JP2000268958A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

Info

Publication number
JP2000268958A
JP2000268958A JP11066943A JP6694399A JP2000268958A JP 2000268958 A JP2000268958 A JP 2000268958A JP 11066943 A JP11066943 A JP 11066943A JP 6694399 A JP6694399 A JP 6694399A JP 2000268958 A JP2000268958 A JP 2000268958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
light emitting
hole transport
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11066943A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Saito
広明 斎藤
Keiichi Kohama
恵一 小浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11066943A priority Critical patent/JP2000268958A/ja
Publication of JP2000268958A publication Critical patent/JP2000268958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の有機EL素子よりも発光色の色選択の
自由度を高くする。 【解決手段】 発光層18に、正孔輸送層16から発光
層18へ輸送される正孔の一部の通過を阻止するととも
に、陰極層24側から注入された電子を陽極層12側へ
輸送する機能を併せ持たせ、かつ正孔輸送層16に、発
光層18により陰極層24側への移行が阻止された正孔
と発光層18から輸送された電子との再結合に伴って発
光する機能を併せ持たせる。正孔輸送層16においても
正孔と電子との再結合が起こりやすくなり、発光が効率
的に行われるようになる。その結果、発光層18と正孔
輸送層16とを発光させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光表示パネルなど
の発光素子に用いることができる有機EL素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ITO(インジウム・ティン
・オキサイド)などの透明導電材料からなる透明な陽極
層と、Mg−Agなどからなる陰極層との間に、有機質
の蛍光材料を含む発光層と、該発光層に正孔を輸送する
正孔輸送層とを含む有機層が備えられている有機EL素
子がある。こうした有機EL素子では、次の機構で発光
が起こることが知られている。
【0003】先ず、陽極層から正孔が有機層へ注入され
るとともに、陰極層から電子が有機層へ注入される。発
光層にそれぞれ移行してきた正孔及び電子はそこで再結
合して、エネルギーを放出する。発光層に含まれている
蛍光材料は、その放出されたエネルギーを吸収して励起
するが、直ちに励起状態から基底状態に戻る。このと
き、励起状態のエネルギー準位と基底状態のエネルギー
準位との差に相当するエネルギーが、光エネルギーとし
て放出される。こうして発光層の外部に放出された光エ
ネルギーは、陽極層を透過して、発光として視認され
る。
【0004】一般的には、透明基板上に陽極層が形成さ
れ、透明基板を通じて発光させている。また、多くの有
機EL素子では、陽極層から注入される正孔や陰極層か
ら注入される電子といったキャリアが発光層に輸送され
やすくなるように、陽極層と発光層との間に正孔を輸送
する正孔輸送層が設けられていたり、陰極層と発光層と
の間に電子を輸送する電子輸送層が設けられている。
【0005】こうした従来の有機EL素子には、発光層
に用いる材料よりHOMO準位が低い材料を電子輸送層
に用いることにより、正孔が発光層から電子輸送層へ移
行することを阻止しているものがある。この有機EL素
子では、発光層に正孔が(完全ではないにしても)閉じ
込められるため、その層で正孔と電子との衝突する確率
が高くなって、正孔と電子との再結合が起こりやすくな
る。その結果、発光層が効率的に発光することができ
る。
【0006】ところで、近年、光表示パネルなどにおい
ては、その画像を色彩豊かに表示できるように発光色の
色選択の自由度が高い有機EL素子が求められている。
こうした要望に対し、発光層に複数の種類の色素(ドー
パント発光材料)をドープすることにより、発光される
光の色を要求される色に調節することができる有機EL
素子が提案されている(特開平9−176630号公報
などで開示)。また、複数の層に異なる種類のドーパン
ト発光材料をそれぞれドープすることにより、複数の発
光層を形成して発光色の調節を行えるようにした有機E
L素子もある。
【0007】他方、発光層とは別に、電子の輸送と発光
の両方の機能を併せ持つ電子輸送層を形成することによ
り、発光色の調節を行えるようにした有機EL素子もあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一つの
層に複数の種類のドーパント発光材料がドープされた有
機EL素子においては、要求される色を出すために、各
ドーパント発光材料の濃度及び分散形態を最適化する必
要がある。しかし、それらの最適化の調整は必ずしも容
易であるとは言えず、発光色の色選択の自由度は用途に
よっては高くすることが難しいこともある。また、複数
の層に異なる種類のドーパント発光材料をそれぞれドー
プすることにより複数の発光層を形成したり、発光層と
電子輸送層とを発光させるものでも、有機EL素子の用
途によっては発光色の色選択の自由度を十分に高くする
ことができないこともある。
【0009】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、従来の有機EL素子に対し、さらに発光色の色選
択の自由度を容易に高くすることができる有機EL素子
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に記載の有機EL素子は、陽極層と陰極層
の間に、発光層と該発光層に正孔を輸送する正孔輸送層
とを含む有機層が備えられている有機EL素子におい
て、該発光層は、該正孔輸送層から該発光層へ輸送され
る正孔の一部の通過を阻止するとともに、該陰極層側か
ら注入された電子を該陽極層側へ輸送する機能を併せ持
ち、かつ該正孔輸送層は、該発光層により陰極層側への
移行が阻止された正孔と該発光層から輸送された電子と
の再結合に伴って発光する機能を併せ持つことを特徴と
する。
【0011】上記課題を解決する本発明の請求項2に記
載の有機EL素子は、請求項1に記載の有機EL素子に
おいて、前記正孔輸送層が、正孔を輸送することが可能
な有機材料にドーパント発光材料がドープされて形成さ
れていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】(作用・効果)本発明の有機EL
素子では、発光層が、正孔輸送層から発光層へ輸送され
る正孔の一部の通過を阻止するとともに、陰極層側から
注入された電子を該陽極層側へ輸送する機能を併せ持つ
ため、発光層の通過を阻止された正孔が正孔輸送層に閉
じこめられる。その結果、正孔輸送層において、正孔と
電子との衝突する確率が高くなり、正孔と電子との再結
合が起こりやすくなる。このとき、阻止されずに発光層
に移行してきた正孔の残部は、陰極層側から発光層に輸
送されてきた電子と再結合する。その結果、発光層で発
光が起こる。
【0013】一方、正孔輸送層は、発光層の通過が阻止
された正孔と発光層から輸送された電子との再結合に伴
って発光する機能を併せ持つため、前述のように正孔と
電子との再結合が起こりやすくなることにより、発光が
効率的に行われるようになる。このように本発明の有機
EL素子では、発光層と正孔輸送層とを同時に発光させ
ることができる。それゆえ、一つの層に複数の種類のド
ーパント発光材料をドープしたり、複数の層に異なる種
類のドーパント発光材料をドープしなくとも、発光層と
正孔輸送層との複数の層からそれぞれ異なる色の光を発
光させることができる。また、一つの層に複数の種類の
ドーパント発光材料をドープしたり、複数の層に異なる
種類のドーパント発光材料をドープして複数の色の光を
発光することができる有機EL素子に適用すれば、それ
ら複数の発光色に正孔輸送層による発光色を加えること
ができ、発光色の種類をさらに増やすことができる。
【0014】従って、本発明の有機EL素子によれば、
従来の有機EL素子に対し、さらに発光色の色選択の自
由度を容易に高くすることができる。それゆえ、本発明
の有機EL素子を表示パネルに用いれば、その画像をさ
らに容易に色彩豊かに表示することができるようにな
る。 (実施の形態)本発明の有機EL素子では、その積層形
態は発光層の他は特に限定されるものではない。例え
ば、透明基板上に、ITOなどの透明導電材料からなる
透明な陽極層と、前記正孔輸送層と、前記発光層と、M
g−Agなどからなる陰極層とが順に形成された構造形
態であってもよいし、その逆の順に形成された構造形態
であってもよい。なお、後者の構造形態では、基板に透
明であるものを用いる必要はない。
【0015】陽極層については、その材料で特に限定さ
れるものではないが、仕事関数の高い材料を用いること
が好ましい。仕事関数の高い材料からなる陽極層は、正
孔を放出しやすく、正孔を効率よく注入することができ
る。こうした陽極層の透明な透明導電材料としては、I
TOの他にAZO(Al添加ZnO)やSnO2なども
挙げることができる。ここに挙げたいずれの材料からな
る層も、スパッタリング法などの蒸着法によって形成す
ることができる。
【0016】陰極層についても、その材料で特に限定さ
れるものではないが、仕事関数の低い材料を用いること
が好ましい。仕事関数の低い材料からなる陰極層は、電
子を放出しやすく、電子を効率よく注入することができ
る。こうした陰極層の材料としては、Mg−Agの他に
Alなどの導電性金属を挙げることができる。ここに挙
げたいずれの材料からなる層も、スパッタリング法など
の蒸着法によって形成することができる。
【0017】ここで、陽極層をMg−Agなどの不透明
な導電材料から形成したり、陰極層をITOなどの透明
導電材料から形成してもよいが、現状の材料では仕事関
数の点からあまり好ましいとは言えない。一方、発光層
は、キャリア注入性が高く、HOMO準位が正孔輸送層
を形成する材料よりも低い材料から形成することが好ま
しい。また、正孔輸送層は、正孔移動度が高くかつイオ
ン化ポテンシャルの低い材料から形成することが好まし
い。例えば陽極層がITOよりなる場合、発光層及び正
孔輸送層には、仕事関数から4.9eV以上のHOMO
準位を有する材料を用いることが好ましい。
【0018】特に、正孔輸送層には、HOMO準位が
4.9〜5.5eV程度の材料を用いることが好まし
い。こうした材料として、化学式1に示すトリフェニル
ジアミン四量体(5.1eV)などの第3級アミン誘導
体や、MTDATA(5.0eV)、ヒドラゾン、ポリ
ビニルカルバゾール(PVCz;5.4eV)などを挙
げることができる。また、バンドギャップが2.5〜
3.5eVの材料を用いれば、短波長域(〜500n
m)の光(青色域の光)を発光させることができるよう
になる。さらに、正孔輸送層は、発光層が効率よく発光
できるように、電子のブロック層となることが好まし
い。
【0019】
【化1】
【0020】また、発光層には、HOMO準位が5.8
〜6.5eV程度の材料を用いることが好ましい。ま
た、バンドギャップが2.5〜3.5eVの材料を用い
れば、短波長域(〜500nm)の光(青色域の光)を
発光させることができるようになる。こうした材料とし
て、化学式2に示すジスチリルビフェニル誘導体(DP
VBi)や、化学式3に示すアルミニウムオキシン誘導
体などを挙げることができる。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】ところで、発光層及び正孔輸送層の層厚に
ついては特に限定されるものではないが、それらの層厚
によって発光色が大きく変わってくるような場合には、
それぞれ適切に層厚を選択することが好ましい。他方、
陽極層と正孔輸送層との間に正孔注入層を介装するとと
もに、陰極層となる電極層と発光層との間に電子注入層
や電子輸送層などを介装することが好ましい。これらの
層も、陽極層及び陰極層に対して仕事関数の整合性をと
りやすくなるように、それぞれ適切なHOMO準位及び
LUMO準位を有する材料を用いることが好ましい。
【0024】正孔注入層は、銅フタロシアニン(CuP
c)や、VOX、MOX、RuOXなどから形成すること
ができる。例えば陽極層がITOよりなる場合、正孔注
入層にも、仕事関数から4.9eV以上のHOMO準位
を有する材料を用いることが好ましい。こうした正孔注
入層の材料として、例えば銅フタロシアニン(5.0e
V)を挙げることができる。
【0025】一方、電子注入層はLiFなどから形成す
ることができる。また、電子輸送層の材料としては、キ
ャリア注入性が高く、第2発光層のバンドギャップと同
等もしくは0.5〜1.0eV程度狭い材料を用いるこ
とが好ましい。こうした材料としては、化学式4に示す
アルミニウムキノリノール錯体(Alq3)を挙げるこ
とができる。
【0026】
【化4】
【0027】以上の有機層を構成する各層は、真空蒸着
法、ラングミュアブロジェット蒸着法、有機分子線エピ
タキシ法など公知の蒸着方法を用いてそれぞれ形成する
ことができる。また、発光層及び正孔輸送層の他の各層
の厚さについても特に限定されるものではなく、所望の
発光特性が得られるようにそれぞれ適切に選択する。本
発明の有機EL素子においては、前記正孔輸送層が、正
孔を輸送することが可能な有機材料にドーパント発光材
料がドープされて形成されていることが好ましい。こう
した有機EL素子においては、前記正孔輸送層が、正孔
を輸送する有機材料にドーパント発光材料がドープされ
て形成されているため、ドーパント発光材料を選択する
だけで容易に正孔輸送層の発光色を選択することができ
るようになる。また、ドーパント発光材料の濃度を適切
に調節することにより、正孔輸送層の発光色の発光輝度
などを調整することができる。
【0028】従って、この有機EL素子によれば、さら
に発光色の色選択の自由度を容易に高くすることができ
る。それゆえ、本有機EL素子を表示パネルに用いれ
ば、その画像をさらに容易に色彩豊かに表示することが
できるようになる。本有機EL素子では、正孔を輸送す
る有機材料としてトリフェニルジアミン誘導体を用いる
ことができる。また、前記ドーパント発光材料として、
例えばDCMや、ナイルレッド(化学式5)、ペリレン
誘導体を用いれば、正孔輸送層で赤色光を発光させるこ
とができるようになる。例えば、発光層をDPVBiか
ら形成する場合、前記赤色光ドーパントには、発光層か
ら発せられる青色光を消光しないように、主にELピー
ク波長の580〜650nm程度の赤色光を発するもの
を適切な濃度で含有させるとともに、正孔輸送層の層厚
を適切に選択することが好ましい。
【0029】
【化5】
【0030】なお、有機材料にドーパント発光材料をド
ープする方法については特に限定されるものではなく、
公知のドープ方法を用いることができる。ところで、本
発明の有機EL素子においては、正孔輸送層から発光層
に移行した正孔が全て発光層で再結合するとは限らず、
その一部は電子輸送層に移行する可能性もある。先に例
示したDPVBiよりなる発光層では、正孔輸送層から
移行してきた正孔の一部が電子輸送層へ移行していく。
【0031】ここで、電子輸送層が、発光層から移行し
てきた正孔と、陰極層側から輸送された電子との再結合
に伴って発光する機能をもてば、発光層、正孔輸送層及
び電子輸送層の3種類の層を発光させることができる。
こうした電子輸送層としてはは、キャリア注入性が高
く、第2発光層のバンドギャップと同等もしくは0.5
〜1.0eV程度狭いものが挙げられる。
【0032】また、発せられる光のスペクトルのピーク
(ELピーク)が500〜580nm程度の材料から形
成された電子輸送層は、発光層から移行してきた正孔と
陰極層側から輸送された電子との再結合に伴って緑色光
を発光させることができる。こうした材料としてAlq
3を挙げることができる。この緑色光を発光する電子輸
送層を、上述したように赤色光を発光する正孔輸送層と
青色光を発光する発光層と組み合わせれば、青色光、赤
色光及び緑色光を混合させて白色光を発光させることが
できる。こうした有機EL素子は、例えば、トリフェニ
ルジアミン誘導体にナイルレッドがドープされてなる正
孔輸送層と、DPVBiよりなる発光層と、Alq3
りなる電子輸送層とから構成することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例の有機EL素子は、図1に示すよ
うに、透明ガラスよりなる透明基板10(板厚1.1m
m)上に形成され、ITOよりなる陽極層12(層厚1
50nm)と、CuPcよりなる正孔注入層14(層厚
30nm)と、トリフェニルジアミン誘導体(TEL0
22)よりなる正孔輸送層16(層厚50nm)と、D
PVBiよりなる発光層18(層厚30nm)と、Al
3よりなる電子輸送層20(層厚30nm)と、フッ
化リチウムよりなる電子注入層22(層厚0.5nm)
と、アルミニウムよりなる陰極層24(層厚150n
m)とから構成されるものである。この有機EL素子
は、次のようにして作製した。 [有機EL素子の作製]先ず、1.1mmの厚さをもつ
透明基板10を用意し、その透明基板10上にスパッタ
リング法により陽極層12を形成した。続いて、陽極層
12の表面上に、正孔注入層14、正孔輸送層16、発
光層18、電子輸送層20、電子注入層22及び陰極層
24を順にそれぞれ真空蒸着法により形成した。 (実施例2)本実施例の有機EL素子は、正孔輸送層1
6(層厚30nm)として、DPVBiの界面から10
nmのTEL022にナイルレッドをドープして形成し
た他は、実施例1の有機EL素子と同様にして形成し
た。 (比較例1)本比較例の有機EL素子は、DPVBiよ
りなる発光層18を形成しなかった他は実施例1の有機
EL素子と同様にして形成した。なお、この有機EL素
子では、電子輸送層20のみで発光が起こる。 [各有機EL素子の評価]上記実施例及び比較例の有機
EL素子について、室温の環境下で所定の電流密度で駆
動させた。その結果、いずれの有機EL素子において
も、例えば光表示パネルの発光素子として利用できるの
に十分な発光輝度、発光効率及び外部量子効率が得られ
た。
【0034】また、各有機EL素子から発せられた光の
400〜800nmの波長領域におけるスペクトル強度
を分光器を用いてそれぞれ測定した。実施例1及び実施
例2の有機EL素子の測定結果を図2及び図3にそれぞ
れ示す。また、各有機EL素子から発せられた光のスペ
クトル強度が最大となる波長の大きさ(ELピーク波
長)を表1にそれぞれ示す。
【0035】一方、各有機EL素子から発せられた発光
スペクトルの特性をマルチ分光光度計を用いて測定し
た。その測定結果を、XYZ表色系色度図CIE(19
31)に照らし合わせた結果、表1に示される色座標を
得た。
【0036】
【表1】 先ず、実施例1及び比較例1の有機EL素子の各ELピ
ーク波長及び色座標を比較すれば、本発明により緑色か
ら青緑色に発光色を変えることができることがわかる。
また、実施例1及び実施例2の有機EL素子の各ELピ
ーク波長及び色座標を比較すれば、さらに青緑色から
(緑みの)白色に発光色を変えることができることがわ
かる。
【0037】さらに、実施例1及び実施例2の有機EL
素子について、図2及び図3に示した光のスペクトル強
度の変化より、各有機層を構成している層から発光され
ている光のスペクトル強度にそれぞれ分解した。これ
は、あらかじめ有機層を構成している層を単独で発光さ
せたときに得られる発光スペクトルの変化をそれぞれ把
握しておき、実際に測定された光のスペクトル強度の変
化に照らし合わせて、各層の発光の寄与の度合いを計算
により推定することができる。
【0038】こうして推定された分解結果を図2及び図
3にそれぞれ重ねて示した。なお、図2及び図3では、
実際に測定されたELピーク波長におけるスペクトル強
度を基準(1)として分解結果をそれぞれ示した。実施
例1の有機EL素子については、図2より、正孔輸送層
16(TEL022)、発光層18(DPVBi)及び
電子輸送層20(Alq3)の最大ピーク強度はそれぞ
れ0.60、0.72及び0.35となっており、その
比率は4:5:2程度であることがわかる。
【0039】一方、実施例2の有機EL素子について
は、図3より、正孔輸送層16の最大ピーク強度は、T
EL022で0.07、ナイルレッドで0.10となっ
ていることがわかる。また、発光層18(DPVBi)
及び電子輸送層20(Alq3)の最大ピーク強度はそ
れぞれ、0.20及び0.90となっていることもわか
る。従って、それらの比率は、TEL022:ナイルレ
ッド:DPVBi:Alq3=1:1:2:9程度であ
ることがわかる。
【0040】このように測定された光のスペクトル強度
の分解結果から、正孔輸送層16にドーパント発光材料
をドープすることにより、全体の発光色を変化させるこ
とができることがわかる。また、発光層18と電子輸送
層20との発光の度合いも変化していることがわかる。
この原因は明らかになっていないが、発光層20の膜厚
が正孔の移動性及びブロック性に大きく影響しているこ
とが考えられる。
【0041】さらに、実施例2の有機EL素子におい
て、正孔輸送層16にドープされるドーパント発光材料
の種類及びその濃度を適切に選択することにより、白色
光を発光することができると考えられる。以上のように
本実施例の有機EL素子では、一つの層に複数の種類の
ドーパント発光材料をドープしたり、複数の層に異なる
種類のドーパント発光材料をドープしなくとも発光層と
正孔輸送層とを同時に発光させることができる。すなわ
ち、本実施例の有機EL素子によれば、比較例の有機E
L素子に対し、さらに発光色の色選択の自由度を容易に
高くすることができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の有機EL素子を概略的に示す縦断
面図である。
【図2】 実施例1において、有機EL素子で発光した
光について、波長とスペクトル強度との関係を示すグラ
フである。
【図3】 実施例2において、有機EL素子で発光した
光について、波長とスペクトル強度との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
10:透明基板 12:陽極層 14:正孔注入層 1
6:正孔輸送層 18:発光層 20:電子輸送層 2
2:電子注入層 24:陰極層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極層と陰極層の間に、発光層と該発光
    層に正孔を輸送する正孔輸送層とを含む有機層が備えら
    れている有機EL素子において、 該発光層は、該正孔輸送層から該発光層へ輸送される正
    孔の一部の通過を阻止するとともに、該陰極層側から注
    入された電子を該陽極層側へ輸送する機能を併せ持ち、
    かつ該正孔輸送層は、該発光層により陰極層側への移行
    が阻止された正孔と該発光層から輸送された電子との再
    結合に伴って発光する機能を併せ持つことを特徴とする
    有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記正孔輸送層は、正孔を輸送すること
    が可能な有機材料にドーパント発光材料がドープされて
    形成されている請求項1に記載の有機EL素子。
JP11066943A 1999-03-12 1999-03-12 有機el素子 Pending JP2000268958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11066943A JP2000268958A (ja) 1999-03-12 1999-03-12 有機el素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11066943A JP2000268958A (ja) 1999-03-12 1999-03-12 有機el素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000268958A true JP2000268958A (ja) 2000-09-29

Family

ID=13330608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11066943A Pending JP2000268958A (ja) 1999-03-12 1999-03-12 有機el素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000268958A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004103532A (ja) * 2002-07-18 2004-04-02 Tohoku Pioneer Corp 有機発光表示装置
JP2006128636A (ja) * 2004-09-29 2006-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
JP2008198801A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Fujifilm Corp 有機発光素子
US7803468B2 (en) 2004-09-29 2010-09-28 Fujifilm Corporation Organic electroluminescent element

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004103532A (ja) * 2002-07-18 2004-04-02 Tohoku Pioneer Corp 有機発光表示装置
US7745987B2 (en) 2002-07-18 2010-06-29 Tohoku Pioneer Corporation Organic electroluminescent display device
JP2006128636A (ja) * 2004-09-29 2006-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
US7803468B2 (en) 2004-09-29 2010-09-28 Fujifilm Corporation Organic electroluminescent element
JP2008198801A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Fujifilm Corp 有機発光素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100592747B1 (ko) 유기 전계 발광 디바이스 및 그 제조 방법
JP3589960B2 (ja) 有機el素子
US7563519B2 (en) OLEDs doped with phosphorescent compounds
US6627333B2 (en) White organic light-emitting devices with improved efficiency
TWI487157B (zh) 具有藍光發射層之白光有機發光二極體
JP4329305B2 (ja) 有機el素子
KR101457576B1 (ko) 안정한 백색 발광 οled 디바이스
KR101595433B1 (ko) 효율적인 전자 전달을 가진 탠덤 백색 oled
EP1298737A2 (en) Organic light emitting diode having an interface layer between the hole-transporting layer and the light-emitting layer
KR20120088714A (ko) 유기 전계 발광 소자
KR20070067769A (ko) 백색 유기 전계 발광소자
JPH09199276A (ja) 有機薄膜el素子
JP2010537426A (ja) 高性能広帯域oled装置
JP3744103B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3555736B2 (ja) 有機電界発光素子
JPH10223372A (ja) 有機電界発光素子およびこれを用いたフラットパネルディスプレイ
JP2004152700A (ja) 有機発光素子およびその製造方法
KR100594775B1 (ko) 백색 유기발광소자
KR20070101516A (ko) 백색 유기 전계 발광 소자 및 그 제조방법
JP2000268958A (ja) 有機el素子
KR100760901B1 (ko) 백색 유기 전계 발광 소자
JP2000268959A (ja) 有機el素子の発光色可変方法
TW201316583A (zh) 白光有機發光二極體構造
JP2006066461A (ja) 有機el素子
KR20080059777A (ko) 유기발광다이오드소자 및 이의 제조 방법