JP2019219532A - 光拡散制御積層体および反射型表示体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]フロントライト部と、フロントライト部からの出射光が入射する第1光拡散部と、を有し、
第1光拡散部は、屈折率が相対的に低い領域中において、第1光拡散部の主面に沿った任意の一方向に沿って、屈折率が相対的に高い板状物を交互に平行配置してなるルーバー構造を有し、
第1光拡散部の表面の法線と、前記第1光拡散部への入射光とがなす角度を第1入射角とした場合に、第1入射角の範囲が40°以上90°未満であり、
第1光拡散部からの出射光が拡散光として得られる入射角の範囲が、第1入射角の範囲を含み、
板状領域は、第1光拡散部の表面の法線に対して傾斜しており、第1光拡散部の表面の法線と、フロントライト部に最も近い板状領域とがなす角度を第1傾斜角とした場合に、第1傾斜角が15°以上50°以下であることを特徴とする光拡散制御積層体である。
第2光拡散部は、屈折率が相対的に低い領域中に、第2光拡散部の厚み方向に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物を林立させてなるカラム構造を有し、
第2光拡散部の表面の法線と、第2光拡散部のフロントライト部と反対側の面への反射光とがなす角度を第2入射角とした場合に、第2入射角の範囲が、第2光拡散部からの出射光が拡散光として得られる入射角の範囲と重複し、
柱状物は、第2光拡散部の表面の法線に対して傾斜している傾斜部を有し、第2光拡散部の表面の法線と、反射部に最も近い傾斜部とがなす傾斜角が−30°以上0°未満であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光拡散制御積層体である。
本実施形態に係る反射型表示体は、内部に入射する外光を反射させた反射光を表示光として観察者に視認させることができる表示体である。このような反射型表示体としては、反射型液晶表示装置、電子ペーパー、デジタルサイネージ等が例示される。
本実施形態に係る反射型表示体1は、図1に示すように、フロントライト部20と、光拡散フィルム10と、表示部30と、反射部40とを有している。各構成要素間には、所定の層が形成されていてもよい。図1において、X軸、Y軸およびZ軸は、それぞれが直交しており、X軸およびY軸は、光拡散フィルム10の主面内の軸とし、Z軸は、光拡散フィルム10の主面に直交する軸とする。また、Z軸において、観察者側に向かう方向をZ軸正方向とし、反射部側に向かう方向をZ軸負方向とする。図2以降の図についても同様である。
本実施形態では、フロントライト部20と光拡散フィルム10とが、光拡散制御積層体50を構成している。図3は、光拡散制御積層体50の構成および光拡散特性を説明するための図である。図3においては、光拡散制御積層体50は分解断面模式図として表し、フロントライト部および光拡散フィルム以外の構成要素は省略している。なお、図3においては、第1光拡散部11、第2光拡散部12、反射部40の各主面の法線は一致しており、Z軸と平行である。
フロントライト部20は、光源部21と導光部22とを有する。本実施形態に係る反射型表示体1では、光源部21は、反射部40に対向するように設けられておらず、図1に示すように、通常、表示領域の周縁部に設けられている。本実施形態では、フロントライト部からの光は、主としてX軸正方向に出射される。したがって、フロントライト部からの出射光は、そのままでは、反射部に向かう光量(Z軸負方向の光量)は少なく、表示光に寄与する光量は少ない。そこで、導光部22により、光源部21から出射された光を反射部40に導く。図3に示すように、光源部21から出射された光は、導光部22内部に入り、導光部22内部で反射しながら進行方向を変えられ、反射部40に導かれる。
本実施形態では、図3に示すように、光拡散フィルム10において、フロントライト部20側には第1光拡散部11が配置され、反射部40側には第2光拡散部12が配置されている。
第1光拡散部は、大角度で入射する光を有効利用するために、第1光拡散部に入射する光の大部分を、拡散光として第2光拡散部に導光する役割を有している。
本実施形態では、第1光拡散部11はルーバー構造を有している。図4Aおよび図4Bに示すように、ルーバー構造は、屈折率が相対的に高い板状領域(高屈折率部13)および屈折率が相対的に低い板状領域(低屈折率部14)が、第1光拡散部の主面方向に沿って交互に平行配置してなる構造である。
本実施形態では、第1傾斜角φ1を上記の範囲とすることにより、第1光拡散部への入射光の第1入射角θ1inが上記の範囲内であれば、第1光拡散部からの出射光が拡散光として得られる。しかも当該拡散光の出射角(第1出射角:θ1out)を、たとえば25°以上90°未満とすることが容易となり、さらに好ましくは30°以上80°以下とすることが容易となる。
第2光拡散部は、第2光拡散部のフロントライト部と反対側の面に導光された反射光をフロントライト部側の面から等方性拡散光として出射する役割を有している。しかも、この等方性拡散光は、光拡散フィルムの法線付近に拡散領域を有し、かつ当該拡散領域の幅が広い。
本実施形態では、第2光拡散部12はカラム構造を有している。図7Aおよび図7Bに示すように、カラム構造は、屈折率が相対的に低い領域17中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物16を第2光拡散部の厚み方向に林立させてなる構造である。
本実施形態では、第2傾斜角φ2を上記の範囲とすることにより、第2光拡散部における反射光の第2入射角θ2inの範囲を、第2光拡散部において等方性拡散光が得られる入射角の範囲と重複させることができる。その結果、当該拡散光の出射角(第2出射角:θ2out)を、たとえば−90°以上45°以下とすることが容易となる。したがって、第2光拡散部の法線付近に広い視野角を実現できる。
上記で説明した光拡散フィルムは公知の方法により製造される。以下に、光拡散フィルムの製造方法を簡潔に説明する。まず、光拡散フィルム用組成物を準備する。この光拡散フィルム用組成物は、屈折率が異なる少なくとも2つの重合性化合物と、光重合開始剤と、を含む。形成するルーバー構造およびカラム構造の構造によっては、光拡散フィルム用組成物に紫外線吸収剤を含有させてもよい。
本実施形態では、光拡散フィルムを、ルーバー構造を有する第1光拡散部と、カラム構造を有する第2光拡散部とから構成し、フロントライト部からの光が第1光拡散部で拡散するようにしている。フロントライト部からの光が大角度で入射する第1光拡散部は、出射光の出射角が、フロントライトからの光の入射角よりも小さい領域を含む拡散光となる。すなわち、反射部に十分導光できるように板状領域の傾斜角が制御されている。第1光拡散部がこのような構成を有していることにより、フロントライトからの光の大部分を、第2光拡散部に導光することができる。
[正面方向への反射光の明るさ評価]
後述する各例で作製した光拡散フィルムに対し、第1光拡散部のル―バー構造の傾斜方向から、蛍光灯光源からの光を入射角50°で入射させ、試料の正面方向(光拡散フィルムの法線方向)の写真を撮影すると共に試料の正面方向の輝度を輝度計(コニカミノルタ社製、商品名「LS―110」)にて測定した。入射光の入射角は、蛍光灯光源の位置と試料との距離関係から算出した。なお、第1光拡散部のルーバー構造を有しない比較例1の光拡散フィルムは、カラム構造の配置が実施例1と同様になるように配置して測定した。また、比較例2の光拡散フィルムは、ルーバー構造およびカラム構造を有しないため、任意方向から入射角50°で同様に光を入射させ同様に測定した。結果は表1に示す。
後述する各例で得られた反射型表示体の試料を光学顕微鏡にセットし、暗所にて種々の方向から光を入射させた際の画像のボケを観察し、試料ごとに比較した。どのような方向から光を入射させても画像のボケが観察されなかった場合を○とし、少なくとも1方向からの光の入射でボケが観察された場合を×とした。結果は表1に示す。
4ポイントの印字を施した厚み100μmのOHP用シートを、その印字面側が対向するように、透明粘着剤を介して、JDSU社製ミラー(BV2, 1.1mm厚)のアルミ蒸着面に貼り付けて、印字層を作製した。すなわち、当該印字層は、OHP用シートと粘着剤層とから構成され、その合計厚み、つまり鏡面から第2光拡散部に接する表面までの距離を200μmとした。
実施例1のルーバー構造を有する光拡散フィルム(第1光拡散部)を、断面形状が図4Bであり、厚みが130μmであり、傾斜角度が45°となるルーバー構造を有する光拡散フィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る反射型表示体の試料を作製した。得られた反射型表示体に対し、上記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1のルーバー構造を有する光拡散フィルム(第1光拡散部)を、厚みが150μmであり、図6Aに示すルーバー構造を有する光拡散フィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る反射型表示体の試料を作製した。なお、当該ルーバー構造を有する光拡散フィルムの光源(フロントライト)側の傾斜角は、25°であり、ミラー(反射部)側の傾斜角は32°であった。得られた反射型表示体に対し、上記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1のルーバー構造を有する光拡散フィルム(第1光拡散部)を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る反射型表示体の試料を作製した。得られた反射型表示体に対し、上記の評価を行った。結果を表1に示す。
アクリル系粘着剤100質量部と平均粒径4.5μmのスチレン粒子4質量部とを酢酸エチルで希釈して、よく撹拌混合した後、剥離シート上に塗布・乾燥し、厚さ200μmの光拡散粘着剤層を有する光拡散フィルムを作製した。
10… 光拡散フィルム
11… 第1光拡散部
12… 第2光拡散部
20… フロントライト部
30… 表示部
40… 反射部
50… 光拡散制御積層体
Claims (6)
- フロントライト部と、前記フロントライト部からの出射光が入射する第1光拡散部と、を有し、
前記第1光拡散部は、屈折率が相対的に低い領域中において、前記第1光拡散部の主面に沿った任意の一方向に沿って、屈折率が相対的に高い板状物を交互に平行配置してなるルーバー構造を有し、
前記第1光拡散部の表面の法線と、前記第1光拡散部への入射光とがなす角度を第1入射角とした場合に、第1入射角の範囲が40°以上90°未満であり、
前記第1光拡散部からの出射光が拡散光として得られる入射角の範囲が、前記第1入射角の範囲を含み、
前記板状領域は、前記第1光拡散部の表面の法線に対して傾斜しており、前記第1光拡散部の表面の法線と、前記フロントライト部に最も近い前記板状領域とがなす角度を第1傾斜角とした場合に、前記第1傾斜角が15°以上50°以下であることを特徴とする光拡散制御積層体。 - 前記第1光拡散部において、前記第1光拡散部の表面の法線と、前記板状領域とがなす傾斜角が、前記第1光拡散部の前記フロントライト部側の面からその反対側の面に向けて、増加することを特徴とする請求項1に記載の光拡散制御積層体。
- 前記光拡散制御積層体は、光を反射する反射部と、前記反射部で反射した反射光が入射する第2光拡散部と、を有し、
前記第2光拡散部は、屈折率が相対的に低い領域中に、前記第2光拡散部の厚み方向に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物を林立させてなるカラム構造を有し、
前記第2光拡散部の表面の法線と、前記第2光拡散部の前記フロントライト部と反対側の面への反射光とがなす角度を第2入射角とした場合に、前記第2入射角の範囲が、前記第2光拡散部からの出射光が拡散光として得られる入射角の範囲と重複し、
前記柱状物は、前記第2光拡散部の表面の法線に対して傾斜している傾斜部を有し、前記第2光拡散部の表面の法線と、前記反射部に最も近い傾斜部とがなす傾斜角が−30°以上0°未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散制御積層体。 - 前記第2光拡散部において、前記第2光拡散部の表面の法線と、前記傾斜部とがなす傾斜角が、前記第2光拡散部の前記反射部側の面から前記フロントライト部側の面に向けて、増加することを特徴とする請求項3に記載の光拡散制御積層体。
- 前記第1光拡散部および前記第2光拡散部の合計厚みが1mm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の光拡散制御積層体。
- 請求項1または2に記載の光拡散制御積層体および反射部、または、請求項3から5のいずれかに記載の光拡散制御積層体、並びに、表示部を有する反射型表示体。
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