JP2000280062A - 高硬度材料部一体結合鋳物およびその製造方法 - Google Patents

高硬度材料部一体結合鋳物およびその製造方法

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JP2000280062A
JP2000280062A JP11090268A JP9026899A JP2000280062A JP 2000280062 A JP2000280062 A JP 2000280062A JP 11090268 A JP11090268 A JP 11090268A JP 9026899 A JP9026899 A JP 9026899A JP 2000280062 A JP2000280062 A JP 2000280062A
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casting
hardness material
forming
hardness
mold
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Tetsuo Yamakage
哲郎 山陰
Hajime Fukami
肇 深見
Akimasa Ninomiya
昭政 二宮
Kiyoharu Suzuki
清春 鈴木
Yoshiyuki Okamura
嘉之 岡村
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度材料部と該高硬度材料部を保持する鋳
物部との結合強度を高めるとともに、結合強度の高い複
合材鋳物の製造を可能にすること。 【解決手段】 高硬度材料部1と、この高硬度材料部1
を保持するための鋳物部2と、前記高硬度材料部1と前
記鋳物部2との境界部において前記高硬度材料部1を構
成する元素材料と前記鋳物部2を構成する材料とが結合
する拡散層3が形成され、前記高硬度材料部1と前記鋳
物部2とを一体的に結合している高硬度材料部一体結合
鋳物およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度材料部と、
この高硬度材料部を保持するための鋳物部とから成り、
前記高硬度材料部を構成する材料と前記鋳物部を構成す
る材料とが化学的または物理的に結合している高硬度材
料部一体結合鋳物および高硬度材料部一体結合鋳物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の機械構成部品として使用される鋳
物のような鋳鉄材料において、耐摩耗性を向上させるた
めに、前記機械構成部品の表面を溶融した後冷却して硬
い硬化層としてチル組織を作るのが一般的であった。
【0003】前記チル組織を作ったものに、さらに摩擦
抵抗を下げるためにタフトライド等を後付けしていた。
また前記機械構成部品の表面に焼入れしたライナーを張
り付ける(後付)のが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の機械構成部
品は、サイズの大きなものや、形状が複雑な場合は、前
記硬化層およびライナーを作ることが技術的に難しいと
ともに、後付け等のためにコスト高となり、熱応力によ
るひずみの発生の可能性も高いという問題があった。
【0005】そこで本発明者は、高硬度材料部と、この
高硬度材料部を保持するための鋳物部とから成る高硬度
材料部一体結合鋳物において、前記高硬度材料部を構成
する材料と前記鋳物部を構成する材料とが化学的または
物理的に結合させるという本発明の技術的思想に着眼
し、更に研究開発を重ねた結果、前記高硬度材料部と該
高硬度材料部を保持する鋳物部との結合強度を高めると
ともに、結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能にする
という目的を達成する本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の高硬度材料部一体結合鋳物は、高硬度材
料部と、この高硬度材料部を保持するための鋳物部とか
ら成り、前記高硬度材料部を構成する材料と前記鋳物部
を構成する材料とが化学的または物理的に結合している
ものである。
【0007】本発明(請求項2に記載の第2発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物は、高硬度材料部と、この高硬
度材料部を保持するための鋳物部と、前記高硬度材料部
と前記鋳物部との境界部において前記高硬度材料部を構
成する元素材料と前記鋳物部を構成する材料とが結合す
る拡散層が形成され、前記高硬度材料部と前記鋳物部と
を一体的に結合しているものである。
【0008】本発明(請求項3に記載の第3発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物は、前記第2発明において、前
記高硬度材料部は超硬(WC)であり、前記鋳物部は鋳
鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料であり、前記拡散層は前
記鋳物部の鉄元素(Fe)と前記超硬の炭素元素(C)
とが化合しているものである。
【0009】本発明(請求項4に記載の第4発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物は、前記第2発明において、前
記高硬度材料部は、超硬(WC)、炭化珪素(Si
C)、チッ化珪素(Si3 N4 )、酸化アルミニウム
(Al2 O3 )の何れか1つの材料で形成され、前記鋳
物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料で形成されてい
るものである。
【0010】本発明(請求項5に記載の第5発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、高硬度材料を所
定形状に形成するステップと、鋳型の内部に前記高硬度
材料を型込めすると共にこの高硬度材料の表面に開口す
る注湯空間を形成するステップと、この注湯空間に鋳物
部を形成する金属材料からなる溶湯を注入するステップ
とからなり、前記注湯空間に形成される鋳物部と高硬度
材料とをこれら間に拡散層を生成させて一体結合するも
のである。
【0011】本発明(請求項6に記載の第6発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明に
おいて、前記注湯空間を形成するステップは、前記鋳物
部に対応する形状の消失模型を形成するサブステップ
と、前記消失模型を前記高硬度材料の表面に接触させた
状態で前記鋳型内に型込めするサブステップとから成る
ものである。
【0012】本発明(請求項7に記載の第7発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明に
おいて、前記注湯空間を形成するステップは、前記鋳物
部に対応する模型を形成するサブステップと、前記模型
を前記高硬度材料の表面に接触させた状態で前記鋳型内
に型込めするサブステップと、前記鋳型を型分割して前
記模型を取り出すと共に前記鋳型を型合わせして前記高
硬度材料の表面に開口する注湯空間を形成するサブステ
ップとから成るものである。
【0013】本発明(請求項8に記載の第8発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明な
いし第7発明の何れか1において、前記高硬度材料は超
硬(WC)を使用し、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れ
か1の材料を使用し、前記拡散層部には鋳物部の鉄元素
(Fe)と前記超硬の炭素元素(C)とが化合するよう
にしたものである。
【0014】本発明(請求項9に記載の第9発明)の高
硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明な
いし第7発明の何れか1において、前記高硬度材料は超
硬(WC)、炭化珪素(SiC)、チッ化珪素(Si3
N4 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )の何れか1の
材料を使用し、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1の
材料を使用するものである。
【0015】
【発明の作用および効果】上記構成より成る第1発明の
高硬度材料部一体結合鋳物は、前記高硬度材料部と、こ
の高硬度材料部を保持するための前記鋳物部とから成る
複合材鋳物において、前記高硬度材料部を構成する材料
と前記鋳物部を構成する材料とが化学的または物理的に
結合しているので、前記高硬度材料部と該高硬度材料部
を保持する鋳物部との結合強度を高めるという効果を奏
する。
【0016】上記構成より成る第2発明の高硬度材料部
一体結合鋳物は、前記高硬度材料部と前記鋳物部との境
界部において、前記高硬度材料部を構成する元素材料と
前記鋳物部を構成する材料とが結合する拡散層が形成さ
れ、前記高硬度材料部と前記鋳物部とが一体的に結合し
ているので、前記高硬度材料部と該高硬度材料部を保持
する鋳物部との結合強度を高めるという効果を奏する。
【0017】上記構成より成る第3発明の高硬度材料部
一体結合鋳物は、前記第2発明において、前記高硬度材
料部は超硬(WC)であり、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼
の何れか1つの材料であり、前記拡散層は前記鋳物部の
鉄元素(Fe)と前記超硬の炭素元素(C)とが化合し
ているので、前記高硬度材料部の前記超硬(WC)と該
高硬度材料部を保持する鋳物部の前記鋳鉄及び鋳鋼の何
れか1つの材料との結合強度を高めるという効果を奏す
る。
【0018】上記構成より成る第4発明の高硬度材料部
一体結合鋳物は、前記第2発明において、前記高硬度材
料部は、超硬(WC)、炭化珪素(SiC)、チッ化珪
素(Si3 N4 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )の
何れか1つの材料で形成され、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳
鋼の何れか1つの材料で形成されているので、前記高硬
度材料部を構成する前記材料と前記鋳物部を構成する前
記材料とが一体的に結合しているので、前記高硬度材料
部と該高硬度材料部を保持する鋳物部との結合強度を高
めるという効果を奏する。
【0019】上記構成より成る第5発明の高硬度材料部
一体結合鋳物の製造方法は、高硬度材料を所定形状に形
成し、鋳型の内部に前記高硬度材料を型込めすると共に
この高硬度材料の表面に開口する注湯空間を形成し、こ
の注湯空間に鋳物部を形成する金属材料からなる溶湯を
注入して、前記注湯空間に形成される鋳物部と高硬度材
料とをこれら間に拡散層を生成させて一体結合するの
で、結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能にするとい
う効果を奏する。
【0020】上記構成より成る第6発明の高硬度材料部
一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明において、前
記注湯空間を形成するステップが、前記鋳物部に対応す
る形状の消失模型を形成し、前記消失模型を前記高硬度
材料の表面に接触させた状態で前記鋳型内に型込めする
ので、結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能にすると
いう効果を奏する。
【0021】上記構成より成る第7発明の高硬度材料部
一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明において、前
記注湯空間を形成するステップが、前記鋳物部に対応す
る模型を形成し、前記模型を前記高硬度材料の表面に接
触させた状態で前記鋳型内に型込めし、前記鋳型を型分
割して前記模型を取り出すと共に前記鋳型を型合わせし
て前記高硬度材料の表面に開口する注湯空間を形成する
ので、結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能にすると
いう効果を奏する。
【0022】上記構成より成る第8発明の高硬度材料部
一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明ないし第7発
明の何れか1において、前記高硬度材料は超硬(WC)
を使用し、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1の材料
を使用し、前記拡散層部には鋳物部の鉄元素(Fe)と
前記超硬の炭素元素(C)とが化合するようにしたの
で、前記高硬度材料部の前記超硬(WC)と該高硬度材
料部を保持する鋳物部の前記鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つ
の材料との結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能にす
るという効果を奏する。
【0023】上記構成より成る第9発明の高硬度材料部
一体結合鋳物の製造方法は、前記第5発明ないし第7発
明の何れか1において、前記高硬度材料は超硬(W
C)、炭化珪素(SiC)、チッ化珪素(Si3 N4
)、酸化アルミニウム(Al2 O3)の何れか1の材料
を使用し、前記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1の材料
を使用するので、前記高硬度材料部を構成する前記材料
と前記鋳物部を構成する前記材料とが一体的に結合して
いるので、前記高硬度材料部と該高硬度材料部を保持す
る鋳物部との結合強度の高い複合材鋳物の製造を可能に
するという効果を奏する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
説明する。
【0025】(実施形態)本実施形態の高硬度材料部一
体結合鋳物および高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法
は、高硬度材料部と、この高硬度材料部を保持するため
の鋳物部と、前記高硬度材料部と前記鋳物部との境界部
において前記高硬度材料部を構成する元素材料と前記鋳
物部を構成する材料とが結合する拡散層が形成され、前
記高硬度材料部と前記鋳物部とを一体的に結合している
ものである。
【0026】本実施形態の高硬度材料部一体結合鋳物に
おける前記高硬度材料部は、超硬(WC)、炭化珪素
(SiC)、チッ化珪素(Si3 N4 )、酸化アルミニ
ウム(Al2 O3 )の何れか1つの材料で形成され、前
記鋳物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料で形成され
ている。
【0027】本実施形態の高硬度材料部一体結合鋳物の
一例としては、前記高硬度材料部が超硬(WC)であ
り、前記鋳物部が鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料であ
り、前記拡散層が前記鋳物部の鉄元素(Fe)と前記超
硬の炭素元素(C)とが化合することにより、前記高硬
度材料部と前記鋳物部とを一体的に結合しているもので
ある。
【0028】本実施形態の高硬度材料部一体結合鋳物を
製造する高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、高硬
度材料を所定形状に形成するステップと、鋳型の内部に
前記高硬度材料を型込めすると共にこの高硬度材料の表
面に開口する注湯空間を形成するステップと、この注湯
空間に鋳物部を形成する金属材料からなる溶湯を注入す
るステップとからなり、前記注湯空間に形成される鋳物
部と高硬度材料とをこれら間に拡散層を生成させて一体
結合するものである。
【0029】また高硬度材料部を保持するための鋳物部
を構成する鋳物の湯としては、鋳鉄、鋳鋼、アルミ合
金、銅合金、亜鉛合金、およびマグネシウム、チタンお
よび工作機械のコラムとかベッドその他の構造材料に用
いられる片状黒鉛鋳鉄(FC300)等が用いられる。
【0030】前記鋳型の内部に前記高硬度材料を型込め
すると共にこの高硬度材料の表面に開口して形成された
注湯空間に挿置される消失模型に添加する異種材料の一
例である耐摩耗性材料としては、超硬材片、炭化タング
ステン(WC)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン
(TiC)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、立方晶
ボロンナイトライド(CBN)、ダイヤモンド(D)、
窒化珪素(Si3 N 4)、炭化珪素(SiC)等の元素
を1または複数組み合わせた焼結体等が使用可能であ
り、好適な粒径としては、数μから0.1mmの範囲の
ものが用いられる。
【0031】また真鍮などの摩擦係数を下げる材料、ス
テンレス鋼などの耐腐性材料の添加が挙げられる。
【0032】前記消失模型に添加する異種材料のその他
の例である潤滑性材料としては、ボロンナイトライド
(BN)、二硫化モリブデン(MoS2 )の元素を1ま
たは複数組み合わせて使用可能である。
【0033】湯材料として片状黒鉛鋳鉄(FC300)
を用い、耐摩耗性粉末としてタングステン(WC)を用
いる場合、微少偏析部が硬化するが、その理由は、タン
グステン(W)と鋳鉄中の炭素(C)が化学反応して超
硬(WC)を析出し、タングステン(W)とリン(P)
またはマンガン(Mn)が化学反応して鋳鉄の結晶構造
を歪ませる。
【0034】
【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて説
明する。
【0035】(実施例)本実施例の高硬度材料部一体結
合鋳物および高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、
本発明を高硬度材料部一体結合鋳物として工作機械のセ
ンタに適用したものである。
【0036】本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物は、
図1に示されるように高硬度材料部1と、この高硬度材
料部1を保持するための鋳物部2と、前記高硬度材料部
1と前記鋳物部2との境界部において前記高硬度材料部
1を構成する元素材料と前記鋳物部2を構成する材料と
が結合する拡散層3が形成され、前記高硬度材料部1と
前記鋳物部2とを一体的に結合しているものである。
【0037】すなわち高硬度材料部一体結合鋳物の前記
高硬度材料部1が、図1に示されるように円錐状の超硬
円錐先端部であり、前記高硬度材料部1を保持するため
の鋳物部2が、前記超硬円錐先端部1を先端に固着され
るテーパー状の筒体より成るテーパ状保持部である。
【0038】本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物を製
造する高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法は、高硬度
材料を所定形状に形成するステップと、鋳型の内部に前
記高硬度材料を型込めすると共にこの高硬度材料の表面
に開口する注湯空間を形成するステップと、この注湯空
間に鋳物部を形成する金属材料からなる溶湯を注入する
ステップとからなり、前記注湯空間に形成される鋳物部
2と高硬度材料部とをこれら間に拡散層3を生成させて
一体結合するものである。
【0039】本実施例の製造方法について、図2を用い
て詳細に説明する。前記高硬度材料を所定形状に形成す
るステップ101において、円錐状の超硬円錐先端部を
形成する。前記超硬円錐先端部は、WC、ダイヤモン
ド、CBN焼結体によって構成することが出来、本実施
例においては一例として超硬(WC)を採用した。
【0040】消失模型を製作するステップ102におい
て、図3に示されるように超硬円錐先端部1をテーパー
状の筒体より成るテーパ状保持部2より径および長さに
おいて一回り大きなサイズの消失模型4を発泡スチロー
ルその他の発泡材によって製作する。
【0041】すなわち消失模型鋳造における消失模型側
に異種材片を添加する鋳物を製造する。具体的にはロス
トフォームで、部分的にフォームと置き換えて異種材を
添加する。
【0042】例えば上述した図1に示されるセンターに
おいて、実施例として、目的部分の硬度を高め耐摩耗性
を向上する目的で、超硬材片を添加して鋳物を製造した
例を挙げる。この他に耐摩耗性向上が期待できる材料と
してセラミック(炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si
3 N 4)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、CBN,
ダイヤなどの焼結体等が挙げられる。
【0043】機械的性能向上が期待できる異種材を添加
して鋳造する。真鍮などの摩擦係数を下げる材料、ステ
ンレス鋼などの耐腐性材料の添加が挙げられる。
【0044】次にステップ103において、前記製作さ
れた模型を、図4に示されるように鋳型枠81内に載置
された鋳型の下型821内に超硬円錐先端部1を挿置す
るとともに、鋳型の下型821および鋳型の上型822
内に消失模型4を載置して型込めが行われる。
【0045】ステップ104において、図4に示される
ように鋳型内に湯である片状黒鉛鋳鉄(FC300)を
湯口84および湯道87を介して注ぎ、注湯を行う。
【0046】ステップ104において、前記分割型の鋳
型82内に注湯されると、前記鋳型82内の鋳込み空間
85内に挿置された前記消失模型4を置換して前記片状
黒鉛鋳鉄が充填されるので、前記鋳型の下型821内に
挿置された超硬(WC)の前記円錐先端部1の炭素Cと
前記片状黒鉛鋳鉄のFeとが、前記円錐先端部1と前記
テーパ状保持部2との境界面において化学的に結合し
て、微少偏析が形成され拡散層が形成される。
【0047】しかも前記模型4の一部すなわち内部に添
加された耐摩耗性材料としてのタングステンと、充填さ
れた片状黒鉛鋳鉄中に含有される材料とによって微少偏
析が形成される。
【0048】つぎにステップ105において、型込めを
行った型を分割することにより、前記鋳型をばらして鋳
物10を前記鋳型から取り出し、ステップ106におい
て図5および図6に示されるように仕上げの機械加工を
施す。
【0049】すなわちステップ106の仕上げ加工にお
いて、図5に示されるように旋盤の主軸チャック等の把
持装置91によって前記鋳型から取り出された前記鋳物
部の一端を把持して、外周面をバイトにより粗加工し、
その後右端にセンタリング用の円錐状の穴を穿設する。
次に図6に示されるように超硬円錐先端部1を円筒研削
盤の主軸台の雌型のセンター92に挿入するとともに、
右端の円錐状の穴に芯押台の雄型のセンター93を挿入
して挾持した後、研削砥石94、95によって傾斜した
二つの外周壁面を研削して仕上げる。
【0050】上述した本実施例の製造方法によって作ら
れた高硬度材料部一体結合鋳物は、前記分割型の鋳型8
2内に注湯されると、前記鋳型82内の鋳込み空間85
内に挿置された前記消失模型4を置換して前記片状黒鉛
鋳鉄が充填される。
【0051】前記消失模型4を置換して前記片状黒鉛鋳
鉄が充填されるので、前記鋳型の下型821内に挿置さ
れた超硬(WC)の前記円錐先端部1の上面の炭素Cと
前記テーパ状保持部2の下面の前記片状黒鉛鋳鉄のFe
とが、前記円錐先端部1と前記テーパ状保持部2との境
界面において化学的に結合して、微少偏析が形成され拡
散層が形成される。
【0052】このことは 超硬(WC)の前記円錐先端
部1と鋳鉄の前記テーパ状保持部2との境界部を観察し
た図7(A)および図7(B)に示される原寸および拡
大した顕微鏡写真および図7(C)に示されるSEM写
真から明らかなように、超硬(WC)の前記円錐先端部
1と鋳鉄の前記テーパ状保持部2との境界面に拡散層が
形成され、該拡散層を介して超硬(WC)の前記円錐先
端部1と鋳鉄の前記テーパ状保持部2とが隙間なく密着
し強固に結合されている。
【0053】すなわち、超硬(WC)の炭素(C)と前
記消失模型4を置換した前記片状黒鉛鋳鉄のFeとが化
学的に結合して、炭化タングステン(WC)の微少偏析
が形成される。
【0054】図7(C)に示される前記SEM写真にお
いて、白い部分は超硬片としての超硬(WC)の前記円
錐先端部1であり、黒い部分は鋳鉄の前記テーパ状保持
部2であり、境界面付近では超硬材と鋳鉄が混ざり合っ
ている拡散層が形成されている。
【0055】図7(C)に示されるSEM写真で撮影し
た箇所についてEPMA分析を実施した。その結果を図
8に示す。すなわち図8は、電子線マイクロアナライザ
(EPMA)による元素濃度のマッピング写真である。
【0056】図8から明らかなように超硬材片としての
超硬の前記円錐先端部1と鋳物の前記テーパ状保持部2
との境界から超硬の前記円錐先端部1側に50μm程度
までFeが拡散している。
【0057】また、前記境界から超硬の前記円錐先端部
1側に20μm程度の入った箇所で幅約10μmでFe
が多く分布している。この部分ではW濃度が低くなって
おり、超硬の前記円錐先端部1側にFeが拡散している
範囲では、Co濃度が低くなっている。
【0058】すなわち超硬の前記円錐先端部1側に約5
0μmの鋳鉄の拡散層が存在し、これにより鋳物の前記
テーパ状保持部2と超硬の前記円錐先端部1とが密着し
強固に結合していることになる。
【0059】本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物は、
図9に示されるように鋳物の前記テーパ状保持部2の硬
度は鋳鉄の通常の硬度であるビッカース硬さ200Hv
前後に対し、超硬の前記円錐先端部1の硬度はビッカー
ス硬さ1700Hv前後と硬く、前記両者を密着する前
記拡散層もビッカース硬さ1235Hvであり、超硬の
前記円錐先端部1の硬度に近い硬度を有するものであ
り、該拡散層によって超硬の前記円錐先端部1と該円錐
先端部1を支持する鋳物の前記テーパ状保持部2との強
固な結合を実現するという効果を奏する。
【0060】また本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物
の製造方法は、拡散層によって超硬の前記円錐先端部1
と該円錐先端部1を支持する鋳物の前記テーパ状保持部
2との強固な結合を実現する高硬度材料部一体結合鋳物
の製造を可能にするという効果を奏する。
【0061】さらに本実施例の高硬度材料部一体結合鋳
物の製造方法は、上述した消失模型鋳造において、前記
消失模型側に異種材片を添加することにより、添加した
部分に異種材料の性能をもたせ、部分的に機械的性能を
向上させることを可能にするという効果を奏する。
【0062】すなわち本実施例においては、一例として
超硬片を添加することにより部分的に硬度を高め、耐摩
耗性を向上させることを可能にするという効果を奏す
る。
【0063】この他に本実施例においては、摩擦係数を
下げたり、耐腐食性を持たせる異種材を添加することに
より、摩擦係数を下げたり、耐腐食性を持たせることを
可能にするという効果を奏する。
【0064】上述の実施形態および実施例は、説明のた
めに例示したもので、本発明としてはそれらに限定され
るものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明お
よび図面の記載から当業者が認識することができる本発
明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高硬度材料部一体結合鋳物を
示す平面図である。
【図2】本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物の製造ス
テップを示すチャート図である。
【図3】本実施例の消失模型を示す平面図である。製造
方法によって製造された複合材鋳物の要部を示す部分斜
視図である。
【図4】本実施例の複合材鋳物の製造に用いられる鋳型
および注湯工程を示す断面図である。
【図5】本実施例において、鋳型をばらし取り出した消
失模型を置換した鋳物の外周を粗旋削し一端にセンター
用の穴を穿設するための旋削装置を示す平面図である。
【図6】本実施例において、円筒研削盤により消失模型
を置換した鋳物の仕上げ研削加工を説明する平面図であ
る。
【図7】(A)は、本実施例における超硬の前記円錐先
端部1と鋳鉄の前記テーパ状保持部2との境界部を観察
した結果を示す顕微鏡写真である。(B)は、本実施例
における超硬の前記円錐先端部1と鋳鉄の前記テーパ状
保持部2との境界部を拡大して観察した結果を示す拡大
顕微鏡写真である。(C)は、本実施例における超硬の
前記円錐先端部1と鋳鉄の前記テーパ状保持部2との境
界部を観察した結果を示すSEM写真である。
【図8】本実施例における電子線マイクロアナライザ
(EPMA)による元素濃度を示すマッピング写真であ
る。
【図9】本実施例の高硬度材料部一体結合鋳物の高硬度
材料部と鋳物部との境界部における硬度の分布を示す線
図である。
【符号の説明】 1 高硬度材料部 2 鋳物部 3 拡散層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 103:04 103:06 (72)発明者 二宮 昭政 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 鈴木 清春 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 岡村 嘉之 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3C045 FD29 FE07 4E067 AA04 AA14 AA15 AB02 AB07 BA05 BK01 DC02 DC05 DC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高硬度材料によって構成された高硬度材
    料部と、この高硬度材料部を保持するための鋳物部とか
    ら成り、前記高硬度材料部を構成する材料と前記鋳物部
    を構成する材料とが化学的または物理的に結合すること
    により、前記鋳物部に前記高硬度材料部が一体的に結合
    していることを特徴とする高硬度材料部一体結合鋳物。
  2. 【請求項2】 高硬度材料によって構成された高硬度材
    料部と、この高硬度材料部を保持するための鋳物部と、
    前記高硬度材料部と前記鋳物部との境界部において前記
    高硬度材料部を構成する元素材料と前記鋳物部を構成す
    る材料とが結合する拡散層が形成され、前記高硬度材料
    部と前記鋳物部とが一体的に結合していることを特徴と
    する高硬度材料部一体結合鋳物。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記高硬度材料部は超硬(WC)であり、前記鋳物部は
    鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料であり、前記拡散層は
    前記鋳物部の鉄元素(Fe)と前記超硬の炭素元素
    (C)とが化合していることを特徴とする高硬度材料部
    一体結合鋳物。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記高硬度材料部は、超硬(WC)、炭化珪素(Si
    C)、チッ化珪素(Si3 N4 )、酸化アルミニウム
    (Al2 O3 )の何れか1つの材料で形成され、前記鋳
    物部は鋳鉄及び鋳鋼の何れか1つの材料で形成されてい
    ることを特徴とする高硬度材料部一体結合鋳物。
  5. 【請求項5】 高硬度材料を所定形状に形成するステッ
    プと、 鋳型の内部に前記高硬度材料を型込めすると共にこの高
    硬度材料の表面に開口する注湯空間を形成するステップ
    と、 この注湯空間に鋳物部を形成する金属材料からなる溶湯
    を注入するステップとからなり、 前記注湯空間に形成される鋳物部と高硬度材料とをこれ
    ら間に拡散層を生成させて一体結合することを特徴とす
    る高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記注湯空間を形成するステップは、前記鋳物部に対応
    する形状の消失模型を形成するサブステップと、前記消
    失模型を前記高硬度材料の表面に接触させた状態で前記
    鋳型内に型込めするサブステップとから成ることを特徴
    とする高硬度材料部一体結合鋳物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記注湯空間を形成するステップは、前記鋳物部に対応
    する模型を形成するサブステップと、前記模型を前記高
    硬度材料の表面に接触させた状態で前記鋳型内に型込め
    するサブステップと、前記鋳型を型分割して前記模型を
    取り出すと共に前記鋳型を型合わせして前記高硬度材料
    の表面に開口する注湯空間を形成するサブステップとか
    ら成ることを特徴とする高硬度材料部一体結合鋳物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7の何れか1において、 前記高硬度材料は超硬(WC)を使用し、前記鋳物部は
    鋳鉄及び鋳鋼の何れか1の材料を使用し、前記拡散層部
    には鋳物部の鉄元素(Fe)と前記超硬の炭素元素
    (C)とが化合するようにしたことを特徴とする高硬度
    材料部一体結合鋳物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし7の何れか1において、 前記高硬度材料は超硬(WC)、炭化珪素(SiC)、
    チッ化珪素(Si3 N4 )、酸化アルミニウム(Al2
    O3 )の何れか1の材料を使用し、前記鋳物部は鋳鉄及
    び鋳鋼の何れか1の材料を使用することを特徴とする高
    硬度材料部一体結合鋳物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103737033A (zh) * 2013-12-23 2014-04-23 柳州市永信机械配件制造有限公司 定位顶针
JP2017161003A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 住友重機械工業株式会社 摺動機構及び摺動部材の製造方法
CN111036855A (zh) * 2019-11-18 2020-04-21 洛阳双瑞精铸钛业有限公司 一种钛合金前罩壳体的成型方法

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