JP2000275408A - 光散乱シートとそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
光散乱シートとそれを用いた液晶表示装置Info
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- JP2000275408A JP2000275408A JP11079525A JP7952599A JP2000275408A JP 2000275408 A JP2000275408 A JP 2000275408A JP 11079525 A JP11079525 A JP 11079525A JP 7952599 A JP7952599 A JP 7952599A JP 2000275408 A JP2000275408 A JP 2000275408A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】環境依存性を低くし（光散乱が生じる照明光の
入射角度を拡げ）、さらには、散乱指向性をも拡げる
（出射散乱光の範囲・方向の制御）ことの可能な光散乱
シートとそれを用いた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】特定範囲の角度で入射する光について散乱
を生じて透過し、前記以外の角度で入射する光について
は散乱を生じずにそのまま透過するような散乱異方性を
持つ光散乱フィルムを用いてなる光散乱シートであっ
て、散乱異方性，散乱方向（あるいは散乱範囲）の指向
性，の少なくとも何れかが異なる光散乱フィルムが２枚
以上積層された構成とする。
入射角度を拡げ）、さらには、散乱指向性をも拡げる
（出射散乱光の範囲・方向の制御）ことの可能な光散乱
シートとそれを用いた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】特定範囲の角度で入射する光について散乱
を生じて透過し、前記以外の角度で入射する光について
は散乱を生じずにそのまま透過するような散乱異方性を
持つ光散乱フィルムを用いてなる光散乱シートであっ
て、散乱異方性，散乱方向（あるいは散乱範囲）の指向
性，の少なくとも何れかが異なる光散乱フィルムが２枚
以上積層された構成とする。
Description
【０００１】
【発明に属する技術分野】本発明は、液晶パネルを使っ
た画像表示装置に利用でき、機器本体の消費電力を増や
すことなく、表示画像の視認性、明るさ及びコントラス
トを向上することができ、且つ、照明光の入射角度を限
定することなく散乱光を出射できる（環境依存性の低
い）光散乱シートと、それを用いた液晶表示装置に関す
る。
た画像表示装置に利用でき、機器本体の消費電力を増や
すことなく、表示画像の視認性、明るさ及びコントラス
トを向上することができ、且つ、照明光の入射角度を限
定することなく散乱光を出射できる（環境依存性の低
い）光散乱シートと、それを用いた液晶表示装置に関す
る。
【０００２】なお、本発明において、「散乱」という用
語と「拡散」という用語を光に関して使用する場合、こ
れらは同義である。また、「フィルム」という用語と
「シート」という用語も、本発明では同義語として使用
される。
語と「拡散」という用語を光に関して使用する場合、こ
れらは同義である。また、「フィルム」という用語と
「シート」という用語も、本発明では同義語として使用
される。
【０００３】
【従来の技術】近年、明るく高コントラストで、且つ、
視角依存性や二重像の問題のない方式の液晶表示装置と
して、液晶パネルの前面（観察者側）に光散乱フィルム
を配置する方式が採用されてきている。さらに、液晶を
駆動する電極が反射体を兼ねる方式（以後、このような
電極を反射電極と称する）を上記方式に併用することも
行なわれている。
視角依存性や二重像の問題のない方式の液晶表示装置と
して、液晶パネルの前面（観察者側）に光散乱フィルム
を配置する方式が採用されてきている。さらに、液晶を
駆動する電極が反射体を兼ねる方式（以後、このような
電極を反射電極と称する）を上記方式に併用することも
行なわれている。
【０００４】従来の光散乱フィルムとしては、表面をマ
ット状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を含ん
だ樹脂フィルムなどが用いられている。しかし、上記の
フィルムの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の
変化といった機能（以後、散乱異方性と呼ぶ）を持たせ
ることは原理上困難で、現実的にそのような機能は持ち
あわせていないため、表示装置に使用した際に不必要な
散乱光が生じ、表示の明るさやコントラストの低下、あ
るいいは表示画像のぼけを招くという問題点がある。
ット状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を含ん
だ樹脂フィルムなどが用いられている。しかし、上記の
フィルムの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の
変化といった機能（以後、散乱異方性と呼ぶ）を持たせ
ることは原理上困難で、現実的にそのような機能は持ち
あわせていないため、表示装置に使用した際に不必要な
散乱光が生じ、表示の明るさやコントラストの低下、あ
るいいは表示画像のぼけを招くという問題点がある。
【０００５】一方、後方散乱特性がほとんどなく前方散
乱特性が強い（周辺光が表示装置へ入射する際にのみ光
散乱を生じ、装置から表示光が出射する際には光散乱を
生じない）という散乱異方性をもつ散乱板を用いた反射
型液晶表示装置に関する提案として、特開平８−２０１
８０２号公報が公知である。
乱特性が強い（周辺光が表示装置へ入射する際にのみ光
散乱を生じ、装置から表示光が出射する際には光散乱を
生じない）という散乱異方性をもつ散乱板を用いた反射
型液晶表示装置に関する提案として、特開平８−２０１
８０２号公報が公知である。
【０００６】上記公報で提案されている散乱板は、透明
微粒子を透明な重合性高分子で固めた構成をとってお
り、前方か後方かの散乱特性を持たせられたとしても、
縦と横の散乱特性までも制御する散乱指向性を持たせる
のは難しい。
微粒子を透明な重合性高分子で固めた構成をとってお
り、前方か後方かの散乱特性を持たせられたとしても、
縦と横の散乱特性までも制御する散乱指向性を持たせる
のは難しい。
【０００７】また、散乱異方性に加えて、縦と横の散乱
範囲（散乱方向）に係る散乱特性をも制御できる（以
後、散乱指向性と呼ぶ）光散乱シートとして、本出願人
による特願平１０−３４６７４３号も提案されている。
範囲（散乱方向）に係る散乱特性をも制御できる（以
後、散乱指向性と呼ぶ）光散乱シートとして、本出願人
による特願平１０−３４６７４３号も提案されている。
【０００８】特願平１０−３４６７４３号は、特定範囲
の角度で入射する光について散乱を生じて透過し、前記
以外の角度で入射する光については散乱を生じずにその
まま透過するような散乱異方性を持つと共に、散乱時の
散乱指向性をも制御した光散乱フィルムに係る提案であ
る。
の角度で入射する光について散乱を生じて透過し、前記
以外の角度で入射する光については散乱を生じずにその
まま透過するような散乱異方性を持つと共に、散乱時の
散乱指向性をも制御した光散乱フィルムに係る提案であ
る。
【０００９】上記提案による光散乱フィルムでは、特定
（１種類）の範囲の角度で入射する光についてしか光散
乱を生じないことになり、散乱異方性も１種類に限定さ
れることになる。従って、それを適用した液晶表示装置
では、表示光を生成することになる光源が、特定の範囲
内に存在しないと光散乱を生じないという「環境依存性
（光散乱が、照明光の入射角度に依存する特性）」が高
いことになる。
（１種類）の範囲の角度で入射する光についてしか光散
乱を生じないことになり、散乱異方性も１種類に限定さ
れることになる。従って、それを適用した液晶表示装置
では、表示光を生成することになる光源が、特定の範囲
内に存在しないと光散乱を生じないという「環境依存性
（光散乱が、照明光の入射角度に依存する特性）」が高
いことになる。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特願平１０
−３４６７４３号に示された散乱異方性および／または
散乱指向性をさらに拡げることを目的とし、環境依存性
を低くし（光散乱が生じる照明光の入射角度を拡げ）、
さらには、散乱指向性をも拡げることの可能な光散乱シ
ートとそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的
とする。
−３４６７４３号に示された散乱異方性および／または
散乱指向性をさらに拡げることを目的とし、環境依存性
を低くし（光散乱が生じる照明光の入射角度を拡げ）、
さらには、散乱指向性をも拡げることの可能な光散乱シ
ートとそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的
とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明では、特願平１０
−３４６７４３号に示されるような、散乱異方性，散乱
方向（あるいは散乱範囲）の指向性，の少なくとも何れ
かが異なる光散乱フィルムが、２枚以上積層された構成
の光散乱シートを用いることにより、上記目的を達成す
る。
−３４６７４３号に示されるような、散乱異方性，散乱
方向（あるいは散乱範囲）の指向性，の少なくとも何れ
かが異なる光散乱フィルムが、２枚以上積層された構成
の光散乱シートを用いることにより、上記目的を達成す
る。
【００１２】すなわち、本発明の請求項１の光散乱シー
トは、特定範囲の角度で入射する光について散乱を生じ
て透過し、前記以外の角度で入射する光については散乱
を生じずにそのまま透過するような散乱異方性を持つ光
散乱フィルムを用いてなる光散乱シートであって、散乱
異方性が異なる光散乱フィルムが２枚以上積層された構
成であることを特徴とする。
トは、特定範囲の角度で入射する光について散乱を生じ
て透過し、前記以外の角度で入射する光については散乱
を生じずにそのまま透過するような散乱異方性を持つ光
散乱フィルムを用いてなる光散乱シートであって、散乱
異方性が異なる光散乱フィルムが２枚以上積層された構
成であることを特徴とする。
【００１３】また、請求項２の光散乱シートは、散乱異
方性に加えて、散乱方向（あるいは散乱範囲）の指向性
が異なる光散乱フィルムが２枚以上積層された構成であ
ることを特徴とする。
方性に加えて、散乱方向（あるいは散乱範囲）の指向性
が異なる光散乱フィルムが２枚以上積層された構成であ
ることを特徴とする。
【００１４】請求項３の発明は、請求項１または２に記
載の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）に
配置したことを特徴とする液晶表示装置である。
載の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）に
配置したことを特徴とする液晶表示装置である。
【００１５】請求項４の発明は、請求項１または２に記
載の光散乱シートの散乱異方性が、周辺光が表示装置に
入射する際に光散乱を生じ、表示装置から表示光が出射
する際には光散乱を生じないように設計されており、上
記の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）に
配置したことを特徴とする反射型液晶表示装置である。
載の光散乱シートの散乱異方性が、周辺光が表示装置に
入射する際に光散乱を生じ、表示装置から表示光が出射
する際には光散乱を生じないように設計されており、上
記の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）に
配置したことを特徴とする反射型液晶表示装置である。
【００１６】請求項５の発明は、請求項１または２に記
載の光散乱シートの散乱異方性が、表示装置に内蔵され
たバックライトやエッジライトなどの光源からの光が入
射する際に光散乱を生じるように設計されており、上記
の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）およ
び／または液晶パネルと光源との間に配置したことを特
徴とする透過型液晶表示装置である。
載の光散乱シートの散乱異方性が、表示装置に内蔵され
たバックライトやエッジライトなどの光源からの光が入
射する際に光散乱を生じるように設計されており、上記
の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）およ
び／または液晶パネルと光源との間に配置したことを特
徴とする透過型液晶表示装置である。
【００１７】上述の特願平１０−３４６７４３号に係る
光散乱フィルムは、フィルム内で、屈折率の異なる部分
が不規則な形状・厚さで分布して、屈折率の高低からな
る濃淡模様が形成された構成であり、屈折率のほぼ等し
い第１の領域と、それとは異なる屈折率のほぼ等しい第
２の領域とから形成される。
光散乱フィルムは、フィルム内で、屈折率の異なる部分
が不規則な形状・厚さで分布して、屈折率の高低からな
る濃淡模様が形成された構成であり、屈折率のほぼ等し
い第１の領域と、それとは異なる屈折率のほぼ等しい第
２の領域とから形成される。
【００１８】第１および第２の領域は、不規則ではある
がおよそ帯状の形状であり、フィルム表面に露出する形
状・分布により散乱指向性が決定され、フィルムの断面
での分布形態により散乱異方性が決定される。
がおよそ帯状の形状であり、フィルム表面に露出する形
状・分布により散乱指向性が決定され、フィルムの断面
での分布形態により散乱異方性が決定される。
【００１９】すなわち、第１および第２の領域がフィル
ム表面に露出する形状はおよそ帯状であるが、入射光は
その短軸方向に散乱されることになり、また、それらの
分布が密であるほど散乱の度合いが大きくなる。フィル
ムの断面では、第１および第２の領域はおよそ層状にな
るが、入射光が層に平行に近い角度で入射すると光散乱
を生じるが、層に垂直に近い角度で入射すると光散乱を
生じず単純に透過する。
ム表面に露出する形状はおよそ帯状であるが、入射光は
その短軸方向に散乱されることになり、また、それらの
分布が密であるほど散乱の度合いが大きくなる。フィル
ムの断面では、第１および第２の領域はおよそ層状にな
るが、入射光が層に平行に近い角度で入射すると光散乱
を生じるが、層に垂直に近い角度で入射すると光散乱を
生じず単純に透過する。
【００２０】散乱異方性，散乱方向（あるいは散乱範
囲）の指向性，の少なくとも何れかが異なる光散乱フィ
ルムを積層する際には、それぞれのフィルムの断面で
は、第１および第２の領域がおよそ層状に分布する方向
を、０〜１８０°の角度で異なるように重ね、また、必
要に応じて、それぞれのフィルムの表面では、第１およ
び第２の領域が露出する形状・分布が異なるように重ね
るのが好適である。
囲）の指向性，の少なくとも何れかが異なる光散乱フィ
ルムを積層する際には、それぞれのフィルムの断面で
は、第１および第２の領域がおよそ層状に分布する方向
を、０〜１８０°の角度で異なるように重ね、また、必
要に応じて、それぞれのフィルムの表面では、第１およ
び第２の領域が露出する形状・分布が異なるように重ね
るのが好適である。
【００２１】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。 ＜実施形態１＞本発明では、特願平１０−３４６７４３
号に係る光散乱フィルムと光学特性の等しいフィルムが
用いられる。図１は、屈折率の異なる部分が不規則な形
状・厚さで分布して、屈折率の高低（同図では、黒と白
で表現している）からなる濃淡模様が形成された２枚の
光散乱フィルムを任意の角度θでずらして重ねた状態を
示す説明図であり、左が平面図，右が断面図である。
細に説明する。 ＜実施形態１＞本発明では、特願平１０−３４６７４３
号に係る光散乱フィルムと光学特性の等しいフィルムが
用いられる。図１は、屈折率の異なる部分が不規則な形
状・厚さで分布して、屈折率の高低（同図では、黒と白
で表現している）からなる濃淡模様が形成された２枚の
光散乱フィルムを任意の角度θでずらして重ねた状態を
示す説明図であり、左が平面図，右が断面図である。
【００２２】平面図から分かるように、濃淡模様が同一
の構造を持つ２枚の光散乱フィルムを、光の拡散軸を中
心に角度θで重ね合わせると、それぞれのフィルムから
出射する光の拡散方向が異なるため、積層した２枚のフ
ィルムから拡散出射する光の範囲が広がることになる。
の構造を持つ２枚の光散乱フィルムを、光の拡散軸を中
心に角度θで重ね合わせると、それぞれのフィルムから
出射する光の拡散方向が異なるため、積層した２枚のフ
ィルムから拡散出射する光の範囲が広がることになる。
【００２３】また、断面図から分かるように、屈折率の
異なる部分（濃淡模様）は、フィルムの厚さ方向に対し
ては、傾斜して層状に分布した構造である。従って、矢
印２の角度αで入射する光は上層のフィルムによって拡
散され、矢印４の角度−βで入射する光は下層のフィル
ムによって拡散されることになり、積層した２枚のフィ
ルムについては、光拡散を生じる入射光の角度範囲が広
がることになる。
異なる部分（濃淡模様）は、フィルムの厚さ方向に対し
ては、傾斜して層状に分布した構造である。従って、矢
印２の角度αで入射する光は上層のフィルムによって拡
散され、矢印４の角度−βで入射する光は下層のフィル
ムによって拡散されることになり、積層した２枚のフィ
ルムについては、光拡散を生じる入射光の角度範囲が広
がることになる。
【００２４】なお、積層するフィルムを３枚以上に増や
すことで、光拡散を生じる入射光の角度範囲や拡散する
出射光の範囲を一層拡げることも可能であり、以後の説
明においても共通する。
すことで、光拡散を生じる入射光の角度範囲や拡散する
出射光の範囲を一層拡げることも可能であり、以後の説
明においても共通する。
【００２５】＜実施形態２＞図２は、別の実施形態に係
る光散乱シートの構造を示す説明図であり、左が平面
図，右が断面図である。
る光散乱シートの構造を示す説明図であり、左が平面
図，右が断面図である。
【００２６】図１は、光拡散を生じる入射光の角度範
囲，拡散する出射光の範囲の双方を広げる場合の実施形
態であったが、図２は、２枚の光拡散フィルムから出射
する光の拡散方向は等しく、光拡散を生じる入射光の角
度範囲だけが広がる場合の実施形態である。
囲，拡散する出射光の範囲の双方を広げる場合の実施形
態であったが、図２は、２枚の光拡散フィルムから出射
する光の拡散方向は等しく、光拡散を生じる入射光の角
度範囲だけが広がる場合の実施形態である。
【００２７】図２の断面図から分かるように、上下のフ
ィルムの屈折率の異なる部分（濃淡模様）の傾斜方向が
異なるため、矢印２の角度αで入射する光は上層のフィ
ルムによって光拡散し、矢印６の角度γで入射する光は
下層のフィルムによって光拡散する。従って、積層した
２枚のフィルムについて、光拡散を生じる入射光の角度
範囲が広がることになる。
ィルムの屈折率の異なる部分（濃淡模様）の傾斜方向が
異なるため、矢印２の角度αで入射する光は上層のフィ
ルムによって光拡散し、矢印６の角度γで入射する光は
下層のフィルムによって光拡散する。従って、積層した
２枚のフィルムについて、光拡散を生じる入射光の角度
範囲が広がることになる。
【００２８】平面図から分かるように、上下２枚のフィ
ルムから出射する光の拡散方向は等しいため、積層した
２枚のフィルムから拡散出射する光の拡散範囲は変わら
ない。
ルムから出射する光の拡散方向は等しいため、積層した
２枚のフィルムから拡散出射する光の拡散範囲は変わら
ない。
【００２９】＜実施形態３＞上記の実施形態で説明した
ような光散乱シートを液晶表示装置に適用する場合につ
いて説明する。図３は、本発明の光散乱シートを用いた
反射型液晶表示装置についての一例を示す断面図であ
る。
ような光散乱シートを液晶表示装置に適用する場合につ
いて説明する。図３は、本発明の光散乱シートを用いた
反射型液晶表示装置についての一例を示す断面図であ
る。
【００３０】ガラス基板９の上に電極を兼ねた反射板1
1，液晶パネル10，ガラス基板９，光散乱シート１，偏
光板８をこの順で重ねた構造である。なお、液晶の種類
によっては位相差板やその他の光学フィルムが使われる
場合もあるが、ここでは省略する。液晶パネル10は、一
般的な構造のものからなり、印加電圧の有無に応じて入
射光を変調し、白／黒（透過／非透過）の切り替え表示
をするものからなる。
1，液晶パネル10，ガラス基板９，光散乱シート１，偏
光板８をこの順で重ねた構造である。なお、液晶の種類
によっては位相差板やその他の光学フィルムが使われる
場合もあるが、ここでは省略する。液晶パネル10は、一
般的な構造のものからなり、印加電圧の有無に応じて入
射光を変調し、白／黒（透過／非透過）の切り替え表示
をするものからなる。
【００３１】光散乱シート１は、実施形態１，２で説明
したように、少なくとも2 枚以上の光散乱フィルムを積
層した構成であるため、照明光（周辺光）12の角度を限
定することなく、液晶パネル10の前面側から光散乱が生
じて、その散乱光13は液晶パネル10の背面側の反射板11
で反射する。この反射光14は、光散乱シート１を透過し
て前面に出射する。出射の際に光散乱シート１は、出射
する散乱光（表示光）15を二次的に光散乱せずにそのま
ま透過させる。
したように、少なくとも2 枚以上の光散乱フィルムを積
層した構成であるため、照明光（周辺光）12の角度を限
定することなく、液晶パネル10の前面側から光散乱が生
じて、その散乱光13は液晶パネル10の背面側の反射板11
で反射する。この反射光14は、光散乱シート１を透過し
て前面に出射する。出射の際に光散乱シート１は、出射
する散乱光（表示光）15を二次的に光散乱せずにそのま
ま透過させる。
【００３２】＜実施形態４＞なお、本発明の光散乱シー
トは、反射型のみならず透過型の液晶表示装置について
も適用が可能である。
トは、反射型のみならず透過型の液晶表示装置について
も適用が可能である。
【００３３】この場合、光散乱シートは、表示装置に内
蔵されたバックライトやエッジライトなどの光源からの
光が入射する際に光散乱を生じるように設計されてお
り、透過型液晶表示装置は、上記の光散乱シートを、液
晶パネルの前面および／または液晶パネルと光源との間
に配置して構成される。（図示せず）
蔵されたバックライトやエッジライトなどの光源からの
光が入射する際に光散乱を生じるように設計されてお
り、透過型液晶表示装置は、上記の光散乱シートを、液
晶パネルの前面および／または液晶パネルと光源との間
に配置して構成される。（図示せず）
【００３４】上述したように、本発明の光散乱シート
は、環境依存性が低い（光散乱が生じる照明光の入射角
度が拡い）ことが主要な特徴であるため、透過型液晶表
示装置に適用する場合でも、バックライトやエッジライ
トからの光が、色々な方向から液晶パネルに入射する
（例えば、光源が複数あるような）場合に特に有効であ
る。
は、環境依存性が低い（光散乱が生じる照明光の入射角
度が拡い）ことが主要な特徴であるため、透過型液晶表
示装置に適用する場合でも、バックライトやエッジライ
トからの光が、色々な方向から液晶パネルに入射する
（例えば、光源が複数あるような）場合に特に有効であ
る。
【００３５】本発明の光散乱シートは、以下のようにし
て作製される。図４は、ランダムパターンのマスクを利
用して図１に示した構造の光散乱シート１を記録する光
学系の概略図である。
て作製される。図４は、ランダムパターンのマスクを利
用して図１に示した構造の光散乱シート１を記録する光
学系の概略図である。
【００３６】ＵＶ光源16から出た紫外光は、コリメート
光学系17により平行光18とされ、マスク原版19を照射す
る。マスク原版19のＵＶ照射側と反対の面には感光材料
20を密着して配置しており、マスク原版19のパターンを
感光材料20に露光照射する。
光学系17により平行光18とされ、マスク原版19を照射す
る。マスク原版19のＵＶ照射側と反対の面には感光材料
20を密着して配置しており、マスク原版19のパターンを
感光材料20に露光照射する。
【００３７】このとき図示のように、ＵＶ光18とマスク
原版19は所定角度σだけ傾いて配置されているため、パ
ターン露光は感光材料20中で、所定角度傾いて為される
ことになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の
異なる部分の傾斜角度に相当する。
原版19は所定角度σだけ傾いて配置されているため、パ
ターン露光は感光材料20中で、所定角度傾いて為される
ことになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の
異なる部分の傾斜角度に相当する。
【００３８】また、ここで使用する感光材料20は、ＵＶ
光の露光部と未露光部を屈折率変化という形で記録でき
る感光材料であり、記録しようとする濃淡より高い解像
力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できるよ
うな材料である必要がある。このような記録材料として
は、体積型ホログラム用感光材料が利用でき、アグファ
社製ホログラム用銀塩感光材料８Ｅ５６乾板，デュポン
社製ホログラム用感光材料ＨＲＦフィルム，或いは重ク
ロム酸ゼラチン、ポラロイド製ＤＭＰ−１２８記録材料
などが使用可能である。
光の露光部と未露光部を屈折率変化という形で記録でき
る感光材料であり、記録しようとする濃淡より高い解像
力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できるよ
うな材料である必要がある。このような記録材料として
は、体積型ホログラム用感光材料が利用でき、アグファ
社製ホログラム用銀塩感光材料８Ｅ５６乾板，デュポン
社製ホログラム用感光材料ＨＲＦフィルム，或いは重ク
ロム酸ゼラチン、ポラロイド製ＤＭＰ−１２８記録材料
などが使用可能である。
【００３９】図４で用いている所定のランダムパターン
を持つマスク原版19は、計算機を用いた乱数計算から作
製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィ
ーの手法によりガラス基板21上の金属クロムパターン22
としてエッチングしたものを用いた。
を持つマスク原版19は、計算機を用いた乱数計算から作
製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィ
ーの手法によりガラス基板21上の金属クロムパターン22
としてエッチングしたものを用いた。
【００４０】マスク原版の作製方法は上記方式に限定さ
れるものではなく、リス乾板を使った写真手法などによ
り作製しても同様なマスクを作製できることは勿論であ
る。
れるものではなく、リス乾板を使った写真手法などによ
り作製しても同様なマスクを作製できることは勿論であ
る。
【００４１】
【発明の効果】所定角度で入射する光に対しては光散乱
を生じ、それとは垂直な光に対しては透明シートとして
機能する散乱異方性と、その散乱光の広がりが縦横で異
なるような散乱指向性を併せ持つ光散乱フィルムを少な
くとも２枚以上重ねることで、環境依存性を低くし（光
散乱が生じる照明光の入射角度を拡げ）、さらには、散
乱指向性をも拡げることの可能な光散乱シートが提供さ
れる。上記シートを液晶表示装置に適用した場合、明る
く高コントラストで高精細な表示が可能となる。
を生じ、それとは垂直な光に対しては透明シートとして
機能する散乱異方性と、その散乱光の広がりが縦横で異
なるような散乱指向性を併せ持つ光散乱フィルムを少な
くとも２枚以上重ねることで、環境依存性を低くし（光
散乱が生じる照明光の入射角度を拡げ）、さらには、散
乱指向性をも拡げることの可能な光散乱シートが提供さ
れる。上記シートを液晶表示装置に適用した場合、明る
く高コントラストで高精細な表示が可能となる。
【００４２】
【図１】本発明の光散乱シートの一例を示す説明図。
【図２】本発明の光散乱シートの他例を示す説明図。
【図３】本発明による液晶表示装置の一例について概略
を示す断面図。
を示す断面図。
【図４】光散乱シートの作製方法の一例での光学系の概
略を示す説明図。
略を示す説明図。
１…光散乱フィルム ２…散乱方向から角度αで入射する照明光 ３…透過方向から角度−βで入射する照明光 ４…散乱方向から角度−βで入射する照明光 ５…透過方向から角度αで入射する照明光 ６…散乱方向から角度γで入射する照明光 ７…透過方向から角度γで入射する照明光 ８…偏光板 ９…ガラス基板 10…液晶パネル 11…電極を兼ねた反射板 12…照明光 13…散乱光 14…反射散乱光 15…出射散乱光 16…ＵＶ光源 17…コリメート光学系 18…平行光 19…マスク原版 20…感光材料 21…ガラス基板 22…クロムパターン 23…光ファイバー
Claims (5)
- 【請求項１】特定範囲の角度で入射する光について散乱
を生じて透過し、前記以外の角度で入射する光について
は散乱を生じずにそのまま透過するような散乱異方性を
持つ光散乱フィルムを用いてなる光散乱シートであっ
て、 散乱異方性が異なる光散乱フィルムが２枚以上積層され
た構成であることを特徴とする光散乱シート。 - 【請求項２】散乱異方性に加えて、散乱方向（あるいは
散乱範囲）の指向性が異なる光散乱フィルムが２枚以上
積層された構成であることを特徴とする請求項１記載の
光散乱シート。 - 【請求項３】請求項１または２に記載の光散乱シート
を、液晶パネルの前面（観察者側）に配置したことを特
徴とする液晶表示装置。 - 【請求項４】請求項１または２に記載の光散乱シートの
散乱異方性が、 周辺光が表示装置に入射する際に光散乱を生じ、表示装
置から表示光が出射する際には光散乱を生じないように
設計されており、 上記の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）
に配置したことを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 【請求項５】請求項１または２に記載の光散乱シートの
散乱異方性が、 表示装置に内蔵されたバックライトやエッジライトなど
の光源からの光が入射する際に光散乱を生じるように設
計されており、 上記の光散乱シートを、液晶パネルの前面（観察者側）
および／または液晶パネルと光源との間に配置したこと
を特徴とする透過型液晶表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11079525A JP2000275408A (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 光散乱シートとそれを用いた液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11079525A JP2000275408A (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 光散乱シートとそれを用いた液晶表示装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000275408A true JP2000275408A (ja) | 2000-10-06 |
Family
ID=13692410
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11079525A Pending JP2000275408A (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 光散乱シートとそれを用いた液晶表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000275408A (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1999
- 1999-03-24 JP JP11079525A patent/JP2000275408A/ja active Pending
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