JP2000268373A - ピックアップヘッドの駆動制御装置 - Google Patents

ピックアップヘッドの駆動制御装置

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JP2000268373A
JP2000268373A JP11067381A JP6738199A JP2000268373A JP 2000268373 A JP2000268373 A JP 2000268373A JP 11067381 A JP11067381 A JP 11067381A JP 6738199 A JP6738199 A JP 6738199A JP 2000268373 A JP2000268373 A JP 2000268373A
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pickup head
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JP11067381A
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Makoto Asakura
誠 朝倉
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速・高密度化が要求される情報記録装置に
おいて、従来制御では困難であった制御性能を達成でき
る制御器を提供する。 【解決手段】 制御器は、第2共振特性の逆システムを
直列接続し、状態観測器で外乱/速度を推定して補償す
る様に構成したもので、周波数特性では、低周波の位相
が−90度以上で、制御対象副共振点近傍で位相が0度
と交差し、第2共振点手前で急激に位相が+90゜以上
進む特性となるように取った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録装置(光デ
ィスク)・光磁気記録装置(MO)等の情報記録装置
(ディスクドライブ)における、信号ヘッドのトラッキ
ング/フォーカスサーボ等制御装置に関する。また、ヘ
ッド位置を微調整できる機能を備えた2段サーボ型の磁
気記録装置(HDD)にも関する。
【0002】
【従来の技術】情報記録装置は、ディスク記録密度の高
密度化に伴ない、信号抽出手段であるピックアップヘッ
ドをより高速・高精度に制御する必要が生じている。
【0003】CD/DVD等の光ディスクや、MOの様
な光磁気ディスクでは、ディスク記録層にレーザ光を集
光させるため、トラッキング方向とフォーカス方向とに
対物レンズを駆動できる光ピックアップヘッドを備えて
いて、ほぼ独立にトラッキングサーボとフォーカスサー
ボがなされる。また、この光学ヘッドは、ポジショナや
キャリジ等と呼ばれるトラック位置粗送り系上に保持さ
れ、トラッキングのための粗位置決めがなされている。
【0004】ただし、フォーカス/精トラッキングの特
性は、レンズ保持バネ特性による低周波共振特性と、駆
動部支持部材、もしくは駆動部材が剛体として扱えない
ための高周波域に第2の共振特性を持つ。
【0005】図12に、光ピックアップのトラッキング
方向の周波数特性を示す。フォーカス方向の周波数特性
は帯域が異なるが、特性としてはほぼ同じなので省略す
る。フォーカス/トラッキング誤差検出は、戻り光をそ
れぞれの検出系に分離・導入し、それぞれの連続時間信
号として検出する。実際には、フォーカス動作によるト
ラッキング方向のクロスアクションによる干渉がある
が、無視できる程度に小さいので、それぞれ独立系と見
なして良い。 (制御器設計)一巡伝達特性において、ディスク回転周
波数までの低周波は、ディスク偏心が必要精度となる偏
心抑圧仕様以上となるように、一巡ゲインを持ち上げ
て、それ以降はほぼ−40dB/decadeでゲイン
降下させ、ゲイン交差周波数近傍で位相余裕を稼ぐよう
な位相補償を行なう。また、ゲイン交差周波数は制御帯
域を決めるので、第2共振周波数の特性影響が無視でき
る範囲で、できるだけ高くなるように複数段の位相進み
遅れ補償器に係る全体の増幅率を決めている。 (設計限界)高速・高精度の制御要求からは全体の増幅
率を上げ、ゲイン交差周波数を高くすることが望ましい
が、全体の増幅率を上げると、ピックアップヘッド駆動
系の第2共振周波数の特性影響が無視できなくなる。
【0006】つまり従来では、第2共振周波数より十分
手前にゲイン交差周波数が来る様にできたが、ゲイン交
差周波数が高域に移動すると、第2共振点のゲインが一
巡ゲイン0の近傍に位置するようになり、第2共振点の
駆動系固体差によるばらつきで、場合によっては不安定
発振を引き起こす。
【0007】ピックアップヘッド駆動系の第2共振周波
数をメカ的に上げれれば、相対的に第2共振点影響は無
視できるようになるが、これは実際にはかなり厳しく、
事実上は第2共振点があるために、ゲイン交差周波数は
あまり大きくできないと言うのがピックアップヘッド駆
動系の限界となっている。 (従来対策)ただし学会等では、この対策としてピック
アップヘッド駆動系にノッチフィルタを直列接続して制
御ループを構成する提案がなされている。ノッチフィル
タとは急峻なバンドストップフィルタで、第2共振周波
数にその帯域を設定すると、第2共振点のゲインが一巡
ゲイン0の近傍に位置することがなくなり、フィードバ
ックループが安定に保たれるというものである。
【0008】しかし、第2共振点は駆動系固体差により
ばらつくので、それを考慮してQ値をあまり大きく設定
できないため、ノッチフィルタ影響で帯域前方の位相遅
れが大きくなる。
【0009】この場合に問題となるのが、図12の2k
Hz近傍に見られる副共振と呼ばれるゲイン・位相の乱
れ(極・零相殺点)である。
【0010】従来制御設計で、ゲイン交差周波数近傍で
位相余裕を稼ぐような位相進み補償を行なっていた理由
は、副共振による位相乱れがあっても、十分に安定性を
確保できるようにする意図もあったが、ノッチフィルタ
直列補償の影響で、位相余裕が稼げなくなると、ロバス
ト安定性が低下し、固体の副共振特性によっては不安定
発振するものも出てくる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】高密度化・高速化の要
求仕様アップに、駆動系改善が追いつかないため、従来
の一巡伝達特性に基づく位相進み遅れ補償器の設計が困
難になりつつある。つまり、本発明が解決しようとする
課題は、第2共振近傍まで制御帯域(ゲイン交差周波
数)を上げることが可能で、固体差バラツキが大きくと
もロバストな制御設計方法の提案にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】ゲイン交差周波数を上げ
ても、第2共振点を無視できる様にできれば先の課題は
解決する。
【0013】そこで、制御対象(ピックアップ駆動系)
は、主共振系のみを持つピックアップ駆動系と、第2共
振点が共振周波数の2次特性との直列接合からなると捉
え、後者の逆システム補償器を直列接続で、見かけ上、
2次共振のない主共振系のみを持つピックアップ駆動系
とする方法を提案する。
【0014】具体的には、制御器内に第2共振周波数近
傍手前で急激に位相が180゜進む変化を与える補償器
を組込む。実際の制御器特性では、演算無駄時間等の影
響で高域ほど急激に位相が遅れる現象が現われるため、
進み角180゜とはならないが、少なくとも90゜以上
第2共振周波数近傍手前で急激に位相が進む変化を与え
る補償器となる。
【0015】また、制御器が汎用の制御ICの場合は、
この補償器を組み込むことができないので、第2共振特
性の逆応答を示す第2共振相殺フィルタをピックアップ
ヘッド駆動系に直列接続して、これを汎用制御ICで制
御することで、見かけ上等価となる制御ループ構成を実
現する。
【0016】尚、第2共振相殺フィルタは、ピックアッ
プヘッド駆動系の入力段であっても、フォーカスエラー
又はトラッキングエラー検出回路(光学式位置偏差検出
系)の後段であっても良い。
【0017】また、固体差による副共振や第2共振周波
数のバラツキから考えると、従来のようなゲイン交差周
波数近傍での位相進み補償ではなく、位相余裕を90゜
以上保てるロバスト制御系が望ましい。
【0018】この意味から、前者の第2共振点相殺補償
器の他に、制御器位相差が正転した後は+90゜位相差
を保つ様な制御器設計をした。実際には制御器の演算無
駄時間により高域ほど位相遅れが大きくなるので、+9
0゜位相差(90゜進み)は保てず徐々に低下する事に
なるが、少なくとも第2共振点の2倍程度までは、正の
位相差を保つ制御器とする。
【0019】具体的には、前記第2共振相殺フィルタへ
の入力情報と光学式位置偏差検出系の出力偏差情報とを
入力として、非検出量である仮想外乱・出力偏差速度及
び制御対象出力偏差を状態変数とする対象モデル状態変
数を推定するオブザーバと、このオブザーバにより推定
された状態変数を基に仮想外乱の相殺や閉ループの応答
特性調整を行なうレギュレータとから構成する。
【0020】第2共振と完全に一致した逆システムを直
列すると、直列補償を含めたピックアップヘッド駆動系
は、見かけ上、第2共振のない単純な主共振のみの入出
力特性となり、容易に高速・高精度の制御系を構成でき
ることになる。しかし、実際には第2共振の固体差バラ
ツキは大きく、完全に一致した逆システムは実現できな
い。例えば、第2共振点が逆システム直列補償器の設定
周波数より低い場合には、第2共振のないノミナル特性
より、第2共振点で位相が急激に遅れ、逆システム設定
周波数で位相が回復することになる。つまり、ほとんど
逆システム直列補償器の効果はない状態となってしま
う。
【0021】しかし、第2共振の分散最小周波数を基に
逆システム補償した場合は、第2共振のないノミナル特
性よりも、位相が進む事はあっても遅れることがない。
つまり、第2共振が残っていて、一巡ゲインが0クロス
することがあっても、位相余裕は十分に保たれるため不
安定にはならず、直列補償器の効果が現われる。これ
が、第2共振周波数近傍手前で少なくとも90゜以上急
激に位相が進む変化を与える補償器の作用であり、第2
共振相殺フィルタの作用である。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1実施例]本発明第1項の詳
細を、光ディスクドライブのトラッキングサーボに適用
した第1実施例を基に説明する。また、本発明の特徴を
表す制御器周波数特性を図1に示す。
【0023】(全体構成)本発明はデジタル制御器の設
計方法に関するものであるため、全体の制御構成は従来
と同一である。以下にその全体構成を簡単に説明する。
【0024】図2は光ディスクドライブのトラッキング
サーボ系の全体構成である。対物レンズアクチュエータ
は、実際には対物レンズをフォーカス方向(上下)とト
ラッキング方向(前後)の2自由度動作を独立に駆動で
きる構成であるが、図ではトラック方向のみとして記載
している。
【0025】光ピックアップのトラッキングサーボ系か
ら見ると、検出量はトラッキングエラー信号(TE)
で、本来の光ピックアップのトラック方向位置の他に、
ポジショナ(光ヘッド取付け位置の粗送り系)の振動
や、ディスクとスピンドルとの取付け偏心等によりディ
スク回転に伴ない発生する目標トラック位置の偏心振動
等を外乱として含んだ情報になる。トラッキングサーボ
はこのトラッキングエラー信号(TE)をフィードバッ
クし、TE=0とするようにレギュレーションしてい
る。
【0026】トラック誤差検出系は、ディスク記録層か
らの戻り光をプッシュプル検出法等に基づいて電気信号
に変換する公知の光学式検出系であって、例えばランド
部回折のプッシュプル検出系と2分割光電センサによ
り、トラック中心と対物レンズとのトラック方向ずれ量
を検出する。
【0027】対物レンズアクチュエータ構成には、板ば
ね式・摺動駆動式等の公知の構成があるが、基本的に
は、励磁コイルにトラック駆動指令(UT)に相当する
電流を流して対物レンズをトラック方向に移動させ、駆
動指令を与えない場合は基準位置にバランスして戻るよ
うに構成されている。ただし、摺動駆動式対物レンズア
クチュエータの場合は、対物レンズの並進動作ではなく
摺動軸回りの微小回転運動であるが、ほとんど並進運動
とみなしてかまわない。
【0028】トラッキングエラー信号TEは、DSPチ
ップが持つA/Dでデジタル信号として読み込まれ、デ
ジタル制御器で演算処理された後、A/Dでアナログ信
号に変換される。このアナログ信号が対物レンズアクチ
ュエータのトラック駆動指令UTとして、対物レンズを
トラック方向に並進移動させる。
【0029】このDSPチップの制御対象(対物レンズ
アクチュエータのトラック駆動特性)は、図12のよう
になる。
【0030】(デジタル制御器)本発明の特徴は、デジ
タル制御器に組み込まれた第2共振補償器(第2共振特
性の逆システム補償器)にある。
【0031】比較のため、まず従来制御器設計で帯域を
上げた場合を簡単に説明する。図13に従来制御器設計
で帯域を上げた場合の制御器特性を、図14にトラッキ
ングサーボ系一巡伝達特性を示す。第2共振点がなけれ
ば当然安定であるが、図14から一巡ゲインが第2共振
点で0クロスし、その際の位相余裕がなく不安定系とな
っていることがわかる。
【0032】一方、本発明は、第2共振特性の逆システ
ム補償器を内包することで第2共振点影響を軽減し、図
3の様な安定な一巡特性になる。
【0033】以下にその第2共振補償器の実現方法を記
す。第2共振の特性は2次のローパス特性で記述できる
ので、制御処理周期T:10μs、ω:第2共振角周波
数を使って、次式の離散式で表せる。
【数1】 (式1)より、逆システム補償器はこの逆関数となるの
で、次式の2次FIRフィルタで記述される。
【数2】 ここで問題なのは対物レンズアクチュエータの固体差
で、第2共振点の共振周波数及び減衰係数ともにばらつ
いている。これに、同一の逆システム補償を使う事にな
るので、パラメータ算出に使う第2共振特性は、検品合
格した対物レンズアクチュエータの最低周波数のもの
で、減衰係数は実際の第2共振より数倍大きい値のもの
を使うようにする。
【0034】この逆システム補償器を、図13と同一の
制御器に組込んだ制御器特性が図1で、このトラッキン
グサーボ系一巡伝達特性が図3になる。図3から第2共
振点でのゲイン0クロスもなく、位相差もかなり余裕が
あることが分かり、安定な制御系と確認できる。また、
図1から、第1請求項記載の第2共振周波数近傍手前で
約120゜の急激な位相進み変化を持つ特徴が確認でき
る。
【0035】[第2実施例]次に光ディスクドライブの
フォーカスサーボに本発明第1項を適用した実施例を説
明する。
【0036】(全体構成)図4は光ディスクドライブの
フォーカスサーボ系の全体構成を示す図であるが、基本
的には第1実施例の図2と同じで、トラック誤差検出系
がフォーカス誤差検出系がトラッキングエラー信号(T
E)がフォーカスエラー信号(FE)に、トラック駆動
指令(UT)がフォーカス駆動指令(UF)に、ディス
ク偏心振動等の外乱がディスク上下振動に変わっている
だけである。
【0037】フォーカス誤差検出系も、ディスク記録層
からの戻り光をナイフエッジ検出法や非点収差検出法に
基づいて電気信号に変換する公知の光学式検出系であっ
て、例えば、非点収差検出光学系と4分割光電センサ及
び加減算アンプの構成で、記録層面でのスポット合焦位
置からのフォーカス方向ズレ量[フォーカシングエラー
信号(FE)]を電圧信号として検出する。
【0038】(デジタル制御器)デジタル制御器も、第
1実施例と同様で、第2共振補償器(第2共振特性の逆
システム補償器)が組込んである。図や説明は省略する
が、式(2)FIRの設定帯域を変えただけで、全く同
様の制御器である。
【0039】制御器周波数特性の特徴では、トラック方
向特性より第2共振帯域が低いため、サンプリング遅れ
影響が少なく、第2共振周波数近傍手前でトラッキング
制御器よりも進み量が大きい約150゜程度の急激な位
相進み変化をもっている。
【0040】[第3実施例]次に光ディスクドライブの
トラッキングサーボに、本発明第2項を適用した第3実
施例を説明する。これも基本的には第1実施例と同様で
あるが、第2共振相殺フィルタと呼ぶアナログ処理フィ
ルタを制御ループ内に配置している点が異なる。(第1
実施例は制御器内に暗に第2共振相殺フィルタを含む) (全体構成)図5が光ディスクドライブのトラッキング
サーボ系の全体構成を示す第3実施例の図である。第1
実施例の図2とは、DSPが制御ICとなり、制御IC
と対物レンズアクチュエータとの間に、第2共振相殺フ
ィルタと呼ぶアナログ処理回路がある点が異なるだけ
で、対物レンズアクチュエータやトラック誤差検出系は
同一である。
【0041】第1実施例との違いである制御ICと第2
共振相殺フィルタとについて説明する。
【0042】(制御IC)制御ICは、本来、DVD用
制御チップ等の名称で市販されているICのことで、対
物レンズアクチュエータ制御部以外に、光学検出系の一
部をなす自動増幅調整機能部や、記録信号の符号化再生
処理機能部等のマルチ機能を持つが、ここでは、対物レ
ンズアクチュエータのトラックサーボ用処理のみの機能
部を指す。
【0043】すなわち、補償したい制御特性を設定情報
として与えることで、DSP処理よりも高速な制御周期
の従来制御器を実現できる。ただし、この場合、制御処
理は決められた次数の位相進み遅れのみの調整となり、
本発明の第2共振補償器を組み込むことができない。
【0044】(第2共振相殺フィルタ)そこで、制御I
Cの本来はトラック駆動指令(UT)に当たる出力を、
第2共振相殺フィルタの入力として接続し、第2共振相
殺フィルタのアナログ出力をトラック駆動指令(UT)
として対物レンズアクチュエータに与えている。
【0045】第2共振の特性を連続時間表現すると次式
となる。
【数3】 しかし、この逆システムの安定実現は不可能であるの
で、より高域の2次ローパスフィルタと直列した次式
で、第2共振相殺フィルタを記述する。
【数4】 尚、第2共振周波数ωは検品合格した対物レンズアクチ
ュエータの最低周波数のものとし、減衰係数ζは実際の
第2共振より数倍大きい値のものとした。また、ローパ
スフィルタ帯域ωcは、その位相特性が第2共振周波数
に影響しない様にその十倍のωc=10ωとし、バター
ワース(減衰係数η=0.707)タイプと設定した。
ただしこのローパス帯域や減衰は適当に設定してよい。
【0046】図6に、第2共振相殺フィルタの構成ブロ
ック図を示す。本回路はOPアンプ4個から構成される
フィルタで、うち二つを積分器として使用している。
【0047】図で、k=10;ω,ζ:第2共振相殺フ
ィルタの設定周波数,減衰係数である。
【0048】第2共振相殺フィルタはアナログフィルタ
であるため、デジタル処理回路のような遅延による位相
遅れはないが、その周波数特性は図7の様に、安定実現
のローパス遅れで160゜程度の位相進みとなる。
【0049】尚、今回の設定ではk=10とローパスフ
ィルタ帯域を設定しているが、kを小さくすればローパ
スフィルタの位相遅れ影響はさらに大きくなり、急激な
位相進み角度はさらに小さくなる。
【0050】尚、実施例は省略するが、フォーカスサー
ボでも全く同様に第2共振相殺フィルタを用いたサーボ
系が組める。
【0051】[第4実施例]最後に、第3請求項及び第
4請求項に当たるトラッキングサーボの実施例を説明す
る。全体構成は、図2の第1実施例と同じであるが、D
SP内で処理される制御器特性が異なっている。
【0052】最終的な制御器特性は図8となり、第2実
施例の第2共振補償器を内包している特性となっている
ほかに、位相交差周波数が第2共振周波数より高い位置
にあり、非常に高い位相余裕を持っていることが特徴で
ある。
【0053】この制御器は、第2共振がないとした対物
レンズアクチュエータの特性を基に、状態オブザーバを
利用した外乱推定補償と、最適レギュレータとで設計す
る。図9に制御器の概念構成図を示す。
【0054】(モデル化)トラッキングエラー信号TE
は、ディスク回転による目標トラックの移動量と駆動系
移動量との両方を含んだものであるため、目標トラック
上に固定した座標系で制御対象をモデル化する。
【0055】図12に力学モデル図を、以下に運動方程
式を示す。
【数5】 これを状態変数xが、検出量である対物レンズと目標ト
ラック位置との偏差pと、非検出量である偏差速度
の時間微分及びポジショナ位置偏差を含めた仮想外
乱 fとの3変数からなる状態方程式で記述すると以
下となる。
【数6】 (規範モデル)制御対象モデルを目標トラック上に固定
した座標系で表記したため、規範モデルも目標トラック
上に固定した座標系に取る。すなわち、目標トラックに
仮想バネ・仮想ダンパで対物レンズが固定されているモ
デルを規範モデルとする。この時、規範モデルは以下と
なる。
【数7】 (状態観測器)式(6)より、公知のゴピナス最小次元
オブザーバを構成できる。以下に、状態観測器の処理式
を示す。
【数8】 状態観測器での状態収束特性は、オブザーバゲインによ
り任意に設定できる。ここでは、第2共振点の近傍に状
態推定特性をおくように、以下のようにオブザーバゲイ
ンを設定する。
【数9】 以上の状態方程式により、制御対象の状態推定量(仮想
外乱・偏差速度)を算出できる。
【0056】(制御器特性)制御対象モデル化は、主力
学特性に基づいてモデル化しているため、第2共振を副
共振同等とみなしうる様な第2共振逆システムを、制御
器最終段に直列接続する。これにより状態観測器から見
た対象は、第2の共振特性ではなく、極零相殺点のよう
な最小位相系が存在するだけと見なすことができる様に
なる。次に、状態観測器で推定された情報をフィードバ
ックして、仕様を満たす制御性能を実現する。外乱のフ
ィードバックは外乱オブザーバ補償と呼ばれるもので、
速度と位置のフィードバックが規範モデル応答を形成す
るためのフィードバック系である。式(3)の規範モデ
ル式より、各比例ゲインは以下の様に取る。
【数10】 以上により生成された制御器の伝達特性は図8の様にな
り、低周波位相は90゜、副共振近傍で位相交差して正
位相となり、終始正位相を保ったまま、第2共振点近傍
でさらに120゜程度の急激に位相を進める特性が得ら
れることが分かる。尚、参考として一巡特性を示すと図
11となる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明を適用する
ことで、従来第2共振点のために上限とされた制御帯域
を超え、第2共振特性近傍までの高い制御帯域を達成で
きるようになる。つまり、現状使われている対物レンズ
アクチュエータと同程度の性能のものでも、高密度/高
速の情報記録ドライブに適用することが可能となる。
【0058】さらには、第2共振のため困難であった高
帯域外乱オブザーバ補償等の、駆動系に副共振があって
も十分に安定なロバスト制御則を適用できるようにな
り、固体バラツキに強く、低周波振動を非常に強烈に抑
圧するサーボ系の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を表す制御器の周波数特性(第1
実施例の図)。
【図2】本発明を適用した制御装置の全体構成(第1実
施例の図)。
【図3】本発明を適用した制御系の一巡伝達特性(第1
実施例の図)。
【図4】本発明を適用した制御装置の全体構成(第2実
施例の図)。
【図5】本発明を適用した制御装置の全体構成(第3実
施例の図)。
【図6】本発明の第2共振相殺フィルタの構成例(第3
実施例の図)。
【図7】本発明の第2共振相殺フィルタの周波数特性
(第3実施例の図)。
【図8】本発明の特徴を表す制御器の周波数特性(第4
実施例の図)。
【図9】本発明第4項記載の制御器構成(第4実施例の
図)。
【図10】本発明第4項記載制御器の説明補足図(第4
実施例の図)。
【図11】本発明第4項記載の制御器での一巡伝達特性
(第4実施例の図)。
【図12】レンズアクチュエータのトラック方向駆動特
性。
【図13】従来の制御設計に従った制御器の周波数特
性。
【図14】従来の制御器によるトラッキングザーボ系一
巡伝達特性。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録装置内のピックアップヘッド駆
    動系を制御対象とし、その制御対象位置と相関のある外
    乱を含んだ検出情報をフィードバックして、その検出情
    報が0になるように制御する1入力1出力系の情報記録
    装置のピックアップヘッド駆動制御器において、その制
    御器の周波数特性が、第2共振周波数近傍手前で90゜
    以上180゜以下の急激な位相進み変化を持つことを特
    徴とする情報記録装置ピックアップヘッドの駆動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 ピックアップヘッド駆動系に、その駆動
    系の第2共振特性の逆応答を示す第2共振相殺フィルタ
    を直列接続し、少なくともそのフィルタ部とピックアッ
    プヘッド駆動系・位置偏差検出系・制御器とで制御ルー
    プを構成している事を特徴とするピックアップヘッドの
    駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制御器において、その制
    御器の周波数特性が、第2共振周波数近傍手前での急激
    な位相進み変化の他に、第1共振周波数以下では位相差
    が90度遅れ、第1共振周波数と第2共振周波数の間に
    位相差0となる交差点を持ち、その交差周波数以上は第
    2共振周波数の少なくとも2倍までは、正の位相差を保
    つことを特徴とする情報記録装置ピックアップヘッドの
    駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載制御装置の制御器が、ピッ
    クアップヘッド駆動指令を出力する第2共振補償器と、
    第2共振補償器への入力情報と光学式位置偏差検出系の
    出力偏差情報とを入力として非検出量である仮想外乱・
    出力偏差速度及び制御対象出力偏差を状態変数とする対
    象モデル状態変数を推定するオブザーバと、このオブザ
    ーバにより推定された状態変数を基に仮想外乱の相殺や
    閉ループの応答特性調整を行ない第2共振補償器への入
    力情報を出力するレギュレータとから構成される事を特
    徴とする情報記録装置ピックアップヘッドの駆動制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7116611B2 (en) 2001-08-27 2006-10-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Position control method
JP2007200463A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 磁気ディスク装置

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US7116611B2 (en) 2001-08-27 2006-10-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Position control method
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