JP2000268331A - エッチング方法及び磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

エッチング方法及び磁気ヘッドの製造方法

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JP2000268331A
JP2000268331A JP11070792A JP7079299A JP2000268331A JP 2000268331 A JP2000268331 A JP 2000268331A JP 11070792 A JP11070792 A JP 11070792A JP 7079299 A JP7079299 A JP 7079299A JP 2000268331 A JP2000268331 A JP 2000268331A
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film
resist
magnetic
etching
forming
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Toru Katakura
亨 片倉
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアクティブイオンエッチングにおいて、重
合物の発生を抑制し、微細な形状を簡便にかつ確実に形
成する。また、磁気ヘッドを製造するに際し、簡便な方
法で、かつ高精度に磁気ギャップを基板の膜形成面に対
して垂直となるように形成する。 【解決手段】 被エッチング材上に当該被エッチング材
よりもリアクティブイオンエッチングにおいてエッチン
グされにくい金属材料からなる高選択性膜を成膜する高
選択性膜成膜工程と、上記高選択性膜成膜工程で成膜さ
れた上記高選択性膜を所定形状にパターニングするパタ
ーニング工程と、上記パターニング工程で所定形状にパ
ターニングされた上記高選択性膜上に、ノボラック樹脂
系材料からなるレジストを形成するノボラック樹脂系レ
ジスト形成工程と、上記パターニング工程で所定形状に
パターニングされた上記高選択性膜をマスクとして、上
記被エッチング材をリアクティブイオンエッチングによ
りエッチングするエッチング工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング方法に
関し、より詳しくは、リアクティブイオンエッチングを
行うに際し、金属マスクとノボラック樹脂系レジストと
を組み合わせてエッチングを行うエッチング方法に関す
る。
【0002】また、本発明は、磁気ヘッドの製造方法に
関し、より詳しくは、基板上に相対向して形成されて一
対のヨークコアの対向面に非磁性材が配されて磁気ギャ
ップが形成されてなる磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、磁気テープを記録媒体として用い
る磁気記録再生装置としては、ビデオテープレコーダ、
オーディオテープレコーダ及びコンピュータ用データス
トレージシステム等が知られており、これらの磁気記録
媒体では記録密度を上げて大容量化と高データ転送レー
ト化を図ることが望まれている。
【0004】しかし、磁気記録システムにおいて磁気記
録媒体を高記録密度化すると、磁気記録媒体からの磁気
情報が微弱になり、電磁誘導を利用した従来のインダク
ティブ型磁気ヘッドでは、再生信号を十分に検出するこ
とが難しかった。
【0005】そこで、ハードディスク等においては、イ
ンダクティブ型磁気ヘッドよりも再生感度の高い、Ni
Fe合金等の軟磁性膜からなる磁気抵抗効果素子(以
下、MR素子と称する。)を用いた磁気抵抗効果型磁気
ヘッド(以下MRヘッドと称する。)が信号の再生に用
いられるようになってきている。
【0006】しかしながら、回転ドラムに磁気ヘッドを
搭載して、磁気ヘッドを回転させながら記録再生を行う
ヘリカルスキャンテープシステムは、上記MRヘッドを
搭載した場合、MRヘッドのMR素子を磁気テープに高
速で摺動させるため、MR素子が摩耗してしまうという
問題が生じる。MR素子が摩耗してしまうと、出力変
化、バイアス量の変化、安定動作性の低下、抵抗値の変
化等の致命的な問題を生じるおそれがある。
【0007】そこで、そのような問題を生じないMRヘ
ッドとして、MR素子をヘッド内部に配し、磁気記録媒
体からの磁束をヨークコアによってMR素子へ導いて信
号を再生するヨーク型のMRヘッドが提案されている。
このようなヨーク型のMRヘッドでは、基板上に、軟磁
性膜からなる一対のヨークコアが非磁性膜を介して相対
向するように形成され、それらの対向部分に配された非
磁性膜が磁気ギャップを構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなMRヘッドにおいては、磁気ギャップを基板の膜形
成面に対して略平行となるように形成した場合、高記録
密度化に伴いトラック幅が狭くなると、効率の劣化が生
じる。そこで、このようなMRヘッドにおいては、磁気
ギャップを基板の膜形成面に対して略垂直となるように
形成することが必要となってくる。
【0009】図36〜図44に、従来のギャップ膜の第
1の形成方法を示す。なお、図36〜図42及び図44
は、磁気ギャップ膜の形成方法を、図43のY1−Y2
断面において示した図である。
【0010】まず、図36に示すように、基板30上に
スパッタリングによりCr膜31とSiO2膜32とを
この順に成膜する。次に、図37に示すように、SiO
2膜32上にレジスト33を塗布し、所定形状にパター
ニングする。具体的には、磁気ギャップが形成される部
分に沿って分割される基板30の一方のみにレジスト3
3が残存しているマスクパターンとする。そして、図3
8に示すように、上記マスクパターンをマスクとしてエ
ッチングを行い、マスクから露出しているSiO2膜3
2を除去する。
【0011】次に、図39に示すように、レジスト33
を残存させた状態で、ギャップ膜34を全面に成膜す
る。次に、図40に示すように、レジスト33を当該レ
ジスト上に形成されたギャップ膜34とともに剥離す
る。そして、図41に示すように、残存しているSiO
2膜32をリアクティブイオンエッチングにより除去す
る。このとき、基板上に形成されているギャップ膜34
も、最終的に磁気ギャップを構成する部分を残して除去
する。
【0012】そして、図42に示すように、ヨークコア
を構成する磁性膜35を全面に成膜し、その表面を研磨
することにより、図43及び図44に示すように、ギャ
ップ膜34が、基板30の膜形成面に対して略垂直とな
るように形成される。そして、図43中点線で示される
ようにヨークコアがパターニングされて形成される。
【0013】また、図45〜図54に、従来のギャップ
膜の第2の形成方法を示す。
【0014】まず、図45に示すように、基板40上に
第1の磁性膜41を全面に成膜する。次に、図46及び
図47に示すように、第1の磁性膜41上にレジスト4
2を塗布し、所定形状にパターニングする。具体的に
は、一対のヨークコアのうち一方のヨークコアとなる部
分のみにレジスト42が残存しているマスクパターンと
する。そして、図48に示すように上記マスクパターン
をマスクとしてエッチングを行い、マスクから露出して
いる第1の磁性膜41を除去する。最後に、レジスト4
2を除去することにより、図49及び図50に示すよう
に、一方のヨークコアが形成された状態となる。
【0015】次に、図51に示すように、全面にギャッ
プ膜44を成膜し、さらに、図52に示すように、ギャ
ップ膜44上に第2の磁性膜45を成膜する。そして、
第2の磁性膜45の表面を研磨することにより、図53
及び図54に示すように、一対のヨークコアが形成され
るとともに、ギャップ膜44が、基板40の膜形成面に
対して略垂直となるように形成される。そして、図53
中点線で示されるようにヨークコアがパターニングされ
て形成される。
【0016】しかしながら、上述したこれらの方法で
は、ヨークコアを片方ずつ形成するため、工程が煩雑で
複雑なものとなってしまう。また、第2の形成方法で
は、ヨークコアの厚みに差が生じてしまうため、オフト
ラック特性が劣化するなどの問題が生じる。
【0017】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、簡単な方法で、かつ高精度に磁
気ギャップを基板の膜形成面に対して垂直となるように
形成することができる磁気ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエッチング
方法は、リアクティブイオンエッチングによりエッチン
グをするに際し、被エッチング材上に、当該被エッチン
グ材よりもリアクティブイオンエッチングにおいてエッ
チングされにくい金属材料からなる高選択性膜を成膜す
る高選択性膜成膜工程と、上記高選択性膜成膜工程で成
膜された上記高選択性膜を所定形状にパターニングする
パターニング工程と、上記パターニング工程で所定形状
にパターニングされた上記高選択性膜上に、ノボラック
樹脂系材料からなるレジストを形成するノボラック樹脂
系レジスト形成工程と、上記パターニング工程で所定形
状にパターニングされた上記高選択性膜をマスクとし
て、上記被エッチング材をリアクティブイオンエッチン
グによりエッチングするエッチング工程とを有すること
を特徴とする。
【0019】通常、金属材料をマスクとしてリアクティ
ブイオンエッチングを施す場合、被エッチング材よりも
エッチングされにくい金属材料を選択することにより、
エッチングが完了するまでマスクの形状は保たれ、マス
クの形状通りの形状を形成することができる。しかし、
金属材料によるマスク面積が大きい場合、金属材料とエ
ッチングガスとの接触面積が大きくなり、金属材料とエ
ッチングガスとの重合物が生成してしまい、この重合物
がエッチングの妨げとなるため、被エッチング材がマス
ク形成面に対して垂直にエッチングされない、所定のエ
ッチング量がエッチングされない等の問題が生じる。
【0020】一方、ノボラック樹脂系レジストをマスク
としてリアクティブイオンエッチングを施す場合、ノボ
ラック樹脂系レジストとエッチングガスとの重合物は発
生しないが、エッチング中にレジストの形状及びパター
ンが変化してしまうため、被エッチング材がマスク形成
面に対して垂直にエッチングされない、所定の形状にエ
ッチングされない等の問題が生じる。
【0021】本発明に係るエッチング方法では、被エッ
チング材上に形成した上記金属材料からなる高選択性膜
上にノボラック樹脂系レジストを形成するため、エッチ
ングを行う際、上記金属材料からなる高選択性膜とエッ
チングガスとの接触面積が非常に小さくなる。これによ
り、リアクティブイオンエッチングの妨げとなる、上記
金属材料からなる高選択性膜とエッチングガスとの重合
物の発生が抑制される。また、金属材料をマスクとして
用いているため、被エッチング材は、マスク形成面に対
して垂直にエッチングされ、また、所定のエッチング量
が確実にエッチングされる。したがって、本発明に係る
エッチング方法では、金属材料からなる高選択性膜とノ
ボラック樹脂系レジストとを組み合わせてかつ金属材料
からなる高選択性膜をマスクとして用いることにより、
被エッチング材は簡便にかつ確実に目的とする形状に形
成され、微細な形状も精度良く形成される。
【0022】本発明の磁気ヘッドの製造方法は、基板
と、上記基板上に形成され相対向して配された一対のヨ
ークコアとを備え、上記一対のヨークコアの対向面に非
磁性材が配されて磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘ
ッドの製造方法であって、上記基板上に上記非磁性材か
らなる非磁性膜を成膜する非磁性膜成膜工程と、上記非
磁性膜成膜工程で成膜された上記非磁性膜上に、当該非
磁性膜よりもリアクティブイオンエッチングにおいてエ
ッチングされにくい金属材料からなる高選択性膜を成膜
する高選択性膜成膜工程と、上記高選択性膜成膜工程で
成膜された上記高選択性膜を所定形状にパターニングす
るパターニング工程と、上記パターニング工程で所定形
状にパターニングされた上記高選択性膜上に、ノボラッ
ク樹脂系材料からなるレジストを形成するノボラック樹
脂系レジスト形成工程と、上記パターニング工程で所定
形状にパターニングされた上記高選択性成膜をマスクと
して、上記非磁性膜をリアクティブイオンエッチングに
よりエッチングするエッチング工程とを有することを特
徴とする。
【0023】磁気ヘッドを製造するに際し、リアクティ
ブイオンエッチングにより非磁性膜を所定の形状にエッ
チングし、磁気ギャップを形成する場合、非磁性膜より
もエッチングされにくい金属材料をマスクとして用いる
ことにより、エッチングが完了するまでマスクの形状は
保たれ、マスクの形状通りの形状を形成することができ
る。しかし、金属材料によるマスク面積が大きい場合、
非磁性膜とエッチングガスとの接触面積が大きくなり、
非磁性膜とエッチングガスとの重合物が生成してしま
い、この重合物がエッチングの妨げとなるため、非磁性
膜がマスク形成面に対して垂直にエッチングされない、
所定のエッチング量がエッチングされない等の問題が生
じる。
【0024】一方、ノボラック樹脂系レジストをマスク
としてリアクティブイオンエッチングを施す場合、ノボ
ラック樹脂系レジストとエッチングガスとの重合物は発
生しないが、エッチング中にレジストの形状及びパター
ンが変化してしまうため、非磁性膜がマスク形成面に対
して垂直にエッチングされない、所定の形状にエッチン
グされない等の問題が生じる。
【0025】本発明に係る磁気ヘッドの製造方法では、
パターニングされた上記高選択性膜をマスクとして、上
記非磁性膜をリアクティブイオンエッチングによりエッ
チングしているので、磁気ギャップ形状の非磁性膜が簡
単に形成される。
【0026】本発明に係る磁気ヘッドの製造方法では、
リアクティブイオンエッチングにより上記非磁性膜をエ
ッチングする際、パターニングされた上記金属材料から
なる高選択性膜上にノボラック樹脂系レジストを形成す
るため、パターニングされた高選択性膜とエッチングガ
スとの接触面積が非常に小さくなる。これにより、リア
クティブイオンエッチングの妨げとなる、上記金属材料
からなる高選択性膜とエッチングガスとの重合物の発生
が抑制される。また、金属材料をマスクとして用いてい
るため、上記非磁性膜は、基板の膜形成面に対して垂直
にエッチングされ、また、所定のエッチング量が確実に
エッチングされる。したがって、本発明に係る磁気ヘッ
ドの製造方法では、金属材料からなる高選択性膜とノボ
ラック樹脂系レジストとを組み合わせてかつ金属材料を
マスクとして用いてリアクティブイオンエッチングによ
り非磁性膜をエッチングすることにより、簡便にかつ微
細な形状も精度良く磁気ギャップが形成される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法に
よって製造されるMRヘッドの一構成例を図1及び図2
に示す。このMRヘッド1は、第1の基板2と、第1の
基板2上に形成されたMRヘッド素子3と、MRヘッド
素子3上に形成された保護膜4と、保護膜4上に接着さ
れた第2の基板5とから構成される。ここで、図1は、
MRヘッド1の1例を示す斜視図であり、図2は、図1
のMRヘッド1の、保護膜4と第2の基板5とを取り除
いた状態で、MRヘッド素子3の構成を示した斜視図で
ある。
【0029】第1の基板2及び第2の基板5は、MRヘ
ッド素子3のガード材となるものであり、チタン酸カル
シウム等、比抵抗の大きい硬質の材料が用いられる。ま
た、保護膜4には、例えばAl23等が用いられる。
【0030】そして、MRヘッド素子3は、図2に示さ
れるように、所定間隔を有して並べられ、一端部が磁気
記録媒体との対向面に露出するように配された一対のヨ
ークコア6a、6bと、上記一対のヨークコア6a、6
bの他方の端部で、ヨークコア6aとヨークコア6bと
に跨って配されるとともに、長辺が磁気記録媒体との摺
動面と略平行になるように配された平面略長方形の磁気
抵抗効果素子7と、磁気抵抗効果素子7の長手方向の両
端部に配された第1の引き出し導体8a,8bと、第1
の引き出し導体8aの端部に配された第2の引き出し導
体9aと、第1の引き出し導体8bの端部に配された第
2の引き出し導体9bとを備える。また、このMRヘッ
ド素子3では、第2の引き出し導体9aの端部に外部端
子10aが形成され、第2の引き出し導体9bの端部に
外部端子10bが形成されている。また、上記ヨークコ
ア6a,6bと、磁気抵抗効果素子7とは、図示しない
絶縁膜によって絶縁されている。
【0031】ヨークコア6a,6bは、軟磁性材料から
なり、一端部が磁気記録媒体との摺動面に露出して、当
該磁気記録媒体からの磁束を磁気抵抗効果素子7へと導
く働きをする。そして、この一対のヨークコア6a,6
bは相対向して配されるとともに、それらの対向部に非
磁性膜が配されて磁気ギャップgが形成されている。こ
の非磁性膜は、例えばSiO2等からなる。
【0032】磁気抵抗効果素子7は、磁気抵抗効果を有
し、MRヘッド1の感磁部となる磁気抵抗効果膜と、S
ALバイアス方式によってバイアス磁界を上記磁気抵抗
効果膜に印加するための軟磁性膜(いわゆるSAL膜)
とが積層されてなる。この軟磁性膜は、磁気抵抗効果膜
にバイアス磁界を与えて、検出信号の直線性を高める働
きをする。
【0033】上記磁気抵抗効果膜としては、公知の軟磁
性材料が使用可能である。具体的には、NiFe、Ni
FeCo、パーマロイ合金NiFe−X(XはTa、C
r、Nb、Rh、Zr、Mo、Al、Au、Pd、P
t、Si等がある。また、Xとしてこれらの元素が複数
種類含有されてもよい。)、CoZr系アモルファス等
が挙げられる。
【0034】第1の引き出し導体8a,8b及び第2の
引き出し導体9a,9bは、導電性膜からなり、磁気抵
抗効果素子7へセンス電流を供給するための電極であ
る。
【0035】外部端子10a,10bは外部と電気的接
続をとるためのものである。外部端子10aは、第2の
引き出し導体9aの、第1の引き出し導体8aと接続さ
れた端部とは反対側の端部に形成され、外部端子10b
は、第2の引き出し導体9bの、第1の引き出し導体8
aと接続された端部とは反対側の端部に形成される。こ
のようなMRヘッド1を用いて磁気記録媒体から記録信
号を読み出す際には、第2の引き出し導体9a,9bの
一端部に形成された外部端子10a,10bから第2の
引き出し導体9a,9bと第1の引き出し導体8a,8
bを介して磁気抵抗効果素子7にセンス電流を供給し、
磁気抵抗効果素子7の長手方向に沿って磁気抵抗効果素
子7にセンス電流を流す。そしてこのセンス電流によ
り、磁気記録媒体からの磁界によって生じる磁気抵抗効
果素子7の抵抗変化を検出し、これによって磁気記録媒
体からの記録信号を再生する。なお、このMRヘッド1
では、磁気記録媒体からの磁界は、ヨークコア6a,6
bを介して磁気抵抗効果素子7に伝えられる。
【0036】一般に、磁気抵抗効果を利用したMRヘッ
ドは、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティ
ブ型磁気ヘッドよりも高密度記録に適している。したが
って、磁気ヘッドとしてMRヘッドを用いることで、よ
り高密度記録化を図ることができる。
【0037】また、このヨーク型のMRヘッド1では、
磁気記録媒体からの磁束をヨークコア6a,6bによっ
て磁気抵抗効果素子7へと導き、MR素子自体は磁気記
録媒体との摺動面に露出していない。そのため、このM
Rヘッド1では、磁気抵抗効果素子7が摩耗することが
なく、感度低下、バイアス量の変化、安定動作性の低
下、抵抗値の変化等、磁気抵抗効果素子7の摩耗に起因
する問題を解決することができる。
【0038】つぎに、以上のようなMRヘッド1の製造
方法について説明する。なお、以下の説明で用いる図面
は、特徴を分かりやすく図示するために、特徴となる部
分を拡大して示している場合があり、各部材の寸法の比
率が実際と同じであるとは限らない。また、実際の製造
工程では、薄膜技術により基板上に多数の磁気ヘッド素
子が形成されるが、以下の説明で用いる図面は、1つの
磁気ヘッド素子に対応する部分を抜き出して示してい
る。
【0039】まず、比抵抗の大きな硬質の材料からなる
第1の基板2を用意し、その表面を研磨する。この第1
の基板2に用いられる比抵抗の大きな硬質の材料として
は、例えばチタン酸カルシウム等が挙げられる。
【0040】次に、図3及び図4に示すように、第1の
基板2上に、スパッタリングにより金属材料、例えばC
rを約50nmの厚みに被着させて第1のCr膜11を
形成する。そして、この第1のCr膜11上に、スパッ
タリングによりSiO2を例えば、再生トラック幅を2
μmとする場合トラック幅に対し1割程度増した約2.
2μmの厚みに被着させてSiO2膜12を形成する。
さらに、このSiO2膜12上に、スパッタリングによ
りCrを例えば約80nmの厚みに被着させて第2のC
r膜13を形成する。
【0041】ここで、SiO2膜12は、ヨークコア6
a,6bの間に形成される磁気ギャップgを構成するも
のである。また、第2のCr膜13は、後述するよう
に、リアクティブイオンエッチングによりSiO2膜1
2をエッチングする際のマスクとなる。そして、第1の
Cr膜11は、SiO2膜12のエッチング量を決定す
るとともに、SiO2膜12のエッチング後にも、基板
の良い表面粗さを維持する働きをする。
【0042】次に、図5及び図6に示すように、第1の
Cr膜11と、SiO2膜12と、第2のCr膜13と
が形成された第1の基板2を例えば約3000rpmで
回転させながら、第2のCr膜13上に、電子線レジス
ト14をスピンコート法により塗布する。
【0043】ここで、電子線レジストとは、レジストを
構成する高分子が電子との衝突によってエネルギーを受
け、当該高分子の鎖の一部が切断されて分子量が小さく
なるか、あるいは他の高分子と結合して大きな分子量の
高分子に重合されるものをいう。また、この電子線レジ
スト14は、電子線が照射された部分の、現像液に対す
る溶解度が増大するポジ型レジストであることが好まし
い。このようなポジ型の電子線レジスト14として具体
的には、例えば東京応化工業(株)の商品名OEBR−
1000や日本ゼオン(株)の商品名ZEP−520
(12)等が挙げられる。また、電子線レジスト14に
対して、露光前にプリベークを行うことが好ましい。プ
リベークを行うことにより、電子線レジスト14の露光
の際の感度が向上し、微細なパターンも精度良く形成す
ることができる。
【0044】次に、電子線露光装置を用いて、上記電子
線レジスト14に所定のパターンで電子線を照射するこ
とにより描画し、電子線レジスト14中に所定のパター
ン潜像を形成する。具体的には、ヨークコア6a,6b
となる部分に電子線を照射する。
【0045】次に、図7及び図8に示すように、パター
ン潜像が形成された電子線レジスト14を現像して、マ
スクパターンを形成する。電子線レジスト14としてポ
ジ型レジストを用いた場合、電子線が照射されなかった
部分のレジストが残存してマスクパターンが形成され
る。
【0046】次に、図9及び図10に示すように、上述
のようにして形成されたマスクパターンをマスクとして
エッチングを行い、当該マスクパターンから露出してい
る第2のCr膜13を除去する。エッチングは、例えば
イオンエッチングにより行う。
【0047】最後に、電子線レジスト14を剥離する。
これにより、図11及び図12に示すように所定形状に
パターニングされた第2のCr膜13が得られる。具体
的には、ヨークコア6a,6bとなる部分に開口部を有
するパターンとされる。このとき、ヨークコア6a,6
bとなる部分とヨークコア6a,6bとなる部分との対
向部分が磁気ギャップgとなる部分であり、この磁気ギ
ャップgの幅は、例えば約0.2μmとされる。また、
電子線レジスト14は、この時点で必ずしも剥離しなく
ても良い。その場合は、後述するリアクティブイオンエ
ッチングを実施後、後述するノボラック樹脂系レジスト
とともに剥離すればよい。
【0048】次に、図13及び図14に示すように、上
述のようにして所定形状にパターニングされた第2のC
r膜13の上にノボラック樹脂系レジスト15をスピン
コート法により塗布し、SiO2膜12の2倍程度とな
る4〜5μm程度の膜を得る。
【0049】このノボラック樹脂系レジスト15は、電
子線が照射された部分の、現像液に対する溶解度が増大
するポジ型レジストとして作用する。このようなポジ型
のノボラック樹脂系レジスト15として具体的には、例
えばノボラック樹脂系g線レジストであるHoechs
t社製AZ−4400等が挙げられる。また、ノボラッ
ク樹脂系レジスト15に対して、露光前にプリベークを
行うことが好ましい。プリベークを行うことにより、ノ
ボラック樹脂系レジスト15は露光する際の感度が向上
し、微細なパターンも精度良く形成することができる。
【0050】次に、露光用光源としてg線を用いて、上
記ノボラック樹脂系レジスト15に所定のパターンでg
線を照射することにより描画し、ノボラック樹脂系レジ
スト15中に所定のパターン潜像、すなわち後述するヨ
ークコアを形成するためのリアクティブイオンエッチン
グにおいて不必要な部分を隠蔽するパターン潜像を形成
する。具体的には、ヨークコア6a,6bとなる部分よ
りも1〜10μm程度大きい形状にg線を照射する。
【0051】次に、図15及び図16に示すように、パ
ターン潜像が形成されたノボラック樹脂系レジスト15
を現像して、マスクパターンを形成する。ノボラック樹
脂系レジスト15は、g線が照射されなかった部分のレ
ジストが残存してマスクパターンが形成される。
【0052】次に、図17及び図18に示すように、上
述のようにしてパターニングされた第2のCr膜13及
びノボラック樹脂系レジスト15をマスクとしてエッチ
ングを行い、当該マスクから露出しているSiO2膜1
2を除去する。エッチングは、リアクティブイオンエッ
チングにより行う。
【0053】エッチングに使用するガスは、Cr膜とエ
ッチングガスとの反応によりSiO2膜12の表面に重
合物が発生しづらいものを使用し、例えばCF4、及び
場合によってはCF4と酸素との混合ガスを用いる。ま
た、基板表面の温度上昇を防ぐために、エッチングパワ
ーは低パワーとする。具体的には300〜500W程度
(アネルバ(株)製リアクティブイオンエッチング装
置、DEA506使用時)のパワーが好ましい。そし
て、エッチング時間は、SiO2膜12をエッチングす
るのに要する時間よりも1〜2割程度長く時間とする。
このとき、エッチング時間を長くしても、第1のCr膜
11でエッチングが止まるため、第1の基板2までエッ
チングされることはなく、基板の良い表面粗さを維持す
ることができる。具体的には80分〜100分程度(ア
ネルバ(株)製リアクティブイオンエッチング装置、D
EA506を300Wにおいて使用時)が好ましい。
【0054】ここで、SiO2膜12をエッチングする
際のマスクを構成するCrは、リアクティブイオンエッ
チングに対する選択性が、SiO2に比べて約40倍以
上と非常に大きい材料である。このようなSiO2に比
べてリアクティブイオンエッチングに対する選択性が4
0倍以上の金属材料からなるマスクを用いることで、磁
気ギャップgとなる非磁性膜を高精度に形成することが
できる。このような金属材料としては、具体的にはCr
の他にNiFe、CoZrNb等が挙げられる。リアク
ティブイオンエッチングに対する選択性を40倍以上と
したのは、このくらい大きな選択性を有する材料をマス
クとすることでエッチングが完了するまでマスクの形状
及びパターンが変化することなく、所望の形状及び所望
のエッチング量をエッチングすることができるからであ
る。また、リアクティブイオンエッチングに対する選択
性が大きい材料からなるマスクを用いることで、マスク
の厚みを薄くすることができ、コストの低下、生産時間
の短縮を図ることができる。SiO2膜12をエッチン
グする際に形成されるノボラック樹脂系レジストは、ヨ
ークコア6a,6bとなる部分よりも1〜10μm程度
大きい形状にパターニングされている。すなわち、ヨー
クコアを形成するためのリアクティブイオンエッチング
において不必要な部分を隠蔽するようにパターニングさ
れている。これにより、上記Crマスクとエッチングガ
スとの接触面積が非常に小さくなり、エッチングの妨げ
となる上記Crマスクとエッチングガスとの反応による
重合物の発生が抑制される。その結果、SiO2は、C
rマスク形成面に対して垂直にエッチングされ、また、
所定のエッチング量が確実にエッチングされる。
【0055】最後に、ノボラック樹脂系レジスト15を
剥離する。これにより、図19及び図20に示すように
SiO2膜12のうち、ヨークコア6a,6bとなる部
分が除去された状態となる。
【0056】また、ノボラック樹脂系レジスト15は、
この時点で必ずしも剥離しなくても良い。その場合は、
後述する磁性膜をスパッタリングにより被着後、磁性膜
を機械研磨する際に剥離すればよい。
【0057】次に、図21及び図22に示すように、ス
パッタリングにより、全面に磁性材料を被着させて、ヨ
ークコア6a,6bとなる磁性膜6を形成する。このと
き、スパッタリングは、平行板を用いたコリメーション
スパッタリングによることが好ましい。コリメーション
スパッタリングを行うことで、磁性材料の基板への入射
角を制御して、凹部分への膜の付き回りが改善され、凹
部分の角部の空洞化が防がれ、MRヘッドとしての特性
を向上することができる。
【0058】次に、図23及び図24に示すように、こ
の磁性膜6の表面を全面機械研磨し、ヨークコア形成部
以外の磁性膜6及びCrマスクを除去する。これによ
り、最終的にヨークコア6a,6bとなる磁性膜6が、
SiO2膜12中に埋め込まれた状態となる。ここで、
ヨークコア6a,6bの厚みは、所定の厚み、例えば約
2.0μmとする。
【0059】次に、図25に示すように、スパッタリン
グにより、絶縁材料を全面に被着させて絶縁膜16を形
成し、その表面にバフ研磨を施す。この絶縁膜16は、
ヨークコア6a,6bとMR素子との間の絶縁を図るも
のである。この絶縁膜16には、例えばAl23やSi
2等が用いられる。
【0060】次に、図26に示すように、この絶縁膜1
6上に、磁気抵抗効果素子7を形成する。
【0061】具体的に、磁気抵抗効果素子7を形成する
には、まず、絶縁膜16上に、フォトレジストにより、
磁気抵抗効果素子7となる部分に開口部を有するマスク
を形成する。次に、SALバイアス方式の磁気抵抗効果
素子7を構成する薄膜(以下、磁気抵抗効果素子用薄膜
と称する。)を全面に成膜する。
【0062】具体的には、磁気抵抗効果素子用薄膜は、
例えば、Ta/NiFeNb/Ta/NiFe/Ta
を、この順にスパッタリングにより順次成膜して形成す
る。この場合は、NiFeが、磁気抵抗効果を有する磁
気抵抗効果膜であり、MRヘッド素子3の感磁部とな
る。また、NiFeNbが、磁気抵抗効果膜に対してバ
イアス磁界を印加するための軟磁性膜(いわゆるSAL
膜)となる。なお、磁気抵抗効果素子7の材料等は、上
記の例に限るものではなく、システムの要求等に応じて
適切なものを用いるようにすればよい。
【0063】最後に、上記フォトレジストを、当該フォ
トレジスト上に形成された磁気抵抗効果素子用薄膜とと
もに剥離する。これにより、図26に示したように、絶
縁膜15上に磁気抵抗効果素子7が形成される。
【0064】次に、図27及び図28に示すように、磁
気抵抗効果素子7にセンス電流を供給するための第1の
引き出し導体8a,8bを形成する。
【0065】具体的に、第1の引き出し導体8a,8b
を形成するには、まず、絶縁膜16及び磁気抵抗効果素
子7上に、フォトレジストにより、第1の引き出し導体
8a,8bとなる部分に開口部を有するマスクを形成す
る。次に、第1の引き出し導体8a,8bとなる導電性
膜を全面に成膜する。
【0066】最後に、上記フォトレジストを、当該フォ
トレジスト上に形成された導電性膜とともに剥離する。
これにより、図27及び図28に示したように、磁気抵
抗効果素子7の両端部に第1の引き出し導体8a,8b
が形成される。
【0067】次に、図29に示すように、第2の引き出
し導体9a,9bを、上記第1の引き出し導体8a,8
bの端部上に形成する。
【0068】具体的には、例えば、まず、フォトレジス
トにより、第2の引き出し導体9a,9bとなる部分に
開口部を有するマスクを形成し、上記第1の引き出し導
体8a,8bの、磁気抵抗効果素子7と接続された端部
とは反対側の端部を露出させる。
【0069】次に、フォトレジストのマスクをそのまま
残した状態で、その上に導電性膜を成膜する。ここで、
導電膜としては、例えば、硫酸銅溶液を用いた電解メッ
キにより、Cuからなる導電性膜を形成する。なお、こ
の導電性膜の形成方法は、他の膜に影響を与えないもの
であれば、電解メッキ以外の方法でもよい。その後、マ
スクとなっていたフォトレジストを、当該フォトレジス
ト上に成膜された導電性膜とともに除去する。これによ
り、図29に示したように、第1の引き出し導体8a,
8bの端部に第2の引き出し導体9a,9bが形成され
た状態となる。
【0070】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
図30に示すように、外部回路と接続するための外部端
子10a,10bを、上記第2の引き出し導体9a,9
bの端部上に形成する。
【0071】具体的には、例えば、まず、フォトレジス
トにより、外部端子10a,10bとなる部分に開口部
を有するマスクを形成し、上記第2の引き出し導体9
a,9bの、第1の引き出し導体8a,8bと接続され
た端部とは反対側の端部を露出させる。
【0072】次に、フォトレジストのマスクをそのまま
残した状態で、その上に導電性膜を成膜する。ここで、
導電膜としては、例えば、硫酸銅溶液を用いた電解メッ
キにより、Cuからなる導電性膜を形成する。なお、こ
の導電性膜の形成方法は、他の膜に影響を与えないもの
であれば、電解メッキ以外の方法でもよい。その後、マ
スクとなっていたフォトレジストを、当該フォトレジス
ト上に成膜された導電性膜とともに除去する。これによ
り、図30に示したように、外部端子10a、10b
は、第2の引き出し導体9a,9bの端部に形成され
る。
【0073】次に、図31に示すように、RFバイアス
スパッタリングにより、Al23を全面に被着させて保
護膜4を形成する。そして、図32に示すように、保護
膜4の表面に対して機械研磨を施し、保護膜4の表面の
平面出しを行うとともに、外部端子10a,10bを保
護膜4上に露出させる。
【0074】次に、図33に示すように、MRヘッド素
子3が形成された第1の基板2上に、ガード材となる第
2の基板5を張り付ける。第2の基板5の貼り付けに
は、例えば樹脂等の接着剤が用いられる。このとき、こ
の第2の基板5の長さt1を第1の基板2の長さt2より
も短くして、MRヘッド素子3の外部端子10a,10
bを露出させて外部端子10a,10bへの接続が行え
るようにする。また、この第2の基板5には、比抵抗の
大きな硬質の材料が使用される。この第2の基板5に用
いられる比抵抗の大きな硬質の材料としては、例えばチ
タン酸カルシウム材等が挙げられる。
【0075】最後に、図34に示すように、磁気記録媒
体との摺動面となる面1aに対して、ヨークコア6a,
6bの一端部が露出するまで研磨を施す。
【0076】以上の工程を経ることにより、図1に示し
たようなMRヘッド1が完成する。このMRヘッド1
を、例えばヘリカルスキャンテープシステムにおいて使
用する際は、図35に示すように、回転ドラム20に取
り付けられて使用される。
【0077】上述したようなMRヘッド1は、例えばヘ
リカルスキャニング方式等、テープ状の磁気記録媒体と
高速で摺動して情報の記録再生を行うシステムに用いら
れたときに、磁気抵抗効果素子の摩耗に起因する課題を
効果的に解決することができ、特に有効である。しか
し、このMRヘッド1は、ディスク状の磁気記録媒体と
摺動して情報の記録再生を行うシステムに用いることも
可能である。
【0078】なお、上述した実施の形態では、磁気ギャ
ップを構成するSiO2膜をエッチングする際に、Cr
からなるマスクを用いた場合を例に挙げて説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、リアクティブ
イオンエッチングに対する選択性が、SiO2に比べて
大きな金属であれば種々の材をマスクとして用いること
ができる。このような、リアクティブイオンエッチング
に対する選択性がSiO2に比べて大きな材料として
は、例えばCoZrNbアモルファス等が挙げられ、C
rの場合と同様の結果が得られる。
【0079】また、上述した実施の形態では、異方性磁
気抵抗効果を有する軟磁性材料を膜にした磁気抵抗効果
素子を用いたMRヘッドを例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、複数の薄膜が積層
された多層構造をとることにより巨大磁気抵抗効果を有
する巨大磁気抵抗効果素子を用いたMRヘッドについて
も適用可能である。
【0080】さらに、上述した実施の形態では、磁気抵
抗効果を利用したMRヘッドを製造する場合を例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、電磁誘導を利用したインダクティブ型磁気ヘッドを
製造する場合にも適用可能である。
【0081】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るエッチング方法によれば、金属材料とノボラック樹脂
系レジストとを組み合わせてマスクとして用いることに
より、エッチングにおいて有害な重合物の生成を抑制す
ることができるため、微細な形状を簡便かつ確実に形成
することができる。
【0082】また、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法
によれば、一対のヨークコアが同一面上に形成されるた
め、ヨークコアを均一の厚みとし、オフトラック特性等
の劣化の少ないMRヘッドを得ることができる。また、
この磁気ヘッドの製造方法では、一対のヨークコアを同
時に形成することができるため、工程が非常に簡単なも
のとなる。さらに、この磁気ヘッドの製造方法では、ヨ
ークコアの厚みを薄くして、磁気ギャップの幅を小さ
く、すなわちトラック幅を小さくすることができる。
【0083】したがって、本発明に係る磁気ヘッドの製
造方法によれば、高記録密度化に対応した磁気ヘッド
を、より簡便にかつ高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るMRヘッドの一構成例を示
す斜視図である。
【図2】図1のMRヘッドの要部を抜き出して示す斜視
図である。
【図3】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、第
1の基板上に第1のCr膜とSiO2膜と第2のCr膜
とが形成された状態を示す斜視図である。
【図4】図3中、X1−X2線における断面図である。
【図5】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、第
2のCr膜上に電子線レジストを塗布した状態を示す斜
視図である。
【図6】図5中、X3−X4線における断面図である。
【図7】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、電
子線レジストを現像してマスクパターンを形成した状態
を示す斜視図である。
【図8】図7中、X5−X6線における断面図である。
【図9】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、電
子線レジストによるマスクパターンをマスクとして第2
のCr膜をエッチングした状態を示す斜視図である。
【図10】図9中、X7−X8線における断面図である。
【図11】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第2のCr膜が所定形状にパターニングされた状態を示
す斜視図である。
【図12】図11中、X9−X10線における断面図であ
る。
【図13】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
所定形状にパターニングされた第2のCr膜上にノボラ
ック樹脂系レジストを塗布した状態を示す斜視図であ
る。
【図14】図13中、X11−X12線における断面図であ
る。
【図15】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
ノボラック樹脂系レジストが所定形状にパターニングさ
れた状態を示す斜視図である。
【図16】図15中、X13−X14線における断面図であ
る。
【図17】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第2のCr膜とノボラック樹脂系レジストとをマスクと
してSiO2膜をエッチングした状態を示す斜視図であ
る。
【図18】図17中、X15−X16線における断面図であ
る。
【図19】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
SiO2膜が所定形状にエッチングされた状態を示す斜
視図である。
【図20】図19中、X17−X18線における断面図であ
る。
【図21】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
全面に磁性膜を形成した状態を示す斜視図である。
【図22】図21中、X19−X20線における断面図であ
る。
【図23】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
磁性膜の表面を研磨した状態を示す斜視図である。
【図24】図23中、X21−X22線における断面図であ
る。
【図25】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
絶縁膜を形成した状態を示す斜視図である。
【図26】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
絶縁膜上に磁気抵抗効果素子を形成した状態を示す斜視
図である。
【図27】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
絶縁膜上に第1の引き出し導体を形成した状態を示す斜
視図である。
【図28】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
絶縁膜上に第1の引き出し導体を形成した状態を示す斜
視図である。
【図29】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の引き出し導体の端部に第2の引き出し導体を形成
した状態を示す斜視図である。
【図30】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第2の引き出し導体の端部に外部端子を形成した状態を
示す斜視図である。
【図31】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
保護膜を形成した状態を示す斜視図である。
【図32】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
保護膜表面の平面出しを行い、外部端子を露出させた状
態を示す斜視図である。
【図33】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の基板上に第2の基板を張り付けた状態を示す斜視
図である。
【図34】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
磁気記録媒体との摺動面となる面に対して研磨を施した
状態を示す斜視図である。
【図35】MRヘッドが回転ドラム上に搭載された様子
を示す斜視図である。
【図36】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、基板上にCr膜とSiO2膜とを成膜し
た状態を示す断面図である。
【図37】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、SiO2膜上に塗布したレジストを所定
形状にパターニングした状態を示す断面図である。
【図38】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、SiO2膜をエッチングした状態を示す
断面図である。
【図39】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、ギャップ膜を全面に成膜した状態を示す
断面図である。
【図40】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、レジストをギャップ膜とともに剥離した
状態を示す断面図である。
【図41】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、残存しているSiO2膜を除去した状態
を示す断面図である。
【図42】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、磁性膜を全面に成膜した状態を示す断面
図である。
【図43】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、ギャップ膜が基板に対して略垂直となる
ように形成された状態を示す斜視図である。
【図44】図43中、Y1−Y2線における断面図であ
る。
【図45】従来の磁気ギャップの第1の形成方法を説明
する図であり、基板上に第1の磁性膜を成膜した状態を
示す断面図である。
【図46】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、第1の磁性膜上に塗布したレジストを所
定形状にパターニングした状態を示す斜視図である。
【図47】図46中、Y3−Y4線における断面図であ
る。
【図48】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、マスクパターンをマスクとして第1の磁
性膜をエッチングした状態を示す断面図である。
【図49】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、レジストを除去して一方のヨークコアが
形成された状態を示す断面図である。
【図50】図49中、Y5−Y6線における断面図であ
る。
【図51】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、全面にギャップ膜を成膜した状態を示す
断面図である。
【図52】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、ギャップ膜上に第2の磁性膜を成膜した
状態を示す断面図である。
【図53】従来の磁気ギャップの第2の形成方法を説明
する図であり、第2の磁性膜の表面を研磨して、ギャッ
プ膜が基板に対して略垂直に形成された状態を示す斜視
図である。
【図54】図53中、Y7−Y8線における断面図であ
る。
【符号の説明】
0 MRヘッド、2 第1の基板、3 MRヘッド素
子、4 保護膜、5 第2の基板、6a,6b ヨーク
コア、7 磁気抵抗効果素子、8a,8b 第1の引き
出し導体、9a,9b 第2の引き出し導体、10a,
10b 外部端子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リアクティブイオンエッチングによりエ
    ッチングをするに際し、 被エッチング材上に、当該被
    エッチング材よりもリアクティブイオンエッチングにお
    いてエッチングされにくい金属材料からなる高選択性膜
    を成膜する高選択性膜成膜工程と、 上記高選択性膜成膜工程で成膜された上記高選択性膜を
    所定形状にパターニングするパターニング工程と、 上記パターニング工程で所定形状にパターニングされた
    上記高選択性膜上に、ノボラック樹脂系材料からなるレ
    ジストを形成するノボラック樹脂系レジスト形成工程
    と、 上記パターニング工程で所定形状にパターニングされた
    上記高選択性膜をマスクとして、上記被エッチング材を
    リアクティブイオンエッチングによりエッチングするエ
    ッチング工程とを有することを特徴とするエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】 上記パターニング工程は、 上記被エッチング材上にレジストを塗布するレジスト塗
    布工程と、 上記レジスト塗布工程で塗布された上記レジストを露光
    して当該レジスト中に所定パターンの潜像を形成する露
    光工程と、 上記露光工程でパターン潜像が形成されたレジストを現
    像してマスクパターンとする現像工程と、 上記現像工程で得られた上記マスクパターンをマスクと
    して上記高選択性膜をエッチングするエッチング工程と
    を有することを特徴とする請求項1記載のエッチング方
    法。
  3. 【請求項3】 上記レジストは、電子線レジストであ
    り、上記露光工程では、電子線露光装置を用いて露光す
    ることを特徴とする請求項2記載のエッチング方法。
  4. 【請求項4】 上記ノボラック樹脂系レジスト形成工程
    は、 上記パターニング工程で所定の形状にパターニングされ
    た上記高選択性膜上にノボラック樹脂系レジストを塗布
    するノボラック樹脂系レジスト塗布工程と、 上記ノボラック樹脂系レジスト塗布工程で塗布された上
    記ノボラック樹脂系レジストを露光して当該レジスト中
    に所定パターン潜像を形成する露光工程と、 上記露光工程でパターン潜像が形成されたノボラック樹
    脂系レジストを現像してマスクパターンとする現像工程
    とを有することを特徴とする請求項1記載のエッチング
    方法。
  5. 【請求項5】 基板と、上記基板上に形成され相対向し
    て配された一対のヨークコアとを備え、上記一対のヨー
    クコアの対向面に非磁性材が配されて磁気ギャップが形
    成されてなる磁気ヘッドを製造するに際し、 上記基板上に上記非磁性材からなる非磁性膜を成膜する
    非磁性膜成膜工程と、 上記非磁性膜成膜工程で成膜された上記非磁性膜上に、
    当該非磁性膜よりもリアクティブイオンエッチングにお
    いてエッチングされにくい金属材料からなる高選択性膜
    を成膜する高選択性膜成膜工程と、 上記高選択性膜成膜工程で成膜された上記高選択性膜を
    所定形状にパターニングするパターニング工程と、 上記パターニング工程で所定形状にパターニングされた
    上記高選択性膜上に、ノボラック樹脂系材料からなるレ
    ジストを形成するノボラック樹脂系レジスト形成工程
    と、 上記パターニング工程で所定形状にパターニングされた
    上記高選択性膜をマスクとして、上記非磁性膜をリアク
    ティブイオンエッチングによりエッチングするエッチン
    グ工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記非磁性材は、SiO2であることを
    特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記非磁性膜よりもリアクティブイオン
    エッチングに対する選択比の大きい材料は、Cr、Ni
    Fe及びCoZrNbからなる群より選ばれた金属材料
    であることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 上記パターニング工程は、 上記高選択性膜上にレジストを塗布するレジスト塗布工
    程と、 上記レジスト塗布工程で塗布された上記レジストを露光
    して当該レジスト中に所定パターンの潜像を形成する露
    光工程と、 上記露光工程でパターン潜像が形成されたレジストを現
    像してマスクパターンとする現像工程と、 上記現像工程で得られた上記マスクパターンをマスクと
    して上記高選択性膜をエッチングするエッチング工程と
    を有することを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 上記レジストは、電子線レジストであ
    り、上記露光工程では、電子線露光装置を用いて露光す
    ることを特徴とする請求項8記載の磁気ヘッドの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記ノボラック樹脂系レジスト形成工
    程は、 上記パターニング工程で所定の形状にパターニングされ
    た上記高選択性膜上にノボラック樹脂系レジストを塗布
    するノボラック樹脂系レジスト塗布工程と、 上記ノボラック樹脂系レジスト塗布工程で塗布された上
    記ノボラック樹脂系レジストを露光して当該レジスト中
    に所定パターン潜像を形成する露光工程と、 上記露光工程でパターン潜像が形成されたノボラック樹
    脂系レジストを現像してマスクパターンとする現像工程
    とを有することを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッド
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記磁気ヘッドは、少なくとも両端部
    が上記一対のヨークコアと磁気的に接続された略長方形
    状の磁気抵抗効果素子を備え、磁気記録媒体からの磁束
    を、上記ヨークコアによって上記磁気抵抗効果素子へと
    導くヨーク型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドであることを
    特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、ヘ
    リカルスキャンテープシステムに搭載されて用いられる
    ものであることを特徴とする請求項11記載の磁気ヘッ
    ドの製造方法。
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