JP2000270520A - 回転機のベアリング電流低減装置 - Google Patents

回転機のベアリング電流低減装置

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JP2000270520A
JP2000270520A JP11075198A JP7519899A JP2000270520A JP 2000270520 A JP2000270520 A JP 2000270520A JP 11075198 A JP11075198 A JP 11075198A JP 7519899 A JP7519899 A JP 7519899A JP 2000270520 A JP2000270520 A JP 2000270520A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転機に発生するベアリング電流を低減させ
て軸受部の摩耗、回転軸の損傷、破壊を防止し、かつ長
時間使用しても保守する必要がないベアリング電流低減
装置を提供する。 【解決手段】 回転機の金属筐体とフレームを導線で接
続し、回転機の回転子軸に連結した回転軸に取付けた回
転する金属板と、フレームに取り付けた金属板との間で
静電容量を形成するように非接触で接近した位置に配置
させて、回転機の固定子と回転子との間のエアーギャッ
プ容量を十分大きく設定すれば、インバータより回転機
に供給される急峻な電圧変化に対する軸電圧挙動を非振
動でダンピングすることができ、さらに、軸電圧の収束
値となる直流成分も減少するので、放電直前の軸電圧を
抑圧して軸電圧の放電現象として発生するベアリング直
流を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機の軸受部に
流れるベアリング電流を低減する誘導機のベアリング電
流低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、誘動機を始めとする回転機を回転
数制御する方法としてインバータ等の電力変換機によっ
て駆動するのが一般的となってきた。インバータ駆動の
方式として電圧形PWMインバータが最も良く知られて
いる。この種のインバータ駆動方式では、変調正弦波信
号の振幅に比例したパルス幅の一定キャリア周期を持つ
矩形波状の電圧パルス列を誘導機に印加して、誘導機の
固定子巻き線に流れる電流を変調正弦波信号の周波数に
等しい正弦波が流れるようにして誘導機を駆動する。
【0003】さて、最近の高速電力用半導体素子の発展
に伴って、電圧形PWMインバータのキャリア周波数の
高周波化が進み、インバータのスイッチング時に生じる
急峻な電圧変化に起因して発生する誘導機のベアリング
電流による軸受部の不具合が指摘されている。このベア
リング電流には、例えば、「PWMインバータによって
発生する誘導電動機のベアリング電流」(ショータン・
チェン、アイイーイーイー・トランザンクション・オン
・エナジーコンバージョン、11号1巻ナンバー1、1
996年3月)(Analysis of Induc
tion Motor Bearing Curren
ts Caused by PWM Inverter
s、IEEE Transactions on En
ergyConversion.Vol.11,No.
1,March 1996)に紹介されているように、
振幅が最も大きく頻繁に発生する放電モードのベアリン
グ電流がある。この種のベアリング電流は、インバータ
から誘導機の巻き線に供給される立ち上がりの急峻なコ
モンモード電圧が、誘導機の巻き線と固定子間の結合容
量、巻き線と回転子間の結合容量および固定子と回転子
間のエアーギャップ容量によって構成される閉じた回路
系に印加されたときに発生する応答電圧として、固定子
と回転子間の静電容量に蓄積された軸電圧の放電現象と
して発生するものである。固定子と回転子間の静電容量
に蓄積された軸電圧が、軸受部の油膜を絶縁破壊させて
軸受部を導通状態にさせ、軸受部を介して静電容量に蓄
積された軸電圧を放電させるとき流れる放電電流が放電
モードのベアリング電流である。
【0004】図7は従来のPWMインバータに駆動され
た誘導機の原理的回路図を示し、図8は従来のPWMイ
ンバータに駆動された誘導機の各部の波形を説明する説
明図である。図7、図8を併用して、PWMインバータ
が誘導機巻き線系にコモンモード電圧を供給するコモン
モード電圧の発生メカニズムを説明する。
【0005】図7において、インバータ101はスイッ
チング素子102〜107および直流電源108から成
り、インバータ101のR相、S相およびT相出力端子
109〜111は誘導機112の固定子巻き線113
のR相、S相およびT相タップ114〜116にそれぞ
れ結線されている。誘導機112のフレームグランド端
子117は、インバータ101のフレームグランド端子
118に接続され、さらに、フレームグランド端子11
8は大地にアース接続されている。
【0006】図8の(a),(b),(c)はキャリア
波信号Vcと各相のインバータ指令値UR、US、UTとの
比較により、インバータ101におけるON−OFF制
御信号の形成を説明するものである。図8において、横
軸を時間軸にとり、図8の(a),(b),(c)の太線
で図示された正弦波がインバータ101のRS、T各相の
インバータ指令値(UR,US,UT)を示す。同図上に
三角波状の細線で示された波形がキャリア波信号Vcで
ある。キャリア波信号Vcがインバータ指令値UR
S、UTよりも低いときは、該当するスイッチング素子
102〜104側が導通し、スイッチング素子105〜
107側が非導通となる。逆に、キャリア波信号Vcが
インバータ指令値UR、US、UTよりも高いときは、該
当するスイッチング素子102〜104側が非導通とな
り、スイッチング素子105〜107側が導通となる。
【0007】図8の(d),(e),(f)は図7に図
示されるスイッチング素子のアーム対(102,10
5),(103,106),(104,107)の中間
点と大地との間に形成される電圧VR,VS,VTを示
す。説明の簡略化のため図8の(a),(d)でR相にお
ける関係について説明する。キャリア波電圧Vcがイン
バータ指令値URより高いときは、スイッチング素子1
05が導通しアーム対(102,105)と大地間の電
圧VRは零となる。尚、Edは直流電源108の両端の電
圧値である。次に、キャリア波電圧Vcがインバータ指
令値URより低いときは、スイッチング素子102が導
通しアーム対(102,105)と大地間の電圧VR
+Edとなる。
【0008】図8の(G)は巻き線113に印可される
コモンモード電圧の関係を示す。巻き線113の中性点
119の大地を基準とする電位、すなはち、中性点電位
NOは、通常、上述の電圧VR,VS,VTの平均電圧
(数1)となる。
【0009】
【数1】
【0010】ゆえに、中性点電位VNOには、上述の電圧
R,VS,VT三相分を重ね合わせたコモンモードの電
圧が発生している。すなわち、中性点電位VNOにはPW
Mスイッチングパターン3相分を重ね合せた波形が発生
することになる。
【0011】図9は、従来のインバータ駆動された誘導
機のコモンモード等価回路図である。図に示すように、
誘導機112には、巻き線113と固定子120との間
に結合容量121が存在し、また、巻き線113と回転
子122との間にも結合容量123が存在している。さ
らに、固定子120と回転子122との間にはエアーギ
ャップ容量124が存在している。ここでは、誘導機が
適当な回転数で回転して軸受装置125が流体潤滑モー
ドとなっている場合について考える。この場合、軸受装
置125は非導通状態となるが、巻き線113、結合容
量121、結合容量123、および、エアーギャップ容
量124によって図示するような閉じた回路系126が
構成される。インバータ101から巻き線113と固定
子120との間にコモンモード電圧ei(t)が印加され
ると、閉じた回路系126を介してエアーギャップ容量
124の両端に軸電圧vrs(t)が発生する。すなは
ち、インバータ101が供給するコモンモード電圧
ei(t)に対する閉じた回路系126の応答電圧として
軸電圧vrs(t)が発生する。
【0012】図10は、従来のインバータ駆動された誘
導機の簡略化コモンモード等価回路図である。図に示す
ように、巻き線113は、抵抗127とインダクタンス
128の直列回路に置き換えられている。巻き線113
と固定子120との間の結合容量121は結合容量12
9、130に、巻き線113と回転子122との間の結
合容量123は結合容量131、132に簡略化されて
いる。固定子120と回転子122との間のエアーギャ
ップ容量124は、前述した巻き線113の抵抗127
とインダクタンス128と結合容量129〜132とで
閉じた回路系126を構成するように接続されている。
コモンモード電圧ei(t)が結合容量129の両端に印
可されると、閉じた回路系126を経てエアーギャップ
容量124の両端に軸電圧vrs(t)が発生する。すな
わち、インバータが供給するコモンモード電圧に対する
閉じた回路系126の応答電圧として軸電圧が発生す
る。同図で図示するように、抵抗133、インダクタン
ス134、およびスイッチ135は、軸受装置125の
等価回路を示すものである。誘導機112が停止または
低速で回転しているとき、軸受装置125は境界潤滑状
態となりスイッチ135は常に導通状態となり、エアー
ギャップ容量124には軸電圧は発生しない。誘導機1
12が適当な回転数で回転しているとき、軸受装置12
5は流体潤滑となりスイッチ135は普段は非導通状態
となるが、ときどき導通状態となる。ゆえに、軸受装置
125が流体潤滑となる場合では、軸受装置125が非
導通状態のとき、前述した理由からエアーギャップ容量
124に軸電圧が蓄積されるが、ときどき、軸受装置1
25が導通状態となると、エアーギャップ容量124に
蓄積された軸電圧は、抵抗133、インダクタンス13
4およびスイッチ135を経て放電する。このとき、抵
抗133、インダクタンス134、およびエアーギャッ
プ容量124より成る直列共振回路が構成されるが、エ
アーギャップ容量124に充電された軸電圧がこの直列
共振回路を経て流れる放電電流が放電モードのベアリン
グ電流となる。
【0013】図11は、コンピュータシュミレーション
を使って計算させた軸電圧の波形と、実際に測定した軸
電圧の波形を比較したタイムチャートである。
【0014】図11の(b)は、図10に示す簡略化コ
モンモード等価回路に適当な回路常数を設定し、図11
の(a)で示す振幅Ed/3の階段状波形をコモンモー
ド電圧とした場合において、コンピュータシュミレーシ
ョンを使って、エアーギャップ容量124の両端に応答
電圧として発生する軸電圧を計算させた波形を示す。
【0015】図11の(c)は、軸受装置125が常に
非導通状態となる場合において、実際に測定した軸電圧
の波形を示す。図を見て明らかなように、コンピュータ
シュミレーションにより計算した軸電圧(b)は、実際
に測定した軸電圧(c)とほとんど同等であり、簡易化
コモンモード等価回路に基づきコンピュータシュミレー
ションを使って計算した軸電圧波形が、実際の誘導機で
測定される軸電圧波形を良く再現していることがわか
る。
【0016】図10の簡易型コモンモード等価回路にお
いて、コモンモード電圧ei(t)に対する、軸電圧vrs
(t)の応答を現す閉じた回路系126の伝達関数をG
(S)とすると、伝達関数G(S)は定義から以下の
(数2)で示す式となる。
【0017】
【数2】
【0018】ただし、Vrs(S),Ei(S)は、それぞ
れ、vrs(t),ei(t)のラプラス変換式である。
【0019】図10の簡易型コモンモード等価回路にお
いて、R1は抵抗127の抵抗、L1はインダクタンス1
28のインダクタンス、C10は結合容量129の静電容
量、C11は結合容量130の静電容量、C20は結合容量
131の静電容量、C21は結合容量132の静電容量、
3はエアーギャップ容量124の静電容量とおいて回
路方程式をたてた後、伝達関数G(S)について解く
と、伝達関数G(S)は以下の(数3)で示す式とな
る。
【0020】
【数3】
【0021】ここでζは減衰係数,ωnは角周波数,αは
係数,Aは係数で、それぞれ(数4),(数5),(数
6),(数7)で示す式のことである。
【0022】
【数4】
【0023】
【数5】
【0024】
【数6】
【0025】
【数7】
【0026】インバータより振幅Ed/3の階段状波形
が誘導機に印加された場合、すなわち、コモンンモード
電圧Ei(S)を(数8)としたとき
【0027】
【数8】
【0028】応答電圧として発生する軸電圧Vrs(S)
は(数3)および(数8)より(数9)となる。
【0029】
【数9】
【0030】(数9)の第1項は直流成分で、第2項は
2次遅れ要素だから、減衰係数ζの値が(数10)とな
るとき
【0031】
【数10】
【0032】軸電圧Vrs(S)は振動しつつ直流成分V
rs0に収束する。
【0033】減衰係数ζの値が(数11)となるとき
【0034】
【数11】
【0035】軸電圧Vrs(S)は非振動となり直流成分V
rs0に収束する。
【0036】ここで、直流成分Vrs0は(数12)に示
す式のことである。
【0037】
【数12】
【0038】ここで、(数12)に(数5)、(数
6)、(数7)を代入すると(数13)となる。
【0039】
【数13】
【0040】図12は、従来のインバータ駆動された誘
導機において、減衰係数ζの値の選び方によって変化す
る軸電圧の波形を説明した説明図である。
【0041】図12の(a)で示すような振幅Ed/3
の階段状波形がコモンモード電圧ei(t)として印加さ
れた場合、閉じた回路系126の応答電圧として発生す
る軸電圧Vrs(t)は、2次遅れ要素のインデシャル応
答としての挙動を示す。すなはち、減衰係数ζが(数1
1)で示す範囲内にある場合、2次遅れ要素は過制動ま
たは臨界制動となるから、図12の(b)で図示するよ
うに、軸電圧Vrs(t)は非振動となり直流成分V
rs0に収束する。次に、減衰係数ζが(数10)で示す
範囲内にある場合、2次遅れ要素は不足制動となるか
ら、図12の(c)で図示するように、軸電圧V
rs(t)は振動しつつ直流成分Vrs0に収束する。この
場合、減衰係数ζが1と比較して小さくなればなるほど
振動の程度も激しくなる。通常の誘導機では、減衰係数
ζは(数10)の範囲内となり、軸電圧は振動しつつ直
流成分Vrs0に収束する。
【0042】図13は、従来のインバータ駆動された誘
導機について、最も大きなベアリング電流が発生する瞬
間におけるコモンモード電圧、軸電圧およびベアリング
電流を説明した説明図である。
【0043】図13の(a)で示すような振幅Ed/3
の階段状波形がコモンモード電圧ei(t)として誘導機
に印加された場合、図12の(c)で説明したのと同様
に、軸電圧Vrs(t)は図13の(b)で図示するよう
に、大きく振動しつつ直流成分Vrs0(測定結果からV
rs0=5V)に収束する。軸電圧Vrs(t)が最大ピー
ク電圧Vrsmax(測定結果からVrsmax=42V)となる
付近で軸受装置125が導通すると、エアーギャップ容
量124に充電された軸電圧は図10の軸受装置125
の抵抗133、インダクタンス134、およびスイッチ
135を経て放電する。このとき抵抗133、インダク
タンス134およびエアーギャップ容量124より成る
直列共振回路が構成され、エアーギャップ容量に充電さ
れた軸電圧がこの直列共振回路を経て放電するとき流れ
る電流がベアリング電流となる。ベアリング電流i
b(t)は、図13の(c)で図示したような減衰振動
波となるが、ベアリング電流の最大ピーク電流I
bmax(測定結果からIbmax=520mA)は放電直前の
エアーギャップ容量124に充電された軸電圧に比例す
る。すなわち、放電直前にエアーギャップ容量124に
充電される軸電圧が大きいほど大きなベアリング電流が
得られる。ゆえに、軸電圧Vrs(t)が最大ピーク電圧
rsmaxとなる付近で軸受装置125が導通すると、放
電直前でエアーギャップ容量に蓄積される軸電圧も最大
となるので、このとき最も大きなベアリング電流が発生
する。
【0044】以上で述べたように、PWMインバータに
駆動された通常の誘導機では、軸電圧が大きく振動し、
軸電圧が最大ピーク電圧Vrsmaxとなる付近で軸受装置
が導通すると軸電圧の放電現象として発生するベアリン
グ電流は最も大きな振幅となり、軸受の摩耗、回転軸の
損傷、潤滑油の風化を招き、場合によっては軸受を損傷
または破壊することがある。従って、このような障害が
発生しないように、回転機にベアリング電流低減装置が
用いられている。通常、このベアリング電流低減装置と
しては、軸受部を絶縁する方法と回転軸を接地する方法
があるが、軸受部を絶縁する方法は、構造が複雑にな
り、組み立て工程に細心の注意を要し、工数が多くかか
り、かつ回転機によっては機械的構造上軸受部の絶縁が
できないものもあるので、通常は軸受部を絶縁するより
は簡単で、実施し易い回転軸を接地する方法が用いられ
ている。
【0045】従来、この種のベアリング電流を低減する
ベアリング電流低減装置は、特開昭58−78770号
公報、特開昭54−8801号広報、実開昭63−12
4057号広報、および実開昭58―78769号広報
に記載されたものが知られている。
【0046】以下、その従来のベアリング電流低減装置
について図14を参照しながら説明する。図に示すよう
に、従来の回転軸を接地する方式の軸電流低減装置13
6はアースブラシホルダ137、アースブラシホルダ支
え138およびアースブラシ組立体139から構成され
ている。アースブラシホルダ支え138は、導電材料の
板材を略L字状に曲げて作られ、その略L字状の垂直返
の端部は、ベアリングブラケット140とベアリングブ
ラケット140に接合されたシールド玉軸受141より
成る軸受装置125のベアリングブラケット140の部
分にボルト142を介して取り付けられ、略L字状の水
平辺には後述するアースブラシホルダ137が取付けら
れている。ベアリングブラケット140は誘導機112
の金属筐体143にボルト144を介して取付けられて
いる。アースブラシホルダ 137はホルダシャンク1
45およびキャップ146より成り、ホルダシャンク1
45はアースブラシホルダ支え138の水平返にねじま
たは半田付け等で固定され、その内側には後述するアー
スブラシ組立体139の取付け穴147が設けられてい
る。アースブラシ組み立体139はアースブラシ14
8、ばね149、ピグテール150およびピグテール支
え151より成っている。従って、アースブラシホルダ
137のホルダシャンク145の取付け穴147にアー
スブラシ組立体139を挿入し、ホルダシャンク145
にキャップ146を取付ければ、アースブラシ148
は、ばね149を介して回転子軸152に押し付けられ
て接触し、回転子軸152は、常にアースブラシ14
8、ピグテール150、ピグテール支え151、キャッ
プ146、ホルダシャンク145、アースブラシホルダ
支え138、ベアリングブラケット140および金属筐
体143を介して接地される。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べたように、
従来のPWMインバータに駆動された誘導機では、イン
バータ101より誘導機112の巻き線113にR相、
S相およびT相のPWMスイッチングパターン三相分を
重ね合わせたコモンモード電圧が供給される。さらに、
巻き線113と固定子120との間の結合容量121、
巻き線113と回転子122との間の結合容量123、
および、固定子120と回転子122との間のエアーギ
ャップ容量によって閉じた回路系126か構成され、閉
じた回路系126の結合容量129に印加されるコモン
モード電圧に対する応答電圧として、エアーギャップ容
量124の両端に軸電圧が発生する。一般的な誘導機で
は、閉じた回路系126のコモンモード電圧に対する軸
電圧の応答を現す伝達関数G(S)は2次遅れ要素を含
み、減衰係数ζが1に比較してかなり小さな値となるた
め、インバータ101から立ち上がりの急峻な階段状波
形が印加されたとき、2次遅れ要素は不足制動となるた
め軸電圧は激しく振動し、軸電圧の最大ピーク電圧V
rsmaxが大きくなる。軸電圧が最大ピーク電圧Vrsmax
なる付近で軸受装置が導通すると、軸電圧の放電現象と
して発生するベアリング電流も大きくなり、軸受の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化を招き、場合によって
は軸受装置を損傷または破壊するという問題があった。
【0048】また、このような問題を解決するための従
来のベアリング電流低減装置では、アースブラシ148
は、ばね149より回転子軸152に押し付けられてい
るので、回転子軸152の表面を摩耗、損傷させないよ
うに、カーボンを主成分とした非常に軟質の導電材料で
作られているため摩耗が早く、早いものは2〜3箇月
で、長くても6〜7箇月でアースブラシを交換しなけれ
ばならないという欠点があった。
【0049】以上述べたように、従来のPWMインバー
タにより駆動された誘導機では、軸電圧が激しく振動す
るので、軸電圧の放電電流として発生するベアリング電
流も大きくなってしまうという課題があり、ベアリング
電流を低減または消滅させて軸受部の摩耗、回転軸の損
傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷または破壊を防止す
ることが要求されている。
【0050】また、従来のベアリング電流低減装置で
は、ブラシの摩耗による保守を数箇月毎に行う必要があ
るという課題があり、長時間使用しても保守する必要な
くベアリング電流を低減できる低減方法が要求されてい
る。
【0051】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、ベアリング電流を低減させて軸受部の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷また
は破壊を防止することができ、かつ、長時間使用しても
保守する必要なくベアリング電流を低減することができ
るベアリング電流低減装置を提供することを目的として
いる。
【0052】
【課題を解決するための手段】本発明のベアリング電流
低減装置は上記目的を達成するために、回転機のベアリ
ング電流を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に
導線を介して接続されるフレームと、回転機の回転子軸
に連結され軸受装置を介してフレームに取り付けられる
回転軸と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付け
られ回転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った1
枚以上の回転円環と、回転軸に対して垂直方向にフレー
ムに取り付けられ回転軸の半径よりも大きな半径を持つ
円板部分を切り取った1枚以上の固定円環とを備え、前
記回転円環と前記固定円環とは、静電容量を生ずるよう
に非接触となる位置に交互に配置したことを特徴とする
回転機のベアリング電流低減装置としたものである。
【0053】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0054】また他の手段は、回転機のベアリング電流
を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に導線を介
して接続されるフレームと、回転機の回転子軸に連結さ
れ軸受装置を介してフレームに取り付けられる回転軸
と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付けられ回
転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った1枚以上
の回転円環と、回転軸に対して同心円状にフレームに取
り付けられ回転軸の半径よりも大きな半径を持つ円柱部
分を切り取った1柱以上の固定中空円柱とを備え、前記
回転円環と前記固定中空円柱は、静電容量を生ずるよう
に非接触となる位置に交互に配置したことを特徴とする
回転機のベアリング電流低減装置としたものである。
【0055】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0056】また他の手段は、回転機のベアリング電流
を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に導線を介
して接続されるフレームと、回転機の回転子軸に連結さ
れ軸受装置を介してフレームに取り付けられる回転軸
と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付けられ回
転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った1枚以上
の回転円環と、内輪部を回転軸に取付けた1個以上の軸
受装置と、回転軸に対して垂直方向に前記軸受装置の外
輪部に取り付けられ前記軸受装置の外輪部と同じ大きさ
の円板部分を切り取った前記軸受と同数の固定円環とを
備え、前記固定円環は隣接する固定円環間に導線を介し
て接続し、固定円環の1つは導線を介してフレームに固
定し、前記回転円環と前記固定円環は、静電容量を生ず
るように非接触となる位置に交互に配置したことを特徴
とする回転機のベアリング電流低減装置としたものであ
る。
【0057】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0058】また他の手段は、回転機のベアリング電流
を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に導線を介
して接続されるフレームと、回転機の回転子軸に連結さ
れ軸受装置を介してフレームに取り付けられる回転軸
と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付けられ回
転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った回転支持
円環と、回転軸に対して同心円状に前記回転支持円環に
取り付けた半径の異なる1個以上の回転円筒と、回転軸
に対して垂直方向にフレームに取り付けられ回転軸の半
径よりも大きな半径を持つ円板部分を切り取った固定支
持円環と、回転軸に対して同心円状に前記固定支持円環
に取り付けた半径の異なる1個以上の固定円筒を備え、
前記固定円筒と前記回転円筒間は、静電容量を生ずるよ
うに非接触となる位置に交互に配置したことを特徴とす
る回転機のベアリング電流低減装置としたものである。
【0059】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明は、フレームを回転機の金
属筐体と導線で接続した回転機の軸電流低減装置におい
て、回転軸に取り付けた回転円環をフレームに取り付け
た固定円環と非接触で接近した位置に配置させることに
よって回転円環と固定円環との間で静電容量を形成させ
るか、または、回転軸に取り付けた回転円環をフレーム
に取り付けた固定中空円柱と非接触で接近した位置に配
置させることによって回転円環と固定中空円柱との間で
静電容量を形成させるか、または、回転軸に取り付けた
回転円環を軸受装置を介して回転子軸に取り付け導線を
介してフレームに固定接続した固定円環と非接触で接近
した位置に配置させることによって回転円環と固定円環
との間で静電容量を形成させるか、または、回転軸に取
り付けた回転円筒をフレームに取り付けた固定円筒と非
接触で接近した位置に配置させることによって回転円筒
と固定円筒との間で静電容量を形成させて回転機の固定
子と回転子の間のエアーギャップ容量を補強するように
したものである。
【0061】回転機の巻き線と固定子との間の結合容
量、巻き線と回転子との間の結合容量および固定子と回
転子との間のエアーギャップ容量によって構成される閉
じた回路系のコモンモード電圧に対する軸電圧の応答
は、2次遅れ要素を有する伝達関数として表現される
が、伝達関数の減衰係数ζを1に比較して十分大きな値
にとなるように、固定子と回転子との間のエアーギャッ
プ容量を十分大きな値に設定すれば、閉じた回路系の伝
達関数の2次遅れ要素を過制動で動作させることがで
き、軸電圧を振動させずに単調に増加させつつ直流成分
に収束させることが可能となる。さらに、固定子と回転
子との間のエアーギャップ容量を十分大きな値とするこ
とにより、軸電圧の収束値となる直流成分も減少するの
で、放電直前の軸電圧を小さく抑えることになり、軸電
圧の放電現象として発生するベアリング電流を低減する
ことができるという作用を有する。
【0062】また、回転円板と固定円環、回転円板と固
定中空円柱、または、回転円筒と固定円筒とを非接触で
配置するようにしたものであり、従来のベアリング電流
低減装置のように軟質の導電材料で作られたアースブラ
シが回転軸に押し付けられて摩耗するような個所がない
ため、長時間使用しても保守する必要がないという作用
を有する。
【0063】
【実施例】(実施例1)図1に示すように、フレーム1
は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接続
されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸152
に連結されている。半径r2の回転軸の断面と同じ大き
さの円板部分を切り取った外周半径r1の回転円環4
(5)は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取付
けられている。回転軸3の半径r2よりも大きな内周半
径r3の円板部分を切り取った外周半径r4の固定円環6
(7)は、回転軸3に対して垂直方向に回転円環4
(5)から距離dの間隔を隔てて内周半径r4のフレー
ム1の内壁に取付けられている。回転円環4,5、固定
円環6,7は、それぞれ、隣接する固定円環、回転円環
との間で静電容量を形成するように非接触で間隔dを隔
てて交互に配置されている。回転軸3に取り付けられた
軸受装置8は、ベアリングブラケット9とこれに接合さ
れたシールド玉軸受10より成り、ベアリングブラケッ
ト9はボルト11を介してフレーム1に取り付けられて
いる。
【0064】回転円環4(5)と固定円環6(7)の重
なり合う部分の面積S1(m2)は(数14)で示す面積
となる。
【0065】
【数14】
【0066】回転円環4と固定円環6との間の静電容量
をC1とおくと、C1は(数15)に示す値となる。
【0067】
【数15】
【0068】ここで、ε0は真空中の誘電率である。
【0069】同様に、固定円環6と回転円環5との間の
静電容量、および、回転円環5と固定円環7との間の静
電容量はC1に等しくなり、全ての回転円環と固定円環
との間で形成される合成静電容量Czは(数16)で示
す静電容量となる。
【0070】
【数16】
【0071】以上の(数14)、(数15)、(数1
6)から全ての回転円環と固定円環との間で形成される
合成静電容量Czは(数17)で示す静電容量となる。
【0072】
【数17】
【0073】実施例1の誘導機112の回転子と固定子
間のエアーギャップ容量C3'は、全ての回転円環と固定
円環間で形成される合成静電容量Czと、誘導機112
の固定子120と回転子122間のみで形成されるエア
ーギャップ容量C3とを合成した静電容量となる。ゆえ
に、実施例1のエアーギャップ容量C3'は(数18)で
示す静電容量となる。
【0074】
【数18】
【0075】軸電圧が非振動となるための条件は、従来
例で述べた(数4)のC3をC3'に置き換えて(数1
1)から(数19)となる。
【0076】
【数19】
【0077】(数19)をC3'について解くと(数2
0)となる。
【0078】
【数20】
【0079】回転円環の外周半径r1,固定円環の内周
半径r3、回転円環と固定円環の間隔d、または、回転
円環と固定円環の段数を適当に選んで、全ての回転円環
と固定円環との間で形成される合成静電容量Czを十分
大きな静電容量に設定して、エアーギャップ容量C3
が(数20)を満足できるようにすれば、減衰係数ζは
1以上となり、閉じた回路系126の伝達関数の2次遅
れ要素は過制動となり、軸電圧は振動せずに単調に増加
しつつ直流成分Vrs0に収束する。
【0080】さらに、エアーギャップ容量C3'を十分大
きな値に設定すると、(数13)で明らかなように、軸
電圧の収束値である直流成分Vrs0が小さく抑えられる
ので、放電直前の軸電圧は常に小さく抑圧され、軸電圧
の放電現象として発生するベアリング電流も小さく抑え
ることができる。
【0081】図2は実施例1のベアリング電流低減装置
を備えたインバータ駆動の誘導機におけるコモンモード
電圧、軸電圧およびベアリング電流を図示したタイムチ
ャートである。図2では、全ての回転円環と固定円環と
の間で形成される合成静電容をCz=480pFに設定
した場合について説明している。
【0082】図2の(a)で示すような階段状波形がコ
モンモード電圧として誘導機に印加されると、実施例1
では、軸電圧が非振動となる条件である(数20)を満
足する十分大きなエアーギャップ容量C3'が設定されて
いるので、軸電圧は、図2の(b)で示すような非振動
で直流成分Vrs0に収束するような波形が得られる。エ
アーギャップ容量C3'が十分大きいと、従来例で述べた
(数13)で明らかなように、軸電圧の収束値である直
流成分Vrs0は小さく抑えられる。軸電圧が、このよう
な低レベルの直流成分Vrs0(測定結果からVrs0=5
V)で落ち着いている時、軸受がたまたま導通すると、
図2の(c)に示すようなベアリング電流が流れるが、
放電直前の軸電圧が小さいので振幅の小さなベアリング
電流(測定結果からベアリング電流の最大波高値はI
bmax=60mA)しか流れない。
【0083】図3は、ベアリング電流低減装置を備えた
インバータ駆動の誘導機における合成静電容量Czとベ
アリング電流の最大波高値Ibmaxとの関係を図示したグ
ラフである。図3のグラフは、実施例1のベアリング電
流低減装置を備えた誘導機において、全ての回転円環と
固定円環との間で形成される合成静電容量を適当なC z
に設定したとき、軸受に流れるベアリング電流を観測
し、ベアリング電流の最大波高値Ibmaxを測定して、こ
れらの関係を図示したものである。図3から明らかなよ
うに、ベアリング電流低減装置が無い場合、すなはち回
転円冠と固定円冠の間で形成される静電容量Czを零と
したとき、最大波高値が520mA程度のベアリング電
流が発生するが、回転円環と固定円環との間で形成され
る合成静電容量をCz=480pFに設定したベアリン
グ電流低減装置を備えた誘導機において、ベアリング電
流の最大波高値はその約十分の一程度に抑圧されており
(I bmax=60mA)効果的にベアリング電流が低減さ
れていることがわかる。
【0084】(実施例2)図4に示すように、フレーム
1は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接
続されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸15
2に連結されている。半径r2の回転軸の断面と同じ大
きさの円板部分を切り取った外周半径r1の回転円環4
(5)は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取付
けられている。回転軸3の半径r2よりも大きな内径r3
の円柱部分を取り去った外周半径r4の固定中空円柱1
2(13)は、回転軸3に対して同心円状に回転円板4
(5)から距離dの間隔を隔てて内周半径がr4のフレ
ーム1の内壁に取付けられている。回転円環4,5、固
定中空円柱12,13は、それぞれ、隣接する固定中空
円柱、回転円環との間で静電容量を生ずるように非接触
となるように間隔dを隔てて交互に配置されている。回
転軸3に取り付けられた軸受装置8は、ベアリングブラ
ケット9とこれに接合されたシールド玉軸受10より成
り、ベアリングブラケット9はボルト11を介してフレ
ーム143に取り付けられている。
【0085】回転円環4(5)と固定中空円柱12(1
3)の重なり合う部分の面積S2(m2)は(数21)で
示す面積となる。
【0086】
【数21】
【0087】回転円環1と固定中空円柱5との間の静電
容量をC2とおくと、C2は(数22)に示す値となる。
【0088】
【数22】
【0089】ここで、ε0は真空中の誘電率である。
【0090】同様に、固定中空円柱12と回転円環5と
の間の静電容量、回転円環5と固定中空円柱13との間
の静電容量はC2に等しくなるので、全ての回転円環と
固定中空円柱との間で形成される合成静電容量Cz
(数23)で示す静電容量となる。
【0091】
【数23】
【0092】以上の(数21)、(数22)、(数2
3)から全ての回転円環と固定中空円柱との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数24)で示す静電容量とな
る。
【0093】
【数24】
【0094】実施例2において、実施例1と同様の理由
により、回転円環の外周半径r1,固定中空円柱の内周
半径r3,回転円環と固定中空円柱との間隔d、また
は、回転円環と固定中空円柱の段数を適当に設定して、
全ての回転円環と固定中空円柱との間で形成される合成
静電容量Czを十分大きな静電容量に設定して、固定子
と回転子との間のエアーギャップ容量C3’を(数2
0)を満足する範囲に設定すれば、ベアリング電流を低
減することができる。以降、ベアリング電流を低減でき
る説明は実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0095】(実施例3)図5に示すように、フレーム
1は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接
続されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸15
2に連結されている。外周半径r2の回転軸の断面と同
じ大きさの円板部分を切り取った外周半径r1の回転円
環4(5)は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に
取付けられている。軸受装置14(15)の内輪部16
(17)は、回転軸3に取付けられ、軸受装置14(1
5)の外輪部18(19)の外周面に内接する半径r3
の円板部分を切り取った外周半径r5の固定円環20
(21)は、回転軸3に対して垂直方向に回転円環4
(5)と距離dの間隔を隔てた位置に軸受装置14(1
5)の外周半径がr3の外輪部18(19)の外周面に
取付けられている。回転円環4,5、固定円環20,21
は、それぞれ、隣接する固定円環、回転円環との間で静
電容量を生ずるように非接触となるように間隔dを隔て
て交互に配置されている。固定円環20と固定円環21
は導線22を介して接続され、固定円環21は導線23
を介してフレーム1の内壁に固定接続されている。
【0096】回転軸3に取り付けられた軸受装置8は、
ベアリングブラケット9とこれに接合されたシールド玉
軸受10より成り、ベアリングブラケット9はボルト1
1を介してフレーム1に取り付けられている。
【0097】回転円環4(5)と固定円環20(21)
の重なり合う部分の面積S3(m2)は(数25)に示す
面積となる。
【0098】
【数25】
【0099】回転円環4と固定円環20との間の静電容
量をC3とおくと、C3は(数26)に示す値となる。
【0100】
【数26】
【0101】ここで、ε0は真空中の誘電率である。
【0102】同様に、固定円環20と回転円環5との間
の静電容量、回転円環5と固定円環21との間の静電容
量はC3に等しくなるので、全ての回転円環と固定円環
との間で形成される合成静電容量Czは(数27)で示
す静電容量となる。
【0103】
【数27】
【0104】以上の(数25)、(数26)、(数2
7)から全ての回転円環と固定円環との間で形成される
合成静電容量Czは(数28)で示す静電容量となる。
【0105】
【数28】
【0106】実施例3において、実施例1と同様の理由
により、回転円環の外周半径r1,固定円環の内周半径
3,回転円環と固定円環との間隔d、または、回転円
環と固定中空円柱の段数を適当に設定して、全ての回転
円環と固定中空円柱との間で形成される合成静電容量C
zを十分大きな静電容量に設定して、誘導機112の固
定子と回転子との間のエアーギャップ容量C3'を(数2
0)を満足する範囲に設定すれば、ベアリング電流を低
減することができる。以降、ベアリング電流を低減でき
る説明は実施例1と同様の説明となるので省略する。
【0107】(実施例4)図6に示すように、フレーム
1は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接
続されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸15
2に連結されている。半径r2の回転軸3の断面と同じ
大きさの円板部分を切り取った外周半径r6の回転支持
円環24は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取
付けられ、外周半径をr6,内周半径をr7とする回転円
筒25、および、外周半径をr8、内周半径をr9とする
回転円筒26は、回転軸3に対して同心円状に回転支持
円環24に取付けられている。同様に、回転軸3の外周
半径r2よりも大きな半径r1 0の円板部分を切り取った
外周半径r4の固定支持円環27は、回転軸3に対して
垂直方向に内周半径がr4のフレーム1の内壁に取付け
られ、外周半径をr11、内周半径をr12とする固定円筒
28、および、外周半径をr13、内周半径をr10とする
回転円筒29は、回転軸3に対して同心円状に固定支持
円環27に取付けられている。回転円環25,26、固
定円筒28,29は、それぞれ、隣接する固定円環、回
転円筒との間で静電容量を形成するように非接触となる
位置に交互に配置されている。回転軸3の軸受装置8
は、ベアリングブラケット9とこれに接合されたシール
ド玉軸受10より成り、ベアリングブラケット9はボル
ト11を介してフレーム1に取り付けられている。
【0108】回転円筒25(26)と固定円筒28(2
9)の軸方向に重なり合う部分の長さをLとすると、回
転円筒25と固定円筒28との間で形成される静電容量
41は(数29)となる。
【0109】
【数29】
【0110】固定円筒28と回転円筒26との間で形成
される静電容量C42は(数30)となる。
【0111】
【数30】
【0112】回転円筒26と固定円筒29との間で形成
される静電容量C43は(数31なる。
【0113】
【数31】
【0114】全ての回転円筒と固定円筒との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数32)で示す静電容量とな
る。
【0115】
【数32】
【0116】全ての回転円筒と固定円筒との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数29),(数30),(数
31),(数32)より(数33)で示す静電容量とな
る。
【0117】
【数33】
【0118】実施例4において、実施例1と同様の理由
により、回転円筒と固定円筒の内周半径r7,r9
12、外周半径r8,r11,r13、回転円筒25,26と
固定円筒28,29の軸方向に重なり合う部分の長さ
L、または、回転円筒と固定円筒の段数を適当に選ん
で、全ての回転円筒と固定円筒との間で形成される合成
静電容量Czを十分大きな静電容量に設定して、誘導機
112の固定子と回転子との間のエアーギャップ容量C
3'を(数20)を満足する範囲に設定すれば、ベアリン
グ電流を低減することができる。以降、ベアリング電流
を低減できる説明は実施例1と同様の説明となるので省
略する。
【0119】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、回転機の金属筐体とベアリング電流低減装
置を導線で接続し、実施例1の回転軸に取り付けられた
回転円環とフレームに取り付けられた固定円環、実施例
2の回転軸に取り付けられた回転円環とフレームに取り
付けられた固定中空円柱、実施例3の回転軸に取り付け
られた回転円環と軸受装置を介して回転軸に取付けられ
フレームに固定接続された固定円環、または、実施例4
の回転軸に取り付けた回転円筒とフレームに取り付けた
固定円筒を非接触で接近させて静電容量を形成し、回転
機の固定子と回転子との間のエアーギャップ容量を補強
することによって、インバータより誘導機に印加される
立ち上がりの急峻なコモンモード電圧の応答電圧として
発生する軸電圧を非振動で動作させ、この時同時に、軸
電圧の収束値となる直流成分も小さくなるので、放電直
前の軸電圧を著しく小さく抑えることができ、軸電圧の
放電現象として発生するベアリング電流を低減すること
ができ、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、
軸受装置の損傷または破壊を防止することがでという効
果のあるベアリング電流低減装置を提供できる。
【0120】また、本発明によれば、実施例1の回転円
環と固定円環、実施例2の回転円環と固定中空円柱、実
施例3の回転円環と固定円環、または、実施例4の回転
円筒と固定円筒を非接触で接近させる事によってベアリ
ング電流を低減しているので、従来のベアリング電流低
減装置のように軟質の導電材料を回転軸に押し付けてい
るため、数ヶ月でブラシ交換を必要とするような保守の
必要なもくベアリング電流を低減することができるとい
う効果のあるベアリング電流低減装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のベアリング電流低減装置の
側面図
【図2】同ベアリング電流低減装置を備えたインバータ
駆動の誘導機におけるコモンモード電圧、軸電圧および
ベアリング電流を図示したタイムチャート
【図3】同ベアリング電流低減装置を備えたインバータ
駆動の誘導機における合成静電容量Czとベアリング電
流の最大波高値Ibmaxとの関係を図示したグラフ
【図4】本発明の実施例2のベアリング電流低減装置の
側面図
【図5】本発明の実施例3のベアリング電流低減装置の
側面図
【図6】本発明の実施例4のベアリング電流低減装置の
側面図
【図7】従来のPWMインバータに駆動された誘導機の
原理的回路図
【図8】従来のPWMインバータに駆動された誘導機の
各部の波形を説明する説明図
【図9】従来のインバータ駆動された誘導機のコモンモ
ード等価回路図
【図10】従来のインバータ駆動された誘導機の簡略化
コモンモード等価回路図
【図11】従来のインバータ駆動された誘導機におい
て、コンピュータシュミレーションを使って計算させた
軸電圧の波形と、実際に測定した軸電圧の波形を比較し
たタイムチャート
【図12】従来のインバータ駆動された誘導機におい
て、減衰係数ζの値の選び方によって変化する軸電圧の
波形を説明した説明図
【図13】従来のインバータ駆動された誘導機につい
て、最も大きなベアリング電流が発生する瞬間における
コモンモード電圧、軸電圧およびベアリング電流を説明
した説明図
【図14】従来のベアリング電流低減装置の側面図
【符号の説明】
1 フレーム 2 導線 3 回転軸 4 回転円環 5 回転円環 6 固定円環 7 固定円環 8 軸受装置 12 固定中空円柱 13 固定中空円柱 14 軸受装置 15 軸受装置 16 内輪部 17 内輪部 18 外輪部 19 外輪部 20 固定円環 21 固定円環 22 導線 23 導線 24 回転指示円環 25 固定円筒 26 固定円筒 27 固定指示円環 28 回転円筒 29 回転円筒
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月25日(2000.1.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転機のベアリング電流低減装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機の軸受部に
流れるベアリング電流を低減する誘導機のベアリング電
流低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、誘導機を始めとする回転機を回転
数制御する方法としてインバータ等の電力変換機によっ
て駆動するのが一般的となってきた。インバータ駆動の
方式として電圧形PWMインバータが最も良く知られて
いる。この種のインバータ駆動方式では、変調正弦波信
号の振幅に比例したパルス幅の一定キャリア周期を持つ
矩形波状の電圧パルス列を誘導機に印加して、誘導機の
固定子巻き線に流れる電流を変調正弦波信号の周波数に
等しい正弦波が流れるようにして誘導機を駆動する。
【0003】さて、最近の高速電力用半導体素子の発展
に伴って、電圧形PWMインバータのキャリア周波数の
高周波化が進み、インバータのスイッチング時に生じる
急峻な電圧変化に起因して発生する誘導機のベアリング
電流による軸受部の不具合が指摘されている。このベア
リング電流には、例えば、「PWMインバータによって
発生する誘導電動機のベアリング電流」(ショータン・
チェン、アイイーイーイー・トランザンクション・オン
・エナジーコンバージョン、11号1巻ナンバー1、1
996年3月)(Analysis of Induc
tion Motor Bearing Curren
ts Caused by PWM Inverter
s、IEEE Transactions on En
ergyConversion.Vol.11,No.
1,March 1996)に紹介されているように、
振幅が最も大きく頻繁に発生する放電モードのベアリン
グ電流がある。この種のベアリング電流は、インバータ
から誘導機の巻き線に供給される立ち上がりの急峻なコ
モンモード電圧が、誘導機の巻き線と固定子間の結合容
量、巻き線と回転子間の結合容量および固定子と回転子
間のエアーギャップ容量によって構成される閉じた回路
系に印加されたときに発生する応答電圧として、固定子
と回転子間の静電容量に蓄積された静電圧の放電現象と
して発生するものである。固定子と回転子間の静電容量
に蓄積された軸電圧が、軸受部の油膜を絶縁破壊させて
軸受部を導通状態にさせ、軸受部を介して静電容量に蓄
積された軸電圧を放電させるとき流れる放電電流が放電
モードのベアリング電流である。
【0004】図7は従来のPWMインバータに駆動され
た誘導機の原理的回路図を示し、図8は従来のPWMイ
ンバータに駆動された誘導機の各部の波形を説明する説
明図である。図7、図8を併用して、PWMインバータ
が誘導機巻き線系にコモンモード電圧を供給するコモン
モード電圧の発生メカニズムを説明する。
【0005】図7において、インバータ101はスイッ
チング素子102〜107および直流電源108から成
り、インバータ101のR相、S相およびT相出力端子
109〜111は誘導機112の固定子巻き線113
のR相、S相およびT相タップ114〜116にそれぞ
れ結線されている。誘導機112のフレームグランド端
子117は、インバータ101のフレームグランド端子
118に接続され、さらに、フレームグランド端子11
8は大地にアース接続されている。
【0006】図8の(a),(b),(c)はキャリア
波信号Vcと各相のインバータ指令値UR、US、UTとの
比較により、インバータ101におけるON−OFF制
御信号の形成を説明するものである。図8において、横
軸を時間軸にとり、図8の(a),(b),(c)の太
線で図示された正弦波がインバータ101のRS、T各
相のインバータ指令値(UR,US,UT)を示す。同図
上に三角波状の細線で示された波形がキャリア波信号V
Cである。キャリア波信号VCがインバータ指令値UR
S、UTよりも低いときは、該当するスイッチング素子
102〜104側が導通し、スイッチング素子105〜
107側が非導通となる。逆に、キャリア波信号VC
インバータ指令値UR、US、UTよりも高いときは、該
当するスイッチング素子102〜104側が非導通とな
り、スイッチング素子105〜107側が導通となる。
【0007】図8の(d),(e),(f)は図7に図
示されるスイッチング素子のアーム対(102,10
5),(103,106),(104,107)の中間
点と大地との間に形成される電圧VR,VS,VTを示
す。説明の簡略化のため図8の(a),(b)でR相に
おける関係について説明する。キャリア波電圧VCがイ
ンバータ指令値URより高いときは、スイッチング素子
105が導通しアーム対(102,105)と大地間の
電圧VRは零となる。尚、Edは直流電流108の両端の
電圧値である。次に、キャリア波電圧VCがインバータ
指令値URより低いときは、スイッチング素子102が
導通しアーム対(102,105)と大地間の電圧VR
は+Edとなる。
【0008】図8の(G)は巻き線113に印可される
コモンモード電圧の関係を示す。
【0009】巻き線113の中性点119の大地を基準
とする電位、すなわち、中性点電位VNOは、通常、上述
の電圧VR,VS,VTの平均電圧(数1)となる。
【0010】
【数1】
【0011】ゆえに、中性点電位VNOには、上述の電圧
R,VS,VT三相分を重ね合わせたコモンモードの電
圧が発生している。すなわち、中性点電位VNOにはPW
Mスイッチングパターン3相分を重ね合せた波形が発生
することになる。
【0012】図9は、従来のインバータ駆動された誘導
機のコモンモード等価回路図である。図に示すように、
誘導機112には、巻き線113と固定子120との間
に結合容量121が存在し、また、巻き線113と回転
子122との間にも結合容量123が存在している。さ
らに、固定子120と回転子122との間にはエアーギ
ャップ容量124が存在している。ここでは、誘導機が
適当な回転数で回転して軸受装置125が流体潤滑モー
ドとなっている場合について考える。この場合、軸受装
置125は非導通状態となるが、巻き線113、結合容
量121、結合容量123、および、エアーギャップ容
量124によって図示するような閉じた回路系126が
構成される。インバータ101から巻き線113と固定
子120との間にコモンモード電圧ei(t)が印加さ
れると、閉じた回路系126を介してエアーギャップ容
量124の両端に軸電圧Vrs(t)が発生する。すなわ
ち、インバータ101が供給するコモンモード電圧ei
(t)に対する閉じた回路系126の応答電圧として軸
電圧Vrs(t)が発生する。
【0013】図10は、従来のインバータ駆動された誘
導機の簡略化コモンモード等価回路図である。図に示す
ように、巻き線113は、抵抗127とインダクタンス
128の直列回路に置き換えられている。巻き線113
と固定子120との間の結合容量121は結合容量12
9、130に、巻き線113と回転子122との間の総
合容量123は結合容量131、132に簡略化されて
いる。固定子120と回転子122との間のエアーギャ
ップ容量124は、前述した巻き線113の抵抗127
とインダクタンス128と結合容量129〜132とで
閉じた回路系126を構成するように接続されている。
コモンモード電圧ei(t)が結合容量129の両端に
印可されると、閉じた回路系126を経てエアーギャッ
プ容量124の両端に軸電圧Vrs(t)が発生する。す
なわち、インバータが供給するコモンモード電圧に対す
る閉じた回路系126の応答電圧として軸電圧が発生す
る。同図で図示するように、抵抗133、インダクタン
ス134、およびスイッチ135は、軸受装置125の
等価回路を示すものである。誘導機112が停止または
低速で回転しているとき、軸受装置125は境界潤滑状
態となりスイッチ135は常に導通状態となり、エアー
ギャップ容量124には軸電圧は発生しない。誘導機1
12が適当な回転数で回転しているとき、軸受装置12
5は流体潤滑となりスイッチ135は普段は非導通状態
となるが、ときどき導通状態となる。ゆえに、軸受装置
125が流体潤滑となる場合では、軸受装置125が非
導通状態のとき、前述した理由からエアーギャップ容量
124に軸電圧が蓄積されるが、ときどき、軸受装置1
25が導通状態となると、エアーギャップ容量124に
蓄積された軸電圧は、抵抗133,インダクタンス13
4およびスイッチング135を経て放電する。このと
き、抵抗133,インダクタンス134、およびエアー
ギャップ容量124より成る直列共振回路が構成される
が、エアーギャップ容量124に充電された軸電圧がこ
の直列共振回路を経て流れる放電電流が放電モードのベ
アリング電流となる。
【0014】図11は、コンピュータシュミレーション
を使って計算させた軸電圧の波形と、実際に測定した軸
電圧の波形を比較したタイムチャートである。
【0015】図11の(b)は、図10に示す簡略化コ
モンモード等価回路に適当な回路常数を設定し、図11
の(a)で示す振幅Ed/3の階段状波形をコモンモー
ド電圧とした場合において、コンピュータシュミレーシ
ョンを使って、エアーギャップ容量124の両端に応答
電圧として発生する軸電圧を計算させた波形を示す。
【0016】図11の(c)は、軸受装置125が常に
非導通状態となる場合において、実際に測定した軸電圧
の波形を示す。図を見て明らかなように、コンピュータ
シュミレーションにより計算した軸電圧(b)は、実際
に測定した軸電圧(c)とほとんど同等であり、簡易化
コモンモード等価回路に基づきコンピュータシュミレー
ションを使って計算した軸電圧波形が、実際の誘導機で
測定される軸電圧波形を良く再現していることがわか
る。
【0017】図10の簡易型コモンモード等価回路にお
いて、コモンモード電圧ei(t)に対する、軸電圧V
rs(t)の応答を現す閉じた回路系126の伝達関数を
G(S)とすると、伝達関数G(S)は定義から以下の
(数2)で示す式となる。
【0018】
【数2】
【0019】ただし、Vrs(S),Ei(S)は、それ
ぞれ、Vrs(t),ei(t)のラプラス変換式であ
る。
【0020】図10の簡易型コモンモード等価回路にお
いて、R1は抵抗127の抵抗、L1はインダクタンス1
28のインダクタンス、C10は結合容量129の静電容
量、C11は結合容量130の静電容量、C20は結合容量
131の静電容量、C21は結合容量132の静電容量、
3はエアーギャップ容量124の静電容量とおいて回
路方程式をたてた後、伝達関数G(S)について解く
と、伝達関数G(S)は以下の(数3)で示す式とな
る。
【0021】
【数3】
【0022】ここでζは減衰係数,ωnは角周波数,α
は係数,Aは係数で、それぞれ(数4),(数5),
(数6),(数7)で示す式のことである。
【0023】
【数4】
【0024】
【数5】
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】インバータより振幅Ed/3の階段状波形
が誘導機に印加された場合、すなわち、コモンモード電
圧Ei(S)を(数8)としたとき
【0028】
【数8】
【0029】応答電圧として発生する軸電圧Vrs(S)
は(数3)および(数8)より(数9)となる。
【0030】
【数9】
【0031】(数9)の第1項は直流成分で、第2項は
2次遅れ要素だから、減衰係数ζの値が(数10)とな
るとき
【0032】
【数10】
【0033】軸電圧Vrs(S)は振動しつつ直流成分V
rs0に収束する。
【0034】減衰係数ζの値が(数11)となるとき
【0035】
【数11】
【0036】軸電圧Vrs(S)は非振動となり直流成分
rs0に収束する。
【0037】ここで、直流成分Vrs0は(数12)に示
す式のことである。
【0038】
【数12】
【0039】ここで、(数12)に(数5)、(数
6)、(数7)を代入すると(数13)となる。
【0040】
【数13】
【0041】図12は、従来のインバータ駆動された誘
導機において、減衰係数ζの値の選び方によって変化す
る軸電圧の波形を説明した説明図である。
【0042】図12の(a)で示すような振幅Ed/3
の階段状波形がコモンモード電圧ci(t)として印加
された場合、閉じた回路系126の応答電圧として発生
する軸電圧Vrs(t)は、2次遅れ要素のインデシャル
応答としての挙動を示す。すなわち、減衰係数ζが(数
11)で示す範囲内にある場合、2次遅れ要素は過制動
または臨界制動となるから、図12の(b)で図示する
ように、軸電圧Vrs(t)は非振動となり直流成分V
rs0に収束する。次に、減衰係数ζが(数10)で示す
範囲内にある場合、2次遅れ要素は不足制動となるか
ら、図12の(c)で図示するように、軸電圧V
rs(t)は振動しつつ直流成分Vrs0に収束する。この
場合、減衰係数ζが1と比較して小さくなればなるほど
振動の程度も激しくなる。通常の誘導機では、減衰係数
ζは(数10)の範囲内となり、軸電圧は振動しつつ直
流成分Vrs0に収束する。
【0043】図13は、従来のインバータ駆動された誘
導機について、最も大きなベアリング電流が発生する瞬
間におけるコモンモード電圧、軸電圧およびベアリング
電流を説明した説明図である。
【0044】図13の(a)で示すような振幅Ed/3
の階段状波形がコモンモード電圧ei(t)として誘導
機に印加された場合、図12の(c)で説明したのと同
様に、軸電圧Vrs(t)は図13の(b)で図示するよ
うに、大きく振動しつつ直流成分Vrs0(測定結果から
rs0=5V)に収束する。軸電圧Vrs(t)が最大ピ
ーク電圧Vrsmax(測定結果からVrsmax 42V)とな
る付近で軸受装置125が導通すると、エアーギャップ
容量124に充電された軸電圧は図10の軸受装置12
5の抵抗133、インダクタンス134、およびスイッ
チ135を経て放電する。このとき抵抗133、インダ
クタンス134およびエアーギャップ容量124より成
る直列共振回路が構成され、エアーギャップ容量に充電
された軸電圧がこの直列共振回路を経て放電するとき流
れる電流がベアリング電流となる。ベアリング電流ib
(t)は、図13の(c)で図示したような減衰振動波
となるが、ベアリング電流の最大ピーク電流Ibmax(測
定結果からIbmax=520mA)は放電直前のエアーギ
ャップ容量124に充電された軸電圧に比例する。すな
わち、放電直前にエアーギャップ容量124に充電され
る軸電圧が大きいほど大きなベアリング電流が得られ
る。ゆえに、軸電圧Vrs(t)が最大ピーク電圧V
rsmaxとなる付近で軸受装置125が導通すると、放電
直前でエアーギャップ容量に蓄積される軸電圧も最大と
なるので、このとき最も大きなベアリング電流が発生す
る。
【0045】以上で述べたように、PWMインバータに
駆動された通常の誘導機では、軸電圧が大きく振動し、
軸電圧が最大ピーク電圧Vrsmaxとなる付近で軸受装置
が導通すると軸電圧の放電現象として発生するベアリン
グ電流は最も大きな振幅となり、軸受の摩耗、回転軸の
損傷、潤滑油の風化を招き、場合によっては軸受を損傷
または破壊することがある。従って、このような障害が
発生しないように、回転機にベアリング電流低減装置が
用いられている。通常、このベアリング電流低減装置と
しては、軸受部を絶縁する方法と回転軸を接地する方法
があるが、軸受部を絶縁する方法は、構造が複雑にな
り、組み立て工程に細心の注意を要し、工数が多くかか
り、かつ回転機によっては機械的構造上軸受部の絶縁が
できないものもあるので、通常は軸受部を絶縁するより
は簡単で、実施し易い回転軸を接地する方法が用いられ
ている。
【0046】従来、この種のベアリング電流を低減する
ベアリング電流低減装置は、特開昭58−78770号
公報、特開昭54−8801号公報、実開昭63−12
4057号公報、および実開昭58−78769号公報
に記載されたものが知られている。
【0047】以下、その従来のベアリング電流低減装置
について図14を参照しながら説明する。図に示すよう
に、従来の回転軸を接地する方式の軸電流低減装置13
6はアースブラシホルダ137、アースブラシホルダ支
え138およびアースブラシ組立体139から構成され
ている。アースブラシホルダ支え138は、導電材料の
板材を略L字状に曲げて作られ、その略L字状の垂直返
の端部は、ベアリングブラケット140とベアリングブ
ラケット140に接合されたシールド玉軸受141より
成る軸受装置125のベアリングブラケット140の部
分にボルト142を介して取り付けられ、略L字状の水
平辺には後述するアースブラシホルダ137が取付けら
れている。ベアリングブラケット140は誘導機112
の金属筐体143にボルト144を介して取付られてい
る。アースブラシホルダ137はホルダシャンク145
およびキャップ146より成り、ホルダシャンク145
はアースブラシホルダ支え138の水平返にねじまたは
半田付け等で固定され、その内側には後述するアースブ
ラシ組立体139の取付け穴147が設けられている。
アースブラシ組み立体139はアースブラシ148、ば
ね149、ピグテール150およびピグテール支え15
1より成っている。従って、アースブラシホルダ137
のホルダシャンク145の取付け穴147にアースブラ
シ組立体139を挿入し、ホルダシャンク145にキャ
ップ146を取付ければ、アースブラシ148は、ばね
149を介して回転子軸152に押し付けられて接触
し、回転子軸152は、常にアースブラシ148、ピグ
テール150、ピグテール支え151、キャップ14
6、ホルダシャンク145、アースブラシホルダ支え1
38、ベアリングブラケット140および金属筐体14
3を介して接地される。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べたように、
従来のPWMインバータに駆動された誘導機では、イン
バータ101より誘導機112の巻き線113にR相、
S相およびT相のPWMスイッチングパターン三相分を
重ね合わせたコモンモード電圧が供給される。さらに、
巻き線113と固定子120との間の結合容量121、
巻き線113と回転子122との間の結合容量123、
および、固定子120と回転子122との間のエアーギ
ャップ容量によって閉じた回路系126が構成され、閉
じた回路系126の結合容量129に印加されるコモン
モード電圧に対する応答電圧として、エアーギャップ容
量124の両端に軸電圧が発生する。一般的な誘導機で
は、閉じた回路系126のコモンモード電圧に対する軸
電圧の応答を現す伝達関数G(S)は2次遅れ要素を含
み、減衰係数ζが1に比較してかなり小さい値となるた
め、インバータ101から立ち上がりの急峻な階段状波
形が印加されたとき、2次遅れ要素は不足制動となるた
め軸電圧は激しく振動し、軸電圧の最大ピーク電圧V
rsmaxが大きくなる。軸電圧が最大ピーク電圧Vrsmax
なる付近で軸受装置が導通すると、軸電圧の放電現象と
して発生するベアリング電流も大きくなり、軸受の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化を招き、場合によって
は軸受装置を損傷または破壊するという問題があった。
【0049】また、このような問題を解決するための従
来のベアリング電流低減装置では、アースブラシ148
は、ばね149より回転子軸152に押し付けられてい
るので、回転子軸152の表面を摩耗、損傷させないよ
うに、カーボンを主成分とした非常に軟質の導電材料で
作られているため摩耗が早く、早いものは2〜3箇月
で、長くても6〜7箇月でアースブラシを交換しなけれ
ばならないという欠点があった。
【0050】以上述べたように、従来のPWMインバー
タにより駆動された誘導機では、軸電圧が激しく振動す
るので、軸電圧の放電電流として発生するベアリング電
流も大きくなってしまうという課題があり、ベアリング
電流を低減または消滅させて軸受部の摩耗、回転軸の損
傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷または破壊を防止す
ることが要求されている。
【0051】また、従来のベアリング電流低減装置で
は、ブラシの摩耗による保守を数箇月毎に行う必要があ
るという課題があり、長時間使用しても保守する必要な
くベアリング電流を低減できる低減方法が要求されてい
る。
【0052】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、ベアリング電流を低減させて軸受部の摩
耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受装置の損傷また
は破壊を防止することができ、かつ、長時間使用しても
保守する必要なくベアリング電流を低減することができ
るベアリング電流低減装置を提供することを目的として
いる。
【0053】
【課題を解決するための手段】本発明のベアリング電流
低減装置は上記目的を達成するために、回転機のベアリ
ング電流を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に
導線を介して接続されるフレームと、回転機の回転子軸
に連結され軸受装置を介してフレームを取り付けられる
回転軸と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付け
られ回転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った1
枚以上の回転円環と、内輪部を回転軸に取付けた1個以
上の軸受装置と、回転軸に対して垂直方向に前記軸受装
置の外輪部に取り付けられ前記軸受装置の外輪部と同じ
大きさの円板部分を切り取った前記軸受と同数の固定円
環とを備え、前記固定円環は隣接する固定円環間に導線
を介して接続し、固定円環の1つは導線を介してフレー
ムに固定し、前記回転円環と前記固定円環は、静電容量
を生ずるように非接触となる位置に交互に配置したこと
を特徴とする回転機のベアリング電流低減装置としたも
のである。
【0054】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0055】また他の手段は、回転機のベアリング電流
を低減するものにおいて、回転機の金属筐体に導線を介
して接続されるフレームと、回転機の回転子軸に連結さ
れ軸受装置を介してフレームに取り付けられる回転軸
と、回転軸に対して垂直方向に回転軸に取り付けられ回
転軸断面と同じ大きさの円板部分を切り取った回転支持
円環と、回転軸に対して同心円状に前記回転支持円環に
取り付けた半径の異なる1個以上の回転円筒と、回転軸
に対して垂直方向にフレームに取り付けられ回転軸の半
径よりも大きな半径を持つ円板部分を切り取った固定支
持円環と、回転軸に対して同心円状に前記固定支持円環
に取り付けた半径の異なる1個以上の固定円筒を備え、
前記固定円筒と前記回転円筒間は、静電容量を生ずるよ
うに非接触となる位置に交互に配置したことを特徴とす
る回転機のベアリング電流低減装置としたものである。
【0056】本発明によれば、ベアリング電流を低減さ
せて軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができ、また、長
時間使用しても保守する必要なくベアリング電流を低減
することができるベアリング電流低減装置が得られる。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明は、フレームを回転機の金
属筐体と導線で接続した回転機の軸電流低減装置におい
て、回転軸に取り付けた回転円環を軸受装置を介して回
転子軸に取り付け導線を介してフレームに固定接続した
固定円環と非接触で接近した位置に配置させることによ
って回転円環と固定円環との間で静電容量を形成させる
か、または、回転軸に取り付けた回転円筒をフレームに
取り付けた固定円筒と非接触で接近した位置に配置させ
ることによって回転円筒と固定円筒との間で静電容量を
形成させて回転機の固定子と回転子の間のエアーギャッ
プ容量を補強するようにしたものである。
【0058】回転機の巻き線と固定子との間の結合容
量、巻き線と回転子との間の結合容量および固定子と回
転子との間のエアーギャップ容量によって構成される閉
じた回路系のコモンモード電圧に対する軸電圧の応答
は、2次遅れ要素を有する伝達関数として表現される
が、伝達関数の減衰係数ζを1に比較して十分大きな値
にとなるように、固定子と回転子との間のエアーギャッ
プ容量を十分大きな値に設定すれば、閉じた回路系の伝
達関数の2次遅れ要素を過制動で動作させることがで
き、軸電圧を振動させずに単調に増加させつつ直流成分
に収束させることが可能となる。さらに、固定子と回転
子との間のエアーギャップ容量を十分大きな値とするこ
とにより、軸電圧の収束値となる直流成分も減少するの
で、放電直前の軸電圧を小さく抑えることになり、軸電
圧の放電現象として発生するベアリング電流を低減する
ことができるという作用を有する。
【0059】また、回転円環と固定円環、または、回転
円筒と固定円筒とを非接触で配置するようにしたもので
あり、従来のベアリング電流低減装置のように軟質の導
電材料で作られたアースブラシが回転軸に押し付けられ
て摩耗するような個所がないため、長時間使用しても保
守する必要がないという作用を有する。
【0060】
【実施例】軸電圧が非振動になる例を例1として以下説
明する。
【0061】図1に示すように、フレーム1は誘導機1
12の金属筐体143に導線2を介して接続されてい
る。回転軸3は誘導機112の回転子軸152に連結さ
れている。半径r2の回転軸の断面と同じ大きさの円板
部分を切り取った外周半径r1の回転円環4(5)は、
回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取付けられてい
る。回転軸3の半径r2よりも大きさ内周半径r3の円板
部分を切り取った外周半径r4の固定円環6(7)は、
回転軸3に対して垂直方向に回転円環4(5)から距離
dの間隔を隔てて内周半径r4のフレーム1の内壁に取
付けられている。回転円環4,5、固定円環6,7は、
それぞれ、隣接する固定円環、回転円環との間で静電容
量を形成するように非接触で間隔dを隔てて交互に配置
されている。回転軸3に取り付けられた軸受装置8は、
ベアリングブラケット9とこれに接合されたシールド玉
軸受10より成り、ベアリングブラケット9はボルト1
1を介してフレーム1に取り付けられている。
【0062】回転円環4(5)と固定円環6(7)の重
なり合う部分の面積S1(m2)は(数14)で示す面積
となる。
【0063】
【数14】
【0064】回転円環4と固定円環6との間の静電容量
をC1とおくと、C1は(数15)に示す値となる。
【0065】
【数15】
【0066】ここで、ε0は真空中の誘電率である。
【0067】同様に、固定円環6と回転円環5との間の
静電容量、および、回転円環5と固定円環7との間の静
電容量はC1に等しくなり、全ての回転円環と固定円環
との間で形成される合成静電容量Czは(数16)で示
す静電容量となる。
【0068】
【数16】
【0069】以上の(数14)、(数15)、(数1
6)から全ての回転円環と固定円環との間で形成される
合成静電容量Czは(数17)で示す静電容量となる。
【0070】
【数17】
【0071】誘電機112の回転子と固定子間のエアー
ギャップ容量C3′は、全ての回転円環と固定円環間で
形成される合成静電容量Czと、誘導機112の固定子
120と回転子122間のみで形成されるエアーギャッ
プ容量C3とを合成した静電容量となる。ゆえに、エア
ーギャップ容量C3′は(数18)で示す静電容量とな
る。
【0072】
【数18】
【0073】軸電圧が非振動となるための条件は、従来
例で述べた(数4)のC3とC3′に置き換えて(数1
1)から(数19)となる。
【0074】
【数19】
【0075】(数19)をC3′について解くと(数2
0)となる。
【0076】
【数20】
【0077】回転円環の外周半径r1、固定円環の内周
半径r3、回転円環と固定円環の間隔d、または、回転
円環と固定円環の段数を適当に選んで、全ての回転円環
と固定円環との間で形成される合成静電容量Czを十分
大きな静電容量に設定して、エアーギャップ容量C3
が(数20)を満足できるようにすれば、減数係数ζは
1以上となり、閉じた回路系126の伝達関数の2次遅
れ要素は過制動となり、軸電圧は振動せずに単調に増加
しつつ直流成分Vrs0に収束する。
【0078】さらに、エアーギャップ容量C3′を十分
大きな値に設定すると、(数13)で明らかなように、
軸電圧の収束値である直流成分Vrs0が小さく抑えられ
るので、放電直前の軸電圧は常に小さく抑圧され、軸電
圧の放電現象として発生するベアリング電流も小さく抑
えることができる。
【0079】図2はベアリング電流低減装置を備えたイ
ンバータ駆動の誘導機におけるコモンモード電圧、軸電
圧およびベアリング電流を図示したタイムチャートであ
る。図2では、全ての回転円環と固定円環との間で形成
される合成静電容量をC2−480pFに設定した場合
について説明している。
【0080】図2の(a)で示すような階段状波形がコ
モンモード電圧として誘導機に印加されると、軸電圧が
非振動となる条件である(数20)を満足する十分大き
なエアーギャップ容量C3′が設定されているので、軸
電圧は、図2の(b)で示すような非振動で直流成分V
rs0に収束するような波形が得られる。エアーギャップ
容量C3′が十分大きいと、従来例で述べた(数13)
で明らかなように、軸電圧の収束値である直流成分V
rs0は小さく抑えられる。軸電圧が、このような低レベ
ルの直流成分Vrs0(測定結果からVrs0=5V)で落ち
着いている時、軸受がたまたま導通すると、図2の
(c)に示すようなベアリング電流が流れるが、放電直
前の軸電圧が小さいので振幅の小さなベアリング電流
(測定結果からベアリング電流の最大波高値はIbmax
60mA)しか流れない。
【0081】図3は、ベアリング電流低減装置を備えた
インバータ駆動の誘導機における合成静電容量Czとベ
アリング電流の最大波高値Ibmaxとの関係を図示したグ
ラフである。図3のグラフは、ベアリング電流低減装置
を備えた誘導機において、全ての回転円環と固定円環と
の間で形成される合成静電容量を適当なCzに設定した
とき、軸受に流れるベアリング電流を観測し、ベアリン
グ電流の最大波高値I bmaxを測定して、これらの関係を
図示したものである。図3から明らかなように、ベアリ
ング電流低減装置が無い場合、すなわち回転円環と固定
円環の間で形成される静電容量Czを零としたとき、最
大波高値が520mA程度のベアリング電流が発生する
が、回転円環と固定円環との間で形成される合成静電容
量をCz=480pFに設定したベアリング電流低減装
置を備えた誘導機において、ベアリング電流の最大波高
値はその約十分の一程度に抑圧されており(Ibmax=6
0mA)効果的にベアリング電流が低減されていること
がわかる。
【0082】次に軸電圧が非振動になる他例を例2とし
て以下説明する。
【0083】図4に示すように、フレーム1は誘導機1
12の金属筐体143に導線2を介して接続されてい
る。回転軸3は誘導機112の回転子軸152に連結さ
れている。半径r2の回転軸の断面と同じ大きさの円板
部分を切り取った外周半径r1の回転円環4(5)は、
回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取付けられてい
る。回転軸3の半径r2よりも大きな内径r3の円柱部分
を取り去った外周半径r4の固定中空円柱12(13)
は、回転軸3に対して同心円状に回転円板4(5)から
距離dの間隔を隔てて内周半径がr4のフレーム1の内
壁に取付けられている。回転円環4,5、固定中空円柱
12,13は、それぞれ、隣接する固定中空円柱、回転
円環との間で静電容量を生ずるように非接触となるよう
に間隔dを隔てて交互に配置されている。回転軸3に取
り付けられた軸受装置8は、ベアリングブラケット9と
これに接合されたシールド玉軸受10より成り、ベアリ
ングブラケット9はボルト11を介してフレーム143
に取り付けられている。
【0084】回転円環4(5)と固定中空円柱12(1
3)の重なり合う部分の面積S2(m2)は(数21)で
示す面積となる。
【0085】
【数21】
【0086】回転円環1と固定中空円柱5との間の静電
容量をC2とおくと、C2は(数22)に示す値となる。
【0087】
【数22】
【0088】ここで、ε0は真空中の誘導率である。
【0089】同様に、固定中空円柱12と回転円環5と
の間の静電容量、回転円環5と固定中空円柱13との間
の静電容量はC2に等しくなるので、全ての回転円環と
固定中空円柱との間で形成される合成静電容量Cz
(数23)で示す静電容量となる。
【0090】
【数23】
【0091】以上の(数21)、(数22)、(数2
3)から全ての回転円環と固定中空円柱との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数24)で示す静電容量とな
る。
【0092】
【数24】
【0093】例1と同様の理由により、回転円環の外周
半径r1,固定中空円柱の内周半径r3,回転円環と固定
中空円柱との間隔d、または、回転円環と固定中空円柱
の段数を適当に設定して、全ての回転円環と固定中空円
柱との間で形成される合成静電容量Czを十分大きな静
電容量に設定して、固定子と回転子との間のエアーギャ
ップ容量C3′を(数20)を満足する範囲に設定すれ
ば、ベアリング電流を低減することができる。以降、ベ
アリング電流を低減できる説明は例1と同様の説明とな
るので省略する。
【0094】(実施例1)図5に示すように、フレーム
1は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接
続されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸15
2に連結されている。外周半径r2の回転軸の断面と同
じ大きさの円板部分を切り取った外周半径r1の回転円
環4(5)は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に
取付けられている。軸受装置14(15)の内輪部16
(17)は、回転軸3に取付けられ、軸受装置14(1
5)の外輪部18(19)の外周面に内接する半径r3
の円板部分を切り取った外周半径r5の固定円環20
(21)は、回転軸3に対して垂直方向に回転円環4
(5)と距離dの間隔を隔てた位置に軸受装置14(1
5)の外周半径がr3の外輪部18(19)の外周面に
取付けられている。回転円環4,5、固定円環20,2
1は、それぞれ、隣接する固定円環、回転円環との間で
静電容量を生ずるように非接触となるよう間隔dを隔て
て交互に配置されている。固定円環20と固定円環21
は導線22を介して接続され、固定円環21は導線23
を介してフレーム1の内壁に固定接続されている。
【0095】回転軸3に取り付けられた軸受装置8は、
ベアリングブラケット9とこれに接合されたシールド玉
軸受10より成り、ベアリングブラケット9はボルト1
1を介してフレーム1に取り付けられている。
【0096】回転円環4(5)と固定円環20(21)
の重なり合う部分の面積S3(m2)は(数25)に示す
面積となる。
【0097】
【数25】
【0098】回転円環4と固定円環20との間の静電容
量をC3とおくと、C3は(数26)に示す値となる。
【0099】
【数26】
【0100】ここで、ε0は真空中の誘電率である。
【0101】同様に、固定円環20と回転円環5との間
の静電容量、回転円環5と固定円環21との間の静電容
量はC3に等しくなるので、全ての回転円環と固定円環
との間で形成される合成静電容量Czは(数27)で示
す静電容量となる。
【0102】
【数27】
【0103】以上の(数25)、(数26)、(数2
7)から全ての回転円環と固定円環との間で形成される
合成静電容量Czは(数28)で示す静電容量となる。
【0104】
【数28】
【0105】実施例1において、例1と同様の理由によ
り、回転円環の外周半径r1,固定円環の内周半径r3
回転円環と固定円環との間隔d、または、回転円環と固
定中空円柱の段数を適当に設定して、全ての回転円環と
固定中空円柱との間で形成される合成静電容量Czを十
分大きな静電容量に設定して、誘導機112の固定子と
回転子との間のエアーギャップ容量C3′を(数20)
を満足する範囲に設定すれば、ベアリング電流を低減す
ることができる。以降、ベアリング電流を低減できる説
明は例1と同様の説明となるので省略する。
【0106】(実施例2)図6に示すように、フレーム
1は誘導機112の金属筐体143に導線2を介して接
続されている。回転軸3は誘導機112の回転子軸15
2に連結されている。半径r2の回転軸3の断面と同じ
大きさの円板部分を切り取った外周半径r6の回転支持
円環24は、回転軸3に対して垂直方向に回転軸3に取
付けられ、外周半径をr6,内周半径をr7とする回転円
筒25、および、外周半径をr8、内周半径をr9とする
回転円筒26は、回転軸3に対して同心円状に回転支持
円環24に取付けられている。同様に、回転軸3の外周
半径r2よりも大きな半径r1 0の円板部分を切り取った
外周半径r4の固定支持円環27は、回転軸3に対して
垂直方向に内周半径r4のフレーム1の内壁に取付けら
れ、外周半径をr11、内周半径をr12とする固定円筒2
8、および、外周半径をr13、内周半径をr10とする回
転円筒29は、回転軸3に対して円心円状に固定支持円
環27に取付けられている。回転円環25,26、固定
円筒28,29は、それぞれ、隣接する固定円環、回転
円筒との間で静電容量を形成するように非接触となる位
置に交互に配置されている。回転軸3の軸受装置8は、
ベアリングブラケット9とこれに接合されたシールド玉
軸受10より成り、ベアリングブラケット9はボルト1
1を介してフレーム1に取り付けられている。
【0107】回転円筒25(26)と固定円筒28(2
9)の軸方向に重なり合う部分の長さをLとすると、回
転円筒25と固定円筒28との間で形成される静電容量
41は(数29)となる。
【0108】
【数29】
【0109】固定円筒28と回転円筒26との間で形成
される静電容量C42は(数30)となる。
【0110】
【数30】
【0111】回転円筒26と固定円筒29との間で形成
される静電容量C43は(数31)となる。
【0112】
【数31】
【0113】全ての回転円筒と固定円筒との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数32)で示す静電容量とな
る。
【0114】
【数32】
【0115】全ての回転円筒と固定円筒との間で形成さ
れる合成静電容量Czは(数29),(数30),(数
31),(数32)より(数33)で示す静電容量とな
る。
【0116】
【数33】
【0117】実施例2において、例1と同様の理由によ
り、回転円筒と固定円筒の内周半径r7,r9,r12、外
周半径r8,r11,r13、回転円筒25,26と固定円
筒28,29の軸方向に重なり合う部分の長さL、また
は、回転円筒と固定円筒の段数を適当に選んで、全ての
回転円筒と固定円筒との間で形成される合成静電容量C
zを十分大きな静電容量に設定して、誘導機112の固
定子と回転子との間のエアーギャップ容量C3′を(数
20)を満足する範囲に設定すれば、ベアリング電流を
低減することができる。以降、ベアリング電流を低減で
きる説明は、例1と同様の説明となるので省略する。
【0118】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、回転機の金属筐体とベアリング電流低減装
置を導線で接続し、実施例1の回転軸に取り付けられた
回転円環と軸受装置を介して回転軸に取付けられフレー
ムに固定接続された固定円環、または、実施例2の回転
軸に取り付けた回転円筒とフレームに取り付けた固定円
筒を非接触で接近させて静電容量を形成し、回転機の固
定子と回転子との間のエアーギャップ容量を補強するこ
とによって、インバータより誘導機に印加される立ち上
がりの急峻なコモンモード電圧の応答電圧として発生す
る軸電圧を非振動で動作させ、この時同時に、軸電圧の
収束値となる直流成分も小さくなるので、放電直前の軸
電圧を著しく小さく抑えることができ、軸電圧の放電現
象として発生するベアリング電流を低減することがで
き、軸受部の摩耗、回転軸の損傷、潤滑油の風化、軸受
装置の損傷または破壊を防止することができるという効
果のあるベアリング電流低減装置を提供できる。
【0119】また、本発明によれば、実施例1の回転円
環と固定円環、または、実施例2の回転円筒と固定円筒
を非接触で接近させる事によってベアリング電流を低減
しているので、従来のベアリング電流低減装置のように
軟質の導電材料を回転軸に押し付けているため、数ヶ月
でブラシ交換を必要とするような保守の必要なベアリン
グ電流を低減することができるという効果のあるベアリ
ング電流低減装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸電圧が非振動になる例1のベアリング電流低
減装置の側面図
【図2】同ベアリング電流低減装置を備えたインバータ
駆動の誘導機におけるコモンモード電圧、軸電圧および
ベアリング電流を図示したタイムチャート
【図3】同ベアリング電流低減装置を備えたインバータ
駆動の誘導機における合成静電容量Czとベアリング電
流の最大波高値Ibmaxとの関係を図示したグラフ
【図4】軸電圧が非振動になる例2のベアリング電流低
減装置の側面図
【図5】本発明の実施例1のベアリング電流低減装置の
側面図
【図6】本発明の実施例2のベアリング電流低減装置の
側面図
【図7】従来のPWMインバータに駆動された誘導機の
原理的回路
【図8】従来のPWMインバータに駆動された誘導機の
各部の波形を説明する説明図
【図9】従来のインバータ駆動された誘導機のコモンモ
ード等価回路図
【図10】従来のインバータ駆動された誘導機の簡略化
コモンモード等価回路図
【図11】従来のインバータ駆動された誘導機におい
て、コンピュータシミュレーションを使って計算させた
軸電圧の波形と、実際に測定した軸電圧の波形を比較し
たタイムチャート
【図12】従来のインバータ駆動された誘導機におい
て、減衰係数ζの値の選び方によって変化する軸電圧の
波形を説明した説明図
【図13】従来のインバータ駆動された誘導機につい
て、最も大きなベアリング電流が発生する瞬間における
コモンモード電圧、軸電圧およびベアリング電流を説明
した説明図
【図14】従来のベアリング電流低減装置の側面図
【符号の説明】 1 フレーム 2 導線 3 回転軸 4 回転円環 5 回転円環 6 固定円環 7 固定円環 8 軸受装置 12 固定中空円柱 13 固定中空円柱 14 軸受装置 15 軸受装置 16 内輪部 17 内輪部 18 外輪部 19 外輪部 20 固定円環 21 固定円環 22 導線 23 導線 24 回転支持円環 25 固定円筒 26 固定円筒 27 固定支持円環 28 回転円筒 29 回転円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東城 正佳 大阪府大阪市城東区今福西6丁目2番61号 松下精工株式会社内 (72)発明者 朝井 貴裕 大阪府大阪市城東区今福西6丁目2番61号 松下精工株式会社内 Fターム(参考) 5H605 AA12 BB05 BB10 CC02 CC04 EB10 EB30 5H611 AA01 BB05 PP03 QQ05 QQ06 UA05 UA08 UB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機のベアリング電流を低減するもの
    において、回転機の金属筐体に導線を介して接続される
    フレームと、回転機の回転子軸に連結され軸受装置を介
    してフレームに取り付けられる回転軸と、回転軸に対し
    て垂直方向に回転軸に取り付けられ回転軸断面と同じ大
    きさの円板部分を切り取った1枚以上の回転円環と、回
    転軸に対して垂直方向にフレームに取り付けられ回転軸
    の半径よりも大きな半径を持つ円板部分を切り取った1
    枚以上の固定円環とを備え、前記回転円環と前記固定円
    環とは、静電容量を生ずるように非接触となる位置に交
    互に配置したことを特徴とする回転機のベアリング電流
    低減装置。
  2. 【請求項2】 回転機のベアリング電流を低減するもの
    において、回転機の金属筐体に導線を介して接続される
    フレームと、回転機の回転子軸に連結され軸受装置を介
    してフレームに取り付けられる回転軸と、回転軸に対し
    て垂直方向に回転軸に取り付けられ回転軸断面と同じ大
    きさの円板部分を切り取った1枚以上の回転円環と、回
    転軸に対して同心円状にフレームに取り付けられ回転軸
    の半径よりも大きな半径を持つ円柱部分を切り取った1
    柱以上の固定中空円柱とを備え、前記回転円環と前記固
    定中空円柱は、静電容量を生ずるように非接触となる位
    置に交互に配置したことを特徴とする回転機のベアリン
    グ電流低減装置。
  3. 【請求項3】 回転機のベアリング電流を低減するもの
    において、回転機の金属筐体に導線を介して接続される
    フレームと、回転機の回転子軸に連結され軸受装置を介
    してフレームに取り付けられる回転軸と、回転軸に対し
    て垂直方向に回転軸に取り付けられ回転軸断面と同じ大
    きさの円板部分を切り取った1枚以上の回転円環と、内
    輪部を回転軸に取付けた1個以上の軸受装置と、回転軸
    に対して垂直方向に前記軸受装置の外輪部に取り付けら
    れ前記軸受装置の外輪部と同じ大きさの円板部分を切り
    取った前記軸受と同数の固定円環とを備え、前記固定円
    環は隣接する固定円環間に導線を介して接続し、固定円
    環の1つは導線を介してフレームに固定し、前記回転円
    環と前記固定円環は、静電容量を生ずるように非接触と
    なる位置に交互に配置したことを特徴とする回転機のベ
    アリング電流低減装置。
  4. 【請求項4】 回転機のベアリング電流を低減するもの
    において、回転機の金属筐体に導線を介して接続される
    フレームと、回転機の回転子軸に連結され軸受装置を介
    してフレームに取り付けられる回転軸と、回転軸に対し
    て垂直方向に回転軸に取り付けられ回転軸断面と同じ大
    きさの円板部分を切り取った回転支持円環と、回転軸に
    対して同心円状に前記回転支持円環に取り付けた半径の
    異なる1個以上の回転円筒と、回転軸に対して垂直方向
    にフレームに取り付けられ回転軸の半径よりも大きな半
    径を持つ円板部分を切り取った固定支持円環と、回転軸
    に対して同心円状に前記固定支持円環に取り付けた半径
    の異なる1個以上の固定円筒を備え、前記固定円筒と前
    記回転円筒間は、静電容量を生ずるように非接触となる
    位置に交互に配置したことを特徴とする回転機のベアリ
    ング電流低減装置。
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