JP2000279509A - フツ素樹脂製外チューブ部材を有するバルーンカテーテル - Google Patents

フツ素樹脂製外チューブ部材を有するバルーンカテーテル

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JP2000279509A
JP2000279509A JP11088585A JP8858599A JP2000279509A JP 2000279509 A JP2000279509 A JP 2000279509A JP 11088585 A JP11088585 A JP 11088585A JP 8858599 A JP8858599 A JP 8858599A JP 2000279509 A JP2000279509 A JP 2000279509A
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Shinichi Miyata
伸一 宮田
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カテーテルチューブの近位端から遠位端まで
の外形形状に段差が無いバルーンカテーテルであって、
フツ素樹脂で形成されたカテーテルチューブを有するバ
ルーンカテーテル及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 バルーン拡張用ルーメン24及び10が
長手方向に沿って形成してあり、第1外チューブ部材6
aとフツ素樹脂製第2外チューブ部材6cからなる外チ
ューブ6Aと、バルーン拡張用ルーメン10と内部が連
通するバルーン部4と、バルーン部4の内部と第1外チ
ューブ部材6aのバルーン拡張用ルーメン10の内部と
に軸方向に延在する内チューブ12とを有し、内チュー
ブ12の近位端開口部が、第1外チューブ6aの長手方
向の途中に位置するチューブ壁を貫通して外部に開口し
ているバルーンカテーテル。前記第1外チューブ部材6
aとフツ素樹脂製の第2外チューブ部材6cとは、予め
接合させる部分にプラズマ照射を施し、次いで、接着剤
を使用せずに熱融着させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルチュー
ブの手元側がフツ素樹脂で形成されたモノレール方式の
バルーンカテーテルに関し、詳しくは、フツ素樹脂及び
フツ素樹脂との相溶性が低い他の高分子材料とを、プラ
ズマ処理を施すことにより、接着剤を用いることなく熱
融着することによって形成されたカテーテルチューブを
有するモノレール方式のバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】血管の狭窄に由来する疾病には、バルー
ンカテーテルによって、簡便に処置、回復させるいわゆ
るPTCA(経皮経管冠動脈拡張術)カテーテルが頻繁
に用いられている。
【0003】上記のPTCAカテーテルには、オーバー
・ザ・ワイヤ方式のバルーンカテーテルとモノレール方
式のバルーンカテーテルとがある。オーバー・ザ・ワイ
ヤ方式のバルーンカテーテルは、カテーテルチューブの
全長にわたりガイドワイヤ用ルーメンが形成してあり、
そのルーメン内に沿ってガイドワイヤを挿通し、そのガ
イドワイヤに沿ってバルーン部を狭窄部へと案内するも
のである(例えば、特開平7−265437号、特開平
8−38618号、特開平9−239035号公報
等)。
【0004】一方、モノレール方式のバルーンカテーテ
ルでは、カテーテルチューブの途中に、開口部を形成
し、その開口部からガイドワイヤ挿通用ルーメンを通し
て、バルーン部の遠位端まで導くものである。このた
め、この方式のバルーンカテーテルでは、バルーンカテ
ーテルの交換のために体外側に延びるガイドワイヤの長
さは、開口部からバルーン遠位端までの長さに相当する
長さよりも少し長い程度で良く、オーバー・ザ・ワイヤ
方式のものに比較して、短くすることができる。このた
め操作性に優れているとされている(例えば、特開昭6
3−288167号公報、特開平2−307479号公
報等)。
【0005】PTCAカテーテルは、例えば、心臓の冠
状動脈の処置では、まず冠状動脈入り口までガイディン
グカテーテルが挿入され、次に、ガイドワイヤーが狭窄
部を超えて挿入される。そして、バルーンカテーテルが
狭窄部まで押し込まれ、狭窄部を拡張するものである
が、このときのバルーンカテーテルの狭窄部への入り易
さは、狭窄通過性と呼ばれる。狭窄通過性は、バルーン
カテーテルのプロファイル(投影断面積)とともに、カ
テーテルの腰の強さ(プッシャビリティー)に大きく依
存することが経験的に知られている。
【0006】一方で、末梢血管にカテーテルを進めるた
めには、カテーテルを巧みに回転させ、血管の分岐に沿
ってカテーテルを進めていかなければならない。この回
転のさせ易さを、トルク伝達性という。また、カテーテ
ルが硬すぎると、血管を傷めてしまうおそれがあるの
で、カテーテル先端はできるだけ柔軟であることが要求
される。
【0007】このようなカテーテルの腰の強さと柔軟
性、柔軟性とトルク伝達性は、互いに相反する性質であ
り、これらを調和させた構造としては、カテーテルシャ
フトの近位端側が硬く、遠位端側に近づくほど徐々に柔
軟になるものが望ましい。
【0008】カテーテルの腰の強さ(プッシャビリティ
ー)及び押し込み特性を改良する目的で、特表平9−5
03411号公報には、補強ロッドをカテーテルチュー
ブの近位端からバルーン部の近位端間で配置し、ロッド
の遠位端をカテーテルチューブに対して固定してあるバ
ルーンカテーテルが提案されている。しかし、このバル
ーンカテーテルでは、カテーテルチューブの遠位端部分
の柔軟性が低下するために、複雑に曲がりくねった血管
の内部にバルーンカテーテルを押し込むことが困難にな
るという課題を有する。
【0009】さらに、例えば、硬度の異なる複数のカテ
ーテルチューブ作成し、これらを接着剤を使用して接合
して1本のカテーテルチューブとすることが考えられ
る。しかし、この場合、接着部分には凹凸が出来やす
く、滑らかに接合することがなかなか困難である。ま
た、それぞれ異なる材料からなるカテーテルチューブを
接続しようとすると、その異なる材料の両者に相溶性が
ある接着剤を使用しないと、これらを接合できないとい
う問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
が容易で、カテーテルチューブの外径を細くし易く、カ
テーテルチューブの近位端から遠位端までの外形形状に
段差が無く、バルーンカテーテルの挿入特性に優れ、キ
ンクし難にくい特性を有するバルーンカテーテルであっ
て、異なる高分子材料で形成されたカテーテルチューブ
を有するバルーンカテーテル及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】そこで、本発明者らは鋭意研究した結果、
比較的硬度の低いポリエチレン製のチューブと比較的硬
度の高いポリフツ化ビニリデン製のチューブとをそれぞ
れ作成し、これらにプラズマ処理を施したところ、接着
剤を使用せずに両者を熱融着できることを見出し、この
知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、下記(1)及び(2)が提供される。 (1)少なくとも一つのバルーン拡張用ルーメンが長手
方向に沿って形成してあり、第1外チューブ部材と当該
第1外チューブ部材の近位端部に接合されたフツ素樹脂
製第2外チューブ部材からなる外チューブと、前記第1
外チューブ部材の遠位端部にバルーン部の近位端部が接
合され、前記バルーン拡張用ルーメンと内部が連通する
バルーン部と、前記バルーン部の内部に密閉された拡張
用空間を形成するように、バルーン部の遠位端部が内チ
ューブの遠位端部に接合され、前記バルーン部の内部と
前記第1外チューブ部材のバルーン拡張用ルーメンの内
部とに軸方向に延在する内チューブとを有し、前記第1
外チューブ部材と当該フツ素樹脂製第2外チューブ部材
とが熱融着されたものであることを特徴とするバルーン
カテーテル。
【0013】(2)少なくとも一つのバルーン拡張用ル
ーメンが長手方向に沿って形成してある第1外チューブ
部材の遠位端部に、バルーン部の近位端部を、前記バル
ーン拡張用ルーメンとバルーン部の内部とが連通するよ
うに接合するバルーン部近位端部接合工程と、前記バル
ーン部の内部と前記第1外チューブ部材のバルーン拡張
用ルーメンの内部とに内チューブを軸方向に延在させ、
前記内チューブの遠位端部を、前記バルーン部の内部に
密閉された拡張用空間を形成するように、前記バルーン
部の遠位端部に接合する工程と、前記第1外チューブ部
材とフツ素樹脂製第2外チューブ部材とをプラズマ処理
する工程と、前記第1外チューブ部材とフツ素樹脂製第
2外チューブ部材とを熱融着することを特徴とする、前
記(1)のバルーンカテーテルの製造方法。
【0014】本発明のバルーンカテーテルの前記外チュ
ーブは、第1外チューブ部材と、当該第1外チューブ部
材の近位端部に接合されたフツ素樹脂製第2外チューブ
部材とを有し、当該第2外チューブ部材は、第1外チュ
ーブ部材に比較して、曲げ剛性(EI;Eは材
料のヤング率、Iは断面二次モーメント)が高くなるよ
うに、または異なる断面形状を有することが好ましい。
【0015】本発明のバルーンカテーテルの当該外チュ
ーブの外径を、近位端から遠位端側に向けてテーパ状に
外径が小さくなるテーパ状チューブとしても良い。さら
に、第2外チューブ部材のみを、円形断面ではない異形
断面としても良い。なお、その場合において、第1外チ
ューブ部材と第2外チューブ部材との接合部では、第2
外チューブ部材の断面形状と第1外チューブ部材との断
面形状を一致させるために、第2外チューブ部材の断面
形状を、接合部に向けて、異形断面から円形断面に徐々
に変化するような断面形状とする。
【0016】本発明のバルーンカテーテルの製造方法に
おいて、前記熱融着工程に際しては、ヒートシール用チ
ューブを用い、熱融着すべき部分を前記ヒートシール用
チューブで覆い、加熱することが好ましい。熱融着後に
は、ヒートシール用チューブを除去することが好まし
い。ヒートシール用チューブとしては、特に限定されな
いが、例えばフッ素樹脂チューブなどが用いられる。
【0017】本発明のバルーンカテーテルは、オーバー
・ザ・ワイヤ方式またはモノレール方式のいずれも採用
することができる。オーバー・ザ・ワイヤ方式の場合、
前記バルーン部の内部と前記外チューブ部材のバルーン
拡張用ルーメンの内部とに軸方向に延在する内チューブ
は、その近位端開口部は、当該外チューブの近位端及び
コネクタを貫通して外部に開口する。
【0018】モノレール方式の場合は、前記内チューブ
の近位端開口部が、前記外チューブの長手方向の途中に
位置するチューブ壁を貫通して外部に開口するように、
前記内チューブの近位端開口部と、前記外チューブのチ
ューブ壁とが気密に熱融着してあることが好ましい。
【0019】モノレール方式の場合、当該バルーンカテ
ーテルの製造方法は、少なくとも一つのバルーン拡張用
ルーメンが長手方向に沿って形成してある外チューブの
遠位端部に、バルーン部の近位端部を、前記バルーン拡
張用ルーメンとバルーン部の内部とが連通するように接
合するバルーン部近位端部接合工程と、前記バルーン部
の内部と前記外チューブのバルーン拡張用ルーメンの内
部とに内チューブを軸方向に延在させ、前記外チューブ
の軸方向途中に位置するチューブ壁に形成してある貫通
孔を通して、前記内チューブの近位端部を外チューブの
外側に引き出す引き出し工程と、前記外チューブのチュ
ーブ壁に形成してある貫通孔を通過する部分に位置する
前記内チューブの外側管壁と、前記貫通孔の内縁とを熱
融着する熱融着工程と、前記熱融着工程で熱融着された
前記内チューブの外側管壁と前記貫通孔の内縁との熱融
着部を残し、当該熱融着部から外側に位置する内チュー
ブの不要部分を除去し、内チューブの近位端開口部を、
外チューブのチューブ壁に形成する除去工程と、前記内
チューブの遠位端部を、前記バルーン部の内部に密閉さ
れた拡張用空間を形成するように、前記バルーン部の遠
位端部に接合する工程と、前記第1外チューブ部材とフ
ツ素樹脂製第2外チューブ部材とをプラズマ処理する工
程と、前記第1外チューブ部材とフツ素樹脂製第2外チ
ューブ部材とを接着剤を用いることなく熱融着する工程
とを有する。
【0020】
【作用】本発明のバルーンカテーテルは、第1外チュー
ブ部材とフツ素樹脂製第2外チューブ部材とが熱融着に
より接合されていることから、当該接合部分に段差が形
成されることがなく、バルーンカテーテルの挿入特性に
優れている。
【0021】本発明のバルーンカテーテルは、外チュー
ブを、比較的柔軟性のある遠位端側第1外チューブ部材
と、当該第1外チューブに接合される比較的剛性が高い
近位端側フツ素樹脂製第2外チューブ部材で構成するこ
とにより、バルーンカテーテルの押し込み特性がさらに
向上すると共に、カテーテルチューブの遠位端側が柔軟
になり、曲がりくねった血管などの体腔内での挿入特性
がさらに向上する。
【0022】本発明において、外チューブを、円形断面
の第1外チューブ部材と、当該第1外チューブ部材の近
位端部に接合された楕円形断面のフツ素樹脂製第2外チ
ューブ部材とで構成した場合には、外チューブの近位端
側の横断面が楕円形になることにより、例えばキッシン
グメソッドなどのように、血管に同時に二以上のバルー
ンカテーテルを挿入する際に、狭い血管内でも、血管に
負担をかけることなく挿入することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1(A)は本発明の1実施形
態に係るバルーンカテーテルの全体構成図、図1(B)
は図1(A)に示すIB−IB線に沿う断面図、図1
(C)は図1(A)に示すIC−IC線に沿う断面図、
図1(D)は図1(A)に示すID−ID線に沿う断面
図を示す。
【0024】図2は図1(A)に示すバルーンカテーテ
ルの要部縦断面図、図3(A)は本実施形態に係るバル
ーンカテーテルの製造過程を示す第1外チューブおよび
バルーン部の斜視図、図3(B)はバルーンカテーテル
の製造過程に用いるヒートシール用チューブの斜視図、
図4(A)、図4(B)、図5(A)および図5(B)
はバルーンカテーテルの製造過程を示す要部斜視図であ
る。
【0025】第1実施形態 図1に示す本実施形態に係るバルーンカテーテル2は、
例えば経皮的冠動脈形成術(PTCA)、四肢等の血管
の拡張術、上部尿管の拡張術、腎血管拡張術などの方法
に用いられ、血管あるいはその他の体腔に形成された狭
窄部を拡張するために用いられる。以下の説明では、本
実施形態のバルーンカテーテル2をPTCAに用いる場
合を例として説明する。
【0026】本実施形態の拡張用バルーンカテーテル2
は、いわゆるモノレール方式のバルーンカテーテルであ
り、バルーン部4と、カテーテルチューブとしての外チ
ューブ6と、コネクタ8とを有する。本実施形態は、内
チューブの近位端開口部が、第1外チューブ部材の長手
方向の途中に位置するチューブ壁を貫通して外部に開口
し、内チューブの近位端開口部と、第1外チューブ部材
のチューブ壁とが気密に熱融着してある構造を採用する
ことにより、バルーンカテーテルの遠位端部のみが、い
わゆる同軸構造のカテーテルチューブ構造となるもので
ある。
【0027】バルーンカテーテル2の外チューブ6は、
比較的柔軟性のある第1外チューブ部材6aと、当該第
1外チューブ部材6aに接合部9にて接合される比較的
剛性が高いフツ素樹脂製第2外チューブ部材6bとで構
成してある。本実施形態では、第1外チューブ部材6a
と第2外チューブ部材6bの断面形状および寸法は同じ
である。
【0028】図1および図2に示すバルーン部4は、両
端部が縮径された筒状の膜体で構成され、その膜厚は、
特に限定されないが、15〜300μm、好ましくは3
0〜150μmである。バルーン部4は、筒状であれ
ば、特に限定されず、円筒または多角筒形状でも良い。
また、拡張時のバルーン部4の外径は、通常1.5〜1
0.0mm程度、好ましくは、3〜7mmである。バル
ーン部4の軸方向長さは、特に限定されないが、15〜
50mm、好ましくは20〜40mmである。拡張する
前のバルーン部4は、内チューブ12の周囲に折り畳ま
れて巻き付けられ、可能な限り外径が小さくなってい
る。
【0029】バルーン部4を構成する材料は、可撓性を
有する材料であることが好ましく、例えば、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体等のエチレンと他のα−オ
レフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミ
ドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマ
ー、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使用でき、好まし
くは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミドである。
【0030】図2に示すように、第1外チューブ部材6
aの遠位端部外周には、バルーン部4の近位端部5が熱
融着または接着などの手段で接合してあり、第1外チュ
ーブ部材6aの第1ルーメン10がバルーン部4の内部
拡張用空間と連通するようになっている。バルーン部4
の遠位端部7は、内チューブ14の遠位端部外周に対し
て熱融着または接着などの手段で接合してあり、バルー
ン部4の内部拡張用空間は、第1ルーメン10以外で
は、外部に対して密封してある。第1外チューブ部材6
aの第1ルーメン10は、バルーン部4の内部拡張空間
に流体を送り込み、バルーン部4を拡張させたり、流体
をバルーン部4の拡張空間から抜き取りバルーン部4を
収縮させたりするための通路である。
【0031】図2に示すように、内チューブ12は、バ
ルーン部4の拡張空間および第1外チューブ部材6aの
遠位端側第1ルーメン10の内部を同軸状に軸方向に伸
び、いわゆる同軸構造のカテーテルチューブ構造となっ
ている。バルーン部4の内部に位置する内チューブ12
の外周には、造影リング15が装着してあり、バルーン
カテーテル2を生体内に挿入する際に、生体の外部から
X線などで造影リング15の位置を造影が可能になって
いる。造影リング15の材料としては、金、白金、タン
グステンなどの金属が例示される。
【0032】内チューブ12の内部には、第2ルーメン
14が形成してあり、その遠位端開口部20は、バルー
ン部4の遠位端部7で開口している。内チューブ12の
近位端開口部22は、第1外チューブ部材6aの長手方
向の途中に位置するチューブ壁の貫通孔21を貫通して
外部に開口している。内チューブ12の近位端開口部2
2の周縁と、第1外チューブ部材6aのチューブ壁の貫
通孔21の周縁とは、後述する熱融着方法により気密に
接合してある。内チューブ12の近位端開口部22の形
状は、特に限定されず、円形、楕円形など種々の形状を
採り得るが、本実施形態では、図5に示すように、内チ
ューブ12の開口端部を斜めに切断した楕円形状であ
る。内チューブ12の第2ルーメン14は、バルーンカ
テーテル2を体腔内に案内するための図2に示すガイド
ワイヤ42が挿通するガイドワイヤ挿入用ルーメンとな
る。ガイドワイヤ42は、例えばステンレス鋼、銅、銅
合金、チタン、チタン合金などの単線または撚り線で構
成してあり、その外径は、特に限定されないが、好まし
くは、0.1〜1mm、さらに好ましくは0.25〜
0.6mmである。
【0033】本実施形態では、外チューブ6は、図1
(A)〜(D)に示すように、全長に亘り全て円形断面
で同一外径および内径の第1外チューブ部材6a及び第
2外チューブ部材6bで構成してある。
【0034】第1外チューブ部材6aは、例えばバルー
ン部4と同様な材料で構成されて良いが、可撓性を有す
る材料で構成されることが好ましい。例えば、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポ
リアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラス
トマー、シリコーンゴム、天然ゴム等が挙げられる。、
なかでも、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミドが好
ましい。また、当該第1外チューブ部材6aの硬さは、
JIS硬度が50A〜90A程度のものを用いることが
できる。
【0035】第2外チューブ部材6bは、フツ素樹脂で
構成される。当該第2外チューブ部材6bの硬さは、J
IS硬度が50D〜75D程度のものを用いることがで
きる。フツ素樹脂の具体例は、例えば、ポリ四フツ化エ
チレン樹脂、四フツ化エチレン−六フツ化プロピレン共
重合樹脂、四フツ化エチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合樹脂、三フツ化塩化エチレン樹脂、
四フツ化エチレン−エチレン共重合樹脂、ポリフツ化ビ
ニリデン樹脂、ポリフツ化ビニル樹脂等が挙げられる。
なかでも、ポリフツ化ビニリデン樹脂が好ましい。
【0036】内チューブ12は、第1外チューブ部材6
aと同様な材料の軟質合成樹脂で構成することができる
が、第1外チューブ部材6aよりも硬質の合成樹脂で構
成しても良い。内チューブ12の近位端開口部22が第
1外チューブ部材6aの外側に開口する位置は、第1外
チューブ部材6aの遠位端から長さL1の位置であるこ
とが好ましく、長さL1は、好ましくは150〜350
mm、さらに好ましくは200〜300mmである。
【0037】第1外チューブ部材6aの外径は、特に限
定されないが、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ま
しくは0.5〜1mmである。第1外チューブ部材6a
の肉厚は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜
0.5mm、さらに好ましくは0.1〜0.2mmであ
る。
【0038】内チューブ12の外径は、第1外チューブ
部材6aとの間に隙間が形成されるように決定され、特
に限定されないが、好ましくは0.3〜3mm、さらに
好ましくは0.3〜0.8mmである。内チューブ12
の内径は、ガイドワイヤ42を挿通できる径であれば特
に限定されず、例えば0.15〜1.0mm、好ましく
は0.25〜0.6mmである。
【0039】第2外チューブ部材の近位端に形成された
コネクタ8のポートを通して、第1ルーメン10内に導
入される圧力流体としては、特に限定されないが、例え
ば放射線不透過性媒体と生理食塩水との50/50混合
水溶液などが用いられる。放射線不透過性媒体を含ませ
るのは、バルーンカテーテル2の使用時に、放射線を用
いてバルーン部4および第1外チューブ部材6aの位置
を造影するためである。バルーン部4を膨らますための
圧力流体の圧力は、特に限定されないが、絶対圧で3〜
12気圧、好ましくは、4〜18気圧程度である。
【0040】本実施形態では、開口部22付近から近位
端側の第1外チューブ部材6aの強度を補強するため
に、図2に示すように、補強ロッド28を、開口部22
付近から近位端側の第1外チューブ部材6aの内部に配
置しても良い。この補強ロッド28の近位端部は、断面
円形であり、途中から遠位端側に向けてテーパ状に細く
なり、さらに遠位端部では、断面平板形状に成るよう
に、その断面形状が徐々に変化している。断面平板状の
補強ロッド28の遠位端部は、図2に示すように、内チ
ューブ12の近位端開口部22を僅かに(好ましくは1
〜10cm程度)乗り越えた位置で、第1外チューブ部
材6aの内壁に対して熱融着または接着などの手段で接
合してある。
【0041】なお、補強ロッド28は、ステンレス鋼、
銅、銅合金、チタン、チタン合金などの金属材料、ある
いはポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの合成樹脂で構成してある。補強ロッド28の
最大外径は、第1外チューブ部材6aのルーメン10を
塞がないように決定され、特に限定されないが、好まし
くは0.3〜0.6mmである。
【0042】本実施形態では、第1外チューブ部材6a
及びフツ素樹脂製第2外チューブ部材とから成る外チュ
ーブ6の外周には、湿潤状態で潤滑性を持つ親水性高分
子物質から成る被覆材が被覆してあることが好ましい。
このような被覆材で外チューブ6の外周を被覆すること
で、バルーンカテーテル2を血管などに挿入する際の挿
入抵抗の低減を図ることができる。バルーン4の外周も
被覆材で被覆しても良いが、バルーン部4は、血管など
の狭窄部を拡張するものであり、狭窄部を拡張する際
に、狭窄部に対してバルーン部が滑ることは必ずしも好
ましくはない。そこで、本実施形態では、外チューブ6
の外周のみを、親水性高分子物質から成る被覆材で被覆
してある。
【0043】次に、本実施形態に係るバルーンカテーテ
ル2の製造方法について説明する。図3(A)に示すよ
うに、まず、第1外チューブ部材6aとバルーン部4と
を準備し、第1外チューブ部材6aの遠位端の外周に、
バルーン部4の筒状近位端部5を被せ、その部分を熱融
着する。次に、第1外チューブ部材6aの軸方向所定位
置のチューブ壁に、後述する内チューブ12が通り抜け
られる程度の貫通孔21を形成する。また、図3(B)
に示すヒートシール用チューブ50を準備する。
【0044】ヒートシール用チューブ50の内径は、第
1外チューブ部材6aの外径よりも僅かに大きい程度で
ある。ヒートシール用チューブ50としては、例えばフ
ッ素樹脂チューブが用いられ、その軸方向長さは、例え
ば約20mm程度である。ヒートシール用チューブ50
の軸方向一端には、長さ約3mm程度の切り込み52が
形成してある。
【0045】次に、図4(A)に示すように、造影リン
グ15が装着してある内チューブ12を準備し、その内
チューブ12のルーメン内にワイヤ状マンドレル54を
通して一体化する。マンドレル54が一体化された内チ
ューブ12を貫通孔21から第1外チューブ部材6aの
内部ルーメン内に通し、内チューブ12の遠位端をバル
ーン部4の遠位端部7から突出させ、造影リング15を
バルーン部4の中央部に位置させる。その前後に、ヒー
トシール用チューブ50を第1外チューブ部材6aの外
周に位置させる。
【0046】その後、第1外チューブ部材6aの近位端
部からヒートシール用マンドレル56を内部に挿入し、
マンドレル56の先端部を貫通孔21の付近に位置さ
せ、貫通孔21の付近での第1外チューブ部材6aの潰
れを防止する。マンドレル56の基端部は、第1外チュ
ーブ部材6aの内径と略同一またはそれ以下の外径を有
し、その先端部には、内チューブ12の外周を受けるよ
うに、軸方向凹部57が形成してある。次に、ヒートシ
ール用チューブ50を第1外チューブ部材6aの外周で
軸方向に移動させ、ヒートシール用チューブ50が、貫
通孔21の付近の第1外チューブ部材6aの外周と、貫
通孔21から飛び出す内チューブ12の外側とを、一体
的に覆うようにする。その後、ヒートシール用金型を用
いて、ヒートシール用チューブ50の外側から押圧加熱
し、貫通孔21の孔縁と内チューブ12の外側管壁とを
熱融着する。加熱温度は、特に限定されないが、好まし
くは100〜300°C、特に好ましくは150〜25
0°Cである。
【0047】その後、マンドレル54および56を取り
出すと共に、ヒートシール用チューブ50の切り欠き5
2からチューブ50を軸方向に引き裂き、チューブ50
を第1外チューブ部材6aの外周から除去する。その
後、図5(A)および(B)に示すように、熱融着工程
で熱融着された内チューブ12の外側管壁と貫通孔21
の内縁との熱融着部を残し、当該熱融着部から外側に位
置する内チューブ12の不要部分をカッタなどで切断し
て除去する。その結果、内チューブ12の近位端開口部
22が、第1外チューブ部材6aのチューブ壁の外側に
開口して形成される。近位端開口部22は、この例で
は、略楕円形状となる。ただし、図5では、かなり扁平
な楕円となっているが、実際には円に近い楕円である。
なお、これらの工程の前後、または同時に、図4(A)
に示す内チューブ12の遠位端部は、バルーン部4の遠
位端部に対して、同様なヒートシール方法により熱融着
され、所定長さに切断される。
【0048】続いて、前記第1外チューブ部材6aとフ
ツ素樹脂製の第2外チューブ部材6bとにプラズマ照射
を施す。プラズマ照射の条件は、とく限定されないが、
例えば、放電気体としては、窒素ガス、酸素ガス、一酸
化炭素ガス、二酸化炭素ガス、フレオンガス等の反応性
ガス;ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス等の不活
性ガスを使用し、好ましくは、窒素ガスを使用する。さ
らに、真空度が0.5〜1.5torr、プラズマ照射
出力が50〜100ワット、プラズマ照射時間が1〜1
5分間、好ましくは、2〜10分間で行う。
【0049】プラズマ照射は、前記第1外チューブ部材
6aと第2外チューブ部材6bとを接合させる部分の表
面について行われる。すなわち、前記第1外チューブ部
材6aの近位端部分以外の部分と第2外チューブ部材6
bの遠位端部分以外の部分を、適当な、例えば、ポリエ
チレン製フイルムを被せてマスキングを行い、次いで、
プラズマ照射が施される。
【0050】プラズマ照射が施された前記第1外チュー
ブ部材6aと第2外チューブ部材6bとは、図6に示す
工程を行い、接合される。図6(A)に示すように、第
2外チューブ部材6bの外周に、図4に示すヒートシー
ル用チューブ50と同様な材料および構造であるが別の
ヒートシール用チューブ58を被せ、第1外チューブ部
材6aの近位端部のルーメン内に、第2外チューブ部材
6bの遠位端部を押し込む。その後、図6(B)に示す
ように、ヒートシール用チューブ58を軸方向に移動さ
せ、このヒートシール用チューブ58で、第1外チュー
ブ部材6aと第2外チューブ部材6bとの接合部9を覆
い、金型を用いて、前述したヒートシール条件と同様な
ヒートシール条件で熱融着を行う。
【0051】その後、ヒートシール用チューブ58を取
り除き、第2外チューブ部材6bの近位端部に、図1に
示すコネクタ8を熱融着などの手段で接合する。その
後、必要に応じて、外チューブ6の外周面に、湿潤状態
で潤滑性を持つ親水性高分子物質から成る被覆材を被覆
し、図1に示すバルーンカテーテル2を得る。
【0052】本実施形態に係るバルーンカテーテル2で
は、バルーンカテーテル2の遠位端部のみを、第1外チ
ューブ部材6aと内チューブ12とから成る、いわゆる
同軸構造のカテーテルチューブ構造を採用し、内チュー
ブ12のルーメン14をガイドワイヤ挿通用ルーメンと
して用いている。このため、いわゆるダブルルーメンの
カテーテルチューブを有する従来のバルーンカテーテル
に比較し、本実施形態に係るバルーンカテーテル2で
は、第1外チューブ部材6aの外径を細くし易い。ま
た、本実施形態に係るバルーンカテーテル2では、ダブ
ルルーメンのカテーテルチューブを有するバルーンカテ
ーテルに比較し、側孔近傍に1のルーメンを塞ぐための
封止部分を作る必要がないので、その製造が容易であ
る。さらに、本実施形態に係るバルーンカテーテル2で
は、ガイドワイヤの近位端側取り出し口となる内チュー
ブ12の近位端開口部22が、第1外チューブ部材6a
の長手方向の途中に位置するチューブ壁を貫通して外部
に開口しており、その開口部22では、内チューブ12
と第1外チューブ部材6aとの二重構造となり、キンク
し難い構造となっている。
【0053】さらに本実施形態に係るバルーンカテーテ
ル2では、ガイドワイヤ42の近位端側取り出し口とな
る内チューブ12の近位端開口部22が、第1外チュー
ブ部材6aの長手方向の途中に位置するチューブ壁を貫
通して外部に開口しているのみであり、カテーテルチュ
ーブ2の全長に亘り、段差を作る必要がなく、バルーン
カテーテル2の挿入特性に優れている。また、キンクし
難い構造であることから、バルーンカテーテル2の押し
込み特性にも優れている。
【0054】また、本実施形態では、図2に示すよう
に、補強ロッド28を、開口部22付から近位端側の第
1外チューブ部材6aの内部に配置してあるため、バル
ーンカテーテルの押し込み特性がさらに向上すると共
に、カテーテルチューブの遠位端側が柔軟になり、曲が
りくねった血管などの体腔内での挿入特性がさらに向上
する。
【0055】第2実施形態 図7に示すように、本実施形態に係るバルーンカテーテ
ル2Aでは、前述した第1実施形態と同様に、バルーン
カテーテルの遠位端部のみが、いわゆる同軸構造のカテ
ーテルチューブ構造となるものであり、カテーテルチュ
ーブ6Aが、円形断面の第1外チューブ部材6aと、当
該第1外チューブ部材6aの近位端部に接合された異形
断面のフツ素樹脂製の第2外チューブ部材6cとを有
し、前記内チューブ12の近位端開口部22が、第1外
チューブ部材6aの長手方向の途中に位置するチューブ
壁を貫通して外部に開口している。
【0056】本実施形態では、図7(C)に示すよう
に、第2外チューブ部材6cの横断面外形形状は、Y軸
方向に細長い楕円形状を有し、外チューブ部材6cの断
面で、Y軸と垂直なX軸方向のカテーテルチューブの最
大断面幅xmと、Y軸方向の最大断面幅ymとの比(x
m/ym)が、0.8〜0.1の範囲にあり、断面半円
形の第3ルーメン24および断面円形の第4ルーメン2
6が、前記Y軸方向に沿って分離して形成してある。
【0057】第3ルーメン24の半円形の横断面積は、
バルーン拡張用圧力流体が流通するために十分な横断面
積であれば良く、特に限定されないが、好ましくは0.
08〜0.20mmである。また、第4ルーメン2
6の円形の横断面積は、内部に補強ロッド28が挿入さ
れるために十分な面積であれば良く、特に限定されない
が、好ましくは0.05〜0.5mm、さらに好ま
しくは0.1〜0.2mmである。
【0058】本実施形態では、第2外チューブ部材6c
の断面において、Y軸方向の最大断面幅ymは、0.6
〜1.2mm程度が好ましい。第2外チューブ部材6c
の遠位端は、断面円形の第1外チューブ部材6aの近位
端に対して接合されるため、その接合部9付近の横断面
形状は、第1外チューブ部材6aとの円形断面形状と一
致させるために、接合部9に向けて、異形断面から円形
断面に徐々に変化するような断面形状とする。
【0059】この第2外チューブ部材6cの長手方向に
沿って形成された第3ルーメン24は、第1外チューブ
部材6aの第1ルーメン10と連通し、これらを通し
て、バルーン部4の拡張用空間に流体の出し入れを行
う。第2外チューブ6cの第4ルーメン26は、補強ロ
ッド28を挿入するためのルーメンであり、第1外チュ
ーブ部材6aの第1ルーメン10とも連通するが、この
ルーメン26の近位端は、コネクタ8の部分で閉じられ
ており、流体の出入りは行わない。コネクタ8には、第
2外チューブ部材6cの近位端部が連結され、第2外チ
ューブ6cの第3ルーメン24に対して連通するポート
が形成してある。そのポートは、圧力流体の出入りを行
う部分であり、第4ルーメン26には連通しない。
【0060】図7(B)、(C)および(F)に示す補
強ロッド28は、第2外チューブ部材6cの第4ルーメ
ン26の内部に、全長に亘り挿入され、その遠位端部
は、第1外チューブ部材6aとの接合部9を乗り越え
て、第1外チューブ部材6aの第1ルーメン10内に飛
び出している。補強ロッド28の近位端部は、断面円形
であり、途中から遠位端側に向けてテーパ状に細くな
り、さらに遠位端部では、断面平板形状に成るように、
その断面形状が徐々に変化している。断面平板状の補強
ロッド28の遠位端部は、図7(D)および図2に示す
ように、内チューブ12の近位端開口部22をも僅かに
(好ましくは1〜10cm程度)乗り越えた位置で、第
1外チューブ部材6aの内壁に対して熱融着または接着
などの手段で接合してある。
【0061】なお、補強ロッド28の最大外径は、第2
外チューブ部材6cの第4ルーメン26の内部に挿入可
能に決定され、特に限定されないが、好ましくは0.3
〜0.6mmである。
【0062】本実施形態に係るバルーンカテーテル2A
の製造方法は、図3〜図5に示す前記第1実施形態に係
るバルーンカテーテル2の製造方法と同様であるが、次
の点で相違する。
【0063】すなわち、図5(A)および(B)に示す
ように、熱融着工程で熱融着された内チューブ12の外
側管壁と貫通孔21の内縁との熱融着部を残し、当該熱
融着部から外側に位置する内チューブ12の不要部分を
カッタなどで切断して除去した後、前述したように、当
該第1チューブ部材6a及び第2外チューブ部材6cと
にプラズマ照射を施し、次いで、図8に示す工程を行
う。図8(A)に示すように、第2外チューブ部材6c
の外周に、図4に示すヒートシール用チューブ50と同
様な材料および構造であるが別のヒートシール用チュー
ブ58を被せ、第1外チューブ部材6aの近位端部のル
ーメン内に、第2外チューブ部材6cの遠位端部を押し
込む。その後、図8(B)に示すように、第2外チュー
ブ部材6cの第3ルーメン24の内部に、軸方向に沿っ
てマンドレル60を挿入し、その先端を第1外チューブ
部材6aの内部まで突出させる。その前後または同時
に、第2外チューブ部材6cの第4ルーメン26の内部
に軸方向に沿って補強ロッド28を挿入し、その先端部
を第1外チューブ部材6aの外周に形成してある近位端
開口部22の下まで位置させる。
【0064】その後、図8(C)に示すように、ヒート
シール用チューブ58を軸方向に移動させ、このヒート
シール用チューブ58で、第1外チューブ部材6aと第
2外チューブ部材6cとの接合部9を覆い、金型を用い
て、前記第1実施形態で前述したヒートシール条件と同
様なヒートシール条件で熱融着を行う。
【0065】その後、ヒートシール用チューブ58を取
り除くと共に、マンドレル60を取り除き、第2外チュ
ーブ部材6cの近位端部に、図7に示すコネクタ8を熱
融着などの手段で接合する。その後、必要に応じて、外
チューブ6Aの外周面に、湿潤状態で潤滑性を持つ親水
性高分子物質から成る被覆材を被覆し、図7に示すバル
ーンカテーテル2Aを得る。
【0066】
【発明の効果】かくして本発明によれば、フツ素樹脂製
チューブと前記フツ素樹脂とは異なる材料によって形成
されるチューブとを、接着剤を用いずに熱融着すること
により接合するので、得られたバルーンカテーテルは、
カテーテルシャフトの外チューブの手元側の硬度が高
く、一方、拡張バルーンを有する遠位端側の硬度が比較
的低いものである。これにより、バルーンカテーテルに
おいて互いに相反する性質である腰の強さ(プッシャビ
リティー)とトルク伝達性を調和させることができる。
【0067】また、本発明のバルーンカテーテルは、製
造が容易で、カテーテルチューブの外径を細くし易く、
カテーテルチューブの近位端から遠位端までの外形形状
に段差が無く、バルーンカテーテルの挿入特性に優れ、
しかもキンクし難い押し込み特性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の1実施形態に係るバル
ーンカテーテルの示すID−ID線に沿う断面図であ
る。
【図2】 図2は図1(A)に示すバルーンカテーテル
の要部縦断面図である。
【図3】 図3(A)は本実施形態に係るバルーンカテ
ーテルの製造過程を示す外チューブおよびバルーン部の
斜視図、図3(B)はバルーンカテーテルの製造過程に
用いるヒートシール用チューブの斜視図である。
【図4】 図4(A)および図4(B)はバルーンカテ
ーテルの製造過程を示す要部斜視図である。
【図5】 図5(A)および図5(B)はバルーンカテ
ーテルの製造過程を示す要部斜視図である。
【図6】 図6(A)〜図6(B)は図1に示すバルー
ンカテーテルの製造過程において、第1外チューブ部材
と第2外チューブ部材とを接着剤を用いずに接合する工
程を示す要部斜視図である。
【図7】 図7(A)は本発明の1実施形態に係るバル
ーンカテーテルの全体構成図、図7(B)は図7(A)
に示すVIIB−VIIB線に沿う断面図、図7(C)
は図7(A)に示すVIIC−VIIC線に沿う断面
図、図7(D)は図7(A)に示すVIID−VIID
線に沿う断面図、図7(E)は図7(A)に示すVII
E−VIIE線に沿う断面図、図7(F)はバルーンカ
テーテルのカテーテルチューブ内に挿入される補強ロッ
ドの側面図である。
【図8】 図8(A)〜図8(C)は図7に示すバルー
ンカテーテルの製造過程を示す要部斜視図である。
【符号の説明】 2,2A… バルーンカテーテル 4… バルーン部 6,6A… 外チューブ 6a… 第1外チューブ部材 6b,6c… 第2外チューブ部材 8… コネクタ 10… 第1ルーメン 12… 内チューブ 14… 第2ルーメン 20… 遠位端開口部 21… 貫通孔 22… 近位端開口部 24… 第3ルーメン 26… 第4ルーメン 28… 補強ロッド 28a… 補強部材 50,58… ヒートシール用チューブ 54,56,60… マンドレル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つのバルーン拡張用ルーメ
    ンが長手方向に沿って形成してあり、第1外チューブ部
    材と当該第1外チューブ部材の近位端部に接合されたフ
    ツ素樹脂製第2外チューブ部材からなる外チューブと、 前記第1外チューブ部材の遠位端部にバルーン部の近位
    端部が接合され、前記バルーン拡張用ルーメンと内部が
    連通するバルーン部と、 前記バルーン部の内部に密閉された拡張用空間を形成す
    るように、バルーン部の遠位端部が内チューブの遠位端
    部に接合され、前記バルーン部の内部と前記第1外チュ
    ーブ部材のバルーン拡張用ルーメンの内部とに軸方向に
    延在する内チューブとを有し、 前記第1外チューブ部材と当該フツ素樹脂製第2外チュ
    ーブ部材とが熱融着されたものであることを特徴とする
    バルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つのバルーン拡張用ルーメ
    ンが長手方向に沿って形成してある第1外チューブ部材
    の遠位端部に、バルーン部の近位端部を、前記バルーン
    拡張用ルーメンとバルーン部の内部とが連通するように
    接合するバルーン部近位端部接合工程と、 前記バルーン部の内部と前記第1外チューブ部材のバル
    ーン拡張用ルーメンの内部とに内チューブを軸方向に延
    在させ、 前記内チューブの遠位端部を、前記バルーン部の内部に
    密閉された拡張用空間を形成するように、前記バルーン
    部の遠位端部に接合する工程と、 前記第1外チューブ部材とフツ素樹脂製第2外チューブ
    部材とをプラズマ処理する工程と、 前記第1外チューブ部材とフツ素樹脂製第2外チューブ
    部材とを熱融着することを特徴とするバルーンカテーテ
    ルの製造方法。
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