JP2000279553A

JP2000279553A - ゴルフボール

Info

Publication number: JP2000279553A
Application number: JP2000007390A
Authority: JP
Inventors: Atsunori Kasashima; 厚紀笠嶋; Kazuto Maehara; 和人前原; Keisuke Ihara; 敬介井原
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1999-01-27
Filing date: 2000-01-17
Publication date: 2000-10-10

Abstract

(57)【要約】【解決手段】表面に多数の凹状ディンプルが形成され
たゴルフボールにおいて、上記ディンプルの塗装前の周
縁部が丸味をもった曲面に形成されていると共に、この
周縁部曲面と、これに連続してボール表面に窪みを形成
する主要部曲面との変曲点が、ディンプル周縁部の上縁
部からディンプル深さの１０〜５０％の位置にあること
を特徴とするゴルフボールを提供する。【効果】本発明のゴルフボールは、印刷や塗装を良好
に行うことができ、塗装後においてもディンプルの精度
を極めて高く維持できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷欠けや塗装む
らが少ない高品質のゴルフボールに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、ゴルフボールとしては、硬質
ゴムのソリッドコアとその周面にアイオノマー樹脂を主
成分とするカバーを被覆形成してなるソリッドタイプ、
及びセンターボールに糸ゴムを巻回してなる糸巻きコア
にバラタカバーを被覆形成してなる糸巻きタイプなどが
知られている。そして、両タイプのゴルフボールは、共
に球面全体に多数のディンプルが配列されており、通
常、このディンプルが形成された球面上に更にブランド
ネーム等の印刷を行った後、カバー材の保護と外観向上
などを目的として塗装（通常、クリアー塗装）が施さ
れ、製品化されている。

【０００３】ここで、ディンプルについて図３を参照し
て説明すると、図３は、ゴルフボールの表面上に形成さ
れた１つのディンプルＤの塗装前の形状を示す部分拡大
断面図であり、通常、このディンプルＤは、直径Ｓが３
ｍｍ前後の平面視円形をしており、ボール全表面に僅か
な間隔を置いて多数配列されている。

【０００４】一般にディンプルは、ゴルフボール表面に
窪みとして形成されているが、詳細には、その断面形状
は、円、楕円、長楕円等の曲面の一部を示すように構成
されており、例えば、図３のディンプルＤの曲面の形状
は、円形の一部を構成する曲面形状になっている。

【０００５】この場合、ディンプルの上縁部Ｏは、通
常、ゴルフボール表面のディンプル非形成部分Ｚ（以
下、陸部Ｚという）より急傾斜となってディンプルの窪
みが形成されるため、塗装前は角ばった状態に形成され
る。なお、塗装後は、若干の丸味を帯びるものである。

【０００６】ここで、通常、ディンプルＤの直径Ｓは、
上述したディンプル上縁部Ｏによって囲まれる図形（通
常は円形）を基準にして測定され、また、ディンプル最
深値ｄは、ディンプルの最深部Ｅとボールにディンプル
が形成されないものとみなした仮想延長線Ｃで示される
本来のボール表面との距離ではなく、上記上縁部Ｏによ
って囲まれる平面（円）Ｉから最深部Ｅまでの距離で表
される。従って、ディンプルの上縁部Ｏは、ディンプル
の直径及び深さを表す場合の極めて重要な基点となって
いる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディン
プルの上縁部が角ばっていると、塗装を行った場合、上
述したようにディンプルの上縁部Ｏから底部にかけての
曲面が急傾斜となっているため、塗膜が上縁部Ｏで薄く
なり、一方、ディンプルの底部に塗料溜りが生じ、厚く
なって塗りむらが大となる。その他、塗装前に行われる
ブランドネームなどの印刷も角ばったディンプル上縁部
位置からディンプル内にかけて印刷欠けが生じることが
ある。

【０００８】特に、ディンプルの塗装むらは、塗装前に
いくら所望の設計のディンプルを形成し得ても、最終的
な製品ゴルフボールのディンプルが塗膜による影響を受
けてしまい、ディンプル精度を低下させる原因となる。

【０００９】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、印刷欠けや塗装むらが生じ難く、塗装後においても
ディンプル精度を維持することができるゴルフボールを
提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記ゴルフボールを提供する。請求項１：表面に多数の凹状ディンプルが形成されたゴ
ルフボールにおいて、上記ディンプルの塗装前の周縁部
が丸味をもった曲面に形成されていると共に、この周縁
部曲面と、これに連続してボール表面に窪みを形成する
主要部曲面との変曲点が、ディンプル周縁部の上縁部か
らディンプル深さの１０〜５０％の位置にあることを特
徴とするゴルフボール。請求項２：上記ディンプルの周縁部曲面の曲率半径が
０．３〜３．０ｍｍである請求項１記載のゴルフボー
ル。

【００１１】即ち、本発明者は、表面に多数のディンプ
ルが形成されたゴルフボールにおいて、設計された所望
のディンプルが形成されたボール表面に、ブランドネー
ム等の印刷やクリアー塗料等を塗装するという事情を考
慮して鋭意検討を行った結果、ボール表面に形成された
塗装前のディンプルの形状をボール表面に窪みを形成す
る主要部曲面と、該主要部曲面と連続する周縁部曲面と
で構成すると共に、上記両曲面の境界位置（変曲点）を
ディンプルの深さに応じて適正化することで、ブランド
ネーム等が欠けることなく印刷でき、しかもこの上から
クリアー塗料などを塗装する場合でも、塗膜層を均一に
して塗装を行うことができ、塗装前のディンプル形状と
同等の精度の高いディンプルを有するゴルフボールが得
られることを知見した。

【００１２】更に、本発明者が検討を行ったところ、上
記ディンプルの周縁部曲面の曲率半径を０．３〜３．０
ｍｍにすれば、塗装性が更に向上することを知見し、本
発明をなすに至ったものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明につき図面を参照し
て更に詳しく説明する。図１はゴルフボールＧのディン
プル配列を示す説明図、図２は本発明のゴルフボールの
ディンプルＤを部分的に拡大した断面図である。

【００１４】本発明のゴルフボールＧは、球状のボール
表面に多数のディンプルＤを具備してなり、ディンプル
配列、ディンプル総数は公知の態様とすることができ
る。従って、ディンプル配列としては、８面体、１２面
体、２０面体配列などを採用でき、ディンプル総数は、
通常２５０〜６００個、特に３００〜５００個にするこ
とができるが、特に制限されるものではない。

【００１５】本発明のゴルフボールは、表面に形成され
る多数のディンプルが、それぞれ、塗装前において、図
２に示されるように、ボールの内方（又は球の中心側）
に向かって形成される凹状の窪みである主要部曲面１
と、この主要部曲面１縁部とボールの陸部Ｚとの間に形
成される曲面であって、丸味を帯びた周縁部曲面２から
なる２つの部分曲面にて形成されるものである。

【００１６】ここで、各曲面について説明すると、ま
ず、主要部曲面１は、図２に示されるように、ディンプ
ルの窪みの主要部を占める曲面のことで、内部にディン
プルの最深部Ｅが位置している。また、周縁部曲面２
は、上記主要部曲面１の周縁部に連続していると共に、
陸部Ｚと連続している曲面で、陸部Ｚとの境界点（陸部
Ｚの接線との交点）がディンプルの上縁部Ｏになってい
るものである。なお、上記主要部曲面１は、通常、平面
円形状に形成される。

【００１７】本発明において、上記ディンプル主要部曲
面１の曲率半径ｒ_Mの中心はボールの外側に、また周縁
部曲率半径ｒ_Eの中心はボールの内側にそれぞれ位置し
ており、特に、周縁部曲面２の曲率半径ｒ_Eは、通常
０．３〜３．０ｍｍであることが推奨される。なお、主
要部曲面１の曲率半径ｒ_Mは、特に制限されるものでは
ないが、通常３〜２０ｍｍである。

【００１８】本発明のディンプルは、上記主要部曲面１
と、周縁部曲面２との２段階の曲面を構成しているもの
であるが、これら２つの曲面の境界位置（変曲点）ｈ
は、各ディンプルの最深値ｄによってそれぞれ適正化さ
れる必要がある。なお、ディンプルの最深値ｄとは、デ
ィンプル上縁部Ｏ（正確には上縁部を結ぶ平面Ｉ）から
ディンプル主要部曲面にある最深部Ｅまでの距離ｄのこ
とをいう。

【００１９】本発明において、上記変曲点ｈは、ディン
プルの上記周縁部の上縁部を結ぶ平面Ｉよりディンプル
の最深値ｄの１０〜５０％相当距離Ｆであることを必要
とする。ここで、変曲点ｈの位置が１０％に満たない
と、周縁部曲面の占める割合が小さすぎて、従来技術と
対比した場合の改善効果が現れず、一方、上限値５０％
を超えた場合、周縁部曲面の占める割合が大きすぎる
上、主要部曲面の占める割合が小さすぎて、ディンプル
の底部が狭くなり、ディンプルとして必要な容積が減少
する傾向が生じ、これを防ぐためには、ディンプルの深
さを不所望に深くせざるを得ず、その結果、印刷むらが
生じ易くなったり、塗料溜りがディンプル底に生じ易く
なってしまう。

【００２０】上記形状を有するディンプルは、公知のデ
ィンプル直径Ｓ、最深値ｄを有するものであればよく、
測定は、従来通りディンプル上縁部Ｏを基準として測定
することができ、この場合、ディンプル直径Ｓは、ディ
ンプル上縁部Ｏによって囲まれた平面の直径Ｓ（通常は
円形）であり、ディンプル最深値ｄは、この平面Ｉから
ディンプルの主要部曲面の最も深い位置Ｅとの距離であ
る。なお、ディンプル直径は、通常２〜５ｍｍ、特に
２．５〜４．５ｍｍ、ディンプル最深値ｄは、通常０．
０５〜０．３５ｍｍ、特に０．１〜０．３ｍｍであるこ
とが好ましい。

【００２１】また、本発明のゴルフボールは、上記ディ
ンプル以外のボール構造などには特に制限はなく、公知
の材料を用いて通常の方法を採用してワンピースゴルフ
ボール、ツーピースゴルフボール、３層構造以上のマル
チピースゴルフボール等のソリッドゴルフボールとして
も、糸巻きゴルフボールとしてもよい。

【００２２】

【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。

【００２３】〔実施例、比較例〕同一材料で同一形状に
形成したツーピースソリッドゴルフボールに対して、図
１に示すディンプル配列で、図２（実施例）、図３（比
較例）に示されるディンプル断面を有するディンプルを
それぞれ形成した。

【００２４】次いで、ディンプルが形成されたゴルフボ
ールに対して、同様にしてクリアー塗料を塗布し、乾燥
させた後、ゴルフボール外観を各部位について目視にて
観察し、良好（○）か否（×）かで評価した。結果を表
２に示す。

【００２５】

【表１】

【００２６】

【表２】

【００２７】

【発明の効果】本発明のゴルフボールは、印刷や塗装を
欠けやむらを生じさせることなく良好に行うことがで
き、塗装後のディンプルの精度も高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ゴルフボールのディンプル配列を示す説明図で
ある。

【図２】本発明のディンプルの形状を示す部分拡大断面
図である。

【図３】従来例のディンプルの形状を示す部分拡大断面
図である。

【符号の説明】

１主要部曲面２周縁部曲面ＧゴルフボールＥディンプル最深部ｄディンプル最深値ｈ変曲点Ｏディンプル上縁部Ｆ変曲点の位置範囲

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表面に多数の凹状ディンプルが形成され
たゴルフボールにおいて、上記ディンプルの塗装前の周
縁部が丸味をもった曲面に形成されていると共に、この
周縁部曲面と、これに連続してボール表面に窪みを形成
する主要部曲面との変曲点が、ディンプル周縁部の上縁
部からディンプル深さの１０〜５０％の位置にあること
を特徴とするゴルフボール。
【請求項２】上記ディンプルの周縁部曲面の曲率半径
が０．３〜３．０ｍｍである請求項１記載のゴルフボー
ル。