JP2000265348A - 編組機の潤滑剤供給構造 - Google Patents

編組機の潤滑剤供給構造

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JP2000265348A
JP2000265348A JP11066468A JP6646899A JP2000265348A JP 2000265348 A JP2000265348 A JP 2000265348A JP 11066468 A JP11066468 A JP 11066468A JP 6646899 A JP6646899 A JP 6646899A JP 2000265348 A JP2000265348 A JP 2000265348A
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lubricant
bobbin
hole
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JP11066468A
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Hiroshi Oda
弘 織田
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Kyoritsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の飛散や流出を招くことなく適正な潤
滑状態を保持し、稼動率を向上させることが可能な編組
機の潤滑剤供給構造を提供する。 【解決手段】 ボビン台4に貫通孔21を形成し、この
貫通孔21に、相当量の潤滑剤が含浸・保持され、か
つ、徐々に滲み出すような潤滑剤保持部材22を充填
し、所定の時間的間隔をおいて貫通孔21に潤滑剤を供
給する。また、外部から供給される潤滑剤を貫通孔21
の所定の位置に導くガイド溝を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、編組機に関し、詳
しくは、ボビン台に保持され、軌道体上を摺動してコア
の回りを回転するボビンから繰り出される線材をコアに
巻き付けることにより、線材を網目状に編むように構成
された編組機の潤滑剤供給構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の編組機の要部を示す図で
ある。図6に示すように、この編組機においては、上ボ
ビン1aを保持する上ボビン受け1、及び下ボビン2a
を保持する下ボビン受け2が、それぞれ逆方向にコア1
8の周囲を回転するとともに、下ボビン受け2(下ボビ
ン2a)から繰り出される線材11が、図6の矢印A,
Bの方向(略上下方向)に揺動し、上ボビン受け1(上
ボビン1a)をまたいで走行するレバー3を経由して繰
り出されるように構成されている。
【0003】したがって、上ボビン受け1(上ボビン1
a)から繰り出された線材12と、下ボビン受け2から
レバー3を経由して繰り出された線材11は、上下入れ
替わりながら、かつ、反対方向に回転して、中心のコア
18に対して網目状に巻き付けられることになる。な
お、上ボビン受け1を回転させるための動力伝達機構
は、線材12をかわすことができるように構成されてい
る。
【0004】また、図7にも示すように、ボビン台4
と、ボビン台4と共働して軌道体(中間軌道体)5を把
持してボビン台4を摺動可能に軌道体5上に保持させる
ボビン台保持部材(下向きラック)6とは、軌道体5の
円筒状部分5bの上端側に内側向きに突出するように設
けられた鍔部5aを把持するように取り付けられてお
り、かつ、軌道体5上を自由に摺動することができるよ
うな状態で組み立てられている。なお、上ボビン受け1
(図6)は、ボビン台4に取り付けられている。
【0005】また、図8は、ボビン台4と軌道体5の関
係を示す斜視図であって、理解を容易にするため、他の
部分は省略して示している。また、図8では、2つのボ
ビン台4だけを図示しており、他は省略している。
【0006】また、ボビン台保持部材(下向きラック)
6は、線材11がくぐり抜けることを妨げないように、
全周が一体に成形されておらず、複数個に分割形成され
ており、個々のボビン台保持部材(下向きラック)6の
周方向の長さは、中間回転体8と一体をなす軌道体5に
取り付けられた遊動ギア10に噛合可能な長さとされて
いる。
【0007】一方、上部回転体7の外周には、上向きラ
ック9が取り付けられており、中間回転体8と一体をな
す軌道体5に取り付けられた遊動ギア10と噛合してい
る。すなわち、上向きラック9と、遊動ギア10と、ボ
ビン台保持部材(下向きラック)6とは、差動歯車機構
を構成している。
【0008】また、上向きラック9は、横主軸(図示せ
ず)からの回転を、ベベルギア15及び17を経て伝達
することにより回転駆動されるように構成されている。
【0009】さらに、軌道体(中間軌道体)5は、横主
軸(図示せず)からの回転をベベルギア14とベベルギ
ア16を経て伝達することにより回転駆動されるように
構成されている。
【0010】また、ボビン台保持部材(下向きラック)
6は、上向きラック9とは逆方向に同じ回転数だけ回転
するように構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成された編組機においては、ボビン台4及びボビン
台保持部材(下向きラック)6が、軌道体5上を摺動、
回転しているので、安定した動作状態を維持するために
は、常に適正な潤滑状態を保つことが必要になる。
【0012】そこで、従来は、所定の時間的間隔をおい
て装置を停止させるか、又は極めて低速にまで減速し
て、軌道体5の摺動面に潤滑油を滴下することにより、
潤滑油を供給するようにしているが、潤滑油の滴下、供
給を頻繁に行わなければならず、装置の稼動率が低くな
るという問題点がある。
【0013】また、軌道体5とボビン台4の隙間は小さ
く、軌道体5の上面に滴下された潤滑油は、その一部が
ボビン台4との隙間に残り、その他は、軌道体5の外周
側及び内周側の給油必要箇所を経て下側に流れ落ち、あ
るいは周囲に飛び散り、製品を汚したり、機械周辺の作
業環境に悪影響を及ぼしたりするという問題点がある。
【0014】すなわち、製品を汚したり、機械周辺の作
業環境に悪影響を及ぼしたりしないように潤滑油の供給
量を減らすと、設備の寿命が著しく短くなり、また、設
備の寿命が短くなったり、稼動率が低下したりしないよ
うに、潤滑油の供給時に潤滑油の量を多くすると、潤滑
油の飛散や流出による弊害が大きくなるという問題点が
ある。
【0015】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、潤滑剤の飛散や流出を招くことなく適正な潤滑状態
を保持し、稼動率を向上させることが可能な編組機の潤
滑剤供給構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の編組機の潤滑剤供給構造は、線材を繰り出
すボビンと、ボビンを保持するボビン台と、ボビン台が
コアの回りを回転するように、その上を摺動する軌道体
と、ボビン台に取り付けられ、ボビン台と共働して軌道
体を把持し、ボビン台を摺動可能に軌道体上に保持する
ボビン台保持部材を備え、コアの回りを回転するボビン
から繰り出される線材をコアに巻き付けることにより、
線材を網目状に編む編組機の摺動部分に潤滑剤を供給す
るための構造であって、ボビン台に、軌道体の表面(摺
動面)にまで達する貫通孔を形成するとともに、該貫通
孔に、相当量の潤滑剤が含浸・保持され、徐々に滲み出
すような潤滑剤保持部材を充填し、所定の時間的間隔を
おいて、潤滑剤保持部材が充填された貫通孔に潤滑剤を
供給することにより、潤滑剤がボビン台及びボビン台保
持部材と軌道体との摺動部に継続的に供給されるように
したことを特徴としている。
【0017】ボビン台に貫通孔を形成し、この貫通孔
に、相当量の潤滑剤が含浸・保持され、徐々に滲み出す
ような潤滑剤保持部材を充填し、所定の時間的間隔をお
いて貫通孔に潤滑剤を供給することにより、潤滑剤の飛
散や流出を引き起こすことなく、潤滑剤を潤滑剤保持部
材から徐々に滲み出させて、ボビン台及びボビン台保持
部材と軌道体との摺動部に潤滑剤を継続的に供給するこ
とが可能になるとともに、潤滑剤保持部材が相当量の潤
滑剤を保持する能力を有しているため、貫通孔への潤滑
剤の供給間隔を大きくして、稼動率を向上させることが
可能になる。
【0018】すなわち、特殊電線や、医療分野における
金属線、特殊糸などの分野では、油分の付着を実質的に
皆無にすることが要求されるようになっており、これら
の分野では、潤滑油の供給量を極端に減らす必要がある
ことから、設備の寿命が著しく短くなる傾向があるが、
本発明の編組機の潤滑剤供給構造によれば、潤滑油の飛
散や流出を阻止することが可能になり、油の付着を嫌う
特殊電線や、医療分野における金属線、あるいは特殊糸
などの編組を効率よく行うことが可能になる。なお、本
発明においては、潤滑剤とは、通常のオイル(潤滑油)
はもちろん、その他の潤滑性を向上させるための種々の
薬液を含む広い概念である。
【0019】また、請求項2の編組機の潤滑剤供給構造
は、前記ボビン台の貫通孔の内周面に、潤滑剤保持部材
が軌道体との摺動面側に突出しすぎないように、内周面
に傾斜又はRが付けられ、摺動面側の開口面積が貫通孔
の他の部分の断面積よりも小さくなっていることを特徴
としている。
【0020】貫通孔の内周面に傾斜又はRを付けて、摺
動面側の開口面積を貫通孔の他の部分の断面積よりも小
さくすることにより、潤滑剤保持部材が軌道体との摺動
面側に突出しすぎて貫通孔内から脱落したりすることを
防止して、信頼性を向上させることが可能になる。
【0021】また、請求項3の編組機の潤滑剤供給構造
は、前記軌道体が、円筒状部分と、その先端部に、軸方
向に直角で、内向きに突出するように設けられた鍔部と
を備えた構造を有しているとともに、前記ボビン台と前
記ボビン台保持部材が共働して前記鍔部を上下両面側か
ら把持しており、ボビン台が少なくとも鍔部の上面と摺
動し、かつ、ボビン台保持部材が少なくとも鍔部の下面
と摺動するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0022】軌道体が、円筒状部分と、その先端部に、
軸方向に直角で、内向きに突出するように設けられた鍔
部とを備えた構造を有しており、ボビン台とボビン台保
持部材により鍔部を上下両面側から把持し、ボビン台
が、少なくとも鍔部の上面と摺動し、かつ、ボビン台保
持部材が、少なくとも鍔部の下面と摺動するように構成
された編組機に本発明を適用した場合、ボビン台を確実
に軌道体に沿って回転させることができるようになると
ともに、潤滑剤を確実に摺動部に供給して、安定した摺
動状態を確保することが可能になる。
【0023】また、請求項4の編組機の潤滑剤供給構造
は、前記ボビン台が、前記軌道体の鍔部の上面と接する
部分(上面側接触部)と、前記軌道体の円筒状部分の外
周面と接する部分(外周面側接触部)とを具備してお
り、前記貫通孔が前記上面側接触部及び前記外周面側接
触部の少なくとも一方に形成されていることを特徴とし
ている。
【0024】ボビン台が、軌道体の鍔部の上面と接する
上面側接触部と、軌道体の外周面と接する外周面側接触
部とを具備している場合においては、貫通孔を上面側接
触部及び外周面側接触部の少なくとも一方に形成するこ
とが可能である。なお、上面側接触部及び外周面側接触
部の両方に形成してもよいことはいうまでもない。
【0025】すなわち、貫通孔を上面側接触部及び外周
面側接触部の少なくとも一方に形成して、貫通孔内の潤
滑剤保持部材により保持された潤滑剤を各摺動部に行き
渡らせるようにしてもよく、また、上面側接触部及び外
周面側接触部の両方に貫通孔を設けて、さらに確実に潤
滑剤が行き渡るように構成することも可能である。
【0026】また、請求項5の編組機の潤滑剤供給構造
は、前記ボビン台には、外部から供給される潤滑剤を前
記貫通孔の所定の位置に導くガイド溝が形成されてお
り、前記ガイド溝に供給された潤滑剤が、ガイド溝を経
て貫通孔の所定の位置に供給されるように構成されてい
ることを特徴としている。
【0027】外部から供給される潤滑剤を貫通孔の所定
の位置に導くガイド溝を形成することにより、外部から
供給しやすい位置に潤滑剤を供給して、確実に貫通孔に
潤滑剤を導くことが可能になり、本発明をより実効あら
しめることが可能になる。
【0028】また、請求項6の編組機の潤滑剤供給構造
は、 前記ガイド溝として、(a)ボビン台の前記上面側接
触部と軌道体の鍔部上面との摺動部に潤滑剤が供給され
やすい位置に潤滑剤を導くためのガイド溝、(b)ボビン
台保持部材と軌道体との摺動部に潤滑剤が供給されやす
い位置に潤滑剤を導くためのガイド溝、及び(c)ボビン
台の前記外周面側接触部と軌道体の外周面との摺動部に
潤滑剤が供給されやすい位置に潤滑剤を導くためのガイ
ド溝がそれぞれ一つ以上配設されていることを特徴とし
ている。
【0029】上記(a),(b),(c)のようなガイド溝を
備えた構成とすることにより、各摺動部に確実に潤滑剤
を供給することが可能になり、本発明をさらに実効あら
しめることができる。
【0030】また、請求項7の編組機の潤滑剤供給構造
は、前記潤滑剤保持部材がフェルト、スポンジ状物質、
多孔質燒結金属、多孔質セラミックからなる群より選ば
れる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0031】本発明においては、潤滑剤保持部材とし
て、種々の材料を用いることが可能であるが、フェル
ト、スポンジ状物質、多孔質燒結金属、多孔質セラミッ
クからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いること
により、確実に相当量の潤滑剤を含浸・保持させて、徐
々に滲み出させることが可能になり、本発明を実効あら
しめることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
てその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0033】図1は本発明の一実施形態にかかる編組機
の潤滑剤供給構造を示す図である。なお、この実施形態
の編組機の全体の構成は、前述の従来例の説明で用いた
図6の編組機と同様であることから、重複を避けるた
め、その説明を省略し、本発明の特徴部分を、図1〜5
を参照しつつ、詳しく説明する。
【0034】なお、図1はボビン台、ボビン台に形成さ
れた貫通孔、軌道体(中間軌道体)、及びボビン台保持
部材(下向きラック)の位置関係などを示す断面図、図
2〜図4はボビン台に形成された貫通孔及びガイド溝の
配設態様などを示す平面図、図5はボビン台と中間軌道
体の関係を示す斜視図であって、理解を容易にするた
め、他の部分は省略して示している。また、図5では2
つのボビン台4だけを図示しており、他は省略してい
る。
【0035】この実施形態の潤滑剤供給構造を備えた編
組機においては、図1に示すように、軌道体(中間軌道
体)5は、円筒状部分5bと、その先端部に、軸方向に
直角で、内向きに突出するように設けられた鍔部5aと
を備えた構造を有している。
【0036】また、ボビン台4とボビン台保持部材(下
向きラック)6が共働して、軌道体5の鍔部5aを上下
両面側から把持しており、ボビン台4が、鍔部5aの上
面と筒状部分5bの外周面と摺動し、かつ、ボビン台保
持部材(下向きラック)6が、鍔部5aの下面と摺動す
るように構成されている。
【0037】そして、この実施形態の編組機において
は、図1に示すように、ボビン台4の、軌道体5の鍔部
5aの上面と接する部分(上面側接触部)4aと、軌道
体5の円筒状部分5bの外周面と接する部分(外周面側
接触部)4bの両方に、軌道体5の表面(摺動面)にま
で達する貫通孔21が形成されている。
【0038】また、貫通孔21の内部には、相当量の潤
滑剤(この実施形態では、潤滑油)を含浸させて保持す
ることが可能で、かつ、潤滑剤(潤滑油)を徐々に滲み
出させることが可能な潤滑剤保持部材(この実施形態で
はフェルト)22が充填されている。
【0039】なお、潤滑油保持部材(フェルト)22が
軌道体5との摺動面側に突出しすぎないように、貫通孔
21の内周面の、軌道体5との摺動面に近い位置には傾
斜23が付けられており、摺動面側の開口面積が他の部
分の断面積よりも小さくなるように構成されている。
【0040】また、上面側接触部4aには、上面側接触
部4aに形成された貫通孔21に、外部から供給される
潤滑剤(潤滑油)を導くためのガイド溝24(図2〜図
4)が形成されており、上方から潤滑剤(潤滑油)を滴
下しやすい位置に形成されたガイド溝24に潤滑剤(潤
滑油)を滴下することにより、確実に貫通孔21に潤滑
剤(潤滑油)を導くことができるように構成されてい
る。
【0041】さらに、ガイド溝24としては、図2に示
すような、ボビン台4の上面側接触部4aと軌道体5の
鍔部5aの上面との摺動部に潤滑剤(潤滑油)が供給さ
れやすい位置に潤滑剤(潤滑油)を導くためのガイド溝
24(24a)と、図3に示すような、ボビン台保持部
材(下向きラック)6と軌道体5の鍔部5aの内周面及
び下面などとの摺動部に潤滑剤(潤滑油)を供給しやす
い位置に潤滑剤(潤滑油)を導くためのガイド溝24
(24b)と、図4に示すような、ボビン台4の外周面
側接触部4bと軌道体5の円筒状部5bの外周面との摺
動部に潤滑剤(潤滑油)を供給しやすい位置に潤滑剤
(潤滑油)を導くためのガイド溝24(24c)とが形
成されている。
【0042】なお、上記各ガイド溝24a,24b,2
4cは、それぞれが一つのボビン台4に形成されている
ような態様で配設されていてもよく、また、複数のボビ
ン台4にまたがって、上記ガイド溝24a,24b,2
4cが形成されていてもよい。後者の場合にも、ボビン
台4が軌道体5上を摺動することにより、軌道体5の表
面に潤滑剤(潤滑油)が行き渡るため、十分な潤滑性を
確保することができる。なお、図5は、一つのボビン台
4にガイド溝24aを形成し、他の一つのボビン台4に
ガイド溝24bを形成した場合を示している。なお、図
5はあくまで一例であって、ガイド溝24の配設態様が
これに限られるものではないことはいうまでもない。
【0043】また、貫通孔21内への潤滑剤保持部材
(フェルト)22の充填状態によっては、ガイド溝24
により貫通孔21の所望の位置に潤滑剤(潤滑油)を導
いても、目標とする摺動部に潤滑剤(潤滑油)を供給で
きにくい場合もありうるが、そのような場合には、潤滑
剤保持部材(フェルト)の充填状態に粗密を付けるなど
の方策をとることも可能である。
【0044】上記のように構成された編組機を動作させ
る場合、まず、貫通孔21に潤滑剤(潤滑油)を供給し
ておき、貫通孔21内の潤滑剤保持部材22から潤滑剤
(潤滑油)を徐々に滲み出させながら、ボビン台4など
を回転させて線材を網目状に編む作業を行い、貫通孔2
1内の潤滑剤保持部材22に含浸、保持された潤滑剤
(潤滑油)が少なくなると、回転部の回転速度を低下さ
せ、潤滑剤(潤滑油)をガイド溝24に滴下して、潤滑
剤(潤滑油)を貫通孔21の所定の位置に供給する。こ
れにより、貫通孔21に供給された潤滑剤(潤滑油)は
一部が、毛細管現象により、各摺動面に行き渡り、他の
潤滑剤(潤滑油)は、貫通孔21内の潤滑剤保持部材2
2に含浸、保持される。
【0045】上記実施形態のように構成された潤滑剤供
給構造を備えた編組機を用いることにより、潤滑油の飛
散や流出を引き起こすことなく、潤滑油の供給ピッチを
長くして、稼動率を向上させることが可能になる。
【0046】なお、特殊電線や、医療分野における金属
線、特殊糸などの分野では、油分の付着を実質的に皆無
にすることが要求されるようになっており、これらの分
野では、潤滑油の供給量を極端に減らす必要があること
から、設備の寿命が著しく短くなる傾向があるが、本発
明の編組機の潤滑剤供給構造によれば、潤滑油の飛散や
流出を阻止する可能になり、油の付着を嫌う特殊電線
や、医療分野における金属線、あるいは特殊糸などの編
組を効率よく行うことが可能になる。
【0047】なお、上記実施形態では、竪型の編組機を
例にとって説明したが、本発明は、横型の編組機にも適
用することが可能である。
【0048】また、上記実施形態では、貫通孔21を、
ボビン台4の上面側接触部4aと、外周面側接触部4b
の両方に形成した場合について説明したが、ボビン台4
の上面側接触部4a及び外周面側接触部4bのいずれか
一方にのみ貫通孔21を形成することが可能である。な
お、その場合にも、潤滑油が毛細管現象により各摺動面
に行き渡るため、上記実施形態の場合に比べて大きな遜
色のない潤滑性を確保することが可能である。
【0049】なお、本発明は、さらにその他の点におい
ても、上記実施形態に限定されるものではなく、貫通孔
の具体的な形状や配設位置、配設個数や編組の打数(例
えば、16打、24打などすべての編組機に適用でき
る)、潤滑剤の種類、潤滑剤保持部材の種類、ガイド溝
の形状や配設態様などに関し、発明の要旨の範囲内にお
いて、種々の応用、変形を加えることができる。
【0050】
【発明の効果】上述のように、本発明(請求項1)の編
組機の潤滑剤供給構造は、ボビン台に貫通孔を形成し、
この貫通孔に、相当量の潤滑剤が含浸・保持され、徐々
に滲み出すような潤滑剤保持部材を充填し、所定の時間
的間隔をおいて貫通孔に潤滑剤を供給するようにしてい
るので、潤滑剤の飛散や流出を引き起こすことなく、潤
滑剤を潤滑剤保持部材から徐々に滲み出させて、ボビン
台及びボビン台保持部材と軌道体との摺動部に潤滑剤を
継続的に供給することが可能になるとともに、潤滑剤保
持部材が相当量の潤滑剤を保持する能力を有しているた
め、貫通孔への潤滑剤の供給間隔を大きくして、稼動率
を向上させることが可能になる。
【0051】すなわち、本発明の編組機の潤滑剤供給構
造によれば、稼動率を低下させることなく、潤滑剤の飛
散や流出を阻止して、油の付着を嫌う特殊電線や、医療
分野における金属線、特殊糸などの編組を効率よく行う
ことが可能になる。
【0052】また、請求項2の編組機の潤滑剤供給構造
のように、貫通孔の内周面に傾斜又はRを付けて、摺動
面側の開口面積を貫通孔の他の部分の断面積よりも小さ
くした場合、潤滑剤保持部材が軌道体との摺動面側に突
出しすぎて貫通孔内から脱落したりすることを防止し
て、信頼性を向上させることが可能になる。
【0053】また、請求項3の編組機の潤滑剤供給構造
のように、軌道体が、円筒状部分と、その先端部に、軸
方向に直角で、内向きに突出するように設けられた鍔部
とを備えた構造を有しており、ボビン台とボビン台保持
部材により鍔部を上下両面側から把持し、ボビン台が、
少なくとも鍔部の上面と摺動し、かつ、ボビン台保持部
材が、少なくとも鍔部の下面と摺動するように構成され
た編組機に本発明を適用した場合、ボビン台を確実に軌
道体に沿って回転させることができるようになるととも
に、潤滑剤を確実に摺動部に供給して、安定した摺動状
態を確保することが可能になり、有意義である。
【0054】また、請求項4の編組機の潤滑剤供給構造
のように、ボビン台が、軌道体の鍔部の上面と接する上
面側接触部と、軌道体の外周面と接する外周面側接触部
とを具備している場合においては、貫通孔を上面側接触
部及び外周面側接触部の少なくとも一方にのみ形成する
ことも可能である。
【0055】また、請求項5の編組機の潤滑剤供給構造
のように、外部から供給される潤滑剤を貫通孔の所定の
位置に導くガイド溝を設けた場合、外部から供給しやす
い位置に潤滑剤を供給して、確実に貫通孔に潤滑剤を導
くことが可能になり、本発明をより実効あらしめること
が可能になる。
【0056】また、請求項6の編組機の潤滑剤供給構造
のように、所望の位置に潤滑剤が供給されやすい位置に
潤滑剤を導くためのガイド溝を設けることにより、各摺
動部に確実に潤滑剤を供給することが可能になり、さら
に信頼性を向上させることが可能になる。
【0057】また、請求項7の編組機の潤滑剤供給構造
のように、潤滑剤保持部材として、フェルト、スポンジ
状物質、多孔質燒結金属、多孔質セラミックからなる群
より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、確実
に相当量の潤滑剤を含浸・保持させて、徐々に滲み出さ
せることが可能になり、本発明を実効あらしめることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる編組機の潤滑剤供
給構造を示す図であって、ボビン台、ボビン台に形成さ
れた貫通孔、軌道体(中間軌道体)、及びボビン台保持
部材(下向きラック)の位置関係など関係を示す断面図
である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる潤滑剤供給構造を
構成するボビン台に形成された貫通孔及びガイド溝の配
設態様を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる潤滑剤供給構造を
構成するボビン台に形成された貫通孔及びガイド溝の配
設態様を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる潤滑剤供給構造を
構成するボビン台に形成された貫通孔及びガイド溝の配
設態様を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる潤滑剤供給構造を
備えた編組機の、ボビン台と軌道体(中間軌道体)の関
係を示す斜視図である。
【図6】従来の編組機の要部を示す図である。
【図7】従来の編組機の、ボビン台、軌道体(中間軌道
体)、及びボビン台保持部材(下向きラック)の位置関
係などを示す断面図である。
【図8】従来の編組機の、ボビン台と中間軌道体の関係
を示す斜視図である。
【符号の説明】
4 ボビン台 4a 上面側接触部 4b 外周面側接触部 5 軌道体(中間軌道体) 5a 軌道体の鍔部 5b 軌道体の円筒状部分 6 ボビン台保持部材(下向きラック) 21 貫通孔 22 潤滑剤保持部材(フェルト) 23 傾斜 24(24a,24b,24c) ガイド溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線材を繰り出すボビンと、ボビンを保持す
    るボビン台と、ボビン台がコアの回りを回転するよう
    に、その上を摺動する軌道体と、ボビン台に取り付けら
    れ、ボビン台と共働して軌道体を把持し、ボビン台を摺
    動可能に軌道体上に保持するボビン台保持部材を備え、
    コアの回りを回転するボビンから繰り出される線材をコ
    アに巻き付けることにより、線材を網目状に編む編組機
    の摺動部分に潤滑剤を供給するための構造であって、 ボビン台に、軌道体の表面(摺動面)にまで達する貫通
    孔を形成するとともに、 該貫通孔に、相当量の潤滑剤が含浸・保持され、徐々に
    滲み出すような潤滑剤保持部材を充填し、 所定の時間的間隔をおいて、潤滑剤保持部材が充填され
    た貫通孔に潤滑剤を供給することにより、潤滑剤がボビ
    ン台及びボビン台保持部材と軌道体との摺動部に継続的
    に供給されるようにしたことを特徴とする編組機の潤滑
    剤供給構造。
  2. 【請求項2】前記ボビン台の貫通孔の内周面に、潤滑剤
    保持部材が軌道体との摺動面側に突出しすぎないよう
    に、内周面に傾斜又はRが付けられ、摺動面側の開口面
    積が貫通孔の他の部分の断面積よりも小さくなっている
    ことを特徴とする請求項1記載の編組機の潤滑剤供給構
    造。
  3. 【請求項3】前記軌道体が、円筒状部分と、その先端部
    に、軸方向に直角で、内向きに突出するように設けられ
    た鍔部とを備えた構造を有しているとともに、 前記ボビン台と前記ボビン台保持部材が共働して前記鍔
    部を上下両面側から把持しており、ボビン台が少なくと
    も鍔部の上面と摺動し、かつ、ボビン台保持部材が少な
    くとも鍔部の下面と摺動するように構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の編組機の潤滑剤供給
    構造。
  4. 【請求項4】前記ボビン台が、前記軌道体の鍔部の上面
    と接する部分(上面側接触部)と、前記軌道体の円筒状
    部分の外周面と接する部分(外周面側接触部)とを具備
    しており、 前記貫通孔が前記上面側接触部及び前記外周面側接触部
    の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請
    求項3記載の編組機の潤滑剤供給構造。
  5. 【請求項5】前記ボビン台には、外部から供給される潤
    滑剤を前記貫通孔の所定の位置に導くガイド溝が形成さ
    れており、 前記ガイド溝に供給された潤滑剤が、ガイド溝を経て貫
    通孔の所定の位置に供給されるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の編組機
    の潤滑剤供給構造。
  6. 【請求項6】 前記ガイド溝として、 (a)ボビン台の前記上面側接触部と軌道体の鍔部上面と
    の摺動部に潤滑剤が供給されやすい位置に潤滑剤を導く
    ためのガイド溝、 (b)ボビン台保持部材と軌道体との摺動部に潤滑剤が供
    給されやすい位置に潤滑剤を導くためのガイド溝、及び
    (c)ボビン台の前記外周面側接触部と軌道体の外周面と
    の摺動部に潤滑剤が供給されやすい位置に潤滑剤を導く
    ためのガイド溝がそれぞれ一つ以上配設されていること
    を特徴とする請求項5記載の編組機の潤滑剤供給構造。
  7. 【請求項7】前記潤滑剤保持部材がフェルト、スポンジ
    状物質、多孔質燒結金属、多孔質セラミックからなる群
    より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1〜請求項6のいずれかに記載の編組機の潤滑剤供
    給構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6510775B2 (en) * 2000-03-31 2003-01-28 Wolfgang Emmerich Braiding machine and method of operating same

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