JP2000266487A - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブに巻き着けられるフィンの亀裂を確
実に防止することのできる熱交換器を提供する。 【解決手段】 フィン２の幅方向他端側にチューブ１の
管軸方向に屈曲する屈曲部２ｂを設けることにより、曲
げ加工時の引張力に対するフィン２の幅方向他端側の強
度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種冷凍・冷蔵機
器等の冷却器として用いられる熱交換器に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の熱交換器としては、例え
ば特公昭４５−２１７２５号公報に記載されているよう
に、熱媒体流通用チューブの外周面に螺旋状の伝熱用フ
ィンを備えたものが知られている。この熱交換器を製造
する場合は、チューブの外周面に臨んで配置された案内
ローラに帯状の金属板からなるフィンを支持し、フィン
の先端側をチューブの外周面に固着した後、フィンを案
内ローラから送り出しながらチューブを回転させて管軸
方向に移動させることにより、チューブの外周面にフィ
ンを幅方向一端側がチューブに接するように間隔をおい
て螺旋状に巻き着けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記熱交換
器では直線状のフィンをチューブの外周面に沿って幅方
向に曲げながらチューブに圧着しているため、フィンの
幅方向他端側（外周側）は曲げ加工時に引張力を受け、
薄く伸びながら塑性変形する。このため、フィンの幅方
向他端側に亀裂を生じ易く、亀裂を生じた場合はフィン
の破断に至る恐れもあった。また、フィンの端面は材料
加工時にカッター等で切断されるため、切断面に多数の
微小な割れ目が形成されており、これらの割れ目が前記
亀裂を発生させ易くしている。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、チューブに巻き着け
られるフィンの亀裂を確実に防止することのできる熱交
換器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、熱媒体流通用チューブの外
周面に帯状の伝熱用フィンを幅方向一端側がチューブに
接するように螺旋状に巻き着けてなる熱交換器におい
て、前記フィンの幅方向他端側に所定方向に屈曲する屈
曲部を設けている。これにより、フィンの幅方向他端側
に所定方向に屈曲する屈曲部が設けられることから、フ
ィンの幅方向他端側における曲げ加工時の引張力に対す
る強度が向上する。

【０００６】また、請求項２では、請求項１記載の熱交
換器において、前記フィンの幅方向一端側にチューブの
外周面に沿って屈曲する屈曲部を設けている。これによ
り、請求項１の作用に加え、フィンの幅方向一端側の屈
曲部がチューブの表面に接することから、屈曲部がチュ
ーブの外周面に沿って屈曲している分だけチューブとフ
ィンとの接触面積が増加する。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２は本発明の一実施形
態を示すもので、図１は熱交換器の側面図、図２はその
要部側面断面図である。

【０００８】この熱交換器は、熱媒体流通用のチューブ
１と、チューブ１の外周面に螺旋状に巻き着けられた帯
状の伝熱用フィン２とからなり、フィン２の幅方向一端
側はチューブ１に接するようになっている。また、フィ
ン２の幅方向一端側及び他端側には、それぞれチューブ
１の管軸方向に延びる屈曲部２ａ，２ｂが設けられ、各
屈曲部２ａ，２ｂは互いに同一方向に屈曲している。

【０００９】即ち、前記熱交換器においては、フィン２
の幅方向一端側の屈曲部２ａがチューブ１の表面に接す
ることから、屈曲部２ａがチューブ１の外周面に沿って
屈曲している分だけチューブ１とフィン２との接触面積
が増加する。また、フィン２の幅方向他端側はチューブ
１の外周面に巻き着けられる際に引張力を受けるが、フ
ィン２の幅方向他端側にはチューブ１の管軸方向に屈曲
する屈曲部２ｂが形成されているため、曲げ加工時の引
張力に対する強度が向上する。

【００１０】このように、本実施形態の熱交換器によれ
ば、フィン２の幅方向他端側にチューブ１の管軸方向に
屈曲する屈曲部２ｂを設けたので、曲げ加工時の引張力
に対するフィン２の幅方向他端側の強度を向上させるこ
とができ、フィン２の端面における亀裂の発生を確実に
防止することができる。また、フィン２の幅方向一端側
にチューブ１の外周面に沿って屈曲する屈曲部２ａを設
けたので、チューブ１とフィン２との接触面積を増加さ
せることができ、伝熱効率の向上を図ることができる。

【００１１】図３及び図４は前記フィン２の加工方法を
示すもので、フィン２の屈曲部２ａ，２ｂを一対のロー
ラ３，４によって成形するようにしたものである。各ロ
ーラ３，４は図示しないモータによって回転するように
なっており、一方のローラ３は周面が軸方向に均一な円
柱状に形成され、他方のローラ４は軸方向両端部が径方
向に拡大するように形成されている（図４では各ローラ
３，４の軸方向一端側のみ図示）。

【００１２】即ち、各ローラ３，４間には、ガイド５に
よって幅方向に位置決めされた平板状のフィン２が搬送
され、図４に示すようにフィン２の幅方向両端部が各ロ
ーラ３，４に加圧されて成形される。これにより、フィ
ン２の幅方向両端部に屈曲部２ａ（２ｂ）が形成され
る。この場合、フィン２の端面には材料加工時の切断に
よる多数の微小な割れ目が形成されているが、これらの
割れ目を各ローラ３，４の加圧によって解消することも
可能である。尚、前記各ローラ３，４及びガイド５は、
チューブ１にフィン２を巻き着ける装置の一部に備えら
れる。

【００１３】前記実施形態ではフィン２の幅方向両端部
を互いに同一方向に屈曲する断面略コ字状のものを示し
たが、図５に示すようにフィンを他の形状に形成するよ
うにしてもよい。即ち、図５（ａ）に示すフィン６は幅
方向両端部に互いに反対方向に屈曲する屈曲部６ａ，６
ｂを有するものである。また、図５（ｂ）に示すフィン
７は幅方向両端部にそれぞれフィン７の厚さ方向両側に
延びる屈曲部７ａ，７ｂを形成したものである。更に、
図５（ｃ）に示すフィン８は幅方向両端部を中央側に折
り返すことによって屈曲部８ａ，８ｂを形成するように
したものである。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の熱交換
器によれば、曲げ加工時の引張力に対するフィンの強度
を向上させることができるので、フィンの幅方向の端面
における亀裂の発生を確実に防止することができる。

【００１５】また、請求項２の熱交換器によれば、請求
項１の効果に加え、チューブとフィンとの接触面積を増
加させることができるので、伝熱効率の向上を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す熱交換器の側面図

【図２】熱交換器の要部側面断面図

【図３】フィンの加工方法を示す平面図

【図４】フィンの加工方法を示す要部正面図

【図５】フィンの他の形状を示す断面図

【符号の説明】

１…チューブ、２…フィン、２ａ，２ｂ…屈曲部、６…
フィン、６ａ，６ｂ…屈曲部、７…フィン、７ａ，７ｂ
…屈曲部、８…フィン、８ａ，８ｂ…屈曲部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱媒体流通用チューブの外周面に帯状の
   伝熱用フィンを幅方向一端側がチューブに接するように
   螺旋状に巻き着けてなる熱交換器において、 前記フィンの幅方向他端側に所定方向に屈曲する屈曲部
   を設けたことを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】 前記フィンの幅方向一端側にチューブの
   外周面に沿って屈曲する屈曲部を設けたことを特徴とす
   る請求項１記載の熱交換器。