JP2000268018A - 多目的最適化方法及び装置及び多目的最適化プログラムを格納した記憶媒体 - Google Patents

多目的最適化方法及び装置及び多目的最適化プログラムを格納した記憶媒体

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JP2000268018A
JP2000268018A JP11070361A JP7036199A JP2000268018A JP 2000268018 A JP2000268018 A JP 2000268018A JP 11070361 A JP11070361 A JP 11070361A JP 7036199 A JP7036199 A JP 7036199A JP 2000268018 A JP2000268018 A JP 2000268018A
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Kazuyuki Yoshimura
和之 吉村
Takeshi Yamada
武士 山田
Ryohei Nakano
良平 中野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善と改悪の受理確率間の適切なバランスを
実現するように、すべての目的関数値が改善される場合
に、受理確率1、それ以外の場合には1未満の受理確率
を与える受理確率関数を組み込んだ反復改善法により、
短時間にパレート最適解により近い良質な準最適解を求
めることができる多目的最適化方法及び装置及び多目的
最適化プログラムを格納した記憶媒体を提供する。 【解決手段】 本発明は、制約条件に基づいてランダム
に初期解を生成し、現計算ステップの解を確率的に変化
させ、次の解候補を生成し、現計算ステップの解に対し
て複数の目的関数値を計算し、生成された解候補に対し
て複数の目的関数値を計算し、全ての目的関数値が改善
される場合に、受理確率=1、それ以外の場合には1未
満の受理確率を与える受理確率関数を計算し、受理確率
関数に従い、解候補と現計算ステップの解の交換を確率
的に行い、一連の操作を反復する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多目的最適化方法
及び装置及び多目的最適化プログラムを格納した記憶媒
体に係り、特に、多目的最適化問題において、パレート
最適解により近い良質な準最適解を求める為の多目的最
適化方法及び装置及び多目的最適化プログラムを格納し
た記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】多目的最適化問題とは、Xを実行可能な
解の集合、P∈Xを実行可能な解としたとき、解Pに対
応して値の定まるN個の互いに競合する目的関数f
i (P)、(i=1,2,…,N)それぞれを最小化す
る問題である。即ち、 minimize f1 (P),f2 (P),…,fN (P) subject to P∈X と定式化される問題である。
【0003】多目的最適化問題においては、複数の目的
関数を同時に最小化することは一般には不可能であるた
め、最良の解という概念は存在しない。代わりに、ある
目的関数の値を改善するためには少なくとも他の一つの
目的関数の値を改悪せざるを得ない解として、パレート
最適解の概念が定義される。定義:P* ∈Xに対して、
i (P)≦fi (P* ),i=1,2,…,Nであ
り、しかも、あるjについてfj (P)<fj (P*
となるようなPが存在しないとき、P* をパレート最適
解と呼ぶ。
【0004】目的関数の数がN=2のときを例として、
パレート最適解の集合をf1 −f2平面に図示すると、
図9の太線部分となる。ここで、 F(X)={(f1 (P),f2 (P))|P∈X} は、f1 −f2 平面における実行可能領域である。多目
的最適化に関する更なる記述は、例えば、文献「遺伝的
アルゴリズム」坂和正敏・田中雅博(朝倉書店)に見る
ことができる。
【0005】以下に、従来の多目的最適化方法について
説明する。 1.反復改善法:一般の最適化問題(単目的、多目的と
も含む)の近似解法として、以下に述べる反復改善法が
知られている。 ・反復改善法の手順: ステップ値n=0とする。初期値P0 を生成し、こ
れを現ステップの解とする(Pn =P0 )。目的関数値
1 (P0 ),f2 (P0 ),…,fN (P 0 )を計算
する。
【0006】 現ステップの解Pn に変更を加えて、
次ステップの解の候補
【0007】
【数1】
【0008】を生成し、その目的関数値
【0009】
【数2】
【0010】を計算する。 Pn
【0011】
【数3】
【0012】の目的関数値f1 (Pn ),…,fN (P
n )及び
【0013】
【数4】
【0014】を計算し、受理確率関数を用いて、解候補
【0015】
【数5】
【0016】の受理確率を計算する。 前述ので計算された受理確率に従い、解候補
【0017】
【数6】
【0018】を受理するか棄却するかを判定する。解候
補を受理する場合は、
【0019】
【数7】
【0020】とし、解の更新を行う。棄却の場合は、P
n+1 =Pn とし、解の更新は行わない。 終了条件を満たしていれば、計算により求まった全
ての解の集合{Pn}より、パレート最適解を選択し、
それらを出力して計算終了し、そうでなければ、ステッ
プ値を1増加し、(n→n+1)、上記のに移行す
る。
【0021】上記反復改善法を実際に利用するには、
での受理確率関数を具体的に与えねばならない。具体的
な受理確率関数として、以下に述べるメトロポリス法
[N.Metropolis, A.W.rosenbluth, M.N.Rosenbuluth,
A. H. Teller, and E. Teller,'Equation of state cal
culatins by fast computing machines', Journal of C
hemical Physics, vol. 21, No.6, pp. 1087-1092 (195
3)]と重み係数法を組み合わせて構成されるものが広く
用いられている。
【0022】2.メトロポリス法:メトロポリス法は、
本来、単目的最適化問題に対する手法であるため、ここ
では、唯一の目的関数をEで記述する。また、現ステッ
プの解をP、次ステップの解候補を
【0023】
【数8】
【0024】で表す。解候補現ステップの解の関数値
【0025】
【数9】
【0026】の差を、
【0027】
【数10】
【0028】で表す。メトロポリス法では、解候補
【0029】
【数11】
【0030】に対する受理確率関数Prを次式で与え
る。
【0031】
【数12】
【0032】但し、βは、適当に定められるべき定数で
ある。即ち、メトロポリス法では、解候補により解が改
善されるときは、常に受理し、一方、改悪されるとき
は、式(2)下段の確率でしか受理しないようにする。
最適化問題を反復改善法により解く際に、解の改善(Δ
E≦0)のみを許し、改悪(ΔE>0)を許さない場合
には、探索空間内で限定された狭い範囲での探索しか行
えないため、得られる解の質が悪い。従って、広い範囲
の探索を行うために(2)式では、改悪の場合にも受理
する確率を与えている。一方で、改悪の受理確率が改善
の受理確率に比して、相対的に大き過ぎると、ランダム
探索に近い状況となり、探索空間で広い範囲の探索がで
きるが、質の悪い解が頻繁に受理されることの結果とし
て、良質の準最適解を短時間に得ることは困難となる。
【0033】一般的に、反復改善法では、改善と改悪の
受理確率間の適切なバランスをとることが、短時間に良
質の準最適解を求めるためには、肝要である。メトロポ
リス法は、そのバランスの取り方の、一手法を与えてい
る。 3.重み係数法:メトロポリス法は、単目的最適化手法
であるため、多目的最適化問題に適用する際には、多目
的最適化問題を単目的最適化問題の形に変換することが
必要である。この目的のために、以下で述べる重み係数
法がしばしば用いられる。
【0034】重み係数法では、複数の目的関数に対し
て、次式により関数Eを定義する。
【0035】
【数13】
【0036】但し、wi ≧0(i=1,2,…,N)
は、重み定数であり、w1 +w2 +…+wN =1を満た
すものとする。元の多目的最適化問題を、この関数Eを
単一の目的関数として最小化する問題に変換する手法で
ある。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の重み係数法により多目的最適化問題を単目的化し、
さらに、メトロポリス法と組み合わせて受理確率関数を
構成した場合、改善と改悪の確率バランスが悪い。従っ
て、短時間にパレート最適解により近い良質な準最適解
を求めることが困難である。
【0038】以下に、目的関数の数がN=2の場合を例
にとり、改善と改悪の確率バランスが悪いという点につ
いて説明する。あるステップの解Pと次ステップの解候
【0039】
【数14】
【0040】の目的関数値の差を、
【0041】
【数15】
【0042】で表す。重み係数法を用いて、関数Eは次
式で定義される。 E=w1 1 +w2 2 (4) このとき、ΔE=w1 Δf1 +w2 Δf2 と表される。
受理確率関数は、
【0043】
【数16】
【0044】となる。図10に、式(5)で表される受
理確率関数をf1 −f2 平面に図示する。現ステップの
解Pを原点として、Δf1 軸とΔf2 軸を描いてある。
式(5)で表される受理確率関数の等高線は、w1 Δf
1 +w2 Δf2 =const.で与えられるので、直線
となる。図10の斜めの直線群は、それら等高線を模範
式的に表している。ハッチングをしてある領域(ΔE=
1 Δf1 +w2 Δf2 ≦0)が確率1で受理される領
域を表す。
【0045】二目的最適化問題では、解候補
【0046】
【数17】
【0047】について、f1 ,f2 のうち片方は減少
し、他方は増加する場合
【0048】
【数18】
【0049】が、頻繁に起こりうる。このケースは、f
1 ,f2 の両者共に減少する場合、
【0050】
【数19】
【0051】に比較して望ましくない。本来、これらの
ケース間では、受理確率に差を付けるのが自然であり、
改善と改悪の受理確率間の適切なバランスを実現するた
めに重要である。しかしながら、図10により分かるよ
うに、重み係数法とメトロポリス法の組み合わせによる
受理確率関数(5)式では、両者ともに受理確率1であ
り、両ケース間に確率の差を与えることができない。
【0052】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、改善と改悪の受理確率間の適切なバランスを実現す
るように、すべての目的関数値が改善される場合に、受
理確率1、それ以外の場合には1未満の受理確率を与え
る受理確率関数を組み込んだ反復改善法により、短時間
にパレート最適解により近い良質な準最適解を求めるこ
とができる多目的最適化方法及び装置及び多目的最適化
プログラムを格納した記憶媒体を提供することを目的と
する。即ち、図11に示すような等高線を持つ受理確率
関数を与えることを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理を
説明するための図である。本発明(請求項1)は、多目
的最適化問題の準最適解を求める多目的最適化方法にお
いて、制約条件に基づいてランダムに初期解を生成し
(ステップ1)、現計算ステップの解を確率的に変化さ
せ、次の解候補を生成し(ステップ2)現計算ステップ
の解に対して複数の目的関数値を計算し(ステップ
3)、生成された解候補に対して複数の目的関数値を計
算し(ステップ4)、全ての目的関数値が改善される場
合に、受理確率=1、それ以外の場合には1未満の受理
確率を与える受理確率関数を計算し(ステップ5)、受
理確率関数に従い、解候補と現計算ステップの解の交換
を確率的に行い(ステップ6)、一連の操作を反復す
る。
【0054】図2は、本発明の原理構成図である。本発
明(請求項2)は、多目的最適化問題の準最適解を求め
る多目的最適化装置であって、制約条件に基づいてラン
ダムに初期解を生成する初期解生成手段2と、現計算ス
テップの解を確率的に変化させ、次の解候補を生成する
解候補生成手段3と、現計算ステップの解と、解候補に
対して複数の目的関数値を計算する目的関数計算手段4
と、全ての目的関数値が改善される場合に、受理確率=
1、それ以外の場合には1未満の受理確率を与える受理
確率関数を受理確率計算手段5と、受理確率関数に従
い、解候補と、現計算ステップの解の交換を確率的に行
う解交換手段6と、一連の操作を反復する反復手段10
とを有する。
【0055】本発明(請求項3)は、多目的最適化問題
の準最適解を求める多目的最適化プログラムを格納した
記憶媒体であって、制約条件に基づいてランダムに初期
解を生成する初期解生成プロセスと、現計算ステップの
解を確率的に変化させ、次の解候補を生成する解候補生
成プロセスと、現計算ステップの解と、解候補に対して
複数の目的関数値を計算する目的関数計算プロセスと、
全ての目的関数値が改善される場合に、受理確率=1、
それ以外の場合には1未満の受理確率を与える受理確率
関数を受理確率計算プロセスと、受理確率関数に従い、
解候補と、現計算ステップの解の交換を確率的に行う解
交換プロセスと、一連の操作を反復する反復プロセスと
を有する。
【0056】上記のように、本発明では、解候補と現計
算ステップの解の複数の目的関数値に対して、全ての目
的関数値が改善される場合に、受理確率1、それ以外の
場合には1未満の受理確率を与える受理確率関数を備え
るため、解の改善と改悪の適切な確率バランスを実現で
き、短時間にパレート最適解により近い良質な準最適解
を求めることが可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の多目的最適化装
置の構成を示す。同図に示す多目的最適化装置は、問題
設定データ及び解法に必要なパラメータを入力する入力
部1、ランダムに初期解を生成する初期解生成部2、初
期解、あるいは途中の解に変更を加えて、次ステップの
解候補を生成する解候補生成部3、現ステップの解と、
解候補生成部3で生成された解候補に対して、目的関数
値を計算する目的関数値計算部4、目的関数値計算部4
で得られた目的関数値に基づき、受理確率関数を計算す
る受理確率計算部5、受理確率計算部5で計算された受
理確率に従って、受理するか棄却するかの判定を行い、
受理の場合、現ステップの解を解候補で置き換える解交
換部6、最終的な計算結果を出力するデータ出力部7、
問題データ、解法に必要なパラメータ、及び処理途中や
最終結果の解を格納するメモリ8、これら各部の動作を
制御する制御部9である。
【0058】次に、上記の構成における多目的最適化装
置の動作を説明する。図4は、本発明の多目的最適化装
置の動作のフローチャートである。 ステップ101) データ入力部1に問題データ、受理
確率関数を決定するパラメータ、終了ステップ数が入力
され、メモリ8に格納される。 ステップ102) それから、初期解生成部2が、ステ
ップ数をn=0とし、初期解Pn =P0 を生成する。生
成された初期解はメモリ8に格納される。
【0059】ステップ103) 現ステップnの解Pn
に変更を加え、解候補
【0060】
【数20】
【0061】の生成を行う。得られた解候補は、メモリ
8に格納される。 ステップ104) Pn
【0062】
【数21】
【0063】の両者に対して、それぞれの目的関数値の
計算を行う。得られた目的関数値は、メモリ8に格納さ
れる。 ステップ105) 次に、ステップ104で計算された
目的関数値に基づき、解候補
【0064】
【数22】
【0065】に対する受理確率を計算する。計算された
受理確率は、メモリ8に格納される。 ステップ106) ステップ105で計算された受理確
率を用いて、解候補
【0066】
【数23】
【0067】を受理するか否かを、確率的に決定する。 ステップ107) 受理と決定された場合は、Pn に代
えて、
【0068】
【数24】
【0069】をn+1ステップの解として採用し、メモ
リ8上に格納する。 ステップ108) それから、計算のステップ数が終了
ステップ数に達したかどうかを判定する。達した場合に
はステップ109に移行し、そうでない場合は、ステッ
プ103に戻り、終了ステップまで繰り返す。 ステップ109) 達した場合、メモリ8上の解を出力
し、全ての処理を終了させる。
【0070】
【実施例】以下、本発明を、多目的最適化問題の例に適
用して、従来技術であるところの重み係数法とメトロポ
リス法が組み込まれた反復改善法の結果と比較し、その
効果を実証する。
【0071】多目的最適化問題の例として、以下で説明
する要員配置問題を取り上げる。この問題は、組み合わ
せ多目的最適化問題の一種であり、2つの目的関数を最
小化することを目的とする。 1. 要員配置問題とは、与えられた人数の要員の勤務
スケジュール(勤務開始時刻、勤務終了時刻、休憩を取
得する時刻)を決定する問題であって、各時間帯におい
て勤務している要員の人数が、各時間帯ごとに予め要求
されている人数に、可能な限り過不足数が少なくなるこ
とを目的とする。
【0072】以下、より具体的な問題設定例に沿って、
実証を行う。まず、 時間帯毎に必要な要員の人数(表1に例を示す。例
では、8:00〜8:15については、21人の要員が
勤務することが要求されている):
【0073】
【表1】
【0074】(表1) 許容される勤務の型[勤務開始時刻、勤務終了時
刻、休憩取得回数の組](表2に例を示す):
【0075】
【表2】
【0076】(表2)の2つが予め与えられている。表
1に示される必要人数の時間分布を図示したものを図5
に示す。同図において、t(=1,2,…)は、8時か
ら23時までの時間を、5分単位で測った時刻を表す。
例えば、t=2は、8:05〜8:10の5分間を表
す。図中n0 (t)が表1に示される要求人数である。
また、この例では、許容人数
【0077】
【数25】
【0078】なるものを設定する。この許容人数とは、
この値以下であれば過剰とは考えない人数の上限値を意
味する。定義より
【0079】
【数26】
【0080】また、休憩取得時刻の設定に対し、制約条
件が課せられる。一例として、 <制約条件例> i. 休憩開始時刻は5分刻みで設定する。 ii. 1回の休憩時間は10分。 iii. 休憩と次の休憩の間の連続勤務時間は最小3
0分、最大60分。 という制約条件が課せられる場合を考える。
【0081】制約条件を満たすある解Pを考える。解P
の勤務スケジュールより要員の実働人数分布が定まる。
それを、n(t)で表す。最小化すべき目的関数は、以
下の2関数である。 (1)不足人数
【0082】
【数27】
【0083】(2)過剰人数
【0084】
【数28】
【0085】なお、上式で、tに関する和が1〜180
までである理由は、8:00から23:00までは15
時間であり、15時間=5分×180であるからであ
る。但し、Hはビサイド関数であり、次式で定義され
る。
【0086】
【数29】
【0087】これら2つの目的関数f1 ,f2 を最小化
することが、本問題の目的である。 2.要員配置問題の解法:上述した要員配置問題に対し
て、本発明による受理確率関数を組み込んだ反復改善
法、及び、従来の技術である重み係数法とメトロポリス
法の組み合わせによる受理確率関数を組み込んだ反復改
善法を、それぞれ適用し、結果の比較を行う。
【0088】両解法の処理の流れは、前述の図4のフロ
ーチャートに示した通りであり、同一である。差異は、
同図のステップ105で利用する受理確率関数である。
あるステップの解Pと次ステップの解候補
【0089】
【数30】
【0090】の目的関数値の差を
【0091】
【数31】
【0092】で表すこととし、以下に、各々の手法に従
った受理確率関数の具体的構成例を記述する。 ・重み係数法による受理確率:重み係数法では、受理確
率は以下のように構成される。
【0093】
【数32】
【0094】但し、βは定数である。 ・本発明手法による受理確率:本発明の手法によれば、
受理確率は、Δf1 ≦0且つΔf2 ≦0のときに限り、
Pr=1であるような関数でなければならない。そのよ
うな条件を満たす受理確率関数として、以下のものを構
成する。
【0095】
【数33】
【0096】但し、β1 、β2 は定数であり、関数
1 ,h2 は、以下のように定義される。
【0097】
【数34】
【0098】式(10)による受理確率の等高線図を、
図6に示す。第1象限では、Pr=0、第2象限ではΔ
1 軸から測った角度に比例して確率が減少し、Δf2
軸で0となる。第3象限では、Pr=1、第4象限で
は、Δf2 軸から測った角度に比例して確率が減少し、
Δf1 軸で0となる。以上に定義したそれぞれの受理確
率関数を組み込んだ反復改善法を用いて、要員配置問題
の例題の数値実験を行った。両手法とも計算終了ステッ
プは同一にした。
【0099】重み係数法では、β=10に固定し、w=
0.7,0.6,0.5,0.4の4通りの値に対して
数値実験を行った。wの一つのパラメータ値について、
乱数を変えることにより、30回の試行を行った。図7
に、30回の試行中、確率50%で発見することができ
た準最適なパレート解に対応する曲線をf1 −f2 平面
上に図示している。
【0100】本発明手法では、β1 =1に固定し、β2
=1,2,5の3通りの値に対して数値実験を行った。
先と同様に、β2 の一つのパラメータ値について、乱数
を変えることにより、30回の試行を行った。図8に、
30回の試行中、確率50%で発見することができた準
最適なパレート解に対応する曲線をf1 −f2 平面上に
図示している。
【0101】さて、図7、図8に見方について説明す
る。曲線の示すf1 とf2 の値が共に小さい程、良質な
解が高確率で発見されたことを表し、解法アルゴリズム
として優秀であることを意味する。言い換えれば、曲線
の位置がグラフの左下に近い位置を通る程、よい結果で
あると言える。図7と図8を比較すると、明らかに、図
8に示された曲線の方が、f1 とf2の小さな値の点上
を通っていることが分かる。この結果により、従来の手
法である重み係数法による受理確率関数を組み込んだ反
復改善法に比較して、本発明の手法により提案する受理
確率関数を組み込んだ反復改善法の方が、より真のパレ
ート最適解に近い良質な準最適解を求めることができる
ことが示された。
【0102】なお、上記の説明では、図3の構成に基づ
いて説明したが、図3に示す多目的最適化装置の構成要
素をプログラムとして構築し、多目的最適化装置として
利用されるコンピュータに接続されるディスク装置や、
フロッピーディスクやCD−ROM等の可搬記憶媒体に
格納しておき、本発明を実施する際にインストールする
ことにより容易に本発明を実現できる。
【0103】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
ることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能
である。
【0104】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、制約条
件に基づいてランダムに初期解を生成し、現計算ステッ
プの解を確率的に変化させ、次の解候補を生成し、現計
算ステップの解に対して複数の目的関数値を計算し、生
成された解候補に対して複数の目的関数値を計算し、全
ての目的関数値が改善させる場合に、受理確率1、それ
以外の場合には1未満の受理確率を与える受理確率関数
を備え、上記受理確率関数に従い、解候補と現計算ステ
ップの解の交換を確率的に行い、一連の操作を反復する
ので、単時間にパレート最適解により近い良質な準最適
解を求めることができる。
【0105】特に、図4に示すフローチャートにおける
ステップ105で、解候補と現計算ステップの解の複数
の目的関数値に対して、全ての目的関数値が改善される
場合に受理確率1、それ以外の場合には、1未満の受理
確率を与える受理確率関数を利用するために解の改善と
改悪の受理確率間の適切なバランスを実現でき、短時間
にパレート最適解により近い良質な準最適解を求めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明の多目的最適化装置の構成図である。
【図4】本発明の多目的最適化装置の動作のフローチャ
ートである。
【図5】本発明の一実施例の時間帯毎の必要人数、許容
人数の分布を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の式(10)による受理確率
の等高線図である。
【図7】本発明の一実施例の実験による重み係数法によ
る例題の数値実験結果である。
【図8】本発明の一実施例の例題による数値実験結果で
ある。
【図9】多目的最適化問題におけるパレート最適解を説
明するための図である。
【図10】重み係数法による受理確率の等高線の模式図
である。
【図11】本発明の目的とする受理確率の等高線の模式
図である。
【符号の説明】
1 データ入力部 2 初期解生成手段、初期解生成部 3 解候補生成手段、解候補生成部 4 目的関数計算手段、目的関数計算部 5 受理確率計算手段、受理確率計算部 6 解交換手段、解交換部 7 データ出力部 8 メモリ 9 制御部 10 反復手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多目的最適化問題の準最適解を求める多
    目的最適化方法において、 制約条件に基づいてランダムに初期解を生成し、 現計算ステップの解を確率的に変化させ、次の解候補を
    生成し、 前記現計算ステップの解に対して複数の目的関数値を計
    算し、 生成された解候補に対して複数の目的関数値を計算し、 全ての前記目的関数値が改善される場合に、受理確率=
    1、それ以外の場合には1未満の受理確率を与える受理
    確率関数を計算し、 前記受理確率関数に従い、解候補と前記現計算ステップ
    の解の交換を確率的に行い、一連の操作を反復すること
    を特徴とする多目的最適化方法。
  2. 【請求項2】 多目的最適化問題の準最適解を求める多
    目的最適化装置であって、 制約条件に基づいてランダムに初期解を生成する初期解
    生成手段と、 現計算ステップの解を確率的に変化させ、次の解候補を
    生成する解候補生成手段と、 前記現計算ステップの解と、前記解候補に対して複数の
    目的関数値を計算する目的関数計算手段と、 全ての目的関数値が改善される場合に、受理確率=1、
    それ以外の場合には1未満の受理確率を与える受理確率
    関数を受理確率計算手段と、 前記受理確率関数に従い、前記解候補と、前記現計算ス
    テップの解の交換を確率的に行う解交換手段と、 一連の操作を反復する反復手段とを有することを特徴と
    する多目的最適化装置。
  3. 【請求項3】 多目的最適化問題の準最適解を求める多
    目的最適化プログラムを格納した記憶媒体であって、 制約条件に基づいてランダムに初期解を生成する初期解
    生成プロセスと、 現計算ステップの解を確率的に変化させ、次の解候補を
    生成する解候補生成プロセスと、 前記現計算ステップの解と、前記解候補に対して複数の
    目的関数値を計算する目的関数計算プロセスと、 全ての目的関数値が改善される場合に、受理確率=1、
    それ以外の場合には1未満の受理確率を与える受理確率
    関数を受理確率計算プロセスと、 前記受理確率関数に従い、前記解候補と、前記現計算ス
    テップの解の交換を確率的に行う解交換プロセスと、 一連の操作を反復する反復プロセスとを有することを特
    徴とする多目的最適化プログラムを格納した記憶媒体。
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