JP2000267307A - 静電記録材料及びそれを用いた標示板の製造方法 - Google Patents

静電記録材料及びそれを用いた標示板の製造方法

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JP2000267307A
JP2000267307A JP11075986A JP7598699A JP2000267307A JP 2000267307 A JP2000267307 A JP 2000267307A JP 11075986 A JP11075986 A JP 11075986A JP 7598699 A JP7598699 A JP 7598699A JP 2000267307 A JP2000267307 A JP 2000267307A
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layer
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JP11075986A
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Takehiro Sasaki
武弘 佐々木
Kunito Kajitani
邦人 梶谷
Hidenori Otsuki
秀紀 大槻
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】標示板の反射シートの再帰反射性を損うことな
く標示板製造に好適な記録材料を提供する。標示板の大
きさに関わりなく多様な表示内容の標示板を極めて簡単
な工程で製造する。 【解決手段】静電記録材料10は、実質的に透明なプラス
チックフィルム11と、このフィルム11上に形成された導
電層12と、その上に形成された誘電層13とを備え、その
全光線透過率が86%以上、ヘイズ値が15%以下であっ
て、誘電層は0.5〜12重量%の顔料を含有している。こ
の静電記録材料10の誘電層13に、静電記録によって鏡像
16を形成し、鏡像が形成された静電記録材料10の誘電層
13側を接着剤37を介して反射シート30の反射面に貼付す
る。次いで反射シート30の裏面側を基板20に貼付し、標
示板を製造する。静電記録材料10に鏡像を印字して貼着
するだけで種々の大きさ、表示内容の標示板を極めて簡
単に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、再帰反射シートを
用いた標示板の製造に好適な静電記録材料及びそのよう
な静電記録材料を用いた標示板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】道路標識等の標示板は、反射シートを貼り
付けた基板上に、文字、記号等を貼り製作することが一
般的であり、次のように作製される。まず表示内容のレ
イアウト図に従って文字、記号等の原寸を作製し、反射
シートを文字、記号等の原寸に切断する。切断は通常コ
ンピュータで制御されたカッティングマシーンで行なわ
れる。原寸切断後の反射シートを、基板上に貼りつけた
素地の反射シート上に重ねて貼りつける。ここで文字等
を正確に貼りつけるために、設計レイアウトにより文字
・記号の位置をプロットしながら貼りつける。この仮圧
着の後、真空加熱圧着機等により本圧着する。
【0003】このように従来の標示板の作製には、文字
等の原寸切断、貼りつけ等の煩雑な工程を必要として、
しかも設置される場所によって表示内容や基板の寸法が
各々異なるため一品製作的な要素が強かった。
【0004】一方、文字、記号等の表示内容をスクリー
ン印刷によって素地の反射シートに直接印刷する方法も
ある。この方法は標示板が小型で、その表示内容が同一
のものを多量に製作する場合には向いているが、印刷機
の制約から大型の標示板を作製することは困難である。
また数量の少ないものを製作する場合には、多種のスク
リーン版を用意しなければならず工程の簡略化にはなら
ない。さらに印刷インクの種類によっては標示板の反射
シートの再帰反射性を阻害し、表示内容が見にくくなる
場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、標示
板の大きさに関わりなく多様な表示内容の標示板を極め
て簡単な工程で製造することができる標示板の製造方法
を提供することを目的とする。また本発明は、標示板の
反射シートの再帰反射性を損うことなく且つ標示板とし
て必要な耐光性等の性能を備えた記録材料を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため本発明者らは、標示板の製造に使用可能な記録材
料について鋭意研究した結果、静電記録材料が記録対象
の大きさの制限が少なく耐光性の点からも好適であるこ
と、特に全光線透過率およびヘイズ値ならびに誘電層に
含まれる顔料の量を特定の範囲としたものでは反射シー
トの再帰反射性を損うことなく標示板を製造できること
を見出し本発明に至ったものである。
【0007】即ち、本発明の静電記録材料は、実質的に
透明なプラスチックフィルムから成る支持体と、前記支
持体上に形成された導電層と、その上に形成された誘電
層とを備えた静電記録材料であって、その全光線透過率
が86%以上、ヘイズ値が15%以下であって且つ前記誘電
層は0.5〜12重量%の顔料を含有するものである。尚、
全光線透過率およびヘイズ値は、JIS K6714に基づき測
定したものである。
【0008】全光線透過率およびヘイズ値並びに誘電層
に含まれる顔料の含有量を上述した範囲とすることによ
り、この静電記録材料を反射シートに貼付した場合、反
射シートの反射性、特に再帰反射性をほとんど低下させ
ることがない。従ってこの静電記録材料は道路標識等の
標示板の製造用として好適である。但し、その他の表示
物の製造にも使用できることは言うまでもない。
【0009】本発明の静電記録材料は、支持体、導電層
および誘電層のうちの少なくとも1層又はこれらとは別
に設けた層に、紫外線吸収機能が付与されていることが
好ましい。一般に静電記録画像は、インクジェット記録
等の画像よりもはるかに耐光性に優れているが、静電記
録材料を構成するいずれかの層に紫外線吸収機能を付与
することにより、さらに標示板等の耐光性を高めること
ができる。
【0010】尚、紫外線吸収機能を付与する方法として
は、紫外線吸収剤を添加する、層を構成する樹脂として
紫外線吸収基が導入された樹脂を用いる等がある。紫外
線吸収剤のブリードアウトの問題がなく、また層の透明
性を維持できる点で後者が特に好ましい。
【0011】本発明の標示板の製造方法は、上述した本
発明の静電記録材料の誘電層に、静電記録によって画像
を形成するステップ(1)、画像が形成された静電記録
材料の誘電層側を接着剤を介して反射シートの反射面に
貼付するステップ(2)および反射シートを基材に貼付
するステップ(3)からなる。
【0012】尚、ここで反射シートとは、再帰反射性を
備えた反射シートのみならず、一般に反射性を備えた反
射シートを含む。
【0013】標示板の製造に静電記録材料を用いること
により、大型の標示板にも対応でき、また多品種を効率
よく製造することができる。しかも反射シートの再帰反
射性が阻害されることなく、道路標識設置基準で定めら
れた再帰反射性能基準値を満たす標示板を製造すること
ができる。
【0014】本発明の標示板の製造方法において、ステ
ップ(2)と(3)はいずれを先に行なってもよいが、
好適にはステップ(2)を、ステップ(3)に先立って
行なう。これによりステップ(1)とステップ(2)を
静電プロッターとラミネーターを用いて連続して行なう
ことができ、標示板の製造工程を簡略化できる。
【0015】さらに本発明の標示板は、上述の製造方法
によって製造されたものであり、優れた耐光性と再帰反
射性を備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の静電記録材料を詳
細に説明する。
【0017】本発明の静電記録材料の支持体としては、
塩化ビニル樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリウレタン、フッ素樹脂等の透明なプラ
スチックフィルムを使用することができ、特にポリエス
テル、ポリウレタン等の耐候性の高い材料が好適であ
る。また紫外線吸収剤を練り込んである材料を用いるこ
とができ、これにより耐光性を向上することができる。
【0018】プラスチックフィルムの厚さは、特に限定
されないが、静電プロッターによる記録に必要な厚さ、
50μm〜200μm程度を備えていることが好ましい。50
μmより薄い支持体を使用する場合には、支持体の反対
面に補強用フィルムを貼着して、画像形成後に補強用フ
ィルムを剥離して使用すればよい。支持体は、その上に
導電層との接着性を改良するために易接着処理されてい
てもよい。
【0019】導電層は、金属酸化物や金属の電子伝導タ
イプの導電剤をプラスチックフィルム上に蒸着するか、
あるいは電子伝導タイプの導電剤を水不溶性樹脂の有機
溶媒溶液と混合して、これをプラスチックフィルム上に
塗布・乾燥することにより形成することができる。良好
な記録が可能であるために表面抵抗率が104〜107Ω/□
の範囲であることが好ましく、静電プロッターの種類に
応じて最適な範囲に調節する。
【0020】また導電層は、その全光線透過率が支持体
に塗布したときに、86%以上、好ましくは88%以上とな
るようにする。このような高い透過率とすることによ
り、再帰反射性能基準を満たす標示板を作製することが
できる。
【0021】このような光学特性を得るために、導電剤
としては透明なものが好ましい。このような導電剤とし
てITO、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン等の金属酸
化物が好適であり、特にITOが好適である。
【0022】また導電剤を樹脂と混合する場合に用いる
樹脂としてはアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、
熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体及びセルロース誘導体樹脂等
の水不溶性の樹脂が挙げられる。
【0023】導電層を蒸着或いは水不溶性の樹脂を用い
た塗工によって設けることにより、屋外の環境下に置か
れてもフィルム端部から導電層に水が吸収され、これに
より隣接する層との間で剥がれることを防止できる。
【0024】導電層の厚さは特に限定されないが、通常
0.1μm〜5.0μmとする。
【0025】誘電層は、誘電体樹脂と少量の顔料からな
り、その光学特性は、支持体および導電層と積層した後
の全光線透過率(JIS K6714)が86%以上、好ましくは8
8%以上とする。またヘイズ値(JIS K6714)は15%以
下、好ましくは10%以下とする。誘電層の光学特性をこ
のような範囲とすることにより、本発明の静電記録材料
を反射シートと組合せて使用した場合に、反射シートの
再帰反射性を実用的な範囲に維持することができる。
【0026】誘電体樹脂としては、アクリル系樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹
脂、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びセ
ルロース誘導体樹脂等の公知の誘電層用の樹脂を用いる
ことができる。
【0027】顔料は、静電プロッターの電極と誘電層と
の間に適当なギャップを与え、これによって画像性能を
上げるために添加される。顔料としては、炭酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム等の無機顔料或
いはアクリルビーズ、アクリルスチレン共重合体ビー
ズ、スチレンビーズ等の有機顔料が挙げられる。画質の
向上のためには平均粒径の異なる2種以上の顔料を用い
ることが好ましい。
【0028】顔料は通常の静電記録材料では10重量%以
上添加するのが一般的であるが、本発明の静電記録材料
では画像性能を確保でき且つ上述した光学特性が得られ
る範囲とする。即ち、0.5〜12重量%、好適には1〜10重
量%の範囲で添加する。顔料の含有量が0.5重量%以下
では十分な放電ギャップを得ることができず、良好な画
質の画像を作製できない。また12重量%以上では反射シ
ートに貼着したときに標示板として必要な再帰反射性を
得ることができない。
【0029】誘電層は、これら樹脂と顔料の他、透明性
を阻害しない範囲で紫外線吸収剤、光安定剤、レベリン
グ剤等の添加剤を含むことができる。
【0030】誘電層の厚さは、上述した光学特性の範囲
であれば特に限定されないが、2〜10μmが適当であ
る。このような範囲とすることにより画質の低下を招く
ことなく高い再帰反射性を維持することができる。
【0031】本発明の静電記録材料は、上述の支持体、
導電層および誘電層の少なくとも一層或いはこれらの層
と別に設けられた層に紫外線吸収能を付与することが好
ましい。これらの層に紫外線吸収能を付与するために
は、紫外線吸収剤を層に練り込むか、層を構成する樹脂
として紫外線吸収基を有する樹脂を使用する。
【0032】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系等が挙げら
れ、支持体、導電層及び誘電層の実質的な透明性を阻害
しないものを使用する。練り込みの場合には、紫外線吸
収剤の含有量が0.5〜3g/m2程度となるようにする。
【0033】紫外線吸収基を有する樹脂としては、例え
ば次式(1)で示されるベンゾトリアゾール骨格にメタ
クロイル基を導入した紫外線吸収剤と、メタクリレート
(MMA)を共重合したものを構造内に有するアクリル系
樹脂(式(2))が好適である。
【0034】
【化1】 このように紫外線吸収基を構造内に導入した樹脂を用い
ることにより、紫外線吸収剤を用いる場合に生じるブリ
ードアウトや層の透明性が損われるという問題がない。
【0035】紫外線吸収能を有する層(UV吸収層)を別
途設ける場合、UV吸収層は支持体と導電層との間、支持
体の裏面(導電層が設けられた面の反対側)或いは支持
体の両面に設けることが好ましい。本発明の静電記録材
料を標識用として用いた場合、支持体が最外層となるの
で、支持体の少なくとも一方の面にUV吸収層を設けるこ
とにより、内側の層となる画像を紫外線から保護し、退
色等を防止することができる。
【0036】本発明の静電記録材料は、さらに必要に応
じて誘電層の上に地カブリを防止するための層(地カブ
リ防止層)を設けてもよい。地カブリ防止層は、通常ア
クリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステ
ル樹脂等の樹脂から構成される。厚さは誘電層表面の凹
凸を阻害しない範囲の薄さで、通常0.05〜2.0μ程度で
ある。
【0037】本発明の静電記録材料は、支持体上に各層
を構成する塗布液を順次、塗布、乾燥して積層すること
によって製造することができる。図1(a)、(b)に
本発明の静電記録材料の実施例を示す。図1(a)に示
す静電記録材料10は、支持体11の一方の面上に導電層1
2、誘電層13および地カブリ防止層14が形成され、他方
の面にUV吸収層15が形成されたものであり、図1(b)
に示す静電記録材料は、支持体11上にUV吸収層15、導電
層12、誘電層13および地カブリ防止層14が順次形成され
たものである。尚、図1は単に層構造を示すためのもの
であり、各層の厚さは現実のものと必ずしも対応してい
ない。
【0038】このような構成による本発明の静電記録材
料は、通常の静電記録材料と同様に静電プロッター等の
静電記録手段によって誘電層上に静電トナー像を形成す
ることができ、記録後のものは各種表示物として利用す
ることができる。特に静電記録材料を構成する全ての層
が実質的に透明であって、その下に反射シートが貼付さ
れた場合にもその再帰反射性を妨げないので、反射シー
トと組合せて使用するのに好適である。
【0039】次に本発明の静電記録材料を用いた標示板
およびその製造方法について説明する。本発明の標示板
は、図2に示すように基板20上に反射シート30および画
像16が形成された静電記録材料10が積層された構造を有
し、静電記録材料10として上述した静電記録材料を用い
る。
【0040】基板20は、アルミニウム合金板、防錆処理
鋼板、FRP板、軽質塩化ビニル板、ABS樹脂板、ポリカー
ボネート、メタクリル樹脂等の合成樹脂板、合板(耐水
ベニヤ板)、その他複合材料を用いることができる。基
板は所定の寸法の切断した後、切断面のバリやめくれを
除去し、必要に応じて補強金具を配置し、下地処理をし
ておく。下地処理はサンドエッチング、ラッカーシンナ
ーや表面処理液を用いた脱脂処理、洗浄および乾燥から
なる。
【0041】反射シート30としては、正面から入射する
光のみならず斜めから入射する光に対しても正確な再帰
反射性を有する材料が好適に用いられる。この反射シー
ト30は、図3(a)および(b)に示すように反射性の
材料からなる反射膜31の上にガラスビーズ32を含む膠着
剤の層33を形成し、その上を透明プラスチックフィルム
34で覆った構造を有し、反射膜31の反対側には基材へ貼
付するための接着剤層35とセパレータ36が設けられてい
る。ガラスビーズ32を含む層の違いによって、ガラスビ
ーズ32をプラスチックの中に封入している封入レンズ型
反射シート(a)と、シート内部に空気層38を設け、空
気層38の中にガラスビーズ32を露出させたカプセルレン
ズ型反射シート(b)とがあり、本発明の標示板ではそ
のどちらを採用してもよい。
【0042】反射シート30の透明プラスチックフィルム
34には、静電記録材料と接着するための第2の接着剤層
37が形成されていることが好ましい。接着剤としてはア
クリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリ
コーン系樹脂等からなる常温で粘着性を示す透明粘着剤
(感圧接着剤)或いは常温では粘着性を示さず、熱ラミ
ネートによって接着できる感熱型接着剤を用いることが
できる。感熱型接着剤としては、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルエーテル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性アクリ
ル樹脂、シアノアクリレート樹脂、アクリレート−酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、エチレン−アクリル
酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラスト
マー等の公知の熱溶融性樹脂が使用できる。
【0043】接着剤層37を設ける場合、その厚さは5〜1
00μm、好ましくは15〜30μm程度の範囲とする。
【0044】上述した材料を用いて標示板を作製するに
は、まず表示内容に従って作製されたレイアウト図に基
づき上述の静電記録材料の誘電層に画像を静電記録す
る。ここで、誘電層側を反射シート30に貼着する場合に
は、画像は鏡像(文字、記号等が反転した画像)とし、
支持体側を反射シート30に貼着する場合には、画像は正
像とする。静電プロッターのトナーによる印字は、その
色がJIS Z9117による色度座標の範囲の色(黄、赤、
青、緑)となるように調節することが好ましい。尚、白
色については反射シートの表面色をそのまま利用するこ
とができる。
【0045】次に記録後の静電記録材料の、例えば誘電
層13側(地カブリ防止層14が形成されているときは地カ
ブリ防止層14)を反射シート30の第2の接着剤層37に仮
接着する。その後、静電記録材料10が貼着された反射シ
ート30の裏面側の接着剤層35を下地処理後の基板20に仮
接着する。このように基板20、反射シート30および静電
記録材料10を一体化した後、真空加熱や加圧ローラなど
により本圧着し、本発明の標示板を得る。
【0046】本発明の標示板の製造方法によれば、上述
したように記録後の静電記録材料を反射シートに貼付す
るだけで文字、記号等を形成することができるので、文
字、記号等の切抜き、貼りつけといった煩雑な作業をな
くすことができ、極めて容易に作製することができる。
また静電記録材料には静電プロッターによって任意の画
像を形成することができるので多品種の製造を容易に行
うことができる。
【0047】本発明の標示板においては、静電記録材料
が反射シートの反射性、特に再帰反射性を殆ど低下させ
ることがないので、標示板の表示内容を種々の観察角度
から視認することができる。さらに標示板の最外層或い
はそれに近接する層は紫外線吸収機能が付与されている
ので、長期にわたって表示内容の変色や退色が防止され
る。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1 厚さ50μmの紫外線吸収性ポリエステルフィルム(HB-
3:帝人社製)に下記処方の導電層用塗布液をメイヤバ
ーにて乾燥厚さ1.8μmとなるように塗布、乾燥し導電
層を得た。 [導電層用塗布液] ・アクリル樹脂(固形分:40wt%) 5.0重量部 (アクリテ゛ィックA-195:大日本インキ化学工業社製) ・導電性酸化錫(固形分:30wt%) 40.0重量部 (SN100D:石原産業社製) ・メチルエチルケトン 40.0重量部 ・アノン 10.0重量部
【0049】この導電層の表面抵抗率は1.5×105(Ω/
□)であり、導電層形成後のシートの全光線透過率は8
8.5%であった。
【0050】導電層の上に、下記処方の誘電層用塗布液
をメイヤバーにて乾燥厚さ3.5μmとなるように塗布、
乾燥し誘電層を得た。 [誘電層用塗布液] ・ブチラール樹脂 7.4重量部 (エスレックBL-S:積水化学工業社製) ・水酸化アルミニウム 0.5重量部 (C-315E:住友化学社製) ・メタ変性アルコール 62.0重量部
【0051】誘電層を形成したシート全体の全光線透過
率は88.0%、ヘイズ値は7.2%であった。誘電層の上に
下記処方の地カブリ防止層用塗布液をメイヤバーにて乾
燥厚さ0.1μmとなるように塗布、乾燥し地カブリ防止
層を得た。 [地カブリ防止層用塗布液] ・アクリル樹脂(固形分:50wt%) 2.7重量部 (モビニール727:ヘキスト社製) ・水 20.0重量部 ・イソプロピルアルコール 13.0重量部
【0052】地カブリ防止層を形成したシート全体の全
光線透過率は88.2%、ヘイズ値は6.6%であった。支持
体であるポリエステルフィルムの裏面に、下記処方のUV
吸収層用塗布液をメイヤバーにて乾燥厚さ6.0μmとな
るように塗布、乾燥しUV吸収層を得た。 [UV吸収用塗布液] ・高分子UV吸収剤(固形分:30wt%) 50.0重量部 (PUVA-50MBA-30T:大塚化学社製) ・メチルエチルケトン 25.0重量部 ・アノン 25.0重量部
【0053】UV吸収層を形成したシート全体の全光線透
過率は88.6%、ヘイズ値は6.8%であった。このように
作製した静電記録シートを、静電プロッター(DCS544
2:ラスターグラフィックス社製)で鏡像の印字を行
い、印字面をカプセルレンズ型反射シート(3M社製)に
粘着層を介して貼着し、標識用シートを得た。この標識
用シートの再帰反射率を再帰反射性能測定器NS-1(スガ
試験機社製)で測定した。結果を表1に示す。
【0054】再帰反射性能測定器は、その概略を図4に
示すように、試験片(ここでは標識用シート)40に対し
入射角θで光が入射するように投光器60を配置するとと
もに、投光器60の照射軸に対し観察軸が所定の角度(観
察角α)となるように受光器50を配置したものであり、
再帰反射率Rは、試験片40に入射する光の照度Er(lu
x)と試験片40から反射されて受光器50に戻ってくる光
の照度Es(lux)から次式により求めることができ
る。
【0055】R=(Er×d2)/(Es×A) (式中、dは標識用シート40と受光器50の距離(m)、
Aは試験片の面積(m2)を表す。) この実施例では、観測角αを一定(0.2゜)とし、入射
角θを5゜、30゜、40゜と変えて、それぞれの入射角に
おける再帰反射率Rを測定した。道路標識設置基準に定
められている再帰反射率の基準値を、参考として表1に
示した。
【0056】実施例2 誘電層の処方および層の厚さだけを下記のように変え
て、その他は実施例1と同様にして静電記録シートを作
製した。 [誘電層用塗布液] ・ブチラール樹脂 11.0重量部 (エスレックBL-S:積水化学工業社製) ・アクリル樹脂顔料 1.0重量部 (MX-1000:綜研化学社製) ・メタ変性アルコール 62.0重量部
【0057】誘電層の乾燥厚さは3.3μmであった。また
誘電層を積層したシートの全光線透過率は89.5%、ヘイ
ズ値は5.7%であった。さらに地カブリ防止層およびUV
吸収層を設けたシート全体の全光線透過率は89.9%、ヘ
イズ値は5.8%であった。
【0058】このように作製した静電記録シートを、静
電プロッター(DCS5442:ラスターグラフィックス社
製)で鏡像の印字を行い、印字面をカプセルレンズ型反
射シート(3M社製)に粘着層を介して貼着し、標識用シ
ートを得た。この標識用シートの再帰反射率を再帰反射
性能測定器NS-1(スガ試験機社製)で測定した。結果を
表1に示す。
【0059】実施例3 厚さ100μmのウレタンフィルム(シルクロンMT85:日本ミラ
クトラン社製)に下記処方のUV吸収層用塗布液をメイヤ
バーにて乾燥厚さ6.0μmとなるように塗布、乾燥しUV
吸収層を得た。 [UV吸収用塗布液] ・高分子UV吸収剤(固形分:30wt%) 50.0重量部 (PUVA-50MBA-30T:大塚化学社製) ・メチルエチルケトン 25.0重量部 ・フ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテルアセテート 25.0重量部
【0060】UV吸収層の上に下記処方の導電層用塗布液
を乾燥厚さ1.2μmとなるように塗布、乾燥し導電層を
得た。 [導電層用塗布液] ・導電性塗料(固形分:20wt%) 40.0重量部 (コルコートSP2002:コルコート社製) ・水 11.0重量部 ・イソプロピルアルコール 11.0重量部
【0061】この導電層の表面抵抗率は2.3×106(Ω/
□)であった。導電層の上に、下記処方の誘電層用塗布
液をメイヤバーにて乾燥厚さ4.0μmとなるように塗
布、乾燥し誘電層を得た。 [誘電層用塗布液] ・ブチラール樹脂 7.4重量部 (エスレックBL-S:積水化学工業社製) ・炭酸カルシウム 0.5重量部 (CS-3ND:カルシード社製) ・メタ変性アルコール 62.0重量部
【0062】誘電層を形成したシート全体の全光線透過
率は88.4%、ヘイズ値は7.3%であった。このように作
製した静電記録シートを、静電プロッター(DCS5442:
ラスターグラフィックス社製)で鏡像の印字を行い、印
字面をカプセルレンズ型反射シート(3M社製)に粘着層
を介して貼着し、標識用シートを得た。この標識用シー
トの再帰反射率を再帰反射性能測定器NS-1(スガ試験機
社製)で測定した。結果を表1に示す。
【0063】比較例1 誘電層の処方および層の厚さだけを下記のように変え
て、その他は実施例1と同様にして静電記録シートを作
製した。 [誘電層用塗布液] ・ブチラール樹脂 7.4重量部 (エスレックBL-S:積水化学工業社製) ・水酸化アルミニウム 1.2重量部 (C-315E:住友化学社製) ・メタ変性アルコール 62.0重量部
【0064】誘電層の乾燥厚さは3.0μmであった。さら
に地カブリ防止層およびUV吸収層を設けたシート全体の
全光線透過率は87.1%、ヘイズ値は19.2%であった。
【0065】このように作製した静電記録シートを、静
電プロッター(DCS5442:ラスターグラフィックス社
製)で鏡像の印字を行い、印字面をカプセルレンズ型反
射シート(3M社製)に粘着層を介して貼着し、標識用シ
ートを得た。この標識用シートの再帰反射率を再帰反射
性能測定器NS-1(スガ試験機社製)で測定した。結果を
表1に示す。
【0066】
【表1】 表に示す結果からも明らかなように、本実施例の標識用
シートはすべて基準値を満たす再帰反射性を示した。一
方、誘電層の顔料の含有量が比較的多く、ヘイズ値の高
い静電記録シートで作製した標識用シートは基準値を満
たすことができなかった。
【0067】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発
明の静電記録材料は、実質的に透明であって反射シート
に貼着したときにも、その再帰反射性を損うことがない
ので、道路標識等の標示板として最適である。また本発
明の標示板およびその製造方法によれば、本発明の静電
記録材料を利用することにより反射シートの再帰反射性
を損うことのなく容易に標示板を作製することができ、
多品種の標示板に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明の静電記
録材料の実施例を示す図。
【図2】本発明の標示板の概略を示すで、(a)は斜視
図、(b)は断面図。
【図3】本発明の標示板に使用される反射シートの概略
断面を示す図で、(a)は封入レンズ型反射シートを、
(b)はカプセルレンズ型反射シートを示す。
【図4】標示板の再帰反射率の測定方法を説明する図。
【符号の説明】
10・・・・・・静電記録材料 11・・・・・・支持体 12・・・・・・導電層 13・・・・・・誘電層 15・・・・・・紫外線吸収層 20・・・・・・基板 30・・・・・・反射シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D064 BA01 CA03 CA04 CA05 DA05 DA06 EA02 EA03 EB22 EB26 HA12 JA01 2H068 GA04 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に透明なプラスチックフィルムから
    成る支持体と、前記支持体上に形成された導電層と、そ
    の上に形成された誘電層とを備えた静電記録材料であっ
    て、静電記録材料の全光線透過率が86%以上、ヘイズ値
    が15%以下であって且つ前記誘電層は0.5〜12重量%の
    顔料を含有することを特徴とする静電記録材料。
  2. 【請求項2】前記支持体、導電層および誘電層のうちの
    少なくとも1層又はこれらとは別に設けた層に、紫外線
    吸収機能が付与されていることを特徴とする請求項1記
    載の静電記録材料。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の静電記録材料の前記
    誘電層に、静電記録によって画像を形成するステップ
    (1)、画像が形成された静電記録材料の誘電層側を接
    着剤を介して反射シートの反射面に貼付するステップ
    (2)および前記反射シートを基材に貼付するステップ
    (3)からなる標示板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ステップ(2)を、ステップ(3)に
    先立って行なうことを特徴とする請求項3記載の標示板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の方法によって製造さ
    れた標示板。
JP11075986A 1999-03-19 1999-03-19 静電記録材料及びそれを用いた標示板の製造方法 Pending JP2000267307A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103308456A (zh) * 2012-03-14 2013-09-18 富士电机株式会社 电子照相光电导体测试方法及其制备方法

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