JP2000277239A - セラミックスヒータ - Google Patents

セラミックスヒータ

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JP2000277239A
JP2000277239A JP11076774A JP7677499A JP2000277239A JP 2000277239 A JP2000277239 A JP 2000277239A JP 11076774 A JP11076774 A JP 11076774A JP 7677499 A JP7677499 A JP 7677499A JP 2000277239 A JP2000277239 A JP 2000277239A
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JP
Japan
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sintered body
ceramic
plate
bonding
heater element
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JP11076774A
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English (en)
Inventor
Kazunori Endo
和則 遠藤
Kazunori Shibukawa
和典 渋川
Tsuyoshi Watanabe
剛志 渡辺
Katsuro Inoue
克郎 井上
Yoshihiko Murakami
嘉彦 村上
Masayuki Hashimoto
昌幸 橋本
Yukio Ikuhara
幸雄 生原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部の気密性を向上させると共に、その
気密性を長期に亘って確保することにより、反応チャン
バー内が汚染される虞がなく、また接合部の気密性が損
なわれても反応チャンバー内が汚染される虞がなく、更
にヒータエレメントが破断する虞がない、製品寿命に優
れたセラミックスヒータを提供することを課題とする。 【解決手段】 セラミックス焼結体製の基体と、この
基体の接合面の全領域を覆うセラミックス焼結体製の被
覆板とを備えるとともに、前記基体と前記被覆板との間
に把持されたヒータエレメントと、このヒータエレメン
トに一端が接続された少なくとも1対のヒータ給電用電
極とを備え、前記基体と前記被覆板とは接合剤により気
密に接合され、その接合界面には周期表第 IIIa属元素
から選ばれた少なくとも2種の元素と、アルミニウム
と、珪素とを含むオキシナイトライドガラス層が形成さ
れているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、反応チャンバー内
に設置され、ウエハ等の被加熱物の加熱に用いられて、
反応チャンバー内を汚染させることがなく、耐久性にも
優れたセラミックスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、反応チャンバー内に設置され、ウ
エハ等の被加熱物の加熱に用いられるセラミックスヒー
タとしては、表面に凹溝を設けられたセラミックス製基
板と、該凹溝に充填された導電性セラミックス製のヒー
タエレメントと、前記基板と前記ヒータエレメントの全
領域を覆い、被加熱物を載置するセラミックス製被覆板
と、前記ヒータエレメントに一端が接続された少なくと
も1対の電極を少なくとも備えたものが知られている。
【0003】〔問題点〕この従来のセラミックスヒータ
にあっては、前記セラミックス製基板と前記セラミック
ス製被覆板とは各種の耐熱性接合剤を用いて接合されて
いるが、繰り返しの昇温、降温の熱負荷や、高温雰囲気
に長時間晒されるため、次のような問題点が惹起してい
た。
【0004】 接合部に微細なクラックが入りやす
く、気密性を長期に亘り確保できない。導電性セラミッ
クスを用いた従来のヒータエレメントにあっては、焼結
助剤や導電性を付与するための添加剤(これらの添加剤
を単に「添加剤」という)が添加されているが、これら
の添加剤が蒸発し、気密性が失われた前記接合部を通じ
て反応チャンバー内に流入し、半導体基板の汚染源とな
る。
【0005】 導電性セラミックスを用いた従来のヒ
ータエレメントは、添加剤は母材とは異種物質であるた
め均一分散化が困難であり、そのため局所的な異常発熱
が起こりやすく、この異常発熱により接合層の一部が溶
融して前記接合部にリークが生じて気密性が損なわれ、
前記 と同様に、前記添加剤が半導体基板の汚染源とな
る。
【0006】 導電性セラミックスを用いた従来のヒ
ータエレメントは、高温強度が充分でないため、熱衝撃
による変形、破損が起こりやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とす
るところは、接合部の気密性を向上させると共に、その
気密性を長期に亘って確保することにより、反応チャン
バー内が汚染される虞がなく、また接合部の気密性が損
なわれても反応チャンバー内が汚染される虞がなく、更
にヒータエレメントが破断する虞がない、製品寿命に優
れたセラミックスヒータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を効果的に解決
できる具体的に構成した手段として、請求項1に係るセ
ラミックスヒータは、セラミックス焼結体製の基体と、
この基体の接合面の全領域を覆うセラミックス焼結体製
の被覆板とを備えるとともに、前記基体と前記被覆板と
の間に把持されたヒータエレメントと、このヒータエレ
メントに一端が接続された少なくとも1対のヒータ給電
用電極とを備え、前記基体と前記被覆板とは接合剤によ
り気密に接合され、その接合界面には周期表第 IIIa属
元素から選ばれた少なくとも2種の元素と、アルミニウ
ムと、珪素とを含むオキシナイトライドガラス層が形成
されていることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に係るセラミックスヒータ
は、前記ヒータエレメントは、添加剤が添加されること
なく焼結され、焼結密度が 2.8g/cm3 以上、室温で
の電気比抵抗が 0.1Ωcm以下の炭化珪素焼結体からな
ることを特徴とする。
【0010】また、請求項3に係るセラミックスヒータ
は、前記セラミックス焼結体は窒化アルミニウム焼結体
または窒化アルミニウム基焼結体であることを特徴とす
る。
【0011】また、請求項4に係るセラミックスヒータ
は、前記被覆板の内部に、高周波電圧及び/又は直流電
圧の印加によりプラズマ発生用電極及び/又は静電吸着
用電極として作用する金属製の電極板を設けたことを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図示説明する。ただし、この実施の形態は、発明の趣
旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであ
り、特に指定のない限り、発明内容を限定するものでは
ない。
【0013】この実施の形態において、図1および図2
に示すように、セラミックスヒータ1は、表面に凹溝1
2が設けられたセラミックス焼結体製の基体2と、凹溝
に装填されたヒータエレメント8と、基体2とヒータエ
レメント8の全領域を覆い、被加熱物を載置するセラミ
ックス焼結体製の被覆板3と、ヒータエレメント8に一
端が接続され、耐熱性に優れたニッケルにより形成され
たヒータ給電用電極9と、被加熱物を載置する被覆板3
の温度を測定する熱電対6とを備えている。
【0014】そして、基体2と被覆板3とはガラス質接
合剤により気密に接合され、その接合界面には周期表第
IIIa属元素から選ばれた少なくとも2種の元素と、ア
ルミニウムと、珪素を含むオキシナイトライドガラス層
が形成されており、接合後の接合層10の厚みが 5〜18
0 μmとなるよう構成されている。
【0015】また、ヒータエレメント8は、添加剤が添
加されることなく焼結され、焼結密度が 2.8g/c
3 、室温での電気比抵抗が 0.1Ωcm以下の炭化珪素
焼結体から形成されている。
【0016】更に、前記セラミックス焼結体は、熱伝導
性、機械的強度、耐プラズマ性に優れることから窒化ア
ルミニウム焼結体、または窒化アルミニウム基焼結体に
より形成されており、この窒化アルミニウム焼結体また
は窒化アルミニウム基焼結体は公知の方法にて製造した
ものを用いることができる。
【0017】更に、被覆板3は、上面に凹溝11が形成
されたセラミックス焼結体製の被覆下部板3aと、この
凹溝11に装填された金属製の電極板4と、被覆下部板
3aと電極板4の全領域を覆うセラミックス焼結体製の
被覆上部板3bと、電極板4に一端が接続され、耐熱性
に優れたニッケルにより形成された高周波/直流電圧印
加用電極5を備えている。この電極板4には、プラズマ
発生用の高周波電圧及び/又は静電吸着用の直流電圧を
印加し、プラズマ発生用電極及び/又は静電吸着用電極
として作用させる。
【0018】そして、被覆下部板3aと被覆上部板3b
とはガラス質接合剤により気密に接合され、その接合界
面には周期表第 IIIa属元素から選ばれた少なくとも2
種の元素と、アルミニウムと、珪素を含むオキシナイト
ライドガラス層が形成されており、接合後の接合層7の
厚みが 5〜180 μmとなるよう構成されている。
【0019】以下、本発明を構成する各構成要件につい
て、詳述する。 〔ガラス質接合剤〕ヒータエレメント8を挟持する基体
2と被覆下部板3aとの間、及び電極板4を挟持する被
覆下部板3aと被覆上部板3bとの間を気密に接合する
ガラス質接合層として、周期表第 IIIa属元素から選ば
れた少なくとも2種の元素、アルミニウム、珪素を含有
するオキシナイトライドガラス層を形成させるとした理
由は次のとおりであり、このガラス質接合層を形成させ
ることにより、前記接合部7,10の気密性を大幅に向
上させ得ると共に、この気密性を長期に亘って確保し得
る。
【0020】即ち、前記成分を有するオキシナイトライ
ドガラスはセラミックス焼結体との濡れ性が良好であ
り、接合強度が優れ、接合部7,10の気密性が良好
で、接合強度のバラツキも小さく、耐熱性にも優れてい
る。
【0021】前記成分を含有するオキシナイトライドガ
ラスの熱膨張係数は 3×10-6〜 8×10-6/℃であり、例
えばセラミックス焼結体の中で好適に使用される窒化ア
ルミニウム焼結体の熱膨張係数( 3.8×10-6〜 4.7×10
-6/℃)と一致もしくは近似し、もって繰り返しの昇
温、降温の熱負荷時の熱応力による接合層7,10の破
損、即ちクラックの発生を回避することができ、前記接
合層7,10の気密性を長期に亘って確保することがで
きる。
【0022】また、前記の成分を含有するオキシナイト
ライドガラス層のガラス軟化点Tgは 850〜950 ℃と高
く、高温雰囲気に長時間晒されても接合層7,10が劣
化しない。
【0023】前記オキシナイトライドガラス層を形成し
得る接合剤は、例えば以下のようにして製造することが
できる。まず、接合材原料粉末として、例えば周期表第
IIIa族元素から選ばれた少なくとも2種の元素の酸化
物と、二酸化珪素と、酸化アルミニウムとを混合する
か、または熱処理によりこれらに変化する化合物を混合
する。ここに、周期表第 IIIa族元素の酸化物としては
特に限定されずY2 3 、Dy2 3 、Er2 3 、G
2 3 、La2 3 、Yb2 3 、Sm2 3 等を例
示することができる。
【0024】これらのうち、価格、入手のしやすさの点
から、用いる周期表第 IIIa族元素の酸化物の1つはY
2 3 が最適であり、他の周期表第 IIIa族元素の酸化
物はこのY2 3 と全率固溶体を形成しやすいDy2
3 、Er2 3 、Yb2 3が好適であり、特にDy2
3 は価格の点からも好適である。
【0025】また、前記各成分の組成比率も特に限定さ
れないが、周期表第 IIIa族元素から選ばれた少なくと
も2種の元素の酸化物を合量で 20 〜 50 重量%、二酸
化珪素を 30 〜 70 重量%、酸化アルミニウムを 10 〜
30 重量%含む溶融体が形成されるように配合するの
が、得られる溶融体の融点が低く、またセラミックス部
材等との濡れ性にも優れるので好ましい。更に、周期表
第 IIIa族元素が2種の場合は、周期表第 IIIa族元素
の酸化物がモル比で約1:1となるように配合されるの
が、接合材の融点が最も低くなるので好適である。
【0026】そして、上述の原料混合粉末を、例えば粒
径 5μm以下に粉砕し、1500〜1700℃で溶融した後急冷
してガラス質の冷却物を得、これを粒径 5μm程度に粉
砕して均一組成の溶融体微粉末の接合剤を調整する。こ
の接合材の調製時の雰囲気は特に限定されないが、窒素
雰囲気下で行うとオキシナイトライドガラスが形成さ
れ、非窒素雰囲気下で行うとオキサイドガラスが形成さ
れる。
【0027】しかし、本発明にあっては接合界面にオキ
シナイトライドガラス層が形成されてなることが必須で
あるため、接合材の調製は窒素含有雰囲気下で行い、接
合剤を予めオキシナイトライドガラス化させておくのが
好ましい。窒素含有雰囲気は、N2 ガス、H2 −N2
合ガス又はNH3 ガス等を用いることにより得られる。
【0028】また、前記接合材には、Si3 4 粉末及
び/又はAIN粉末を外割りで 1〜50 重量%配合する
ことが好ましい。即ち、Si3 4 粉末やAIN粉末の
添加は、このオキシナイトライドガラスの熱膨張係数を
下げると共に耐熱性も向上する。配合率1重量%未満で
は添加する意味がなく、50重量%超では接合強度の低下
をもたらすので好ましくない。添加するSi3 4 粉末
及び/又はAIN粉末の粒径は特に限定されないが、均
一な濃度のオキシナイトライドガラスを形成させること
ができる点で平均粒径 0.8μm以下のものが好ましい。
【0029】〔接合層の厚み〕基体2と被覆板3との接
合後の接合層10の厚みを 5〜180 μm、被覆下部板3
aと被覆上部板3bとの接合後の接合層7の厚みを 5〜
180 μmとすることが好適な理由は、次のとおりであ
り、前記接合部の気密性を更に強固に確保することがで
きる。
【0030】即ち、接合層10の厚みが 5μm未満で
は、接合層10の端部におけるフィレットの形成が不十
分であることから、接合部10の気密性を確保できず、
また接合強度も不足する。一方、接合層10の厚みが 1
80μm超では、接合層10の気密性は確保できるもの
の、、接合強度の低下が起こりやすく、また、接合時の
加熱処理により溶融したガラス質接合剤が接合層10の
端部から流出して基体2と被覆下部板3aとを平行に接
合することができず、もって製品歩留まりが低下し、ま
た接合作業にも支障を来たす虞がある。
【0031】また、接合層7の厚みが 5μm未満では、
接合層7の端部におけるフィレットの形成が不十分であ
ることから、接合部7の気密性を確保できず、また接合
強度も不足する。一方、接合層7の厚みが 180μm超で
は、接合層7の気密性は確保できるものの、接合強度の
低下が起こりやすく、また、接合時の加熱処理により溶
融したガラス質接合剤が接合層7の端部から流出して被
覆下部板3aと被覆上部板3aとを平行に接合すること
ができず、もって製品歩留まりが低下し、また接合作業
にも支障を来たす虞がある。
【0032】〔ヒータエレメント〕前記ヒータエレメン
ト8の材質は、下記の理由から、添加剤が添加されるこ
となく焼結され、焼結密度が 2.8g/cm3 、室温での
電気比抵抗が 0.1Ωcm以下の炭化珪素焼結体からなる
ことが好ましい。そして、このヒータエレメント8に通
電することにより、被覆板3を所定の温度に保持するこ
とができる。
【0033】このような炭化珪素焼結体からなるヒータ
エレメント8は、例えば、特開平 4−65361 号公報に記
載されている概略下記のいずれかの方法で製造すること
ができる。 平均粒子径が 0.1〜 10 μmの第1の炭化珪素粉末
と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物または
ハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入
し、反応系の圧力を1気圧未満から 0.1 torr の範囲で
制御しつつ気相反応させることによって合成された平均
粒子径が 0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末とを混合
し、これを加熱し焼結することによって炭化珪素焼結体
を得て、この焼結体を所望のパターンに従って放電加工
してヒータエレメントとする。
【0034】 非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン
化合物またはハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料
ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未満から 0.1 tor
r の範囲で制御しつつ気相反応させることによって合成
された平均粒子径が 0.1μm以下である炭化珪素粉末を
加熱し、焼結することによって炭化珪素焼結体を得て、
この焼結体を所望のパターンに従って放電加工してヒー
タエレメントとする。
【0035】しかして、これらのヒータエレメント8は
添加剤無添加、即ち異種物質を添加することなく焼結さ
れた炭化珪素焼結体により形成されたものであるから、
均質であり、その結果局所的な異常発熱はなく、接合層
7,10の一部が溶融して前記接合部にリークが生じる
ことはなく、接合層7,10の気密性を更に強固に確保
し得るものである。
【0036】また、添加剤が無添加であることから極め
て高純度であり、かつ、焼結密度が2.8g/cm3 以上
という高密度な焼結体であることから、前記接合部にリ
ークが生じて気密性が損なわれても、ヒータエレメント
8からの添加剤、即ち不純物の蒸発はなく、反応チャン
バー内が汚染される虞はない。更に、高温高強度にも優
れることから熱衝撃によるヒータエレメント8の変形や
断線がなく、更に室温での電気比抵抗が1Ω・cm以下
という低電気比抵抗であることからヒータエレメント8
を細線化、薄膜化する必要はないことから、ヒータエレ
メント8が断線する虞はない。
【0037】〔電極板〕電極板4に印加用電極5を介し
てプラズマ発生用電源から高周波電圧を印加することに
より、プラズマを発生させることが可能となる。このと
き、電極板4は0.025mm以上の充分な厚みT1 を持っ
た金属板であるため、高周波電圧を印加しても発熱し
て焼き切れる虞がない他、格子状またはメッシュ状の
電極を用いた場合と異なり、全域に緻密、安定、且つ均
一なプラズマを発生させることができ、更に、電極板
4と印加用電極5との連結を面/ロッド間で確実に行え
る等の利点を有する。
【0038】また、前記電極板4に印加用電極5を介し
て静電吸着用電源より 500V程度の直流高電圧を印加す
ると、被覆板3が絶縁体として機能し、シリコンウエハ
等の被吸着物を静電吸着させることが可能となる。な
お、電極板4にプラズマ発生用電源の高周波電圧と静電
吸着用電源の直流高電圧の両方を印加する場合には、高
周波をカットできるフィルタを静電吸着用電源と給電用
電極間に設置すればよい。
【0039】更に、前記電極板4は、セラミックスの
熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有すること、接合
工程中の熱処理温度及び雰囲気に安定であること、固
有抵抗値が低いこと、室温〜 1000 ℃までの実用温度
域での長期使用が可能である等の理由から、モリブデ
ン、タングステン、タンタル、ニオブ若しくはこれらの
合金等の高融点金属からなることが好ましい。
【0040】〔セラミックス焼結体〕前記基体2、前記
被覆下部板3a、前記被覆上部板3bの材質は特に限定
されるものではないが、熱伝導性、機械的強度、耐プラ
ズマ性に優れ、CF4 、C26 ,C2 8 等のプラズ
マクリーニングガスに対する耐久性に優れる等の理由か
ら、窒化アルミニウム焼結体、または窒化アルミニウム
基焼結体により形成されてなることが好ましい。この窒
化アルミニウム焼結体や窒化アルミニウム基焼結体は公
知の方法にて製造したものを用いることがでる。
【0041】そして、この実施の形態に係るセラミック
スヒータは、例えば、次のようにして製造することがで
きる。表面に凹溝12を有する基体2、被覆下部板3a
は、表面に凸部が形成された金型をセラミックス成形体
板にプレス押圧し、焼結して形成する。焼結温度等の焼
結条件は従来法に従えばよい。被覆上部板3も従来法に
従って形成する。そして、電極板4を前記被覆下部板3
aの凹溝11に、前記方法に従って形成されたヒータエ
レメント8を基体2の凹溝12にそれぞれ装填する。
【0042】次いで、微粉砕された前記ガラス質接合剤
をスクリーンオイルと混合してペースト化し、このペー
スト状ガラス質接合剤を、凹溝12にヒータエレメント
8が装填された基体2と被覆下部板3aのそれぞれの接
合面、および凹溝11に電極板4が装填された被覆下部
板3aと被覆上部板3bのそれぞれの接合面に塗布し、
100〜200 ℃で乾燥する。
【0043】その後、ガラス質接合剤が塗布された面を
介して、基体2と、被覆下部板3aと、被覆上部板3b
とを、ヒータエレメント8と電極板4とをそれぞれ挟持
した状態で積層し、電気炉中で加熱してガラス質接合剤
を溶融し、 1300 〜 1500 ℃で 5〜 40 分加熱して接合
する。
【0044】この加熱は常圧又は 10 気圧程度以下の加
圧下において行なわれる。加熱時の雰囲気は用いる接合
剤により異なる。即ち、オキシナイトライドガラスを含
有する接合剤を用いる場合は、接合剤が予めオキシナイ
トライド化しているため、非窒素含有雰囲気であっても
良いが、好適には窒素含有雰囲気である。これに対し
て、オキサイドガラスを含有する接合剤を用いる場合
は、オキサイドガラスをオキシナイトライド化するため
の窒素源が必要となり、窒素含有雰囲気で行う。なお、
窒素含有雰囲気は、N2 ガス、H2 −N2 混合ガスまた
はNH3 ガス等を用いることにより得られる。
【0045】加熱溶融した接合剤は冷却固化することに
より接合強度を持ち得るようになるが、急速冷却を行わ
ず徐冷することにより、窒素の取り込み量を高い状態で
保持しつつオキシナイトライドガラス層の安定化を図る
ことが好ましい。冷却速度は50 ℃/min以下が好ま
しく、更に好ましくは 30 ℃/min以下である。
【0046】なお、接合後の接合層7,10の厚みをそ
れぞれ前記の範囲とするためには、微粉砕されたガラス
質接合剤とスクリーンオイルとの量比、ペースト状ガラ
ス質接合剤の塗布量、接合時の加熱温度、時間等の処理
条件を適宜調整することにより行うことができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例を詳述する。 〔実施例1〜5〕表面に幅 5mm、深さ 3mmのヒータ
エレメント装填用のスパイラル状凹溝が設けられた直径
220mm、厚み 15 mmの窒化アルミニウム焼結体製の
基体と、表面に直径 200mm、深さ 0.3mmの電極板装
填用の円盤状凹溝が設けられた直径 220mm、厚み 8m
mの窒化アルミニウム焼結体製の被覆下部板と、直径 2
20mm、厚み 1mmの窒化アルミニウム焼結体製の被覆
上部板を従来法に従って形成した。
【0048】一方、焼結助剤や導電性を付与するための
添加剤が添加されることなく焼結され、焼結密度が 3.1
g/cm3 、室温での電気比抵抗が 0.05 Ω・cmの炭
化珪素焼結体からなり、前記スパイラル状凹溝に装填し
得る形状のヒータエレメントを、前記段落番号〔003
1〕の製造方法により形成した。第1の炭化珪素粉末
の平均粒径は 0.7μm、添加量は 95 重量%、第2の炭
化珪素の平均粒径は 0.01 μm、添加量は 5重量%であ
り、ホットプレス焼結条件はプレス圧 400kg/c
2 、焼結温度 2200 ℃、焼結時間 90 分である。ま
た、電極板として、直径 200mm、厚み 0.3mmのモリ
ブデン金属板を用意した。
【0049】次いで、表1に示す組成を有するガラス質
接合剤(粒径約 2μm)を市販のスクリーンオイルと混
合してペースト化し、このペースト状ガラス質接合剤
を、前記スパイラル状凹溝に前記ヒータエレメントが装
填された前記セラミックス焼結体製基体と前記セラミッ
クス焼結体製被覆下部板のそれぞれの接合面、及び前記
円盤状凹溝に前記モリブデン製電極板が装填された前記
セラミックス焼結体製被覆下部板と前記セラミックス焼
結体製被覆上部板のそれぞれの接合面に塗布し、100〜2
00 ℃で乾燥した。
【0050】その後、ガラス質接合剤が塗布された面を
介して、前記セラミックス焼結体製基体下部板と、前記
セラミックス焼結体製基体上部板と、前記セラミックス
焼結体製被覆板とを、前記ヒータエレメントと前記電極
板とをそれぞれ挟持した状態で積層し、N2 ガス雰囲気
の電気炉中で加熱してガラス質接合剤を溶融し、1400℃
で 20 分加熱して気密に接合した。冷却速度は 25 ℃/
min、接合後の接合層の厚みは共に 50 μmであっ
た。また、接合界面にはオキシナイトライドガラスが形
成されていることを、オージェ電子分光法により確認し
た。
【0051】このようにして得られたセラミックスヒー
タの、窒化アルミニウム焼結体製基体と窒化アルミニウ
ム焼結体製被覆下部板との接合部の気密性を確認するた
めに、耐久性試験に供した。試験結果を表1に示す。な
お、耐久性試験の概要は下記のとおりである。
【0052】セラミックスヒータに通電して、室温から
最高温度 700℃まで1時間で昇温し、最高温度に 30 分
間保持し、その後室温まで徐冷する。このヒートサイク
ルを100回負荷した後の前記接合部の気密性を、Heガ
スを用いたリークテストにより試験した。なお、気密性
の評価基準は下記のとおりである。 ○;Heリーク量が10-9torr・l /sec 以下 △;Heリーク量が10-9〜10-8torr・l /sec ×;Heリーク量が10-8torr・l /sec 以上
【0053】
【表1】
【0054】〔比較例1〜4〕実施例1〜5に準じてセ
ラミックスヒータを作製し、耐久性試験に供した。ただ
し、ガラス質接合剤の組成は表2に示すとおりである。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明のセラミックスヒ
ータにあっては、セラミックス焼結体製の基体と、この
基体の接合面の全領域を覆うセラミックス焼結体製の被
覆板とを備えるとともに、前記基体と前記被覆板との間
に把持されたヒータエレメントと、このヒータエレメン
トに一端が接続された少なくとも1対のヒータ給電用電
極とを備え、前記基体と前記被覆板とは接合剤により気
密に接合され、その接合界面には周期表第 IIIa属元素
から選ばれた少なくとも2種の元素と、アルミニウム
と、珪素とを含むオキシナイトライドガラス層が形成さ
れていることにより、接合部の気密性を大幅に向上で
き、その気密性を長期に亘って確保できて、反応チャン
バー内の汚染を防止し、また接合部の気密性が損なわれ
ても反応チャンバー内の汚染を生じることがなく、ヒー
タエレメントの破断を防ぎ、製品寿命を長くすることが
できる。
【0057】また、請求項2に係るセラミックスヒータ
では、前記ヒータエレメントは添加剤が添加されること
なく焼結され、焼結密度が 2.8g/cm3 以上、室温で
の電気比抵抗が 0.1Ωcm以下の炭化珪素焼結体からな
ることにより、接合部の気密性が損なわれた場合にあっ
ても、添加剤の蒸発等により引き起こされる反応チャン
バー内の汚染を生じることがなく、さらにまた高温強度
に優れているためヒータエレメントの破断を防止するこ
とができて長寿命化することができる。
【0058】また、請求項3に係るセラミックスヒータ
では、前記セラミックス焼結体が窒化アルミニウム焼結
体または窒化アルミニウム基焼結体であることから、熱
伝導性、機械的強度、耐プラズマ性に優れ、耐久性が向
上し、製品寿命を長くすることができる。
【0059】また、請求項4に係るセラミックスヒータ
では、前記被覆板の内部に、高周波電圧及び/又は直流
電圧の印加によりプラズマ発生用電極及び/又は静電吸
着用電極として作用する金属製の電極板を設けたことに
より、高周波電圧を印加することでプラズマを発生する
ことができ、また直流電圧を印加することで被覆板が絶
縁体として機能し、シリコンウエハ等の被吸着物を静電
吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるセラミックスヒー
タを示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるセラミックスヒー
タを示す縦断面分解説明図である。
【符号の説明】
1 セラミックスヒータ 2 基体 3 セラミックス焼結体製の被覆板 3a 被覆下部板 3b 被覆上部板 4 金属製の電極板 5 高周波/直流電圧 印加用電極 6 熱電対 7 接合層 8 ヒータエレメント 9 ヒータ給電用電極 10 接合層 11,12 凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 剛志 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 井上 克郎 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 村上 嘉彦 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 橋本 昌幸 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 生原 幸雄 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA03 AA16 AA22 AA27 AA37 BA05 BA06 BA14 BA20 BB06 BB14 BC08 BC15 BC17 JA01 3K092 PP20 QA05 QA10 QB45 QB74 RC02 RF03 RF11 RF25 RF27 RF30 TT06 VV40 4G001 BB36 BD03 BD37 BE31 4G026 BA16 BB14 BE04 BF02 BF45 BG05 BG27 BH06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス焼結体製の基体と、この基体
    の接合面の全領域を覆うセラミックス焼結体製の被覆板
    とを備えるとともに、前記基体と前記被覆板との間に把
    持されたヒータエレメントと、このヒータエレメントに
    一端が接続された少なくとも1対のヒータ給電用電極と
    を備え、前記基体と前記被覆板とは接合剤により気密に
    接合され、その接合界面には周期表第 IIIa属元素から
    選ばれた少なくとも2種の元素と、アルミニウムと、珪
    素とを含むオキシナイトライドガラス層が形成されてい
    ることを特徴とするセラミックスヒータ。
  2. 【請求項2】前記ヒータエレメントは、添加剤が添加さ
    れることなく焼結され、焼結密度が2.8g/cm3
    上、室温での電気比抵抗が 0.1Ωcm以下の炭化珪素焼
    結体からなることを特徴とする請求項1に記載のセラミ
    ックスヒータ。
  3. 【請求項3】前記セラミックス焼結体は窒化アルミニウ
    ム焼結体または窒化アルミニウム基焼結体であることを
    特徴とする請求項1に記載のセラミックスヒータ。
  4. 【請求項4】前記被覆板の内部に、高周波電圧及び/又
    は直流電圧の印加によりプラズマ発生用電極及び/又は
    静電吸着用電極として作用する金属製の電極板を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミックスヒー
    タ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253777A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Ibiden Co Ltd セラミック基板
JP2003243495A (ja) * 2002-10-30 2003-08-29 Ibiden Co Ltd セラミック基板
US6825555B2 (en) 2000-06-16 2004-11-30 Ibiden Co., Ltd. Hot plate
US7982166B2 (en) 2003-12-24 2011-07-19 Kyocera Corporation Ceramic heater and method for manufacturing the same

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