招
来する。すなわち、その分級方法が回転気流に乗った粒
子を遠心力と気流による抗力のバランスで分離する遠心
分級である場合、より細かい粒子が多く、しかも密度の
小さい生石灰分は細粒側に多く集まり、より大粒子が多
く、密度の大きい他の成分は粗粒側に多く集まる。従っ
て、分級装置の細粒分側で得られる粉末は、元の中間工
程品に比して生石灰含有率が高くなっている。
【0009】一例としては、中間工程品で43%であっ
た生石灰分が、10ミクロンを分級点とする分級を行う
ことにより、その細粒側では生石灰分65%の粉末が得
られた。また遠心分級以外にも慣性分級に依っても同様
の効果が得られる。その他に粒子を分級する方法として
篩い分けがある。篩い分けの場合には、上述の密度の効
果は期待できないが、単に粒子径による生石灰含有率の
相違の効果の分だけは、細粒側の生石灰含有率を増加さ
せることができる。
【0010】上記の分級を行う装置としては、自由渦型
遠心分級装置として例えばサイクロンがあり、強制渦型
遠心分級装置として例えばO−SEPA(商品名、小野
田エンジニアリング株式会社製)、サイクロンエアセパ
レーター(商品名、ヴェダーグ社製)、ターボクラシフ
ァイアー(商品名、日清エンジニアリング株式会社
製)、アキュカット(商品名、日本ドナルドソン株式会
社製)等があり、慣性分級を行う装置としては、ルーバ
ー型分級機、バーチュアルインパクター、エルボージェ
ット(商品名、松坂貿易株式会社製)等あるが、これら
に限定されるものではない。
【0011】これらの装置を用いて分級するときの分級
点の設定は、必要としている生石灰含有率等の条件によ
り選択することができる。ここで分級点とは、分級装置
に供給された粉末の中で、その50%が細粒側に、50
%が粗粒側に分級される粒子径をいう。この分級点より
大きな粒子は50%以上が粗粒側に行き、分級点より小
さな粒子は50%以上が細粒側に行くことになる。分級
点を小さくすればするほど、上記の中間工程品の分級に
おいて細粒側に生石灰含有率の高い粉末が得られるが、
それに伴い収率も低下していくので、実用的な分級点の
範囲は10ミクロン〜100ミクロンの間である。上記
の分級装置においては、通風の風速、回転羽根の回転速
度、ベーンの角度等を調整することにより、分級点を変
更することができる。
【0012】分級によって生じる粗粒分については、以
下の様な方法で活用することができる。有機質汚泥の処
理においては、有機質汚泥を該中間工程品を分級した細
粒分で脱水した固形分を、セメント原料に混入して処理
する時に、同時に一定の比率で添加して活用することが
できる。また、細粒分をその他の用途に用いた場合に
は、粗粒分をセメント原料の粉砕工程で、原料の一種と
して配合することで活用できる。
【0013】上記の様に、セメント製造工程において製
造されるセメントになる前の中間工程品をサスペンショ
ンプレヒータから分取したのみでは、その生石灰含有量
は40%程度であるものが、該中間工程品を分級するこ
とによって60%以上の生石灰含有量にまで増加させる
ことができる。生石灰含有量が増加したことと、反応の
早い微粉となったことで、有機質汚泥の脱水処理におい
ては、添加する該中間工程品の量を大幅に減じることが
可能で、一例では約半量にすることが可能であった。従
って、汚泥発生源まで搬送する該中間工程品、汚泥発生
源から処理後に搬出する固形物の輸送量も大幅に低減す
ることができる。また、その他の用途、例えば地盤改良
材等に用いる場合にも、その使用量を低減することが可
能となる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明の生石灰含有
粉末及びその製造方法は、セメント原料をサスペンショ
ンプレヒータ付きセメント焼成キルンで焼成し、粉砕し
てなるセメントの製造工程においてサスペンションプレ
ヒータから分取されたセメントの中間工程品を、更に分
級することにより生石灰含有量の増加した粉末を得るこ
とができ、該生石灰含有量の増加した粉末を有機質汚泥
の処理等に用いる場合、その使用量を大幅に低減するこ
とが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント原料をサスペンションプレヒー
    タ付きセメント焼成キルンで焼成し、粉砕してなるセメ
    ントの製造工程においてサスペンションプレヒータから
    分取されたセメントの中間工程品を、更に分級して生石
    灰成分を増加させたことを特徴とする生石灰含有粉末。
  2. 【請求項2】 セメント原料をサスペンションプレヒー
    タ付きセメント焼成キルンで焼成し、粉砕してなるセメ
    ントの製造工程においてサスペンションプレヒータから
    分取されたセメントの中間工程品を、更に分級して生石
    灰成分を増加させることを特徴とする生石灰含有粉末の
    製造方法。
JP11087437A 1999-03-30 1999-03-30 生石灰含有粉末及びその製造方法 Pending JP2000281393A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101161755B1 (ko) 2012-02-24 2012-07-03 한국지질자원연구원 저품위 석회석의 품위 향상 방법과 그 석회석
CN113620672A (zh) * 2021-09-09 2021-11-09 武汉理工大学 一种部分煅烧石灰石-煅烧黏土水泥基材料及其制备方法

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