JP2000276169A - 波形データ編集方法、波形データ編集装置および記録媒体 - Google Patents

波形データ編集方法、波形データ編集装置および記録媒体

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JP2000276169A JP11080487A JP8048799A JP2000276169A JP 2000276169 A JP2000276169 A JP 2000276169A JP 11080487 A JP11080487 A JP 11080487A JP 8048799 A JP8048799 A JP 8048799A JP 2000276169 A JP2000276169 A JP 2000276169A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピアノ等の波形データに対してアタック部を
早める等の圧縮伸長処理を施すに際して、原波形の特徴
を保持する。 【解決手段】 波形データを複数のフレームに分割し、
各フレームの音量レベルを求める。図5の下部にそのヒ
ストグラムを示す。この音量レベルが低いフレームにつ
いては、音量レベルが高いフレームと比較して大幅な圧
縮を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音波形の編集に
用いて好適な波形データ編集方法、波形データ編集装置
および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マイク等から採取した楽音波
形あるいは各種の合成装置によって得られた楽音波形を
記憶し、キーボード等の演奏操作子の操作状態に応じて
楽音波形を再生する装置が知られている。しかし、マイ
ク等から採取した楽音波形あるいは各種の合成装置によ
って得られた楽音波形をそのまま用いたのでは種々の不
具合が生じる場合もある。
【0003】その一例を図1を参照し説明する。同図は
一旦作成した楽音波形にコーラス効果を施して成る楽音
波形である。同図においては、楽音波形の開始時刻t0か
らアタック部が現れる時刻t10まで1秒程度の時間を要
する。これでは、キーボード演奏等によって楽音波形を
発生させる際にユーザに違和感を与える。
【0004】そこで、図2に示すように、アタック部が
発生する直前までの区間をカットし、さらに図3に示す
ように、残った楽音波形の最初の部分に適当なフェード
インのエンベロープを付与し、これによって楽音波形の
アタック部を速やかに発生させる技術が知られている。
また、開始時刻t0から時刻t10までの期間に対して、波
形の自己相関関数を求め、タイムストレッチを施す技術
も知られている。
【0005】次に、従来の楽音波形の記憶方法を図4を
参照し説明する。なお、図4はピアノの楽音波形の例で
ある。図において楽音波形は、楽音の発生当初の部分
(開始部)と、その後の部分(ループ部)とに分割され
る。ここで開始部は、聴感上で楽音波形を大きく特徴付
けるものであり、各部分間の相関性も低い。
【0006】一方、ループ部は各部分間の相関性が高い
ため、一部の区間(ループ区間)のみをサンプリングし
て記憶される。そして、再生時にはまず開始部が再生さ
れ、その後は適当なエンベロープが付与されつつ上記ル
ープ区間が繰返し再生される。しかし、この方法では、
開始部の終端部分における波形がループ部の波形に一致
するように、開始部を比較的長い時間だけ確保する必要
がある。そこで、開始部を短くするために、開始部の波
形データとループ部の波形データをクロスフェードさせ
ながらループ部の再生を開始する技術も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図1〜図3に
おいて説明した方法によってアタック部の発音を速める
と、楽音波形が本来有しているアタックの特徴が消えて
しまうという問題がある。また、開始部およびループ区
間の波形データをクロスフェードする場合には、両者の
位相を揃える必要があり、煩雑な処理が必要になる。さ
らに、これらの処理にタイムストレッチを用いた場合、
再生時に不要なエコーが生じたり、ピアノ等の楽音波形
ではアタック部の特徴が消えるという問題がある。
【0008】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、原波形の特徴を保持しつつ伸縮処理を行え
る波形データ編集方法、波形データ編集装置および記録
媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の構成にあっては、連続する波形データを
分割して得られた波形データの複数の区間に対してレベ
ルを検出するレベル検出過程と、前記レベルが低い区間
の圧縮時間を長くするとともに前記レベルが高い区間の
圧縮時間を短くしつつ前記波形データを圧縮し、また
は、前記レベルが低い区間の伸長時間を長くするととも
に前記レベルが高い区間の伸長時間を短くしつつ前記波
形データを伸長する伸縮処理過程とを有することを特徴
とする。さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求
項1記載の波形データ編集方法において、前記伸縮処理
過程は、前記各区間毎に自己相関関数の複数のピークを
求める過程と、前記各区間毎に前記削減時間または前記
伸長時間に対応するピークを選択する過程と、この選択
したピークに基づいて前記各区間の圧縮または伸長処理
を行う過程とから成ることを特徴とする。さらに、請求
項3記載の構成にあっては、請求項2記載の波形データ
編集方法において、前記各区間の圧縮時間または伸長時
間は、前記各区間におけるレベルと、前記自己相関関数
の演算値に基づいて決定されることを特徴とする。ま
た、請求項4記載の構成にあっては、連続する波形デー
タを分割して得られた波形データの複数の区間に対して
それぞれ自己相関関数の複数のピークを求める過程と、
前記連続する波形データの伸縮率ないし伸縮量を示す指
示データを受け取る過程と、前記指示データに基づい
て、複数の区間の複数のピーク値から、各区間毎に1つ
のピーク値を選択する選択過程と、各区間の波形データ
を、選択された前記各1つのピーク値に基づいて伸縮す
る伸縮処理過程とを具備し、前記選択過程は、前記連続
する波形データが全体として前記指示データに応じた伸
縮率ないし伸縮量を達成するように、各区間の前記1つ
のピーク値を選択することを特徴とする。また、請求項
5記載の構成にあっては、請求項1〜4の何れかに記載
の方法を実行することを特徴とする。また、請求項6記
載の構成にあっては、請求項1〜4の何れかに記載の方
法を実行するプログラムを記録したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】1.実施形態の構成 次に、本発明の一実施形態による楽音波形合成システム
のハードウエア構成を図8に示す。なお、本実施形態は
汎用パーソナルコンピュータ上で実行されるアプリケー
ションプログラムによって実現されている。図において
10はMIDIインターフェースであり、外部機器との
間でMIDI信号のやりとりを行う。11は入力装置で
あり、キーボード、マウス等によって構成されている。
12は表示器であり、ユーザに対して各種の情報を表示
する。
【0011】13はCPUであり、後述する制御プログ
ラムに基づいて、バス23を介して楽音波形合成システ
ム内の各部を制御する。14はROMであり、イニシャ
ルプログラムローダ等が格納される。15はRAMであ
り、CPU13のワーク領域等に用いられる。21はハ
ードディスク、CD−ROM等の記録媒体であり、ドラ
イブ装置16によってデータの読出し/書込みが行われ
る。
【0012】該記録媒体21には、オペレーティングシ
ステム、デバイスドライバ、アプリケーションプログラ
ム、MIDIデータ、画像データ等が格納される。17
は書込み回路であり、CPU13の制御の下、外部から
入力された波形データを波形メモリ22に書込む。19
は音源回路であり、CPU13の制御の下、波形メモリ
22を読み出し各種の処理を行ない楽音波形を合成す
る。
【0013】20はサウンドシステムであり、合成され
た楽音波形を発音する。18はアクセス管理回路であ
り、書込み回路17、CPU13、および音源回路19
による波形メモリ22に対するアクセスが衝突しないよ
うに、これらの書込み/読出しタイミングの調停を行
う。
【0014】2.実施形態の動作 2.1.全体動作 次に、本実施形態の動作を説明する。まず、本実施形態
に係る楽音波形合成システムのアプリケーションが起動
されると、図10に示すメインウインドウ100が表示
器12に表示される。ここで、ユーザが[File]メニュー
101をマウスでクリックすると、ファイル選択メニュ
ーが表示され、これによってユーザは所望の波形ファイ
ルを選択できる。波形ファイルが選択されると、該波形
ファイルが記録媒体21等からRAM15に読み込ま
れ、その波形(例えば図1に示したような波形)が波形
表示ウィンドウ150に表示される。
【0015】ここで、ユーザが範囲指定ボタン111を
マウスでクリックすると、波形表示ウィンドウ150内
において範囲指定が可能になる。すなわち、ユーザは波
形表示ウィンドウ150上でマウスをクリックアンドド
ラッグすることにより、伸縮処理の対象となる範囲を指
定することができる。
【0016】さらに、ユーザは、トラックバー112を
操作することにより、波形の伸縮率を入力することがで
きる。トラックバー112の下方の伸縮率表示欄114
には、設定された伸縮率が数字で表示される。伸縮率
は、元々の選択範囲の長さを「100%」として、例え
ば「90%」の如く指定される。但し、ユーザは、[Vie
w]メニュー104をマウスでクリックすることにより、
伸縮状態の表示モードを任意に設定することができる。
【0017】例えば、上記伸縮率が「90%」であれ
ば、これを「100%」から減算した値を伸縮変動率と
して、「10%」の如く表示してもよい。また、伸縮状
態を時間で表現することにより、例えば「0.1秒だけ
伸長する」ことを「0.1」と表示してもよく、「1.
5秒になるよう伸長する」ことを「1.5」のように表
示してもよい。さらに、伸縮状態をサンプル数で表現し
てもよい。この場合には、「400サンプル分圧縮す
る」ことを「−400」のように表示してもよく、これ
に代えて「全体で2500サンプルにする」ことを「2
500」のように表示してもよい。
【0018】以上のように伸縮処理の対象範囲と、伸縮
率とを指定した後、ユーザが実行ボタン113をマウス
でクリックすると、該対象範囲に対して、図9に示すサ
ブルーチンが呼び出され伸縮処理が実行される。なお、
その処理の詳細については後述する。伸縮処理が終了す
ると、波形表示ウィンドウ150には伸縮処理後の波形
が表示される。ここで、ユーザが[File]メニュー101
をマウスでクリックし、所定の保存操作を行うと、伸縮
処理後の波形データが記録媒体21に記録される。
【0019】2.2.波形伸縮処理 次に、ユーザが実行ボタン113をマウスでクリックし
た際に実行される波形伸縮処理の詳細を説明する。図9
において処理がステップSP21に進むと、波形伸縮の
対象範囲が複数のフレームに分割される。ここで、対象
範囲は図1に示す波形データであり、波形伸縮の対象範
囲は時刻t0〜t10の範囲であったこととする。この範囲
の拡大図を図5に示す。
【0020】図5においては、縦線がフレームの区切り
を示しており、2048サンプルポイント毎に1フレー
ムが構成されている。次に、図9において処理がステッ
プSP22に進むと、各フレーム毎に、各サンプルの絶
対値の総和が計算される。これをフレームの「音量レベ
ル」という。図5において各フレームの音量レベルを波
形の下方のヒストグラムで示す。また、音量レベルの低
い順に「1」〜「16」の番号を付す。
【0021】次に、図9において処理がステップSP2
3に進むと、各フレーム毎に自己相関関数が求められ
る。その詳細を図6(a)〜(c)を参照し説明する。同図
(a)は図5におけるあるフレームの波形を時間軸上で拡
大した図であり、これを関数f(t)とする。同図(b)は、
関数f(t-τ)すなわち関数f(t)を時間τだけ遅延させ
た波形である。同図(c)に示す自己相関関数は、「f(t)
・f(t-τ)の平均値」であり、時間τの関数になる。
【0022】ここで、自己相関関数のピークのうちτ=
0のピークを除いて、所定の閾値STHを超えるものが検
索される。同図(c)の例にあっては、時間τ1,τ2,τ3,
……が検索されることになる。そして、各フレームにお
ける時間τ1,τ2,τ3,……に相当するサンプルポイント
番号(0〜2047)が、図11に示す形式でRAM1
5に格納される。なお、図において括弧外の数字はサン
プルポイント番号であり、括弧内の数字は該サンプルポ
イント番号における自己相関関数の値である。
【0023】次に、図9において処理がステップSP2
4に進むと、各フレームに対して伸縮率が割り当てられ
る。この割当て方法について説明する。まず、図5に示
した例にあっては、各フレームのサンプル数は「204
8」ポイントであり、「16」フレームから構成されて
いるから、合計サンプル数は「32768」である。先
にユーザに指定された伸縮率が「80%」である場合
は、伸縮後のサンプル数は「26214」になり、「6
554」点だけ短くすれば良いことが解る。
【0024】各フレームに割り当てられる伸縮率は、圧
縮を行う場合にはユーザに指定された伸縮率よりも低い
値(圧縮量は大きくなる)が設定され、伸長を行う場合
はユーザに指定された伸縮率よりも高い値(伸長量は大
きくなる)が設定される。ここでは、指定された伸縮率
が「80%」よりも低い「70%」が各フレームに割り
当てられたこととする。但し、各フレームの伸縮処理に
おいて「70%」よりも高い伸縮率によって全体として
所望の(80%の)伸縮率が達成される場合には、この
高い方の伸縮率が割り当てられることとする。
【0025】次に、処理がステップSP25に進むと、
最も音量レベルの低いフレーム(図5の例では第1フレ
ーム)が指定される。次に、処理がステップSP26に
進むと、当該フレームの伸縮率に基づいて圧縮伸長処理
が行われる。70%の伸縮率を達成するためには、第1
フレームにおいて614(≒2048×0.3)点のサ
ンプルポイントを削減する必要がある。タイムストレッ
チの割合が50%であったとすると、タイムストレッチ
に用いられるピークは「第1228(=614/0.
5)ポイント」に最も近接するものが選択される。な
お、「タイムストレッチの割合」とは、そのピークに対
応するサンプル数を100%として、圧縮伸長処理でそ
の何%をずらすかを指定する量であり、その%値に対応
する他のピークが存在する場合にのみ指定できる。本実
施形態においてはタイムストレッチの割合を50%とし
たが、通常は100%とするのがよい。
【0026】図11の例にあっては、第1フレームにお
いて、第6ピーク(τ6,サンプルポイント番号=122
4)がこれに最も近接するため、第6ピークがタイムス
トレッチ用のピークとして選択される。第1フレームに
おいて第6ピークを用いて圧縮を行うと、「612」点
だけサンプル数が削減される。なお、本実施形態におけ
る圧縮伸長処理は、原フレームのデータと、上記選択さ
れたピークのサンプルポイント番号に等しいサンプル数
だけ原フレームを遅延させたデータとをクロスフェード
接続することにより実現される。
【0027】図9において次に処理がステップSP27
に進むと、伸縮処理が完了したか否かが判定される。こ
こでは、削減されたサンプル数「612」は所要削減サ
ンプル数「6554」に達していないから「NO」と判
定され、処理はステップSP28に進む。ここでは、次
に音量レベルの低いフレーム(図5の例では第2フレー
ム)が選択され、処理はステップSP26に戻る。
【0028】ステップSP26においては、第1フレー
ムの場合と同様に、タイムストレッチに用いられるピー
クとして、「第1228ポイント」に最も近接するもの
が選択される。図11の例にあっては、第2フレームに
おいて、第6ピーク(τ6,サンプルポイント番号=12
26)がこれに最も近接するため、第6ピークがタイム
ストレッチ用のピークとして選択される。第2フレーム
において第6ピークを用いて圧縮を行うと、「613」
点だけサンプル数が削減される。
【0029】このように、ステップSP26〜SP28
のループが10回繰返されたとすると、ほぼ「613
0」程度のサンプル数が削減されることになる。ここで
は、正確に「6130」サンプルが削減されたことと仮
定する。次に処理がステップSP26に進むと、必要な
削減サンプル数は「424(=6554−6130)」
であり、「第848(=424/0.5)ポイント」に
最も近いピークが選択される。
【0030】当該フレームにおける自己相関関数のピー
ク時間τ1,τ2,τ3,……が図11に示す第1フレームと
同一の値であったと仮定すると、第4ピーク(τ4,サン
プルポイント番号=822)が選択される。これを用い
て圧縮が行われると、「411」点だけサンプル数が削
減される。
【0031】これにより、合計で「6541」点のサン
プル数が削減されたことになる。この値は伸縮しようと
した「6554」点より「13」点分少ないが、これは
人間の聴覚で感知できる時間差ではないため、必ずしも
「6554」点に厳密に一致させる必要はない。従っ
て、ステップSP27においては、数ミリ秒以下の時間
差であれば感知可能範囲外であると看做し、削減したサ
ンプル数の合計と必要な削減サンプル数との差がそれに
対応する閾値を下まわった時点でループを終了させるこ
ととしている。これにより、次に処理がステップSP2
7に進むと「YES」と判定され、本ルーチンの処理は
終了する。従って、上述したように、伸縮処理後の波形
が波形表示ウィンドウ150に表示されることになる。
【0032】3.変形例 本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、
例えば以下のように種々の変形が可能である。 (1)上記実施形態のステップSP22においては、各
フレーム内におけるサンプルの絶対値の総和を「音量レ
ベル」としたが、これに代えて各フレームの最大レベ
ル、平均レベルあるいは実効値を音量レベルとして用い
てもよい。
【0033】(2)上記実施形態のステップSP24に
おいては、各フレームに割り当てられる伸縮率は音量レ
ベルの低い順に一律に設定されたが、伸縮率の決定方法
はこれに限られるものではない。その一例を以下説明す
る。まず、本変形例においては、各フレームにおけるピ
ークの自己相関関数の値を該フレームにおける音量レベ
ル(または該ピークにおけるエンベロープレベル)で除
算し、全フレームの全ピークに対して除算結果の順序付
けがなされる。
【0034】次に、所望の伸縮率が得られるように各フ
レームのピークを選択するのであるが、その際に上記除
算結果の総和が最大となるように各ピークが選択され
る。従って、選択されるピークは、例えば「第1フレー
ムの第4ピーク」、「第2フレームの第7ピーク」の如
く、各フレーム毎に区々となる。本変形例によれば、波
形の特徴を一層保持しつつ、しかもピッチ変化の違和感
の少ない波形を得ることができる。
【0035】(3)さらに、上記変形例(2)において
は、ピークの自己相関関数の値を該フレームにおける音
量レベル(または該ピークにおけるエンベロープレベ
ル)で除算したが、これらの加減乗除や対数、その他任
意の演算によって各フレームのピークの順序を決定して
もよい。
【0036】(4)上記実施形態のステップSP26に
おいては、予め定められた伸縮率に基づいて圧縮伸長処
理を行ったが、各フレームの伸縮率は必ずしも事前に決
定しておく必要はない。すなわち、ステップSP26に
おいては対象フレームに対して所定量づつ圧縮伸長処理
を行ない、ステップSP27では所望の伸縮率が得られ
たか否かを判定し、得られた時点で処理を終了させると
よい。ここで、全フレームに対して一通り圧縮伸長処理
を行っても伸縮率が不足する場合は、再び最初の順位の
フレームに戻り、同様の圧縮伸長処理を繰返すとよい。
【0037】(5)図7に示すようなピアノの波形を短
くする場合等においては、音量レベルが最大となるフレ
ーム(図上で最初のフレーム)はアタック感を確保する
ために特に重要である。従って、上記実施形態、変形例
(2)または変形例(4)等においては、除算結果等の順位
にかかわらず、音量レベルが最大であるフレームは常に
圧縮しないようにしてもよい。さらに、ユーザが数値n
(但し、nは0以上の整数)を指定して、音量レベルが
大きいフレームをn個まで圧縮しないようにしてもよ
い。
【0038】(6)上記実施形態、変形例(2)または変
形例(4)等においては、伸縮処理されるフレームが分散
されるように、処理された他のフレームとの距離が長い
フレームを優先して処理対象フレームに設定してもよ
い。
【0039】(7)上記実施形態、変形例(2)または変
形例(4)等においては、各フレームのピーク値の数が足
りないために指定された伸縮率を達成できない場合も考
えられる。かかる場合は、閾値STHを下げて、ステップ
SP22以降の処理を再度実行するようにしてもよい。
【0040】(8)上記実施形態、変形例(2)または変
形例(4)等においては、各フレームの自己相関関数を用
いて伸縮処理を行ったが、自己相関関数に代えてピッチ
分析やスペクトル分析を行ない伸縮率を決定してもよ
い。
【0041】(9)上記実施形態および変形例において
は、伸縮するフレーム(および伸縮量)は全フレームの
中から自動的に決定されたが、各フレーム毎に予め伸縮
するか否かをユーザが任意に指定して、伸縮すると指定
されたフレームの中から実際に伸縮するフレームを自動
的に決定するようにしてもよい。これによれば、任意の
フレームを圧縮伸長処理から除外して残りのフレームで
波形データの圧縮伸長を行うことができる。また、各フ
レームにおける伸縮率の範囲についてもユーザが任意に
設定できるようにしてもよく、その場合、設定された範
囲の中でタイムストレッチに用いるピークが自動的に選
択される。これにより、必要に応じて各フレームの圧縮
伸長率に制限をかけることができる。また、一旦自動的
に伸縮率を割り当てた後にユーザが任意に編集できるよ
うにしてもよい。
【0042】(10)上記実施形態においては、波形デ
ータのサンプルを「2048」ポイントづつ分割してフ
レームを形成したが、1フレームのサンプル数は「20
48」に限らず、「512」や「3072」であっても
よい。また、各フレームのサンプル数をフレーム毎に異
なる数にしてもよい。
【0043】(11)上記実施形態においては、均一の
伸縮率を各フレームのタイムストレッチの目標値として
それに近い自己相関関数のピークを選択していたが、こ
の目標値をフレーム毎に異ならせてもよい。例えば、音
量レベルに応じて、音量レベルの小さなフレームの圧縮
量ないし伸長量が大きくなるようにしてもよい。フレー
ム毎に伸縮率を異ならせる場合においても、自己相関関
数のピークに基づいて具体的な伸縮量の値が決定される
ので、不要なノイズを防止できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、レ
ベルが低い区間の圧縮時間を長くするとともにレベルが
高い区間の圧縮時間を短くしつつ波形データを圧縮し、
または、レベルが低い区間の伸長時間を長くするととも
にレベルが高い区間の伸長時間を短くしつつ波形データ
を伸長するから、原波形の特徴を保持しつつ伸縮処理を
行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 波形データの一例を示す図である。
【図2】 従来技術による波形データ処理内容を示す図
である。
【図3】 従来技術による波形データ処理内容を示す図
である。
【図4】 従来技術による波形データ圧縮処理の内容を
示す図である。
【図5】 本実施形態の動作説明図である。
【図6】 図5の要部の拡大図である。
【図7】 ピアノの波形データを示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態のハードウエア構成を示
すブロック図である。
【図9】 一実施形態における圧縮伸長処理のフローチ
ャートである。
【図10】 一実施形態におけるメインウインドウを示
す図である。
【図11】 一実施形態におけるデータ構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
11……入力装置、12……表示器、13……CPU、
14……ROM、15……RAM、16……ドライブ装
置、17……書込み回路、18……アクセス管理回路、
19……音源回路、20……サウンドシステム、21…
…記録媒体、22……波形メモリ、23……バス、10
0……メインウインドウ、101……[File]メニュー、
101……ファイルボタン、104……[View]メニュ
ー、111……範囲指定ボタン、112……トラックバ
ー、113……実行ボタン、114……伸縮率表示欄、
150……波形表示ウィンドウ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続する波形データを分割して得られた
    波形データの複数の区間に対してレベルを検出するレベ
    ル検出過程と、 前記レベルが低い区間の圧縮時間を長くするとともに前
    記レベルが高い区間の圧縮時間を短くしつつ前記波形デ
    ータを圧縮し、または、前記レベルが低い区間の伸長時
    間を長くするとともに前記レベルが高い区間の伸長時間
    を短くしつつ前記波形データを伸長する伸縮処理過程と
    を有することを特徴とする波形データ編集方法。
  2. 【請求項2】 前記伸縮処理過程は、 前記各区間毎に自己相関関数の複数のピークを求める過
    程と、 前記各区間毎に前記削減時間または前記伸長時間に対応
    するピークを選択する過程と、 この選択したピークに基づいて前記各区間の圧縮または
    伸長処理を行う過程とから成ることを特徴とする請求項
    1記載の波形データ編集方法。
  3. 【請求項3】 前記各区間の圧縮時間または伸長時間
    は、前記各区間におけるレベルと、前記自己相関関数の
    演算値に基づいて決定されることを特徴とする請求項2
    記載の波形データ編集方法。
  4. 【請求項4】 連続する波形データを分割して得られた
    波形データの複数の区間に対してそれぞれ自己相関関数
    の複数のピークを求める過程と、 前記連続する波形データの伸縮率ないし伸縮量を示す指
    示データを受け取る過程と、 前記指示データに基づいて、複数の区間の複数のピーク
    値から、各区間毎に1つのピーク値を選択する選択過程
    と、 各区間の波形データを、選択された前記各1つのピーク
    値に基づいて伸縮する伸縮処理過程とを具備し、 前記選択過程は、前記連続する波形データが全体として
    前記指示データに応じた伸縮率ないし伸縮量を達成する
    ように、各区間の前記1つのピーク値を選択することを
    特徴とする波形データ編集方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の方法を実
    行することを特徴とする波形データ編集装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れかに記載の方法を実
    行するプログラムを記録したことを特徴とする記録媒
    体。
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