JP2000266029A - フランジ付スタッドボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、フランジ付スタッドボルトを改良し
て、スタッドボルトの回転を規制することを目的にして
いる。 【解決手段】被固定部材とスタットボルトのフランジ部
の間にスタッドボルトのフランジ部もしくは被固定部材
のいずれかと嵌合する回り止め部材を設定し、前記回り
止め部材が残りの部材とスタッドボルトの一回転未満の
動きで必ず当接する構造にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フランジ付スタッ
ドボルトに関し、スタッドボルトの回転を規制する構造
に特徴を有するフランジ付スタッドボルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に自動車部材の締結や樹脂部材等
に用いられるフランジ付スタッドボルトは、図１に示す
ように、スタッドボルト７を被固定部材８に締付け後、
固定部材４をフランジ部３にのせて使用される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ネジ穴１とネ
ジ部２の摩擦トルクより大きい外力がスタッドボルト７
に作用したとき、スタッドボルト７が緩み、スタッドボ
ルト７と一体で固定部材４が外れる恐れがある。特に、
樹脂でできた被固定部材８にスタッドボルトをセルフタ
ッピングで締付ける場合、樹脂のクリープによりネジ部
２の締結力が低下するため、金属でできた被固定部材８
に比べてスタッドボルトが緩み易くなる。また、ナット
６を緩めて固定部材４を外す場合、ネジ部５とナット６
の間に異物や錆が付着する等でネジ部５とナット６が固
着していると、ネジ部５とナット６が一体で回転してネ
ジ穴１に締付けたネジ部２が緩む恐れがある。

【０００４】固定部材４を複数箇所で固定している場合
は、ネジ部２が緩むと４個のフランジ部３の段差が大き
くなり固定部材４に応力が働き、固定部材４の破損に至
る恐れが考えられる。例えば、固定部材が自動車のエン
ジンコントロールユニットのプリント基板である場合、
基板破損による自動車の暴走の危険性がある。

【０００５】本発明は、フランジ付スタッドボルトを改
良して、スタッドボルトの回転を規制することを目的に
している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に関わるフランジ
付スタッドボルトは、破固定部材とスタッドボルトのフ
ランジ部の間にスタッドボルトのフランジ部もしくは破
固定部材のいずれかと嵌合する回り止め部材を設定し、
前記回り止め部材が残りの部材とスタッドボルトの一回
転未満の動きで必ず当接する構造にする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【０００８】図２は本発明のフランジ付スタッドボルト
を介し固定部材を被固定部材に取り付けるときに構成さ
れる部材の分解斜視図である。これら部材の組付けは、
まず、スタッドボルト７を被固定部材８に備えられたネ
ジ穴１にネジ部２をねじ込み、次にプレート９をスタッ
ドボルト７のフランジ部３の外周に嵌合し、次にフラン
ジ部３の上に固定部材４を乗せ、ナット６で前記固定部
材４を締付ける。但し、図２に記載していないワッシャ
やスプリングワッシャを使用しても良い。また、被固定
部材８が樹脂である場合、ネジ穴１は雌ネジが切られて
いない下穴でも良い。

【０００９】次に、本発明の機能を図３で説明する。

【００１０】図３は図２に示す部材を組付けた状態を断
面図で示している。図３に示す部材の組付け状態からス
タッドボルト７が回転しても前記スタッドボルト７のフ
ランジ部３に拘束されたプレート９に設けられたレバー
１１が一回転未満の動きで被固定部材８に当接しスタッ
ドボルトの回転が規制する。且つ、これら部材を組付け
た状態において、プレート９は前記被固定部材８と固定
部材４に挾まれているため前記プレート９が脱落するこ
とはない。従って、ナット６を緩めて固定部材４を外さ
ない限り、ネジ部２が緩むことはない。

【００１１】次に、図４及び図５を用いてスタッドボル
トのフランジ部の外周形状及び前記フランジ部に嵌合す
るプレートの形状を説明する。

【００１２】図４のフランジ部３ａの外周形状は３辺の
長さが少なくとも１個所異なる三角形の形状であって、
プレート９ａは前記フランジ部３ａに嵌合する形状にな
っている。図４の状態Ａではプレート９ａに設けられた
レバー１１ａが被固定部材８に設けられたストッパ１０
に干渉せず前記プレート９ａを組込むことができるが、
図４の状態Ｂではプレート９ａ組込むときにレバー１１
ａがストッパ１０に干渉し、プレート９ａを所定の位置
に組込むことができない。スタッドボルトを被固定部材
に所定の深さまで組込んだとき前記スタッドボルトの位
置は幾通りもあるため、図４の状態Ｂに示すようにプレ
ートが組込めないフランジ部の形状及びプレートの形状
であってはならない。

【００１３】図５に示すように、フランジ部３ｂの外周
形状及び前記フランジ部３ｂに嵌合する部分のプレート
９ｂの形状が正三角形の形状である場合は、図５の状態
Ｃに示すようにレバー１１ｂがストッパ１０に干渉する
が、状態Ｃから前記プレート９ｂを６０°回転させた状
態Ｄにして、前記プレート９ｂを組込むことができる。
フランジ部の外周形状、及びプレートの前記フランジ部
の外周に嵌合する部分の形状は、２ヶ所以上組合せでプ
レートがフランジ部に取付く形状である必要がある。但
し、スタッドボルトの組込み位置を管理する場合、その
必要はない。

【００１４】（その他の実施形態）図６に示す実施形態
はフランジ部３ｃ及びプレート９ｃの外周形状が正六角
形であり、前記プレート９ｃには２個のレバー１１ｃ，
１１ｄを備え、被固定部材８に備えられたストッパ１０
が前記２個のレバー１１ｃと１１ｄの間に位置するよう
に前記プレート９ｃを組込む。前記フランジ部３ｃと前
記プレート９ｃの嵌合部の形状は正六角形であるため、
スタッドボルト３ｃが回転しても最大６０°の回転角度
でレバー１１ｃは或いはレバー１１ｄを壁１１ｃに当接
させることができ、図３に示す実施形態に対し、スタッ
ドボルトの回転を小さく規制することができる。

【００１５】図７に示す実施形態はフランジ部３ｅの外
周形状が正六角形の形状で、前記フランジ部３ｅの外周
に嵌合するプレート９ｅの形状は１２角メガネレンチと
同じ形状である。この場合、フランジ部３ｅが回転して
も最大３０°の回転角度でレバー１１ｅ或いはレバー１
１ｆをストッパ１０ｃに当接させることができ、実施形
態に対し、更にスタッドボルトの回転を小さく規制する
ことができる。図８は図７に示す実施形態を分解斜視図
で示した図である。

【００１６】図９に示す実施形態はフランジ部３ｇの外
周形状が前記フランジ部３ｇの外周に突起部１３ｇが備
えられた凸鍵形状であり、プレート９ｇには前記フラン
ジ部３ｇに嵌合するような溝部１２ｇが備えられてい
る。これにより、図３に示す実施例と同じ効果を得るこ
とができる。図１０は図９に示す実施形態を分解斜視図
で示した図である。

【００１７】図１１に示す実施形態はフランジ部３ｈ及
びプレート９ｈの外周形状が正六角形であり、前記プレ
ート９ｈにレバー１１ｈを備え、前記プレート９ｈを組
付けたときに、前記レバー１１ｈが被固定部材８ｈに備
えられた２個のストッパ10ｈ及び１０ｊの間に位置する
ように取付ける。これにより、図６に示す実施例と同じ
効果が得られる。

【００１８】図１２に示す実施形態は図６に対し、レバ
ー１１ｋをプレート９ｋの外周に等間隔に配置したもの
である。前記レバー１１ｋは等間隔であるため、図６に
比べ組込み作業が簡単になる。

【００１９】図１３に示す実施形態はプレート９ｍに穴
１４ｍを設け前記穴１４ｍでストッパ１０を取り囲む構
造になっている。

【００２０】図１４に示す実施形態はプレート９ｐの外
周を取り囲む溝部１５ｐを被固定部材８ｐに設けたもの
で、前記プレート９ｐのレバー１１ｐが前記溝部１５ｐ
の側壁に当接しスタッドボルトの回転を規制する構造に
なっている。

【００２１】図１５、及び、図１５の右側面図である図
１６に示す実施形態はプレート９ｑのレバー１７が被固
定部品８ｑに設けられているリブ１６ｑに当接してスタ
ッドボルトの回転を規制する例であり、前記被固定部品
８ｑの形状を有効に活用することができる。

【００２２】図１７、及び、図１７の分解斜視図である
図１８に示す実施形態は、プレート９ｒが被固定部品８
ｒに設けた溝部２０ｒに嵌合し、フランジ３ｒに設けた
レバー１８ｒと前記プレート９ｒに設けたストッパ１９
ｒが当接してスタッドボルトの回転を規制する例であ
る。また、前記レバー１８ｒと前記ストッパ１９ｒを複
数個設け複数箇所で当接させることで当接時に発生する
力を分散でき、当接部のサイズを小さくすることができ
るので、スペースに余裕が無い場合に有効である。

【００２３】図１９に示す実施形態は回り止め部材に棒
材を用いた例である。本例では、フランジ３ｓに前記ピ
ン２１ｓが嵌合する溝部２２ｓを設けており、前記ピン
21ｓと被固定部品８ｓに設けたストッパ１０が当接し、
スタッドボルトの回転を規制している。

【００２４】

【発明の効果】本発明のフランジ付スタッドボルトによ
れば、スタッドボルトの回転を規制することができ、ス
タッドボルト及び固定部材の脱落を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の技術例を示した断面図である。

【図２】本発明における構成部材の分解斜視図である。

【図３】図２の断面図である。

【図４】本発明のフランジ付スタッドボルトの形状を説
明するのに用いる断面図である。

【図５】本発明のフランジ付スタッドボルトの形状を説
明するのに用いる断面図である。

【図６】他の実施形態を示す断面図である。

【図７】他の実施形態を示す断面図である。

【図８】図７に示す実施形態の分解斜視図である。

【図９】他の実施形態を示す断面図である。

【図１０】図９に示す実施形態の分解斜視図である。

【図１１】他の実施例を示す断面図である。

【図１２】他の実施例を示す断面図である。

【図１３】他の実施例を示す断面図である。

【図１４】他の実施例を示す断面図である。

【図１５】他の実施例を示す断面図である。

【図１６】図１５の右側面図である。

【図１７】他の実施例を示す断面図である。

【図１８】図１７に示す実施形態の分解斜視図である。

【図１９】他の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１…ネジ穴、２，５…ネジ部、３，３ａ，３ｂ，３ｃ，
３ｅ，３ｇ，３ｈ，３ｋ，３ｍ，３ｐ，３ｑ，３ｒ…フ
ランジ部、４…固定部材、６…ナット、７…スタッドボ
ルト、８，８ｈ，８ｐ，８ｑ，８ｒ…被固定部材、９，
９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｅ，９ｇ，９ｈ，９ｋ…プレー
ト、９ｍ，９ｐ，９ｑ，９ｒ，９ｓ…フランジ、１０，
１０ｈ，１０ｊ，１１ｆ，１１ｇ，１１ｈ，１１ｋ，１
１ｐ，１９ｒ…ストッパ、１１，１１ａ，１１ｂ，１１
ｃ，１１ｄ，１１ｅ，１７ｑ，１８ｒ…レバー、１２
ｇ，１５ｐ，２０ｒ，２２ｓ…溝部、１３ｇ…突起部、
１４ｍ…穴、１６ｑ…リブ、２１ｓ…ピン。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新妻 重人 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 安達 秀史 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フランジ付スタッドボルトにおいて、被固
   定部材に締付け後、スタッドボルトのフランジ部と被固
   定部材の間にスタッドボルト軸方向から装着し、固定部
   材を取付け後、軸方向への動きが規制されるスタッドボ
   ルトの回り止め部材を設定したことを特徴とするフラン
   ジ付スタッドボルト。
2. 【請求項２】請求項１において、回り止め部材がスタッ
   ドボルトのフランジ部もしくは被固定部材のいずれかと
   嵌合して一体で回転し、残りの部材とスタッドボルトの
   一回転未満の動きで必ず当接し、スタッドボルト自体の
   回転を規制するように設定したことを特徴とするフラン
   ジ付スタッドボルト。
3. 【請求項３】請求項２において、フランジ付スタッドボ
   ルトの被固定部材に対するネジ部がタッピングスクリュ
   ウであることを特徴とするスタッドボルト。
4. 【請求項４】請求項２において、被固定部材が樹脂であ
   ることを特徴とするスタッドボルト。
5. 【請求項５】請求項２において、スタッドボルト自体の
   回転を規制する部分が複数設けられたことを特徴とする
   フランジ付スタッドボルト。
6. 【請求項６】請求項２において、請求項３と請求項４の
   特徴を合わせ持つことを特徴とするスタッドボルト。