JP2000276943A - 透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜

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JP2000276943A
JP2000276943A JP11083015A JP8301599A JP2000276943A JP 2000276943 A JP2000276943 A JP 2000276943A JP 11083015 A JP11083015 A JP 11083015A JP 8301599 A JP8301599 A JP 8301599A JP 2000276943 A JP2000276943 A JP 2000276943A
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axis
zinc oxide
transparent conductive
thin film
conductive film
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JP11083015A
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宗涛 ▲葛▼
Soutou Katsura
Michio Fujii
道夫 藤井
Koichi Haga
浩一 羽賀
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性及び光の透過性に優れた酸化亜鉛膜を
利用した透明導電膜を提供することである。 【解決手段】 酸化亜鉛薄膜のc軸:a軸の配向性の比
が100:1以上、もしくは、酸化亜鉛薄膜のc軸:c
軸以外の軸に配向性の比が100:1以上であり、且
つ、アルミニウム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII
族化合物のうち少なくとも1種類をドーピングした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜に係
り、特に、太陽電池、表示素子(液晶、PDP,EL,
FEDなど)、その他の光デバイス、電子デバイスの電
気接続と配線手段として利用することができる透明導電
膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池、液晶素子、その他、電
子デバイス用の電極と接続、配線手段を形成する材料と
して、透明導電膜の重要性がますます高くなっている。
従来、最も多く使用されている透明導電性材料として、
アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、錫含有
酸化インジウム(少量の錫をドープした酸化インジウ
ム:ITOで略記)などが知られている。導電特性をさ
ほど要求しない導電膜に対しては、酸化亜鉛薄膜も使用
されている。例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛(特
開平5−275727号公報参照)、ガリウムドープ酸
化亜鉛などがある。
【0003】透明導電膜の作製方法としては、スパッタ
リング法、CVD法、レーザーアベレーション法、真空
蒸着法、導電性微粒子をバインダ樹脂に分散させた液を
塗布する塗布法(特開平5−5069号公報、特開平5
−151826号公報、特開平6−76636号公報、
特開平6−119816号公報、特開平6−12510
1号公報、特開平7−242842号公報等参照)、導
電性材料の原料のゾルを塗布、乾燥しゲル化するゾル−
ゲル法(特開平5−28834号公報、特開平5−11
6941号公報、特開平6−96619号公報、特開平
6−150741号公報、特開平7−94044号公
報、特開平7−182939号公報等参照)などが一般
的であり、数多くの特許出願がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ITO薄膜は導電率が
高く、一般的に使われているが、市場の拡大に伴いIT
Oの原材料であるインジウム(In)の枯渇が懸念され
ている(Y.Makita:Future Generation Photovoltatic T
echnologies, The first NREL Conference, AIP,New Yo
rk, 1997, p. 3-10. )。学会発表では、今後の使用可
能年限を14年程度と予想しているものもある。これに
対し、亜鉛原料は自然界で豊富であるため、ITOの代
替材料として、安価でかつ環境に優しい酸化亜鉛(Zn
O)薄膜の研究が積極的に進められている。
【0005】酸化亜鉛薄膜の作製方法としては、スパッ
タリング法(特開平5−275727号公報、特開平1
0−206602号公報、T. Nakada, Y.Ohkubo and A.
Kunioka: Jpn. J. Appl. Phys. 30(1991) p.3344.等参
照)が一般的に使われている。しかし、スパッタリング
では膜厚の制御方法に問題があり、作られた酸化亜鉛透
明導電膜の電気伝導性はITOより悪く、ITO透明導
電膜の代替となり得ない。また、スパッタリング法は大
面積成膜に最適とは言えず、大面積のデバイス、例え
ば、液晶、PDPなどの表示デバイスを作るには困難が
ある。
【0006】また、導電性の微粒子(アルミニウムドー
プ酸化亜鉛あるいはガリウムドープ酸化亜鉛)と導電性
のゾル−ゲル膜の組成物としてのゾル液を混合し、基板
に塗布、約摂氏400度還元雰囲気下で焼成することに
より得られる酸化亜鉛透明導電膜がある(特開平10−
283847号公報参照)。このゾル−ゲル膜は、塗膜
にクラックや粒界が生じやすくて均一な膜を形成するの
が困難であるため、この方法にも低抵抗化に限界があ
る。加えて、ゾル−ゲル法は成膜速度が遅く生産性が高
くないので、酸化亜鉛透明導電膜を作るのに適切ではな
い。
【0007】その他に、CVD法(A. P. Roth, D.F. W
illiams: J. Appl. Phys. 52(1981)p.6685.)、レーザ
ーアベレーション法(S. Hayamizu, H. Tabata, H. Tan
akaand T. Kawai: J. Appl. Phys. 80(1996) p.78
7.)、また、電析法(特開平10−313127号公報
参照)なども報告されている。
【0008】しかし、以上の方法で作成した酸化亜鉛透
明導電膜は、薄膜の結晶配向性と導電率の関係が明らか
にされておらず、結晶の配向性も特に制御していないた
め、ある程度導電率が高くても、ITO透明導電膜の代
替材料になるような性能を持たせ得なかった。
【0009】本発明は、酸化亜鉛薄膜のc軸:a軸、あ
るいは、c軸以外の配向性の比を100:1以上とし、
かつまた、アルミニウム、ガリウム、ホウ素などIII族
及びVII族化合物のうち少なくとも1種類ドーピングす
ることで、特に、薄膜の厚さ方向の導電率を上げ、可視
光の透過率を80%以上とした導電性及び光の透過性に
優れた透明導電膜を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
酸化亜鉛薄膜のc軸:a軸の配向性の比が100:1以
上であり、且つ、アルミニウム、ガリウム、ホウ素など
III族及びVII族化合物のうち少なくとも1種類ドーピン
グされたものである。従って、c方向の電気伝導度をa
軸方向と比べて大きくすることで、特に、薄膜の厚さ方
向の導電率を上げ、導電性及び光の透過性に優れた透明
導電膜を提供することができる。
【0011】請求項2記載の発明は、酸化亜鉛薄膜のc
軸:c軸以外の軸に配向性の比が100:1以上であ
り、且つ、アルミニウム、ガリウム、ホウ素などIII族
及びVII族化合物のうち少なくとも1種類ドーピングさ
れたものである。従って、c方向の電気伝導度をほかの
方向と比べて大きくすることで、特に、薄膜の厚さ方向
の導電率を上げ、導電性及び光の透過性に優れた透明導
電膜を提供することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の透
明導電膜において、ドーピングの原料として、アルミニ
ウム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物の有
機金属を少なくとも一種類使用した。従って、ドーピン
グの原料として、アルミニウムとガリウムとケイ素とホ
ウ素等の有機化合物を使用することによって、導電性及
び光の透過性に優れた透明導電膜を提供することができ
る。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の透
明導電膜において、ドーピングの原料としてアルミニウ
ム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物の有機
金属を少なくとも一種類使用し、且つ、該有機物はアセ
チルアセトンであり、有機金属化学気相成長(MO−C
VD)法で成膜されたことを特徴とする。従って、有機
物をアセチルアセトンとして、MO−CVD法で成膜さ
れ、結晶の配向性と組成が制御された導電性及び光の透
過性に優れた透明導電膜を提供することができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
又は4記載の透明導電膜において、抵抗値は、10-3Ω
・cm以下となるようにドープ量を調整した。従って、
ドープ量を調整することにより、導電性及び光の透過性
に優れた透明導電膜を提供することができる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の透明導電膜において、可視光の透過
率が80%以上であることを特徴とする。従って、導電
性及び光の透過性に優れた透明導電膜を提供することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
まず、有機金属化学気相成長(MO−CVD)法は、組
成の変化しない原料の供給が連続的に行なわれ、結晶の
配向性と組成が制御された薄膜を広い面積に成膜できる
と言う利点がある。しかし、酸化亜鉛薄膜の作成では、
通常用いられているZn(CH32やZn(C252
原料と酸化ガスである酸素が気相中で激しく反応し、プ
ロセス制御が非常に難しいことが指摘されている。ま
た、原料が高価であると言う問題点も有る。
【0017】これに対し、大気中で安定な亜鉛アセチル
アセトナート(Zn(C5722)原料を予備加熱
し、酸素ガスを加えることにより、配向性の優れた酸化
亜鉛薄膜が再現性良く得られることが報告された(羽
賀、佐藤、渡辺 第45回応用物理学会連合講演会 講
演予講習30aT/III p.1347]。
【0018】本実施の形態では、透明基板の上に亜鉛ア
セチルアセトナート(Zn(C5722:Zn(ac
ac)2)を用いたMO−CVD法によってc軸一軸配
向の酸化亜鉛結晶を積層・成長させると同時にアルミニ
ウムアセチルアセトナート(Al(C5723)ある
いは、ガリウムアセチルアセトナート(Ga(C57
23)をn型不純物として用い、MO−CVD法により
アルミニウムドープした酸化亜鉛薄膜、あるいは、ガリ
ウムドープした酸化亜鉛薄膜を作成した。
【0019】MO−CVD法に用いる亜鉛アセチルアセ
トナート(Zn(C5722:Zn(acac)2
は白色で粉末状の固体有機金属化合物である。常温大気
中で吸湿性があるが、ジメチル亜鉛(Zn(CH32
等のZn原料と比較すると、非常に安定で扱いやすい材
料である。
【0020】酸化亜鉛の構成元素である酸素の供給源に
は、99.99%の高純度酸素ガスを用いた。酸素の他
には、オゾン、二酸化炭素等の酸素を構成元素として含
むガスを用いても、コントロール条件を多少酸素ガスの
時と変えることで製膜可能であることも確認されてい
る。
【0021】本実施の形態で用いた成膜方法の特徴は、
亜鉛の有機化合物を載せた原料シリンダーの温度と基板
温度の調整によって結晶配向軸を選択できる点と、ドー
プ材料を載せた原料シリンダーの温度調整によって、ド
ープ量を制御できる点にある。
【0022】MO−CVD装置の原料シリンダー部にシ
ート状ヒーターをつけ、原料シリンダー部の温度を制御
することによって、原料の気化量と温度が調整できる。
また、MO−CVD装置の基板をセットする部分にもシ
ート状ヒーターをつけ、加熱によって基板の温度を制御
できるようにした。
【0023】気化した原料は、基板セッティングが終わ
った反応チャンバー内へ99.99%の高純度窒素キャ
リアガスによって輸送される。気化した材料の輸送量を
調整できるように、窒素の流量を制御できるようにし
た。
【0024】酸素ガスは、気相中で亜鉛原料と反応しな
いように、基板近傍まで分離輸送され、基板表面に直接
供給される。また、反応チャンバーまでの配管を成膜す
るときと同じ条件(気圧、温度、窒素ガス流量など)に
一定時間で保ち、基板への不純物付着を極力抑えること
も、この後の工程の品質を高める効果がある。
【0025】薄膜の品質と成膜速度を調整するために、
反応チャンバー内の圧力は真空装置によって制御できる
ようにした。
【0026】作成された薄膜の結晶配向、膜厚、導電率
と透過率は、それぞれX線回折装置、自動エリプソメー
タ、ホール測定装置と自動分光光度計で評価した。その
結果、c軸配向を主とする導電性及び光の透過性に優れ
た酸化亜鉛透明導電膜が作成できたことを確認した。
【0027】ここで薄膜形成条件について、以下に詳し
く記載する。基板温度は摂氏400度から500度の間
で、原料シリンダー部の温度は摂氏90度から130度
の間で変化させると薄膜の結晶配向のc軸((002)
面)とc軸以外、例えば((100)面)、((10
1)面)との比率を調整できる。この時、基板温度を摂
氏450度前後にすると、c軸に優先配向した良好な酸
化亜鉛薄膜が作成できた。逆に基板温度を摂氏425度
あるいは475度前後にするとc軸以外の方向が優先的
に配向成長する。即ち、c軸配向の優先性がなくなり、
(101)面が主要となる。実験時の真空度は10To
rr〜300Torrであった。100Torr付近で
より好ましい結果を得た。酸素ガスの流量は50〜40
0cc/min、好ましくは300cc/minであ
る。酸素以外のガス成分としては窒素ガスが含まれてい
る。用いた基板はパイレックスガラスであった。膜堆積
速度は0.1〜5μm/h、好ましくは0.6μm/h
で良好な結晶配向膜を形成することができた。
【0028】図1では基板温度摂氏425度で成膜した
酸化亜鉛薄膜のX線回折結果を示す。図から判るよう
に、(002)面(c軸)、(100)面(a軸)と
((101)面)に配向に対応するピークがほぼ同じで
あり、その以外、例えば(102)面、(110)面の
配向に対応するピークも現れている。
【0029】図2では基板温度摂氏450度で成膜した
酸化亜鉛薄膜のX線回折結果を示す。図から判るよう
に、(002)面(c軸)配向に対応するピークが際だ
って鋭く立っているのに対して、c軸以外、例えば
((100)面)、((101)面)の配向に対応する
ピークが非常に小さく、ほとんど弁別できなくなってい
る。このときのc軸:c軸以外の配向性の比は約20
0:1であった。
【0030】図3では基板温度摂氏475度で成膜した
酸化亜鉛薄膜のX線回折結果を示す。図から判るよう
に、(101)面(配向に対応するピークが鋭く立って
いるのに対して、(002)面(c軸)の配向に対応す
るピークが非常に小さくなっている。
【0031】本実施の形態において、透明導電性材料層
の形成にMO−CVD法を使用したのは、多結晶におけ
る結晶粒同志の界面を緊密にできること、亜鉛の有機化
合物を載せた原料シリンダーの温度と基板温度の調整に
よって結晶配向軸を選択できること、ドープ材料を載せ
た原料シリンダーの温度調整によってドープ量を制御で
きることにより抵抗値を下げるためである。しかしなが
ら、製法としては、これに限るものではなく、MO−C
VD法以外ではスパッタリング法、MBE法、プラズマ
CVD法、ECR−CVD法等で、結晶配向軸の選択と
ドープ量の制御ができ、本実施の形態の条件を満すこと
が可能であれば、その方法を利用しても良い。
【0032】
【実施例】実施例1 (実験方法) 作成条件は、基板温度を摂氏450度、
Zn(C5722シリンダー温度を摂氏105度、A
l(C5723シリンダー温度を摂氏100度〜11
5度、予備加熱部温度を摂氏135度〜155度にし
た。両シリンダーの窒素キャリアガス流量および酸素ガ
ス流量は、400cc/minとした。また、酸素の供
給材料である酸素ガスは、Zn(C5722との気相
反応を避けるために、基板付近まで分離して導入され
た。作成した酸化亜鉛薄膜の結晶配向、膜厚、導電率と
透過率は、それぞれX線回折装置、自動エリプソメー
タ、ホール測定装置と自動分光光度計で評価を行なっ
た。
【0033】(実験結果) 図4に、作成した酸化亜鉛
透明導電膜のX線回折結果を示す。これを見て判るよう
に、薄膜結晶の配向はc軸((002)面)に対応する
ピークが際だって鋭く立っている。このときのc軸:c
軸以外の配向性の比が130:1であった。アルミニウ
ムドープによって、酸化亜鉛薄膜の結晶性に多少影響が
あるが、酸化亜鉛薄膜の透明性と導電性に大きな影響は
なかった。本出願の請求項にあるc軸配向を主とする8
0%以上の透過率を持つ酸化亜鉛膜を製膜できることが
確認された。
【0034】また、図5に予備加熱部の温度変化と抵抗
率の関係を示す。これらの試料は全てAl(C5
723シリンダー温度摂氏105度で作成された。比
較としてAlを添加しない(non−doping)試
料の結果も示した。Alを添加した試料はnon−do
ping試料の抵抗率に比べて1桁以上の抵抗率の減少
を示している。抵抗率は、予備加熱温度を上昇させるに
従って徐々に減少し、予備加熱温度摂氏145度で最小
値6×10-3(Ω・cm)を示した後に、急峻に増加す
る傾向をとっている。予備加熱で、Zn(C5722
原料の分解が促進されていることが確認されており、A
l(C5723原料でも同様な効果により酸化亜鉛薄
膜への不純物の添加効果が変化しているものと考えられ
る。
【0035】実施例2 (実験方法) 作成条件は、基板温度を摂氏450度、
Zn(C5722シリンダー温度を摂氏105度、G
a(C5722シリンダー温度を摂氏100度〜11
5度、予備加熱部温度を摂氏135度〜155度とし
た。両シリンダーの窒素キャリアガス流量および酸素ガ
ス流量は、400cc/minとした。また、実施例1
と同じように、酸素の供給材料である酸素ガスは、Zn
(C5722との気相反応を避けるために、基板付近
まで分離して導入された。作成した酸化亜鉛薄膜の結晶
配向、膜厚、導電率と透過率は、それぞれX線回折装
置、自動エリプソメータ、ホール測定装置と自動分光光
度計で評価を行なった。
【0036】(実験結果) 図6に、作成した酸化亜鉛
透明導電膜のX線回折結果を示す。これを見て判る様
に、薄膜結晶の配向はc軸((002)面)に対応する
ピークが際だって鋭く立っている。このときのc軸:c
軸以外の配向性の比は120:1であった。ガリウムド
ープによって、酸化亜鉛薄膜の結晶性に多少影響がある
が、酸化亜鉛薄膜の透明性と導電性に大きな影響はなか
った。本出願の請求項にある、c軸配向を主とする80
%以上の透過率を持つ酸化亜鉛膜が製膜できることが確
認された。また、図7では予備加熱部の温度変化と抵抗
率の関係を示す。これらの試料は全てGa(C5
722シリンダー温度摂氏110度で作成された。比
較としてAlを添加した試料の結果も示した。抵抗率
は、予備加熱温度を上昇させるに従って徐々に減少し、
予備加熱温度摂氏110度で最小値2×10 -3(Ω・c
m)を示した後に、また増加する傾向を示す。これは、
Al添加時と同じ原因により酸化亜鉛薄膜への不純物の
添加効果が変化しているものと考えられる。
【0037】
【発明の効果】ITO薄膜は導電率が高く、一般的に使
われているが、その原材料であるインジウムの自然界に
存在する量は少ないので、枯渇の恐れがある。これに対
し、酸化亜鉛は亜鉛華として古来より白色顔料、触媒と
して用いられて来た材料で、その構成成分である亜鉛原
料は自然界で豊富にあり、また、酸化亜鉛は酸化物であ
るため環境汚染の心配はほとんど無く、その安全性がす
でに確立している。本発明において、安価でかつ環境に
優しい酸化亜鉛(ZnO)透明導電膜を作成できたの
で、ITOの代替材料として有望であると考える。
【0038】請求項1記載の発明は、一般的に、酸化亜
鉛(ZnO)透明導電膜を作るとき、結晶の配向性を特
に制御していないため、ある程度導電率が高くても、I
TO透明導電膜の代替材料になるような性能を持たせ得
なかったが、酸化亜鉛薄膜のc軸:a軸の配向性の比が
100:1以上であり、且つ、アルミニウム、ガリウ
ム、ホウ素などIII族及びVII族化合物のうち少なくとも
1種類ドーピングされたものであるので、薄膜の厚さ方
向の導電率を上げ、導電性及び光の透過性に優れた透明
導電膜を提供することができるという効果を有する。
【0039】請求項2記載の発明は、酸化亜鉛薄膜のc
軸:c軸以外の軸に配向性の比が100:1以上であ
り、且つ、アルミニウム、ガリウム、ホウ素などIII族
及びVII族化合物のうち少なくとも1種類ドーピングさ
れたものであるので、薄膜の導電率を上げ、導電性及び
光の透過性に優れた酸化亜鉛透明導電膜を提供できると
いう効果を有する。
【0040】請求項3記載の発明は、請求項1記載の透
明導電膜において、ドーピングの原料として、アルミニ
ウム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物の有
機金属を少なくとも一種類使用したので、さらに、薄膜
の導電率を上げ、導電性及び光の透過性に優れた酸化亜
鉛透明導電膜を提供できるという効果を有する。
【0041】一般的に、酸化亜鉛(ZnO)透明導電膜
はスパッタリング法、ゾル−ゲル法などで作製できる
が、スパッタリングでは大面積成膜に適切ではなく、膜
の厚さの制御方法に問題があり、作られた酸化亜鉛透明
導電膜の電気伝導性はITOより悪く、ITO透明導電
膜の代替となり得ず、ゾル−ゲル法は生産性が低く、し
かも作成した薄膜の低抵抗化に限界があるが、請求項4
記載の発明は、請求項1記載の透明導電膜において、ド
ーピングの原料としてアルミニウム、ガリウム、ホウ素
などIII族及びVII族化合物の有機金属を少なくとも一種
類使用し、且つ、該有機物はアセチルアセトンであり、
MO−CVD法で成膜されたことを特徴とするので、亜
鉛の有機化合物を載せた原料シリンダーの温度と基板温
度の調整によって結晶配向軸を選択でき、ドープ材料を
載せた原料シリンダーの温度調整によってドープ量を制
御できるため、高品質、高配向性の酸化亜鉛薄膜を作成
できることによって、導電性及び光の透過性に優れた酸
化亜鉛透明導電膜を提供できるという効果を有する。
【0042】通常、酸化亜鉛薄膜の作成するとき、Zn
(CH32やZn(C252原料を用いられている
が、この原料は酸化ガスである酸素が気相中で激しく反
応し、プロセス制御が非常に難しいことが指摘されてお
り、また、原料が高価であると言う問題点も有るが、請
求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の透
明導電膜において、抵抗値は、10-3Ω・cm以下とな
るようにドープ量を調整したので、ITO透明導電膜の
代替材料として好適であるという効果を有する。
【0043】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の透明導電膜において、可視光の透過
率が80%以上であるので、ITO透明導電膜の代替材
料として好適であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板温度摂氏425度で成膜した酸化亜鉛薄膜
のX線回折結果を示すグラフである。
【図2】基板温度摂氏450度で成膜した酸化亜鉛薄膜
のX線回折結果を示すグラフである。
【図3】基板温度摂氏475度で成膜した酸化亜鉛薄膜
のX線回折結果を示すグラフである。
【図4】Alをドープした酸化亜鉛透明導電膜のX線回
折結果を示すグラフである。
【図5】Alドープ酸化亜鉛透明導電膜成膜時の予備加
熱部の温度と抵抗率の関係を示すグラフである。
【図6】Gaをドープした酸化亜鉛透明導電膜のX線回
折結果を示すグラフである。
【図7】予備加熱部の温度変化と抵抗率の関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽賀 浩一 宮城県柴田郡柴田町松ヶ越1丁目5番地3 Fターム(参考) 2H092 HA03 HA15 HA22 KA18 KA20 MA07 MA27 NA25 NA28 4K030 AA11 BA21 BA42 BB01 JA06 LA04 LA16 5F051 CB12 FA02 FA08 5G301 CA02 CA12 CA27 CA30 CD03 CE01 5G307 FA01 FB01 FC09 FC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛薄膜のc軸:a軸の配向性の比
    が100:1以上であり、且つ、アルミニウム、ガリウ
    ム、ホウ素などIII族及びVII族化合物のうち少なくとも
    1種類ドーピングされたものであることを特徴とする透
    明導電膜。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛薄膜のc軸:c軸以外の軸に配
    向性の比が100:1以上であり、且つ、アルミニウ
    ム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物のうち
    少なくとも1種類ドーピングされたものであることを特
    徴とする透明導電膜。
  3. 【請求項3】 ドーピングの原料として、アルミニウ
    ム、ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物の有機
    金属を少なくとも一種類使用したことを特徴とする請求
    項1記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】 ドーピングの原料としてアルミニウム、
    ガリウム、ホウ素などIII族及びVII族化合物の有機金属
    を少なくとも一種類使用し、且つ、該有機物はアセチル
    アセトンであり、MO−CVD法で成膜されたことを特
    徴とする請求項1記載の透明導電膜。
  5. 【請求項5】 抵抗値は、10-3Ω・cm以下となるよ
    うにドープ量を調整したことを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の透明導電膜。
  6. 【請求項6】 可視光の透過率が80%以上であること
    を特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の透明導
    電膜。
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