JP2000267798A - 座標入力/検出装置 - Google Patents

座標入力/検出装置

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JP2000267798A
JP2000267798A JP7663199A JP7663199A JP2000267798A JP 2000267798 A JP2000267798 A JP 2000267798A JP 7663199 A JP7663199 A JP 7663199A JP 7663199 A JP7663199 A JP 7663199A JP 2000267798 A JP2000267798 A JP 2000267798A
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Takuro Sekiya
卓朗 関谷
Katsuyuki Omura
克之 大村
Takao Inoue
隆夫 井上
Hiromasa Shimizu
弘雅 清水
Sadao Takahashi
禎郎 高橋
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】大型のディスプレイを構成可能な座標入力/検
出装置を長時間使用しても、使用者の疲労を軽減できる
装置を提供すること。 【解決手段】複数の発光手段と複数の受光手段とを備
え、これらの発光/受光の光路内の光遮断手段の有無に
より、光遮断手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座標
を検出する座標入力/検出装置において、座標入力/検
出装置は、操作者の指や指示部材の動きを検出する入力
/検出面の最上位部分の高さhを床から2.5m以下と
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型のディスプレ
イやホワイトボード等と一体化されて電子黒板システム
を構成可能な座標入力/検出装置に関し、より詳細に
は、例えば会議において座標入力/検出装置を長時間使
用する場合であっても、使用者(会議出席者)の疲労の
軽減を図ることが可能な座標入力/検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ等において情報
の入力や選択を行うために利用されるツールである座標
入力/検出装置として、ペンで座標入力面が押さえられ
た時やペンが座標入力面に接近した時に、静電または電
磁誘導によって電気的な変化を検出することにより、ペ
ンによって指示された座標位置を検出するようにしたも
のが知られている。
【0003】また、他の方式の座標入力/検出装置とし
て、特開昭61−239322号公報に開示されている
ような超音波方式のタッチパネル座標入力/検出装置が
知られている。この座標入力/検出装置は、パネル上に
送出した表面弾性波を利用するものであって、ユーザが
指でパネルにタッチして任意の位置を指し示した際にそ
の位置を通過する表面弾性波が減衰されることを利用し
て、ユーザがタッチしたパネル上の位置を検出するもの
である。
【0004】ところが、静電または電磁誘導によって座
標位置を検出する座標入力/検出装置は、座標入力面に
電気的なスイッチ機能を設ける必要があるために製造コ
ストが高く、また、ペンと本体とをつなぐケーブルが必
要であるため操作性に難点があった。
【0005】また、超音波方式の座標入力/検出装置
は、指入力を前提としているため、ペン入力を行う場合
に以下のような問題点があった。例えば、表面弾性波の
吸収を伴うような材質(柔らかく弾力性を伴う)のペン
を用いて直線を描く場合、最初にペンでパネルを押した
時点では安定した表面弾性波の減衰が得られるが、その
場所からペンを移動して直線を描く際、使用者はペンを
移動させなければならないため、ペンでパネルを押す力
が弱くなってパネルに対するペンの接触が十分得られな
い。したがって、安定した表面弾性波の減衰を得ること
ができず、座標入力/検出装置は入力が途絶えたと判断
して直線が切れてしまうことがある。このことを防止す
るには十分な接触を得る必要があるため、使用者はパネ
ルに対してペンを必要以上の力で押し付けた状態でペン
を移動させて直線を描く必要がある。このようにパネル
に対してペンを必要以上の力で押しつけた状態でペンを
移動させると、ペンの材質が持つ弾力性のため応力を受
けペンに歪が生じる結果、移動中に元の状態にペンを復
帰させようとする力が働く。特に、ペン入力で曲線を描
く場合にあっては、ペンを強くパネルに押しつけて曲線
を描くことは困難であるため、ペンの材質が持つ歪を元
へ戻そうとする力がペンに加えられた使用者の力に優る
ことになり、ペンが元の状態に復帰して安定した表面弾
性波の減衰が得られないことになる。その結果、座標入
力/検出装置は入力が途絶えたと判断し、曲線が切れて
しまうことになる。このように、超音波方式の座標入力
/検出装置においてペン入力を行う場合には、信頼性を
確保できないという不都合な点があった。
【0006】このような座標入力/検出装置の問題点を
解決するものとして、特願平10−127035号,特
開平5−173699号公報,特開平9−319501
号公報,特願平10−230960号に開示されている
ような光学式の座標入力/検出装置や画像入力手段を利
用した座標入力/検出装置が提案されており、比較的簡
単な構成により、タッチパネル型の座標入力/検出装置
を実現することができるようになっている。
【0007】ところで、電子黒板の書き込み面に前述し
た座標入力/検出装置を配置して、書き込み面に手書き
で書き込んだ情報をリアルタイムでコンピュータに入力
できるようにした電子黒板システムが種々提案されてい
る。例えば、マイクロフィールド グラフィックス社製
(Microfield Graphics,Inc.)のソフトボードは、書き
込み面であるホワイトボード上に光学式の座標入力/検
出装置を配設し、ホワイトボード上に書かれた文字や絵
等のビジュアルデータを、接続されたパソコン(パーソ
ナルコンピュータ)にリアルタイムで取り込めるように
したものである。このソフトボードを用いた電子黒板シ
ステムでは、ソフトボードで取り込んだビジュアルデー
タを、パソコンに入力してCRTに表示したり、液晶プ
ロジェクターを用いて大型のスクリーンに表示したり、
あるいはプリンタで記録紙に出力することが可能であ
る。また、ソフトボードが接続されたパソコンの画面を
液晶プロジェクターでソフトボード上に投影し、専用の
ペンを使用してソフトボード上でパソコンの画面を操作
することも可能である。
【0008】さらに、文字および画像を表示するための
表示装置と、表示装置の前面に配設した座標入力/検出
装置と、座標入力/検出装置からの入力に基づいて表示
装置の表示制御を行う制御装置とを備え、表示装置およ
び座標入力/検出装置を用いて電子黒板の表示面および
書き込み面を構成した電子黒板システムも提供されてい
る。例えば、スマート テクノロジィズ社製(SMART Te
chnologies Inc. )のスマート2000では、パソコン
に接続された液晶プロジェクターを用いて文字・絵・図
形・グラフィックの画像をパネルに投影し、該パネルの
投影面(表示面)の前面に配設された座標入力/検出装
置を用いて手書きの情報をパソコンに取り込み、パソコ
ン内で手書きの情報と画像情報とを合成し、再度液晶プ
ロジェクターを介してリアルタイムで表示できるように
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た座標入力/検出装置を用いた電子黒板システムは、一
般に会議での使用を目的としたものであって、長時間に
わたって使用されることが多いため、会議の出席者は電
子黒板システムの使用を原因とした疲労を訴えることが
多いという問題点があった。
【0010】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、光学式の座標入力/検出装置やカメラのような画像
入力手段を利用した座標入力/検出装置を長時間使用す
る場合に使用者の疲労を軽減することを目的とする。
【0011】また、本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、座標入力/検出装置の座標入力/検出領域を
電子的に画像を表示するディスプレイ表面を用いて構成
した座標入力/検出装置およびディスプレイ装置の機能
を有する装置を長時間使用する場合にあっても使用者の
目の疲労を軽減することを目的とする。
【0012】さらに、本発明は上記に鑑みてなされたも
のであって、座標入力/検出装置の座標入力/検出領域
を筆記手段による書き込みおよび消去が可能な白色を主
体とした面状の書き込み面とした座標入力/検出装置お
よびホワイトボードの機能を有する装置を長時間使用す
る場合において、使用者の目の疲労を軽減することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の座標入力/検出装置は、複数の発光手段
と複数の受光手段と備え、これらの発光/受光の光路内
の光遮断手段の有無により、該光遮断手段の平面もしく
はほぼ平面の2次元座標を検出する座標入力/検出装
置、または、平面もしくはほぼ平面の座標入力/検出領
域を取り込む画像入力手段と、該画像入力手段により取
り込まれた情報のうちの一部の領域を2次元座標情報に
変換する手段とを備えた座標入力/検出装置において、
該座標入力/検出装置が、平面またはほぼ平面の座標入
力/検出領域を有する座標入力/検出部材と、該部材を
保持する保持部材と、前記座標情報等を処理するコント
ロールユニット等から構成され、前記平面またはほぼ平
面の2次元座標を入力/検出する領域が、床に対して垂
直またはおおよそ垂直になるよう保持される保持部材を
含む座標入力/検出装置であるとともに前記2次元座標
を入力/検出する領域の最上位部分は使用者が見上げる
状況で使用する座標入力/検出装置であって、前記最上
位部分の高さを床から2.5m以下であるようにしたも
のである。
【0014】また、請求項2の座標入力/検出装置は、
複数の発光手段と複数の受光手段とを備え、これらの発
光/受光の光路内の光遮断手段の有無により、該光遮断
手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座標を検出する座
標入力/検出装置、または、平面もしくはほぼ平面の座
標入力/検出領域を取り込む画像入力手段と、該画像入
力手段により取り込まれた情報のうちの一部の領域を2
次元座標情報に変換する手段とを備えた座標入力/検出
装置において、該座標入力/検出装置が、平面またはほ
ぼ平面の座標入力/検出領域を有するとともに電子的に
画像を表示するディスプレイ表面である座標入力/検出
部材と、該部材を保持する保持部材と、前記座標情報等
を処理するコントロールユニット等から構成され、前記
平面またはほぼ平面の2次元座標を入力/検出する領域
が、床に対して垂直またはおおよそ垂直になるよう保持
される保持部材を含む座標入力/検出装置であるととも
に前記2次元座標を入力/検出する領域の最上位部分は
使用者が見上げる状況で使用する座標入力/検出装置で
あって、前記最上位部分の高さを床から2.5m以下で
あるようにしたものである。
【0015】さらに、請求項3の座標入力/検出装置
は、複数の発光手段と複数の受光手段とを備え、これら
の発光/受光の光路内の光遮断手段の有無により、該光
遮断手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座標を検出す
る座標入力/検出装置、または、平面もしくはほぼ平面
の座標入力/検出領域を取り込む画像入力手段と、該画
像入力手段により取り込まれた情報のうちの一部の領域
を2次元座標情報に変換する手段とを備えた座標入力/
検出装置において、該座標入力/検出装置が、平面また
はほぼ平面の座標入力/検出領域を有するとともに筆記
手段による書き込みおよび消去が可能な白色を主体とし
た面状の座標入力/検出部材と、該部材を保持する保持
部材と、前記座標情報等を処理するコントロールユニッ
ト等から構成され、前記平面またはほぼ平面の2次元座
標を入力/検出する領域が、床に対して垂直またはおお
よそ垂直になるよう保持される保持部材を含む座標入力
/検出装置であるとともに前記2次元座標を入力/検出
する領域の最上位部分は使用者が見上げる状況で使用す
る座標入力/検出装置であって、前記最上位部分の高さ
を床から2.5m以下であるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る座標入力/検
出装置の実施の形態について、 1.座標入力/検出装置の全体構成 2.本実施の形態に係る座標入力/検出装置の特徴 の順で、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】1.座標入力/検出装置の全体構成 本実施の形態に係る座標入力/検出装置は、会議等で使
用される電子黒板システムを構成可能なものであり、例
えば長時間にわたる会議となっても、会議の出席者が本
実施の形態に係る座標入力/検出装置(電子黒板システ
ム)の使用によって疲労しないような構成を有したもの
である。
【0018】図1は、本実施の形態に係る座標入力/検
出装置の概略構成図である。この図1は、座標入力/検
出装置を側面から見たものであり、図1の右側が装置の
正面に対応している。この座標入力/検出装置100
は、例えばCRT,液晶ディスプレイ,プラズマディス
プレイ等のディスプレイやホワイトボードの表面で構成
された入力/検出面101を有した座標入力/検出部1
02と、座標入力/検出部102を保持する保持部材1
03aおよび103bと、各種スイッチ,キー等の操作
部104を有し、例えば、座標入力/検出部102で検
出された座標情報を処理するコントロールユニット10
5と、を備えている。
【0019】図1に示すように、本実施の形態に係る座
標入力/検出装置100においては、入力/検出面10
1に使用者が手書きで書き込んだ情報を座標入力/検出
部102で検出し、検出結果をリアルタイムでコントロ
ールユニット105に入力できるようにして、電子黒板
システムを構成できるようになっている。例えば、入力
/検出面101をディスプレイで構成した場合には、使
用者が入力した情報が直ちに電子情報として入力/検出
面101(ディスプレイ)に表示されることになる。ま
た、入力/検出面101をホワイトボードで構成した場
合には、使用者がホワイトボードにペンで直接書き込ん
だ情報が座標入力/検出部102で検出され、検出結果
がコントロールユニット105に入力されることによ
り、電子情報として直ちに利用することが可能となる。
【0020】なお、会議の出席者が疲労しないようにす
るための具体的な構成については、「2.本実施の形態
に係る座標入力/検出装置の特徴」の項で詳細に説明す
ることにし、以下では、本実施の形態に係る座標入力/
検出装置100の座標入力/検出部102として適用可
能な第1の構成例〜第4の構成例について具体的に説明
することにする。
【0021】(1)第1の構成例 図2は、本実施の形態に係る座標入力/検出部102の
第1の構成例を示す構成図である。図1に示す座標入力
/検出部102aは光学式の座標入力/検出装置を構成
するものであって、入力/検出面101aは四角形の形
状をなし、電子的に画像を表示するディスプレイの表面
やマーカー等のペンで文字等を書き込むことが可能なホ
ワイトボード(登録商標)等で構成することが可能であ
る。この入力/検出面101a上を光学的に不透明な材
質からなるユーザの手指,ペン,指示棒等の指示物体2
で触った場合を考える。このときの指示物体2の座標を
検出することが光学式の座標入力/検出装置の目的であ
る。
【0022】図2に示す座標入力/検出部102aの入
力/検出面101aの上方両端には受発光部1が装着さ
れている。受発光部1からは入力/検出面101aに向
けて、L1,L2,・・・Lnの光ビームの束(プロー
ブ光)が照射されている。このプローブ光は、実際には
点光源81から入力/検出面101aに向かって広がる
平行な面に沿って進行する扇形板状の光波である。
【0023】入力/検出面101aの周辺部分には、再
帰性反射部材4が再帰反射面を入力/検出面101aの
中央に向けて装着されている。再帰性反射部材4は、入
射した光を入射角度によらずに同じ方向に反射する特性
をもった部材である。例えば、受発光部1から発せられ
た扇形板状の光波のうち、ある一つのプローブ光12に
注目すると、プローブ光12は再帰性反射部材4によっ
て反射されて再び同じ光路を再帰反射光であるプローブ
光11として受発光部1に向かって戻るように進行す
る。受発光部1には、後述する受光部が設置されてお
り、プローブ光L1〜Lnのそれぞれに対して、その再
帰光が受発光部1に再帰したかどうかを判断することが
できるように構成されている。
【0024】ここで、ユーザが入力/検出面101aの
任意の位置を指示物体2で触った場合を考える。このと
き、プローブ光10は指示物体2で遮られて再帰性反射
部材4には到達しないことになる。したがって、プロー
ブ光10の再帰光は受発光部1には到達しないため、プ
ローブ光10に対応する再帰光が受光されないことを検
出することによって、プローブ光10の延長線(直線
L)上に指示物体2が挿入されたことを検出することが
できる。同様に、図2の右上方に設置された受発光部1
からもプローブ光を照射し、プローブ光13に対応する
再帰光が受光されないことを検出することによって、プ
ローブ光13の延長線(直線R)上に指示物体2が挿入
されたことを検出することができる。すなわち、直線L
および直線Rを求め、これらの交点座標を演算すること
により、指示物体2の座標を得ることができる。なお、
指示物体2の座標の演算処理を実行する構成については
詳細な説明を省略する。また、演算して求めた指示物体
2の座標情報は図1に示したコントロールユニット10
5に入力される。
【0025】つぎに、受発光部1の構成とプローブ光L
1からLnのうち、どのプローブ光が遮断されたかを検
出する機構について説明する。図3は、受発光部1の内
部構造を示す概略構成図である。図3は図2の入力/検
出面101aに取り付けられた受発光部1を入力/検出
面101aに垂直な方向から見た図である。ここでは説
明の便宜上、入力/検出面101aに平行な2次元平面
で説明を行うことにする。
【0026】図3において、51は集光レンズ、50は
受光素子をそれぞれ示している。点光源81は、光源か
ら見て受光素子50と反対の方向に対して扇形に光を射
出するものとする。点光源81から射出された扇形の光
は矢印53,58,その他の方向に進行するビームの集
合である。矢印53方向に進行したビームは再帰性反射
部材55で反射されて、矢印54方向に進行して集光レ
ンズ51を通り、受光素子50上の位置57に到達す
る。また、矢印58に沿って進行したビームは再帰性反
射部材55によって反射され、矢印59方向に進行して
受光素子50上の位置56に到達する。このように点光
源81から発し、再帰性反射部材55で反射され同じ経
路を戻ってきた光は、集光レンズ51の作用によってそ
れぞれ受光素子50上の異なる位置に到達する。
【0027】したがって、ある位置に指示物体2が挿入
され、あるビームが遮断されると、そのビームに対応す
る受光素子50上の点に光が到達しなくなる。よって受
光素子50上の光強度の分布を調べることによって、ど
のビームが遮られたかを知ることができる。
【0028】図4を用いて上記動作を詳しく説明する。
図4において、受光素子50は集光レンズ51の焦点面
に設置されているものとする。点光源81から図4の右
側に向けて発せられた光は再帰性反射部材55によって
反射され、同じ経路を戻り、点光源81の位置に再び集
光される。集光レンズ51の中心は点光源位置と一致す
るように設置されており、再帰性反射部材か55から戻
った再帰光は集光レンズ51の中心を通るので、レンズ
後方(受光素子50側)に対称の経路で進行することに
なる。
【0029】このときの受光素子50上の光強度分布を
考える。図4に示す位置80に指示物体が挿入されてい
なければ、受光素子50上の光強度分布はほぼ一定であ
るが、位置80に光を遮る指示物体が挿入された場合、
位置80を通過するビームは遮られ、受光素子50上に
おける位置Dnに光強度が弱い領域が生じる(暗点)。
この位置Dnは、遮られたビームの出射/入射角θnと
対応しており、Dnを検出することによりθnを知るこ
とができる。すなわち、θnはDnの関数であり、 θn = arctan (Dn/f) ・・・(1) と表される。ここで、図2の左上方に設けられた受発光
部1におけるθnをθnL、DnをDnLと置き換える
ことにする。
【0030】さらに、図5において、受発光部1と入力
/検出面101aとの幾何学的な相対位置関係の変換g
により、位置80と入力/検出面101aとのなす角θ
Lは、式(1)で求められるDnLの関数として、 θL = g(θnL) ただし θnL = arctan (DnL/f) ・・・(2) と表される。
【0031】同様に、図2の右上方の受発光部1につい
ても、上記式2のL記号をR記号に置き換えて、右側の
受発光部1と入力/検出面101aとの幾何学的な相対
位置関係の変換hにより、 θR = h (θnR) ただし θnR = arctan (DnR/f) ・・・(3) と表すことができる。
【0032】ここで、受発光部1の取り付け間隔を図5
に示すwとし、原点と座標を図5に示すようにとれば、
指示物体によって指示された入力/検出面101a上の
位置(点)80の座標(x,y)は、 x = w tanθR / (tanθL + tanθR) ・・・(4) y = w tanθL・tanθR / (tanθL + tanθR) ・・・(5) で表される。
【0033】このようにx,yは、DnL,DnRの関
数として表すことができる。すなわち、左右の受発光部
1における受光素子50上の暗点の位置DnL,DnR
を検出し、受発光部1の幾何学的配置を考慮することに
より、指示物体で指示された位置(点)80の座標を検
出することができる。
【0034】つぎに、入力/検出面101aを例えばデ
ィスプレイの表面として前述した光学系を設置する例に
ついて説明する。図6は、図2および図3で述べた左右
の受発光部1のうち一方をディスプレイ表面へ設置した
場合の例を示している。
【0035】図6において、5はディスプレイ面の断面
を示しており、図2で示したy軸の負から正に向かう方
向に見たものである。また図6のAおよびBは、説明の
ため視点を変えて表示したものである。
【0036】受発光部1のうち発光部について説明す
る。光源83としては、レーザーダイオード,ピンポイ
ントLED等、スポットをある程度絞ることが可能な光
源が用いられる。
【0037】光源83からディスプレイ面5に垂直に発
せられた光はシリンドリカルレンズ84によってx方向
にのみコリメートされる。このコリメートは後にハーフ
ミラー87で折り返された後、ディスプレイ面5と垂直
な方向に平行光として配光するためである。シリンドリ
カルレンズ84を出た光は、シリンドリカルレンズ84
とは曲率の分布が直交する2枚のシリンドリカルレンズ
85および86で図6のy方向に対して集光される。図
6のA部分はこの様子を説明するために、視点をz軸に
対して回転し、シリンドリカルレンズ群の配置と光束の
集光状態をx方向から見たものである。
【0038】このシリンドリカルレンズ群の作用によ
り、線状に集光した領域がシリンドリカルレンズ86の
後段に形成される。ここに、y方向に狭くx方向に細長
いスリット82を挿入する。すなわち、スリット82の
位置に線状の二次光源88を形成する。二次光源88か
ら発せられた光はハーフミラー87で折り返され、ディ
スプレイ面5の垂直方向には広がらず平行光で、ディス
プレイ面5と平行方向には二次光源88を中心に扇形状
に広がりながらディスプレイ面5に沿って進行する。進
行した光はディスプレイ周辺端に設置してある再帰性反
射部材55で反射されて、同様の経路でハーフミラー8
7方向(矢印C)に戻る。ハーフミラー87を透過した
光は、ディスプレイ面5に平行に進み、シリンドリカル
レンズ89を通って受光素子90に入射する。
【0039】このとき二次光源88とシリンドリカルレ
ンズ89とはハーフミラー87に対して共役な位置関係
にある(図5のD)。したがって、二次光源88は図4
の点光源81に対応し、シリンドリカルレンズ89は図
4の集光レンズ51に対応することになる。また、図6
のB部分は、受光側のシリンドリカルレンズ89と受光
素子90をz軸方向から見たものであり、図4の集光レ
ンズ51および受光素子50にそれぞれ対応する。
【0040】(2)第2の構成例 図7は、本実施の形態に係る座標入力/検出部102の
第2の構成例を示す構成図である。図7に示す座標入力
/検出部102bは、水平方向にXm個配置された発光
素子、例えば発光ダイオード(LED)61と、Xm個
のLED61に1対1に対応して対向配置されたXm個
の受光素子、例えばフォトトランジスタ62と、垂直方
向にYn個配置されたLED63と、Yn個のLED6
3に1対1に対応して対向配置されたYn個のフォトト
ランジスタ64と、を備えており、これらLED61お
よび63ならびにフォトトランジスタ62および64に
よって入力/検出面101bが形成される。なお、図7
に示す座標入力/検出部102bを電子的に画像を表示
するディスプレイやマーカー等のペンで文字等を書き込
むことが可能なホワイトボード等の前面に配置すること
により、LED61および63ならびにフォトトランジ
スタ62および64と共に、ディスプレイやホワイトボ
ードの表面で入力/検出面101bを構成することも可
能である。
【0041】図7に示す座標入力/検出部102bにお
いては、任意の指示物体(指やペン等)を用いて入力/
検出面101b内の任意の位置(例えば図1中のタッチ
部分66)にタッチ入力が行なわれると、タッチ部分6
6を通るLED61および63からの光路68および6
9が遮ぎられるため、遮断された光路68および69上
に位置するフォトトランジスタ62および64の受光光
量が低下する。そこで、図示しない演算処理部におい
て、フォトトランジスタ2および4の出力に基づいて、
受光光量が低下したフォトトランジスタ2および4の位
置を平均することにより、タッチ座標位置67を算出す
ることが可能となる。なお、算出したタッチ座標位置6
7の情報は、図1に示すコントロールユニット105に
入力されることになる。
【0042】(3)第3の構成例 図8は、本実施の形態に係る座標入力/検出部102の
第3の構成例を示す構成図である。図8に示す座標入力
/検出部102cには、四角形状の平面板(例えばホワ
イトボード)である入力/検出面101cの隣接する2
つの角(k1,k2)に、発光検出装置32および33
が設置される。この2つの発光検出装置32および33
から入力/検出面101c上に光が発射される。一方、
利用者は、位置指示棒、例えばペン35で入力/検出面
101c上の任意の位置を指し示す。
【0043】このとき、発光検出装置32および33
は、発光検出装置32および33から発せられた光のう
ち、ペン35で反射されて発光検出装置32および33
に戻ってきた光を検出して、ペン35の位置座標を算出
する。発光検出装置32および33は、どちらも同じ構
成を持つものを用い、発光部32aおよび33aと、受
光角度検出部32bおよび33bとから構成される。こ
こで、発光検出装置32および33は、発光部32aお
よび33aから発光される光の発光光軸と、受光角度検
出部32bおよび33bの受光光軸とがどちらも入力/
検出面101cの基準点34の方向を向くように、入力
/検出面101cに対して設置される。
【0044】図8において、入力/検出面101cの角
k1と基準点34とを結ぶ線分a1、入力/検出面10
1cの角k2と基準点4とを結ぶ線分a2の方向を発光
検出装置32および33それぞれの発光光軸および受光
光軸とする。ここで、線分a1およびa2は、入力/検
出面101cの角を45°に2等分する方向に延びてい
るものとする。また、入力/検出面101cの角k2を
原点(0,0)とし、横方向をY軸,縦方向をX軸とす
るX−Y座標系で入力/検出面101c上の位置を表わ
すものとする。
【0045】図9は、発光検出装置32および33の構
成図である。ここで、発光検出装置32および33のう
ち、発光部32aおよび33aは、光源(LED)36
と光学レンズ37とから構成される。光学レンズ37と
しては、像の一方向の倍率のみを変えることを特徴とす
るシリンドリカルレンズ、または像の一方向の倍率のみ
を変え、しかも入射角度による倍率の変化が無いことを
特徴とするトロイダルレンズが利用される。また、発光
検出装置32および33のうち受光角度検出部32bお
よび33bは、PSD38とシリンドリカルレンズ39
とから構成される。
【0046】LED36から発せられた光は、その直前
に配置される光学レンズ37によって、入力/検出面1
01cと平行なビームとなるように集光される。すなわ
ち、図10に示すように、入力/検出面101cと垂直
な方向の光を光学レンズ37によって入力/検出面10
1cと平行になるように集光し、さらに、入力/検出面
101cと平行な扇形状のビームとなるようにする。こ
のように、扇形状のビームに集光すれば、集光しない時
に比べてより有効に光を利用できるため、位置検出の信
頼性の向上を図ることができる。LED36としては、
可視光線を発光するものでもよいが、ここでは赤外線
(波長890nm)を発光するL2656(浜松ホトニ
クス社製)を使用するものとする。また、光学レンズ3
7としては、入力/検出面101cと垂直な方向の長さ
が10mm、入力/検出面101cと平行で赤外光の発
光光軸と垂直な方向の長さが10mm程度の大きさで、
焦点距離6mm程度のものを用いるものとする。さら
に、光学レンズの焦点位置にLED36の発光点がくる
ように固定配置する。
【0047】受光角度検出部32bおよび33bを構成
するシリンドリカルレンズ39は、図9に示すように、
ペン35からの反射光を、入力/検出面101cと平行
な方向に集光するように配置される。そして、集光した
スポット光はPSD38で受光される。PSD38は、
図9に示すように、入力/検出面101cと平行な方向
に細長い構造を有し、受光面は入射光を電気信号に変換
するためのPN接合面となっている。
【0048】また、PSD38には、受光面の両端に電
流を取り出すための出力端子(S1,S2)が設けられて
おり、受光点S0と出力端子までの距離に反比例した電
流(I1,I2)が、この出力端子から出力される。この
電流(I1,I2)をA/D変換し、マイクロコンピュー
タによって演算することによって、受光点S0の位置を
特定でき、さらにはペン35からの反射光の受光角度を
計算することができる。この演算処理を行う制御回路に
ついては後述する。
【0049】PSD38としては、入力/検出面101
cと平行な方向の受光面の長さが13mm、入力/検出
面101cと垂直な方向の長さが1mm程度のものを用
いればよい。例えば、浜松ホトニクス社製のS3270
を用いることができる。
【0050】図11に、シリンドリカルレンズ39とP
SD38の具体的な配置例を示す。ここで、シリンドリ
カルレンズ39は、入力/検出面101cおよびPSD
38の受光面と平行な方向の長さを10mm、入力/検
出面101cと垂直な方向の長さを10mm程度とした
ものを用い、シリンドリカルレンズ39の光学的中心位
置とPSD38の受光面との距離が6.5mmとなるよ
うに配置する。また、ペン35からの反射光が直接PS
D38の受光面に入力されないようにするため、シリン
ドリカルレンズ39の周囲に黒色ABS等の材料で作っ
たマスク40を配置する。
【0051】さらに、シリンドリカルレンズ39の焦点
距離は、ペン35からの反射光の入射角度の違いにより
レンズとPSD38との距離が変化するため、このレン
ズ39の中心とPSD38の受光面との距離の最大値m
axと最小値minとの間であればよい。例えば、図1
1の場合は、max=9.2mm、min=6.5mm
となるので、焦点距離が9mm程度のシリンドリカルレ
ンズ39を用いればよい。なお、前記したマスク40の
入力/検出面101cに平行な方向の長さは、PSD3
8の受光面の長さ(=13mm)よりも大きければよい
が、例えば図11の場合には、15mm程度あればよ
い。
【0052】図9に示した例では、ペン35からの反射
光をスポット光にしぼるために、シリンドリカルレンズ
39を用いる構成を示したが、これに限定されるもので
はなく、図12に示すように、シリンドリカルレンズ3
9の代わりに、微小な透過孔を一つ有するアパーチャー
を用いてもよい。図12は、アパーチャー41を用いた
発光検出装置32および33の構成の概念図である。こ
の図12の場合には、ペン35からの反射光のうち、透
過孔42を通過した光のみがスポット光としてPSD3
8の受光点S0で受光される。アパーチャー41として
は、黒色ABS等の材料で作られた薄い板を用いればよ
い。
【0053】図13に、アパーチャー41とPSD38
の具体的な配置例を示す。ここで、図11と同様に、P
SD38の受光面の長さを13mmとした場合、PSD
38の受光面からその半分の距離6.5mmだけ離れた
位置に、PSD38の受光面とアパーチャー41の表面
とが平行になるようにアパーチャー41を配置する。ま
た、アパーチャー41の大きさは、ペン35からの反射
光がPSD38の受光面に直接入射しないように、PS
D38の受光面よりも大きいことが好ましい。例えば、
PSD38の受光面の大きさ13mm×1mmに対し
て、アパーチャー41の大きさは15mm×3mm程度
とすることができる。透過孔42は、入力/検出面10
1cと平行な方向ではPSD38の受光面の長さ(13
mm)よりも短く、入力/検出面101cと垂直な方向
ではPSD38の受光面の長さ(1mm)よりも長くす
る。例えば、図13に示すように、2mm×2mmの大
きさとすることができる。
【0054】なお、図9および図12には、発光検出装
置32および33の概念図を示したが、その構成要素
(光源LED36,光学レンズ37,PSD38,およ
びシリンドリカルレンズ39またはアパーチャー41)
を、前述した配置関係を保って一つの筺体中に一体成型
することにしてもよい。ただし、発光部32aおよび3
3a(LED36および光学レンズ37)と受光角度検
出部32bおよび33b(PSD38,およびシリンド
リカルレンズ39またはアパーチャー41)とは、互い
に発光、受光の邪魔にならないようにできるだけ近接さ
せて配置し、さらにLED36から出た赤外光の発光光
軸と、シリンドリカルレンズ39またはアパーチャー4
1によって受光される赤外光の受光光軸とが同一方向と
なるように配置することが必要である。
【0055】発光検出装置32および33は、一体成型
することによって20mm×15mm×10mm程度の
大きさとすることができるので、回転モータを用いてビ
ーム光をスキャンして位置検出を行う場合よりも小型化
が可能である。
【0056】図14は、LED36およびPSD38の
制御回路の構成を示すブロック図である。この制御回路
はLED36の発光タイミングの制御と、PSD38か
ら出力された電流(I1,I2)の演算を行うものであ
る。図14に示すように、制御回路は、MPU27を中
心として、プログラムおよびデータを記憶するROM2
5,RAM26,発光時間間隔を制御するためのタイマ
ー28,インタフェースドライバ29,A/Dコンバー
タ23およびLEDドライバ24がバス接続された構成
からなる。
【0057】PSD38から出力された電流(I1
2)を演算する回路として、PSD38の出力端子
(S1,S2)に、アンプ21およびアナログ演算回路2
2が図12のように接続される。PSD38から出力さ
れた電流(I1,I2)は、アンプ21に入力されて増幅
される。そして、増幅された電流信号は、アナログ演算
回路22において、 I2/(I1+I2) のように処理され、さらにA/Dコンバータ23によっ
てデジタル信号に変換されてMPU27に渡される。こ
の後、MPU27によって受光角度およびペンの位置座
標の演算が行われる。
【0058】図14に示した制御回路を、一方の発光検
出装置32または33と共に同一筺体に組み込んでもよ
く、また、別筺体として入力/検出面101cの一部分
に組み込んでもよい。また、インタフェースドライバ2
9を介して演算された座標データをパソコン等に出力す
るために出力端子を設けることが好ましい。なお、図1
4に示されているパソコンが図1に示したコントロール
ユニット105に該当する。
【0059】つぎに、図15に、座標入力/検出部10
2cにおいて使用される位置指示棒であるペン35の先
端部の形状の一例を示す。ペン35は、いわゆる筆記具
と同様の形状を有し、その先端部、即ち発光検出装置3
2および33から発せられた光が通過する領域に、「光
を反射する構造」(再帰性反射部)を備えたものであ
る。そして、この「光を反射する構造」は、発光検出装
置32および33から発せられた光の入射方向と同一の
方向に光を反射する再帰性構造である。
【0060】図15には、その構造例としてペン35の
先端部が、多数のコーナーキューブから構成される形状
が示されている。コーナーキューブは、図16に示すよ
うに、3つの平面鏡を互いに直角になるように組み合わ
せたものである。一般に、ガラスの立方体から一隅を切
りとった図の太い線で囲まれた部分が、コーナーキュー
ブとして用いられる。このように構成されたコーナーキ
ューブでは、入射光が3つの面で1回ずつ反射され、反
射光は正確に入射光の方向に戻っていくことになる。
【0061】例えば、一辺の長さcを2mmとしたコー
ナーキューブを、直径10mmのペンの先端部に放射状
に配置する。また、図15に示すように、隣り合うコー
ナーキューブの向きを逆にして配置すると、一段につき
62個のコーナーキューブを設けることができ、図15
のように3段構成とすると合計186個のコーナーキュ
ーブを設けることができる。なお、反射光が入射光の方
向に戻るような構造としてコーナーキューブを用いるも
のを示したが、反射光が入射光の方向に戻る再帰性を有
するものであれば、他の構造を用いてもよい。
【0062】つぎに、座標入力/検出部102cにおい
て、ペン35によって指示された指示位置の検出原理に
ついて説明する。ここでは、図8に示したように、2つ
の発光検出装置32および33を用いた場合について説
明するが、3つ以上の発光検出装置を用いても同様にペ
ン指示位置を検出することが可能である。
【0063】まず、図8の入力/検出面101c上にお
いて、図15に示したペン35を用いて適当な位置
(X,Y)を指示したものとする。このとき、発光検出
装置32の発光部32aのLED36から出射された赤
外光のうち、線分p1方向に出た光はペン35に当た
り、その反射光は同じ線分p1を逆に進み、受光角度検
出部32bのPSD38で受光される。同様に、発光検
出装置33の発光部33aのLED36から出射された
赤外光のうち線分p2の方向に出た光はペン35に当た
り、その反射光は同じ線分p2を逆に進み、受光角度検
出部33bのPSD38で受光される。PSD38で受
光された光は、図9等で示したようにPSD38に対す
る入射角度によってPSD38の受光面上の異なる位置
にスポット光を形成する。ここで、線分p2は、入力/
検出面101cの角k2を2等分する線分a2からθ2
の角度をなし、線分p1は、入力/検出面101cの角
k1を2等分する線分a1からθ1の角度をなすものと
する。
【0064】図17(a)および図17(b)に、入力
/検出面101cと受光角度検出部32bを形成するシ
リンドリカルレンズ39およびPSD38との位置関係
の具体例を示す。ここで、PSD38の受光面は、入力
/検出面101cの2辺と45°の角度をなす線分a1
に対して直交するように位置している。すなわち、シリ
ンドリカルレンズ39の中心とPSD38の受光面の中
央とを結んだ線分a1が受光光軸および発光光軸と一致
する。また、シリンドリカルレンズ39の中心とPSD
38の受光面の中央との距離をLとし、PSD38の受
光面の長さを2Lとする。
【0065】ここで、ペン35からの反射光が線分p1
を通って、PSD38の中央位置からD1の距離だけ離
れた位置で受光されたものとする。また、PSD38の
受光面の2つの出力端子から得られる電流値をI1,I2
とする。このとき、電流とPSD38の受光位置との間
には次の関係が成立する。 I1=I0×(L−D1)/2L I2=I0×(L+D1)/2L I0=I1+I2(I0:全電流)
【0066】したがって、 L+D1=2L×I2/(I1+I2) となる。
【0067】すなわち、反射光の受光位置D1は、PS
D38で得られる電流値I1,I2から求めることがで
き、これは図14の制御回路のアンプ21およびアナロ
グ演算回路22によって計算される。ところで、図17
(b)により、 D1/L=tanθ1 という関係が成立するから、以下の式で反射光の入射角
度θ1を求めることができる。 θ1=tan-1(D1/L)
【0068】同様にして、もう一方の発光検出装置33
の受光角度検出部33bについても、PSD38の中央
からの受光位置までの距離をD2とすると、次式により
反射光の入射角度θ2を求めることができる。 θ2=tan-1(D2/L)
【0069】さらに、ペン35の指示位置(X,Y)
は、2つの反射光の入射角度θ1,θ2のなす線分a
1,a2の交点となるので、次式を用いてθ1,θ2か
ら指示位置(X,Y)を求めることができる。 Y=Xtan(45°−θ2) Y=(A−X)tan(45°−θ1) ここで、Aは図8に示す入力/検出面101cの横方向
の長さである。
【0070】上記の連立方程式を解けば、ペン35によ
って指示された入力/検出面101c上の位置座標X,
Yを求めることができる。なお、(θ1,θ2)および
(X,Y)は、定式化されているので、ROM25にこ
れらの数式をプログラム化して組み込めば、MPU27
の演算によって容易に求めることができる。また、演算
結果である(X,Y)の座標値は、インタフェースドラ
イバ29を介してパソコン(コントロールユニット10
5)等へ転送され、ペン35による指示位置の表示や、
指示位置に対応するコマンド入力などの処理に利用され
る。
【0071】前述した座標入力/検出部102cの説明
においては、2つの発光検出装置32および33を用い
た例を示したが、両装置のLED36を同時に発光させ
ると互いの赤外光が相手の装置内のPSD38で検出さ
れるおそれがあるので、LEDドライバ24によるLE
D36の発光制御は時分割して交互に行ない、これと同
期させて、PSD38の電流検出を行なうことが好まし
い。
【0072】例えば、一方のLED36を発光させ他方
のLED36を消灯させた状態で、一方のLED36に
対応するPSD38の電流検出を行い、10msec後
に、逆に一方のLED36を消灯させ他方のLED36
を発光させた状態で、他方のLED36に対応するPS
D38の電流検出を行うようにする。すなわち、10m
secごとに、交互に2つのLED36のうちどちらか
一方を発光させるようにすればよい。この制御は、MP
U27がタイマー28を用いて行う。このようにLED
発光の時分割制御を実行すれば、赤外光の誤検出もなく
なり、ペン35が移動する場合にも十分追従して位置検
出を行うことが可能である。
【0073】なお、入力/検出面101cは、ペンで位
置を指示できる平面形状であればよく、特に図8に示し
たような四角形状に限定されるものではなく、他の形状
でもかまわない。また、前述した例では、入力/検出面
101cとして平面板を用いることを前提としたが、こ
れに限定するものではなく、表示装置、例えばCRTや
LCDの表示画面を用いてもよい。CRTやLCDを用
いる場合は、表示光がPSD38に入射して誤検出され
る影響をなくすため、前述した赤外線発光LEDを用い
ることが好ましく、PSD38としては赤外線発光LE
Dのピーク発光波長を検出することのできるものを用い
ることが好ましい。さらに、CRTやLCDから発生す
る赤外線が座標検出に悪影響を及ぼさないようにするた
め、PVC樹脂等で作られた赤外線カットフィルタを表
示画面上に配置することが好ましい。
【0074】(4)第4の構成例 図18は、本実施の形態に係る座標入力/検出部102
の第4の構成例を示す構成図である。図18に示す座標
入力/検出部102dは、前述した第1〜第3の構成例
とは異なり、入力/検出面101dを取り込む画像入力
手段を利用したものである。
【0075】図18において、111は赤外線位置検出
部、112aおよび112bは赤外線位置検出部111
内に配列された2つの赤外線CCDカメラであり、水平
方向に距離Lの間隔をあけて配列されている。また、1
14は赤外線LED113からの赤外線を上方に向けて
放射するようにその先端に赤外線LED113を配置し
たペン型の座標入力部である。
【0076】また、115はコントロール部、116は
コントロール部115において生成され、赤外線位置検
出部111の赤外線CCDカメラ112aおよび112
bに入力されるリセット信号、117はコントロール部
115において生成され、赤外線CCDカメラ112a
および112bに入力される垂直走査のための垂直クロ
ック信号、118はコントロール部115において生成
され赤外線CCDカメラ112aおよび112bに入力
される水平走査のための水平クロック信号であり、赤外
線CCDカメラ112aおよび112bは、リセット信
号116,垂直クロック信号117,水平クロック信号
118の入力に応じてX−Y方向の走査を開始する。
【0077】119aおよび119bは赤外線CCDカ
メラ112aおよび112bより出力される映像信号で
ある。120はリセット信号116を発生するリセット
信号回路、121は垂直クロック信号117を発生する
垂直クロック回路、122は水平クロック信号118を
発生する水平クロック回路である。123aおよび12
3bは映像信号119aおよび119bをもとに波形の
ピークを検出し水平クロック信号118の周期にあわせ
てピーク信号を発生するピーク検出回路である。124
aおよび124bは、ピーク検出回路123aおよび1
23bから得られたピーク検出信号である。
【0078】125は座標位置を算出する演算回路であ
る。126は演算回路125により算出された座標位置
をコンピュータ(例えばコントロールユニット105)
に送信するインターフェース回路である。また、127
は演算回路125により算出された座標位置を表示する
表示回路である。また、図示していないが、赤外線位置
検出部111の撮影範囲以外にペン型の座標入力部11
4が位置すると、警告音等を発生する音声回路部を備え
ることにより、操作性を向上させることができる。ま
た、赤外線CCDカメラ112aおよび112bにレン
ズ倍率調整回路部または焦点距離調整回路部を設けるこ
とにより、原稿サイズ,入力精度の要求または入力/検
出面101dの大きさに応じて解像度,検出範囲を設定
でき、操作性を向上させることができる。
【0079】なお、図18においては、コントロール部
115を赤外線位置検出部111と別体に構成したが、
前述の各回路を小型化することにより、コントロール部
115を赤外線位置検出部111に一体化することも可
能である。
【0080】以上のように構成された座標入力/検出部
112dについて、図19を用いてその動作を説明す
る。図19は座標入力/検出部102dにおける信号波
形を示すタイミングチャートである。
【0081】まず、リセット信号116,垂直クロック
信号117および水平クロック信号118が同時に2つ
の赤外線CCDカメラ112aおよび112bに入力さ
れる。これらの入力信号により、赤外線位置検出部11
1は、2つの赤外線CCDカメラ112aおよび112
bからの映像信号119aおよび119bをコントロー
ル部115に入力する。通常の赤外線CCDカメラ11
2aおよび112bでこのペン型の座標入力部114を
撮影するとペン自体が撮影されるが、露出を絞った赤外
線CCDカメラ112aおよび112bで撮影すると、
赤外線LED113の発光部のみが撮影され、他の物は
撮影されず黒色となる。
【0082】したがって、それぞれの赤外線CCDカメ
ラ112aおよび112bの映像信号119aおよび1
19bには赤外線LED113の位置に相当するところ
に、強いピーク信号128aおよび128bが現れる。
これらピーク信号128aおよび128bはピーク検出
回路123aおよび123bで検出され、ピーク検出信
号124aおよび124bとして演算回路125に送信
される。
【0083】また、演算回路125では、コントロール
部115のROM(図示せず)に予め記憶されている変
換テーブル(図示せず)を用いることにより、赤外線C
CDカメラ112aおよび112bにピーク信号128
aおよび128bが現れたところが赤外線CCDカメラ
112aおよび112bの基準となる原点から何度の角
度の位置にあるかが判るようになっている。したがっ
て、その2つの角度情報と2つの赤外線CCDカメラ1
12aおよび112bの距離Lによりペン型の座標入力
部114の座標位置を計算することができる。このよう
にして得られた座標位置に関する情報は、インターフェ
ース回路126を介してコンピュータ等(図1のコント
ロールユニット105)に送信される。
【0084】つぎに、図20を用い、以上のように動作
する座標入力/検出部102dにおける座標位置の算出
方法を説明する。2つの赤外線CCDカメラ112aお
よび112bにより、赤外線LED113を備えたペン
型の座標入力部114の位置を示すピーク検出信号12
4aおよび124bが検出され、リセット信号116か
らの垂直クロック信号117の位置と、水平クロック信
号118の位置とにより、赤外線CCDカメラ112a
および112bにおける2次元座標(x1,y1)、
(x2,y2)が求められる。
【0085】ここで、各座標の原点は適宜決定される
が、ここでは各赤外線CCDカメラ112aおよび11
2bの撮影範囲の左下隅を原点にとる。これから、赤外
線CCDカメラ112aおよび112bにおける赤外線
LED113の原点からの角度α,βは以下の式より求
められる。 α=tan-1(y1/x1) β=tan-1(y2/x2)
【0086】これらの数式を用いて、2つの赤外線CC
Dカメラ112aおよび112bからの赤外線LED1
13のペンの角度α,βを算出することができる。ここ
で、1つの赤外線CCDカメラ112aの位置を原点に
とり、2つの赤外線CCDカメラ112aおよび112
bの距離をLとすると、図20に示すように、直線
(a)および(b)の式は以下の数式で表される。 (a)y=(tanα)×x (b)y=(tan(π−β))×(x−L)
【0087】これらの2つの連立一次方程式を解くこと
により、赤外線LED113のペン型の座標入力部11
4の座標位置を算出できる。ここで、演算回路125の
演算速度を上げるために、角度α,βによる座標位置の
算出のための変換テーブルを設けることにより、即座に
座標位置を求めることができ、スムーズな図形等の入力
ができる。
【0088】以上のようにこのような電子カメラの如き
画像入力手段を利用した座標入力/検出部102dによ
れば、赤外線位置検出部111を電子的に画像を表示す
るディスプレイやマーカー等のペンで文字等を書き込む
ことが可能なホワイトボード等の前面に配置することに
より、図1に示したような装置を簡単に構成することが
できる。そして、ディスプレイやホワイトボードの表面
を入力/検出面101として利用することができる。
【0089】また、タブレット盤等を作業領域(入力/
検出面101)等におく必要がなく、入力/検出面10
1となる空間を利用して図形等の入力において正確に座
標位置を検出することができる。また、原稿等が入力/
検出面101上に束ねてあっても、その上で図形等の位
置入力作業を行うことができる。また、原稿やホワイト
ボート等に細かい図面等が記載されていた場合、レンズ
倍率調整回路部等により原稿のサイズに合わせて撮影範
囲を可変設定でき、解像度の設定ができるので、操作
性、利便性を向上させることができる。
【0090】2.本実施の形態に係る座標入力/検出装
置の特徴 本発明は、座標入力/検出部102a〜102dのよう
な座標入力/検出部102を用いて図1に示す座標入力
/検出装置100を構成し、この座標入力/検出装置1
00を実際に使用する際における使用者の疲労度に着目
し、使用者が疲れないような構成を有する座標/入力検
出装置100を提供するものである。
【0091】図21は、図1に示した座標入力/検出装
置100の使用状態を示す説明図である。図21中左側
の人間は、座標入力/検出装置100を操作する操作者
であり、右の椅子に座っている人間が、操作者によって
入力された入力/検出面101の情報(例えば、入力/
検出面101がディスプレイで構成されている場合には
ディスプレイに表示された情報、ホワイトボードで構成
されている場合にはホワイトボードに書き込まれた情
報)を見ているところである。図21においては操作者
および椅子に座っている人間とも各々1名ずつしか示さ
れていないが、会議において座標入力/検出装置100
を例えば電子黒板システムとして使用する場合には、椅
子に座っている人間が複数人存在することになる。
【0092】本実施の形態に係る座標入力/検出装置1
00は、会議等で使用され、しかも長時間にわたって使
用されることが多いことから、会議出席者の疲労の原因
となる。特に、図21に示すように、座っている人間
が、会議の内容が表示されまたは書き込まれた入力/検
出面101の最上位部分を見上げていなければならない
ような場合(図中点線矢印参照)には、その疲労度も顕
著なものとなる。
【0093】本発明の発明者らは、座標入力/検出装置
100における座標入力/検出面101の最上位部分の
高さと会議出席者の疲労との関係に着目し、以下のよう
な3つの実験を行った。
【0094】(1)実験1 実験は、複数の被験者に座標入力/検出装置100を使
って模擬会議を行ってもらい、その疲労度について回答
してもらうというものである。具体的には図1に示した
座標入力/検出装置100において、40インチの大型
表示ディスプレイ(CRT)の前面に座標入力/検出部
102(102a〜102d)を取り付け、入力/検出
面101がディスプレイ面となるようにすると共に、入
力/検出面101の最上位部分を中心に情報の表示を行
い、被験者にはその部分を絶えず見てもらいながら模擬
会議を行い、疲労度をチェックすることにした。
【0095】さらに、実験中においては、複数の被験者
に、座標入力/検出装置100の前面から2〜10mの
位置に並べられた椅子に座ってもらい、床から入力/検
出面101の最上位部分までの高さ(図21のhにほぼ
相当)を変えて複数回の模擬会議を行った。被験者は、
全員椅子に座っているので各被験者の目の位置は床から
1〜1.3mの位置にあり、入力/検出面101の最上
位部分を見る時には必ず少し見上げる姿勢となる。
【0096】被験者は、視力が裸眼で1.0〜1.5を
有する人(以下、裸眼の者と記す)、近視でコンタクト
レンズを使用して0.7〜1.0の視力を得ている人
(以下、コンタクトの者と記す)、強度の近視(裸眼で
0.01以下)で眼鏡を使用して0.7〜1.0の視力
を得ている人(以下、眼鏡の者と記す)をそれぞれ7名
ずつとし、1回の模擬会議は21名ずつで行った。ま
た、1回の模擬会議の時間は2時間とした。
【0097】実験1の結果を表1に示す。
【表1】
【0098】表1において、×は被験者が不調を訴えた
場合であり、○は不調を訴えなかった場合である。また
その不調は、裸眼の者と眼鏡の者は肩こりであり、コン
タクトの者はドライアイと肩こりの両症状を訴えた。
【0099】表1に示す結果からわかることは、高さh
が2.5m以下の場合は、だれも不調を訴えなかった
が、3.0m,4.0mという具合に見上げる高さを高
くしていくにつれて、肩こりやドライアイ(コンタクト
の者の場合)という不調を訴える人数が増えてくるとい
うことである。
【0100】裸眼の者と眼鏡の者では、眼鏡の者の方が
肩こりの不調を訴える人数が多いが、これは強度の近視
用眼鏡を使用して上方を見上げる場合、厚いレンズの端
の部分を通して見ることにより像の歪みが強くなるため
と考えられる。またコンタクトの者の場合は、肩こりと
ドライアイの不調を訴えているが、ドライアイについて
は、上方を見上げる姿勢を取り続けることにより、必然
的に目を大きく見開くことになりそのような症状になる
と考えられる。
【0101】以上の結果より、座標入力/検出装置10
0をやや上向きで使用し続ける場合には、その入力/検
出面101の最上位部分の高さは、床より2.5m以下
にする必要があることがわかる。
【0102】(2)実験2 つぎに、実験2について説明する。実験2に使用する座
標入力/検出装置100は、ホワイトボード(わずかに
灰色がかっているがかなり白色に近い色のもの)の前面
に座標入力/検出部102(102a〜102d)を設
け、入力/検出面101をホワイトボードの面としたも
のである。他の構成については図1に示した通りであ
る。そして、ホワイトボードである入力/検出面101
の最上位部分に近いところに黒色,赤色,青色のマーカ
ーで情報を書き込みつつ模擬会議を行った。なお、ホワ
イトボードのサイズは実験1で使用したCRTと同様4
0インチとした。被験者や実験条件などは第1の実験と
同様である。
【0103】実験2の結果を表2に示す。
【表2】
【0104】実験2においても、実験1の場合とほぼ同
様な結果が得られた。すなわち、座標入力/検出装置1
00の入力/検出面101の最上位部分の高さを床より
2.5m以下にすることにより、被験者が肩こりやドラ
イアイの症状を感じることを防止することができるとい
う結果を得た。
【0105】(3)実験3 さらに、実験3について説明する。実験3で使用する座
標入力/検出装置100は、濃い緑色の黒板の前面に座
標入力/検出部102(102a〜102d)を設け、
入力/検出面101を黒板の面としたものである。他の
構成については図1に示した通りである。そして、黒板
である入力/検出面101の最上位部分に近いところに
白色,赤色,青色のチョークで情報を書き込みつつ模擬
会議を行った。なお、黒板のサイズは実験1および2で
使用したCRTおよびホワイトボードと同様40インチ
とした。被験者や実験条件などは第1の実験と同様であ
る。
【0106】実験3の結果を表3に示す。
【表3】
【0107】実験3においても、実験1および2の結果
と類似した傾向の結果が得られた。すなわち、座標入力
/検出装置100の入力/検出面101の最上位部分の
高さを床より2.5m以下にすることにより、被験者が
肩こりやドライアイの症状を感じることを防止すること
ができるという結果を得た。
【0108】ただし、実験3においては、不調を訴える
被験者の数が、実験1および実験2の場合に較べて少な
くなっていることがわかった(コンタクトの者が訴えた
ドライアイの症状についてはほとんど変化がない)。こ
の理由としては、やや見上げるようにして入力/検出面
101を見続ける姿勢を取っていても、見る物によって
その疲労度が異なるためであると考えられる。すなわ
ち、実験1のCRTのように輝度情報のものや、実験2
のホワイトボードのように白い物は目に優しくなく、濃
い緑色のようなものの方が目に優しいためと考えられ
る。
【0109】以上の実験結果に基づき、本実施の形態係
る座標入力/検出装置100においては、入力/検出面
101の最上位部分の高さを床から2.5m以下とす
る。また、入力/検出面101の最上位部分の高さを、
2.5m以下の高さで入力/検出面101の大きさに応
じて調節することができるようにしても良い。なお、入
力/検出面101の最上位部分を最も低くする場合の限
界は、入力/検出面101の大きさや使用状態に依存す
る。
【0110】上記実験結果は、前述した複数種類の座標
入力/検出部102(102a〜102d)のいずれを
用いた場合にも当てはまるものである。また、他の種類
の座標入力/検出部を用いた場合であっても、上記実験
結果を適用して図1のような座標入力/検出装置を構成
することが可能であることはいうまでもない。
【0111】このように、本実施の形態に係る座標入力
/検出装置によれば、入力/検出面101の最上位部分
の高さを床から2.5m以下とするため、長時間にわた
る会議に座標入力/検出装置100を用いた場合であっ
ても、会議出席者の疲労を軽減することが可能となる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の座標入力
/検出装置(請求項1)によれば、平面またはほぼ平面
の2次元座標を検出する領域を、床に対して垂直または
おおよそ垂直になるように保持する保持部材を含む座標
入力/検出装置において、2次元座標を入力/検出する
領域の最上位部分の高さを床から2.5m以下としたの
で、2次元座標を入力/検出する領域の最上位部分を使
用者が見上げる状況で使用するようなものであっても、
長時間使用し続けても使用者がほとんど疲れない座標入
力/検出装置を提供することができる。
【0113】また、本発明の座標入力/検出装置(請求
項2)によれば、平面またはほぼ平面の2次元座標を検
出する領域を、床に対して垂直またはおおよそ垂直にな
るように保持する保持部材を含む座標入力/検出装置に
おいて、2次元座標を入力/検出する領域の最上位部分
の高さを床から2.5m以下としたので、2次元座標を
入力/検出する領域の最上位部分を使用者が見上げる状
況で使用するとともにその情報表示部分が電子的に画像
を表示するディスプレイ表面であるようなものであって
も、長時間使用し続けても使用者がほとんど疲れない座
標入力/検出装置を提供することができる。
【0114】さらに、本発明の座標入力/検出装置(請
求項3)によれば、平面またはほぼ平面の2次元座標を
検出する領域を、床に対して垂直またはおおよそ垂直に
なるように保持する保持部材を含む座標入力/検出装置
において、2次元座標を入力/検出する領域の最上位部
分の高さを床から2.5m以下としたので、2次元座標
を入力/検出する領域の最上位部分を使用者が見上げる
状況で使用するとともにその情報表示部分が白色を主体
とした面状の部材のようなものであっても、長時間使用
し続けても使用者がほとんど疲れない座標入力/検出装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出装置
の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出部の
第1の構成例を示す構成図である。
【図3】図2に示す座標入力/検出部を構成する受発光
部の構成図である。
【図4】図2に示す座標入力/検出部の動作説明図であ
る。
【図5】図2に示す座標入力/検出部の動作説明図であ
る。
【図6】図2に示す座標入力/検出部の詳細な構成図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出部の
第2の構成例を示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出部の
第3の構成例を示す構成図である。
【図9】図8に示す座標入力/検出装置を構成する発光
検出装置の構成図である。
【図10】図9に示す発光検出装置から出射される光の
集光状態を示す説明図である。
【図11】図9に示すシリンドリカルレンズおよびPS
Dの配置例を示す説明図である。
【図12】図8に示す座標入力/検出部を構成する発光
検出装置の他の例を示す構成図である。
【図13】図12に示すアパーチャーおよびPSDの配
置例を示す説明図である。
【図14】図9および図12に示すLEDおよびPSD
の制御回路を示すブロック図である。
【図15】図8に示す座標入力/検出部において使用さ
れるペンの構成図である。
【図16】図15に示すペンに設けられたコーナーキュ
ーブの構成図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出部
の第3の構成例において、ペンによって指示された位置
を検出する原理の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出部
の第4の構成例を示す構成図である。
【図19】図18に示す座標入力/検出部における信号
波形を示すタイミングチャートである。
【図20】図18に示す座標入力/検出部における座標
位置の算出方法の説明図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る座標入力/検出装
置の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 受発光部 2 指示物体 4,55 再帰性反射部材 5 ディスプレイ面 10〜13,L1〜Ln プローブ光 21 アンプ 22 アナログ演算回路 23 A/Dコンバータ 24 LEDドライバ 25 ROM 26 RAM 27 MPU 28 タイマー 29 インタフェースドライバ 32,33 発光検出装置 32a,33a 発光部 32b,33b 受光角度検出部 34 基準点 35 ペン 36,61,63 LED 37 光学レンズ 38 PSD 39,84〜86,89 シリンドリカルレンズ 40 マスク 41 アパーチャー 42 透過孔 50,90 受光素子 51 集光レンズ 62,64 フォトトランジスタ 66 タッチ部分 68,69 光路 67 タッチ座標位置 81 点光源 82 スリット 83 光源 87 ハーフミラー 88 二次光源 100 座標入力/検出装置 101,101a〜101c 入力/検出面 102,102a〜102d 座標入力/検出部 103a,103b 保持部材 104 操作部 105 コントロールユニット 111 赤外線位置検出部 112a,112b 赤外線CCDカメラ 113 赤外線LED 114 座標入力部 115 コントロール部 116 リセット信号 117 垂直クロック信号 118 水平クロック信号 119a,119b 映像信号 120 リセット信号回路 121 垂直クロック回路 122 水平クロック回路 123a,123b ピーク検出回路 124a,124b ピーク検出信号 125 演算回路 126 インターフェース回路 127 表示回路 128a,128b ピーク信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 3/033 370 G06F 3/033 370 (72)発明者 井上 隆夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 清水 弘雅 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 高橋 禎郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C071 BB06 CA02 CA04 CB06 CB28 DA03 DC04 5B068 AA05 AA15 AA32 BB19 BC04 BC05 BD02 BD09 BD17 5B087 AA09 AB04 AE02 BC03 CC12 CC33 CC34 DD17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発光手段と複数の受光手段とを備
    え、これらの発光/受光の光路内の光遮断手段の有無に
    より、該光遮断手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座
    標を検出する座標入力/検出装置、または、平面もしく
    はほぼ平面の座標入力/検出領域を取り込む画像入力手
    段と、該画像入力手段により取り込まれた情報のうちの
    一部の領域を2次元座標情報に変換する手段とを備えた
    座標入力/検出装置において、該座標入力/検出装置
    は、平面またはほぼ平面の座標入力/検出領域を有する
    座標入力/検出部材と、該部材を保持する保持部材と、
    前記座標情報等を処理するコントロールユニット等から
    構成され、前記平面またはほぼ平面の2次元座標を入力
    /検出する領域は、床に対して垂直またはおおよそ垂直
    になるよう保持される保持部材を含む座標入力/検出装
    置であるとともに前記2次元座標を入力/検出する領域
    の最上位部分は使用者が見上げる状況で使用する座標入
    力/検出装置であって、前記最上位部分の高さを床から
    2.5m以下としたことを特徴とする座標入力/検出装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の発光手段と複数の受光手段とを備
    え、これらの発光/受光の光路内の光遮断手段の有無に
    より、該光遮断手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座
    標を検出する座標入力/検出装置、または、平面もしく
    はほぼ平面の座標入力/検出領域を取り込む画像入力手
    段と、該画像入力手段により取り込まれた情報のうちの
    一部の領域を2次元座標情報に変換する手段とを備えた
    座標入力/検出装置において、該座標入力/検出装置
    は、平面またはほぼ平面の座標入力/検出領域を有する
    とともに電子的に画像を表示するディスプレイ表面であ
    る座標入力/検出部材と、該部材を保持する保持部材
    と、前記座標情報等を処理するコントロールユニット等
    から構成され、前記平面またはほぼ平面の2次元座標を
    入力/検出する領域は、床に対して垂直またはおおよそ
    垂直になるよう保持される保持部材を含む座標入力/検
    出装置であるとともに前記2次元座標を入力/検出する
    領域の最上位部分は使用者が見上げる状況で使用する座
    標入力/検出装置であって、前記最上位部分の高さを床
    から2.5m以下としたことを特徴とする座標入力/検
    出装置。
  3. 【請求項3】 複数の発光手段と複数の受光手段とを備
    え、これらの発光/受光の光路内の光遮断手段の有無に
    より、該光遮断手段の平面もしくはほぼ平面の2次元座
    標を検出する座標入力/検出装置、または、平面もしく
    はほぼ平面の座標入力/検出領域を取り込む画像入力手
    段と、該画像入力手段により取り込まれた情報のうちの
    一部の領域を2次元座標情報に変換する手段とを備えた
    座標入力/検出装置において、該座標入力/検出装置
    は、平面またはほぼ平面の座標入力/検出領域を有する
    とともに筆記手段による書き込みおよび消去が可能な白
    色を主体とした面状の座標入力/検出部材と、該部材を
    保持する保持部材と、前記座標情報等を処理するコント
    ロールユニット等から構成され、前記平面またはほぼ平
    面の2次元座標を入力/検出する領域は、床に対して垂
    直またはおおよそ垂直になるよう保持される保持部材を
    含む座標入力/検出装置であるとともに前記2次元座標
    を入力/検出する領域の最上位部分は使用者が見上げる
    状況で使用する座標入力/検出装置であって、前記最上
    位部分の高さを床から2.5m以下としたことを特徴と
    する座標入力/検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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