JP2000266669A - 濃度測定装置 - Google Patents

濃度測定装置

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JP2000266669A
JP2000266669A JP7577799A JP7577799A JP2000266669A JP 2000266669 A JP2000266669 A JP 2000266669A JP 7577799 A JP7577799 A JP 7577799A JP 7577799 A JP7577799 A JP 7577799A JP 2000266669 A JP2000266669 A JP 2000266669A
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light
light receiving
receiving unit
unit
calculating
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JP7577799A
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English (en)
Inventor
Susumu Suzuki
進 鈴木
Mitsuaki Nishizawa
充哲 西沢
Sumio Takasaki
住男 高崎
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱吸収体内部の特定成分の絶対濃度等を測
定することができる濃度測定装置を提供する。 【解決手段】 プローブ15のホトダイオード20によ
り検出される光に基づいて空間分解分光法の原理により
光減衰率の変化率が、受光用光ファイバ21により検出
される光に基づいて強度変調分光法の原理により平均光
路長が算出される。そして、光減衰率の変化率、平均光
路長、散乱係数μs'と吸収係数μaの所定の関係より、
酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、総ヘモグ
ロビン等の絶対濃度が容易に算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体など散乱吸収
体内部の特定成分の濃度等の情報を光により非侵襲的に
測定する濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体などの散乱吸収体内部の情報を測定
する装置としては、例えば特開平7−255709号公
報に開示されているものが知られている。この装置は、
空間分解分光法の原理を利用して、光入射部からの距離
方向に対する光減衰率の変化率を測定し、光減衰率の変
化率と光吸収係数との所定の関係により、散乱吸収体内
部の特定成分の相対濃度等を算出するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの装置
では、散乱吸収体内部における特定成分の相対濃度や時
間変化等の相対的な情報しか算出することができなかっ
たため、例えば医療現場において、術中・術後の呼吸管
理等を精密かつ適切に行うためには本装置からの情報で
は必ずしも十分ではなかった。
【0004】そこで本発明は、散乱吸収体内部の特定成
分の絶対濃度等を測定することができる濃度測定装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、空間分解分光法の原理と平均光路長と
の関係に注目し、本発明を完成させた。即ち、本発明に
かかる濃度測定装置は、複数の波長の光を発する光源
と、複数の波長の光を強度変調するための発振器と、強
度変調された複数の波長の光を散乱吸収体に入射させる
光入射部と、所定間隔を隔てて並置され、その並び方向
に光入射部が位置するように設けられる複数の光検出器
からなる第1の受光部と、第1の受光部において検出さ
れる光に基づいて光入射部からの距離方向に対する光減
衰率の変化率を算出する第1の算出手段と、光入射部と
第1の受光部とが存在する同一平面上であって、第1の
受光部の近傍に設けられる光検出器からなる第2の受光
部と、第2の受光部において検出される光に基づいて散
乱吸収体内部を拡散伝搬する光の平均光路長を算出する
第2の算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】かかる構造としたことにより、第1の受光
部により検出される光に基づいて空間分解分光法の原理
により光減衰率の変化率が算出され、第2の受光部によ
り検出される光に基づいて強度変調分光法の原理により
平均光路長が算出され、これらの値と散乱係数と吸収係
数の所定の関係より、散乱吸収体内部の特定成分の絶対
濃度を容易に求めることができる。
【0007】また本発明にかかる濃度測定装置は、第2
の受光部は、光入射部からの距離が光入射部と第1の受
光部の中心とを結ぶ距離と等しくなるよう位置決めされ
ていることを特徴としてもよい。このようにすれば、第
1の受光部にある光検出器と第2の受光部にある光検出
器とで検出される光がほぼ同じ光路を取ることができ、
測定値の精度を高めることができる。
【0008】また本発明にかかる濃度測定装置は、複数
の波長の光を発する光源と、複数の波長の光を強度変調
するための発振器と、強度変調された複数の波長の光を
散乱吸収体に入射させる光入射部と、所定間隔を隔てて
並置され、その並び方向に光入射部が位置するように設
けられる複数の光検出器からなる受光部と、受光部にお
いて検出される光に基づいて光入射部からの距離方向に
対する光減衰率の変化率を算出する第1の算出手段と、
受光部を構成する複数の光検出器のうちいずれかの光検
出器によって検出される光に基づいて散乱吸収体内部を
拡散伝搬する光の平均光路長を算出する第2の算出手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0009】このようにすれば、受光部にある複数の光
検出器により検出される光に基づいて空間分解分光法の
原理により光減衰率の変化率を求めることができるばか
りでなく、そのうちいずれかの光検出器により検出され
る光に基づいて強度変調分光法の原理により平均光路長
をも求めることができるため、平均光路長を求めるため
の新たな光検出器を設ける必要がなくなり、装置構成を
単純化することができる。また、同じ光路を取った光に
より光減衰率の変化率と平均光路長の測定を行うことが
できるため、測定値の精度を高めることができる。
【0010】また本発明にかかる濃度測定装置は、光検
出器によって検出される光に基づいて平均光路長を算出
する際の誤差を補正するための補正手段を設けたことを
特徴としてもよい。このようにすれば、平均光路長の測
定値の精度を高めることができ、それに基づいて算出さ
れる特定成分の絶対濃度等の信頼性を高めることができ
る。
【0011】また本発明にかかる濃度測定装置は、光検
出器によって検出される光の検出量に基づいて散乱吸収
体内部に入射する光の照射量を制御する光照射量制御手
段を設けたことを特徴としてもよい。このようにすれ
ば、光検出器により検出される光の量を調整することが
でき、過大光量による装置の感度の劣化や損傷を防止す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。なお、同一の要素には同一の符
号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態にかかる濃度
測定装置の全体構成の概略を示している。
【0014】濃度測定装置は大きく分けて、高周波を発
する発振器10と、複数の波長の光を発する光源11
と、その光を生体に入射するための光入射部12と、生
体内を拡散伝搬した光を検出するための第1の受光部1
3及び第2の受光部14と、光入射部12と第1の受光
部13と第2の受光部14とを一体化して設けたプロー
ブ15と、光減衰率の変化率を算出する第1の算出手段
としてのパーソナルコンピュータ16(PC)と、平均光
路長を算出する第2の算出手段としてのIQ復調器17
(IQD)及びパーソナルコンピュータ16と、測定結果
を表示するディスプレイ18とで構成されている。
【0015】発振器10は、出力が正弦波で、周波数が
140MHzの高周波発振器であり、一の周波数を用いた
強度変調分光法により生体内部を拡散伝搬する光の平均
光路長を測定するために設けたものである。この周波数
は、10MHzから1GHzの間で散乱吸収体に合わせて選択
され、生体の測定では100MHzから200MHzの範囲内
で選択される。本実施形態では、電子回路部品の入手性
を考えて140MHzとした。また、この発振器10は、
周波数のドリフトが大きいと光路長の測定結果に誤差を
生じさせるので、クリスタル発振器か、またはクリスタ
ル発振器を基準周波数とした電圧制御発振器を使用する
のが望ましい。ただし、0.1度程度の精度であればク
リスタル発振器を使用する必要はない。
【0016】光源11は、波長がそれぞれλ1からλ4
異なる光を発する4個のレーザダイオード19(LD)に
より構成され、パーソナルコンピュータ16からのタイ
ミング信号に同期して発光するようになっている。この
レーザダイオード19は、シングルモード、マルチモー
ドのどちらを使用してもよい。また、それぞれの光の波
長は、700nmから950nmの間で選択する。なお、m
種類の特定成分の濃度を測定するためには、(m+1)
種類の波長の光が必要であり、本実施形態では4種類の
波長の光を使用しているので3種類の特定成分の濃度の
測定が可能となる。
【0017】プローブ15は、図2(a)の平面図及び
(b)の断面図に示すように、光入射部12と、複数の
ホトダイオード20からなる第1の受光部13と、受光
用光ファイバ21からなる第2の受光部14とから構成
され、これらが遮光用ラバー22に位置ずれしないよう
に固定されて一体化されている。光入射部12は、送光
用光ファイバー23とプリズム24とから成り、伝送さ
れる光をほぼ垂直に生体に入射する構造となっている。
第1の受光部13は、光入射部12からの距離方向に並
べられた1次元の光センサであり、3個のホトダイオー
ド20で構成されている。このホトダイオード20によ
り検出された光信号は、ケーブル9を介して装置本体へ
伝送されるようになっている。このホトダイオードの数
は2個以上必要で、数が多いほど光減衰率の変化率の測
定精度が高くなる。また、第1の受光部20の近傍に
は、位相検出用の一の受光用光ファイバ21からなる第
2の受光部14が設けられている。なお、ホトダイオー
ド20と受光用光ファイバ21とで検出される光がほぼ
同じ光路を取るようにして測定値の精度を高めるため、
光入射部12から第1の受光部13の中心までの距離r
1と、光入射部12から第2の受光部14までの距離r2
とが等しくなるように、第2の受光部14は位置決めさ
れている。
【0018】図3にこのプローブ15の使用例を示す。
本実施形態における濃度測定の主な対象は頭部であり、
臨床上酸素モニターが最も重要な部分である。プローブ
15は通常毛髪の無い額部へ粘着テープや伸縮性のバン
ド等で固定される。図示されているのは、粘着テープ6
0で固定されている状態である。
【0019】IQ復調器17は、受光用光ファイバ21に
より検出され、光電子増倍管25(PMT)から高周波ア
ンプ26(A)を経てきた信号と、発振器10からの基
準信号とを比較し、両信号の位相差を算出するための出
力信号をパーソナルコンピュータ16に送るためのもの
である。
【0020】パーソナルコンピュータ16は、本装置の
制御を司るものであり、レーザダイオード19のオン・
オフ信号を発したり、ホトダイオード20により検出さ
れる光に基づいて光減衰率の変化率を算出したり、IQ復
調器17からの信号に基づいて位相差を算出して平均光
路長を算出したり、光減衰率の変化率及び平均光路長に
基づいて特定成分の絶対濃度等を算出したり、その測定
結果をディスプレイ18に表示するための信号を発した
りするためのものである。
【0021】ディスプレイ18は、パーソナルコンピュ
ータ16からの信号に基づいて、生体内部の特定成分、
例えば酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、総
ヘモグロビン等の絶対濃度を表示するためのものであ
る。
【0022】次に、本濃度測定装置の制御動作について
説明する。
【0023】発振器10の出力は、レーザダイオード1
9を強度変調するための信号と、IQ復調器17の基準信
号の2つに分岐される。前者の信号は、高周波アンプ2
7により増幅され、RFスイッチ28(SW)に入力され
る。このRFスイッチ28は、パーソナルコンピュータ1
6から送られてくるレーザダイオード19のオン・オフ
の制御信号により動作し、その出力信号が次の加算回路
29に入力される。加算回路29では、パルスアンプ3
0(PA)により電流増幅されたレーザダイオード19の
オン・オフの制御信号に同期した矩形波状の信号と、高
周波信号との加算が行われる。この加算回路29の出力
信号によってレーザダイオード19が駆動される。
【0024】レーザダイオード19から発せられた複数
の波長の光は、送光用光ファイバ31により光入射部1
2まで送られ、生体内部に入射される。この送光用光フ
ァイバ31は、シングルモードファイバ、マルチモード
ファイバ、バンドルファイバのいずれを使用してもよ
い。なお、温度の影響やファイバ端の戻り光雑音を避け
るため、レーザダイオード19を温度制御したり、戻り
光遮断のためのアイソレータを使用したりしてもよい。
【0025】生体内部を拡散伝搬した光は、複数のホト
ダイオード20と、光電子増倍管25に光を送るための
受光用光ファイバ21とにより受光される。
【0026】ホトダイオード20により受光された光
は、積分回路32(INT)、サンプルホールド回路33
(S/H)を経てA/Dコンバータ34に入力され、順次デジ
タル信号へと変換されてパーソナルコンピュータ16に
送られる。ただし、サンプルホールドするタイミング
は、複数のホトダイオード20に対して同時に行わなけ
ればならない。
【0027】一方、受光用光ファイバ21により受光さ
れた光は、光電子増倍管25に送られる。光電子増倍管
25の出力信号は、高周波アンプ26により140MHz
の成分だけ選択的に60dB程度増幅され、IQ復調器17
に入力される。
【0028】IQ復調器17は、光電子増倍管25から高
周波アンプ26を経てきた信号と発振器10からの基準
信号とをそれぞれRF端子とLO端子に入力し、互いに直交
する成分、IとQに分解する。この2つの信号を積分回路
35(INT)、サンプルホールド回路36(S/H)を経て
A/Dコンバータ37に入力する。ここで順次デジタル変
換されパーソナルコンピュータ16に送られる。ただ
し、サンプルホールドするタイミングは、ホトダイオー
ド20の信号のサンプルホールドと同時に行わなければ
ならない。
【0029】パーソナルコンピュータ16では、IとQの
信号から次の(1)式を使って位相差θが算出され、続
いて(2)式を使って平均光路長Lが算出される。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】 ここで、vは生体内部での光速、fは変調周波数である。
θは、LO端子に入力された信号を基準としたときのRF端
子の信号との位相差を示す。
【0032】また、パーソナルコンピュータ16では、
3つのホトダイオード20により検出された光に基づい
て光減衰率の変化率が算出される。
【0033】そして、次の光減衰率の変化率と平均光路
長との所定の関係より、散乱係数μ s'と吸収係数μa
算出される。
【0034】
【数3】
【0035】
【数4】 ここで、Aは光減衰率、ρは距離である。
【0036】このようにして求められた各波長λでの散
乱係数μs'と吸収係数μaにより、酸素化ヘモグロビ
ン、脱酸素化ヘモグロビン、総ヘモグロビン等の絶対濃
度が算出され、その結果がディスプレイ18に表示され
る。
【0037】図4及び図5は、これらの過程をタイムチ
ャートに示したものである。
【0038】パーソナルコンピュータ16からのタイミ
ング信号に同期して、4つのレーザダイオード19は図
4(a)から(d)に示すように発光する。λ4の波長の
光が発光された後、同じ時間だけダーク補正用のデータ
を取得するため、すべてのレーザダイオード19がオフ
される。したがって、光入射部12からは図4(e)の
ようなパターンの光が発せられる。この光は、生体内部
を拡散伝搬し、ホトダイオード20と受光用光ファイバ
21によって受光される。
【0039】図5(f)は、ホトダイオード20の出力
を示している。1は入射部より最も近いホトダイオード
の出力で、3は最も遠いホトダイオードの出力である。
これらは、高周波の変調成分を除いて低周波成分のみを
出力したものでり、これらの値を使って光減衰率の変化
率が算出される。このとき、外来光や暗電流の影響を取
り除くために、レーザダイオード19をすべてオフとし
たときの値を各波長における信号の値から減算して計算
を行う。
【0040】図5(g)は光電子増倍管25の出力信号
を示している。ここでは、変調成分を使うので、応答周
波数が低いと信号の検出効率が著しく悪化するため、光
電子増倍管25の応答周波数が変調周波数を上回るよう
にする。
【0041】図5(g)の出力信号から高周波成分だけ
を選択的に増幅すると、図5(h)のようになる。この
信号をIQ復調器17のRF端子に入力する。一方、発振器
10の出力信号を分岐して得られた基準信号は、図5
(i)のように連続した高周波の出力信号となる。この
信号をIQ復調器17のLO端子に入力する。そして、IQ復
調器17は、図5(j)、(k)のような出力をし、これ
らの値を使って位相差θを計算した後、平均光路長が算
出される(式(1)、(2)参照)。
【0042】次に、受光用光ファイバ21によって検出
される光に基づいて平均光路長を算出する際の誤差を補
正するための補正手段について説明する。
【0043】本実施形態では、光入射部12から発せら
れる光が図6(a)のように発光していたとしても、par
asitic RF signalが存在するため、IQ復調器17の入力
(RF端子)の実際の波形は、図6(b)のようになって
いる。オフセットは、外来光や光電子増倍管25の暗電
流、DCアンプのドリフトによって発生する。また、レー
ザダイオード19がオフになっていても高周波信号が出
力されている。この様子を図7にベクトルを使って表
す。ここで、vnDCはオフセットの影響を、vnRFはparasi
tic RF signalの影響を示し、vmeasは測定値を、vsig
真値を示す。また、θmeasは測定される位相を示し、θ
sigは真の位相を示す。このように、オフセットやparas
itic RF signalにより、真の位相と異なる値を出力する
ようになってしまう。
【0044】この測定誤差を補正するために、補正手段
としてのパーソナルコンピュータ16では以下の処理を
行う。
【0045】まず、レーザーダイオード19の出力がオ
フのときの値をそれぞれの出力信号から減算する。これ
は、vnDCの補正に相当する。次に、光電子増倍管25の
高圧電源38(HV)をオフとし、レーザダイオード19
がオンとオフのときの出力信号の差をさらに減算する。
これは、vnRFの補正に相当する。これらの処理を行うこ
とにより、真値を求めることができる。
【0046】図8は、この補正を実現させるための他の
構成を示す。図1の発振器10と送光用光ファイバ31
の間において、RFスイッチ28、パルスアンプ30を取
り除き、定電流源39より一定の電流を流してレーザー
ダイオード19をCW(連続)点灯させる。また、送光用
光ファイバ31の途中にシャッタ40を配置し、オン・
オフできるようにする。このシャッタ40のオン・オフ
によって、光の出力を制御する。ただし、シャッタ40
により完全に光をカットしなければならないので、通常
はメカニカルシャッタを用いる。この構成を各レーザダ
イオード19ごとに配置する。この場合における測定値
のずれの様子を、図9にベクトルを使って表す。この構
成では、オフセット分vnのみ影響するので、シャッタ4
0がオフのときの値を測定値から減算するだけで、真値
を得ることができる。
【0047】次に、受光用光ファイバ21によって検出
される光の検出量に基づいて生体に入射される光の照射
量を制御する光照射量制御手段について説明する。
【0048】本実施形態にかかる装置では、位相検出用
に光電子増倍管25を使用しているので、過大光量は光
電子増倍管25の感度の劣化や損傷を来す。そこで、あ
る許容量を越えると光電子増倍管25に入射する光量の
平均値が定格をこえないように、図10に示すような発
光パターンを得られるように光の照射量を制御する。こ
の制御は、手動または、自動で光照射量制御手段として
のパーソナルコンピュータ16からのレーザダイオード
19のオン・オフの制御信号を調節することで行われ
る。
【0049】図10(a)は、4つのレーザダイオード
19の発光信号とオフ信号とを1グループとし、その繰
り返し周波数を変化させて光の照射量を制御するもの
で、また、図10(b)はそれぞれのレーザダイオード
19の発光時間を変化させて光の照射量を制御するもの
である。
【0050】この制御により、光電子増倍管25への光
の照射量が全体として減少するため、光電子増倍管25
に通常より強い光が入ってきても、装置の感度の劣化や
損傷をきたすことなく測定を行うことができる。特に、
この光照射量の制御は、GaAs、InGaAsの光電面を持つ光
電子増倍管に対し有効である。
【0051】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく、種々の変形が可能である。
【0052】例えば、図11に示すように、1次元のホ
トダイオードの代わりに、3つの受光用光ファイバ41
を光入射部12より距離方向に並べ、それぞれに光電子
増倍管42を接続して受光部43を構成してもよい。
【0053】本構成では、3つの受光用光ファイバ41
のうち中心に位置するものが、光減衰率の変化率及び位
相差を測定するのに利用される。この場合、図11に示
すように、真ん中の光電子増倍管42の出力を2分岐
し、ハイパスフィルタ44(HPF)で高周波成分のみを
高周波アンプ45(A)で増幅し、IQ復調器17に入力
する。一方、低周波成分は積分回路46(INT)、サン
プルホールド回路47(S/H)を経てA/Dコンバータ48
でデジタル信号へ変換される。その他の構成は、図1と
同じである。
【0054】図12はこの場合のプローブ15を示し、
光入射部12と、光入射部12より距離方向に並べられ
た三つの受光用光ファイバ41からなる受光部43とを
遮光用ラバー22に位置ずれしないように固定して構成
されている。
【0055】このようにすれば、3つの受光用光ファイ
バ41のうち中心に位置するものが、光減衰率の変化率
を測定するのに利用されるだけでなく、位相を検出する
のにも利用されるため、新たに位相検出用の光検出器を
設ける必要がなくなり、構成を単純化することができ
る。また、同じ光路を取った光により光減衰率の変化率
と平均光路長の測定を行うことができるため、測定値の
精度を高めることができる。
【0056】また、本実施形態にかかる濃度測定装置で
は、周波数の異なる2つの発振器を使ったヘテロダイン
方式によって位相検出を行ってもよい。この場合の装置
構成について図13に示す。
【0057】2つの発振器49,50は、周波数がそれ
ぞれ100MHzと100.01MHzの高周波発振器であ
り、周波数差が10kHzに固定されている。この周波数
差は、応答特性、雑音等を考慮して適当な値を選択すれ
ばよく、10kHzに限定されるものではない。それぞれ
の発振器49,50からの信号は、乗算器51に入力さ
れ、ローパスフィルタ52(LPF)を通して差周波信号
だけを位相比較するIQ復調器53のLO端子に入力され
る。また、光電子増倍管25の出力信号も同様に乗算器
54とローパスフィルタ55(LPF)で差周波信号が取
り出され、IQ復調器53のRF端子に入力される。なお、
IQ復調器53のかわりにロックインアンプを使ってもよ
い。また、乗算器としてはDBMが好んで使用されるが、I
Cを使用してもよい。その他の構成は、図1と同じであ
る。このようにすれば、位相検出における雑音レベルを
大幅に減少することができる。
【0058】以上、本実施形態にかかる濃度測定装置で
は、光減衰率の変化率のみならず、平均光路長をも測定
できるため、平均光路長、光減衰率の変化率及び散乱係
数μ s'と吸収係数μaの所定の関係より、生体内部の特
定成分の絶対濃度を求めることができる。この生体内部
の特定成分の絶対濃度は、時間分解分光法や強度変調分
光法のみを用いた装置によっても測定することができ
る。しかしながら、時間分解分光法を用いた装置では、
レーザーダイオードをピコ秒間隔で発光させたり、フォ
トカウンティングレベルでの検出を行わなければならな
いため、実用性の面で問題がある。また、強度変調分光
法のみを用いた装置では、複数の周波数での変調や高周
波での変調が必要となり、技術的に難しい。これに反し
て本実施形態にかかる装置によれば、時間分解分光法や
強度変調分光法のみを用いた装置に比較して、技術的に
容易で実用性に優れた装置を提供することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明では、空間分解分光法の原理によ
り光減衰率の変化率を測定でき、強度変調分光法の原理
により散乱吸収体内部を拡散伝搬する光の平均光路長を
測定することができるため、光減衰率の変化率、平均光
路長及び散乱係数と吸収係数の所定の関係より、散乱吸
収体内部の特定成分の絶対濃度を容易に求めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における濃度測定装置のシステムの概
略を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態における濃度測定装置に用い
られるプローブを示す(a)平面図、および(b)(a)
のA−A線断面図。
【図3】図2に示されたプローブの使用例を示す正面
図。
【図4】図1に示されたレーザダイオードの発する光の
信号を示す波形図。
【図5】図1に示されたシステムの各部における信号を
示す波形図。
【図6】IQ復調器のRF端子へ入力される理論と実際の信
号を比較した波形図。
【図7】位相検出時における測定誤差を示すベクトル
図。
【図8】位相検出時における測定誤差の補正を実現する
ための他の構成を示すブロック図。
【図9】図8の構成での位相検出時における測定誤差を
示すベクトル図。
【図10】光照射量制御手段によりレーザダイオードの
発光を制御した場合の波形図。
【図11】他の構成のプローブを用いた場合の濃度測定
装置のシステムの概略を示すブロック図。
【図12】図11の構成の濃度測定装置に用いられるプ
ローブの構成を示す平面図。
【図13】ヘテロダイン方式により位相検出を行う場合
のシステムのブロック図。
【符号の説明】
10…発振器、11…光源、12…光入射部、13…第
1の受光部、14…第2の受光部、16…パーソナルコ
ンピュータ、17…IQ復調器、19…レーザダイオー
ド、20…ホトダイオード、21…受光用光ファイバ、
41…受光用光ファイバ、43…受光部。
フロントページの続き (72)発明者 高崎 住男 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス 株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB12 EE11 GG01 GG06 JJ17 KK02 KK03 LL01 MM01 MM03 4C038 KK04 KL01 KL07 KX01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の光を発する光源と、 前記複数の波長の光を強度変調するための発振器と、 強度変調された前記複数の波長の光を散乱吸収体に入射
    させる光入射部と、 所定間隔を隔てて並置され、その並び方向に前記光入射
    部が位置するように設けられる複数の光検出器からなる
    第1の受光部と、 前記第1の受光部において検出される光に基づいて前記
    光入射部からの距離方向に対する光減衰率の変化率を算
    出する第1の算出手段と、 前記光入射部と前記第1の受光部とが存在する同一平面
    上であって、前記第1の受光部の近傍に設けられる光検
    出器からなる第2の受光部と、 前記第2の受光部において検出される光に基づいて前記
    散乱吸収体内部を拡散伝搬する光の平均光路長を算出す
    る第2の算出手段と、を備えたことを特徴とする濃度測
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の受光部は、前記光入射部から
    の距離が前記光入射部と前記第1の受光部の中心とを結
    ぶ距離と等しくなるよう位置決めされていることを特徴
    とする請求項1に記載の濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 複数の波長の光を発する光源と、 前記複数の波長の光を強度変調するための発振器と、 強度変調された前記複数の波長の光を散乱吸収体に入射
    させる光入射部と、 所定間隔を隔てて並置され、その並び方向に前記光入射
    部が位置するように設けられる複数の光検出器からなる
    受光部と、 前記受光部において検出される光に基づいて前記光入射
    部からの距離方向に対する光減衰率の変化率を算出する
    第1の算出手段と、 前記受光部を構成する複数の光検出器のうちいずれかの
    光検出器によって検出される光に基づいて前記散乱吸収
    体内部を拡散伝搬する光の平均光路長を算出する第2の
    算出手段と、を備えたことを特徴とする濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出器によって検出される光に基
    づいて前記平均光路長を算出する際の誤差を補正するた
    めの補正手段を設けたことを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれか1項に記載の濃度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記光検出器によって検出される光の検
    出量に基づいて前記散乱吸収体内部に入射する光の照射
    量を制御する光照射量制御手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の濃度測
    定装置。
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